【教員採用試験】青森県の二次試験|集団討論と個人面接の内容・評価の観点・テーマの出どころ(実録募集中)

こんにちは、金井志津乃です! 

青森県の二次試験って、集団討論と個人面接だけですよね? 小論文も模擬授業もないぶん、何を対策したらいいのか逆に分からなくて……。集団討論のテーマって、どこから出ているんですか?

いい質問です! 青森県の集団討論のテーマは、実は「学校教育指導の方針と重点」という県の公表資料の11項目とぴたりと重なります。しかも青森県は合計点ではなく「上位・中位・下位の3ランク」で選考する、全国でも珍しい方式。この記事で、公表資料から読み取れることを全部お伝えしますね!

この記事では、青森県公立学校教員採用候補者選考試験の第二次試験について、令和9年度採用(令和8年度実施)の実施要項と第二次試験選考基準・評価基準を原典に、内容・日程・評価の観点・出題テーマの傾向を整理します。

この記事の根拠

  • 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を「令和9年度採用の報告」として追加収録
  • 試験の内容・日程・配点・評価の観点は、すべて青森県教育委員会が公表した令和9年度採用の実施要項および選考基準・評価基準(第一次・第二次の計4本)から。推定値は使っていません。
  • 過去年度(令和8年度採用より前)の「実際に聞かれた質問」のリストはありません。私の受験報告データベースに、その年度の青森県の報告がまだ届いていないためです。憶測で質問例を並べることはしません。
  • 出題テーマの傾向は、市販の公刊過去問集に収録された令和5年度〜8年度採用の集団討論44題・個人面接の設問を、件数と分類だけ集計して使用しています(設問文の転載はしていません)
  • 倍率の数字は県HP「令和9年度採用 応募状況等について」「第一次試験の受験状況等について」および「第一次試験通過者一覧表」から
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
30秒でわかる|青森県の二次試験
  • 令和9年度採用の二次の科目は①集団討論 ②個人面接 ③実技試験(該当教科のみ)の3つ。小論文も模擬授業もありません。
  • 満点は集団討論150点・個人面接150点。ただし合算した得点では選考しません。科目ごとに「上位・中位・下位」の3ランクに分けた結果を使います。
  • 集団討論は「与えられたテーマについて、個人の意見発表と集団討論を行う」形式(要項)。発表の順序や時間の詳細は、要項には記載されていません。
  • 集団討論のテーマは、県の「学校教育指導の方針と重点」11項目とほぼ一致。過去4年分44題がすべてこの枠内に収まります。
  • 二次の選考資料には第一次試験の資料(筆記の結果・出願時の提出書類)も含まれます。出願時の「調書」は二次の選考資料にも関わります。
  • 令和9年度採用の日程は令和8年8月29日(土)・30日(日)、結果通知は令和8年9月30日(水)(発表済み)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

第二次試験の全体像|集団討論+個人面接(+実技)

まず一般選考の日程を確認します。スポーツ特別選考など別の日程が定められた区分は、要項の該当欄を確認してください。

令和9年度採用(令和8年度実施)の日程(一般選考)
  • 出願受付:令和8年4月3日(金)9時 〜 5月11日(月)17時(青森県電子申請・届出システム)
  • 添付書類の提出期限:令和8年5月18日(月)/郵送のみ
  • 第一次試験:令和8年7月11日(土)/青森県総合学校教育センター・青森商業高校・青森工業高校・都道府県会館(東京都)
  • 第一次試験の結果通知:令和8年8月7日(金)(要項記載の予定日)/県HPにも第二次試験受験対象者の受験番号を掲載
  • 第二次試験:令和8年8月29日(土)・30日(日)/青森高校・青森西高校・青森中央高校(いずれも青森市内)
  • 第二次試験の結果通知:令和8年9月30日(水)(発表済み)/令和10年度採用(令和9年度実施)から第一次選考は都道府県・指定都市で共同実施される予定で、青森県の第一次試験は令和9年7月10日(土)の予定/県HPにも採用候補者の受験番号を掲載

※出典:令和9年度青森県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項。
一般選考の第一次試験は東京会場(都道府県会館)でも受験できますが、第二次試験の会場は青森市内の3校のみです。県外在住の方は、二次の移動と宿泊を早めに押さえておいてください。

