【教員採用試験】鹿児島県の二次試験|受験者3名の実録と5年間の出題傾向(個人面接+グループ討議)

こんにちは、金井志津乃です! 

鹿児島県の二次って、個人面接とグループ討議があるんですよね? 討議は司会を立てないって聞いたけど本当? あと「離島は大丈夫か」って必ず聞かれるって噂も……

どちらも、受験者からそういう報告が届いています! 鹿児島県の二次は個人面接200点+グループ討議200点の同点勝負。しかも討議は司会も記録も立てないという報告が届いています。こうした形式を知っておくと、当日の落ち着きが変わりますよ!

この記事では、鹿児島県公立学校教員等採用選考試験第2次試験(個人面接・グループ討議・適性検査)について、実際に受験した方からご提供いただいた「生の質問」3年分と、過去5年の出題データをもとに、内容・流れ・傾向と対策をまとめます。

この記事の根拠

  • 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告2件を「令和9年度採用の報告」として追加収録
  • 令和6年度〜8年度採用(2023〜2025年夏実施)の受験者3名の実録を、年度別に収録(すべて無料で読めます)。鹿児島県は令和8年10月時点で報告数が少ないので、正直に「令和6〜8年度採用は3名分、令和9年度採用は2件」とお伝えします。
  • 過去5年分(令和4年度〜8年度採用)の市販過去問集359問を独自に集計——うち集団討論が143問で、私のデータベースでは全国最多。鹿児島県の討議テーマの「クセ」がデータで見えます。
  • 日程・配点・求める教師像は令和9年度採用の実施要項と照合済み(形式・質問例は受験者報告と公刊資料)。倍率は教育委員会の出願状況・1次試験合格者一覧と文部科学省の実施状況調査から。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
令和9年度採用(2026年夏実施)|選考の日程

出願登録(電子申請):4月1日(水)〜4月27日(月)17時/出願書類の郵送:4月1日〜4月30日(木)消印有効(簡易書留・郵送のみ、持込不可)
第1次試験(筆記):6月14日(日)/第1次試験合格発表:7月10日(金)15時以降
第2次試験:7月31日(金)〜8月12日(水)のうち指定された日(土日祝を含む)
最終合格発表:9月4日(金)15時以降(県HPおよび県庁行政庁舎17階に掲示、同日に受験者全員へ結果通知を発送)

鹿児島県の二次は「指定された1日」に受けます。7月31日〜8月12日のどの日になるかは1次合格発表の通知で知らされるため、お盆前の2週間はまるごと空けておくのが鉄則です。
※出典:令和9年度鹿児島県公立学校教員採用選考試験実施要項。
令和10年度採用の日程は要項公開後に更新します。

お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

二次試験の形式|30秒でわかる基本情報

実施日令和8年7月31日(金)〜8月12日(水)の指定された1日(土日祝を含む)。会場は鹿児島県総合教育センター(鹿児島市宮之浦町)。保健体育の実技は甲南高校、音楽・美術・芸術の実技は松陽高校。
試験内容(全受験者)個人面接・グループ討議・適性検査の3つ(実施要項「第7 2次試験」)
個人面接200点。市販の過去問集の形式メモでは、令和4・7・8年度採用の形式メモに「総括面接(10分程度・面接官2人)」+「担当面接(20分・面接官2人)」の2部構成と記載されています(令和5年度採用は2部構成のみで時間の記載がなく、令和6年度採用は「試験官2人」とだけ記載)(実施要項に明記はなく、この点は公刊資料ベースの情報です)。
小学校・特支小学部だけの特徴個人面接の中で英語によるスピーチ(自己紹介等)を実施(実施要項に明記)。他の校種にはありません。
グループ討議200点。過去の資料では、試験委員4人、1グループ3〜6人、25分または35分。令和9年度採用の報告には面接官5名・40分(中学校)という例もあり、受験区分・報告によって異なります。準備室で課題が示され、自分の意見をまとめる用紙に記入してから討議室へ。司会・記録は立てないという受験者報告あり。
適性検査配点表には点数の記載なし。受験者報告ではY-G性格検査(音声の指示に従って回答)とクレペリン検査(音声に従って一桁の計算を繰り返す)。
実技試験中高特支の家庭(被服実技)・英語(英語会話)・保健体育・音楽/美術/芸術のみ。社会人特別選考は家庭を、英語特別選考は英語を、スポーツ・芸術特別選考は保体・音美芸を免除。
小論文実施なし。1次は教職教養(50分・100点)と教科専門(90分または50分・200点)のみ、2次は上記のとおりで、実施要項に論作文の記載はありません。

