【教員採用試験】福島県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・大学推薦・講師経験者・地域採用枠・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

福島県って選考区分がすごく多いですよね……。講師をしているのですが、私はどれで出せばいいんでしょうか? 筆記が免除になる制度もあるって聞いて、混乱しています。

福島県は選考区分が8つあって、しかも令和8年度採用(令和7年度実施)の受験実績で第一次選考試験が免除になるルートが3つあります。選考区分と一次免除のルートが多い県です。ただ、どれか1つしか選べませんから、最初に整理しておきましょう!

この記事では、福島県公立学校教員採用候補者選考試験の選考区分・一次免除・地域採用枠・加点制度を、令和9年度採用の実施要項から整理します。要項の内容は条文にもとづいて整理しており、志願者数などの実績は別の公表資料から、見立てには「考えられます」などと添えて区別しています。

この記事の根拠

  • 令和9年度福島県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項(福島県教育委員会)——選考区分別の受験資格と選考方法、一次免除、併願出願、地域採用枠、特別支援学級枠、加点制度、名簿A・B、次年度免除、登載猶予
  • 令和9年度採用の志願者数(訂正版)・第一次選考試験合格者受験番号・名簿登載者実績——特別選考Ⅲ・Ⅳの実績
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

選考区分の早見表|8つの入口

まずは全体像です。「5(2)併願出願」の場合を除き、いずれか一つの校種等・教科(科目等)に限って受験できます。

選考区分主な対象第一次選考試験の扱い第二次選考試験
一般選考共通受験資格(地方公務員法・学校教育法の欠格条項に該当しない方、こども性暴力防止法の特定性犯罪事実該当者でない方、昭和42年4月2日以降に生まれた方〔令和9年4月1日現在60歳未満〕、校種等に応じた教員免許状を有する方又は令和9年3月31日までに取得見込みの方)を満たす人すべて出願書類審査・筆答試験・実技試験書類審査・模擬授業(養護教諭は場面指導)・個人面接・身体検査
特別選考Ⅰ
(教職経験者)
正規採用の教諭・養護教諭として継続2年以上の教職経験(現職または過去)全部免除同上
特別選考Ⅱ
(臨時的任用職員等経験者)
直近10年度間に通算15ヶ月以上の講師等の経験教職教養試験が免除(教科試験・実技試験はあり)同上
特別選考Ⅲ
(スポーツ・芸術等)
高等学校教諭。スポーツ分野=自転車/芸術分野=演劇。事前審査 → 出願書類審査+個人面接(15分)(筆答・実技なし)書類審査・模擬授業・個人面接・身体検査
特別選考Ⅳ
(社会人経験等)
高等学校教諭の「情報」「農業(食品科学)」、特別支援学校高等部の「情報」事前審査 → 出願書類審査+個人面接(15分)(筆答・実技なし)同上
幼稚園等教諭経験者
特別選考
小学校教諭志願。幼稚園教諭免許を有し、幼稚園等の正規教諭として継続3年以上。全部免除書類審査・模擬授業・個人面接・身体検査
大学推薦特別選考大学等から推薦を受けた学業成績優秀者(福島県の教員になることを第一志望とし、令和9年3月31日までに卒業・修了見込みで、学長又は学部長の推薦を得られる方。推薦人数に制限はありません)出願書類審査・筆答試験(教職教養試験を除く)・実技試験同上
大学3年生等
特別選考
大学等の最終年次の1年前の年次にいる人(令和10年度採用希望)令和9年度採用の一次を受験 →「選考通過者」になれば翌年度の一次が免除翌年度(令和10年度採用試験)に受験

※出典:令和9年度福島県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項「3 選考区分、受験資格及び選考方法」。
特別選考Ⅲ・Ⅳ・大学推薦・大学3年生等で募集する校種等・教科は「別に定めます」とされています。

ここで覚えておきたいのは、どの区分で受けても二次試験の内容は同じということ。模擬授業(養護教諭は場面指導)と個人面接です。つまり「入口が違うだけで、出口の勝負は全員同じ」。特別選考で一次が免除された方も、二次の準備は他の受験生と同じだけ必要ですよ!

