こんにちは、金井志津乃です!

岐阜県って、大学3年生のうちに一次を受けられるんですよね? でも講師をしていても免除になるって聞くし、社会人特別選考もあって……自分がどのルートで受けられるのか、正直よく分からなくて。

岐阜県は特別選考が7種類、第1次選考の免除が8種類、加点が4項目。要項を読むだけで一苦労ですよね。この記事で「自分はどのルートか」「そのルートで何人受けて何人受かったか」まで一気に整理しますよ!
この記事では、岐阜県公立学校教員採用選考試験の特別選考・第1次選考の免除・加点制度について、令和9年度採用の実施要項と岐阜県教育委員会の公表データをもとに整理します。
この記事の根拠
- 要件は令和9年度採用の実施要項・「選考の概要」(岐阜県教育委員会)から。見解や助言は、私の考えとして書いています。
- ルートごとの人数は「令和9年度採用 出願状況」「令和8年度採用 実施結果」の公表値から
- 二次で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →岐阜県の個人面接|受験者6名の実録と傾向
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)
まずは全体像です。岐阜県は「選考種別(特別選考)」と「第1次選考の免除」が別建てになっているのが分かりにくいところ。両方を1枚の表にしました。
| ルート | 対象 | 第1次選考の扱い | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 大学3年生等第1次選考 | 大学・短大・専門学校の最終年次の1年前の年次 | 筆記だけ受験。合格後は翌年度に改めて出願し、同じ志願種別・教科(科目)なら一次が全免除(異なる場合は教職教養のみ免除)。 | —(当年度の採用にはつながらない) |
| 障がい者特別選考 | 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等のいずれかの交付を、受験申込日および受験当日に受けている方(小中高特)。第1次選考当日に手帳等を持参します | 一般と同じ筆記を受験(配慮あり) | 6名程度(一般選考の内数) |
| 多文化共生特別選考 | 児童生徒・保護者に文化や生活習慣の違いを説明できる程度のポルトガル語またはタガログ語の語学力(小中) | 一般と同じ筆記。二次の面接の一部を当該外国語で実施。 | 若干名(一般選考の内数) |
| 社会人特別選考 | 民間企業・官公庁等での常勤勤務経験が通算5年以上 | 小中は教科専門を免除/高特は教職教養を免除 | 小中計10名程度/高校3名程度/特支2名程度(すべて外数) |
| スペシャリスト特別選考 | 高校の英語・工業・情報。各区分に学歴等の共通条件と、資格・実績・勤務経験等による条件があるため、要項p10〜12の対象欄を確認してください。 | 第1次は書類選考。二次は論文に替えて課題作文試験。 | 各若干名(外数)。教員免許状がなくても受験可。 |
| 日本語指導者特別選考 (令和9年度採用から新設) | 一般選考の募集教科の高等学校教諭普通免許状を所有(令和9年3月31日までの取得見込を含む)し、多文化共生に理解が深く、外国につながる生徒への日本語指導に長けた方。加えて、Ⅰ登録日本語教員登録証保持・日本語教員試験(基礎及び応用)合格・日本語教育能力検定試験合格のいずれか、Ⅱ大学・大学院の日本語教育課程修了、Ⅲ同科目26単位以上修得、のいずれかを満たす方(Ⅱ・Ⅲは令和9年3月31日までの見込を含む)。 | 第1次は書類選考。二次は論文に替えて課題作文試験。 | 若干名(外数)。採用後は最初に可茂地区の高校へ配置。 |
| 地域限定(一般併願) | 郡上・恵那・飛騨地域のいずれの学校でも10年程度勤務可能な方(高校の国語/日世/数学/英語/家庭/農業、飛騨地域限定は美術、特支) | 一般と同じ試験内容 | 一般選考の内数。不合格なら一般選考で改めて選考。 |
