三つ子の魂百までとは?「3歳までは保育園に預けない方がいい」に科学的根拠はない!

子育てをしていると「三つ子の魂百まで」という言葉をよく聞きます。

「三つ子の魂百まで」とは、どのような意味なのか、科学的根拠はあるのか保育園に入れると子どもの愛着や発達に悪影響なのか、まとめました。

記事内で挙げられている研究や調査などを詳しく知りたい方は、「参考文献」をご覧ください。

目次

「三つ子の魂百まで」とは?

「三つ子の魂百まで」とは、「幼いころにできあがった性格は、一生変わらない」という意味で使われている諺(ことわざ)です。

幼児期のころの経験が、その子の生涯を決めてしまう」という意味で使用されることが多く、「幼児期決定説」とも言います。

「三つ子の魂百まで」と類似した言葉としてよく知られているのが、「三歳児神話」。

「三歳児神話」とは、「子どもが三歳になるまでは母親が子育てに専念するべきで、そうしないと子どもの発育に悪影響がある」という考え方です。

 

「三つ子の魂百まで」と三歳児神話がママを苦しめる

以前、「子育てをやり直したい」とつぶやいたママ友がいました。

「三つ子の魂百まで」の通り、幼い頃の育て方で子どもの一生が本当に決まるとすれば、「子育てをやり直したい」と思うママの言葉も頷けます。

筆者も、「三つ子の魂百までだから、3歳まではママが見てあげて」と言われ、自分のキャリアと子育てとの間に葛藤がありました。

「1歳から保育園なんて、かわいそう」と言われて、罪悪感をもつママもいますよね。

「子育てに専念するより働きたいと思っている私は、子育て向いてないかも…」と、母親としての自信をなくしてしまうママもいます。

本当は働きたいのに子育てに専念することで、鬱(うつ)になってしまうママもいます。

 

ママが精神的に追い詰められるこれらの背景には、

「3歳までで子どもの人生が決まる」

「3歳までは母親が子育てに専念するべき」

「母親は、自分を犠牲にして無償の愛を子どもに注ぐもの」

といった固定観念が、少なからず影響しています。

では、ママたちを苦しめている「三つ子の魂百まで」や三歳児神話に科学的根拠はあるのでしょうか。

 

「三つ子の魂百まで」に科学的根拠はあるの?

結論から言うと、「三つ子の魂百まで」に科学的根拠はないそうです。

むしろ、

・3歳までの子どもの特徴(競争心、攻撃的、協調性など)は、育つ環境変化によって柔軟変化する

・3・4歳児におこなった「知的」な分野の教育効果は、7歳〜14歳でなくなる

ということがわかっています。

 

一方で、「非知的」な分野の教育効果は、長く続いたという報告もあります。

「非知的」な分野とは、年収や結婚、非行や犯罪に関わっていないかなど、学力以外をさします。

子どもの幸せを願う親として、これら「非知的」な分野の教育について気になりますよね。

3・4歳児におこなった非知的な分野の教育効果が継続したという報告を聞くと

「やっぱり幼児期に、その子の人生が決まってしまうんだ」

と落胆されるママもいらっしゃるかもしれません。

でも、非知的な教育効果が継続したのは、3・4歳児への指導の効果が継続したというよりも、

教育プログラムのなかでおこなった母親への指導の影響が強いと考えられています。

3・4歳児の教育プログラムが終わった後も、母親が指導を受けたとおりに子どもに適切な関わりを続けたため、非知的な分野においては教育効果が続いたということです。

 

人の特性は、何歳になっても柔軟に変化する「しなやかさがあります。

(だから、私たち大人も何歳になっても、変われる!!!)

大切なことは、子どもにより良い関わりができるよう努め続けることなのです。

 

とは言え、かつては「保育所に預けたら乱暴になる」とまで言われました。

保育園に預けられた子どもと、3歳までママの元で育てられた子に、本当に差はないのでしょうか?

 

「保育園に預けられた子」と「ママのもとで育てられた子」に差はあるの?

保育園に預けられた子とママのもとで育てられた子に差はない、ということも近年わかっていることです。

ドイツやオーストリア、カナダなど各国の調査でも、生後に母親と一緒に過ごした期間の長さは、子どもの将来の進学状況や労働所得などにほぼ影響しないと報告されています。

 

また、子どもの愛着についても

・子どもの愛着の対象は、ママでなくても問題はない

・数人に対して同時に愛着をもつこともある

・この時期でないと愛着が成立しないという“敏感期”はない

ということがわかっています。

 

つまり、

ママが子どもの唯一の愛着の対象だとして過度に気負う必要はありません。

ママとの愛着が成立しているかどうかに関わらず、パパや保育士、祖母などママ以外にも同時に愛着をもつこともあります

「わが子が幼い頃はいっぱいいっぱいで、ろくに愛を伝えてこなかった」というママは、今からでも遅くありません。

いつからでも、わが子に愛を伝えましょう

 

働きたいママは、罪悪感をもつ必要も、子どもを保育園に預けることによる発達を心配する必要もありません。

むしろ、保育園に預けることで子育てストレスが減りママの幸福度が上がるという調査結果もあるほどです。

世の中のママたちは、それほど子育てにいっぱいいっぱい頑張っているということ!

世の中のママたちは、どうか、自信をもってママに最も合っている選択をしましょう

保育園に預けている子どもとの関わり方

子どもたちの愛着形成や発達において大切なことは、ママと過ごす時間の長さではありません。

短時間の濃い親子のふれ合いによって、一緒にいる時間の少なさはカバーできるそうです。

一日のどの時間でもかまいませんので、お子さまとスキンシップをとり、「大好き」「生まれてきてくれてありがとう」と愛を伝える時間をもうけましょう。

 

ただし、やはりママの頑張りすぎは厳禁です!

お子さまが何人もいて、一人ひとりと濃密に過ごせないという場合は、夫や両親、ママ友などの手を借りましょう。

「土曜は長男と2人の時間をもちたい」とお願いして、

「今日は〇〇と2人で過ごせて嬉しいな。いつも忙しくて言えないけど、ママは〇〇のことが大好きだよ。いつもありがとう」

ゆっくり一人ひとりと向き合う時間をもつことで、子どもたちもママの愛を感じてくれるでしょう。

他のお子さまには、パパや祖父母との時間を楽しんでもらいましょう♪

 

まとめ

保育園に預けていようが、ママのもとで育てていようが、どちらも大切なことは同じです。

・子どもとスキンシップをとる(時間の長短よりも濃さ)

・子どもにを伝える

・子どもを受け入れ、共感する

ママが楽しい子育てライフを送られるように、根拠のない通説に振り回されずにママにとってベストな選択をしましょう♪

 

参考文献

・高橋惠子(聖心女子大学名誉教授)『子育ての知恵 幼児のための心理学』岩波新書、2019年2月20日

 

 

・山口慎太郎(東京大学経済学部・政策評価研究教育センター教授)『「家族の幸せ」の経済学 データ分析で分かった結婚、出産、子育ての真実』光文社新書、2019年7月30日

 

 

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