【教員採用試験】浜松市の「学校教育に関するレポート」|過去4年の出題テーマと50分の書き方(受験者報告つき)

こんにちは、金井志津乃です! 

浜松市の二次にある「学校教育に関するレポート」って、小論文とは違うんですか? 10点しかないので、後回しにしていいのかも迷っています。

形式は小論文(論作文)そのものです。そして後回しにするには惜しい試験ですよ。というのも浜松市のレポートは、確認できた4年分すべてが「第4次(第3次)浜松市教育総合計画」からの出題で、設問の作りも、確認できた令和6〜8年度採用の3年分はほぼ同じなんです。確認できた範囲では、規則性が見える自治体です!

この記事では、浜松市立小・中学校教員採用選考試験の第2次選考で実施される「学校教育に関するレポート」について、過去の出題テーマ・令和6年度〜8年度採用に共通する構成・50分の書き方をまとめます。

この記事の根拠

  • 令和6・7・8年度採用の受験者3名の報告(実際の設問と、当日の持ち物・解答用紙の様子まで)
  • 市販の全国版過去問集から浜松市の出題テーマ4年分を収録(課題文そのものは転載していません。テーマの要旨のみ)
  • 実施時間・配点は令和9年度採用(令和8年度実施)の試験要項と照合済み
  • 出題元となる第4次浜松市教育総合計画の基本理念・目指すこどもの姿・目指す教職員の姿を収録
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

形式|30秒でわかる基本情報

名称学校教育に関するレポート(要項の試験項目名。いわゆる小論文・論作文です)
実施第2次選考試験の2日目(令和9年度採用は7月26日・日)。同じ日に「授業」(養護教諭は「保健」)に関する面接も実施されます。
時間・配点50分・10点(要項)。第2次選考の配点は、レポート10点+個人面接45点+「授業」に関する面接45点。
内容要項の記載は「浜松市の教育に関するレポートの作成」。実際は浜松市教育総合計画のキーワードを示し、①〜③の3問に答えさせる形式が続いています。
対象小学校・中学校・発達支援推進教員は共通問題。養護教諭は課題文の「教員」を「養護教諭」に読み替える形(令和6年度採用の報告より)。
字数令和9年度採用の要項では、字数の指定は確認できませんでした。行数指定の解答用紙(レポート用紙)に書く形で、設問ごとの行数は年によって変わったという報告があります。
持ち物・条件筆記用具のみ持込可。色ペン使用不可、図表は使用可(令和6年度採用の報告より)。
併願の場合令和6年度採用の小中併願の受験者報告では、レポートは1回のみでした(「授業」に関する面接は校種ごとに実施)

注目してほしいのは、令和6年度採用の報告にあった「図表は使用可」という条件です(令和9年度採用の要項には記載がないため、当日の案内で確認してください)。50分という短い時間で、しかも行数が決まった用紙。言葉だけで書ききれないときに図で補える——この一文は、書き方を設計するうえで大きなヒントになります。

過去4年の出題テーマ|確認できた4年分は「浜松市教育総合計画」から

採用年度示されたキーワード出典(計画名)
令和4年度採用
(2021年夏実施)
「目指す子供の姿」の実現に向けて推進している「キャリア教育を核とした人づくり」について第3次浜松市教育総合計画 後期計画「はままつ人づくり未来プラン」(教育理念=「未来創造への人づくり」「市民協働による人づくり」)
令和5年度採用
(2022年夏実施)
当ブログの手元資料に該当年度のデータがありません(欠測)
令和6年度採用
(2023年夏実施)
「目指す子供の姿」の1つ「これからの社会を生き抜くための資質・能力を育む子供」第3次浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」
令和7年度採用
(2024年夏実施)
「目指す子供の姿」の1つ「自分らしさを大切にする子供」第3次浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」
令和8年度採用
(2025年夏実施)
基本理念「描く夢や未来の実現」(国の第4期教育振興基本計画のコンセプトを踏まえたもの)第4次浜松市教育総合計画

※出典:市販の全国版過去問集の浜松市分および受験者報告。
課題文そのものは転載していません(テーマの要旨のみ)。令和5年度採用は当ブログの手元資料に該当データがないため空欄としています。令和9年度採用(2026年夏実施)のレポートの出題テーマは、令和8年10月時点で当ブログでは確認できていません。