| 小中併願 | 中学校教諭志願者で小学校教諭の普通免許状も所有 | 中学校の試験のみ受験 | 若干名(外数)。中学校で不合格の成績優秀者を小学校の名簿に登載。 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項」「選考の概要」。
「内数」は一般選考の採用予定数に含まれるもの、「外数」は別枠で採る(=一般選考の採用予定数に加算される)ものです。多文化共生特別選考と社会人特別選考には、要項に「併せて申請することはできない」との注記があります。また、これらの特別選考と第1次選考の免除を併せて申請することもできません。

ここで見落とされがちなのが「内数」と「外数」の違いです。社会人・スペシャリスト・日本語指導者・小中併願は外数=別枠。つまり一般選考の枠を減らさずに採ってくれるルートです。要件を満たすなら、迷わず申請しましょう。
大学3年生等第1次選考|令和7年度採用から始まったルート
令和7年度採用から始まった、岐阜県のいわゆる「前倒し受験」です。大学・短期大学・専門学校の最終年次の1年前の年次にいる方が対象(いずれの学校にも所属していない科目等履修生は対象外)。試験日は一般選考と同日で、第1次選考の筆記試験(教職教養・教科専門)だけを受験します。
| 志願資格 | 昭和43年4月2日以降に生まれ、令和9年度に大学等を卒業見込の方/必要な教員免許状を所持または令和10年3月31日までに取得見込 |
| 選考 | 第1次選考の筆記試験(教職教養・教科専門)の総合成績で合否判定。試験免除・加点制度は利用できません。 |
| その年の扱い | 第2次選考試験までは受験できません(=その年に採用されることはありません) |
| 翌年度の特典 | 合格すると翌年度の第1次選考試験が免除。ただし翌年度に改めて出願する必要があります。 |
| 志願種別を変える場合 | 前年と違う志願種別・教科に出願する場合も、申請すれば教職教養だけは免除されます |
| 実施しない区分 | 高等学校の音楽・美術では実施していません |
| 奨学金返還支援 | 「大学3年生等第1次選考」の志願者は、翌年度に申請できます |
令和9年度採用の試験(2026年夏実施)では、大学3年生等第1次選考に536人が出願し、521人が受験、365人が合格しました(受験者に対して約70%)。翌年度は改めて出願が必要で、同一志願種別・教科なら一次全免除、異なる場合は出願時の申請により教職教養のみ免除となります。翌年度の要項で手続きを確認してください。
| 志願種別 | 大学3年生等の出願者 | 受験者 | 第1次合格者 |
|---|---|---|---|
| 小学校教諭 | 225人 | 223人 | 193人 |
| 中学校教諭 | 156人 | 148人 | 106人 |
| 高等学校教諭 | 103人 | 100人 | 41人 |
| 特別支援学校教諭 | 26人 | 25人 | 22人 |
| 養護教諭 | 26人 | 25人 | 3人 |
| 合計 | 536人 | 521人 | 365人 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 出願状況(令和8年度実施)」。
小学校は223人受験して193人合格(約87%)と非常に高い一方、養護教諭は25人受験で3人(12%)、高校は100人受験で41人(41%)。同じ前倒しでも区分によって難度がまったく違います。

大学生の方には、3年生での受験を強くおすすめします。一次に受かれば、同じ志願種別・教科で出願する場合は4年生で二次の4科目(個人面接・プレゼンテーション面接・模擬授業・論文)に集中しやすくなるからです。岐阜県は、令和8年度採用の公表集計値で、第1次合格者数が受験者数の約73%、第2次内定者数が第1次合格者数の約47%にあたる(免除者を含む集計の比で、通過率そのものではありません)ので、二次に時間をかけられることの価値がとても大きい。しかも落ちても翌年ふつうに受験できます。受けないほうが損ですよ。
