【教員採用試験】鳥取県の特別選考と一次免除ルート|現職教員・県内講師・英語資格・社会人・B登載者・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

鳥取県って特別選考が6種類もあるんですね……。私は他県で講師をしているのですが、どれに当てはまるのか分かりません。

大丈夫、ひとつずつ見ていけば必ず分かります。鳥取県の特別選考はⅠ〜Ⅵの6種類。ただし特別選考Ⅳ(県内講師等)には、指定期間内の鳥取県教育委員会による講師等の任用歴などが必要です。現在他県で講師をしていることだけで対象外とは決められないので、過去の任用歴や他の特別選考の要件も確認してください。そのかわり英語資格や複数免許状の加点、そして前年度B登載者の一次全免除という道があります。全部まとめて整理しますね!

この記事の根拠

  • 要件・免除・加点はすべて令和9年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項(鳥取県教育委員会教育人材開発課)の条文から。ページ番号も添えています。
  • 免除者数の実績は、県が公表している「志願状況」と「選考試験結果について」から。ただし鳥取県は特別選考の区分ごとの志願者数・合格者数を公表していません。この記事ではルート別の合格率は出していません(推定は使わない、が私のルールです)。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

ルート対象対象試験区分一次の扱い併願
一般選考要項の受験資格(免許状・生年月日・欠格条項等)を満たす方全区分全科目受験可(一部区分を除く)
一般選考+前年度B登載令和8年度採用試験でB登載だった方(辞退者等を除く。同じ試験区分・教科等で受験する場合)全区分第一次選考試験のすべてを免除可
一般選考+英語資格中学校英語=英検準1級以上等/高校英語=英検1級等中学校(英語)・高等学校(英語)志願区分の第一次選考試験のすべてを免除。ただし中学校英語が併願区分の場合は、その専門試験のみ免除可
特別選考Ⅰ障がいのある方(身体・知的・精神)全区分一次免除なし(二次の技能・実技等に振替・免除あり)可
特別選考Ⅱスポーツ・芸術の分野に秀でた方中学校〔保体・音楽・美術〕/高校〔保体・芸術(美術)〕第一次選考試験のすべてを免除不可
特別選考Ⅲ他都道府県の公立・国立大学法人の学校の現職教諭(2年以上)小・中・高・特支・養護第一次選考試験のすべてを免除不可
特別選考Ⅳ鳥取県内公立学校の講師等(24月以上)+前年度試験の一次合格・二次全項目受験小・中・高・特支・養護第一次選考試験のすべてを免除不可
特別選考Ⅴ英検準1級以上(またはTOEFL・TOEIC等の同等基準)の資格を持つ小学校志望者小学校第一次選考試験のすべてを免除小学校の一般選考のみ可
特別選考Ⅵ普通免許状を有しない社会人実務経験者(3年以上)中学校〔技術・家庭〕/高校〔家庭・農業・工業(機械、建築・土木)・商業・水産(食品)・情報・福祉〕免除なし不可

※出典:令和9年度実施要項 P4「5 選考の種類」、P16-17「15 一般選考」、P18-23「16 特別選考」。

この表でいちばん大事なのは、「一次免除がつくルートが6つもある」ということです。実際、令和9年度採用では志願者実人数770人のうち、志願区分の一次免除者は74人(約9.6%)でした。併願を含む延べ志願者数は893人です。

採用年度志願者(併願を含む延べ数)第一次試験免除者免除者の割合(延べ数に対する割合)
令和6年度採用1,378人113人8.2%
令和7年度採用1,341人91人6.8%
令和8年度採用1,115人88人7.9%
令和9年度採用893人74人8.3%

※出典:鳥取県教育委員会「令和6年度〜8年度 選考試験結果について」および「令和9年度〜志願状況」。
令和6年度採用から令和8年度採用までは選考結果の併願を含む免除者数、令和9年度採用は志願時点の志願区分の免除者数で、集計時点と範囲が異なります。この「免除者」には、特別選考Ⅱ〜Ⅴによる免除、前年度B登載者の免除、英語資格による免除がすべて含まれます。鳥取県は内訳を公表していません。

