教員採用試験合格には、面接試験の攻略が必須!
教員採用試験の人事採用に関わったことのある方に伺った話で「有名大学出身で毎年筆記試験はほぼ満点をとってくるのに何回受けても合格しない人がいたんだ。なぜかっていうと、面接での喋りが全然ダメなんだよ」というものがありました。
教員採用試験の合否は人物試験がカギとなるということを象徴するエピソードですね。
今回は、面接の中でも「集団面接」に焦点を置いて、個人面接と集団面接の違い、集団面接で面接官は何を見ているか(評価の観点)、集団面接対策についてまとめました。
個人面接と集団面接の違い
早速、個人面接と集団面接の違いを見ていきましょう。
まずは、個人面接と集団面接がどのように実施されるか、そこから見える特色を整理しましょう。
個人面接の特色
[形態]
受験者1名、面接官2〜4名
[特色]
・受験者について深掘りすることで、教員としての資質や知識・能力があるかを見極めるもの
・面接官との会話のキャッチボールが集団面接よりも多い
・模擬授業と面接を一連の流れで行い模擬授業に関する質問もあるような自治体もある
集団面接の特色
[形態]
受験者3〜10名、面接官2〜5名
※ 一人ひとり順番に指名されて回答するパターン、ランダムに指名されて回答するパターン、面接質問に挙手で回答するパターンなど、自治体によって様々
[特色]
・志望動機や自己PR、教育観や指導方法、教育時事など、どの受験者にも回答できるような質問内容が多い
・個人面接よりも一人の受験者に与えられている時間が短い
・個人面接よりも面接官との会話のキャッチボールが少ない
・ほかの受験者が話しているのを聞く時間がある
集団面接で実際に聞かれる質問
2020年に実施された教員採用試験の集団面接で、実際にどのような質問があったのかをいくつか紹介しますので参考にしてください。
- 本県の教員を志望した理由を教えてください。
- あなたの自己PRをしてください。
- あなたの長所と短所は何ですか。
- 勉強することの意義を子供達に問われたら何と答えますか。
- 教師のやりがいは何だと考えますか。実際の経験を踏まえて教えてください。
- クラスでいじめがあった場合にどのように対処しますか。
- 子供の言語能力を育てるためにどのようなことに取り組みますか。
- 教員の不祥事についてどのように考えますか。
- どのようなことにストレスを感じますか。また、ストレスの解消法について教えてください。
このように、どの受験者でも回答できるような一般的な教育に関するテーマについて問われることが多いようです。
集団面接では、このような質問に対し「〇〇とおっしゃりましたが、そのように考えるのはなぜですか?」「実際に現場ではどのように〇〇を実践されましたか?」など深掘りする質問はないことがほとんどです。
そのため自分のことを理解してもらおうと、つい話が長くなりがちな方は要注意です。一人が長く話すということは他の受験者の話す時間を奪うことになり、他の受験者にも配慮できない人だと捉えられてしまいます。
伝えたいことを簡潔に話せるように、教育についてのテーマそれぞれに自分ならどう答えるかをしっかり準備しておきましょう。
また、常日頃から教育課題について考えを深め、ノートなどに整理しておくことも効果的な対策です。
集団面接の評価の観点
集団面接の評価の観点は自治体によって様々ですが、記されている言葉は違えど多くの自治体で共通している観点があります。
ここでは、多くの自治体の面接官が受験者を評価する際に見ている4つのポイントについてまとめました。
1:使命感・教育的情熱
- 教育公務員としての責任感や倫理観をもっているか
- 現場の子供達や教育に対して情熱を持っているか
- より良い教育のために積極的にチャレンジする意欲があるか
教育に対する使命感や情熱を多くの自治体が挙げています。
2:協調性
- 共感性をもって人と接することができるか
- 柔軟な姿勢で素直に人の話を聞けるか
- 良好な人間関係を築き連携できるか
協調性のある人物であるかどうかも受験者の発言内容や振る舞いから、多くの自治体の面接官が見ているポイントの一つです。
3:人間性
- 明るく、活力があり心身ともに健康か
- 誠実さ、堅実さ、品位などがあるか
- 謙虚に自らの課題に向き合っているか
決してラクではない学校教諭の仕事に心身ともに健康で前向きに従事してくれる人材であるか、教員として誠実に業務をこなし謙虚に成長し続けてくれる人材であるかといった点も、多くの自治体の面接官が評価しているポイントです。
4:発言内容
- 現場における指導力や判断力、対応力があるか
- 聞かれた質問を理解し、自らの考えを的確に表現しているか
受験者の発言内容から教員としての適性があるかどうかもよく見られている観点です。これまでに挙げたような受験者の人柄だけでなく、発言内容から指導力があるか、理解力や表現力があるかなども教員採用試験では見られます。
表向きのイメージ戦略だけでなく、教員としての実力を感じさせる発言内容の面にもしっかりこだわって言語化していきましょう。
集団面接対策として心がけること
これまでに見たような集団面接の特色や評価の観点を踏まえて、集団面接への対策として以下のようなことを心がけましょう!
- ほかの受験者の意見にも耳を傾ける
- 短時間・一回のターンで話したい要素を簡潔に話せる準備をする
受験者について深掘りすることで採用者を選抜するという意味合いが強い個人面接と違い、集団面接は「声や表情、姿勢などが暗く、子供と元気に関わる様子をイメージできない」「発言内容が的外れで教育的情熱も感じない」などの個人面接に駒を進めるに値しない人をふるう意味合いが強いとも言えます。
そのようなことも考慮して、以下のような点も気をつけておきましょう!
- 聞こえやすい声でハキハキ話す
- 笑顔で明るい表情で話す
- 背筋を伸ばし、手を自然に膝に置いて座る
- 聞かれてもないことをダラダラ話さない
- 面接官の質問をしっかり聞いて問われたことに的確に答える
集団面接では以上の点に気をつけて、面接で簡潔かつ的確に答えられるよう教育課題やテーマについての考えを面接ノートにまとめたり、実際に面接形式で話す練習をして場数をこなすなど、早めに対策をしておきましょう。
各自治体の実施要項で評価の観点をチェック
最後に、前年のものですが実施に評価の観点を明記している自治体の実施要項をピックアップしました。参考までに♪
- 平成31年度(30年度実施)千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考方針について
- 平成30年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験第二次選考試験選考基準
- 平成31年度(2019年度)山口県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項
熱意ある先生方が教員採用試験で合格されることを、心より応援しています!
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