第1次選考の免除|8種類のルート
岐阜県の第1次選考は筆記のみ(教職教養20分100点+教科専門70分400点=500点)。この筆記の全部または一部が免除されるルートが8種類あります。2つ以上を併せて申請することはできませんので、いちばん有利なものを1つ選んで申請してください。
| 免除の種類 | 対象 | 免除の内容 | 必要書類 |
|---|---|---|---|
| ①前年度第1次選考試験合格者(A) | 前年度に一次合格し二次を受験した方で、出願締切日までに県内公立学校で常勤講師・養護助教諭として当年度の勤務を開始する方(小中養) | 第1次選考を全部免除(合格の翌年1回限り/同じ志願種別・教科に限る) | 申請書 |
| ①前年度第1次選考試験合格者(B) | 前年度に一次合格し二次を受験した方(小中養) | 教科専門を免除(合格の翌年1回限り/同じ志願種別・教科に限る) | 申請書 |
| ①前年度第1次選考試験合格者(高校・特支) | 前年度に一次合格し二次を受験した方 | 第1次選考を全部免除(合格の翌年1回限り/同じ志願種別・教科に限る) | 申請書 |
| ②前年度大学3年生等第1次選考試験合格者 | 前年度の大学3年生等第1次選考の合格者(全種別) | 第1次選考を全部免除/異なる志願種別・教科に出願する場合は申請により教職教養を免除 | 申請書 |
| ③他都道府県現職教諭 | 他県の国立大学法人設置校・公立学校に勤務する期限を付さない教諭・養護教諭で、令和9年3月31日現在3年以上の経験(休職・育児休業等の期間を除く) | 第1次選考を全部免除(現職と同じ種別・教科に限る) | 在職証明書(任命権者の証明) |
| ④教職大学院 | 教職大学院の修了者、または在学中で令和8年度末に修了予定の方 | 小中養は第1次選考を全部免除/高校・特支は教職教養を免除 | 修了(見込)証明書 |
| ⑤教諭経験者 | 過去に国立大学法人設置校・公立学校で期限を付さない教諭等として、出願時点で3年以上の経験(休職・育児休業等の期間を除く) | 第1次選考を全部免除(現職であった時と同じ種別・教科に限る) | 在職証明書(任命権者の証明)+勤務歴の記入 |
| ⑥継続常勤講師・継続養護助教諭 | 令和5年4月1日〜令和8年3月31日に24か月以上県内公立学校で常勤講師等(任期付採用職員・特任講師を含む)として勤務し、さらに出願締切日までに当年度の勤務を開始する方(小中養) | 第1次選考を全部免除 | 申請書 |
| ⑦前年度からの常勤講師・養護助教諭 | 前年度に1年間県内公立学校で常勤講師等として勤務し、さらに出願締切日までに当年度の勤務を開始する方 | 小中養は教科専門を免除(教職教養のみ20分)/高校・特支は教職教養を免除(教科専門のみ70分) | 申請書 |
| ⑧英語資格保有者 | 中学校教諭「英語」志願者でCEFR B2相当以上(TOEIC L&R 785点以上/TOEFL iBT 72点以上/英検準1級以上) | 教科専門を免除 | 成績等の証明書類 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項 4 試験の免除」。令和10年度採用(令和9年度実施)の予告(岐阜県の発表・令和8年8月27日)では、小学校・中学校・養護教諭について、⑥継続常勤講師・継続養護助教諭は「第1次選考の全部」から「教養試験(教職教養)の免除」へ、社会人特別選考・①前年度第1次選考試験合格者(B)・⑦前年度からの常勤講師・養護助教諭は免除範囲が「教科専門試験」から「教養試験(教職教養)」へ、⑧中学校英語の英語資格保有者は「教科専門の免除」から「筆記試験の得点への加点」へ変わると発表されています。令和10年度採用の要項(令和9年3月ごろ公表予定)で確認してください。
免除は電子申請時に「免除申請」をし、必要書類を添付しなければ認められません(後から出すことはできません)。TOEIC L&R・TOEFL iBTは令和6年4月以降に受験し公式認定証が発行されているものに限ります。
