こんにちは、金井志津乃です!

宮崎県って、出願のときに志望動機を書く欄がないんですね。じゃあ何も準備しなくていいんでしょうか? あと「面接シート」と「面接カード」ってどっちが正しいんですか……。

いい質問です! 宮崎県は一次に合格してから「面接シート」を電子申請で作成します。呼び名は原典によって違っていて、実施要項では「面接シート」、県ホームページの一次合格の案内では「面接カード」。同じものです。そしてここに書いた志望動機が、そのまま個人面接で深掘りされます。一次の結果が出てから慌てないよう、いまから準備しておきましょう!
この記事では、宮崎県公立学校教員採用選考試験の面接シート(面接カード)と、特別選考試験で提出する自己推薦書について、実施要項と受験者4名の実録をもとに「何を書くか」「どこを深掘りされるか」をまとめます。
この記事の根拠
- 書類の名称・提出方法・期限は令和9年度採用の実施要項および宮崎県教育委員会の一次合格の案内から
- 「どこを深掘りされたか」は、受験者4名の実録(令和6・7年度採用)から逆算しています
- 面接シートの項目名・字数は実施要項に記載がありません。この記事でも推測では書かず、「電子申請の様式で確認してください」とお伝えしています。
- 二次で実際に聞かれた質問は別記事に →宮崎県の個人面接|受験者4名の実録と出題傾向
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
仕組み|宮崎県で提出する「自分を語る書類」は2種類
| 書類 | 誰が出す | いつ | 何に使われる |
|---|---|---|---|
| 面接シート (県HPの表記は面接カード) | 第二次選考試験を受ける人 全員 (一般選考の第一次選考試験合格者+特別選考試験合格者+第一次選考試験免除者) | 第一次選考試験の合格発表後に電子申請で作成。令和9年度採用は7月20日(月)まで。URL・二次元コードは第二次選考試験の案内に記載。 | 志望動機等を事前に回答。個人面接での質問の土台になります。 |
| 特別選考試験 自己推薦書(様式3) | ③他県現職教員・他県元教員・本県元教員/⑤大学卒業予定者/⑥大学院修了予定者/⑦宮崎大学教育学部地域枠 の出願者 | 特別選考の出願時(令和9年度採用は4月30日(木)当日消印有効・簡易書留) | 書類選考の判断材料。結果は5月27日(水)(令和9年度採用の場合)にメールを発送予定。 |
| 社会人を対象とした特別選考試験 自己推薦書(様式9) | ⑧社会人A/⑨社会人B の出願者 | 同上 | 同上 |
※出典:令和9年度採用 実施要項、宮崎県教育委員会「令和9年度(令和8年度実施)宮崎県公立学校教員採用第一次選考試験の合格者について」(令和8年7月6日)。
実施要項では「面接シート」、県ホームページの一次合格の案内では「面接カード」と表記されています。同じ書類ですが、原典で呼び名が異なるため、この記事では併記しています。各様式は県庁ホームページの「令和9年度(令和8年度実施)宮崎県公立学校教員採用選考試験の実施について」からダウンロードできます(Q&A A4)。なお令和9年度採用から受験願書の郵送は不要になりました(Q&A A3)。

ここで大事なのはタイミングです。宮崎県の面接シートは、一次の合否通知(7月6日発送)を受けてから、7月20日までに作る(県の一次結果の案内では、この合格者に特別選考試験合格者と第一次選考試験免除者も含まれると明記されています)。そして二次は7月25日から。合否通知の発送は7月6日、面接シートの作成期限は7月20日です。要項の日程では、二次試験は7月25日〜8月2日のうち指定された1日です。一次の結果を待ってから志望動機を考え始めると、時間に余裕がなくなるおそれがあります。一次の前に下書きを完成させておく——これが宮崎県の鉄則です。
実録から逆算|書いたことは、こう聞かれています
受験者の報告には、はっきりと「願書からの質問」という記録が残っています(令和7年度採用・高等学校)。実録4名の個人面接から、「書類に書いたことがそのまま質問になっている」パターンを3つ抜き出しました。
パターン① 志望動機は「宮崎県」と「校種」の2段で聞かれる
- 宮崎を志望した理由を教えてください。→ 小学校教諭を希望した理由を教えてください。(小学校)
- 宮崎県の教員を志望した理由は何ですか。(高等学校)/教員を志望したわけを教えてください。(小学校)/志望理由を教えてください。(栄養教諭)