二次で実施される科目は、次の3つです。

① 集団討論資質・能力・適性等に関する資料を得るため、与えられたテーマについて、個人の意見発表と集団討論を行う(要項)。満点150点。全受験者が対象。
② 個人面接資質・能力・適性等に関する資料を得るため、個人面接を行う(要項)。満点150点。全受験者が対象。
③ 実技試験教科の技能に関する資料を得るため実施。中学校・高等学校の音楽/美術/書道(高校のみ)/保健体育/家庭/英語と、それぞれ特別支援学校中学部・高等部の同教科が対象。ただしスポーツ特別選考では保健体育の実技試験を全部免除。
実施されないもの令和9年度採用の要項には、二次での小論文(論作文)・模擬授業・場面指導・集団面接の記載はありません。一般選考の第一次試験は筆記試験です。特別選考には面接を行う区分もあります。
当日提出するもの最終結果通知用封筒(角形2号・180円切手)/所有する全ての普通免許状の写し等/司書教諭修了証書(該当者)/最終卒業学校の卒業(見込)証明書(県内公立学校の教諭・養護教諭・栄養士は提出不要)

※出典:令和9年度実施要項Ⅴ-2、令和9年度 第二次試験評価基準

青森県最大の特徴|「合計点」ではなく「上位・中位・下位の3ランク」で決まる

ここが青森県を受けるうえで、いちばん先に知っておいてほしいところです。第二次試験評価基準には、こう書かれています。

なお、選考に当たっては、以下の1〜3を合算した得点ではなく、それぞれの試験の結果について上位・中位・下位の3ランクに分類した結果を用いるものとする。

出典:令和9年度青森県公立学校教員採用候補者選考試験 第二次試験評価基準

つまり、「集団討論で140点取ったから、個人面接が100点でも合計で逃げ切れる」という考え方は、公表されている方式(合算した得点ではなくランクで評価)とは合いません。集団討論・個人面接・実技のそれぞれが、独立して「上位/中位/下位」に振り分けられます。第二次試験選考基準では、その3ランクの結果に第一次試験選考資料(筆記試験の結果、出願時の提出書類等)を加えて、校種・教科(科目)ごとに総合的に判断すると定められています。

第一次試験の選考資料①筆記試験の結果(一般・教職教養/専門教科/特別支援教育に関する事項)
②出願時の提出書類等(職歴、部活動・サークル活動・ボランティア活動等の実績、特技・資格等)
第一次試験の選考方法一般・教職教養と専門教科の結果をそれぞれ上位・中位・下位の3ランクに分類し、出願時の提出書類等を考慮して総合的に判断。校種・教科ごとに採用見込数の2〜3倍程度を第二次試験受験対象者とする(一般選考の場合。特別選考は別に選考)。
第二次試験の選考資料①集団討論の結果 ②個人面接の結果 ③実技試験の結果 ④第一次試験選考資料(筆記試験の結果、出願時の提出書類等)
第二次試験の選考方法集団討論・個人面接・実技の結果をそれぞれ3ランクに分類した結果をもとに、第一次試験選考資料を考慮し総合的に判断して採用候補者を選考
結果の開示受験校種・教科ごとの集団討論・個人面接・実技それぞれのランクと総合ランクを各受験者宛て通知に記載。電話等による口頭開示は行わない。

※出典:令和9年度 第一次試験選考基準・第二次試験選考基準・実施要項Ⅴ

この方式のいいところは、不合格だったときに「どの科目が下位だったのか」が通知で分かることです。次の年に何を立て直せばいいのかが、はっきり見えます。逆に言えば、1科目でも「下位」を作ると挽回しにくいということ。集団討論と個人面接、どちらかを捨てる作戦は青森県では取れません。

【2026年夏実施】令和9年度採用で実際に出た質問

2026年夏の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、個人が特定されうる箇所を一般化して収録しています。

高等学校|個人面接(面接官3人・約20分)

  • 〔調書について〕教員の志望動機は何ですか。
  • 自分の長所は何ですか。
  • 休日の過ごし方を教えてください。
  • 英語以外の得意教科は何ですか。
  • 趣味について教えてください。
  • ボランティアについて教えてください。
  • リーダー経験はありますか。
  • 〔学習指導〕授業で気をつけていることは何ですか。
  • 生徒が主体的に取り組むことができるような取り組みを、どう行っていますか。
  • ペアやグループワークをしたことで、何か変化はありましたか。
  • 〔生徒指導〕不登校の子どもにどう対応しますか。
  • 生徒が授業中に私語をしていた場合、どうしますか。
  • 子どもたちとどう関わりますか。
  • 清掃活動の意義は何ですか。
  • 講師をしていてよかったと思うことは何ですか。
  • 不祥事をしないためにどうしますか。
  • 教員に暴行する生徒にどう対応しますか。
  • 子どもたちに一番伝えたいことは何ですか。
  • どんな人とでもコミュニケーションが取れますか。
  • 〔最後に〕他の就職試験を受けていますか。
  • 他県の教員採用試験を受けていますか。
  • 勤務地はどこでもよいですか。

