こんにちは、金井志津乃です!

大阪府って小論文があるって聞いたんですけど、私は中学校志望です。書かなくていいんでしょうか? 書く人はどんなテーマが出るんですか?

大阪府の小論文は「小学校等」の受験者だけ——『小学校』『小中いきいき連携』『幼・小共通』『小学部』の4区分です。ただし現職教諭対象の選考では筆答テストが免除されます。中学校・高校・養護・栄養の方は小論文はありません。書く方は、令和9年度採用では第2次選考で500字程度。テーマには一定の傾向が見られるので、押さえていきましょう!
この記事では、大阪府公立学校教員採用選考テストの小論文について、過去5年の出題テーマと受験案内に書かれた評価の観点をもとに、傾向と書き方をまとめます。
この記事の根拠
- 実施日・時間・字数・評価の観点・配点は令和9年度採用の受験案内と照合済み
- 令和4年度〜8年度採用(2021〜2025年夏実施)の出題テーマを5年分整理——出典資料とテーマの要旨のみを掲載しています(課題文・設問文は転載していません)
- 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を追加収録しました(2026年10月14日時点)。ただし形式のみの報告で、テーマは届いていません。受験された方はぜひ教えてください(記事末のフォームから)。
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
小論文の形式|30秒でわかる基本情報
| 書くのは誰? | 令和9年度採用では、『小学校』『小中いきいき連携』『幼・小共通』『小学部』の受験者のみ(受験案内では「小学校等」と定義)。ただし現職教諭対象の選考では筆答テストが免除されるため、小論文はありません。中学校・高等学校・中学部・高等部・養護教諭・栄養教諭・自立活動の受験者に小論文はありません。 |
| 実施 | 第2次選考の筆答テストの中で実施(令和9年度採用の場合)。令和9年度採用は2026年8月8日(土)13時55分〜16時30分/試験時間120分(予備日8月9日)。令和10年度採用からは専門筆答テストが第1次選考(2027年6月12日実施)に移ると公表されています。小論文の扱いは令和10年度採用の実施要項で確認してください。 |
| 内容 | 国語・算数・理科・社会・英語についての専門テスト(択一式)と小論文(500字程度)を、120分の中で解答します |
| 字数 | 500字程度(受験案内)。過去の出題では「450字以上550字以下」という但し書きが付いた年度が多いですが、当日の設問の指定に従ってください。 |
| 配点 | 令和9年度採用の第2次選考は、面接と筆答の組合せで820点満点。うち筆答テスト400点(小学校等は実技のない組合せと読めます)。残り420点が面接テスト(個人面接315点/模擬授業105点)。 |
| 持ち物 | 受験票、鉛筆(BまたはHB)、消しゴム、時計(受験案内より) |
| 基準点 | 受験案内に「各テストの得点が一つでも基準に達しない場合は、不合格とします」と明記。筆答テストで基準に届かなければ、面接がどれだけ良くても不合格です。 |

ここで一番大事なのは「120分の中に、択一式の専門テストと小論文の両方が入っている」ということ。小論文だけに120分使えるわけではありません。択一を何分で終わらせて、小論文に何分残すか——時間配分を自分で決めておかないと、書き切れずに終わります。
- 小学校等教員として必要な知識と教養を備えているか
- 社会的な背景や課題を把握しているか
- 具体的かつ客観性のある内容を論理的に記述しているか
3つ目に注目してください。「具体的」「客観性」「論理的」——この3語が並んでいます。つまり大阪府が見ているのは、熱い思いの表明よりも、誰が読んでも筋が通っていて、実際に学校でできることが書かれた答案だと考えられます。
令和9年度採用(2026年夏実施)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。
小学校|小論文(報告では450〜500字・筆記と合わせて120分。受験案内は500字程度)
- 形式のみ報告・450〜500字(受験案内は500字程度)、筆記と合わせて120分
出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年10月14日時点・この自治体の報告1件)。校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。
過去5年の出題テーマ|「政策文書+具体的な取組み」が定型
令和4年度採用(2021年夏実施)から令和8年度採用(2025年夏実施)までの出題テーマを整理しました。テーマと出典資料の要旨のみを掲載しています(問題文そのものは各年度の大阪府の出題をご確認ください)。
