「学校のキャリア教育で、自分の大事にしている価値観に生徒が気づけるワークも必要だよな〜」と思い、学級担任としてLHRにオリジナルの活動を取り入れていました。
今回、私が学校で実践したワークに少し手を加えたものを1つ紹介します!
キャリア教育で自分の価値観を知る必要性
学校の進路LHRでは、生徒が職業や職業へのルートを調べるワークがあります。
担任として生徒の進路指導をおこなううえで、職業を調べることと同時に、「自分の価値観を知る」ということも大切じゃないかな?と感じていました。
職業は、「自分がどう生きたいか」という幹(みき)の枝葉に過ぎないからです。
「自分はどう生きたいか」という軸や価値観を知り、その軸に従って「どんな職業選択をするか」を考える。
現場で実際にやったものに手を加えていますが、生徒が自分の価値観に気づく「自己分析ワーク」のうち1つを紹介します!
ワークの内容
以下のQ1〜Q8に答えるワークです。
たとえば、こんな感じです。
例)「自分は自分、他人は他人」「泣いている暇があったら行動しろ」「自分で決めなさい」「幸せは自分の心が決める」「同じことでも見方によって違う」という価値観の母と、「努力は自分で判断するものじゃない」、楽しい雰囲気を重視する父に育てられ、母の有言実行な姿勢や常に対等に子どもと成長する姿勢に憧れた。父からは楽しさを追求する姿勢を学んだが、論理性のない点は尊敬していなかった。
でも、実の親子じゃないのに愛を持って育ててくれた父に感謝し、「絆」に血の繋がりは関係ないことに気づいた。
例)自分とは真逆の個性を持つ姉の挫折とそれを乗り越える姿を見たこと。絶対的に正しいことや優れている個性などなく、それぞれの個性に最も適した選択をすることで才能が開花するという価値観を形成させてくれる存在が姉だったから。姉の挫折で、家族が一丸となったことで無条件に人を愛するということを実感できたから。無条件に自分の味方をしてくれる存在である家族の大切さを知ったから。この経験が、生徒の個性を受け入れ生かし、無条件に生徒を愛する教師であろうという今の自分の価値観に繋がっている。
例)母(自分軸、有言実行、成長欲求)、姉(自分とは違う才能、夢中になれるものへの没頭力、有言実行)、夫(今を楽しく生きる、献身的、私にはない才能)、〇〇さん(無条件に応援してくれること、私のやりたいことを絶対否定しないところ、器の大きさ)など
・いつでも成長しようとする姿に刺激を受けて、自分も成長できるから。
・周りに左右されずに自分の人生を生きる生き様がかっこいいから。
・自分にないものを持っているから、補い合えて、そこに喜びがあるから
・誰かの希望になれる存在が純粋にかっこいいから。自分もそうありたい。
例)人の悪いところばかりを見たり、過去の失敗を責めることばかりして、良いところや前を見ようとしない人。一緒にい過ぎると気持ちがどんよりするから。
例)伝えたいこと:「過去は変えられないが未来は変えられる」ということ。人間はいつでも変わりたい時に変われると知っていれば、物事の捉え方や行動、感情が全て変わって人生をより豊かにできるから。この前提を知っておくことが一番大事だと思う。
伝えたくないこと:「人間は変われない」ということ。こう思った瞬間、私は生きる希望を失ってしまう。完璧にはなれなくても、成長するということ自体が人間にとっての快感だから。
例)自分とは違う個性の人を尊重できる人:「一人で生きていける」は寂しいし、個性の掛け合わせでベストシナジーが生まれるから
子どもたちに希望を与えられる人:子どもたちが将来的に親になり、その子どもにまた希望を与えていく連鎖をつくれるから。誰もが否定する自分の夢を、たった一人が心から応援してくれることの偉大さを、自分自身が感じたから、自分も子供にとってのそんな存在でありたい。
例)高め合い、許し合い、補い合い、笑いあえる人間関係。家庭、職場、友人、すべてそんな関係でありたい。今の人生を楽しく生きたいから。自分が「やりたい」と思ったことを実現しあえる環境で生きたいから。
例)自分のやりたいことを即行動でき、没頭できる環境に身を置くこと。
そのために、収入源を何本か作っておくこと。
同じ目的意識をもつチームをつくる。
物事や人の武器や生かせるところを常に探す視点をもつこと。
適切に外注すること(時間の使い方)。
とにかく行動して直感的に合っていないものは早く損切りすること(時間の使い方)。
このように、自分が大事にしている価値観に気づくことによって、どんな人でありたいかや、どんな環境でいることが自分にとって幸せなライフスタイルかということが見えてきます。
そのライフスタイルを実現するために必要なことをしっかり考える。
これを、中学生や高校生のうちにしておくことも重要だと思います。
学生のうちは、自分とゆっくりじっくり向き合う時間がたくさんありますからね♪
時には、勉強なんてそっちのけで、自分について考える時間があってもいいんじゃないかな〜なんて思っています(笑)。
ワークのポイント
このワークをおこなう際、子どもたちが本当に自分について知ることができるためのポイントを最後にお話しします。
誰にも見られないよう書く
「誰かに見られる」という前提があると、「自分を良く見せたい」「こんなことを書いたら引かれる」と感じてしまいます。
自分の本音と向き合うことが一番の目的ですので、誰もいない家で書きたい子にはそれも認めてあげることが必要です。
「尊敬していない人」は、イニシャルor明記しない
「尊敬していない人」は、本人以外がわからないよう、イニシャルで書いたり、具体的な人名は文字としては書かないようにするのがbetterです。
教師がジャッジしない
生徒が自分なりに書いたことを、教師が良し悪し・優劣でジャッジしないことが大切です。
「今、この子はこう考えているんだな」と事実をとらえるだけ。
教師が見えている世界が常に「良い」「優れている」「正しい」とは限りません。
子どもたちと一緒にさまざまなライフスタイルを学ぶというスタンスを、私自身は大事にしたいな〜と考えています。
質問で深める
「もっとこうした方がいいんじゃない?」よりも、「こういう時もこれを実現できるのかな?どうすれば実現により近づくことができるかな?」と質問を投げかけて本人の考えを深めてあげたいですね!
まとめ
趣味や仕事、家庭などの理想的な時間のあり方や過ごし方を具体的にイメージできていないのに、自分に最適な労働環境や業務、パートナーなどを選ぶことは困難です。
私自身、実際に失敗しました(笑)!
とは言え、お金の問題もあります。
子どもたちが自分の本心を知ったのち、現実的にお金の問題、受験の問題などを考えるワークに発展すると、理想の実現により近づけるのではないかと考えています。
なにより現在の私が、このワークで実現真っ最中です(笑)。
特定の職業に就くことを目的とするのではなく、その職業をして「何を感じたいか」「どんな生活を送りたいか」「どんな自分でありたいか」「何を成し遂げたいか」を見据えた進路サポートによって、子どもたちの人生が豊かになればと願っています♪
このワーク、生徒に限らず大人の方も、ぜひやってみてください♪
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