高等学校|集団討論(受験者7名・構想3分・討論30分・司会なし、結論は出さない)

  • 【集団討論】多様な子どもたちや特性のある子どもたちが孤立しないような学級づくりをするために、どう取り組むか。(受験者7名・構想3分・討論30分/司会なし、結論は出さない)

高等学校|実技(英語・リスニングとスピーキング)

  • 【英語実技】リスニングとスピーキング。
  • 〔リスニング〕パート1: 旅行の効果(選択問題)/パート2: 子どもに対するAIの使い方(記述問題)
  • 〔スピーキング〕最初の質問: よく眠れましたか/何で来ましたか。
  • テーマ「デジタル教科書の使い方」
  • ①デジタル教科書は、教員にとって何を助けてくれますか。
  • ②なぜ、デジタル教科書を教員が使うことは複雑なのですか。
  • ③授業で、デジタル教科書と紙教材をどう使いますか。

出典:私の受験報告フォーム(2026年9月18日時点・この自治体の報告1件)。
校種・教科等を表記し、個人が特定されうる記述は除いています。

① 集団討論(150点)|評価の観点は5つ

青森県は評価の観点を県HPで公表しています。ここは丸ごと押さえてください。集団討論で見られているのは、次の5つです。

観点評価の内容(原文)
話し方・聞き方適切な言葉遣いや態度で臨み、誠意をもって話したり聞いたりしているか。また、討論に積極的に参加しようとしているか。
発言内容テーマを正しく理解し、自分の考え方を持っているか。また、目的意識や問題意識を持ち、建設的な内容であるか。
態度・印象礼儀正しく、落ち着きがあり、服装や態度など他に対して好ましい印象を与えているか
協調性周囲との協調性が感じられ、チームで力を発揮できる人物か
教員としての適性教育者としての使命感、子どもに対する教育的愛情、豊かな人間性を有しているか

※満点150点。
出典:令和9年度 第二次試験評価基準

注目してほしいのは「討論に積極的に参加しようとしているか」「建設的な内容であるか」「チームで力を発揮できる人物か」という3つの言い回しです。評価基準には、自分の発言の中身だけでなく、討論に積極的に参加する姿勢と、チームで力を発揮することの両方が書かれています。

テーマの出どころは「学校教育指導の方針と重点」11項目

青森県教育委員会は毎年度「学校教育指導の方針と重点」という資料を公表しています。方針は次の一文です。

郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く幼児児童生徒を育成するため、教育は人づくりという視点に立って、学校運営に創意工夫をこらし、夢や志の実現に向け、知・徳・体を育む学校教育の推進に努める。

出典:青森県教育委員会「令和8年度 学校教育指導の方針と重点」

そして、この方針のもとに11の「重点」が並びます。市販の公刊過去問集に収録されている令和5年度〜8年度採用の集団討論44題を分類したところ、44題すべてが、この11の重点のいずれかに対応していました。テーマの言い回しまで、重点の文章とよく似ています。

「学校教育指導の方針と重点」11項目この重点から出た集団討論テーマ(令和5年度〜8年度採用・44題中)
(1) 授業の充実7題(確かな学力と能力・適性に応じた指導、思考力・判断力・表現力、学ぶ意欲と学び方、個別最適な学びと協働的な学び、小中連携、対話的な学び)
(2) 道徳教育の充実3題(生命の尊重・他者を思いやる心、郷土を愛する心)
(3) 特別活動の充実1題(集団活動への自主的・実践的な参加と人間関係形成)
(4) 体育・健康教育の充実13題(学校安全のほか、養護教諭・栄養教諭のテーマは大半がここ)
(5) 生徒指導の充実5題(問題行動の早期発見・早期対応、不登校、自己有用感、自己存在感と自己決定、信頼関係と内面理解)
(6) キャリア教育の充実3題(キャリア教育の充実、勤労観・職業観、特別支援学校の一貫したキャリア教育)
(7) 特別支援教育の充実8題(教育的ニーズの把握、交流及び共同学習、個別の指導計画、教員間の連携、保護者・関係機関との連携、自己肯定感、コミュニケーション能力、家庭・地域との連携)
(8) 環境教育の推進1題(環境にかかわる体験活動の充実)
(9) 国際化に対応する教育の推進1題(異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進)
(10) 情報化に対応する教育の推進2題(情報活用能力の育成、情報モラルを含む系統的・体系的な情報教育)
(11) 研修の充実単独のテーマとしては確認できず(家庭・地域との連携を扱うテーマの中に含まれる形)