| 採用年度(実施) | 対象区分 | テーマの要旨 | 引用された資料 | 字数 |
|---|---|---|---|---|
| 令和4年度(2021夏) | 小学校・小中いきいき連携 | 感染症に関する偏見や差別、インターネットによる人権侵害といった新たな人権課題を踏まえ、子どもが人権感覚を身につけ、自他の人権を尊重する行動ができるようにするための取組み | — | 500字程度(450〜550字) |
| 令和4年度(2021夏) | 支援学校(幼稚部・小学部共通および小学部) | 学習指導要領総則が示す情報活用能力の育成を踏まえ、支援学校の教員としてどのようにICTを活用していくか | 特別支援学校小学部・中学部学習指導要領総則(平成29年4月告示) | 500字程度(450〜550字) |
| 令和5年度(2022夏) | 支援学校(幼稚部・小学部) | 障がいのない幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることが規定されていることを踏まえ、どのような取組みをするか | 特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成29年4月公示) | 500字程度(450〜550字) |
| 令和6年度(2023夏) | 支援学校(幼稚部・小学部共通および小学部) | 合理的配慮・基礎的環境整備の充実が重要であるという中教審報告を踏まえ、聴覚障がいと知的障がいのある子どもへの支援 | 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(平成24年7月・中央教育審議会) | 500字程度(450〜550字) |
| 令和7年度(2024夏) | 小学校・小中いきいき連携 | 第2次大阪府教育振興基本計画の基本方針「将来をみすえた自主性・自立性の育成」を踏まえ、生活や社会の課題を見出し、多様な人々とつながりながら考え行動する力を育てるために、学級担任として何をするか | 第2次大阪府教育振興基本計画 | 500字程度(450〜550字) |
| 令和7年度(2024夏) | 支援学校(幼稚部・小学部共通および小学部) | 学習指導要領第7章が示す自立活動の目標(障害による学習上・生活上の困難を主体的に改善・克服する力を養う)を踏まえた取組み | 特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成29年4月公示) | 500字程度(450〜550字) |
| 令和8年度(2025夏) | 小学校・小中いきいき連携 | 運動時間の少ない児童がいる状況を踏まえ、児童の運動への関心と運動習慣を育むための学級担任の取組みを2つ示し、各取組みの理由とともに述べる | — | 500字程度(450〜550字) |
| 令和9年度(2026夏) | — | 2026年10月14日時点ではテーマの報告なし(記事末のフォームで募集) | — | — |
※出典:市販の全国版過去問集(令和4年度〜8年度採用)を当ブログで整理。
テーマの要旨と出典資料名のみを掲載しています。
5年分を並べると、大阪府の小論文にははっきりした型があります。
- 政策文書や調査結果を踏まえた出題があります。確認した設問には、学習指導要領、中教審報告、大阪府教育振興基本計画、全国体力・運動能力、運動習慣等調査などが使われています。
- 「あなたは教員としてどのような取組みをしますか」と問われる。感想や意見よりも、取組みを書かせる出題が目立ちます。
- 「具体的な取組みを2つ挙げ、理由にも触れながら」のように、書き方まで指定される年がある。指定を外すと、減点される場合があります。
- 『小学校』系と『支援学校』系で問題が分かれる。『幼・小共通』『小学部』の方は特別支援教育のテーマ(ICT・交流及び共同学習・合理的配慮・自立活動)が続いています。
※参考:令和4・5年度採用の公刊過去問集には、資料を2〜4点読み取って800字程度で述べる出題(特別支援学校のキャリア教育、医療的ケア児、不登校など)も大阪府として記録されています。ただし令和9年度採用の受験案内に該当する記載はありません。対象区分や令和9年度採用以降の実施状況は、必ずその年の受験案内でご確認ください。

この傾向が分かれば、まず準備したいのは1つです。学習指導要領・中教審の報告・大阪府教育振興基本計画のどれが引かれても、「私は担任として、こういう取組みを2つします。理由はこうです」と500字で書ける形をつくっておくこと。テーマを予想するより、この型を体に入れておくほうがおすすめですよ!
書き方|500字で「取組み2つ+理由」を書き切る型
大阪府の小論文は500字程度(当日の設問の字数指定に従ってください)。字数がかなり短く、書きたいことを削る作業が中心になります。しかも択一式の専門テストと同じ120分の中。当ブログがおすすめする配分がこちらです。
| 目安 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 最初に小論文の設問を読む | 問題冊子を開いたら、まず小論文の設問だけ読んで線を引く | 択一を解いている間、頭の片隅で構想が進みます。最後に初めて設問を読むのは、避けたほうがよいと考えます。 |
| 択一式:時間を決めて切る | 国語・算数・理科・社会・英語の専門テスト | 小論文に残す時間を先に決めてから解く。分からない問題で粘らない。 |
| 構想メモ:5分 | 「引用された文書が言っていること」「取組み①」「取組み②」「それぞれの理由」を箇条書き | 500字なら段落は3〜4つ。メモの段階で字数配分まで決める。 |
| 執筆:20〜25分 | 500字前後を目標に(当日の字数指定に従う) | 「450字以上550字以下」なら500字前後で着地。450字を切らないようにしたいところです(当日の設問の指定に従ってください)。 |
| 見直し:3分 | 主語述語のねじれ・誤字・段落の切れ目 | 観点「論理的に記述しているか」に直結します |
500字の構成テンプレート
- ①課題の受け止め(約100字):引用された文書や設問の言葉をそのまま使って、何が課題なのかを一文で。課題文の言葉を使うと、論点がずれていないことが伝わり、評価されやすくなると考えられます。
- ②取組み①(約150字):「私は担任として〜する」。いつ・どの場面で・誰に・何をするかまで書く(例:朝の会で/国語の授業で/学級活動の時間に)。そしてその取組みを挙げた理由を1文添える。
- ③取組み②(約150字):①と違う切り口で。①が授業なら②は学級経営・家庭や地域との連携、というように重ならないように。
- ④結び(約100字):大阪府の教員としてどうありたいかで締める
500字は本当に短いので、前置きを書く余裕はありません。「近年、社会は大きく変化しており……」のような書き出しで50字使うと、それだけで取組み1つ分が消えます。1文目から課題に入るのがおすすめです。

小論文でまず意識してほしいのは「課題の趣旨からそれないこと」。特に本論は具体例や取り組みを書くところなので、論点がずれやすいのです。設問が「取組みを2つ挙げ、理由にも触れながら」と言っているのに、思いだけを熱く書いてしまう。設問の要求に線を引いて、書き終わったら1つずつ照合する——書き終わってから論点がずれていないかを読み返すだけでも、ある程度合格点に近づきます。1分で解説したショートがこちら!
構想メモの取り方は、実際に私が書きながら解説した動画が分かりやすいと思います。漠然としたテーマを、理由→具体→結論に落とすまでを実演しています。
大阪府らしい答案にするために|教育振興基本計画の7つの基本方針
令和7年度採用では、第2次大阪府教育振興基本計画の基本方針がそのまま設問に引用されました。読んでおけば「知っている土俵」で書けますし、読んでいなければ設問の意味をつかむところから始めることになります。基本方針は次の7つです(掲載時点で確認できる計画の内容です。改定された場合は大阪府教育庁のページで確認してください)。
- 確かな学力の定着と学びの深化
- 豊かな心と健やかな体の育成
- 将来をみすえた自主性・自立性の育成(←令和7年度採用の小論文で引用)
- 多様な主体との協働
- 力と熱意を備えた教員と学校組織づくり
- 学びを支える環境整備
- 私立学校の振興
出典:第2次大阪府教育振興基本計画(大阪府教育庁)。
小論文だけでなく、個人面接の「大阪府の教育課題は何ですか」への答えの土台にもなります。
『幼・小共通』『小学部』の方は、これに加えて特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(特に総則と第7章の自立活動)と、中教審「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」が出題で引用された資料です。この2つは目を通しておくことをおすすめします。
そして小論文は「書く面接」と考えることもできます。ここで書いた「私はこういう取組みをする担任です」は、面接テストの個人面接(315点)で聞かれることもあります。小論文と面接の答えを同じ軸でそろえておくと、準備が一気に楽になりますよ。全体像は完全攻略動画で。
■ 大阪府の個人面接|受験者19名の実録と5年間の出題傾向(二次は模擬授業+個人面接)