令和9年度採用の一次免除者74人を区分別に見ると、中学校27人・高校24人・小学校17人。中学校と高校で全体の7割です。免除の理由別の人数は公表されていないため、要因までは読み取れません。ご自身が該当しないか、必ず全部見てくださいね。

① 前年度B登載者|いちばん見落とされている一次全免除

鳥取県は合格発表を「採用候補者名簿への登載」という形で行い、A登載(正式採用)とB登載(欠員の状況によっては採用)の2種類があります。そして要項15ページに、こう書かれています。

令和9年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験においてB登載者となった者は、令和10年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験の一般選考において、同じ試験区分(前年度試験において、併願する試験区分が「B登載者」の者は同じ併願試験区分)、教科(科目等)を受験する場合に限り第一次選考試験を免除します。

※出典:令和9年度実施要項 P15「10 採用候補者名簿への登載等」。

B登載者の人数の推移は次のとおりです。令和6年度採用24人 → 令和7年度採用34人 → 令和8年度採用46人。令和8年度採用のB登載者46人が令和9年度採用で使える免除は、辞退者等を除き、同じ試験区分・教科(科目等)で受験する場合に限られ、要項16ページに載っています。上に引用した15ページの規定は、令和9年度採用でB登載となった方(受験番号の集計で18人)が令和10年度採用の一般選考で使う免除です。令和10年度採用の条件は、令和10年度採用の要項で必ず確認してください。

  • 免除されるのは「第一次選考試験のすべて」。一般教養も専門試験(筆記)も受けなくてよくなります。
  • 同じ試験区分・教科(科目等)を受験する場合に限ります。校種や教科を変えると免除は使えません。
  • 令和8年度採用試験の「B登載者」(辞退者等を除く)が令和9年度採用試験を受験する場合、特別選考には出願できません。一般選考での受験になります(要項P16)。
  • B登載者としての受験は、特別選考Ⅳの連続受験回数に含まれません(要項P21の注記)
  • 適性検査だけは必ず受けてください。免除者であっても、第一次選考結果の公表以降、指定期間内にWebで受検しなければ以降の試験項目を受験できません。さらに電子申請②(第一次選考試験結果通知申込)も免除者は必ず申請が必要です(適性検査のURLがここから届きます)。

B登載になった年は、正直つらいと思います。でも冷静に考えてみてください。条件を満たせば来年は一次を受けなくていい。ということは、1年間、面接450点を軸に二次の準備へ時間を回せるということです。鳥取県の二次は、実技のない区分なら480点のうち450点が面接。この1年の使い方で、結果は本当に変わりますよ。

■ 鳥取県の二次試験|集団面接(グループワーク)+個人面接(場面指導)の内容・日程・出題傾向

② 特別選考Ⅳ|県内講師の一次全免除(受験回数の上限に変更あり)

鳥取県内で講師をされている方の王道ルートです。要件は2つとも満たす必要があります。

  1. 前年度試験の第一次選考試験に合格し、第二次選考試験のすべての試験項目を受験した方で、当該試験と同一の試験区分・教科(科目等)を志願すること。※その年度に志願する教科の試験の実施がなかった場合は、直近で当該教科を実施した試験が対象。※当該特別選考の受験資格を有していたため、免除により第一次を合格とみなした場合も含みます。
  2. 鳥取県内の公立学校で、令和6年4月1日から出願時までの間に24月以上、講師等として任用されていること。任命権者は鳥取県教育委員会に限ります。

「講師等」に含まれるのは、臨時的任用の常勤講師・養護助教諭・実習助手・寄宿舎指導員、および会計年度任用職員(非常勤講師)です。そして実務的にとても重要なポイントが2つあります。

  • 講師として在職した職と、志願する試験区分・教科の関係は問われません。小学校で講師をしながら中学校を志願する、というケースも要件を満たします。
  • 任用の発令が1日でもある月は、1か月の在職期間とみなされます。「24月」の数え方が緩やかなので、自分では足りないと思っていた方も一度計算し直してみてください。

そして要項では、令和9年度選考試験以降にこの特別選考で初めて受験する方の連続受験回数の上限が3回とされています。ここは必ず確認してください。

令和9年度選考試験以降に、この特別選考で初めて受験する方連続受験回数は3回が上限
令和8年度選考試験以前に、この特別選考を受験したことがある方従来どおり5回が上限