講師をしている方が知っておきたい3つのこと
- ⑥継続常勤講師・継続養護助教諭は小中養が対象で、令和5年4月1日〜令和8年3月31日の間に県内公立学校で24か月以上勤務し、出願締切日までに当年度の勤務を開始することが条件です。1日以上勤務した月を1か月と数えます。⑦前年度からの常勤講師等は、前年度1年間の県内公立学校での勤務と当年度の勤務開始が条件で、小中養は教科専門、高特は教職教養が免除されます。
- 小中養の①Aは、前年度の一次に合格して二次を受験し、同じ志願種別・教科で翌年度に出願する人が対象です。出願締切日までに県内公立学校で当年度の常勤講師・養護助教諭の勤務を開始する必要があります。前年度に「前年度第1次選考試験合格者」または「前年度大学3年生等第1次選考試験合格者」として免除された人は対象外です。
- 「前年度第1次選考試験合格者」の免除は合格の翌年1回限りです。前年に同じ前年度合格者制度で免除された人は対象外です。小中養のA区分では、前年の大学3年生等合格者として免除された人も対象外です。その他の免除制度まで一律に連続利用不可とするものではありません。
講師をしながら受験する方は、「今の勤務そのものが最大の教材」です。合格する常勤講師の共通点は、この動画にまとめています。
新卒の方と講師の方では、意識すべきポイントが違います。大学講演でその違いを整理しました。
社会人特別選考|民間・官公庁で5年以上働いた方へ
| 対象 | 必要な教員免許状を所有(令和9年3月31日までの取得見込を含む)し、令和8年3月31日時点で、法人格を有する民間企業(学校法人を除く)または官公庁(国立大学法人が設置する学校・公立学校を除く)等において常勤の職としての勤務経験が通算5年以上(休職・育児休業等の期間は除く)ある方 |
| 「常勤の職」とは | フルタイム勤務の正社員または正規職員と同等の勤務形態の職(要項の定義) |
| 免除 | 小学校・中学校の志願者は教科専門を免除/高等学校・特別支援学校の志願者は教職教養を免除 |
| 募集人員 | 小中で計10名程度/高校3名程度/特別支援2名程度(いずれも一般選考の外数) |
| 必要書類 | 「履歴等申告書」と「社会人特別選考在職証明書」(岐阜県教育委員会HPからダウンロード。同一の証明ができる書式が勤務先にあれば代用可)を電子申請時に添付 |
| 不合格だったら | 社会人特別選考で合格とならなかった場合は、「一般選考」へ出願した者として改めて選考されます(=挑戦してもマイナスにならない) |
実績を見てみましょう。令和8年度採用(2025年夏実施)の結果です。
| 区分 | 出願 | 受験 | 1次合格 | 2次内定 |
|---|---|---|---|---|
| 社会人特別選考(小中) | 12人 | 11人 | 10人 | 1人 |
| 社会人特別選考(高校) | 10人 | 9人 | 6人 | 2人 |
| 社会人特別選考(特支) | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 |
| スペシャリスト(高校英語) | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 |
| スペシャリスト(高校工業) | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 |
| スペシャリスト(高校情報) | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度 教員募集案内」掲載「令和8年度採用 実施結果(令和7年度実施)」。
参考までに令和9年度採用(2026年夏実施)は、社会人特別選考(小中)が出願9人・第1次合格9人、社会人特別選考(高校・特支)が出願4人・第1次合格2人、スペシャリストが高校英語2人・高校工業2人・高校情報1人(いずれも第1次合格)、新設の日本語指導者特別選考が出願4人・第1次合格4人でした。