4年分を並べると一目瞭然です。確認できた令和4・6・7・8年度採用の4年分では、「浜松市教育総合計画」に関する出題がありました。しかも令和8年度採用からは第4次計画(2025〜2034年度)に切り替わりました。次に受ける方は、第4次計画は、読んでおきたい資料の一つです。

設問の型|令和6年度〜8年度採用に共通する「3点セット」

テーマだけでなく、設問の作りも共通しています。令和6・7・8年度採用の3年間、示されたキーワードは違うのに、聞かれ方の骨組みは同じでした(細かい条件は年度で異なります)。

  1. 【考え方】そのキーワードの実現のために大切にしたいことはどのようなことですか。(年によっては「育成を推進した先の、大人として成長した具体的な姿」もセットで問われました)
  2. 【実践】そのために具体的にどのような取り組みをしますか。学級担任になった場合を想定して答えなさい。(令和7年度採用は「その取り組みが上手くいかなかった時にどうするか」、令和8年度採用は「取組を一つに絞り、①の記載内容を踏まえる」という条件がありました)
  3. 【自己研鑽】そのために、あなたはどのような努力をしますか。

「考え方 → 学級担任としての実践 → 自分の努力」——この3段構えです。つまり浜松市のレポートは、確認できた3年分の報告では、設問を予想する試験ではなく、型に何を入れるかを準備しておく試験に近いと考えられます。

受験者の報告|実際に出た問題

令和8年度採用(2025年夏実施)・小学校

浜松市の教育総合計画の基本理念は「描く夢や未来の実現」です。このことを踏まえ、次の①②③それぞれについてあなたの考えを述べなさい。

  1. 「描く夢や未来の実現」のために大切にしたいことはどのようなことですか。
  2. 「描く夢や未来の実現」のために具体的にどのような取り組みをしますか。学級担任になった場合を想定して答えなさい。
  3. 「描く夢や未来の実現」のために、あなたはどのような努力をしますか。

※報告者から「この項目の問題はうろ覚えです」との注記がありました。

令和7年度採用(2024年夏実施)・小学校

「学校教育に関するレポート」レポートを書く時間は50分間。

  1. 「自分らしさを大切にする子供」を育成するために大切にしたいことは何か。
  2. 学級担任として取り組みたいことと、その取り組みが上手くいかなかった時にどうするか。
  3. 「自分らしさを大切にする子供」の育成のために努力していくことは何か。

※報告者の感想「昨年の解答用紙よりも②の行数が2、3行増え、③が2、3行減っているような気がしました」。解答用紙は設問ごとに行数が決まっており、その配分は年によって動くようです。

令和6年度採用(2023年夏実施)・中学校国語/小学校併願

学校教育に関するレポート(小・中学校・発達支援推進教員共通。養護教諭は「教員」を「養護教諭」に入れ替える)。課題に対して、レポート用紙に回答。筆記用具のみ持込可・色ペン使用不可・図表は使用可。

第3次浜松市教育総合計画「はままつ人づくり未来プラン」の「目指す子供の姿」の1つ「これからの社会を生き抜くための資質・能力を育む子供」を踏まえ、次の①②③それぞれについて、あなたの考えや思いを述べなさい。

  1. その育成を推進した先の、成長した具体的な姿(大人として成長した姿)をどのような姿と考えますか。また、その実現に向けて育成するために、大切にしたいことはどのようなことですか。
  2. 育成のために具体的にどのような取り組みをしますか。学級担任になった場合を想定して答えなさい。
  3. そうした子供を育成できる教員になるために、あなたはどのような努力をしますか。

※小中併願の場合、「授業に関する面接」は小学校・中学校それぞれで行うが、レポートと個人面接は1回のみだったとの報告。

出題元を読む|第4次浜松市教育総合計画のキーワード

令和8年度採用から出題元が第4次浜松市教育総合計画(2025〜2034年度)に切り替わりました。押さえるべきキーワードは多くありません。

第4次浜松市教育総合計画の骨格

基本理念:「描く夢や未来の実現」
——こどもやこどもの成長を支えるすべての人々が、それぞれの「夢や未来」を描き、その実現に向けて自ら行動していくことで、それぞれのウェルビーイングを向上させていきたい、という願いが込められています。