主流ルート①|講師経験者は「特別選考Ⅱ」で教職教養が免除

講師などの経験がある方が対象になるのが特別選考Ⅱ(臨時的任用職員等経験者特別選考)です。要件を細かく見ていきましょう。

勤務先小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校及び特別支援学校(要項には都道府県を限定する記載がありません)
身分任期付職員、臨時的任用職員、特定会計年度任用職員(非常勤講師)
期間直近の10年度間(平成28年4月1日〜令和8年3月31日)に通算15ヶ月以上
月数の数え方任期付・臨時的任用は1日でも勤務した月を1ヶ月とみなす。非常勤講師は週3日以上(1日の勤務時間は問わない)任用されていることが条件。
通算できる職種教諭、常勤講師、養護助教諭、非常勤講師
実習助手・学習支援員等は含みません
一次の免除範囲教職教養試験(30分)のみ免除。教科試験・実技試験は受験します。

ポイントは「1日でも勤務した月は1ヶ月」という数え方です。年度末の数日だけの任用でも1ヶ月に数えられるので、ご自身の辞令を並べて計算し直してみてください。「たぶん足りない」と思っていた方が、数え直すと要件を満たしている場合があります。

また、特別選考Ⅱにはもう一つ大きな仕掛けがあります。

特別選考Ⅱ受験者の「次年度一次免除」(要項12(2))

小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の特別選考Ⅱ(要項の対象校種に養護教諭は挙げられていません)の志願者で、出願時に福島県内の公立学校(小・中・義務教育学校・高校・特別支援学校)および県内の国立大学法人附属学校での勤務経験が、直近10年度間で合計60ヶ月以上ある方は、第一次選考試験を受験して二次の受験対象者にならなかった場合でも、一定の基準を満たせば翌年度(令和10年度選考試験)の第一次選考試験が免除されます。ただし翌年度に同一の校種等・教科を志願する場合に限ります。対象者には別途通知されます。

つまり福島県内の公立学校などで直近10年度間に合計60ヶ月(5年)以上講師をしている小・中・高・特別支援学校の方(養護教諭は対象外)は、一次で落ちても、一定の基準を満たせば翌年度は一次免除になる可能性がある、ということです。これは非常に大きい。該当しそうな方は、必ず要項の12(2)を読んでください。

講師の方が合格するために意識してほしいことは、こちらの動画でお話ししています。

新卒の方と講師の方では、意識すべきポイントがまったく違います。自分がどちらの立場かによって準備の重心を変えてください。

主流ルート②|現職教員は「特別選考Ⅰ」で一次が全部免除

特別選考Ⅰ(教職経験者特別選考)は、第一次選考試験の受験が全部免除される区分です。つまり二次試験(模擬授業+個人面接。養護教諭は模擬授業の代わりに場面指導)だけで勝負できるということ。

対象教諭や養護教諭(任期付又は臨時的任用によらない採用者=正規採用)として、令和8年4月1日現在継続して2年以上の教職経験がある方。または過去に継続して2年以上の教職経験がある方。
除外幼稚園での教諭経験は除く(幼稚園経験の方は「幼稚園等教諭経験者特別選考」へ)
一次受験を免除
二次出願書類審査・模擬授業(養護教諭は場面指導)・個人面接・身体検査
提出書類職歴証明書(所定用紙⑥-a)。任命権者(教育委員会等)から勤務証明を受けること。勤務先の校長ではありません。
併願出願できません(特別選考Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ・大学3年生等は併願不可)

「過去に継続2年以上」でも対象になるのが重要です。いったん教職を離れた方も、正規採用で継続して2年以上勤めた経験があり、ほかの受験資格も満たせば一次免除の対象になります。

なお、他県で正規教員をしていて福島県を受け直す場合も、要項には都道府県を限定する記載がありませんが、該当するかどうかは出願前に福島県教育委員会へ確認してください。他自治体への再受験について、私の考えはこちらの動画でお話ししています。