鹿児島県で一番見落とされる「配点の仕組み」

実施要項の配点表をよく読むと、鹿児島県の二次には1次試験の「教科専門」の得点が持ち越されるという仕組みがあります。小学校だけは持ち越しがなく、それ以外の校種・職種は二次の総点に1次の教科専門が加算されます。

受験区分個人面接グループ討議実技試験1次の教科専門2次の総点
小学校200200——400
中学校・高等学校・特別支援学校(実技なしの教科)200200—200600
中学校[音楽・美術・保健体育]/高等学校[芸術・保健体育]200200100100600
特別支援学校(中学部)[音楽・美術・保健体育]/(高等部)[芸術・保健体育]20020050150600
英語・家庭(中高特支)20020050150600
養護教諭・栄養教諭200200—100500

※出典:令和9年度鹿児島県公立学校教員採用選考試験実施要項「第7 2次試験 3 配点」。
1次試験の配点は教職教養100点+教科専門200点(特別支援学校は教科専門100点+特支専門100点)=300点。

ここ、とても大事です。小学校は「面接200+討議200」の400点勝負=二次の出来がすべて。一方で中高・特支・養護・栄養は、一次の教科専門の成績が、二次では区分ごとに200点・150点・100点の配点で反映されます。「一次はギリギリ通ればいい」と思っていると、二次で最初から差をつけられた状態で戦うことになりますよ。

鹿児島県の倍率|令和9年度採用は最終2.0倍(小学校・特支は一次受験者と一次合格者がほぼ同数)

鹿児島県教育委員会が公表した令和9年度採用(2026年夏実施)の数字です。出願者1,157人・採用予定530名程度で出願倍率は2.2倍、9月4日に公表された最終結果は受験1,116人・合格546人で、倍率2.0倍(県の公表値。前年も2.0倍)でした。

受験区分採用予定(R9)出願者(R9)出願倍率1次合格者(私が集計)受験者
(第2・3希望確定後)
合格者倍率
(県公表)
小学校210名程度318人1.5倍304人318人225人1.4倍
中学校150名程度284人1.9倍234人264人150人1.8倍
高等学校63名程度285人4.5倍156人272人62人4.4倍
特別支援学校58名程度73人1.3倍71人74人58人1.3倍
養護教諭35名程度104人3.0倍71人98人35人2.8倍
栄養教諭3名程度50人16.7倍15人50人3人16.7倍
総計(実習助手・寄宿舎指導員を含む)530名程度1,157人2.2倍—1,116人546人2.0倍

※出願倍率=出願者数÷採用予定者数。1次合格者数は令和8年7月10日発表の受験番号一覧に記載された番号を私が数えたもので、教育委員会の公表値ではありません。中学校保健体育・高校保健体育・特別支援(中学部・高等部)保健体育には500番台の受験番号が含まれており、一般の受験番号とは別系統(1次免除者等の可能性)です。1次試験時点の受験者数は県が令和8年6月14日付の資料で公表しています(総計1,116人)。表の受験者数は最終結果で公表された「第2・3希望確定後受験者数」で、第2・3希望での合格を反映して校種別に組み替えた値のため、1次時点の校種別人数とは異なります。1次合格者数は私が数えた値で、1次免除者等を含む範囲の照合が必要なため、単純に割った1次倍率は載せていません。教職教養チャレンジ試験の合格者(小87・中55・特支17)は別枠のため含みません。受験者数・合格者数・倍率(県公表)は令和8年9月4日公表の「結果について【別紙】」の値で、倍率は「第2・3希望確定後受験者数」を合格者数で割った値です(第2・3希望で合格した小学校14人・特別支援学校3人は、合格した校種に計上されています)。
出典:鹿児島県教育委員会「令和9年度 鹿児島県公立学校教員等採用選考試験の出願状況について」「同 1次試験合格者」「同 結果について【別紙】」

数字を並べると、鹿児島県の選考のかたちがはっきり見えてきます。特別支援学校は1次受験71人に対し1次合格71人、小学校は304人に対し304人。ただし1次合格者数には1次免除者等が含まれる可能性があるため、1次の通過割合は断定できません。一方で高校は1次受験275人→1次合格156人、栄養教諭は50人→15人と、1次受験者数より1次合格者数がかなり少なくなっています。

