教採で求められる人物像
自治体により使われる言葉の違いはありますが、教員採用試験で求められている人物像について、どの自治体にも共通するものとして以下の点が挙げられます。
- 教員としての指導力がある人
- 協調性
- 使命感・教育的情熱
- 人間性
- 将来性
これらの評価の観点のなかでも、「将来性」とはそもそも何か。
また、面接官は受験者のどのようなところを見て「将来性」を感じるのか。
ということを考えたことはありますか?
先日、教採を受験する学生さんが
「新卒は、現場経験がないから授業のクオリティはそこまで求められないだろうし、面接で将来性を感じればいいかな〜と思ってます」
とおっしゃっていましたが、将来性を感じさせるあり方についての勝算を考えずに安易に考えているような印象を受けました。
漠然とした表現であるためわかりにくい「将来性」について、今回まとめていきたいと思います。
「将来性」とは?
面接官は、受験者のどんなところに将来性を感じるのかを考える前に、まず「将来性」とは何か、を明確にしましょう。
面接官が以下のように感じられる人が、将来性のある人であると私は考えます。
「この人は、今後も教員として学び続けて成長してくれるだろうな〜」
「この人は、採用されることがゴールではなく、現場でもっともっと頑張って、先生としてのスキルや人間性を高めてくれるのだろうな〜」
つまり、面接官が見ている「将来性」とは字の通り、「将来も、教師として絶えず成長していく素質」を表した言葉だと私は考えます。
こう考えると、将来性のない人(つまり、この人は今後も伸びる素質がないし、採用されたら成長しなくなるだろうと感じる人)よりも、将来性がある人を採用したいと考えるのは当然だとわかりますよね。
面接官は受験生のどんなところに「将来性」を感じるのか
では、面接官は受験者のどのようなところが面接で見られると、「この受験者は将来も絶えず教師として成長し続けてくれるだろう」という「将来性」を感じるのでしょうか?
面接官の立場に立てばすぐにわかります。
私が実際に面接官の気持ちになって面接指導をしていて「この人は将来性があるな」と感じるポイントは大きく、以下の2点です。
- 教育の目的やビジョンを自分の言葉で明確に語れる
- 教師力を向上するための努力を積み重ねてきている
では、詳しく解説します。
① 教育の目的やビジョンを自分の言葉で明確に語れる
「子どものこんな力を育てたい」「こんな教育がしたい」「そんな教育をすることで社会にこんなふうに貢献したい」などの教育の目的やビジョンが明確で、
そのビジョンを抱いたきっかけや、そのビジョンがなぜ必要・大切なのかなどの理由を自分の言葉ではっきりと語る受験者の言葉に納得できれば、
「この人ならできそうだ」「この人ならこの目的に向かって採用後も努力し続けてくれそうだ」と感じてしまいますよね。
これが、わざわざ志望動機を聞き、その志望動機が受験者の本心からのものなのか、その受験者のビジョンは自治体の教育にどれほどメリットがありそうかを確かめるために面接で追及する理由です。
教師としての能力だけを知りたいのであれば、実践的な場面指導と模擬授業などだけでいいはずです。
教師としての能力だけでなく、「その能力は採用後も向上するのか」「能力向上には努力も必要だが、そのような努力ができる原動力(使命感・目的意識)はあるのか」「採用後に、不祥事を起こしたり、教師としての自己研鑽をしなくなるような人ではないか」などの将来性や人間性を見極めたいわけです。
だからこそ、教員採用試験の人物試験対策として、倍率が高い場合は特に、自分自身の内面ととことん向き合い、自分の頭で考え行動し、経験や学んだことから自分の言葉で表現することが重要なのです。
② 教師力を向上するための努力を積み重ねてきている
ただし、説得力あるビジョンを明確に話せるだけでは、不十分です。
口でいくら立派なことを言っていても、
「では、あなたはそのビジョンに対してこれまでどのような自己研鑽や経験をしてきたのか」
を問われた時に、そこで話せる内容が薄ければ
「なんだ、口だけ調子のいいことを言っているだけで、実際に行動にうつさない人だな」
つまり
「採用後も、成長し続けてくれる人ではないな。将来性を感じないな」
となるわけです。
学生であれば、現場経験がないなりにそれをカバーするために何を学び考え、どのような経験を積んできたか、
講師であれば、現場の仕事をただこなすだけでなく、自身の信念や目的意識、教育的情熱をもって、子どもたちのためにどれだけ学び成長してきたか、
を感じられるような実績が必要です。
面接官は、そのようなことを確認するために、「その経験から学んだことは?得た力は?」「具体的には?」などと聞いてくるわけですね。
そのような追及によって、受験者の行動力や成長、学び続ける姿勢を感じることができたときに、「この人は今後もやってくれるな」「この人は採用後も伸びるな」と感じます。
「現場経験がないから授業はこれくらいのクオリティでいいだろう」と考える学生と、
「現場経験がないからこそ、現場に出ても子どもたちにいい授業ができるように今から勉強して指導案を作って練習しておこう!」と行動を起こしてきた学生、
どちらが合格するかは想像に難くないですよね。
試験を受ける時点での両者の実力にもかなり差がついていることでしょう。
まとめ
「自分ととことん向き合い、自分の頭で考え、行動する」
その際には、教採合格をゴールに吸えるのではなく、やはり現場の子どもたちにより良い教育を提供することをゴールに据えた思考と行動であることが不可欠です。
教員採用試験に最も有効な対策は、自身の「教育観・信念」を明確にすること、「教師力」をつけることです。
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