正直にお伝えします。社会人特別選考は、一次は通る人が多くても、二次で絞られる傾向があります。令和8年度採用は小中で10人が一次を通って内定は1人でした。免除は「入口」であって、勝負は二次の4科目です。逆に言えば、スペシャリスト特別選考のように出願者そのものが1〜2人という枠もあります。要件を満たすなら、挑戦を検討する価値があります。
社会人・40〜50代の方へ
岐阜県の志願資格は昭和42年4月2日以降に生まれた方(令和9年度採用の場合)。年齢の上限は、広めに設定されていると私は考えています。民間から教員を目指す方が面接官に懸念されやすい3点と、その返し方はこちらの動画で。
第1次選考の加点制度|1項目20〜30点(情報資格は併用の例外あり)
岐阜県の加点は4項目。第1次選考の500点満点に対して加算されます。30点なら6%相当ですから、決して小さくありません。
| 加点項目 | 志願種別 | 対象 | 点数 |
|---|---|---|---|
| ①複数免許状所有の組み合わせ | 小学校教諭 | 中学校「数学」「理科」「英語」「保健体育」のいずれかの普通免許状/特別支援学校教諭の普通免許状/特別支援学校自立活動教諭の普通免許状 | 20点 |
| 中学校教諭 | 小学校教諭の普通免許状/申込教科以外の中学校教諭の普通免許状(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語に限る) | 30点 (令和9年度採用で20点→30点に変更) | |
| 中学校教諭 | 特別支援学校教諭/特別支援学校自立活動教諭の普通免許状 | 20点 | |
| 高校/特支 | 高校「家庭」+「福祉」/高校「情報」+情報以外の教科/(特支)中高の数学・理科、小+中、小中高いずれか+特支自立活動 の組み合わせ | 20点 | |
| ②英語に関する資格 | 小学校教諭 | CEFR B1相当以上(TOEIC L&R 550点以上/TOEFL iBT 42点以上/英検2級) | 20点 |
| 小学校教諭 | CEFR B2相当以上(TOEIC L&R 785点以上/TOEFL iBT 72点以上/英検準1級) | 25点 | |
| 高等学校「英語」 | CEFR C1相当以上(TOEIC L&R 945点以上/TOEFL iBT 95点以上/英検1級) | 30点 | |
| ③情報に関する資格 | 高等学校「情報」 | 基本情報技術者試験(FE)/応用情報技術者試験(AP)/高度試験・情報処理安全確保支援士試験のいずれか | 20点 |
| ④司書教諭に関する資格 | 小中高特 すべて | 司書教諭講習修了証書所有(取得見込を含む) | 20点 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項 6 加点」。
「③情報に関する資格」を除いて、複数項目への加点は行われません(=原則1項目のみ)。第1次選考免除者と大学3年生等第1次選考の志願者は加点の対象外です。TOEIC L&R・TOEFL iBTは令和6年4月以降に受験し公式認定証が発行されているものに限ります。免許状・司書教諭講習修了証書を取得見込で申請する場合は、関係機関に令和9年3月31日までの取得を確認し、見込証明書類を添付します。司書教諭は県指定の見込証明書を使います。

いちばん見逃されているのが④司書教諭(20点)だと思います。全校種が対象で、大学在学中に司書教諭講習を修了していれば申請できる。「取得見込」でも申請可です(見込証明書が必要)。そして中学校志願者の30点——小学校免許を持っている中学校志願者は、申請をおすすめします。令和9年度採用から20点→30点に上がった、岐阜県のいちばんの推しポイントです。
名簿に載らなかったとき|補欠者・任期付採用職員・特任講師
岐阜県には、最終合格(名簿登載)に届かなかった方に対して3段階の受け皿があります。