令和9年度採用の最終合格発表は2026年9月4日(金)に行われ、同日に校種・教科別の結果も公表されました(上の表に反映しています)。教科別の倍率、5年分の推移、文部科学省の調査による競争率(受験者数÷採用者数)は倍率の専用記事にまとめました。

■ 鹿児島県の倍率|令和9年度採用の最終結果と5年間の推移(校種別・教科別)
■ 鹿児島県の特別選考と一次免除ルート|教職教養チャレンジ試験・大学推薦・現職・臨時的任用教員・加点制度

① 志望動機と「鹿児島で働けますか」|離島の質問は複数の報告あり

鹿児島県の実施要項には、受験資格として「県内どこにでも赴任できる者」と明記されています。県内には離島が多く、実際の面接でもこの確認が入ります。受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。

  • どうして鹿児島県の教員を目指したのですか。/なぜ鹿児島県にしたのですか。(2年連続で報告あり)
  • 島での勤務もありますが大丈夫ですか。/離島に行けますか。(2年連続・別々の受験者から報告)
  • 勤務地についての希望はありますか。
  • (県外から受験する方へ)移住した場合、不安なことはありますか。
  • 教員を目指すきっかけとなった出来事は何ですか。/教員になりたいと思ったきっかけは何ですか。
  • (社会人経験のある方へ)なぜ今、他業種から教員なのですか。
  • 初めての受験ですか。
  • 普段、心を落ち着かせるためにしていることは何ですか。

「離島に行けますか」はYes / No を確かめるだけの質問ではありません。「はい、行けます」と答えたうえで、離島や小規模校でどんな教育がしたいかまで一言添えられるように準備しておきましょう。鹿児島県教育振興基本計画(令和6年度〜10年度)にも「へき地・小規模校教育の振興」が施策として明記されています。

縁もゆかりもない都道府県を受験する場合に、お伝えしていることが2つあります。1つは自分の教育観とマッチしているところがないか調べておくこと。もう1つは、教育に全然関係ないことでもいいので、その自治体について自分が好きだと思えるところを見つけておくことです。丸腰で行くよりも「ちゃんとうちのことを調べてきてくれてるな」と思ってもらえるほうが、好印象かなと思います。

② 服務・法令|「どの法令に書かれていますか」まで聞かれます

鹿児島県の個人面接で目を引くのが、法令名を直接たずねる質問です。受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。

  • 公務員として働く上での服務規程は、どの法律に書かれていますか。(令和7年度採用・中学校)
  • 体罰の禁止と服務規律は、それぞれどの法令に示されていますか。(令和6年度採用・中学校)
  • 生徒指導について規定しているものは何ですか。(『生徒指導提要』を指す質問)
  • 学習指導要領の3つの指針は何ですか。
  • 残業は月・年それぞれ何時間以内ですか。
  • 不祥事をなくすために、どのようなことができますか。
  • どのような気持ちで服務規律の研修に臨めば、不祥事は無くなる(減る)と思いますか。

他県の面接では「不祥事はなぜ起こると思いますか」のように考えを問う形が多いようです。鹿児島県はそこに「根拠となる法令名を答えられるか」という筆記に近い確認が混ざる報告があります。教職教養で覚えた知識が、そのまま面接で使われるということです。最低限、次の対応は口に出して言えるようにしておきましょう。

  • 服務(信用失墜行為の禁止・守秘義務・職務専念義務など)→ 地方公務員法
  • 体罰の禁止 → 学校教育法第11条(懲戒はできるが体罰は加えられない)
  • 生徒指導の考え方 → 『生徒指導提要(改訂版)』(文部科学省)
  • 時間外在校等時間の上限 → 月45時間・年360時間(公立学校の教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針)

また鹿児島県は、実施要項に「児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)の特定性犯罪事実該当者ではないこと」を受験資格として明記しています(令和8年12月25日までに施行予定)。子どもの安全に関わる法制度の動きは、面接の話題としても押さえておきたいところです。

③ 教育観・専門教科・部活動|「免許外でも教えられますか」

教員不足を背景に、鹿児島県では「自分の教科以外も担当できるか」を確かめる質問が複数の受験者から報告されています。実際の質問はこちらです。

  • 自分の科目以外でも教えろと言われたら、できますか。(令和8年度採用・中学美術)
  • 特別支援学校や支援学級でもできますか。(令和8年度採用・中学美術)
  • (保有免許について)ほかに免許外で担当できる教科は何ですか。/より上位の免許状に切り替えるつもりはありますか。(令和6年度採用・中学校)
  • 専門教科の指導で大切にしていることは何ですか。
  • これからの(専門教科の)教育にとって必要なことは何ですか。
  • 今の中学校教育で大切なものは何ですか。
  • 部活動は何を指導できますか。/部活動は持ちたいですか。
  • 部活動の地域移行についてはどう考えていますか。(令和7年度採用・中学校)
  • 働き方改革について、どのようにすれば進みますか。