3つのコンセプト

  • 主体性——物事を自分事としてとらえ、自ら解決すべき課題を見つけて粘り強く取り組む
  • 多様性・包摂性——一人一人の自分らしさを認め、互いを尊重しあう
  • 信頼・協働——様々な人や組織とよりよい関係性を構築し、多様な人々と協働しながら社会変化を乗り越えていく

目指すこどもの姿:自分らしさを大切にするこども/他者と協働し、主体的に行動できるこども/自己調整しながら、粘り強く取り組むこども

目指す教職員の姿:こどもの自分らしさを受け止める教職員/愛情と情熱、規範意識を持ち続ける教職員/専門性と指導力を磨き続ける教職員

3つの方針:Ⅰ 自分や浜松の未来を創る人づくり/Ⅱ 安全・安心で魅力ある環境づくり/Ⅲ こどもの学びや育ちを支える連携・協働(この下に5つの政策・25の施策があります)

ここで大事なのは、設問③(あなたはどのような努力をしますか)の答えを考える手がかりが「目指す教職員の姿」に用意されていると考えられることです。「こどもの自分らしさを受け止める」「愛情と情熱、規範意識を持ち続ける」「専門性と指導力を磨き続ける」——この3つのどれかに、自分の努力を接続すればいい。市が方向性を先に示してくれていると見ることができます。

50分の書き方|浜松市レポートの型

設問が3問に分かれているので、一般的な小論文(序論・本論・結論)とは組み立てが違います。設問ごとに完結させるのがこの試験の書き方です。

時間やることポイント
0〜3分示されたキーワードに線を引き、設問①②③が何を聞いているかをメモ①考え方 ②学級担任としての実践 ③自分の努力。この3つがズレていないかを最初に確認。
3〜10分構想メモ。3問それぞれに「結論の一文+具体例1つ」を書き出す。行数が決まっているので、書き出す量を先に決める
10〜45分解答用紙に清書各設問の1行目に結論。2行目以降で具体化。
45〜50分見直しキーワード(例:「自分らしさ」「描く夢や未来の実現」)が3問すべてに登場しているか

小論文の対策で、私が動画でお話ししているポイントを、浜松市に当てはめて5つにまとめておきますね。

  1. 問題文が求めている要素を先に洗い出す。浜松市は①②③に分かれているぶん、書き漏らしがないかに気をつけてください。書き始める前に必ず番号を振ってください。
  2. 構想メモを必ず作る。いきなり書き出すと、具体例を書いている途中でテーマから逸れます。
  3. 軸足を常に確認する。今回のテーマは「自分らしさ」だよね、と逐一振り返りながら書き進める。論点がズレると、どんなにいい内容でも「そんなことは聞いていない」で終わってしまいます。
  4. 指定された量を必ず満たす。字数指定なら8〜9割を目安に、「何字以上」ならその字数を必ず満たす。浜松市は行数指定の解答用紙なので、各欄をきちんと埋めきることを意識してください。字数に届いていない答案は、読まれずに捨てられている可能性もあります。
  5. 自分なりの時間配分を掴む。ワードで打つ練習だけでなく、手書きで、行数の決まった用紙に、時間を計って書いてみてください。「自分はこれだけ構想メモに時間をかければ書き切れる」というリズムがあると、当日、周りがカツカツ書き始めても揺らぎません。

構想メモの取り方そのものは、こちらで実演しています。

設問②で差がつく|「学級担任として」を具体で書く

浜松市の設問②には、令和6年度採用と令和8年度採用の報告で「学級担任になった場合を想定して」という条件がついていました(令和7年度採用の報告は「学級担任として」)。ここが差のつくところです。

  • いつやるのかを書く(朝の会・帰りの会・学級活動・授業の中・行事の前後・個人面談)
  • 子どもの姿で書く(「主体性を育てます」ではなく「〇〇と言えるようになる」)
  • 令和7年度採用のように「上手くいかなかった時にどうするか」が加わった年もあります。取り組みを1つ書いたら、その裏側(うまくいかない場面)も一言用意しておくと崩れません。