主流ルート③|大学3年生の「前倒し受験」が408人

令和9年度採用でとくに注目すべきなのが大学3年生等特別選考です。志願者は408人(小学校180・中学校115・高等学校73・特別支援学校14・養護教諭26)。全志願者の2割以上がこの区分です。

対象現在大学3年生等(大学・大学院・短期大学・専門学校の最終年次の1年前の年次。科目等履修生は含みません)で、令和10年3月31日までに卒業見込み、かつ受験する校種等・教科の免許状を令和10年3月31日までに取得見込みの方
令和9年度採用でやること令和9年度選考試験の第一次選考試験(出願書類審査・筆答試験・実技試験)を受験。一定の基準を満たすと「選考通過者」になります。
発表他の選考区分の第一次選考試験合格発表日と同日に発表
令和10年度採用でやること令和10年度選考試験に改めて出願し、第一次選考試験が免除された状態で二次から受験(同一の校種等・教科を志願する場合に限る)
注意出願に際して併願及び加点の申請はできません

大学3年生の方へ。選考通過者になれば、令和9年度採用の要項では、令和10年度採用で同一の校種等・教科を改めて出願した場合に二次からの受験になります。通らなくても、第一次選考試験では一般選考と同じ筆答試験・実技試験を受けられます。加点申請ができない点に気をつけて、受けるかどうかは要項を確認して決めてください。

第一次選考試験が免除される3つのルート(要項5(1))

選考区分とは別に、令和8年度採用(令和7年度実施)の受験実績にもとづく一次免除があります。令和8年度選考試験(令和7年度実施)の第一次選考試験を受験し、令和8年度と同一の校種等・教科(科目等)を志願する場合、次のいずれかに該当すれば一次が免除されます。

  • ① 令和8年度採用(令和7年度実施)で、一次に合格(併願の場合は第一志望で合格)して二次を有効に受験し、採用候補者名簿Aに登載されなかった方(採用辞退者を除く)
  • ② 令和8年度採用(令和7年度実施)で、大学3年生等特別選考で受験し「選考通過者」となった方
  • ③ 令和8年度採用(令和7年度実施)で、高等学校・特別支援学校の「特別選考Ⅱ」で受験し、第一次選考試験の免除を通知された方

いずれの場合も、出願する選考区分は「一般選考」とし、志願書作成の際に申し出ます。また、令和9年度採用の要項では、第一次選考試験免除者は筆答試験日(令和8年7月11日)までに、第二次選考試験通知用の返信用封筒を出願書類送付先へ郵送する必要がありました(角形2号・180円切手貼付)。令和10年度採用の手続きは、公開される要項で確認してください。

①は「二次で落ちた人は翌年一次免除」という制度です(併願の場合は、第一志望で一次に合格していることが条件です。二次を有効に受験して名簿登載にならなかった場合で、翌年度に募集のある同一の校種等・教科(科目等)を志願し、所定の手続きを行うときに限ります)。これは受験者にとって非常に大きい。令和9年度採用の受験番号が確認できる書類(受験票・第二次選考試験結果通知など)は必ず保管しておいてください。令和9年度採用の要項にも明記されています。

また、採用候補者名簿Bに登載され、令和8年11月末までに名簿Aへ繰り上がらなかった方も、翌年度の一次が免除されます(翌年度に募集のある同一の校種等・教科(科目等)を志願し、所定の手続きを行う場合に限ります/その翌年度1回限り)。

特別選考Ⅲ・Ⅳ|筆記がない代わりに「実績」で勝負する

この2つは第一次選考試験に筆答試験も実技試験もありません。出願書類審査と個人面接(15分)だけです。そのぶん、受験資格のハードルが高く設定されています。

特別選考Ⅲ(スポーツ・芸術等特別選考)

