「変化の激しい予測困難な時代を生き抜く力」を育む教師に必要な資質能力とは?|教員採用試験|面接|小論文

「子どもたちに、変化の激しい予測困難な時代を生き抜いていける力を身につけさせるために、教師として必要な資質能力と、そのような資質能力を身につけさせるためにどのような取り組みをしますか。」

という小論文のテーマがありました。

このようなテーマについて論文を展開する際、次の3点を明確にして書くことが大切です。

  1. 「変化の激しい予測困難な時代を生き抜いていける力」とは、どのような力か
  2. そのような力を子どもたちに身につけさせるために必要な資質能力は?また、そう考える理由や根拠は?
  3. そのような資質能力を教師が身につけるために、どのような取り組みをするか

この論文で、多くの受験者が書き落としがちなのが「①」の要素です。

ところが、この論文はそもそも①「変化の激しい予測困難な時代を生き抜いていける力」とは何かを明確にしていなければ、

そのような力を身につけさせるために教師に必要な資質能力やそれを身につけるために取り組むことも的外れな内容になります。

「子どもたちに思考力を身につけさせるために教師として必要な資質能力」

「子どもたちに表現力を身につけさせるために教師として必要な資質能力」

を問われた場合、全く同じ内容の論文を書きますか?

きっと違った内容になりますよね。

私なら、「思考力」がテーマであっても「子どもたちに身につけさせるべき思考力」とはどんな力か、また、そのような思考力がなぜ大事か、といったことも構成メモで明確にしてから、論文を展開していきます。

論文は構成メモで決まると言っても過言ではない!小論文添削をしていて、論点がズレている人のほとんどは、構成メモでしくじっています。

子ども達に身につけさせたい力を自分なりに具体的に明確にしておくことで、そのあと展開する主張も具体的かつ明確な内容になり、論点もズレにくくなります

「変化の激しい予測困難な時代を生き抜いていける力」とは?

文部科学省が公開している「2030年の社会と子供達の未来」では、少子高齢化やグローバル化、シンギュラリティなどの社会背景から、以下のようなことが子ども達に求められると書いています。

社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくこと
解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不十分(…中略)社会の加速度的な変化の中でも、社会的・職業的に自立した人間として、伝統や文化に立脚し、高い志と意欲を持って、蓄積された知識を礎としながら、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働(※4)しながら新たな価値を生み出していくこと
(出典:文部科学省「2030年の社会と子供たちの未来」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364310.htm 2021.5.22)
ピックアップすると、
  • 変化に対して受け身ではなく「主体性」がある
  • 自分の可能性を最大限に発揮して自立し、社会貢献したり幸せに生きられる
  • 伝統・文化もないがしろにしないでね
  • 高い意欲
  • 質の良い情報を取捨選択できる力
  • 課題発見能力・課題解決能力
  • 協働できる力
  • 新たな価値を生み出す創造性

といった感じかな?

これらのなかでも、あなたが最も共感する力を2〜3個ピックアップしましょう。

その際、「なぜ、それを選んだのか」というその力が重要であると考える理由をしっかりと自分なりに言語化できるようにしておきましょう。

面接などで深く追及された時に話す言葉の説得力にもつながります。

また、「2030年の社会と子供達の未来」では、学校のあり方に関して下記のように述べています。
学校の場においては、子供たち一人一人の可能性を伸ばし、新しい時代に求められる資質・能力を確実に育成していくことや、そのために求められる学校の在り方を不断に探究する文化を形成していくことが、より一層重要になる。
(出典:文部科学省「2030年の社会と子供たちの未来」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364310.htm 2021.5.22)
つまり、学校教育のあり方については模索しながら創り上げていこうということなんです。
私たち教員にとっても、どんなあり方が「正解」かなんてそれこそ明確ではないですし、国が求めている人材は、そのような先行き不透明な時代で主体的により良い学校のあり方を模索して新しい価値を創造していけるような教師なのではないかと思います。

教師に必要な資質能力

子ども達が身につけるべき力が明確になったら、「そのような力を子ども達に身につけさせる教師に必要な資質能力は何か」ということも、自ずと見えてきたのではないでしょうか?

例えば、

子ども達に「主体性」を身につけさせる教師に必要な資質能力としては

  • 子どもが自ら学びたいと思える課題を授業で設定できる専門性
  • 子どもの実現したいことを引き出すコーチングスキルがある
  • ただ指示に従わせるのではなく、子どもに考えさせる質問力

などが、ざっと考えただけでも挙げられます。

他にも

課題発見能力」や「課題解決能力」を身につけさせるために

  • 学校の行事の運営や学級運営に子どもをどんどん巻き込み、起こりうる課題とそれをどう乗り越えるかなどを自分たちで考えさせる際のチームマネジメント力
  • 子ども一人ひとりがコミュニティに貢献できる機会を設けるために、能力を見極めることができる洞察力選球眼
  • 子ども達に各々の課題意識を持たせるために社会の様々な人と繋げる場づくりのための教師の人脈・コミュニケーション力

なども考えられます。

子ども達に変化に柔軟に向き合える力を養わせるために、教師自身が柔軟性好奇心チャレンジ精神を持って新しい技術や授業にどんどんチャレンジする姿を見せることも必要かもしれません。

このように、子どもに身につけさせるべき力が明確になれば、教師として必要な資質能力も自ずと明確になってきます。

教師として必要な資質能力が明確になれば、あとはそのような資質能力を身につけるために、あなたが今後何に取り組んでいくかを具体的に考えるだけです。

このテーマについて本気で向き合っている人であれば、「どのような取り組みをするか」はすぐに挙がってくるでしょう(と面接官も考えていると思います)。

そして、ここで考えたことをただ言葉にして終わりではなく、実際に行動に移して自己研鑽し、学びや得たスキルを子ども達に還元していくことが、教師としての務めですね♪

応援しています!

面接・小論文での答え方

面接では下記のように簡潔に答えられるように考えをまとめておきましょう!

「はい。子どもたちが予測困難な時代を生き抜いていくためには、〇〇、△△、□□が必要とされると考えています。変化の激しい社会では、……が求められるからです。子どもたちにこのような力を身につけさせるために、教師として必要な資質能力は次の2つだと考えています。一つは、●●です。…(理由)…。次に▲▲です。…(理由)…。これらの資質能力を身につけるために、私は…(取り組むこと)…。」
小論文では下記のように簡潔に答えられるように考えをまとめておきましょう!
[序論]子どもたちが変化の激しい予測困難な時代を生き抜いていくために、〇〇、△△、□□が必要とされると考える。変化の激しい社会では、……が求められるからである。子どもたちにこれらの力を身につけさせるために、教師として必要な資質能力は次の3つあると考える。[本論]一つは、●●である。…(理由)…。●●を身につけるために、…(取り組むこと)…。次に▲▲である。…(理由)…。▲▲を身につけるために、…(取り組むこと)…。最後に◾️◾️である。…(理由)…。◾️◾️を身につけるために、…(取り組むこと)…。[結論]まとめ
微妙な言い回しは、都度適切な形に応用してください。
参考までに!

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