4名全員が志望理由を聞かれています。質問の内容は報告により異なり、「なぜ教員か」「なぜ宮崎県か」「なぜその校種か」があります。小学校の1名は、宮崎県と小学校を志望する理由を別々に質問されたと報告しています。面接シートに志望動機を書くときは、この3つが読み取れる構成にしておいてください。

志望動機でよくある失敗が2つあります。ひとつは塾講師やボランティアの「思い出話」で終わってしまうこと。もうひとつは恩師のすばらしさを語って終わってしまうことです。面接官が知りたいのは「あなたが公教育で、どんな子どもを育てたいのか」。同じ経験を書いても、そこに着地しているかどうかで、まったく別の文章になりますよ。
パターン② 講師経験は「よかったこと」と「大変だったこと」の両方
- 講師経験を通してよかったこと、悪かったことを教えてください。(栄養教諭)
- 講師をして大変だったことを教えてください。(小学校)
確認した実録には、講師経験で大変だったことや悪かったことを聞かれた例があります。ここで「特にありません」「順調でした」と答えてしまうと、振り返る力がない人だと見られてしまいます。大変だったこと→そのとき何を考えたか→どうしたか→いま何が変わったか、この4段で用意しておいてください。
パターン③ 「期待と不安」「異動」「併願」——正直さを見る質問
- 採用されたときの期待と不安について教えてください。(小学校)
- 採用された場合、いろいろな市町村に異動することになりますが、生活に支障はないですか。(高等学校)/赴任地について教えてください。(小学校)
- 他の自治体の教採、もしくは企業などの試験は受けていますか。(複数の報告)
「不安」を聞かれたときに「不安はありません」と言い切らないほうがいいです。不安を認めたうえで、それにどう備えるかまで話せる人のほうが、現場で相談できる人だと伝わります。異動・併願は、結論を先に出して答えられるよう準備しておきましょう。
書き方|志願書の5原則
ここからは、自治体を問わず使える書き方の原則です。私が志願書の書き方の動画でお話ししている注意点を、5つにまとめて宮崎県の面接シート・自己推薦書に当てはめて説明します。
- 読みやすく書く。手書きの書類なら、上手な字である必要はありませんが、面接官にとって読みやすくて好感を持てる字の大きさ、止め・跳ね・払いが丁寧に書けていることが大切です。宮崎県の面接シートは電子申請なので、ここは「一文を短く、改行を入れて、ぱっと見て読める形にする」と読み替えてください。
- 項目の意図を正確に読み取る。出題者があえてその言葉を使っているのには理由があります。「志望動機」と書かれているのか「志望動機(本県を志望した理由を含む)」と書かれているのかで、書くべきことは変わります。私は項目文に下線を引いて番号を振り、自分の文章のどこにその要素があるかを最後にチェックしています。
- 内容を精査して「種を撒く」。ボランティア・資格・部活動などを手当たり次第に書き並べると、面接官はどれを深掘りしていいか分からなくなります。絶対にここを聞いてほしい、というものが決まっているなら、不要なものは書かないという選択も必要です。
- 突っ込み質問を想定しながら書く。卒業論文のテーマを書けば「その研究を学校でどう生かすのか」を、アルバイト経験を書けば「そこから何を学び、学校でどう生かすのか」を、記入内容への質問として想定し、準備しておいてください。
- 資質能力のバランスを考える。志望動機で学級経営の話をして、自己PRでも「傾聴力・共感力」と書いていると、面接官は「この人に授業力はあるのだろうか」と不安になります。志望動機で教科指導のこだわりを出すなら、もう一方では学級経営や生徒指導ができそうだと感じる要素を入れる。全部を同じレベルに揃えるという意味ではなく、突出したものがあってよいのですが、必要最低限がそろって見えることが大切です。
そして、書き上げたら必ず誰かに読んでもらってください。自分では伝わっているつもりの文章が、初めて読む人には伝わらない——これは本当によくあることです。
自己PRをつくる3ステップ
特別選考の自己推薦書のように「自分を推す」書類では、次の順番で作ると迷いません。
| STEP1 | 実施要項と教育振興基本計画から、その自治体が求める人材像のキーワードを拾う(宮崎県なら「愛情と情熱・使命感」「高い専門性」「幅広い社会性、倫理観、人間性」「学び続ける姿勢」の4つ) |
