こんにちは、金井志津乃です!

沖縄で講師をしています。一次が免除になる制度があると聞いたのですが、条件が複雑でよく分からなくて……。あと「結・UI特別選考」って何ですか?

沖縄県は特別選考7種類+一次免除2種類+加点5種類と、選択肢がとても多い自治体です。だから「自分がどのルートに乗れるか」を最初に確定させるのが大事。早見表からいきましょう!
この記事では、令和9年度採用(令和8年度実施「夏選考」)の実施要項をもとに、沖縄県の特別選考・第1次試験免除・加点を整理します。実際に何人が手を挙げたかという実施状況の数字も添えました。
この記事の根拠
- 沖縄県教育委員会「令和8年度実施沖縄県公立学校教員候補者選考試験『夏選考』実施要項」の該当条文をそのまま照合(選考の種類8種/一次免除/加点/出願時必要書類一覧表)
- 特別選考の希望者数は、県教育委員会「実施状況」(令和8年度採用・令和9年度採用)の公表値
- ルート別の合格率は沖縄県が公表していないため、この記事では算出していません(推測は入れていません)
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)
| 選考の種類 | 対象 | 第1次試験の扱い | 令和9年度の希望者 |
|---|---|---|---|
| ⑴ 一般選考(夏選考) | 全校種・教科 | 筆記試験を受験 | 2,069人 |
| ⑵ 障がいのある者を対象とした特別選考 | 中学校・高校・特別支援学校(小学校教諭等・養護教諭等は対象外) | 一般選考と同様に実施。合否判定は別。 | 4人 |
| ⑶ スポーツ・芸術での技能や実績による特別選考 | 中高の「保健体育」「音楽」「美術」 | 第1次試験免除(全部) | 5人 |
| ⑷ 特定の資格を有する者(海技士) | 高等学校「水産」 | 第1次試験を受験 | 0人 |
| ⑸ 沖縄県正規任用教諭経験者(結・UI) | 小・中(全教科)・特支小学部・特支中学部(理科・数学・技術)・高校(水産) | 書類選考 | 4人 |
| ⑹ 他都道府県正規任用教諭経験者(結・UI) | 同上 | 書類選考 | 42人 |
| ⑺ 特定の技能に関する特別選考(三線) | 高等学校「音楽」 | 第1次試験を受験 | 1人 |
| ⑻ 特定の地域で一定期間以上勤務(地域枠) | 地域A・C=小・中(全教科)・養護/地域B=養護 | 一般選考と同様に実施。合否判定は別。 | 97人(A46・B13・C38) |
| 免除・加点 | 対象 | 効果 | 令和9年度の希望者 |
|---|---|---|---|
| 第1次試験免除(一部)⑴ 沖縄県臨任等の経験者 | 県内国公立学校の臨任等を通算36月以上 | 一般教養及び教職教養試験を免除(専門試験は受験) | (実施状況に欄なし) |
| 第1次試験免除(一部)⑵ 大学等推薦 | 小・中(全教科)・高(工業・水産)/累積GPA基準あり | 一般教養及び教職教養試験を免除 | (実施状況に欄なし) |
| 第1次試験免除(全部)⑶ 前年度の二次不合格者 | 前年度の小・中受験者で二次不合格+通知を受けた者 | 第2次試験から受験 | 30人 |
| 加点⑷ 特別支援学校教諭普通免許状 | 1以上の領域の免許状所有者 | 専門試験に+15点 | — |
| 加点⑸ 国際貢献活動 | JICA派遣ボランティアで海外2年以上 | 専門試験に+20点 | — |
| 加点⑹ 海技士 | 高校「水産」志願者・資格取得後1年以上の乗船経験 | 専門試験に+10点 | — |
| 加点⑺ 英語に関する資格 | 小・特支小学部/中高「英語」 | 専門試験に+5〜20点 | — |
| 加点⑻ 司書教諭 | 司書教諭の資格所有者 | 専門試験に+5点 | — |
※希望者数は沖縄県教育委員会「令和8年度実施 実施状況(令和8年10月2日現在)」より。実施状況の「特別選考」欄は希望者数であり、該当が認められた人数ではありません。加点は実施状況に人数欄がありません。
出典:令和8年度実施「夏選考」実施要項。

加点は複数該当してもよく、合計は最大20点まで(専門試験の満点は超えません)。そして免除・加点を希望する人は必ず電子申請で願書を作るのがルールです。ここ、うっかりすると申請自体ができなくなるので気をつけてください!