※分類は私によるもので、1題を1つの重点に割り当てて集計しています(複数の重点にまたがるテーマもあります)。重点の項目名は「令和8年度 学校教育指導の方針と重点」の原文。テーマの件数は市販の公刊過去問集に収録された令和5年度〜8年度採用の集団討論44題を集計したもので、設問文そのものは掲載していません。なお実施要項Ⅺ(参考事項)には「過去に実施した集団討論のテーマについては、県教育委員会ホームページに掲載しております」と明記されています。過去問そのものは、必ず県HPの一次情報で確認してください。

もうひとつ、はっきりした傾向があります。受験する校種・職種によって、出るテーマの領域が分かれていることです。

  • 小学校・中学校・高等学校…重点(1)〜(6)(8)(9)(10)から、学校教育全般のテーマ
  • 特別支援学校…重点(7)特別支援教育の充実を軸に、「特別支援学校において、どのように取り組むか」という条件付きのテーマ
  • 養護教諭…「養護教諭として、どのように取り組むか」という形で、重点(4)体育・健康教育の充実の領域から出題
  • 栄養教諭…「栄養教諭として、どのように取り組むか」という形で、食に関する指導の領域から出題

つまり青森県の集団討論対策は、「学校教育指導の方針と重点」の11項目を、自分の言葉で語れる状態にしておくことがそのまま対策になります。各項目の「ア・イ・ウ…」の細目まで読んで、自分の校種で何ができるかを1項目ずつ書き出してみてください。これは個人面接の対策にもそのまま効きます。

「個人の意見発表」がある形式にどう備えるか

要項には、集団討論の内容が「与えられたテーマについて、個人の意見発表と集団討論を行う」と書かれています。個人の意見発表の場面があることは分かりますが、発表の順序や時間は要項に書かれていません。

ここで大事なのが、話す順番を整えること。私はいつも、「結論→理由」あるいは「結論→具体例→根拠」の順で、30秒から1分に整理して話すことをおすすめしています。だらだら思いつくままに話すと、聞き手は要点を整理できません。多くの受験者がそうなると、つかみどころのない討論になってしまいます。

たとえば「まず2点あります。1つは○○です。2つ目に△△です」と最初に示してから中身に入る。これだけで、聞き手は頭を整理しながら聞けますし、あとの討論で他の人があなたの意見に乗っかりやすくなります。これが結果的に、評価の観点にある「建設的な内容であるか」につながります。

そして「協調性」を感じさせるコツを3つ。

1に肯定、2に肯定、3に肯定「○○さんのお考えに共感したのですが」と逆接でつなぐと、肯定した気持ちがチャラになります。「○○さんのお考えに私も共感しました。具体的な方法として…」「○○さんのお話を聞きながら、もう一つの視点として…」と上乗せする言い方に変える。
提案では必ず合意を得る「まず一人ずつ考えを述べていくのはいかがでしょうか」「ここまで○○と△△という観点で意見が出ていたと思うのですが、こんな理解で合っていますか」——提案の形にして合意を取ると、討論を進めても独断になりません。論点がずれたときも「今ずれています」とは言わず、テーマに合った方法を提案するだけでOK。
バランスを見て周りに配慮する発言が少ない人がいたら「○○さんのお考えもぜひ聞いてみたいです。もしまだ考えをまとめている途中だったらすみません」と爽やかに振る。勇気を出した発言には大きくうなずく。終盤に、あまり取り上げられなかった人の意見をさらっと添える。

協調性というのは、根っこは他者に対する思いやりなんですよね。ただし、ただ同調するだけ・ただ優しいだけでは有益な討論にはなりません。チームにとって最善の答えを見つけるために、一緒に協力しよう・貢献しようという姿勢こそが、青森県の評価基準にある「チームで力を発揮できる人物か」の中身だと私は考えています。

もうひとつだけ。「空気は自分が作る」という意識を持っておいてください。面接官や他の受験者がむすっとしていても、自分が笑顔で落ち着いて、相手の意見に好意的にうなずきながら「なるほど」「確かに」と明るく反応するだけで、討論の雰囲気は変わります。第三者として見ていても「この人ならどんな人とも上手く環境を作って働いてくれそうだな」と感じます。集団討論の全体像とコツは、この動画に全部詰め込みました。

逆に、私が動画「これをやったら一発アウト!集団討論で絶対にやってはいけないこと」で挙げているNG行動もあります。我を通す、長時間話す、論点がずれる、相手を見下す。青森県が公表している評価の観点でいえば「話し方・聞き方」「協調性」「態度・印象」にかかわる行動なので、評価を下げかねません。