| STEP2 | 教員としての能力を磨くために、自分がやってきたことを書き出す(講師の方は、現場で持った課題意識と、実際に試してみたこと) |
| STEP3 | その経験に生きた性格・長所を紐づける。「長所→だから何ができる」ではなく「やってきたこと→そこに生きた長所」の順で考えると、具体性が出ます。 |

自己PRの目的は「採用するメリットを伝えること」です。長所を並べるだけでは足りません。その自治体がどんな子ども像・どんな社会を実現したいと言っているかに接続して、自分が何を具体的に貢献できるのかまで書けると、面接官の反応が変わります。私の整理では、宮崎県なら教育振興基本計画の「多様性」「ふるさと・地域参画」「読書県づくり」あたりが接続しやすいキーワードです。
なお、私が実際に書いたものを思い出して再現した自己PR例を、大学講演のなかで紹介しています。「3つの長所をバランスよく」「2文目で目的を示す」「3文目で深掘りしてほしい種を撒く」という組み立て方は、宮崎県の面接シートでも参考にできると私は考えています。
宮崎県の「求める教師像」に着地させる
- 子どもに対する愛情と教育に対する情熱・使命感をもち、子どもとの信頼関係を築くことができる。【愛情と情熱・使命感】
- 分かりやすい授業を行い、子どもに確かな学力を育成するなど高い専門性を身に付けている。【高い専門性】
- 社会人としての幅広い教養と良識や倫理観、心の豊かさを身に付けている。【幅広い社会性、倫理観、人間性】
- 絶えず学び続け、自らの資質能力を高めている。【学び続ける姿勢】
そして、面接シートの内容が実際に評価されるのは個人面接の場です。宮崎県の個人面接の評価の観点は、実施要項に次のように書かれています。
模擬授業・個人面接/教員としての適性、専門的知識・技能、授業構成力、指導方法・手立ての工夫等の実践的指導力等を総合的に評価します。教職教養を含め、教育者としての使命感や意欲、幅広い社会性や人間性等を総合的に評価します。(実施要項P14)
ここに「使命感や意欲」とあることに注目してください。面接シートの志望動機は、この2語に着地しているかで読まれると考えられます。そして宮崎県は、個人面接で「宮崎県の課題」を4名全員に聞いています。つまり志望動機に「宮崎県の課題をどう受け止め、自分は何をするのか」を入れておくと、シートと面接がつながります。
宮崎県教育振興基本計画(令和5年策定)のスローガンは「未来を切り拓く 心豊かでたくましい 宮崎の人づくり」。7つの基本目標のうち、面接シートで接続しやすいのは次の3つです。
| 基本目標1 | 多様性を認め合い、一人一人を大切にする教育の推進(いのちと人権/特別支援教育/不登校・外国籍の児童生徒等への教育機会の確保) |
| 基本目標2 | 次代へ向けて学び続ける子供たちを育む教育の推進(幼児期の教育/確かな学力/教育の情報化) |
| 基本目標3 | ふるさとへの誇りと愛着を持ち、世界を視野に活躍する人材の育成(郷土を愛し地域社会に参画する態度/キャリア教育) |
※出典:宮崎県教育振興基本計画(令和5年策定)概要版。
計画期間は令和5年度から令和8年度までです(令和9年度以降の計画は、宮崎県教育委員会の公式ページでご確認ください)。
書いた後にやること|深掘りツリーをつくる
面接シートを提出したら、それで終わりではありません。そこに書いた一文一文が、質問の材料になります。実録には、宮崎の教育課題について、答えた内容を深掘りされた報告があります。
深掘りツリーのつくり方(私の型)
- 面接シートに書いた文を、一文ずつ付箋やノートに書き出す
- それぞれに「なぜ?」「具体的には?」「学校でどう生かす?」の3方向の質問をぶら下げる
- さらにその答えに、もう1段「それは本当に子どものためになる?」をぶら下げる
- 答えられない枝が出てきたら、そこは面接シートに書かないか、書くなら答えを用意する
面接官が深掘りしてくるときには「知りたい順番」があります。まずあなたの考えを理解しようとし、そのうえで具体策を確かめる。この順番を先回りして準備しておくと、当日うろたえません。
よくある質問
Q. 面接シートの項目や字数を教えてください。
A. 実施要項には「志望動機等について、事前に電子申請で回答いただきます」としか書かれておらず、項目名や字数の記載はありません。詳細は第一次選考試験の合格者に通知され、実際の項目は電子申請の様式で確認することになります。この記事では推測での記載は避けています。受験された方から様式の情報をいただけたら、この記事に追記します。
