こんにちは、金井志津乃です!

沖縄県の二次試験って、面接だけなんですか? 集団討論も小論文もないと聞いたのですが……模擬授業はあるんですよね?

そのとおりです。沖縄県の第2次試験は「個人面接(模擬授業等含む。)」の一本だけ。ただし一人40〜45分と長く、その中で模擬授業・教科の質疑応答・面接がぜんぶ続けて行われます。つまりこの1本に全部が詰まっているということです!
この記事では、沖縄県公立学校教員候補者選考試験第2次試験の個人面接(模擬授業等含む。)について、実際に受験した5名の方からご提供いただいた「生の記録」(令和6年度〜9年度採用)をもとに、内容・流れ・傾向と対策をまとめます。模擬授業の課題文が事前に配られた年の実物メモも収録しました。
この記事の根拠
- 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を「令和9年度採用の報告」として追加収録
- 令和6年度〜8年度採用(2023〜2025年夏実施)の受験者4名の実録(11項目)を年度別・受験者別に収録(すべて無料で読めます)。沖縄県は令和8年10月時点で報告が少ない自治体です。令和9年度採用の1件を加えても「受験者5名分」と正直にお伝えします。
- 市販の全国版過去問集4年分(令和4年度〜7年度採用)の沖縄県分143問を独自に集計——全国平均と比べて「沖縄県で多いテーマ」がデータで分かります(個別の設問文は転載していません)
- 日程・形式・試験時間・提出書類は令和9年度採用(令和8年度実施)の実施要項と照合済み。倍率は沖縄県教育委員会の「実施状況」6年分から集計。
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
電子申請の入力:令和8年3月1日(日)〜3月31日(火)/願書の受付:3月2日(月)〜3月31日(火)※郵送のみ・3/31消印有効
第1次試験(筆記):6月14日(日)/第1次合格発表:7月17日(金)
受験調書(様式7)の郵送提出:8月3日(月)必着(第1次試験合格者のみ・写し3部)
第2次試験:8月15日(土)〜8月16日(日)(県立那覇高校・県立首里高校を予定)
最終合格発表:9月18日(金)
一次の発表から二次まで約1か月。この間に受験調書を書き上げて郵送し(発表から17日後が締切)、模擬授業の準備をする——という濃密なスケジュールです。なお「結・UI(ゆい・ゆい)特別選考」だけは日程が別で、第2次試験は10月24日(土)に予定されていました。最終合格発表は11月27日(金)の予定です。
出典:沖縄県教育委員会「令和8年度実施沖縄県公立学校教員候補者選考試験『夏選考』実施要項」。
※令和10年度採用の日程は、実施要項の公開後に更新します。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
第2次試験の形式|30秒でわかる基本情報
| 科目 | 全区分とも「個人面接(模擬授業等含む。)」の一本のみ(実施要項に明記)。集団面接・集団討論・小論文(論作文)・適性検査の記載はありません。 |
| 試験時間 | 一人40〜45分程度(移動時間等を含む)。模擬授業等のあと、続けて面接(質疑応答等)を行う流れ。 |
| 「模擬授業等」の中身 | 模擬授業の部分+教科等に関する質疑応答の部分を含む、と要項に明記。校種・教科等によっては模擬授業等に関連した提出物を求める場合もある(詳細は第1次試験合格者に通知)。 |
| 実技 | 中高の「技術」「農業」「音楽」「美術」「家庭」、特別支援学校中学部・高等部(共通)の「保健体育」「音楽」「美術」は「※実技内容含む。」=独立した実技試験ではなく、模擬授業等の中に含めて実施 |
| 英語 | 中高の「英語」は「※英語の口頭による質疑応答含む。」=これも模擬授業等の中に含めて実施 |
| 面接官 | 3人(実録・公刊とも一致。校長2人・教頭1人という報告あり) |
| 質問の元ネタ | 受験調書(様式7)=1次合格後に郵送提出(写し3部)/面接調書(様式8)=2次試験当日に試験教室で提出(原本1部・写し2部)。「面接調書からも質問あり」という報告があります(書き方はこちら)。 |
| 評価の観点・配点 | 今回確認した実施要項には、評価の観点・配点の記載がありません。合否は「第2次試験の得点及び提出書類等を基に判定」、また「著しく低い得点のある者や一部を棄権した者は不合格とすることがある」と明記。 |