| 補欠者 | 名簿登載とならなかった方の中から決定されることがあり、名簿登載者に欠員が生じた場合等に補欠者を名簿登載することがあります。補欠者決定の有無は第2次選考の結果通知と併せて知らされ、名簿登載する場合は個別に通知されます。 |
| 任期付採用職員 | 名簿登載とならなかった方のうち成績優秀な方を候補者とします。育児休業を取得する職員の代替等として教壇に立ち、名簿登載期間は3年間で、任期は1年間を基本に、年度ごとの意向確認のうえ最長3年間まで更新されるとされています(任期付の案内より)。任期付採用職員の候補者名簿登載試験は令和8年9月26日・10月3日の日程でした(令和8年8月時点の公表資料。次の年度は案内で確認してください)。 |
| 特任講師 | 名簿登載とならず、任期付採用職員の候補者にもならなかった方のうち成績優秀な方を候補者とします。臨時的任用の常勤講師として任用されます。 |
| 名簿の有効期間 | 令和10年3月31日まで。大学院在学者・進学者は申請により最長で令和12年3月31日まで延長可能。 |
| 不合格者への情報提供 | 第1次・第2次とも、不合格者の中での総合ランク(A〜Eの5区分)と各種試験の得点が提供されます |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項」「令和9年度 教員募集案内」。
なお岐阜県は、この実施要項による選考のほかに他都道府県現職教諭および教諭経験者等を対象とした選考を実施する場合があるとし、詳細は令和8年8月26日を目途にホームページに掲載するとされていました(要項記載時点)。実施の有無や内容は、岐阜県教育委員会のホームページで確認してください。

ここが岐阜県の温かいところだと思います。「不合格」で終わりではなく、成績順に任期付採用職員・特任講師の候補者になる。しかも任期付採用職員は、年度ごとに本人の意向を確認したうえで最長3年間まで任期が更新されます。そして翌年、「前年度第1次選考試験合格者」+「県内で常勤講師」(小中養)の組み合わせで、令和9年度採用の要項では一次が全部免除になります。令和10年度採用の扱いは、その年度の要項で確認してください。1年で終わらせる設計ではなく、2年で仕上げる設計の県だと考えると、気持ちがずいぶん楽になりますよ。
見逃せない|奨学金返還支援制度(最大144万円)
令和6年度採用から導入された、岐阜県の制度です。小学校教諭・中学校教諭の志願者が対象で、日本学生支援機構の奨学金返還の一部を県が支援します。
| 補助金額 | 教諭として採用された時点で返還を要する額の2分の1(最大144万円) |
| 対象人数 | 40名(申請者が募集枠を超える場合は、教員採用選考試験の成績順で対象者を決定) |
| 申込 | 出願と同時。電子申請の「奨学金返還支援制度希望の有無」で「希望する」を選択(令和8年4月1日〜4月30日)。 |
| 主な条件 | ①岐阜県教育委員会に採用され勤務する教諭であること ②小学校教諭・中学校教諭の志願種別で初めて合格した者であること ③岐阜県内の高等学校の卒業者であること ④大学・短期大学(所在地は不問)への進学・卒業者であること(大学院在学者・既卒者を含む) ⑤日本学生支援機構の奨学金(第一種・第二種)を返還中または返還予定であること ⑥合格の翌年度から7年間を経過するまで岐阜県公立学校の教諭として勤務する予定であること |
| 大学3年生等の場合 | 「大学3年生等第1次選考」の志願者は翌年度に申請できます |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項 14 奨学金返還支援制度」。
あわせて岐阜県には「清流の国ぎふ大学生等奨学金」制度もあり、県外大学等に進学した方が卒業後に県内に居住し、かつ県内で一定期間教員として勤務するなどの条件を満たした場合、奨学金全額の返還が免除されるとされています(採用・勤務形態により対象とならない場合あり)。