市販の過去問集5年分の集計でも、鹿児島県は部活動に関する質問が全国平均の約1.5倍、地域連携が約1.8倍、働き方・同僚関係が約1.7倍と、いずれも全国平均を上回っています。小規模校が多く、一人の教員が幅広く関わる県だからこその傾向だと私は見ています。

「自分の教科以外も教えられますか」は、答え方に迷う質問ですよね。私がおすすめするのは、「できます/できません」で終わらせずに、どう学ぶかまで話すことです。「担当することになれば、教科書と指導書を読み込み、その教科の先生に相談しながら準備します」——この一言が、謙虚さと学び続ける姿勢の証明になります。

④ グループ討議(集団討論)|鹿児島県で最も対策が効く200点

ここからが鹿児島県対策の本丸です。グループ討議は個人面接と同じ200点。しかも私のデータベースでは、鹿児島県の集団討論の出題データが143件と全国最多で、5年分の傾向がはっきり見えます。

当日の流れ(受験者報告より)

  1. 準備室に4名(5名の場合もあり)で入り、そこで討議の課題が示される
  2. 自分の意見をまとめる用紙を渡され、5分程度で記入する
  3. 時間になったら討議室へ移動。試験官は4人ほど。
  4. まずそれぞれが自分の意見を述べ、そこから討議に入る。司会や記録は立てない。
  5. 25分で「グループとしての意見をまとめる」よう指示される
  6. 討議終了後、試験官から一人ずつ質問があり、それぞれ答える

※令和6年度採用(2023年夏実施)・中学校受験者の報告より。市販の過去問集の形式メモでも、令和6年度採用は「25分/1グループ3〜5人」と一致しています。

時間と人数は年度で動いています。公刊資料の形式メモを年度別に整理すると、こうなります。

採用年度(実施)時間グループの人数試験委員
令和4年度(2021夏)控え室で5分構想 → 20分計測の記載あり—4人
令和5年度(2022夏)35分3〜5人—
令和6年度(2023夏)25分3〜5人—(受験者報告では4人ほど)
令和7年度(2024夏)25分6人を上限—
令和8年度(2025夏)35分6人を上限4人

※市販の全国版過去問集5年分の「形式」欄を私が集計。年度によって25分/35分、3〜5人/6人上限と変動しているため、「その年は何分・何人か」は当日の指示に従ってください。どの年度にも共通しているのは「グループとして結論をまとめる」ことです。試験委員は4人という記録が多いものの、令和8年度採用には「面接官5人」の記録もあります。司会を立てない指示は、令和4年度採用の形式メモと令和6年度採用の受験者報告で確認できたものです。

鹿児島県の討議テーマ3つの特徴(5年・143件の集計から)

  1. ほぼ全問が「グループとして意見をまとめてください/提案してください」で終わる。意見交換だけで終わる形式ではなく、制限時間内に一つの結論・提案に着地させることが求められます。ここが鹿児島県の最大の特徴です。
  2. 「学校の話」ではないテーマが毎年出る。地域の活性化、観光、食品ロス、投票率、書店の減少、交通安全、退職代行サービス——教育とは直接関係のない社会課題から入り、そこで「教員としての視野の広さ」を見るテーマが混ざる年が多いようです。
  3. 鹿児島県そのものが題材になる。県の魅力を県外・世界に発信する、県の愛称を考える、県内自治体の条例、小規模校での対話活動の工夫、県立の夜間中学——「鹿児島をどう良くするか」を問うテーマが繰り返し登場します。

テーマの傾向をキーワードで見ると、鹿児島県はICT・端末が全国平均の約1.9倍、生成AIが約9倍、地域連携が約1.8倍、SNSが約2.7倍(面接1,000問あたりの出現率で比較)。逆に学級経営は全国平均の約3分の1、保護者対応は約4分の1、自己PR・長所短所は約5分の1と、大きく少なめです。「学級のトラブル」より「社会と学校のつながり」——これが鹿児島県の出題の重心だと考えられます。