分野令和9年度採用の募集受験資格(実績)
スポーツ分野高等学校教諭「自転車」国際規模の大会(オリンピック、世界選手権、アジア選手権及びこれらに準じる国際大会)に出場した方/全国規模の大会(国民スポーツ大会、全日本選手権及びこれに準じる全国大会)でベスト8以上/またはこれらの方を指導育成した実績(経験)を有する方
芸術分野高等学校教諭「演劇」国際レベルのコンクール等に日本代表もしくはこれに準じる資格で出場/全国レベルのコンクール等で入賞以上/またはこれらの方を指導育成した実績。学校の教育課程に位置付けられた活動として、演劇のワークショップ等を通じた表現教育やコミュニケーション教育に継続的に取り組み、上記の指導育成の実績を有する方も含みます。

特別選考Ⅳ(社会人経験等特別選考)

教科対象校種受験資格
情報高等学校教諭/特別支援学校教諭高等部①民間企業・官公庁・研究機関等でICT専門職もしくはこれに準じる職種に常勤で継続2年以上、または
②学校・大学・短大・専門学校等の教員として情報分野の指導やICTの活用・普及に常勤で継続2年以上。加えて、情報処理推進機構の「基本情報技術者試験」「情報セキュリティマネジメント試験」「応用情報技術者試験」「高度試験」のいずれかに合格していること。
農業(食品科学)高等学校教諭①民間企業・官公庁・研究機関等での勤務経験が常勤で継続3年以上あり、その経験により農業(食品科学)の専門的知識・経験または技能を有する方、または
②教員として当該分野の指導や普及に常勤で継続3年以上。加えて「食品衛生管理者」の資格が必要。

特別選考Ⅲ・Ⅳとも、高等学校教諭普通免許状を有しない場合でも出願できます。ただし採用内定となった場合は、令和8年度末までに福島県教育委員会により特別免許状の交付を受けなければなりません(特別免許状はその都道府県でのみ効力を有します)。

また、高等学校教諭普通免許状(志願する教科)を持っている方に限り、事前の受験資格審査で特別選考Ⅲ・Ⅳの対象とならなかった場合でも一般選考の第一次選考試験を受験できます(希望する場合は志願書に記入)。この「保険」があるのは親切な設計です。

実績で見る特別選考Ⅲ・Ⅳ

区分令和9年度採用の志願者令和9年度採用の一次合格者名簿登載者(令和6年度採用)名簿登載者(令和7年度採用)
特別選考Ⅲ(スポーツ)1人(令和8年度採用2人)1人1人0人
特別選考Ⅲ(芸術)0人(令和8年度採用1人)—
特別選考Ⅳ(情報)1人(令和8年度採用1人)1人1人2人
特別選考Ⅳ(農業・食品科学)0人(令和8年度採用0人)—

※出典:福島県教育委員会「令和9年度…志願者数【訂正版】」「第一次選考試験合格者受験番号(高等学校)」「名簿登載者実績」。
名簿登載者はスポーツ・芸術/情報・農業を分けずに特別選考Ⅲ・Ⅳ単位で公表されています。

志願者が1〜2人という規模です。要件を満たす方にとっては、狭き門であると同時に、好機になりうる区分でもあります。

民間企業から教員への転職を考えている方には、こちらの動画もおすすめです。

幼稚園の先生から小学校へ|幼稚園等教諭経験者特別選考

意外と知られていないのが、この区分です。幼稚園の先生が、小学校教諭として一次免除で受験できる制度です。

志願先小学校教諭
免許幼稚園教諭普通免許状を有する方
経験幼稚園等(幼保連携型認定こども園を含む)に正規の教諭(主幹保育教諭・指導保育教諭・保育教諭を含む。養護教諭・栄養教諭等は含まない)として現職にあり、令和8年4月1日現在継続3年以上。または過去に継続3年以上。
一次受験を免除
二次出願書類審査・模擬授業・個人面接・身体検査
提出書類職歴証明書(所定用紙⑥-c)。任命権者(教育委員会等)から勤務証明を受ける。
小学校免許がない場合合格後、所定の手続きにより最大3年間、採用候補者名簿への登載を猶予。猶予期間内に小学校教諭普通免許状を取得し、取得した翌年度に福島県公立小学校の新規採用教員になることが条件。

小学校免許を持っていなくても受験できて、合格してから3年かけて免許を取ればいい。幼稚園・こども園で3年以上正規で働いてこられた方には、本当に大きなチャンスです。周りに該当しそうな方がいたら、ぜひ教えてあげてください!