よくある質問
Q. 中学校・高校志望ですが、小論文はありますか?
A. ありません。令和9年度採用の受験案内では、小論文が含まれるのは『小学校』『小中いきいき連携』『幼・小共通』『小学部』の筆答テスト(表③)だけです(現職教諭対象の選考は筆答テストが免除されます)。中学校・高等学校・中学部・高等部・養護教諭・栄養教諭・自立活動の方は、第2次選考の筆答テストは校種等・教科(科目)別の専門テストになります。
Q. 何字くらい書けばいいですか?
A. 受験案内の指定は「500字程度」で、過去の出題では「450字以上550字以下」という但し書きが付いた年度が多くあります(当日の設問の指定に従ってください)。目標は500字前後。450字を下回ると字数不足で減点される可能性があり、550字を超えると書き直す時間もありません。練習のときから、字数のどこで①〜④の各段落を終えるかを決めておきましょう(解答用紙の形式は当日の指示に従ってください)。
Q. 択一式と小論文、どちらを先に解くべきですか?
A. 正解はありませんが、私がおすすめするのは「小論文の設問だけ最初に読み、解くのは択一から」です。設問を頭に入れておくと、択一を解いている間に無意識で構想が進みます。そして小論文に残す時間を先に決めて、その時刻になったら択一を打ち切って書き始めてください。書き切れなかった答案は、内容が良くても評価が下がるおそれがあります。
Q. 小論文の配点は公表されていますか?
A. 受験案内には、小論文単独の配点の記載がありません。分かっているのは、第2次選考が820点満点で、筆答テスト(択一+小論文)が400点、面接テストが420点ということです。ただし受験案内には「各テストの得点が一つでも基準に達しない場合は、不合格とします」と書かれているので、筆答テスト全体で基準を下回らないことが最低ラインになります。なお、現職教諭対象の選考は筆答テストが免除され、面接テストで判定されます。
Q. 対策の時間がありません。最短の方法は?
A. 合格レベルの例文を読んで「OKパターン」を体に入れ、丸写しにはせず、例文よりよい論文を自分で書くことを目指すのが近道だと考えています。大阪府なら「政策文書を引用した設問+取組み2つ」の型で1本書き、添削を受けて書き直すところまで進めておきましょう。
Q. 大阪市・堺市も同じ問題ですか?
A. いいえ。大阪市立学校・堺市立学校は、それぞれ大阪市教育委員会・堺市教育委員会が別に試験を実施しています。豊能地区(豊中市・池田市・箕面市・豊能町・能勢町)も別実施です。この記事は大阪府の内容です。
Q. 倍率はどのくらいですか?
A. 令和9年度採用の最終結果(併願合格を含む公表値)は、小学校1.7倍・小中いきいき連携1.6倍・支援学校(幼小共通・小学部)2.3倍で、全体では2.6倍でした。令和8年度採用(同じ定義)は、小学校1.9倍・小中いきいき連携1.5倍・支援学校(幼小共通・小学部)2.5倍、全体では2.8倍でした(倍率記事の推移表は併願合格者を除いて算出した総合結果表の値のため、小中いきいき連携1.7倍・全体2.9倍と数字が異なります)。令和9年度採用の最終結果と5年間の推移は倍率記事にまとめています。
■ 大阪府の倍率|令和9年度採用の最終結果と5年間の推移(校種別・教科別)
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
大阪府の小論文は、2026年10月14日時点で、当ブログに届いている受験者の報告が1件(形式のみ)の分野です。「令和9年度採用ではこんなテーマが出た」「時間配分はこうだった」——ひとことでも構いません。教えていただけると、これからこの記事を読む受験生の力になります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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