合格する小論文の書き方について、NG例文とOK例文を示しながらわかりやすく解説します。
小論文の練習をしていて、これで本当にいいのか例文を見ないとわからないですよね。
この記事では、前半でNG・OK例文のbefore/afterを示しながら
- NG例文では何がどうダメか
- OK例文にどう改善して作れば良いか
実演していきます!
後半では、これから小論文対策するうえでのポイントを5つ解説します!
この記事を最後まで見れば、面接官が「まさしく!なるほど!」と感じるいい小論文が書けるようになります!
今回、例として扱う小論文の問題は下記の通りです。
自分ならどのように論じていくか、考えながら解説をご覧いただければと思います。
【問題】
「学び続ける教師」とはどのような教師か。「学び続ける教師」が求められる社会的背景を踏まえながら、あなたの教師としての取り組みを具体的に述べなさい。(400字)
また、今回扱ったNG例文とOK例文は下記のpdfをダウンロードしてご覧いただければと思います!
(※1枚目がNG例文、2枚目がOK例文です。)
NG例文添削実演
NG例文の添削実演は、動画でご覧いただけるとよりわかりやすいかと思います。
音声OFFでもご覧いただけるように完全字幕にしてありますので、ぜひご覧ください!
マイナスポイント① テーマの背景を十分に理解できていない
例えば、「学び続ける教師」が求められる社会的背景を述べる際、「予測困難な時代」という背景を語るとします。
NG例文では「予測困難な時代」を、新型コロナウィルスを具体例として挙げて述べていますが、新学習指導要領が考案された時、想定されていたことは新型コロナではなく(当時は新型コロナなど確かに誰も予想してませんでしたが、w)
- グローバル化
- 少子高齢化
- 科学技術(AI、IoTなど)の急速な発展
などですね。
この辺の理解がNG例文では不十分であるため、「新学習指導要領」改訂の背景もよくわかってくれていないな〜と採点者は感じてしまいます。
マイナスポイント② 論じるべき必須事項を満たしていない
今回例に挙げた小論文の課題は、主に下記のような点を満たしながら書き進めていくことが求められています。
- 「学び続ける教師」とはどのような教師か
- 「学び続ける教師」が求められている社会的背景
- そのような背景を踏まえながら、あなたの教師としての取り組みを具体的に
ですがNG例文では、1の観点を述べられておらず、2の社会的背景の理解が不十分で、3の取り組みは「学び続ける教師として」というニュアンスがあまり出ていない書き方になっていますね。
でも実は、こういう小論文はまったく珍しくなく、書かなければいけない要素のどこかしらが欠けている論文の方がむしろ多い印象です。
このようなことを防ぐためにどうすればいいのか、後半のOK例文を作るポイントでお話しますね!
マイナスポイント③ 論じている内容が本旨とズレている
マイナスポイント②の解説でもお話したように、NG論文では教師としての取り組みを述べる際に、「学び続ける教師として」という観点から、「この人は、今求められている学び続ける姿勢があるな」と感じさせる取り組みを欠けているとは言えません。
「ICT活用でこんな授業をします!」と取り組みを書いてはいますが、「学び続ける教師として」というニュアンスをもっと出して書いていく必要があります。
でなければ、ただ大きく「教師としての取り組み」という形で論じてしまうと話が膨らみすぎ、「学び続ける教師としての取り組み」という本旨からズレていってしまいますよね!
「取り組み」を問われた時には、どのような観点からの取り組みを述べていけばいいのかを意識することが大切です。
OK例文を書くポイント
ポイント① 様々なテーマについて理解を深める
NG例文のように「予測困難な時代」の理解が不十分であるがゆえに説得力がなくなることに繋がっていることが多々あります。
他にも「主体的・対話的で深い学び」と言った時の「深い学び」とはどんな学びかといったところの理解が浅い時にも、「主体的・対話的で深い学びをどのように実践するか」というお題の小論文では、書く内容も浅くなりがちです。
小論文対策として、小論文のテーマになり得るテーマやキーワード、私たちが論じていく際に使う言葉は、まずしっかり意味調べや理解を深めておくことが必須です。
無勉強で書かれた文章は読み手はすぐにわかります。
では、小論文のテーマやキーワードへの理解をどう深めれば良いかというと、やっぱり見るべきは文部科学省が出している文書です。
もし、今回の「学び続ける教師」をテーマに論じる際に理解を深めるのであれば、文部科学省の下記の文書を参考にすると良いですね!
ポイント② 書くべき必須事項を可視化する
ポイントの2つ目は、その小論文の課題で求められている書くべき必須事項を可視化することです。
上記の構想メモの写真のように、試験当日は問題文中に直接書くべき必須事項に下線を引いて「A、B、C…」などと記号を振って、構想メモで必須事項について確実に論じることができているかをチェックすると良いですね!
そうすることで、その小論文の問題で求められている要素を書きもらすことを防げます。
ポイント③ 主軸(テーマ)に沿っているか常に確認する
ポイントの3つ目は、小論文の軸足を常に確認するということです。
論点が逸れてしまうと、内容がどれだけよくても「この論文で求めているのはそういうことじゃない」と論外になってしまうからです。
文章が長くなってくると具体例などを書いているうちにテーマから逸れたところに着地してしまうことがよくあります。
なので、構想メモをとる段階でも、実際に原稿用紙に書き起こす段階でも、その小論文のテーマ(主軸)にあった内容になっているかを常に確認しましょう!
ポイント④ 指定された文字数を必ず超える
ポイントの4つ目は、指定された字数を必ず超えることです。
以前、別の記事でもお話ししましたが、指定された字数を超えなければ、採点する土俵にすらあげてもらえていないということも実はあります。
例えば、「400字以内」という指定があれば、その8割である320字を超えることを目指して書くのが良いですね。
もし「300字以上」などと指定があれば、300字を超えることを目指しましょう!
どんなに良い内容を書いていても読まれなければ意味がないですからね!
ポイント⑤ 自分なりの時間配分を掴む
ポイントの5つ目は、自分なりの時間配分を掴むということです。
自分なりに「構想メモにこれくらい時間をかければ、このクオリティの論文を時間内に書き切れる」という感覚さえあれば、試験本番に他の人が早々にカツカツ書き進めていたとしても心乱されることなく、マイペースに良い論文を書くことができます。
そのため、小論文の練習ではWordで打ち込んで書く練習だけではなく、試験本番のように実際に時間をはかりながら紙の問題と原稿用紙に書く練習を必ずしておきましょう!
そうすることで、自信をもち落ち着いて試験本番を迎えることができ、実力を発揮できると思います!
まとめ
いかがでしたか?
実は、今回のNG例文のように、求められている要素を書き漏らしていたり、本旨からズレた内容を書いていている論文は少なくありません。
面接官が「この人は教員としての資質能力があるな」と感じる内容(具体例や取り組み、考え)を述べていくことは大前提ですが、面接官が「そうそう!まさしく!そういうことだよ!」と感じ好印象を抱く論文を書くために、今回のポイントは必ずおさえて小論文を書いてくださいね!
また、面接官があなたの教員としての資質能力を感じられるように、様々なテーマで挙げる具体例や取り組みなどを、面接ノートを作ってまとめておくことで、問題を見てすぐパッと書く内容を思い浮かび、構想メモにかける時間を減らせます。
頑張ってくださいね!
応援しています!!
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