出願と同時に申し込む必要があるのがポイントです。大学3年生等第1次選考の志願者は翌年度の申請となります。小学校・中学校教諭の志願者で、県内の高校を卒業して奨学金を返還中(返還予定を含む)の方は、電子申請の「奨学金返還支援制度希望の有無」で「希望する」を選んでください。
まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の4科目
| あなたの状況 | 使えるルート | やること |
|---|---|---|
| 大学3年生(短大・専門は最終年次の1年前) | 大学3年生等第1次選考 | とにかく受ける。合格すれば翌年は二次対策に全振りできる。 |
| 大学4年生・既卒で受験歴なし | 一般選考+加点 | 複数免許・英語資格・司書教諭のいずれかで加点申請。中学校志願+小学校免許なら30点。 |
| 前年度に一次合格して二次を受験し、同じ志願種別・教科に翌年出願。出願締切日までに県内公立学校で当年度の常勤講師・養護助教諭の勤務を開始する方(小中養。前年免除による対象外条件は本文参照) | ①前年度第1次選考試験合格者(A) | 第1次全免除。二次の4科目だけに集中する。 |
| 前年度に一次合格(講師ではない・小中養) | ①(B) | 教科専門免除(令和9年度採用の場合)。教職教養20分だけを受験。令和10年度採用は教職教養免除に変更と発表されています。 |
| 令和5年4月1日〜令和8年3月31日に県内公立学校で常勤講師等として24か月以上勤務し、出願締切日までに当年度の勤務を開始する方(小中養。養護は養護助教諭) | ⑥継続常勤講師 | 第1次全免除 |
| 県内で常勤講師1年 | ⑦前年度からの常勤講師 | 小中養は教科専門免除/高特は教職教養免除 |
| 他県の現職教諭(3年以上) | ③他都道府県現職教諭 | 第1次全免除(同じ種別・教科に限る) |
| 教職大学院の修了(見込) | ④教職大学院 | 小中養は全免除/高特は教職教養免除 |
| 民間・官公庁で5年以上 | 社会人特別選考 | 外数の別枠。小中は教科専門免除/高特は教職教養免除。 |
| 高校の英語・工業・情報で、資格・実績・勤務経験などの条件を満たす(全条件は要項p10〜12の対象欄で確認) | スペシャリスト特別選考 | 第1次は書類選考。教員免許がなくても受験可。 |
| 日本語教育の資格・単位(高校) | 日本語指導者特別選考 | 第1次は書類選考。令和9年度採用から新設。 |
| ポルトガル語・タガログ語ができる(小中) | 多文化共生特別選考 | 二次の面接の一部を当該外国語で実施 |
| 障害者手帳等をお持ちの方 | 障がい者特別選考 | 6名程度(内数)。受験上の配慮は電子申請時に記入。 |
大学3年生等第1次選考(令和9年度採用の試験では第1次選考のみ)を除き、どのルートで入っても、最後は第2次選考の4科目(個人面接20分程度・プレゼンテーション面接20分程度・模擬授業(対象教科は実技を含む)・論文)=1200点です(スペシャリスト特別選考・日本語指導者特別選考は論文が課題作文になり、多文化共生特別選考は面接の一部を外国語で行います)。中学校の音楽・美術・保健体育・技術・家庭、高校の保健体育・音楽・美術・家庭では、模擬授業と実技を合わせて300点です。しかも「一定の基準に達しない試験があると、合計得点に関わらず不合格」。免除や加点は一次を楽にしてくれますが、二次を楽にはしてくれません。免除で浮いた時間を、そのまま二次の練習に回してください。
■ 岐阜県の個人面接|受験者6名の実録と5年間の出題傾向
■ 岐阜県の小論文(論文試験)|過去5年の出題テーマと640〜800字の書き方
■ 岐阜県の倍率|令和9年度採用の出願・一次結果と5年間の推移
よくある質問
Q. 免除と加点は両方使えますか?
A. いいえ。第1次選考免除者と大学3年生等第1次選考の志願者は、加点制度の対象外です(要項に明記)。また免除どうしも2つ以上を併せて申請することはできず、特別選考(多文化共生・社会人)と免除の併願もできません。自分にとっていちばん有利な1つを選ぶことになります。