※出典:令和9年度実施要項 P21。
「連続受験回数」とは、令和6年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験以降の試験において、試験区分・教科(科目等)の試験が実施されなかった年度を除いた連続する受験回数です。ただし前年度試験B登載者としての受験は含みません。ご自身の上限回数と受験回数は受験票に記載されます。

令和9年度選考試験からこの特別選考を使い始める人の上限が3回になった(令和8年度以前からの受験者は5回のまま)というのは、「このルートを使える期間が限られている」ということです。だからこそ、免除で浮いた時間は、二次の面接対策を中心に回してください。講師をしながらの受験は本当に大変ですが、いろいろな子どもを見てきたからこその具体例や実績、そして熱意をまだまだ失っていないことを、しっかりアピールしていきましょう。採用する側は、講師の方に「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」を見ているのではないか、と私は考えています。

③ 特別選考Ⅲ|他県の現職教諭(提出小論文「私の教育実践」800字)

他の都道府県の公立学校、または国立大学法人が設置する学校の現職教諭・養護教諭を対象とした選考です。要件は3つすべてを満たす必要があります。

  • 他の都道府県の公立又は国立大学法人が設置する学校に、教諭又は養護教諭として正式に採用されている方(=期限を付さないで採用されたこと)
  • 令和9年3月31日時点で、志願する試験区分・教科(科目等)に2年以上従事している方(休職・育児休業等の期間は除く)
  • 出願時点においても引き続いて正式任用されている方

対象は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・養護教諭。第一次選考試験のすべてが免除されます。併願はできません。

そしてこのルートだけ、出願時に提出するものがあります。

小論文
・題名は「私の教育実践」とし、A4判横、縦書きの400字詰め原稿用紙2枚(電子データ)を使用し、字数は800字以内とします。
・電子申請で出願する際に、原稿用紙の電子データを鳥取県教育委員会教育人材開発課ホームページ又は電子申請画面からダウンロードし、入力したものを電子申請画面の指定された場所に添付してください。

※出典:令和9年度実施要項 P20。

これは試験科目の小論文ではなく、出願書類です。鳥取県の一次・二次に小論文(論作文)の試験はありません。ただし、提出したこの800字が、二次の個人面接で読まれる場合があります。他県の記事でも「出願時に書いた内容から深掘りされた」という報告があります。

「私の教育実践」を書くときのコツは、種を撒いておくことです。800字の中に、面接官が「そこ、もう少し聞かせて」と突っ込みたくなる具体を入れておく。逆に言えば、突っ込まれたくないことは書かない。そして「実践しました」で終わらせず、その実践から何を学んだのかまで着地させてください。

なお、教員として正式に採用となる場合は、任命権者による履歴の証明の提出が必要です(提出時期は第二次選考試験結果通知時に連絡)。志願書に記載の職歴が証明されない場合は名簿登載が取り消されます。

④ 英語ルートが3本ある|免除・別枠・加点

鳥取県は英語資格の扱いが手厚く、しかも3種類のルートが並行して用意されています。ここは表で整理しないと混乱します。

ルート対象基準効果
一般選考の一部免除高等学校教諭(英語)英検1級/TOEFL iBT100点以上(PBT600点以上)/TOEIC L&R 880点以上/TOEIC L&RとS&Wの合算1680点以上第一次選考試験のすべてを免除
一般選考の一部免除中学校教諭(英語)英検準1級以上/TOEFL iBT80点以上(PBT550点以上)/TOEIC L&R 730点以上/合算1405点以上第一次選考試験のすべてを免除(併願試験区分が中学校英語の場合は併願区分の専門試験のみ免除。一般教養の受験は必要)
特別選考Ⅴ小学校教諭志望者英検準1級以上/TOEFL iBT80点以上(PBT550点以上)/TOEIC L&R 730点以上/合算1405点以上第一次選考試験のすべてを免除+採用予定数が別枠で5人程度。小学校教諭の一般選考へ併願可能。
加点制度①特別支援学校教諭/高等学校教諭(英語)/小学校教諭下の加点表のとおり専門試験(筆記試験)の得点に5〜25点を加点