沖縄県対策の最重要ポイントは、「模擬授業と面接が地続きである」ことです。模擬授業が終わったら別室に移動……ではなく、そのまま同じ3人の面接官が「いまの授業について」質問を始め、そこから人物面接へ流れていきます。つまり模擬授業の出来が、そのあとの面接の空気をつくるということです。
| 順番 | 実録から見えた当日の流れ | 対策の軸 |
|---|---|---|
| ①模擬授業 | 5〜7分(実録では5分・6分・7分の報告)。生徒役なし・面接官は生徒役ではないため指名しない。導入または単元の1時間目を指定されることが多い。 | 「一人芝居」でも成立する導入の型をつくる |
| ②教科等に関する質疑応答 | 模擬授業の直後に、授業の意図・評価規準・つまずきについて聞かれる | 本時の目標・評価規準(B基準)・C評価の子への手立てを言えるようにする |
| ③個人面接 | 受験調書・面接調書の記載から深掘り。教育観・同僚との関係・場面指導が1題入ることも。 | 調書の全項目に「深掘りツリー」を用意する |

つまり「模擬授業+その振り返り」「調書の深掘り」「場面指導」の3ブロックで準備するのが最短ルートです。当日の入室から退室までの所作は、こちらの実演動画が一番早いですよ!
沖縄県の倍率|令和9年度採用は10月2日現在の実施状況まで公表(最終合格549人)
沖縄県教育委員会の「実施状況」には倍率の欄がなく、県として倍率の定義は公表されていません。そこで本記事では志願倍率=志願者数÷採用予定者数(参考値。分子に秋選考・結・UI特別選考の志願者を含み、分母は夏選考の採用予定者数のため、他自治体との単純比較には使えません)、最終倍率=志願者数÷最終合格者数、二次倍率=第2次試験受験者数÷最終合格者数として、公表数値から私が算出しています。
令和9年度採用(令和8年度実施)は、志願者2,278人・第1次試験受験者2,060人・第1次試験合格者774人(令和8年7月10日現在)。夏選考の採用予定者数は合計532名程度ですが、志願者2,278人には秋選考や結・UI特別選考の志願者も含まれるため、単純に割った約4.3倍は夏選考だけの倍率ではありません。最終合格発表は9月18日(金)に行われ、「令和8年10月2日現在」の実施状況では志願2,273人・第2次試験受験818人・最終合格549人でした。県は倍率を公表していませんが、私が計算すると最終倍率(志願者÷最終合格者)は4.1倍、二次倍率(第2次試験受験者÷最終合格者)は1.5倍です。下の表は第1次試験の段階(令和8年7月10日現在)の数字です。
| 校種等 | 採用予定 | 志願者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 1次通過率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教諭等 | 250名程度 | 544人 | 440人 | 314人 | 71.4% |
| 中学校教諭等 | 160名程度 | 698人 | 634人 | 183人 | 28.9% |
| 高等学校教諭等 | 90名程度 | 709人 | 681人 | 208人 | 30.5% |
| 特別支援学校小学部教諭等 | 20名程度 | 101人 | 94人 | 28人 | 29.8% |
| 特別支援学校中学部・高等部教諭等(共通) | 5名程度 | 57人 | 53人 | 14人 | 26.4% |
| 養護教諭等 | 7名程度 | 167人 | 158人 | 27人 | 17.1% |
| 合計 | 532名程度 | 2,278人 | 2,060人 | 774人 | 37.6% |
※1次通過率=第1次試験合格者数÷第1次試験受験者数(私が算出)。志願者には第1次試験免除(全部)30人と、第1次試験が書類選考となる「結・UI特別選考」の希望者46人が含まれるため、志願者数と受験者数は一致しません。特別支援学校中学部(結・UI特別選考のみ対象)の志願者2人は別枠のため上表に含めていません。
出典:沖縄県教育委員会「令和8年度実施 沖縄県教員候補者選考試験 実施状況(令和8年7月10日現在)」・実施要項。
沖縄県で覚えておきたいのは、二次に進んだ人の合格率がとても高いことです。前年の令和8年度採用は、第2次試験受験者846人に対し最終合格者605人=二次倍率1.4倍。二次に進めば、およそ7割の方が合格しています。この傾向は令和4年度採用から令和8年度採用まで5年連続で(1.5倍→1.4倍→1.4倍→1.5倍→1.4倍)ほぼ変わらず、令和9年度採用(10月2日現在)は1.5倍です。

だからこそ、二次の「個人面接(模擬授業等含む。)」は落とすための試験というより、採る人を選ぶ試験だと考えてください。ガチガチに身構えるより、あなたの授業と人柄がきちんと伝わることのほうが大事です。
6年間の推移、校種別・教科別の詳しい数字、特別選考の実態は、それぞれの専用記事にまとめています。
■ 沖縄県の倍率|令和9年度採用の結果と6年間の推移(校種別・教科別)
■ 沖縄県の特別選考と一次免除ルート|結・UI特別選考・地域枠・講師経験者・加点制度
① 模擬授業|沖縄県の二次はここが本丸(実録5件を収録)
沖縄県の模擬授業は、実施要項では「個人面接(模擬授業等含む。)」としか書かれていません。時間も課題の出し方も、第1次試験合格者への通知で初めて分かります。ここでは、受験された方の報告からわかっている条件をまとめます。
- 課題は事前に示される年がある。令和6年度採用の中学校社会では、受験日より前に「出題範囲・課題・注意事項・当日持参するもの」が書面で示されていました。
- 時間は5〜7分。実録では5分(中学社会)・6分(小学校)・7分(高校音楽)の報告。
- 生徒役はいない。面接官は生徒役ではないため指名はできません。報告者は「一人芝居形式で行った」と表現しています。
- 指定されるのは「導入」「単元の1時間目」が中心。号令・出席確認・学習規律指導・宿題点検等は終了したものとして始めます。
- 机間指導は「ここで机間指導をします」と説明するだけで、実際には行わない、という指定がありました
- 令和6年度採用の中学校社会では、チョーク(白・赤・黄)とマグネットは教室に準備され、教科書等は使用不可、掲示用資料はA3で3枚以内を各自持参と案内された報告があります。
- 終了後に、模擬授業・教科に関する質疑応答がある。これは実施要項にも「模擬授業等には、模擬授業の部分と教科等に関する質疑応答の部分を含む」と明記されています。
※1〜6は受験者報告にもとづく情報です(実施要項には記載がありません)。年度・校種によって条件が変わる可能性があるため、必ず第1次試験合格後の通知でご確認ください。
実際に出題された課題です。実録の5件を掲載します。
- 【小学校・令和8年度採用】5年算数「割合」の単元の導入の授業を行いなさい。(6分間・授業後に授業についての質疑応答)
- 【中学校社会・令和7年度採用】地理分野・課題「九州地方の南西諸島」の授業を行いなさい。(導入5分・生徒役なし)
- 【中学校社会・令和6年度採用】中学校1年生において、地理的分野の学習を始めるにあたり、その最初の1時間目を実施します。その際、社会的事象の地理的な見方・考え方を捉えさせ、地理的な事象に関心を持って学習に取り組むことを狙いとする授業を考え、その導入から授業を行いなさい(各自で準備した資料を用いてもよい)。
※出題範囲は「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 第2章 社会科の目標及び内容 第2節 1 地理的分野の目標、内容及び内容の取扱い」と事前に示された。模擬授業5分・構想時間なし・生徒30人を想定。模擬授業と面接を含めて一人当たり40分の設定。 - 【高等学校音楽・令和6年度採用】「鑑賞」の1時間めの展開の授業を行いなさい。(7分間・一人芝居形式で実施したとの報告)
確認した5件では4件が導入の授業で、高等学校音楽の1件は「鑑賞」の1時間目の展開でした。中学校社会では2年続けて地理的分野が出ており、しかも令和6年度採用は「学習指導要領解説のこの節から」と範囲まで指定されていました。学習指導要領の「内容の取扱い」を読み込んでから授業を組み立てるのが、沖縄県の準備の第一歩です。
授業のあとの質疑応答で聞かれること
模擬授業のあとの質疑応答は、公刊過去問4年分の集計でも沖縄県で目立って多い部分です。設問文そのものは転載しませんが、繰り返し確認できるのは次のような角度でした。
- 本時の展開——この授業のあと、どう進めるつもりだったか
- 評価規準——「思考・判断・表現」でB評価とする基準は何か、C評価になる子はどんな子か、その子にどう手を打つか
- つまずきの予測——この授業で子どもがつまずくポイントはどこか、初めて学ぶ子にどう教えるか
- 自己評価——いまの授業を自分で採点すると何点か、その理由は。工夫したところ、後悔しているところは。
- 想定した子ども像——どんな子どもたちを想定して授業を作ったか

ここ、意外と落とし穴なんです。授業のあとに「B基準は?」「C評価の子には?」と聞かれた例が、公刊過去問にあります。一つひとつの行動に意図が見える授業は、授業経験のある面接官には読み取れます。授業を作ったら本時の目標・B基準・C評価の子への手立てをセットでメモしておきましょう。
合格する人に必要な模擬授業の要素を、私は3つ挙げています。①子どもが見える(目の前に子どもがいないのに、子どもの反応や疑問を想定して進められている)、②意図が見える(発問のタイミング・立ち位置に理由がある)、③その人らしさが光る(この授業を通して何を伝えたいのかが伝わる)。詳しくはこちらで解説しています。
沖縄県の受験報告にある「導入を5分で行う」形式では、落ちる授業と受かる授業の差が特にはっきり出ます。実演で見比べるのが一番わかりやすいので、こちらもどうぞ。
実技がある教科は「模擬授業の中」で実施
中高の「技術」「農業」「音楽」「美術」「家庭」と、特別支援学校中学部・高等部(共通)の「保健体育」「音楽」「美術」は、実施要項に「※実技内容含む。」とあります。これは独立した実技試験ではなく、その校種・教科の模擬授業等に含めて実施されるという意味です(要項に明記)。実録では次の報告がありました。
- 【高等学校音楽・令和6年度採用】弾き歌い「浜辺の歌」(課題曲は指定あり・前奏、間奏を含む・移調可)
また、中高の「英語」は「※英語の口頭による質疑応答含む。」。公刊過去問の形式メモにも「英語質問はALT1名が対応(終了後ALT退室)」「ALTによる英語質疑応答」という記載が複数あり、ALTの方が英語で質問する形式が取られてきたことがうかがえます。
② 場面指導|独立科目ではなく「個人面接の中の1題」として出る
沖縄県の実施要項に「場面指導」という言葉は出てきません。しかし実録では、個人面接の中で1題出されたという報告が3件あります。公刊過去問でも4年間で24問が場面指導として収録されており、口頭で対応を説明する場合だけでなく、実演を求める場面指導の報告もあります。
- 【小学校・令和8年度採用】元気や意欲がなく、机に伏せていることが多い児童に、どのように声かけをしますか。(個人面接の質問の一つとして出題)
- 【中学校社会・令和7年度採用】場面指導が1題出題された(お題の記載なし・面接官3人・面接調書からも質問あり)
公刊過去問4年分の集計では、沖縄県の場面指導は「学級全体への一斉指導」と「個別の子への声かけ」の両方が出ています。テーマとして繰り返し確認できるのは、無気力・やる気の低下/休みがち・不登校/生活習慣の乱れ(睡眠・スマホ)/給食・好き嫌い/いじめの訴えを受けたあとの学級全体への指導/保護者との面談場面など。実演を求められた年は「2分間で」と時間指定がついた記録もあり、実演後に「意識したことは何か」と振り返りを問われた記録もあります。
どんな場面が来ても崩れない3つの視点は、①子どものメンツを守りながら問題行動を止める ②事実確認を徹底する ③生徒理解(背景の理解と、その子が今後どうしたいのかの理解)です。この動画で押さえてください。
③ 志望動機・受験調書からの質問
沖縄県の個人面接は、受験調書(様式7)と面接調書(様式8)をもとに進みます。とくに受験調書には、そのまま面接の質問になる項目が並んでいます。令和6年度採用の受験者が記録してくれた項目がこちらです。
受験調書の記載項目(受験者報告より)
- 職歴
- 志望動機
- 学生生活で最も印象に残った事柄
- これまでに最も努力してきたこと
- これまでに取り組んだ地域・社会活動(ボランティア活動等)
- 自己PR文:自らの経験を踏まえ、「沖縄県の教員として取り組みたいこと」について600字以内で記述
※これは令和6年度採用の受験者報告にもとづく項目です。様式は年度によって変わる可能性があるため、必ず沖縄県教育委員会Webサイトの様式でご確認ください。なお同じ年の報告では「受験調書は8月23日までに郵送提出」とありましたが、令和9年度採用の要項では8月3日(必着)に変わっています。
実録では、この調書の項目がほぼそのまま質問になっていました。
- 志望動機を教えてください。(小学校・令和8年度採用)
- 沖縄県教員として取り組みたいことは何ですか。(=受験調書の自己PR文のテーマそのもの)
- 学生時代に最も努力したことを教えてください。

面接につながってくる提出書類は、面接で深掘りされても的確な回答ができるよう、突っ込み質問を見据えて内容を精査しておきましょう。沖縄県でも、調書の内容と重なる質問を受けたという報告があります。600字の自己PR文も、「ここを深掘りされたら何を話すか」まで決めておくと安心です。
■ 沖縄県の受験調書・面接調書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
④ 教育観・学級経営・保護者対応
受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。
- 個別最適な学び、協働的な学びとは何ですか。→ 個別最適な学び、協働的な学び、ICT活用について、それぞれどのような実践をしていますか。(小学校・令和8年度採用)
- 不登校対応について教えてください。(小学校・令和8年度採用)
- 魅力ある学校とは何ですか。→ 魅力ある学校づくりのために取り組みたいこと、取り組んでいることを教えてください。(小学校・令和8年度採用)
- 人権擁護について教えてください。(中学校社会・令和7年度採用)
- チーム学校とは何ですか。(中学校社会・令和7年度採用)
- 生徒に対応するときに気をつけていることは何ですか。(中学校社会・令和7年度採用)
公刊過去問4年分の集計では、沖縄県は保護者対応と学級経営の出題が全国平均を大きく上回っていました(保護者対応は面接1,000問あたり63問/全国37問、学級経営は42問/全国27問)。一方で自己PR・長所短所を直接たずねる質問はほとんど確認できません——これは、その内容を受験調書に書いて提出しているからだと考えると納得がいきます。
また外国籍の子ども・多様性に関する質問が全国平均の約4倍(21問/全国5問)というのも沖縄県らしい特徴です。沖縄県教育振興基本計画でも「国際感覚を身に付ける教育の推進」「多様な国際交流及び国際理解教育の推進」が主要施策に挙がっています。
⑤ 同僚・働き方・メンタル|沖縄県で全国平均を大きく超えるテーマ
沖縄県の集計でとくに目立ったのが、「同僚とうまくやれるか」「自分の心の健康を保てるか」を確かめる質問です。働き方・同僚に関する質問は全国平均の約2.7倍(35問/全国13問)、ストレス・メンタルは約2.2倍(35問/全国16問)でした。実録でも、この角度の質問が出ています。
- 同僚と意見が合わないときの対応はどうしますか。(中学校社会・令和7年度採用)
公刊で繰り返し確認できるのも、意見が食い違ったときの動き方(職員会議・先輩や同僚との関係)/規範意識を高めるために自分ができること/心身の健康のためにしていること/たくさんの仕事を頼まれたときの対応/振り返りの大切さといった角度でした。「一人で抱えない」「まず聞く」「そのうえで子どものために何が最善かに戻る」という筋を、自分のエピソードで語れるようにしておきましょう。
⑥ 服務・不祥事に関する質問
沖縄県の体罰・服務・不祥事に関する質問は、全国平均の約1.6倍(35問/全国22問)でした。公刊過去問では、不祥事はなぜ起こると思うか/防ぐために自分ができることは何か/体罰の現場を見たらどうするかといった角度が、年度をまたいで確認できます。
一方で、高等学校音楽を受験した方からは「受験者自身の考えを問う内容が主だった。施策、法規に関する質問は無かった」という報告もありました。教育法規の条文を暗記して答える場ではなく、「あなたはどう考え、どう動くのか」を聞かれる面接なのではないかと考えられます。

ポイントは「原因」と「対策」をセットで、しかも他人事ではなく自分事として語ることです。SNS・私的な関係・体罰・飲酒運転・情報の持ち出し——それぞれ「自分ならどこに落とし穴があるか」を言葉にしておきましょう。
令和9年度採用(2026年夏)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。
小学校|個人面接(面接官3名・30分/複数の質問をした後、担当が交代)
- ストレスへの対処法を教えてください。
小学校|場面指導(構想数十秒→実演2分・実演後に質問あり)
- 掃除の時間に遊んでいる児童がいます。どう指導しますか。
小学校|模擬授業(授業6分・板書あり・授業後に質疑あり・指導案なし)
- 小学3年生の算数「分数」の導入の授業を行いなさい(何時間目を行うかは自分で選択する)。
出典:私の受験報告フォーム(2026年10月15日時点・この自治体の報告1件)。校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。
【資料編】年度別・受験者別 過去問アーカイブ|実録3年分を収録
ここからは、受験者の報告を年度別・受験者別に整理して収録します。校種・教科のみ表示し、個人が特定される経歴に関する記述は掲載していません。
令和8年度採用(2025年夏実施)|1名の実録
小学校
- 【模擬授業】5年算数「割合」の単元の導入の授業を行いなさい。(6分間。授業後に授業についての質疑応答あり)
- 志望動機を教えてください。/沖縄県教員として取り組みたいことは何ですか。/学生時代に最も努力したことを教えてください。
- 個別最適な学び、協働的な学びとは何ですか。/個別最適な学び、協働的な学び、ICT活用について、それぞれどのような実践をしていますか。
- 不登校対応について教えてください。
- 魅力ある学校とは何ですか。/魅力ある学校づくりのために取り組みたいこと、取り組んでいることを教えてください。
- 【場面指導】元気や意欲がなく、机に伏せていることが多い児童に、どのように声かけをしますか。
令和7年度採用(2024年夏実施)|1名の実録
中学校・社会
- 【模擬授業】地理分野・課題「九州地方の南西諸島」の授業を行いなさい。(導入5分・生徒役なし)
- 人権擁護について教えてください。/チーム学校とは何ですか。
- 生徒に対応するときに気をつけていることは何ですか。/同僚と意見が合わないときの対応はどうしますか。
- 【場面指導】個人面接の中で1題出題(お題の記載なし)。
- 【形式メモ】面接官3人。面接調書からも質問あり。「終始朗らかな表情をされており、和やかムードでした」との感想。
令和6年度採用(2023年夏実施)|2名の実録
中学校・社会
- 【模擬授業・課題は事前提示】中学校1年生において、地理的分野の学習を始めるにあたり、その最初の1時間目を実施します。その際、社会的事象の地理的な見方・考え方を捉えさせ、地理的な事象に関心を持って学習に取り組むことを狙いとする授業を考え、その導入から授業を行いなさい。(各自で準備した資料を用いてもよい)
- 【出題範囲】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 第2章 社会科の目標及び内容 第2節 1 地理的分野の目標、内容及び内容の取扱い
- 【注意事項】①模擬授業は5分間・構想の時間なし ②生徒30人を想定 ③号令・出席確認・学習規律指導・宿題点検等は終了したものとして始める ④机間指導は「ここで机間指導をします」と説明のみで実際には行わない ⑤面接官は生徒役ではないので指名しない ⑥チョーク(白・赤・黄)とマグネットは教室に準備あり ⑦教科書等は使用不可 ⑧終了後に模擬授業・教科に関する質疑応答あり
- 【持参物】掲示用資料を使う場合はA3・3枚以内で準備。※模擬授業・面接を含めて一人当たり40分の設定。
- 【提出書類】面接で使用する書類は面接調書・受験調書の2種類。受験調書は郵送提出(この年は8月23日まで)。
受験調書の項目=職歴/志望動機/学生生活で最も印象に残った事柄/これまでに最も努力してきたこと/これまでに取り組んだ地域・社会活動(ボランティア活動等)/自己PR文(自らの経験を踏まえ、「沖縄県の教員として取り組みたいこと」について600字以内)。
高等学校・音楽
- 【模擬授業】「鑑賞」の1時間めの展開の授業を行いなさい。(7分間・一人芝居形式で実施)
- 【実技】弾き歌い「浜辺の歌」(指定あり・前奏、間奏を含む・移調可)
- 【個人面接・形式メモ】面接官3人(2人は校長、1人は教頭)。受験者自身の考えを問う内容が主で、施策・法規に関する質問は無かった。和やかな雰囲気でおこなわれた。
沖縄県の実録は令和8年10月時点で5名分です。数が少ないので、受験された方の報告が、このページをそのまま育てます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。
傾向と対策|4年分の出題データと実録から見えた7つの法則
市販の全国版過去問集4年分(令和4年度〜7年度採用・沖縄県分143問)を独自に集計し、実録・実施要項と突き合わせました。そこから見えた沖縄県の法則がこちらです。
- 勝負は「模擬授業→そのまま質疑応答」がひと続きであること。別室移動も仕切り直しもありません。授業を作ったら、本時の目標・B基準・C評価の子への手立てを必ずセットで用意しましょう。
- 課題は「導入」「1時間目」が中心。実録5件のうち4件が導入。単元の入口を、教科書なし・生徒役なしで5〜7分もたせる練習を。
- 学習指導要領(解説)の該当節が範囲指定されることがある。令和6年度採用の中学校社会では「解説 第2章 第2節 1」まで指定されました。専門教科の学習指導要領解説は必ず手元に。
- 自分の良さを売り込むよう求める質問が、公刊過去問に少数ながらあります。受験調書や面接調書から質問されたという報告もあるので、書類の内容と口頭での回答の両方を準備しましょう。
- 「同僚・働き方」「ストレス・メンタル」が全国平均の2倍超。離島・へき地を含む全県配属がある県だからこそ、一人で抱えず、周りと組んで働ける人かを確かめられているのではないかと考えられます。
- 保護者対応・学級経営・多様性が全国平均より多い。とくに外国籍の子どもや多様性に関する質問は全国平均の約4倍。沖縄県教育振興基本計画の「国際感覚」「非認知能力」「子どもの貧困の解消」とつながっています。
- 追質問チェーンは7.0%(全国平均約10.5%)とやや低め。「詰めてくる」というより、一つひとつの質問に自分の考えで答えさせる面接です。暗記した答えより、あなたの言葉が求められます。
ここまでお伝えした面接対策の「全体像」は、こちらの動画で体系的にまとめています。個別の質問対策に入る前に、一度この動画で土台を固めるのがおすすめです!
- 人間性豊かで、教育者としての使命感と幼児児童生徒への教育的愛情のある教員
- 幅広い教養と教育に関する専門的知識・技能を有し、常に学び続ける実践的指導力のある教員
- 沖縄県の自然、歴史及び文化に誇りを持ち、多様性を受容し、グローバルな視点を兼ね備えた教員
- 豊かなコミュニケーション能力を有し、組織力を活用できる総合的な人間力を持った教員
4つのうち2つが「沖縄県らしさ」と「組織で働く力」である点に注目してください。実録・公刊で「同僚と意見が合わないとき」「チーム学校とは」が繰り返し出るのは、4つ目の教師像と深く関わっていると考えられます。模擬授業でも面接でも、回答をこの4つのどれかに必ず着地させる意識を持つと、全体に一貫性が出ますよ!
あわせて、沖縄県教育振興基本計画(令和4年度〜13年度)の主要施策も、志望動機や「沖縄県教員として取り組みたいこと」の材料になります。主要施策は6本柱で、①「生きる力」を育む学校教育の充実 ②多様な能力を育て、力強く未来を拓く人づくり ③子どもの貧困の解消に向けた総合的な支援の推進 ④多様な学びの享受に向けた環境づくり ⑤沖縄文化の保存・継承・創造と更なる発展 ⑥新しい時代を展望した教育行政の充実。個別最適な学びや協働的な学びの推進、不登校児童生徒への支援体制の強化、非認知能力の育成、少人数学級の推進なども具体的な施策項目として挙がっています。沖縄県公式ホームページから確認しておきましょう。
また、『生徒指導提要(改訂版)』には現代の教育課題に合わせた生徒指導の在り方が書かれており、場面指導や不登校対応の回答を考えるうえで必読です。
よくある質問
Q. 二次は本当に「個人面接」だけですか?
A. はい。令和9年度採用の実施要項では、全区分の第2次試験内容が「個人面接(模擬授業等含む。)」のみと記載されています。集団面接・集団討論・小論文(論作文)・適性検査の記載はありません。ただし「模擬授業等」の中に模擬授業・教科等に関する質疑応答が含まれ、教科によっては実技や英語での質疑応答も含まれます。実質的には「複数の試験が1本にまとまっている」と考えてください。
Q. 小論文(論作文)はありますか?
A. 一般選考にはありません。第1次試験はマークシート方式の筆記試験(専門試験60分/一般教養及び教職教養試験50分)のみです。ただし「スポーツ・芸術での技能や実績による特別選考」(様式2-2)と「結・UI(ゆい・ゆい)特別選考」(様式6-2)には課題作文があります。これは試験当日に書くものではなく、出願時に提出する書類です。
Q. 模擬授業の課題はいつわかりますか?
A. 実施要項には「各試験の集合場所・開始時刻等や模擬授業等の詳細については、第1次試験合格者に対して通知する」とあります。令和6年度採用の中学校社会では、受験日より前に出題範囲・課題・注意事項が示されていました。一次合格発表(7月17日)から二次(8月15〜16日)までの約1か月が、実質的な模擬授業の準備期間です。
Q. 面接の点数や評価の観点は公表されていますか?
A. 実施要項には評価の観点・配点の記載がありません。ただし得点・順位の通知は請求できます。第1次試験は出願時、第2次試験は受験時に「得点・順位の通知を希望」して返信用封筒(テープ付き長型3号・110円切手)を提出しておくと、合格発表後1週間をめどに通知が送付されます。結・UI特別選考の志願者は対象外です。
Q. 過去問はどこで見られますか?
A. 筆記試験の問題と正答は、試験終了後10日をめどに沖縄県行政情報センター(県庁2階)・宮古行政情報コーナー・八重山行政情報コーナーで公開され、過年度分も実費で複写できます。また第1次試験の「一般教養及び教職教養試験問題」と「すべての教科の正答」は沖縄県教育委員会Webサイトでも公開されています。面接・模擬授業の内容は、確認できた範囲では公表されていないため、この記事のような受験者報告が頼りになります。
Q. 圧迫面接ですか?
A. 報告では雰囲気は穏やかです。「和やかな雰囲気でおこなわれた」(高校音楽)、「終始朗らかな表情をされており、和やかムードでした」(中学校社会)という感想が届いています。追質問チェーン率も全国平均より低く、詰めるより、一つひとつの考えを聞く面接だといえます。とはいえ模擬授業のあとの評価規準・つまずきの質問は具体的なので、そこは準備で差がつきます。
Q. 台風で試験が飛んだらどうなりますか?
A. 沖縄県ならではの規定があります。暴風警報等が発令中でも、原則として、当日朝にバスが始発から運行していれば試験は実施。バスが始発から運行停止の場合はその日の試験を延期します。試験開始後にバスの運行が停止した場合は、別途指示があります。令和9年度採用の延期予定日は第1次6月21日(日)/第2次8月22日(土)〜23日(日)/結・UI特別選考の第2次10月31日(土)。連絡は沖縄県教育委員会Webサイトで行われ、電話での問い合わせは受け付けていません。
Q. 離島・へき地への配属はありますか?
A. 実施要項の勤務条件に「離島・へき地を含め県内のすべての学校現場等に配属になる可能性がある」と明記されています。さらに令和9年度採用からは、特定の地域での長期勤務を条件とする「地域枠」特別選考も始まりました(地域A:国頭村・大宜味村・東村・伊平屋村・伊是名村・伊江村/地域B:宮古島市・多良間村/地域C:石垣市・竹富町・与那国町)。詳しくは特別選考の記事をご覧ください。
■ 沖縄県の特別選考と一次免除ルート|結・UI特別選考・地域枠・講師経験者・加点制度
面接の手応えが気になる方へ
沖縄県は二次(8月15〜16日)から最終発表(9月18日)まで1か月あります。「あの模擬授業でよかったのか」と何度も再生してしまう時期です。面接官の反応の読み方と、手応えがなくても受かる理由はこちらの記事にまとめています。
■ 面接官の合格サイン・不合格サイン|手応えがボロボロでも受かる理由
模擬授業の作り方そのものを基礎から固めたい方は、全国版の記事もあわせてどうぞ。
この記事では、受験者の皆さんからの情報提供と、公刊過去問の情報をそれぞれ参照しています。ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございます。応援しています!
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