Q. 加点は複数項目を申請できますか?
A. 原則できません。「『③情報に関する資格』を除いて、複数項目への加点は行わない」と要項に書かれています。つまり高校「情報」志願者だけは、情報資格の加点と他の項目を組み合わせられる可能性があります。それ以外の方は1項目です。
Q. 大学3年生で一次に合格し、翌年の二次で不合格になったら?
A. 令和9年度採用の要項(A区分の注記)では、令和8年度採用で「前年度第1次選考試験合格者」「前年度大学3年生等第1次選考試験合格者」として第1次選考を免除された方は、令和9年度採用で小中養のA区分「①前年度第1次選考試験合格者」として出願できません。B区分と高校・特支は注記の対象が異なる(「前年度第1次選考試験合格者」のみ)ため、ご自身の区分の条件を確認してください。免除を連続では使えないという制限が令和9年度採用の要項にありますが、令和10年度採用以降の扱いは、その年度の要項で必ず確認してください。免除の範囲も年度で変わります。令和9年度採用の要項では小中養のB区分は教科専門免除ですが、令和10年度採用の記者発表(2026年8月27日)では、小中養のB区分は教職教養免除に変更されるとされています。
Q. 講師経験が2年未満の場合は?
A. 前年度に1年間県内公立学校で常勤講師として勤務し、出願締切日までに当年度の勤務を開始していれば「⑦前年度からの常勤講師」として、小中養は教科専門免除、高校・特支は教職教養免除が受けられます。1年でも十分に使える制度です。なお非常勤講師は対象に含まれていません(要項は「常勤講師(任期付採用職員及び特任講師を含む)」と定義)。
Q. 地域限定で受けると不利になりませんか?
A. 試験内容は一般選考とまったく同じです(選考の概要に明記)。募集人員は一般選考(高校95名・特支60名)の内数で、地域限定で合格とならなかった場合は「一般」で出願した者として改めて選考されます。対象は郡上地域(郡上市)、恵那地域(恵那市・中津川市)、飛騨地域(飛騨市・高山市・下呂市)のいずれの学校でも10年程度(産休・育休期間を含む)勤務できる方。実施教科は高校の国語・地理歴史(日本史/世界史)・数学・英語・家庭・農業(飛騨地域限定は美術)です。
Q. 小中併願はどういう仕組みですか?
A. 中学校教諭志願者のうち小学校教諭の普通免許状も持っている方(令和9年3月31日までの取得見込を含む)が、小学校教諭を第2志願にできる制度です(令和4年度採用から導入)。第1次・第2次とも中学校の試験のみを受験し、第2次選考で中学校に合格とならなかった方のうち成績優秀な方が小学校教諭の名簿登載者になります。令和8年度採用では、この仕組みで6人が小学校教諭として内定しています。
Q. 令和9年度採用の主な変更点は?
A. 「選考の概要」によると、中学校教諭志願者の加点変更(小学校教諭の普通免許状、もしくは申込教科以外の中学校教諭の普通免許状の所有者:20点→30点)と、日本語指導者特別選考の実施(高等学校・若干名・一般選考の外数)です。令和6年度採用以降の変更点も年表で公表されており、令和8年度採用=第1次の時間変更(教職教養15分→20分、教科専門50分→70分)・高校英語の加点20点→30点・高校英語/工業/情報のスペシャリスト特別選考、令和7年度採用=選考日程の約1か月前倒しと大学3年生等第1次選考の実施、令和6年度採用=第1次選考における集団面接の廃止と奨学金返還支援制度の導入、と続いています。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
要項の要件は公表資料で追えますが、「特別選考のルートで受けたときに二次で何を聞かれたか」「講師経験をどう語ったか」は、受験した方の報告でしか集まりません。岐阜県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
あわせて見たい動画
この記事のような公表データと実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。
- 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
- 一発合格を勝ち取る極意セミナー
- 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー ←ルート別の計画づくりに◎
- 【厳選】面接質問TOP50
- 【早期登録者限定】シークレット特典
- あなたに必要な対策診断 ←自分の校種・状況に合わせて◎
- 教採に受かる人の15の習慣
- 【無料版】教員採用試験必勝ノート
- 【全国版】集団討論過去問
- 【全国版】小論文テーマ集
- 【全国版】場面指導テーマ集
「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます
YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル



