【教員採用試験】岩手県の倍率|令和9年度採用の最終結果と4年間の推移(校種別・教科別)

こんにちは、金井志津乃です! 

岩手県の倍率って、どのくらいなんでしょうか。年々下がっていると聞くのですが……。

その通りなんです。岩手県の一般選考の全体倍率は、令和6〜8年度採用の3年間で3.1倍 → 2.5倍 → 2.3倍と下がり、令和9年度採用は2.4倍でした。しかも岩手県は教科別の数字まで全部公表してくれている県。自分の校種・教科の数字を見にいきましょう!

この記事では、岩手県公立学校教員採用候補者選考の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の第1次選考結果と最終結果と過去の推移を、校種別・教科別・選考区分別にまとめます。

この記事の根拠

  • 数字はすべて岩手県教育委員会が公表した資料(令和9年度の一般選考受験者数・令和8年度の選考結果・令和7年度の実施状況)から集計。推定値は使っていません。
  • 岩手県が使う倍率の定義をそのまま採用し、令和8年度採用から定義が変わったことも明記しています
  • 二次試験の内容(個人面接・模擬授業・実技試験)は別記事にまとめています →岩手県の二次試験|個人面接+模擬授業の内容・日程・出題傾向
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
30秒でわかる|岩手県の倍率のポイント
  • 令和9年度採用(一般選考)は採用予定360人・申込860人・第1次選考合格539人。採用予定は前年の320人から40人増。
  • 令和8年度採用(確定結果)の倍率は総計2.3倍。小学校1.7倍・中学校2.2倍・高等学校3.4倍・特別支援学校2.3倍・養護教諭2.6倍。
  • 全体倍率は3.1倍(令和6年度採用)→2.5倍→2.3倍と令和8年度採用まで2年続けて低下(令和9年度採用は2.4倍)。高等学校は令和6年度採用の5.3倍から令和8年度採用の3.4倍へと大きく下がりました。
  • 令和9年度採用は申込860人のうち171人(約20%)が第1次選考免除者。前年の26人から6.6倍に急増しました(免除者には大学3年生選考通過者も含まれます)。
  • 教科差が大きい:令和8年度採用は高校公民9.0倍に対して中学校音楽・英語1.2倍
  • 令和9年度採用の第2次選考結果は令和8年9月28日(月)に発表。一般選考は採用候補者330人・倍率2.4倍(前年2.3倍)で、ほぼ横ばいでした。
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

まず定義から|岩手県の倍率は「(受験者+一次免除者)÷採用候補者」

この記事の倍率の定義

倍率=(第1次選考受験者数+第1次選考免除者数)÷採用候補者数
(岩手県の公表資料に「(B+B’)/D」と明記された県の定義。令和8年度採用から)

令和7年度採用以前は「受験者数÷採用候補者数」(B/D)でした。令和8年度採用の免除者欄は一般選考B・D、令和9年度採用はこれに大学3年生選考通過者も含む集計です。定義が変わった理由は、確認できた範囲の公表資料には記載されていません。数字を年度で比べるときは、この違いを頭に置いてください。

他県でよく使われる「志願者数÷採用予定人員」とは分母も分子も違います。岩手県の倍率は「実際に選考を受けた人が、最終的に何人に1人合格したか」を示す数字ですが、一次免除者も人数に含まれるため、一次を実際に受けた人数だけで見た倍率とは異なります。

令和9年度採用(2026年夏実施)|第1次選考と最終結果

令和8年8月6日公表の第1次選考結果と、令和8年9月28日公表の最終結果です(一般選考)。採用予定360人は、前年(320人)から40人の増加です。

校種採用予定申込者A1次受験者B1次免除者B’1次合格者C採用候補者D倍率(B+B’)÷D
小学校230人
(小・中計)
245人151人83人198人135人1.7倍
中学校 計238人179人50人132人79人2.9倍
小・中学校 計483人330人133人330人214人2.2倍
高等学校 計110人
(県立学校計)
195人159人18人118人70人2.5倍
特別支援学校 計65人53人8人44人26人2.3倍
県立学校 計260人212人26人162人96人2.5倍
養護教諭20人117人83人12人47人20人4.8倍
総計360人860人625人171人539人330人2.4倍

※1次受験者B=1次選考免除者・当日欠席者を除く数、1次免除者B’=一般選考B・一般選考D及び大学3年生選考通過者の合計、1次合格者C=1次選考免除者を含む数(いずれも県の定義)。採用予定数は小学校と中学校で230人程度、高等学校と特別支援学校で110人程度、養護教諭20人程度と要項に示されています(大学3年生通過者選考とあわせた数)。採用候補者Dと倍率(公式記載の値)は岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年9月28日)の一般選考欄で、特別選考(大学推薦16人など)を加えた総計は採用候補者350人・2.3倍です。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年8月6日現在)

この表で最初に目を引くのが第1次選考免除者171人です。前年の26人から6.6倍。とくに小学校は83人で、申込245人の3分の1にあたります。令和9年度採用の免除者には、一般選考B・Dに加えて「大学3年生通過者選考」の受験者が含まれます。ただし、各区分の内訳はこの公表表では分かりません。

ここ、数字の読み方に注意してください。小学校は一次受験151人に対して一次合格198人——受験者より合格者のほうが多く見えますよね。これは一次合格者に「一次免除者83人」が含まれているから。「一次を受けた151人のうち115人が通った」という意味です(198−83=115、私が算出)。公表資料の注記まで読まないと、倍率を読み違えます。

一般選考の第1次選考合格者は、免除者を含め539人、採用候補者は330人でした。採用候補者数は第1次合格者数の約61.2%ですが、二次実受験者を母数とする合格率ではありません。採用予定360人には特別選考分も含まれるため、一般選考の第1次合格者数だけで割って合格見込みを示すことはできません。

教科別の結果と倍率(令和9年度採用)

岩手県は教科・科目ごとの数字まで公表しています。「自分の教科に何人申し込んで、何人が一次を通ったか」が分かる貴重な資料です。

校種・教科申込者1次受験者1次免除者1次合格者採用候補者倍率
小学校245人151人83人198人135人1.7倍
中学校 国語19人13人5人17人12人1.5倍
中学校 社会71人60人8人26人11人6.2倍
中学校 数学40人30人9人24人15人2.6倍
中学校 理科14人10人4人12人8人1.8倍
中学校 音楽9人4人5人8人6人1.5倍
中学校 美術7人5人2人6人3人2.3倍
中学校 保健体育55人45人9人24人11人4.9倍
中学校 技術2人—1人1人1人1.0倍
中学校 家庭2人1人1人2人1人2.0倍
中学校 英語19人11人6人12人11人1.5倍
高校 国語17人13人4人14人9人1.9倍
高校 公民8人7人—6人4人1.8倍
高校 日本史5人4人—4人4人1.0倍
高校 世界史8人7人1人5人2人4.0倍
高校 地理8人7人1人7人4人2.0倍
高校 数学20人15人3人11人9人2.0倍
高校 物理3人2人—1人1人2.0倍
高校 化学4人4人—3人2人2.0倍
高校 生物5人4人1人5人5人1.0倍
高校 地学0人—————
高校 音楽2人2人—2人1人2.0倍
高校 美術2人2人—2人2人1.0倍
高校 書道 ※令和9年度採用で募集追加7人5人1人4人2人3.0倍
高校 情報14人8人3人10人3人3.7倍
高校 保健体育59人52人1人17人5人10.6倍
高校 家庭3人3人—3人1人3.0倍
高校 農業5人4人1人5人3人1.7倍
高校 工業5人3人—3人3人1.0倍
高校 商業11人10人1人8人3人3.7倍
高校 水産0人—————
高校 英語9人7人1人8人7人1.1倍
特別支援 小学部36人26人7人22人12人2.8倍
特別支援 中学部・高等部29人27人1人22人14人2.0倍
養護教諭117人83人12人47人20人4.8倍

※「—」は該当者なしまたは0人。倍率=(1次受験者+1次免除者)÷採用候補者(県の定義・公式記載の値)。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年8月6日現在)、採用候補者と倍率は岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年9月28日)。
高等学校の「福祉」は令和9年度採用も募集なしです。

申込者が多いのは中学校社会71人・高校保健体育59人・中学校保健体育55人。一方で中学校技術2人・中学校家庭2人・高校地学と水産は0人と、教科によって受験者の数がまったく違います。「岩手県の倍率は◯倍」という一つの数字だけで語ると、教科ごとの違いを見落としやすくなります。

令和8年度採用(2025年夏実施)の最終結果|倍率の全体像

ここでは令和8年度採用の確定結果を振り返ります。ここで倍率=(1次受験者+1次免除者)÷採用候補者が分かります。

校種採用予定申込者1次受験者1次免除者1次合格者採用候補者倍率
小学校220人
(小・中計)
242人210人13人196人130人1.7倍
中学校 計219人203人5人141人93人2.2倍
小・中学校 計461人413人18人337人223人1.9倍
高等学校 計80人
(県立学校計)
210人197人4人118人60人3.4倍
特別支援学校 計61人58人2人44人26人2.3倍
県立学校 計271人255人6人162人86人3.0倍
養護教諭20人89人76人2人48人30人2.6倍
総計320人821人744人26人547人339人2.3倍

※倍率=(1次受験者+1次免除者)÷採用候補者(県の定義)。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考…受験者数について」(令和8年8月6日現在)の令和8年度採用欄。
なお令和7年9月25日公表の「令和8年度教員採用選考結果について」では特別支援学校(中学部・高等部)の1次受験者が32人(総計745人)と記載されており、確定値との間に1人の差があります。本記事は新しい公表資料の値を採用しています。

採用予定320人に対して採用候補者339人。岩手県は採用予定より多めに合格を出す年があります(理由は、確認できた範囲の公表資料には記載されていません)。校種別に見ると、小学校1.7倍がもっとも低く、高等学校3.4倍がもっとも高いという構図です。

教科別の倍率(令和8年度採用)

校種・教科申込者1次受験者1次合格者採用候補者倍率
高校 公民10人9人3人1人9.0倍
高校 保健体育62人57人14人7人8.4倍
高校 地理6人6人4人1人6.0倍
中学校 社会62人60人28人14人4.3倍
高校 世界史12人12人8人3人4.0倍
高校 家庭4人4人3人1人4.0倍
高校 日本史7人7人4人2人3.5倍
高校 化学7人6人5人2人3.5倍
高校 商業10人10人8人3人3.3倍
高校 物理/音楽/美術/情報3〜6人3〜6人1〜5人1〜2人3.0倍
中学校 数学42人39人22人15人2.6倍
中学校 理科14人12人12人5人2.6倍
養護教諭89人76人48人30人2.6倍
高校 国語22人22人17人9人2.4倍
高校 数学23人21人15人9人2.4倍
特別支援 中学部・高等部32人31人20人13人2.4倍
中学校 保健体育38人36人24人16人2.3倍
特別支援 小学部29人27人24人13人2.2倍
中学校 美術/家庭4〜5人3〜4人4人2人2.0倍
高校 工業7人6人5人3人2.0倍
小学校242人210人196人130人1.7倍
中学校 国語27人25人21人16人1.6倍
高校 英語15人13人13人8人1.6倍
高校 生物7人6人6人4人1.5倍
高校 農業3人3人3人2人1.5倍
中学校 音楽/英語6〜19人6〜17人6〜18人5〜16人1.2倍
中学校 技術2人1人2人2人1.0倍

※倍率=(1次受験者+1次免除者)÷採用候補者(県の定義。表では1次免除者の列を省略しています)。高校の書道・福祉・水産・地学は募集なしまたは申込0人。
出典:岩手県教育委員会の公表資料(令和8年8月6日現在)

同じ岩手県の同じ年の試験で、高校公民9.0倍と中学校技術1.0倍。9倍の開きがあります。倍率は「校種」よりも「教科」による差が大きい——これが岩手県の数字から読み取れる、大事なことの1つです。

ここで一つ、大切なことをお伝えします。倍率が低い教科でも「受ければ受かる」わけではありません。要項には「教職専門及び教科等専門の点数が一定の水準に満たない場合、不合格とすることがあります」と明記されています。実際、中学校技術は申込2人・採用候補2人ですが、令和9年度採用では申込2人・一次合格1人でした。これは私の見方ですが、枠が小さい教科ほど「基準に届いているか」が厳しく見られる可能性があると考えてください。

4年間の推移|3.1倍から2.3倍まで下がり、令和9年度採用は2.4倍

岩手県教育委員会の公表資料から、令和6年度採用〜令和9年度採用の4年分をつなぎました(令和8年10月時点で、令和5年度採用以前の実施状況は掲載していないため、5年分ではありません)。

年度(一般選考の総計)R6年度採用R7年度採用R8年度採用R9年度採用
採用予定290人320人320人360人
申込者983人867人821人860人
1次受験者916人805人744人625人
1次免除者——26人171人
1次合格者539人505人547人539人
採用候補者300人317人339人330人
倍率3.1倍2.5倍2.3倍2.4倍

※R6・R7の倍率は「受験者÷採用候補者」、R8以降は「(受験者+1次免除者)÷採用候補者」(県の定義変更)。各年度について最も新しい公表資料の値を採用しています。同じ年度でも公表時点により数人の差があり、たとえば令和7年度採用の申込者は令和6年9月27日公表では905人、令和7年9月25日公表では867人でした。
出典:岩手県教育委員会「令和7年度実施状況」(令和6年9月27日)「令和8年度選考結果」(令和7年9月25日)「令和9年度…受験者数について」(令和8年8月6日・令和8年9月28日)

校種別の倍率推移

校種R6年度採用R7年度採用R8年度採用R9年度採用R6→R8の変化
小学校2.2倍1.8倍1.7倍1.7倍−0.5
中学校 計3.1倍2.6倍2.2倍2.9倍−0.9
高等学校 計5.3倍4.0倍3.4倍2.5倍−1.9
特別支援学校 計3.1倍2.4倍2.3倍2.3倍−0.8
養護教諭3.7倍3.1倍2.6倍4.8倍−1.1
総計3.1倍2.5倍2.3倍2.4倍−0.8

※R6・R7は「受験者÷採用候補者」、R8・R9は「(受験者+1次免除者)÷採用候補者」。
出典:同上

採用候補者数(最終合格者)の推移

校種R6年度採用R7年度採用R8年度採用R9年度採用
小学校130人130人130人135人
中学校 計79人88人93人79人
高等学校 計43人52人60人70人
特別支援学校 計25人25人26人26人
養護教諭23人22人30人20人
総計300人317人339人330人

※出典:同上

3つの表を並べると、岩手県で起きていることがはっきりします。

①倍率が下がっているのは「受験者が減ったから」だけではありません。倍率の分子は、令和6・7年度採用が受験者916人・805人、令和8年度採用が受験者744人に免除者26人を加えた770人と減っていますが、合格者も300人→317人→339人と増えている。分子が減り、分母の採用候補者が増える——両方が同時に起きているので、倍率は3.1倍→2.3倍と大きく下がりました。令和9年度採用は、(1次受験者+1次免除者)が770人→796人とやや増え、採用候補者が339人→330人とやや減ったため、2.4倍とほぼ横ばいです。ただし1次免除者に大学3年生選考の通過者が加わっていて、1次受験者そのものは744人→625人に減っています。

②いちばん動いたのは高等学校です。5.3倍→3.4倍。合格者が43人→60人と4割増になったのが効いています。「高校は厳しい」というイメージのまま受験をあきらめてしまうのは、もったいない状況です。

③小学校の合格者は3年連続で130人ちょうど。採用候補者数が安定している一方で、令和6〜8年度採用の申込者は298人→251人→242人と減っているため、倍率が下がってきました(令和9年度採用は245人に増加)。令和9年度採用は採用予定が360人へ40人増え、小学校の採用候補者は135人(倍率1.7倍で前年と同じ)でした。

倍率というのは、自分の力ではどうしようもないところです。倍率が高い年ほど「これで合格したらすごい」と前向きに捉えて、自分がコントロールできる準備に集中してくださいね。この話は1分の動画にまとめています。

申込者は前年から43人増|校種で明暗が分かれた

岩手県は申込者数の前年比まで公表しています(一般選考+特別選考の合計)。

校種R9年度採用 申込者前年比R8年度採用 申込者
小学校252人−4人256人
中学校246人+27人219人
小・中学校 計498人+23人475人
高等学校197人−15人212人
特別支援学校68人+6人62人
県立学校 計265人−9人274人
養護教諭119人+29人90人
総計882人+43人839人

※一般選考と特別選考の合計。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考…受験者数について」(令和8年8月6日現在)

養護教諭が+29人(+32%)と大きく増えました。採用予定は20人のままなので、令和9年度採用の養護教諭は前年より競争が厳しくなる可能性があります(結果は採用候補者20人・4.8倍で、前年の2.6倍から上がりました)。逆に高等学校は−15人。採用予定が増えている中での志願者減ですから、高校志望の方にとっては追い風です(結果は採用候補者70人・2.5倍で、前年の3.4倍から下がりました)。

大学3年生選考|令和9年度は241人が受験し153人が通過

岩手県の倍率を読むうえで外せないのが大学3年生選考です。大学3年次に第1次選考を受け、基準を満たすと「大学3年生選考通過者」となり、翌年度の第1次選考が免除されます(翌年に同じ校種等・教科(科目)で「大学3年生通過者選考」として改めて申込が必要)。

校種R9 申込者前年比R9 受験者R9 1次合格者R8 申込者R8 1次合格者
小学校97人+12人95人89人85人74人
中学校53人−32人50人27人85人52人
高等学校46人+10人42人21人36人17人
特別支援学校15人+4人15人9人11人7人
養護教諭40人+4人39人7人36人13人
合計251人−2人241人153人253人163人

※出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考…受験者数について」(令和8年8月6日現在)

241人が受験して153人が通過=通過率63.5%(私が算出)。校種差は大きく、小学校は95人中89人=93.7%が通過している一方、養護教諭は39人中7人=17.9%。小学校志望の大学3年生にとっては、通過すれば翌年の一次免除の対象になれる(翌年に同じ校種等・教科(科目)で改めて申込が必要)可能性が、令和8年度採用・令和9年度採用ではかなり高かった制度だと言えます。

令和9年度採用の一次免除者171人には、この制度の通過者も含まれます。大学3年生のうちに一次を通し、翌年に同じ校種等・教科(科目)で「大学3年生通過者選考」に改めて申し込めば、4年生の夏は二次対策(個人面接、校種・教科によっては模擬授業・実技試験)に集中できる——これは本当に大きなアドバンテージです。3年生の皆さん、ぜひ検討してください。制度の詳細は特別選考の記事にまとめています。

■ 岩手県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生選考・大学推薦・現職教員・講師経験者・加点制度

特別選考の実績|大学推薦は令和9年度も全員合格

岩手県の特別選考は一次が書類選考、二次が個人面接(口頭試問を含む)で、6月末には結果が出るという早いスケジュールです。令和9年度採用の特別選考の結果は、令和8年6月29日に発表されています。

選考区分R9 申込R9 受験R9 1次合格R9 採用候補者R8 申込R8 採用候補者
社会人特別選考(高校)2人2人0人0人2人0人
大学推薦特別選考16人16人16人16人6人6人
 うち小学校5人5人5人5人4人4人
 うち中学校 ※R9から全教科に拡大6人6人6人6人0人—
 うち特別支援(小学部)3人3人3人3人1人1人
 うち養護教諭2人2人2人2人1人1人
英語有資格者特別選考 ※R9新設2人2人2人2人——
幼稚園教諭経験者特別選考2人2人2人2人10人8人

※採用予定はいずれも「若干名」(採用予定数は一般選考の採用予定数に含まれます)。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年8月6日現在)

注目すべきは大学推薦特別選考が16人申込・16人合格=全員合格だということ。前年も6人全員が合格しています。指定大学からの推薦を得られる立場にある方にとって、有力なルートです。一方で社会人特別選考は令和7年度採用から3年連続で採用候補者0人。募集は高等学校の情報・農業・工業(機械/電気)・水産に限られ、狭き門であることが数字に出ています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

倍率は公表資料で分かりますが、「その倍率の中で実際に何を聞かれたか」は受験した方にしか分かりません。岩手県は、令和8年10月時点で、このブログに受験報告が1件も届いていない自治体です。岩手県を受験された方は、ぜひ来年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

よくある質問

Q. 令和9年度採用の最終倍率はいつ分かりますか?

A. 令和9年度採用は令和8年9月28日(月)に第2次選考結果が発表され、倍率を含む選考結果の資料(令和8年9月28日付)も公表されました。一般選考は採用候補者330人・倍率2.4倍で、この記事の表に反映しています(令和8年度採用の資料は令和7年9月25日付、令和7年度採用は令和6年9月27日付)。

Q. 岩手県に政令指定都市の別枠はありますか?

A. ありません。岩手県には政令指定都市がなく、この記事は岩手県教育委員会が実施する公立学校教員採用候補者選考について書いています。市立学校など、志望する学校の設置者ごとの採用については、それぞれの教育委員会の案内もあわせて確認してください。

Q. 「1次合格者」が「1次受験者」より多いのはなぜですか?

A. 岩手県の公表資料では「1次合格者C」に第1次選考免除者が含まれているためです(県の注記に明記)。令和9年度採用の小学校は1次受験151人・1次免除83人・1次合格198人。一次を実際に受けて通過したのは198−83=115人という読み方になります(私が算出)。一次の通過率を知りたいときは、必ず免除者を引いて計算してください。

Q. 採用予定より合格者が多いのはなぜですか?

A. 令和8年度採用は採用予定320人に対して採用候補者339人でした(令和9年度採用は採用予定360人に対して、一般選考の採用候補者330人・特別選考を含む総計350人)。合格した方は「令和9年度岩手県公立学校教員採用候補者」として名簿に登載され、原則として翌年4月1日から採用となります。名簿登載期限は原則として令和10年3月31日です。国内の大学院前期(修士)課程(通信制を除く)への進学予定者・1年生は、合格した校種・教科等の専修免許状を修了までに取得することを条件に最大2年延長でき、令和8年12月18日までの申請が必要です。期間内に専修免許状を取得できなければ名簿登載は取り消されます。採用予定数を上回る候補者を出した理由は、確認できた範囲の資料には記載されていません。

Q. 不合格でも講師として働けますか?

A. 要項に「令和9年度岩手県公立学校教員として採用にならなかった場合でも、臨時的任用教員等として任用されることがあります」と書かれています。希望する場合は試験整理カードの「臨時的任用教員希望」欄に○をつけてください(小学校/中学校/高等学校/特別支援学校/希望なし)。希望者は第1次選考の結果に基づいて名簿に登載され、補充が必要になった際に選考を経て任用されます。この名簿に載るには申込の時点で意思表示が必要な点に注意してください。

Q. 第1次選考の配点と合格ラインは?

A. 第1次選考は教科等専門200点+教職専門50点=250点満点(一般選考A・C・Eは教職専門が免除され、教科等専門250点)。教職専門免除を受けない一般選考の特別支援学校教諭の「教科等専門」は、学部に応じた専門教科・科目100点+特別支援学校専門科目100点の合計200点です(教職専門50点とあわせて250点満点)。一般選考A・Cの特別支援学校教諭受験者は、教職専門を免除して教科等専門を250点とします。要項には合格最低点が示されていません。また要項に「教職専門及び教科等専門の点数が一定の水準に満たない場合、不合格とすることがあります」と明記されているので、どちらか一方だけ得意でも通らない場合がある可能性があります(水準が科目ごとか合計かは要項に示されていません)。なお第1次選考の成績は、試験科目ごとの点数が受験者全員に通知されます。

筆記は「満点を取る試験」ではなく「合格ラインを超える試験」です。時間の配分を間違えないための考え方は、こちらで解説しています。

倍率を見たあとにやること

ここまで数字を見てきて、感じたことがあると思います。「思ったより低いな」「うちの教科は厳しいな」——どちらでも構いません。大事なのは、その数字を見たあとに何をするかです。

岩手県は、一般選考で二次に進むのは539人(免除者を含む)、採用候補者は330人。つまり合否を大きく左右するのは二次の個人面接(校種・教科によっては模擬授業・実技試験も)だと私は考えています。筆記で合格ラインを超えたら、個人面接に加え、校種・教科に応じて模擬授業や実技試験の準備も進めてください。二次で何が行われるかは、こちらの記事にまとめています。

■ 岩手県の二次試験|個人面接+模擬授業の内容・日程・出題傾向
■ 岩手県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生選考・大学推薦・現職教員・講師経験者・加点制度

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