※出典:令和9年度実施要項 P16-17(一般選考の試験内容の一部免除・加点制度)、P22(特別選考Ⅴ)。
資格は平成28年4月1日以降に取得したものだけが有効です。TOEFLはITPテスト、TOEICはIPテストのスコアは除きます。TOEIC L&RとS&Wの合算スコアは「(L&Rトータル)+(Sスコア)×2.5+(Wスコア)×2.5」で算出します。

加点制度①|英語に関する資格(最大25点)

対象試験区分英検TOEFLTOEIC L&RL&R+S&W合算加点
特別支援学校教諭1級iBT100点以上(PBT600点以上)880点以上1680点以上25点
高等学校教諭(英語)/特別支援学校教諭準1級iBT80点以上(PBT550点以上)730点以上1405点以上20点
小学校教諭/特別支援学校教諭2級iBT45点以上(PBT470点以上)550点以上1100点以上10点
小学校教諭/特別支援学校教諭準2級iBT38点以上(PBT400点以上)450点以上925点以上5点

※出典:令和9年度実施要項 P17。
小学校教諭・特別支援学校教諭はTOEIC Bridge L&R 84点以上(10点)/76点以上(5点)、TOEIC Bridge L&RとS&Wの合算170点以上(10点)/156点以上(5点)でも対象になります。加点先は専門試験(筆記試験)の得点です。

加点制度②|複数免許状の所有(10点)

加点は①(英語資格)と②(複数免許状)のどちらか一方だけしか使えません。両方の要件を満たす方は、有利なほうを選ぶことになります。

志願する試験区分要件(出願時点で取得済みであること)加点
小学校教諭中学校教諭普通免許状の所有者(教科は問わない)10点
中学校教諭小学校教諭普通免許状/中学校「技術」(技術志願者は除く)/中学校「家庭」(家庭志願者は除く)のいずれかの所有者
高等学校教諭高等学校「農業」「工業」「情報」「福祉」のいずれかの所有者(当該教科の志願者は除く)
特別支援学校教諭小学校・中学校・高等学校の普通免許状のうち2つ以上を所有(教科は問わないが、同一校種で2教科の免許状は除く)

※出典:令和9年度実施要項 P17。
志願する試験区分・教科の普通免許状を取得済みで、加点に用いる複数免許状も出願時点で取得済みであることが必要です。普通免許状の種類(専修・一種・二種)は問いませんが、特別免許状・臨時免許状は除きます。併願する方は、志願試験区分の専門試験に加えて併願試験区分の専門試験にも加点されます。

加点は専門試験(筆記)に上乗せされます。25点加点の対象である特別支援学校教諭の専門試験は180点満点で、25点は約14%に相当します。これは相当大きいです。すでに資格をお持ちの方は、証明書類の準備を出願前に必ず。写真データや証明書は電子申請の指定された場所に添付する形式で、WordやExcelに画像を貼り付けた形式は受け付けてもらえません(要項P8)。

⑤ 特別選考Ⅰ・Ⅱ・Ⅵ|障がい・スポーツ芸術・免許なしの社会人

特別選考Ⅰ|障がいのある方(別枠採用あり)

身体障害者手帳、療育手帳(もしくは障害者職業センター等の公的判定機関で知的障がい者と判定された方)、精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方が対象です。全試験区分が対象で、併願も一般選考と同様に可能です。

特筆すべきは採用予定数が別枠だということ。令和9年度採用では、小学校・中学校・高等学校・養護教諭・栄養教諭を対象に合計5人程度、特別支援学校教諭を対象に2人程度が、通常の採用予定数とは別に設定されています(要項P18)。

一次免除はありませんが、障がいの程度により受験できない内容があると思われる場合は、その程度に応じて技能・実技試験や専門試験(技能・実技試験)の一部または全部について振替または免除が行われます。希望や具体的な要望は、電子申請の「障がいがある等に係る必要な配慮事項」欄に具体的に記入します。