実際に受験された方から届いた討議テーマは、こちらの3つです。

  • 【令和6年度採用・中学校】不登校生をこれ以上出さないためにできることは何か、討論しなさい。
  • 【令和7年度採用・中学校社会】生成AIを使うメリット・デメリットを考え、どう使用すべきか結論を出しなさい。
  • 【令和8年度採用・中学美術】グローバル社会を生き抜いていくために、子どもたちにどのような教育が必要か討論しなさい。

「結論を出す形式」の進め方|3つのステップ

制限時間内にグループの結論を出す形式は、手順を知っているだけで進み方がまったく変わります。私が受講生にお伝えしている3ステップです。

  1. 方向性を明確にしてから議論する。「これから考える対策は、どこに向かっているのか」を最初にそろえます。方向性を決めずに話し始めると、議論がわちゃわちゃと広がりすぎてしまいます。
  2. 多角的な視点を早い段階で出す。立場(担任・生徒指導部・管理職・保護者・子ども・地域)と方法の両方を、まずみんなで出してみる。そこから絞り込むほうが、あとの合意が早くなります。
  3. 共通点と相違点を整理し、相違点はメリット・デメリットで検討する。そして採用しなかった意見にも「この視点も大事ですよね」と一言添える。選ばれなかった人の気持ちへの配慮まで含めて、私は大切にしたいと思っています。

鹿児島県では司会を立てないという受験者報告があります。だからこそ「司会ができないから不利」ということもありません。集団討論で評価されているのは協調性・コミュニケーション力/適性/指導力の3つ。グループ全体の印象が良くなくても、個人として高評価を得ることはできます。私が採点する側で見てきて「つい高評価をつけたくなる人」は、いつもチームでベストな答えを作ろうとしている人でした。

逆に、やってしまうと一気に評価を落とすNG行動もあります。①我を通す ②一人で長時間話す ③論点がずれる ④他の受験者を見下す。とくに②は要注意で、35分・6人なら1回30秒〜1分の発言を複数回、が目安です。「たくさん話した人が勝ち」ではありません。

討議のあとの「一人ずつの質問」も採点対象

受験者報告にあるとおり、鹿児島県は討議が終わったあとに試験官から一人ずつ質問があります。公刊資料の集計では、討議そのものの内容ではなく、討議の振り返りや同僚との関わり方を問う形の質問が記録されています。

共通するのは「今の討議を、自分の言葉で振り返れるか」。討議中に他の受験者の発言をメモしておき、誰のどの意見に自分の考えが動かされたかを言えるようにしておくと、この場面で強くなります。討議に集中しすぎて他の人の名前や意見を覚えていない、というのが一番もったいないパターンです。

全国の集団討論テーマ140問超をまとめた記事もあります。鹿児島県の「結論を出す形式」に慣れるための素材として使ってください。

■ 教員採用試験の集団討論【過去問140問程度】

⑤ 適性検査|Y-G性格検査とクレペリン検査

実施要項には「適性検査」とだけ書かれていますが、受験者の報告では次の2つが実施されています。

  • Y-G性格検査:音声の指示どおりに回答する形式。ある年は音声が流れず、急遽、試験官が読み上げたという報告もありました。
  • クレペリン検査:音声に従って簡単な一桁の計算を繰り返す形式。「途中で集中力が途切れるし、かなり疲れる」との感想が届いています。

いずれも対策で点を伸ばすものではありません。ただ、面接や討議と同じ日程の中で行われるため、体力と集中力を最後まで持たせるという意味では準備が要ります。二次は7月31日〜8月12日の真夏。前日の睡眠と当日の水分・食事を軽く見ないでください。

【2026年夏実施・令和9年度採用の報告】実際に出た質問

令和9年度採用(2026年夏)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。

中学校|個人面接(面接官2名・20分)

  • 他の教科も受け持つことはできますか。
  • 担当教科以外で、何の教科をしたいですか。
  • 教員に関するさまざまなニュースがありますが、それでも教員になりたいですか。

中学校|集団討論(受験者4名・面接官5名・40分)

  • 【集団討論】多様な学びについて。ある生徒から「特別支援の必要な子だけ特別すぎる」という話がありました。担任として、その学級をどのようにまとめますか。

特別支援学校(小学部)|総括面接(面接官2人・受験者1人・10分程度)