地域採用枠と特別支援学級枠|「勤務地を決めて出す」という選択

地域採用枠(奥会津/相双)

小学校教諭・中学校教諭・高等学校教諭・養護教諭の一般選考、特別選考Ⅰ、特別選考Ⅱ、大学推薦特別選考で設定されている枠です。志願書に記入して申し出ることで、どちらか1つを希望できます。

枠小・中・養護の勤務地区高等学校の配置校
奥会津(中山間地域を含む)採用枠南会津西部【南会津町(舘岩・南郷・伊南)、只見町、檜枝岐村】/両沼西部【三島町、金山町、昭和村】川口高等学校、南会津高等学校、只見高等学校、猪苗代高等学校、西会津高等学校
相双採用枠相馬【新地町、相馬市、南相馬市、飯舘村】/双葉【浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、富岡町、川内村、楢葉町、広野町】ふたば未来学園高等学校、相馬高等学校、相馬総合高等学校、原町高等学校、相馬農業高等学校、小高産業技術高等学校

採用後は、同地区に10年程度勤務することになります。募集教科は各選考区分と同じですが、奥会津採用枠では工業・水産、相双採用枠では水産が除かれます。

試験内容は一般選考等と同じです。そして要項には、受験者にとって重要な2つの「保険」が明記されています。

  • 第一次選考試験を地域採用枠で受験して二次の受験対象者とならない場合でも、一定の基準を満たせば、一般選考・特別選考Ⅱ・大学推薦特別選考の二次受験対象者になります
  • 第二次選考試験で地域採用枠の採用候補者とならない場合でも、一定の基準を満たせば名簿登載者になります

つまり「地域採用枠で出したせいで落ちる」ことを防ぐ仕組みがあるということです(ただし「一定の基準」の中身は要項に書かれていません)。10年程度その地区に勤務することを受け入れられるなら、検討する価値は十分にあります。

特別支援学級枠(小学校教諭)

小学校教諭の一般選考・特別選考Ⅰ・特別選考Ⅱ・大学推薦特別選考に設定されている枠です。小学校普通免許状に加えて特別支援学校教諭普通免許状を取得している(または取得見込みの)方が、志願書に記入して希望できます。地域採用枠との併願はできません。

採用後は小学校において特別支援学級または通級指導教室を担当し、校内の特別支援教育を推進する役割を担います(原則として初任者研修を終えた後)。異動は、特別支援学級または通級指導教室を有する学校間が基本になります。

こちらも地域採用枠と同じく、枠での選考にならなくても、一定の基準を満たせば一般選考等の二次受験対象者・名簿登載者になれると要項に明記されています。

加点制度|最大の武器は「持っている免許状」

福島県には9種類の加点要件があります。志願書に記入し、必要書類を提出することで第一次選考試験の得点に加点されます。

ただし、第一次選考試験がすべて免除となる選考区分に出願する方は加点申請ができません(特別選考Ⅰ・幼稚園等教諭経験者特別選考)。また大学3年生等特別選考も加点申請不可です。