■ 全国の集団討論テーマを集めた記事もあります → 教員採用試験の集団討論【過去問140問程度】

人数と時間は「公表されていません」

正直にお伝えします。青森県の集団討論が「何人のグループで、何分間なのか」は、実施要項にも評価基準にも書かれていません。市販の公刊過去問集には「面接委員3人・受験者4〜7人」という記録が残っていますが、これは県の公表資料ではないため、この記事では確定情報として扱いません。年度や校種によって変わる可能性もあります。令和9年度採用の高校受験者1人からの報告は、この記事の中で紹介していますが、あくまで1例です。

ここを埋められるのは、実際に受験された方の報告だけです。記事の後半に報告フォームを置いていますので、青森県を受験された方はぜひ教えてください。

② 個人面接(150点)|評価の観点は5つ

個人面接の評価の観点(満点150点)
1教員としての使命感や教員になろうとする意欲があるか
2組織の一員として自覚を持ち、協力して職務を遂行しようとする協調性があるか
3児童生徒に対する教育的愛情があるか
4思考力や表現力、論述力が感じられるか
5本県の教員として望ましい資質・能力について、総合的な適性があるか

※出典:令和9年度 第二次試験評価基準

5つ目の「本県の教員として望ましい資質・能力」に注目してください。青森県は選考方針(要項Ⅰ)で、求める人材を次のように定めています。

青森県が教員に求めるもの(選考方針より)

青森県公立学校の教員として求めるものは、広い教養、充実した指導力、心身の健康、教育者としての使命感・意欲、組織の一員としての自覚・協調性、児童生徒に対する深い教育的愛情等、教員としての資質・能力・適性を有することはもちろん、得意分野をもつ個性豊かで人間性あふれる人材です。

出典:令和9年度青森県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項 Ⅰ 選考方針

個人面接の評価の観点と、この選考方針を並べてみると、ほぼ一対一で対応しているのが分かります。「使命感・意欲」「組織の一員としての自覚・協調性」「児童生徒に対する深い教育的愛情」——面接で語ることは、この選考方針の言葉に着地させる。それが青森県の個人面接の型です。

そして最後の「得意分野をもつ個性豊かで人間性あふれる人材」。ここは、あなたが積み上げてきたものを堂々と出していい、という青森県からのメッセージだと私は読んでいます。

出願時の「調書」は、二次の選考資料にも関わる

青森県には、他県によくある「面接カード」や「自己紹介書」といった名前の書類はありません。そのかわり、電子申請で出願すると、受験願書・写真票・受験票とあわせて「調書」がPDFで出力され、原則として第一次試験の当日に提出します。第一次試験免除者は令和8年7月13日までに郵送します。スポーツ特別選考は専用の手続きを確認してください(要項Ⅳ-3、Ⅴ-1⑼、Ⅶ)。

この調書は、第一次試験・第二次試験の選考資料に関係します。第一次試験選考基準は選考資料を「筆記試験の結果」と「出願時の提出書類等(職歴、部活動・サークル活動・ボランティア活動等の実績、特技・資格等)」の2つと定めています。そして第二次試験選考基準にも、選考資料として「第一次試験選考資料(筆記試験の結果、出願時の提出書類等)」が入っています。

ここ、見落とす人が多いところです。出願のときに書いた「職歴・部活動・サークル・ボランティア・特技・資格」は、一次だけでなく二次の選考資料としても使われます。市販の過去問集を見ても、青森県の個人面接では特技欄や志望書に書いた内容を起点に、書類を手元に置いて掘り下げる形が目立ちます。書いたことは全部聞かれる前提で、一つひとつ語れる状態にしておいてください。

※様式の項目名や記入欄の字数は、電子申請システムの画面でしか確認できません。出願時に必ずご自身で確認してください。

深掘りに備える|面接官が「知りたい順番」を知っておく

個人面接で不合格が続く方に多いのが、面接官が「理解したくて」した質問に、「何をするか」で答えてしまうケースです。面接官には知りたい順番があります。まず、あなたがその言葉をどういう意味で使っているのかを理解したい。理解できて初めて、次の深掘り質問に進むんです。

だから「○○とは何ですか」と返ってきたら、まずは「私にとっての○○とは、こういうことです」と定義から話す。そのうえで方策を語る。この順番だけで、面接の噛み合い方が変わります。

そして深掘り質問には、決まった型があります。「具体的には?」「あなたはそれをどうやってやるんですか?」「エピソードは?」「実際の経験は?」「きっかけは?」「もしこうだったらどうしますか?」「他には?」「それがそうだとして、次どうするんですか?」——これらを、面接の場で初めて考える必要はありません。自分の回答に対して、あらかじめ自分で突っ込んでおけばいいんです。