主流ルート①|沖縄県臨任等36月の「第1次試験免除(一部)」
沖縄県で講師をしている方の本命ルートです。一般教養及び教職教養試験(50分)が免除され、当日は専門試験(60分)だけを受けて退場します。
免除を受ける資格(①〜③のすべて)
- 沖縄県に所在する国公立学校(県立・市町村立・国立大学法人附属の小中高・特別支援学校)における臨任等としての勤務経験を、令和3年4月から令和8年3月までの間に通算36月以上有していること。※臨任等=正規任用の教諭・常勤講師・養護教諭、臨時的任用の教諭・助教諭・養護教諭・養護助教諭・常勤講師、および非常勤講師。非常勤講師の経験は実際の勤務月数の8割として計算。
- 令和8年4月以降も、沖縄県の国公立学校で臨任等として勤務しているか、令和8年3月末日までに学校人事課または教育事務所等に勤務希望の登録を行っていること(令和8年4月以降の臨任等の任用を断ったり連絡に応じない場合は、原則として免除の対象外)
- 令和8年4月1日現在で、沖縄県の正規任用の教職員として勤務していないこと
経験年数の数え方にも細かいルールがあります。要項から押さえておきたいのは次の点です。
- 1か月のうち1日でも任用があった月は1月と数える(二重計上は不可)
- 経験月数は連続していなくてよい。臨任等の経験は、受験する校種・教科等と同一である必要もない。
- 学校事務職員・実習助手・指導員(英語、寄宿舎等)・支援員(学習、生徒指導等)・特別支援ヘルパー・サポーター・補助員・プール監視員等は該当しない
- 幼稚園・大学・高等専門学校・私立学校・職業能力開発校・農業大学校等は除く。特別支援学校幼稚部は含む。
- 免除対象者の一般教養及び教職教養試験の得点は、専門試験の得点率と同様として計算して合否を判定するとされています(要項の記載による。算出方法の詳細は要項でご確認ください)
提出書類は、一般選考の出願書類に加えて「第1次試験免除(一部)・加点申請票(様式4)」「臨任等経験確認表(様式5-1)」と、辞令等の写し。ここで大事なのは——
辞令等の写しは「沖縄県教育委員会以外が任用した期間」だけ提出すればOKです。県教委が任用した臨任等の期間については、辞令等の写しの提出は不要(要項に明記)。市町村教委や国立大学法人附属学校で勤務した期間だけ、辞令・任用通知書・雇用契約書等のいずれかの写しをA4版で用意してください。紛失している場合は「在職証明書(様式5-2)」で代替できます。
免除の可否は受験票に記載して通知されます。対象にならなかった場合は通常どおり一般教養及び教職教養試験を受験することになるので、「免除されるつもりで勉強しない」ことはおすすめしません。
講師の方は「経験があるのに新卒に負けるのでは」と不安になりがちですが、私はまったく逆だと思っています。講師には①クオリティ(現場での課題意識)②信用(現場での積み重ね)③フレッシュさという3つの強みがあります。現場で試したことを課題意識とセットで語れるのは、講師にしかできないことです。
主流ルート②|大学等推薦による「第1次試験免除(一部)」
学生の方が使える一次免除です。対象は小学校教諭等・中学校教諭等(全教科)・高等学校教諭等(工業、水産)。
| 在籍要件 | 出願時に大学等(教員免許状取得の課程認定を受けている大学等)に在籍し、令和9年3月31日までに卒業見込みもしくは修了見込みであること。科目等履修生は該当しない。 |
| 成績要件 | 大学1年生から出願時点まで(大学院は大学院1年生から)の累積GPAが、4点満点なら3.0以上/5点満点なら3.75以上/それ以外は満点×3/4以上 |
| 推薦者 | 在籍する大学等の学長・学部長・研究科長。あわせて沖縄県教育委員会が定める「求める教員像」にふさわしい資質と能力を有する者であること。 |
| 提出書類 | 推薦書(様式A)+成績を証明する書類(累積GPAの記載があれば現行の成績証明書の原本、無ければ成績証明書(様式B)) |
| 特例 | 本来は3年生等が対象だが、出願時点で大学4年生(大学院2年生相当・短期大学2年生相当)も、令和8年4月以降に沖縄県の国公立学校で臨任等として勤務する(または3月末までに勤務希望の登録をする。4月以降の任用を断ったり連絡に応じない場合は原則として対象外)場合に限り推薦可。推薦書と成績証明書は、臨任等の勤務登録時に登録先へ提出し、採用試験の出願時にも提出する必要があります。令和7年度に続き令和8年度も実施。 |