Q. 「面接シート」と「面接カード」、どちらが正しいのですか?
A. どちらも宮崎県教育委員会の公式な表記です。実施要項(第二次選考試験の試験内容)では「面接シート」、県ホームページの第一次選考試験合格者向けの案内では「面接カード」と書かれています。同じ書類を指していますので、どちらで検索しても大丈夫です。
Q. 出願のときに志望動機を書く欄はないのですか?
A. 一般選考の出願は電子申請での受験者情報の登録が中心で、令和9年度採用から受験願書の郵送も不要になりました(Q&A A3)。志望動機等をまとめて書くのは、第一次選考試験に合格したあとの面接シートです。ただし特別選考で出願する方は、出願の段階で区分に応じた提出書類が必要です。他県現職・元教員、大学卒業予定者、大学院修了予定者、宮崎大学地域枠は自己推薦書(様式3)、社会人A・Bは自己推薦書(様式9)、スポーツ・芸術は技能・実績証明書(様式2)、障がいのある方は証明書(様式5)、博士号取得者は証明書(様式10)です。
Q. 講師の勤務歴は、辞令どおりに期間を分けて書くのですか?
A. Q&A(A17)に「引き続いて同一校に勤務の場合は、期間を分けて書く必要はありません」とあります。半年勤務した後に同じ学校で継続した場合は、まとめて書いて構いません。なお一部試験免除の雇用証明書は、通算24月以上を満たす分だけ提出すればよいとされています(A18)。
Q. 特別選考の自己推薦書は、どこで手に入りますか?
A. 県庁ホームページの「令和9年度(令和8年度実施)宮崎県公立学校教員採用選考試験の実施について」からダウンロードできます(Q&A A4)。提出は「提出書類確認表」と一緒に封筒に入れ、簡易書留で。封筒の表には「出願封筒貼付用紙」をしっかり糊付けします。記入もれ等の不備や不足があると、受験を認められないことがあります(Q&A A21)。
Q. 面接シートは、いつまでに準備を始めればいいですか?
A. 第一次選考試験(6月14日(令和9年度採用の場合))より前に、下書きを完成させておくことをおすすめします。一次の結果発送が7月6日、面接シートの作成期限が7月20日、二次が7月25日から。結果を見てから書き始めると、模擬授業とグループワークの準備時間がなくなります。宮崎県は模擬授業とグループワークの題材も事前通知されますから、一次の直後はそちらに集中できる状態にしておくのが理想です。
■ 宮崎県の個人面接|受験者4名の実録と出題傾向(二次は個人面接・模擬授業・グループワーク各30点)
■ 宮崎県の特別選考と一次免除ルート|10種類の特別選考・大学3年生チャレンジ受験・補欠者・加点15項目
この記事は、受験された方の報告で育ちます
面接シートの項目や、自己推薦書に何を書いたかは、確認できた公表資料には載っていない情報です。受験された方の報告が頼りになります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。あなたの1件が、来年の受験生を助けます。
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