  • 英語で自己紹介をしてください(1分程度)。
  • ここまで、どうやって試験に臨んできたのですか。
  • ストレス発散方法は何ですか。
  • (履歴書から)趣味について教えてください。
  • 受験回数は何回ですか。
  • 令和8年度の熊本地震について、どう考えますか。→このとき、どこにいましたか。→子どもたちがいたら、どのように対応しますか。
  • (履歴書の)免許状の確認。
  • 人権感覚とは何ですか。
  • 人権同和教育について、どう考えますか。
  • 働き方改革について、どう考えますか。
  • 鹿児島県の特別支援学校の数はいくつですか。
  • 離島の特別支援学校の数と学校名を答えてください。
  • なぜ教師になろうと思ったのですか。
  • 特別支援に求められるものは何ですか。
  • 鹿児島県の教育問題は何ですか。
  • 勤務地や地域の教育課題は何ですか。

特別支援学校(小学部)|個人面接(面接官2人・受験者1人・20分程度)

  • ここまで、どうやって臨んできたのですか。
  • いつ教師を志したのですか。
  • (履歴書を見て)(ゆかりの地)での思い出を教えてください。
  • 地方公務員法第31条〜第38条について答えてください。
  • 受験回数は何回ですか。
  • 免許状の確認。
  • 自己PRをしてください。
  • 自分が授業をしたら、子どもたちはどのような力が身につきますか。
  • 日頃から意識していることは何ですか。
  • 人権感覚とは何ですか。
  • 人権同和教育とは何ですか。
  • 鹿児島県の南北の距離はどれくらいですか。
  • 自分はどんな人なのか、教えてください。

特別支援学校(小学部)|集団討論(受験者4名・移動等5分/構想5分/討論25分・司会なし)

  • 【集団討論】児童生徒にAIについて授業をするために、良い点・悪い点を挙げてまとめてください。(受験者4名・構想5分・討論25分/司会なし、まとめを出す形式)

特別支援学校(小学部)|筆記(90分)

  • 科目・時間の報告。国語・社会・算数・理科・音楽・図工・家庭・英語・特別支援教育に関する教科専門で90分。教職教養は講師経験等3年以上で免除、WEB適性検査は二次試験までに各自受験。実施要項に記載のない体育が小学校・特別支援学校小学部の教科専門で出題される不備があり、県はこの問題を満点扱いとした(特別支援学校小学部は10点、小学校は20点。県の発表は2026年6月19日)。

出典:私の受験報告フォーム(2026年9月18日時点・この自治体の報告2件)。
校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。

【資料編】年度別 過去問アーカイブ|令和6年度〜8年度採用の受験者3名の実録を収録

ここからは、受験者の報告を年度別に整理して収録します。個人が特定される経歴・保有免許・出身地に関する記述は省略・一般化しています。

令和8年度採用(2025年夏実施)|中学美術

個人面接

  • なぜ鹿児島県にしたのですか。(県外から受験)/なぜ今、他業種から教員なのですか。
  • 離島に行けますか。/移住した場合、不安なことはありますか。
  • 教員になりたいと思ったきっかけは何ですか。/初めての受験ですか。
  • 自分の科目以外でも教えろと言われたらできますか。/特別支援学校や支援学級でもできますか。
  • これからの美術教育にとって必要なことは何ですか。/今の中学校教育で大切なものは何ですか。

グループ討議

  • グローバル社会を生き抜いていくために、子どもたちにどのような教育が必要か。

令和7年度採用(2024年夏実施)|中学校・社会科

個人面接

  • どうして鹿児島県の教員を目指したのですか。/教員を目指すきっかけとなった出来事は何ですか。
  • 公務員として働く上での服務規程は、どの法律に書かれていますか。
  • 島での勤務もありますが大丈夫ですか。
  • 部活動は持ちたいですか。/部活動の地域移行についてはどう考えていますか。

グループ討議

  • 生成AIを使うメリット・デメリットを考え、どう使用すべきか結論を出す。

令和6年度採用(2023年夏実施)|中学校

個人面接(1人で14問の報告)

  • 普段、心を落ち着かせるためにしていることは何ですか。/勤務地についての希望はありますか。
  • 専門教科の指導で大切にしていることは何ですか。
  • 学習指導要領の3つの指針は何ですか。/生徒指導について規定しているものは何ですか。
  • 体罰の禁止と服務規律は、それぞれどの法令に示されていますか。
  • 働き方改革について、どのようにすれば進みますか。/残業は月・年それぞれ何時間以内ですか。
  • 不祥事をなくすためにどのようなことができますか。/どのような気持ちで服務規律の研修に臨めば不祥事は減ると思いますか。
  • 部活動は何を指導できますか。
  • (保有免許について)免許外で担当できる教科は何ですか。/より上位の免許状に切り替えるつもりはありますか。