この特例、見逃さないでください。「4年生でも、卒業後に沖縄で講師をするなら大学推薦が使える」という制度です。沖縄で働き続けるつもりの学生さんには、有利に働く条件だと思いますよ。
主流ルート③|前年度の二次不合格者への「第1次試験免除(全部)」
沖縄県には、「あと一歩だった人を翌年に引き上げる」制度があります。令和9年度採用では30人がこの免除で出願しました。
- 前年度の選考試験の小学校教諭等・中学校教諭等の受験者のうち、第2次試験不合格者の中で「翌年度の第1次試験免除対象者とする」旨の通知があった者
- 令和8年4月以降に、沖縄県の国公立小中学校で臨任等として勤務を希望し、令和8年3月末日までに教育事務所等に登録していること(令和8年4月以降の臨任等の任用を断ったり連絡に応じない場合は、原則として免除の対象外)
そして、この通知が誰に届くのかも要項に書かれています。「第1志望による小学校教諭等及び中学校教諭等の受験者のうち、第2次試験不合格者の中で得点の上位の者」に対し、令和8年度実施の要項では令和8年10月上旬をめどに送付するとされていました。
提出書類は、要項の本文では、その通知の原本または写しと、辞令の写し(令和8年4月以降に沖縄県の国公立小中学校で臨時的任用教諭としての登録もしくは任用がわかる書類)とされています。ただし要項の「出願時必要書類一覧表」では、第1次試験免除(全部)の欄に様式4(免除・加点申請票)と様式5-1(臨任等経験確認表)にも印があり、本文と一致しません。出願前に、必要書類を要項で確認してください。辞令の写しは出願時、または令和8年4月17日までに学校人事課へ郵送提出すればよいことになっています。

二次まで進んで不合格だった年は、本当につらいですよね。でも沖縄県ではその悔しさが翌年の「二次からのスタート」に変わります。通知が届いたら、迷わず講師登録をして、翌年は第2次試験の個人面接(模擬授業等を含む)に向けて準備してください。中学校の対象教科では実技内容や英語の口頭による質疑応答も含まれます。
主流ルート④|「結・UI(ゆい・ゆい)特別選考」=正規教諭経験者のUターン・Iターン
「結・UI(ゆい・ゆい)」には「再び教職へ縁を結ぶ」「Uターン・Iターン」という意味が込められています(要項に明記)。令和9年度採用では、沖縄県正規任用教諭経験者に4人、他都道府県正規任用教諭経験者に42人が志願しました(令和8年10月2日現在)。
| 項目 | ⑸ 沖縄県正規任用教諭経験者 | ⑹ 他都道府県正規任用教諭経験者 |
|---|---|---|
| 対象校種・教科 | 小学校教諭等/中学校教諭等(全教科)/特別支援学校(小学部)/特別支援学校(中学部「理科」「数学」「技術」)/高等学校教諭等(「水産」) | |
| 経験要件 | 沖縄県の公立小中高・特別支援学校の正規任用教諭として、受験する校種・教科の勤務経験を通算3年以上(休職・育児休業等の期間は含まない)有し、介護・育児・配偶者の転勤等を理由に退職した者 | 沖縄県以外の都道府県の公立小中高・特別支援学校の正規任用教諭として、令和9年3月31日時点で受験する校種・教科の勤務経験を通算3年以上(休職・育児休業等の期間は含まない)有する者 |
| 免許状 | 令和9年4月1日時点で有効な、志願する教科等の免許状を所有していること。特別支援学校小学部は小学校の免許状、特別支援学校中学部は中学校の対応教科の免許状のほか1以上の領域の特別支援学校教諭普通免許状、高等学校「水産」は三級海技士(航海)又は三級海技士(機関)の資格などが必要です(詳しくは要項で確認してください)。 | |
| 現在の状況(ア/イのいずれか) | ア:要項では「令和8年3月の出願時点」で、沖縄県以外の都道府県の公立学校に正規任用教諭として勤務していること(⑸の場合)/沖縄県以外で正規任用教諭として勤務していること(⑹の場合) イ:退職後、要項では「令和8年3月の出願時点」で、沖縄県の国公立学校で臨任等として勤務、または学校人事課・教育事務所等に登録していること。ただし結・UI特別選考の願書受付は6月30日までのため、この時点を3月と読むか実際の出願時と読むかは、要項と県の案内で確認してください | |
| 第1次試験 | 書類選考(結果は10月上旬までに送付。第2次試験の日程・詳細も同時に通知) | |