特別選考Ⅱ|スポーツ・芸術の分野に秀でた方

対象は中学校教諭〔保健体育・音楽・美術〕、高等学校教諭〔保健体育・芸術(美術)〕のみ。第一次選考試験のすべてが免除されます(併願不可)。

要件は、平成28年4月1日以降(高等学校卒業後に限る)に、

  • スポーツの分野で国際的な大会(オリンピック、パラリンピック、ユニバーシアード大会、世界選手権大会、アジア大会およびこれらと同等の規模の大会)に日本代表として出場した方
  • または全国的な大会(国民スポーツ大会(国民体育大会)、全日本選手権大会、全日本実業団選手権大会、全日本学生選手権大会およびこれらと同等の規模の大会)でベスト4以上に入賞した方
  • または芸術の分野で国際的・全国的なコンクール、展覧会等で優秀な成績を収めた方

要項には対象にならない例も明記されています。「世界選手権等に日本代表として出場したが、年代別の日本代表であった」「特選や入選が多数選出されるような展覧会・コンクール等」「特定の団体、流派、会派ごとの各種大会・展覧会等」。提出書類は最も優秀な成績等について1つで、団体競技の場合は個人を特定できる書類の写しも必要です(要項P19)。

特別選考Ⅵ|普通免許状がなくても受けられる(社会人実務経験者)

鳥取県で最も特徴的な選考です。志願する試験区分・教科の普通免許状を有していない方が対象です。対象教科は限られており、教科に応じた学歴要件に加え、志願教科の高度な専門的知識・技能を有すること、後述する実務経験要件を満たすことが必要です。

試験区分教科(科目等)学歴要件
中学校教諭技術高等専門学校卒業、又は短期大学士・学士・修士・博士の学位を授与された者
高等学校教諭工業(機械)/工業(建築・土木)
高等学校教諭水産(食品)高等専門学校卒業、又は学士・修士・博士の学位を授与された者、又は高等学校卒業程度で3級海技士(航海・機関)以上の資格を有する者(令和9年3月31日までに取得見込みを含む)
高等学校教諭福祉高等学校卒業程度、又は短期大学士・学士・修士・博士の学位を授与された者で、介護福祉士又は看護師の資格を有する者
中学校教諭/高等学校教諭家庭/家庭・農業・商業・情報学士・修士又は博士の学位を授与された者

さらに、令和4年4月1日以降に、志願する教科に関連する民間企業・官公庁(教育関係機関を除く)等に正職員として、令和9年3月31日現在において3年以上(休職・育児休業等の期間は除く)の実務経験があることが必要です。

注意点は3つ。①試験項目の免除はありません(一般選考と同じ試験を全部受けます)。②併願できません。③採用の流れが違います——名簿登載後に鳥取県教育委員会が行う「特別免許状の授与に係る教育職員検定」を受け、合格した後に特別免許状が授与されて採用となります。職歴を証明する書類(発令された履歴事項がすべて記載され、雇用主又は任命権者の証明を付したもの)の提出も必要で、令和9年3月31日までに提出がない場合は名簿登載が取り消されます(要項P23)。

社会人の方、特に40代・50代で受験される方が面接で見られやすいのは、謙虚に学んで挑戦する姿勢だと私は考えています。ICTや主体的・対話的な学びを一生懸命に学ぼうとする姿勢、年下の同僚とフラットな姿勢で働けるか、そして人生経験を人と人との間に入るクッションとして学校に還元できるか——この3点を意識して面接の答えを作っていきましょう。

40代・50代で受験される方は、こちらもあわせてどうぞ。

⑥ 併願制度|志願区分の普通免許状があれば、特別支援学校教諭の免許状なしでも併願可能な場合があります

鳥取県の併願制度は、要項5ページの表で組み合わせが決まっています。

志願試験区分小学校教諭中学校教諭高等学校教諭特別支援学校教諭
小学校教諭—☆—◎注
中学校教諭◎——◎注
高等学校教諭———◎注
特別支援学校教諭◎———

※出典:令和9年度実施要項 P5。
◎=併願試験区分の専門試験(筆記試験)および技能・実技試験の受験は必要ありません。☆=志願試験区分の試験項目に加えて、併願試験区分の専門試験(筆記試験)および専門試験(技能・実技試験)の受験が必要です。

併願には、志願する試験区分・教科の普通免許状に加えて、併願する試験区分・教科の普通免許状を有する(または令和9年3月31日までに取得見込みである)ことが必要です(要項P5)。そして「注」がついている部分が、鳥取県の大きな特徴です。

志願する試験区分・教科の普通免許状を有する者のうち、特別支援学校教諭を併願試験区分とする場合においては、特別支援学校教諭普通免許状を有していない、又は取得見込でなくても併願可能です。ただし、特別支援学校教諭普通免許状なく採用となった場合、採用後に鳥取県教育委員会が実施する認定講習等を受け、採用後3年を目途に特別支援学校教諭普通免許状を取得することを推奨します。

※出典:令和9年度実施要項 P5。

この制度が実際にどう使われているかは、数字を見ると一目瞭然です。令和9年度採用の志願状況では、特別支援学校教諭の志願者106人のうち80人が併願者。第一次選考結果でも、特別支援学校教諭の合格者等69人は、志願区分の合格者16人、併願区分の合格者49人、第一次選考免除者4人でした(私が集計)。

「小学校が第一志望だけど、特別支援も併願しておく」——特別支援学校教諭では、こうした受け方が多い傾向があります。しかも併願区分の専門試験(筆記)は受けなくていい。ただし面接は同じように受けますから、「なぜ特別支援も?」と聞かれたときの答えは必ず用意しておいてください。「保険で出しました」が透けて見える答えは、印象を下げやすいと私は考えています。

なお、特別選考における併願の可否は、特別選考Ⅰは一般選考と同様に可能、特別選考Ⅴは小学校教諭の一般選考へのみ可能、特別選考Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅵは併願不可です。

⑦ 出願後の救済措置と、採用後の2つの制度

特別選考の対象にならなかった場合の救済

要項に、こんな救済措置が書かれています。令和9年度採用の要項では、出願後に特別選考の受験資格を満たすかどうかが確認され、対象とならなかった場合は令和8年5月7日(木)までに電話連絡があるとされています。その場合に限り、出願締切後でも一般選考(加点や併願を含む)又は他の特別選考への変更が認められます。(要項P4・P9)

つまり「該当するかどうか微妙だけれど、出してみる」ができる制度設計になっているということです。迷っている方は、教育人材開発課(0857-26-7513)に確認したうえで出願を検討してみてください。

教職大学院への進学・修学継続の特例

A登載者となった方で、国内の教職大学院への進学、または修学の継続を希望する場合、第二次選考試験結果通知後に本人からの申請により、修了予定年度に応じた新たな採用候補者名簿に登載されます。令和9年度に修了予定なら令和10年度採用候補者名簿へ、令和10年度に修了予定なら令和11年度採用候補者名簿へ。申請した修了予定年度末までに専修免許状の取得が義務付けられ、修了できなかった場合は名簿登載が取り消されます(要項P15)。B登載者は対象外です。

奨学金返還支援助成金

A登載者となった方で希望する場合、選考試験における結果等により対象者が認定されます。助成額は無利子奨学金なら返還総額の2分の1、有利子奨学金なら4分の1。原則として令和9年4月1日に採用され、8年経過するまでの期間、勤務する意思を有する方に限られます(要項P15)。詳細は第二次選考試験結果通知の際に案内されます。

まとめ|免除は入口。勝負は二次の面接(実技のない区分は450点)

ここまで、いくつかのルートを見てきました。最後に、いちばん大事なことをお伝えします。

二次は面接とICT活用が基本で、対象教科には専門技能・実技試験もあります。障がいの程度に応じた技能・実技の振替や免除もあります。集団面接(グループワークを含む)225点、個人面接(場面指導を含む)225点、技能・実技試験(ICT活用)30点。実技のない区分は480点満点で、うち450点が面接。免除で得られるのは「一次の勉強時間」であって、「二次の下駄」ではありません。

令和8年度採用の実績を見ると、二次に進んだ601人のうち、実際に受験したのは473人。そこからA登載273人・B登載46人でした。二次受験者473人÷A登載者273人は約1.7倍です(併願を含む集計で、実人数の合格確率ではありません)。ここまで来れば十分に勝負になります。だからこそ、免除で浮いた時間は、面接を中心とした二次の準備に使ってください。