グループ討議

  • 不登校生をこれ以上出さないためにできることは何か。
    (形式)グループ4名(5名の場合もあるとのこと)で準備室に入り、そこで討議内容が示される。自分の意見をまとめる用紙に5分くらいで記入し、討議室へ移動。最初にそれぞれが意見を述べ、それから討議。司会や記録は立てない。25分でグループとしての意見をまとめるよう言われる。討議終了後、試験官から質問があり、それぞれ答える。試験官は4人くらい。

適性検査

  • Y-G性格検査:音声の指示どおりに回答する。当日は音声が流れず、急遽、試験官が読み上げた。
  • クレペリン検査:音声に従って簡単な一桁の計算を繰り返す。「途中で集中力が途切れるし、かなり疲れます」

令和6年度〜8年度採用の実録は3名分です。これに加えて令和9年度採用は中学校と特別支援学校小学部の2件を上の節に掲載しています。小学校・高等学校・養護教諭の報告は、令和8年10月時点で届いていません。受験された方の報告が、このページを育てます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

傾向と対策|5年分の出題データと実録から見えた7つの法則

市販の全国版過去問集5年分(令和4年度〜8年度採用・鹿児島県分359問)を独自に集計し、実録と突き合わせました。そこから見えた鹿児島県の法則がこちらです。

  1. 集計した359問のうち143問(約4割)がグループ討議。個人面接と同じ200点で、対策の費用対効果が最も高いのがここです。「面接だけ練習して討議はぶっつけ本番」が一番もったいない。
  2. 討議は「結論を出す形式」で固定。ほぼ全問が「グループとしての意見をまとめてください/提案してください」。方向性の共有→多角的な視点→絞り込み、の手順を体に入れておきましょう。
  3. 離島・県内全域への赴任の確認は、受験者報告で複数見られます。実施要項の受験資格に「県内どこにでも赴任できる者」と明記されています。迷いを見せない答え方を用意してください。
  4. 服務は「法令名」まで問われる。他県は考えを問う形が多いようですが、鹿児島県は地方公務員法・学校教育法第11条・生徒指導提要を名指しで答えさせる質問の報告があります。教職教養の知識が面接の得点になります。
  5. 部活動・地域連携・働き方の質問が全国平均を大きく上回る。部活動は約1.5倍、地域連携は約1.8倍、働き方・同僚は約1.7倍。小規模校が多い県ならではの重心です。
  6. ICT・生成AI・SNSが急増中。過去問集の集計では、生成AIは全国平均の約9倍です。討議でも個人面接でも、「学校で生成AIをどう使うか」は自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
  7. 追質問チェーンは約6%と全国平均(約10.5%)より低め。一問一答で深追いされにくい代わりに、質問数が多く一問一問が短いのが鹿児島県。長い前置きは不要で、結論から端的に答える練習が効きます。
鹿児島県が求める教師像(実施要項より)
  • 心身ともに健やかで,明朗活発な教師
  • 高い専門性と幅広い教養をもち,謙虚に学び続ける教師
  • 情熱と使命感にあふれ,教育的愛情をもつ教師
  • 人間性豊かで的確なコミュニケーション能力をもつ教師

4つのうち2つが「学び続ける」「コミュニケーション」に関わるものです。「自分の教科以外も教えられますか」「特別支援学級でもできますか」という質問も、この教師像から出ていると考えると腑に落ちます。回答はこの4つのどれかに必ず着地させる意識を持つと、面接全体に一貫性が出ますよ!

あわせて、鹿児島県教育振興基本計画(令和6年度〜10年度)も目を通しておきましょう。基本目標は「夢や希望を実現し ともに未来を創る鹿児島の人づくり」。取組の視点には「郷土の教育的な伝統や風土の活用と未来への継承」「教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」が掲げられ、施策には「へき地・小規模校教育の振興」「郷土教育の推進」「学校における働き方改革の推進」が並びます。グループ討議で地域や郷土のテーマが出る背景が、ここを読むと見えてきます。鹿児島県教育委員会「教員採用」のページから関連資料を確認できます。

また、『生徒指導提要(改訂版)』は、鹿児島県では面接で名指しで問われる可能性がある一次資料です。目次だけでも押さえておいてください。

そして、ここまでお伝えした面接対策の「全体像」は、こちらの完全解説動画で体系的にまとめています。個別の質問対策に入る前に、一度この動画で土台を固めるのがおすすめです!