| 第2次試験 | 令和8年10月24日(土)に実施予定でした(台風接近時は10月31日(土)に延期とするのが基本の日程でした)/会場は沖縄会場(県立那覇商業高等学校)または東京会場のいずれか/内容は個人面接(模擬授業等含む。) | |
| 最終合格発表 | 令和8年11月27日(金) | |
| 出願期間 | 電子申請:令和8年3月1日〜6月30日15時59分/願書受付:3月2日〜6月30日(消印有効・郵送のみ) ※一般選考より3か月長い | |
| 提出書類 | 「教諭経験者等特別選考申請書(様式6-1)」+「教諭経験者等特別選考 課題作文(様式6-2)」 | |
| 注意 | 一般選考とは併願できません。この特別選考に出願すると、該当が認められなかった場合でも一般選考は受験できなくなります。 | |
ポイントは3つです。
- 筆記試験がない。一次は書類選考、二次は個人面接(模擬授業等含む。)だけ。専門試験も一般教養も課されません。
- 東京会場で受けられる。県外で現職を続けながら受験できる設計です。
- 一般選考と併願できないのが最大のリスク。「該当と認められなかったら一般選考で」という保険が効きません。出願前に、経験年数と、⑸では退職理由、⑸・⑹それぞれの現在の勤務状況や登録状況が要件に合うかを必ず確認してください。
また、受験票の送付は8月中旬、特別選考の該当可否の通知は8月下旬。得点・順位の通知は結・UI特別選考の志願者には送付されません(返信用封筒の提出も不要)。
正規教員として別の自治体を受け直すことは、簡単ではないと私自身は思っています。管理職としては、今は正規なのだから、そのままその自治体で働いてもらおうと思うものです。ただ、授業をずっとブラッシュアップしてきたことが感じられたり、謙虚で一緒に働いても楽しそうだと思える人であれば、「こんな良い人材が他県から来てくれるなんてラッキー」と思ってもらえる可能性があります。
主流ルート⑤|令和9年度採用から新設された「地域枠」
実施要項の「令和8年度の主な変更点」に【新規】として載っているのが、この地域枠です。特定地域の教育課題の解決に向けて、中長期的な視点で地域の教育に携わりたい方を対象としています。初年度から97人が手を挙げました。
| 地域 | 市町村 | 募集校種・教科 | 令和9年度の希望者 |
|---|---|---|---|
| 地域A | 国頭村、大宜味村、東村、伊平屋村、伊是名村、伊江村 | 小学校教諭等/中学校教諭等(全教科)/養護教諭等 | 46人 |
| 地域B | 宮古島市、多良間村 | 養護教諭等 | 13人 |
| 地域C | 石垣市、竹富町、与那国町 | 小学校教諭等/中学校教諭等(全教科)/養護教諭等 | 38人 |
受験資格と条件
- 昭和46年4月2日以降に出生した者(一般選考の年齢要件=昭和42年4月2日以降より4年分せまい)
- 一般選考の受験資格⑵〜⑸(欠格事由・免許状等)を満たすこと
- 条件:地域A・B・Cのいずれかでの採用を希望し、かつ採用地域で原則10年以上の勤務が可能であること
試験の実施は一般選考と同様で、合否の判定だけが別に行われます。あらかじめ願書にチェックを入れておけば、第1次試験で地域枠から漏れた場合に一般選考の選考対象にしてもらうことができます(この点は結・UI特別選考と大きく違います)。提出書類は「特定の地域で一定期間以上勤務を条件とする者を対象とした特別選考申請書(様式10)」。
注意点も要項に明記されています。
- 地域枠の中学校教諭等で出願する場合、小学校教諭等への併願はできない
- 合格者は原則として採用された地域で10年以上勤務する。ただし地域Aは、原則として採用後3年間は国頭教育事務所管内の地域A以外の学校で勤務する。
- 選考の結果、合格者がない場合もある(最終合格者見込数は各地域「若干名」)

「10年以上」という条件は重いですが、逆に言えば「その地域で腰を据えて働きたい」という思いがそのまま志望動機になる枠です。面接で「なぜこの地域なのか」を聞かれても答えられるよう、その島・その村の教育課題を自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
その他の特別選考|障がい・スポーツ芸術・海技士・三線
⑵ 障がいのある者を対象とした特別選考