そのためにやってほしいのが面接ノートです。ここで大事なのは、面接ノートは「面接でどう答えるか」を書くものではないということ。そのテーマについて、自分がどれだけ思考を深めて追求できているか——その状態を作るためのものです。私は次の順番で作っていました。

  • ① 自分自身が使う言葉の意味を確認する(辞書で調べるところから)
  • ② そのテーマの背景を理解する(なぜ今これが問われるのか)
  • ③ そのテーマの目的を理解する
  • ④ 考えや取り組みを書き出す(思考を止めずに、思いついたものは全部書く)
  • ⑤ その取り組みの具体例を挙げる(できれば実際に経験したこと)
  • ⑥ 考えや取り組みの妥当性を考える(一旦、自分の考えを疑う)
  • ⑦ その中から重要事項をピックアップする(自分の中のトップ3を決める)
  • ⑧ ロジックツリーなどで体系化する

頭の中でぐるぐるしているものは、そのまま面接で話すことになります。だからいったん全部外に出して、整理して、「要はこれとこれ」と体系化しておく。そうすれば面接官も「なるほど」と受け取れます。青森県の個人面接の評価の観点にも「思考力や表現力、論述力が感じられるか」とあります。

出題データで見る|青森県の面接は「不登校」と「特別支援」が突出

市販の公刊過去問集に収録された青森県の面接設問(個人面接と集団討論を含む143件)を、テーマごとに分類して全国平均と比べたのが下の表です。設問文そのものは載せず、「どのテーマが、全国と比べてどれくらい多いか」だけを集計しています(面接1,000問あたりの出現数に換算)。

テーマ青森県全国平均傾向
特別支援・合理的配慮6318全国の約3.5倍
不登校4211全国の約3.8倍
体罰・服務・不祥事3522全国の約1.6倍
学級経営3527やや多い
働き方・同僚との関係2813全国の約2.2倍
安全・危機管理216全国の約3.5倍
地域連携2114やや多い
キャリア教育141全国では稀なテーマ
個別最適・協働的な学び143全国の約4.7倍
授業づくり7087全国並み(最多テーマ)
志望動機3539全国並み
保護者対応2837全国並み
自己PR・長所短所2132やや少ない
いじめ716少ない
SNS・生成AI08/2確認できず

※単位は「面接1,000問あたりの出現数」(私が集計)。母数は市販の公刊過去問集に収録された青森県の面接設問143件(個人面接98・集団討論44・模擬授業1)で、多い年で58件・少ない年で11件と年度差があります。傾向をつかむ目安としてご覧ください。

この表と、先ほどの「学校教育指導の方針と重点」を重ねると、青森県が重視していると思われる領域が見えてきます。重点(7)特別支援教育の充実と、重点(5)生徒指導の充実(とくに不登校の未然防止と社会的自立に向けた支援)が、集団討論でも個人面接でも繰り返し問われているということです。

もうひとつ特徴的なのが「体罰・服務・不祥事」が全国平均の1.6倍という点。不祥事についての考えを問うだけで終わらず、防止のために自分に何ができるかまで踏み込まれる形が複数年で確認できます。他人事の一般論ではなく、自分の行動レベルの答えを用意しておいてください。

なお、追質問でチェーン状に深掘りされた設問の割合は8.4%(全国平均は約10.5%)。全国と比べて特別に圧迫的というデータはありません。ただし「始めた時期 → そこで身についた力 → 学校でどう生かすか」のように、調書に書いた個人的な経験から3段階で掘っていく形は確認できます。

③ 実技試験|対象は6教科

実技試験は該当教科の受験者のみです(スポーツ特別選考の保健体育受験者は実技試験の全部が免除)。令和9年度採用から、小学校および特別支援学校小学部の実技試験(音楽・体育)は廃止されました(要項の変更点②)。内容と満点は第二次試験評価基準に公表されています。

教科実技の内容満点
中高 音楽演奏①(ピアノまたは声楽を暗譜で)/演奏②(歌唱共通教材3曲から当日指定の1曲を弾き歌い)/旋律聴音2問演奏①40・演奏②40・旋律聴音20
中高 美術鉛筆によるデッサン(四つ切り画用紙)100
高校 書道毛筆による古典臨書(漢字)/古筆臨書(仮名)/創作/硬筆による生活の中の書50・10・30・10
中高 保健体育器械運動(マット運動)/球技(バスケットボールまたはバレーボール)/ダンス/武道(柔道または剣道)各20(計80)
中高 家庭被服(手縫い・ミシン縫いによる被服製作)/食物(日常食の調理)各50(計100)
中高 英語リスニング/スピーキング・リーディング40・60

※特別支援学校中学部・高等部の同教科も対象。正当な理由なく一部の実技内容を辞退した場合は、実技試験を欠席したものとされます(評価基準)。
出典:令和9年度 第二次試験評価基準、実施要項Ⅴ-2⑶

令和9年度採用の倍率ダイジェスト|一次通過は640人(大学3年生特別選考を含む)

令和9年度採用(令和8年度実施)の数字です。第二次試験の結果は令和8年9月30日(水)に発表され、採用候補者381人・最終競争率2.1倍(第一次試験受験者〈大学3年生特別選考などを除く〉807人÷採用候補者381人・県の定義)でした。下の表は一次までの数字で、最終結果の校種別の表は倍率記事にまとめています。

校種等応募者一次受験者一次通過者採用見込数一次通過者÷採用見込
小学校223人210人204人約140人1.5倍
中学校314人302人205人約105人2.0倍
高等学校305人282人144人約50人2.9倍
特別支援学校80人79人63人約35人1.8倍
養護教諭97人90人19人約5人3.8倍
栄養教諭13人13人5人若干名—
合計1,032人976人640人約335人1.9倍

※応募者数・一次受験者数・採用見込数は県HP「令和9年度採用 応募状況等について」「第一次試験の受験状況等について」(2026年7月15日更新)。一次通過者数は「令和9年度 第一次試験通過者一覧表」に記載の人数で、大学3年生特別選考の一次通過者(一定の基準に達し、翌年に同一校種等・教科(科目)を受験する場合に一次試験が免除となり、当年の二次は受験しない人)を含みます。当年の二次試験受験者は508人でした。特別支援学校の63人は、小学部23人・中学部22人・高等部18人の合計です。最右列は私の算出で、栄養教諭は採用見込が「若干名」のため合計から除いています。

第一次試験選考基準の「採用見込数の2〜3倍程度」は一般選考の第二次試験受験対象者についての目安です。上表の一次通過者数は大学3年生特別選考などを含むため、この基準との直接比較には使えません。令和9年度採用の実際の二次受験者数と採用候補者数は、高等学校が123人と75人、養護教諭が19人と9人でした。

■ 6年分の推移・教科別の競争率・二次の結果は倍率記事にまとめています → 青森県の倍率|令和9年度採用の結果と6年分の推移(校種別・教科別)

■ 大学3年生特別選考・現職教員・講師経験者などの一次免除ルートは特別選考記事へ → 青森県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・現職教員・講師経験者・社会人・加点制度

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

ここまで読んでくださった方は、もうお気づきだと思います。この記事に載っている「実際に聞かれた質問」は、令和9年度採用(2026年夏実施)の報告1件分だけです。私の受験報告データベースに、それより前の年度の青森県の報告が届いていないからです。

実施要項も、選考基準も、評価基準も、青森県はかなり丁寧に公表してくれています。それでも公表資料からは分からないことがあります。

  • 集団討論は何人のグループで、何分間だったか。意見発表は一人何分だったか。
  • テーマはいつ渡されたか(当日その場か、構想の時間があったか)
  • 個人面接は何分・面接官は何人だったか
  • 調書のどの欄から、どんな深掘りをされたか
  • 集団討論と個人面接は同じ日だったか、2日に分かれていたか

これは、受験した方にしか分からないことです。青森県を受験された方は、ぜひ次の年度の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。いただいた報告は、個人が特定されない形に整えたうえで、この記事に追記していきます。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

傾向と対策|公表資料から見えた青森県の7つの法則

青森県 二次試験 7つの法則
  • ①「合計点」の発想を捨てる。集団討論・個人面接・実技は、それぞれ独立して上位・中位・下位に分類されます。各ランクと第一次試験の資料をもとに総合的に判断されます。
  • ② 二次は「話す力」が中心。小論文も模擬授業もない分、対策の中心は集団討論と個人面接です。そのうえで、該当教科では実技試験の対策も必要です。
  • ③ 集団討論のテーマは「学校教育指導の方針と重点」11項目から。4年分44題がすべてこの枠に収まりました。11項目を自分の言葉で語れる状態にしておくことが対策になると考えられます。
  • ④ 集団討論には「個人の意見発表」がある。結論→理由の順で30秒〜1分にまとめる練習を、11項目ぶん繰り返してください。
  • ⑤ 不登校と特別支援は、全国平均の3〜4倍。この2テーマは面接ノートを1枚ずつ作る価値があります。校種を問わず備えておくと安心です。
  • ⑥ 服務・不祥事は「防ぐために自分は何ができるか」まで。全国平均の1.6倍で問われ、追質問で行動レベルまで掘られる形が確認できます。
  • ⑦ 出願時の「調書」は二次の選考資料。職歴・部活動・ボランティア・特技・資格など、記載した内容を質問されたときに説明できるよう準備しておきましょう。

集団討論の準備って、特別なことをしなくていいんです。集団討論のテーマになる内容は、個人面接で聞かれる質問と一致していますから。私の型としては、青森県では「学校教育指導の方針と重点」を1項目ずつ面接ノートにしておくと、集団討論と個人面接の両方の対策を同時に進めやすくなります。

よくある質問

Q. 小論文(論作文)はありますか?

A. 令和9年度採用の実施要項には、小論文(論作文)の記載はありません。一般選考の第一次試験は筆記試験(一般・教職教養/専門教科/特別支援教育に関する事項)のみ、第二次試験は集団討論・個人面接・実技試験のみです。ただし集団討論の評価の観点には「テーマを正しく理解し、自分の考え方を持っているか」「目的意識や問題意識を持ち、建設的な内容であるか」とあり、小論文で求められる思考力がそのまま口頭で問われると考えてください。

Q. 模擬授業や場面指導はありますか?

A. 令和9年度採用の要項・評価基準には、模擬授業・場面指導・集団面接の記載はありません。二次で実施されるのは集団討論・個人面接・実技試験の3つです。

Q. 集団討論は何人・何分ですか?

A. 県の公表資料(実施要項・評価基準)には、人数と時間の記載がありません。市販の過去問集には「面接委員3人・受験者4〜7人」という記録がありますが、公表値ではないため参考程度に。令和9年度採用の高校受験者1人からは「受験者7名・構想3分・討論30分」という報告が届いています。全校種共通の公表値ではなく、受験者からの1例です。

Q. 得点や順位は教えてもらえますか?

A. 第二次試験では、点数そのものではなく「ランク」が通知されます。具体的には、受験校種・教科(科目)ごとの集団討論・個人面接・実技試験それぞれのランクと、総合ランクが各受験者宛ての通知に記載されます。電話等による口頭開示は行われません(要項Ⅴ-2⑺、Ⅹ-6)。第一次試験については、筆記試験の得点・一般教職教養のランク・専門試験のランク・総合ランクが通知されます。

Q. 二次試験の結果はいつ分かりますか?

A. 令和9年度採用は令和8年9月30日(水)に発表されました。各受験者宛ての通知に加えて、県教育委員会ホームページに採用候補者の受験番号が掲載されています。なお二次試験当日に、最終結果通知用封筒(角形2号・180円切手・親展と朱書き)を提出する必要があります。

Q. 東京会場で受けられますか?

A. 一般選考の第一次試験は、都道府県会館(東京都千代田区平河町)で受験できます。特別選考は区分ごとの試験地を確認してください。第二次試験は青森市内の3校(青森高校・青森西高校・青森中央高校)のみです。また、試験地(青森県・東京都)は出願後の変更が認められません(要項Ⅳ-5)。

Q. 小学校と特別支援学校小学部を両方受けられますか?

A. 大学3年生特別選考は併願できません。それ以外の区分では、出願は1つの校種等・教科(科目)に限られますが、出願時に併願希望「あり」を選択すれば併願できます。小学校↔特別支援学校小学部、中学校↔特別支援学校中学部(同一教科)、高等学校↔特別支援学校高等部(同一教科)の3パターンです。第一志望で通過とならなかった場合に、第二志望の通過見込数に達していないときに限り、第二志望で再度選考されます。併願希望者は第一次試験で「特別支援教育に関する事項」(50点)の受験が必須になります。

Q. 面接カードや自己PRの提出書類はありますか?

A. 「面接カード」という名称の書類はありませんが、電子申請で出力される「調書」を原則として第一次試験当日に提出します(第一次試験免除者は令和8年7月13日までに郵送)。職歴・部活動・サークル活動・ボランティア活動等の実績・特技・資格等が選考資料となり、第二次試験の選考資料にも含まれます。様式の項目や記入欄は電子申請の画面で確認してください。

面接の手応えが気になる方へ

試験が終わったあと、「あの反応はよかったのかな」と何度も思い返してしまいますよね。面接官の反応をどう受け止めればいいかは、別の記事にまとめています。

■ 教員採用試験の合格サインとは?
■ 教員採用試験に落ちたらどうする?進路の選択肢とやるべきこと

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