よくある質問

Q. 個人面接は本当に2回あるのですか?

A. 実施要項には「個人面接」としか書かれていません。ただし市販の過去問集の形式メモには、令和4・7・8年度採用の形式メモに「総括面接10分程度・面接官2人」「担当面接20分・面接官2人」という記載があります(令和5年度採用は2部構成のみで時間の記載がなく、令和6年度採用は「試験官2人」とだけ記載)。合計で30分前後の面接になると考えて準備しておくと安心です。この点は公表資料ではなく公刊資料ベースの情報なので、当日の案内に従ってください。

Q. 小学校の英語スピーチは、どんな内容ですか?

A. 実施要項には「小学校及び特別支援学校小学部の受験者については、個人面接において英語によるスピーチ(自己紹介等)を実施」とあります。専用の英語試験ではなく、個人面接の中の一場面です。「等」とあるとおり自己紹介以外も想定されるため、自己紹介+志望動機+子どもへの一言くらいまでを、やさしい英語で言えるようにしておくと落ち着いて臨めます。小学校受験の方は必ず練習してください。

Q. グループ討議で司会をしたほうがいいですか?

A. 受験者報告では「司会や記録は立てない」と指示されています。無理に司会役を取りにいく必要はありません。それよりも、議論の方向性がぼやけたときに「最終的にどこに向けてまとめましょうか」と一言かけられる人、時間が残り少ないときに「あと◯分なので、そろそろまとめませんか」と切り出せる人のほうが、チームへの貢献として評価されます。

Q. 小論文(論作文)はありますか?

A. 令和9年度採用の実施要項には、1次・2次とも小論文(論作文)の記載はありません。1次は教職教養と教科専門の筆記のみ、2次は個人面接・グループ討議・適性検査(+対象教科の実技)です。文章を書く力はグループ討議の前に自分の意見をまとめる用紙で使うことになるので、「5分で自分の考えを箇条書きにする」練習をしておきましょう。

Q. 面接カードや自己PR書類の提出はありますか?

A. 令和9年度採用の実施要項で全員が提出する書類は「願書」「履歴書」「試験結果通知用レターパックライト(青)」の3点です(特別選考・加点申請の該当者は各申請書と証明書類を追加)。他県のような面接カード・自己申告書・自己PR用紙の提出は記載がありません。面接官の手元にあるのは願書と履歴書と考えられるので、履歴書の記載事項は必ず自分で振り返っておいてください。

Q. 過去の試験問題は見られますか?

A. 実施要項に「鹿児島県公立学校教員採用選考試験の過去の試験問題等については、県政情報センター(県庁行政庁舎2階)において閲覧可能」と明記されています。また不合格者は、合格発表の日から1か月間、教職員課(県庁行政庁舎17階)で試験結果の情報提供を受けられます(原則対面のみ。1次は教職教養・教科専門の得点と総合得点、総合成績のランク/2次はさらに2次の総合得点と実技の得点)。次年度に向けて、これは必ず取りに行ってください。

面接の手応えが気になる方へ

鹿児島県は二次が7月31日〜8月12日、最終発表が9月4日。3週間以上、結果を待つことになります。「あの答えでよかったのか」と面接を何度も再生してしまう時期です。面接官の反応の読み方と、手応えがなくても受かる理由はこちらの記事にまとめています。

■ 面接官の合格サイン・不合格サイン|手応えがボロボロでも受かる理由

また、鹿児島県には大学3年生以上が受けられる「教職教養チャレンジ試験」があり、合格し、翌年に小学校・中学校・特別支援学校のいずれかへ改めて出願する場合、1次試験の教職教養が免除されます。ほかにも大学推薦・現職教員・臨時的任用教員・障害者・教職大学院など9つの特別選考があります。自分がどのルートで受けられるかは、こちらで確認してください。

■ 鹿児島県の特別選考と一次免除ルート|教職教養チャレンジ試験・大学推薦・現職・臨時的任用教員・加点制度

この記事では、受験者の皆さんからの情報提供と、公刊過去問の情報をそれぞれ参照しています。ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございます。応援しています!

あわせて見たい面接・討論対策動画

\登録無料/ 鹿児島県対策をもっと深く

この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。

  • 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
  • 一発合格を勝ち取る極意セミナー
  • 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー
  • 【厳選】面接質問TOP50 ←この記事の対策に◎
  • 【早期登録者限定】シークレット特典
  • あなたに必要な対策診断
  • 教採に受かる人の15の習慣
  • 【無料版】教員採用試験必勝ノート
  • 【全国版】集団討論過去問 ←この記事の対策に◎
  • 【全国版】小論文テーマ集
  • 【全国版】場面指導テーマ集

「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます

YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次