対象は中学校・高等学校・特別支援学校(小学部/中学部・高等部)の各校種・教科等で、小学校教諭等・養護教諭等は対象外(小学校教諭等への併願もできません)。身体障害者手帳・療育手帳等・精神障害者保健福祉手帳のほか、所定の診断書・意見書・判定書でも受験資格が認められます。手帳等は受験申込日および受験日当日において有効であることが必要です。
提出書類は「障がいのある者を対象とした特別選考申請書(様式1)」。該当可否は5月下旬までに通知されます。原則として試験は一般選考と同様に行い、合否の判定だけが別。受験上の配慮を希望する場合は様式1に内容を記入します(該当と認められなかった場合は一般選考による受験になります)。
⑶ スポーツ・芸術での技能や実績による特別選考
中高の「保健体育」(スポーツ分野)、「音楽」「美術」(芸術分野)が対象です。求められる実績のレベルは高く、スポーツ分野はオリンピック、ワールドカップ、世界選手権、IOC加盟の国際競技団体が主催するアジア競技大会などに日本代表として出場し優秀な成績を収めた者やその指導者、芸術分野は受験する教科に関連する分野の国際レベルのコンクール・展覧会等で優秀な成績を収めた者やその指導者。スポーツ分野は学校の教育活動に資する種目に限られます。
該当と認められれば第1次試験は免除(全部)となり、第2次試験から受験します。ただしこの特別選考による第1次試験免除(全部)で受験できるのは1回まで。提出書類は申請書(様式2-1)・課題作文(様式2-2)・実績を証明する書類(大会要項の写し、新聞記事、賞状の写し、成績証明書等。日本語以外の言語のものは日本語訳も添付)。
⑷ 特定の資格を有する者(高等学校「水産」・海技士)
三級海技士(航海)もしくは三級海技士(機関)以上、または内燃機関三級海技士(機関)以上の資格を持ち、その資格に基づく実務経験が出願時点で3年以上ある方が対象(短期大学卒業相当以上の学歴も必要。高等専門学校・県立沖縄水産高等学校専攻科等の卒業者、専門士の称号を有する者は短大卒相当とみなされます)。
この特別選考は第1次試験を受験します(免除ではありません)。また、高等学校教諭普通免許状「水産」「商船」を持っていない場合は、最終合格後に沖縄県教育委員会が実施する教育職員検定に合格して商船の特別免許状の授与を受ける必要があります。なお、この特別選考で志願する方は加点⑹(海技士)の対象外です。
⑺ 特定の技能に関する特別選考(高等学校「音楽(三線)」)
沖縄県ならではの選考です。琉球の郷土芸能(三線)に関連する分野において教師免許以上の技能・実績を持ち、それが証明できる方が対象。令和8年度実施からは、対象が「三線」の技能・実績を持つ者に整理されました(それ以前は「琉舞・三線」の区分)。
該当と認められた方は高等学校教諭等「音楽」の第1次試験を受験し、第2次試験では三線の模擬授業(実技内容含む。)を行います。採用後の勤務地は原則として郷土芸能コースを有する高等学校です(必ずしもその限りではない、との但し書きあり)。提出書類は申請書(様式9)と、三線で教師免許以上の技術を持っていることを証明できるもの。
第1次試験の加点制度|最大20点、複数申請も可
加点は第1次試験の専門試験の得点に加算されます。複数に該当する場合は合計で最大20点まで(加点の結果、専門試験の満点は超えません)。いずれも電子申請で願書を作成し、必要書類を添付して出願する必要があります。
| 加点の種類 | 要件 | 点数 | 提出書類 |
|---|---|---|---|
| ⑷ 特別支援学校教諭普通免許状等 | 令和8年3月末日までに授与された1以上の領域の特別支援学校教諭普通免許状(盲・聾・養護学校教諭普通免許状を含む)。取得見込みは対象外。 | 15点(領域の種類や数にかかわらず) | 様式4+免許状の写しまたは免許状授与証明書(原本) |
| ⑸ 国際貢献活動 | 青年海外協力隊その他のボランティア(JICAが派遣するものに限る)として海外に2年以上派遣された経験 | 20点 | 様式4+JICA青年海外協力隊事務局長発行の派遣証明書(原本) |
| ⑹ 海技士 | 高等学校「水産」志願者で、三級海技士(航海)若しくは三級海技士(機関)又はこれらより上級の資格、若しくは内燃機関三級海技士(機関)以上の資格を有し、その資格取得後1年以上の乗船経験がある | 10点 | 様式4+海技免状の写し+乗船経験を証明する書類 |
| ⑺ 英語(小学校・特支小学部志願者) | 英語に係る中学校または高等学校教諭普通免許状(令和8年3月末日までに授与)、または英検準1級以上/TOEFL iBT 72点以上/TOEIC L&R 785点以上 | 15点 | 様式4+免許状の写しまたは各資格の証明書(原本) |
| ⑺ 英語(中高「英語」志願者) | 令和6年4月1日以降に受検・取得したものに限る。ア:英検1級/TOEFL iBT 95点以上/TOEIC L&R 945点以上 イ:英検準1級/TOEFL iBT 72点以上/TOEIC L&R 785点以上。 | ア=20点/イ=5点 | 様式4+各資格の証明書(原本) |
| ⑻ 司書教諭 | 司書教諭の資格を有していること。取得見込みは対象外。 | 5点 | 様式4+司書教諭に関する修了証書の写し |
※証明書類は原則として出願時に提出。やむを得ない場合に限り4月17日(消印有効)までの提出が認められます(⑷⑸⑺⑻)。加点の可否は受験票に記載して通知されます。
出典:令和8年度実施「夏選考」実施要項。

気をつけたいのが中高「英語」の加点です。「令和6年4月1日以降に受検・取得したもの」に限られるので、昔取った英検準1級では加点されません。加点を狙うなら取り直しが必要です。要項にもわざわざ「該当する期間に再度取得すること」と書かれています。
まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の面接
| あなたの状況 | 使えるルート | 締切の目安 |
|---|---|---|
| 令和3年4月〜令和8年3月に、沖縄県で講師を通算36月以上している | 第1次試験免除(一部)=一般教養及び教職教養が免除/加点も併用可 | 願書3月31日(消印有効)。辞令等の写しを準備。 |
| 大学3年生・大学院1年生で成績が良い | 第1次試験免除(一部)=大学等推薦(累積GPA基準あり) | 推薦書(様式A)を大学に依頼→3月31日 |
| 大学4年生で、卒業後に沖縄で講師をする予定 | 大学等推薦の特例(4年生も推薦可) | 3月末日までに臨任等の登録も必要(4月以降の任用を断ると原則対象外) |
| 令和8年度採用(令和7年度実施)で二次まで進んで不合格となり、免除(全部)の通知を受けた(小・中) | 第1次試験免除(全部)=二次から受験 | 10月上旬の通知+3月末日までに講師登録(4月以降の任用を断ると原則免除の対象外) |
| 他県で正規教諭を3年以上している | 結・UI特別選考(一次は書類選考・二次は10月・東京会場可) | 6月30日(一般選考と併願不可) |
| 離島・へき地で腰を据えて働きたい | 地域枠(A・B・C)。一般選考への回し希望も可。 | 願書3月31日+様式10 |
| 特別支援学校教諭免許・JICA経験・英語資格・司書教諭がある | 加点(最大20点)。電子申請必須。 | 原則出願時。⑷⑸⑺⑻の証明書類は、やむを得ない場合に限り4月17日消印有効まで提出可(海技士⑹はこの延長の対象外) |
ここまで見てきたとおり、沖縄県の免除・加点は「第1次試験(筆記)を軽くする」制度です。第2次試験の内容は、どのルートでも同じ「個人面接(模擬授業等含む。)」。しかも沖縄県は全体では二次に進めば約7割が合格する傾向ですから、免除を取った人は、浮いた時間を模擬授業と面接に回すのが一つの考え方です。
■ 沖縄県の個人面接|受験者5名の実録と4年間の出題傾向(模擬授業の課題文つき)
■ 沖縄県の倍率|令和9年度採用の一次結果と6年間の推移(校種別・教科別)
■ 沖縄県の受験調書・面接調書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
社会人・40〜50代の方へ
沖縄県の一般選考の年齢要件は昭和42年4月2日以降に出生した者——令和9年度採用の時点で、おおよそ50代後半まで受験できます(地域枠は昭和46年4月2日以降)。年齢を理由にあきらめる必要はまったくありません。
ただし、面接官が気にするポイントははっきりしています。私が40代・50代の合格者を見てきて共通していたのは、①いま求められている教育(ICT・主体的で対話的な授業)を謙虚に学べるか ②年下の同僚とフラットに働けるか ③人生経験を生かした調整役として価値を出せるかの3点でした。
よくある質問
Q. 加点は複数申請できますか?
A. できます。ただし合計は最大20点で、加点の結果が専門試験の満点を超えることはありません。たとえば特別支援学校教諭免許(15点)と司書教諭(5点)で20点、というのが上限に到達する組み合わせです。複数を希望する場合は必要書類をまとめ、各1部ずつ提出します。
Q. 非常勤講師の経験は、一次免除(一部)の36月に数えられますか?
A. 数えられますが、実際の勤務月数の8割として計算されます。また、同一の月に非常勤講師とそれ以外の任用経験がある場合は「非常勤講師以外としての経験」があるものとみなされます。県教委以外(市町村教委・国立大学法人附属学校)が任用した場合は、単独で学習指導要領に定められた教科の授業を担当していることが条件で、正規教員より勤務時間が短いものは非常勤講師としての経験とみなされます。
Q. 結・UI特別選考に出したら、一般選考は本当に受けられないのですか?
A. はい。要項に「本特別選考に出願すると、本特別選考に該当すると認められなかった場合でも、一般選考は受験できない」と明記されています。地域枠のように「漏れたら一般選考へ」という仕組みはありません。経験年数(通算3年以上・休職や育児休業の期間は含まない)に加え、⑸では退職理由、⑸・⑹それぞれの現在の勤務状況や登録状況の要件を、出願前に必ず確認してください。
Q. 特別選考の該当可否はいつわかりますか?
A. 種類によって違います。障がい・スポーツ芸術・海技士・三線は5月下旬までに通知。結・UI特別選考は8月下旬まで(受験票の送付は8月中旬めど)。第1次試験免除(一部・全部)と加点の可否は、受験票に記載して通知されます(受験票は5月下旬めど)。
Q. 中学校を第1志望にして、小学校に併願できますか?
A. できます。中学校教諭等を第1志望で受験する方で小学校の普通免許状を所有(取得見込みを含む)していれば、第2志望で小学校教諭等に志願し、2つの校種の第1次試験を受験できます(小学校教諭等の採用予定250名程度のうち、併願による採用は20名以内とされています)。令和9年度採用では21人が併願を希望しました。ただし障がいのある者を対象とした特別選考、地域枠の中学校教諭等で出願する場合は併願できません。スポーツ・芸術の特別選考の中学校で出願する者は、同特別選考に該当すると認められなかった場合に小学校との併願ができます。また第1志望で一次に合格した場合、第2志望の合格対象にはなりません。
Q. 特別選考のルート別の合格率は公表されていますか?
A. されていません。沖縄県の実施状況で公表されているのは特別選考の「希望者数」と、最終合格者の「うち特別選考者」の総数だけです(令和8年度採用は最終合格605人中51人)。ルートごとの合格率は算出できないため、この記事でも出していません。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
制度は要項で確認できますが、「実際に免除を申請したらどうだったか」「結・UI特別選考の二次はどんな雰囲気だったか」は受験した方の報告でしか集まりません。沖縄県は令和8年10月時点で報告が5名分(令和9年度採用の1名を含む)と少ない自治体です。受験された方は、ぜひ来年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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