■ 鳥取県の二次試験|集団面接(グループワーク)+個人面接(場面指導)の内容・日程・出題傾向
■ 鳥取県の倍率|令和9年度採用の志願状況・一次結果と4年間の推移

よくある質問

Q. 加点は複数申請できますか?

A. できません。「①英語に関する資格の所有者」と「②複数免許状所有者」のいずれか一方だけです(要項P17)。両方の要件を満たす場合は、加点が大きいほうを選ぶことになります。たとえば小学校教諭志望で英検2級(10点)と中学校免許(10点)をお持ちなら同点、英検準2級(5点)と中学校免許(10点)なら複数免許状のほうが有利です。

Q. 他県で講師をしています。特別選考Ⅳは使えますか?

A. 現在他県で講師をしていることだけでは判断できません。特別選考Ⅳは鳥取県内の公立学校での在職が要件で、任命権者も鳥取県教育委員会に限られます(要項P21)。他県で正式採用の教諭として2年以上勤務されている場合は特別選考Ⅲ(現職教諭)が使えますが、講師(臨時的任用)は特別選考Ⅲの正式任用には当たりません。一方、特別選考Ⅳは、指定期間内の鳥取県での任用歴24月以上、前年の一次合格・二次全項目受験、同一区分等の要件を確認してください。

Q. 特別選考Ⅳの「24月以上」は連続していないとダメですか?

A. 要項の条文は「令和6年4月1日から出願時までの間に24月以上」とあり、連続を求める記載はありません。また「講師等としての任用の発令が1日でもある月は、1月の在職期間があるものとみなします」と明記されています。ご自身の任用状況で不安な場合は、教育人材開発課(0857-26-7513)に確認してください。

Q. 特別選考Ⅴ(英語力に優れた者の小学校選考)は、一般選考と両方受けられますか?

A. はい。小学校教諭の一般選考へのみ併願が可能です(要項P22)。しかも特別選考Ⅴは採用予定数が小学校教諭の一般の枠(要項では85人程度)とは別枠で5人程度で、県の志願状況ではこの5人程度を含めて小学校教諭は90人程度と示されています。英検準1級以上(またはTOEFL iBT80点以上、TOEIC L&R 730点以上、合算1405点以上)をお持ちの小学校志望の方は、要項で要件を確認してください。

Q. 「B登載者」なのですが、特別選考に出願できますか?

A. できません。要項P16に「『B登載者』の者は、特別選考への出願はできません」と明記されています。一般選考での受験になりますが、令和8年度採用試験のB登載者(辞退者等を除く)が、同じ試験区分・教科等(併願でB登載の場合は同じ併願区分)を令和9年度採用の一般選考で受験する場合に、第一次選考試験のすべてが免除されます。

Q. 一次が免除されたら、二次だけ受ければいいのですか?

A. いいえ、2つの手続きが必要です。ひとつは電子申請②(第一次選考試験結果通知申込)を、令和9年度採用では令和8年6月12日(金)午後5時までに行うこと——要項には「適性検査Web受検のためのURL、第二次選考試験の案内等も通知するため、第一次選考試験免除者も必ず申請を行ってください」と明記されています。もうひとつは適性検査を指定期間内にWebで受検すること。受検しないと、いかなる理由があっても以降の試験項目を受験できません。

Q. 特別選考の合格率は分かりますか?

A. 鳥取県は特別選考の区分ごとの志願者数・合格者数を公表していません。公表されているのは「第一次試験免除者数」という、特別選考Ⅱ〜Ⅴ・前年度B登載者・英語資格による全免除をすべて合算した数字だけです。そのため私はルート別の合格率を掲載していません(推定値は使わない、が私のルールです)。

Q. 出願はいつですか?

A. 令和9年度採用は令和8年3月23日(月)正午〜4月20日(月)正午でした(とっとり電子申請サービスによる電子申請)。出願手続完了後の辞退は受け付けられず、欠席として扱われます。また出願締切後は、特別選考の対象とならなかった場合を除いて申込内容の変更ができません。令和10年度採用の日程は、要項の公開後に更新します。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

要項を読めば制度は分かります。でも「特別選考で受けたら面接でどんなことを聞かれたか」「講師経験をどう掘り下げられたか」「英語資格の免除で受けたら一次免除者だけ何か違う案内があったのか」——こういうことは、実際に受けた方にしか分かりません。鳥取県は、令和8年10月時点で私のもとに受験報告が1件も届いていない自治体です。鳥取県を受験された方は、ぜひ来年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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