「教員として具体的に何をするのか」は、日ごろから面接ノートにメモしておくのがおすすめです。「このテーマが来たら、この取り組みを挙げよう」というストックがあるかどうかで、50分の中身がまったく変わります。

■ 浜松市の個人面接|受験者3名の実録と出題傾向(一次から面接100点・二次は場面指導つき)

よくある質問

Q. 10点しかないのに、対策は必要ですか?

A. 必要です。理由は2つあります。1つは、要項に「各試験項目の得点が基準に達しない場合には、合格者とはしません」と書かれていること。配点が小さくても、基準を下回れば止まります。もう1つは、準備の中身が面接と重なる部分が大きいからです。「浜松市の教育で大切にしたいこと」「学級担任としての具体的な取り組み」「自分の努力」——これは個人面接でも聞かれることがある3点セットです。レポート対策が面接対策にもつながると考えてください。

Q. 何字くらい書けばいいですか?

A. 令和9年度採用の要項では字数の指定は確認できませんでした。受験者報告によると設問ごとに行数が決まった解答用紙で、その配分は年によって変わります。したがって「◯字」ではなく「与えられた行を最後まで使いきる」を目標にしてください。練習では、A4用紙に15行・20行など複数パターンを想定して、同じ内容を長短どちらでも書けるようにしておくと安心です。

Q. 第4次計画は全部読まないといけませんか?

A. 全部でなくても大丈夫だと考えています。優先順位は①基本理念「描く夢や未来の実現」→②3つのコンセプト(主体性/多様性・包摂性/信頼・協働)→③目指すこどもの姿3つ→④目指す教職員の姿3つ。これは第4次計画を読む際の入口です。過去の設問には、第3次計画の「キャリア教育を核とした人づくり」や「これからの社会を生き抜くための資質・能力」も含まれています。余裕があれば、3つの方針と5つの政策の見出しまで。浜松市公式ホームページで公開されていますので、通読ではなく「この10個のキーワードを自分の言葉で説明できるか」を目標にしてください。

Q. 養護教諭や発達支援推進教員も同じ問題ですか?

A. 令和6年度採用の報告では、小学校・中学校・発達支援推進教員は共通問題で、養護教諭は課題文の「教員」を「養護教諭」に入れ替える形でした。ただし設問②の「学級担任になった場合を想定して」の部分は、自分の立場に引きつけて書くのがよいと考えられます。養護教諭の方は「保健室・保健指導・保健だより・担任との連携」の形で、発達支援推進教員の方は「発達支援学級の担任・通級指導教室・コーディネーター」の形で、具体を用意しておきましょう。

Q. 一次に小論文(課題作文)はありますか?

A. 一般選考にはありません。第1次選考の「課題作文」(60分・50点)は、特別選考B-ウ(臨時的任用の教員等)・特別選考D(国際貢献活動経験者等)・特別選考F(障がいに配慮した選考)の受験者が、教職・一般教養試験の代わりに選択できる科目です。テーマは、B-ウが「教育実践に基づくテーマ」、Dが「多文化共生に基づくテーマ」、Fが「これまでの経験に基づくテーマ」と、区分ごとに指定されています。詳しくは特別選考の記事へ。

■ 浜松市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・大学推薦・現職・講師・加点20点
■ 浜松市の倍率|令和9年度採用の最終結果と4年間の推移(校種別・教科別)

Q. 対策の時間がありません。最短の方法は?

A. 過去の出題キーワードや第4次計画のコンセプトを題材に、3点セットを書く練習をしてみる——これだけでも効果が期待できます。「自分らしさ」「描く夢や未来の実現」「主体性」「多様性・包摂性」あたりで、①考え方 ②学級担任としての取り組み ③自分の努力を、それぞれ3〜4行で書き出す。時間がない人ほど、書かずに読んで終わりにしがちですが、手を動かして初めて「自分の具体例のストックがない」ことに気づけます。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

浜松市のレポートの受験者報告は令和8年10月時点で3名分です。設問はもちろん、解答用紙の行数のような細かい情報こそ、次の受験生の助けになります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

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