№加点要件加点必要書類
①実用英語技能検定2級以上/TOEFL iBT 42点以上/TOEIC L&Rスコア(1倍)+TOEIC S&Wスコア(2.5倍)の合算1150以上のいずれか6点資格を証明する書類の写し(取得期日は問わない)
②実用英語技能検定準1級以上/TOEFL iBT 72点以上/同合算1560以上のいずれか ※「英語」を志願する方に限る12点
③実用英語技能検定1級/TOEFL iBT 95点以上/同合算1845以上のいずれか ※「英語」を志願する方に限る12点
④出願時に、受験する教科の普通免許状以外に高等学校教諭の「情報」の普通免許状を有する方(「情報」受験者を除く)6点有効な免許状の写し、または教員免許状取得見込証明書の原本
⑤出願時に、中学校教諭・特別支援学校教諭・幼稚園教諭の普通免許状のうち1つ以上を有する、または取得見込みの方6点
⑥出願時に、受験する教科以外の教科における中学校教諭・小学校教諭・特別支援学校教諭の普通免許状のうち1つ以上を有する、または取得見込みの方(中学校の教科は募集教科に限る)6点
⑦出願時に、幼稚園教諭の普通免許状を有する、または取得見込みの方6点
⑧出願時に、受験する教科の普通免許状以外に小学校教諭の普通免許状を有する、または取得見込みの方6点
⑨司書教諭の資格を有する方(取得見込みは不可) ※小・中・高・特別支援学校の各部が対象(養護教諭は対象外)6点司書教諭講習修了証書の写し

※出典:令和9年度福島県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項「5(5)加点制度」。
加点要件ごとに対象となる校種が決まっています。要項の表では、①=小学校・特別支援学校小学部/②=中学校・特別支援学校中学部(いずれも「英語」を志願する方に限る)/③=高等学校・特別支援学校高等部(いずれも「英語」を志願する方に限る)/④=高等学校・特別支援学校高等部/⑤=小学校/⑥=中学校/⑦=特別支援学校小学部/⑧=特別支援学校中学部・高等部/⑨=小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の小学部・中学部・高等部すべて、が対象です。対象校種以外で受験する場合は加点されません。

注目してほしいのは⑨の司書教諭です。小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の各部が対象で6点です(養護教諭は対象に含まれません)。しかも「取得見込みは不可」(令和9年度採用の要項)なので、令和10年度採用を受験する場合は出願時までに司書教諭講習を修了しておく必要があると考えられます。令和10年度採用の要項で確認してください。大学在学中の方は、時間割に組み込めないか確認してみてください!

加点申請の重要な注意(要項5(5)ウ)

  • 該当免許状の取得ができないことが分かった時点で、速やかに報告すること
  • 加点申請をした方が免許状を複数取得できなかった場合、名簿登載された後でも名簿から削除される場合があります

「取得見込み」で加点を取る場合は、本当に取れるのかを大学に確認してから申請してください。合格後の取り消しはあまりに惜しいです。

併願出願|3つの組み合わせ

福島県には、受験のチャンスを広げる併願出願があります。特別選考Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ及び大学3年生等特別選考で出願する方は併願できません。また、第一志望・第二志望の両方の受験資格を持っていることが条件です。

組み合わせ対象一次でやること
ア 中学校⇔高等学校対象教科(国語・数学・英語)で同一教科を受験する場合のみ第一志望の校種・教科で受験。第一志望で二次の対象にならない場合、第二志望で再度選考されることがある。
イ 中学校出願者による小学校併願小学校の普通免許状を有する(取得見込みを含む)方第一志望の中学校・教科に加えて、小学校の教科試験(国語・算数 各20分/計40点)を受験。中学校・小学校それぞれで合否判定。
ウ 教科「情報」併願高等学校・特別支援学校高等部出願者で、教科「情報」の普通免許状を有する(取得見込みを含む)方第一志望に加えて教科「情報」の教科試験(100分)を受験。第一志望で二次の対象にならない場合、「情報」で再度選考されることがある。

令和9年度採用では、併願者は合計91人(小学校33・中学校22・高等学校35・特別支援学校1)でした。中学校数学(14人)・高校数学(16人)・高校英語(9人)あたりで多く使われています。

「イ 中学校出願者による小学校併願」は、中学校が不合格でも小学校で合格すれば小学校教諭の名簿登載者になれる仕組みです。第一次選考試験で両方合格した場合は、二次を中学校・小学校それぞれで受験することになります。

ルート別まとめ|あなたはどれで出すか

あなたの状況選ぶ区分一次の負担
正規教員として2年以上の経験がある(他県の経験が対象になるかは要確認)特別選考Ⅰゼロ(全部免除)
幼稚園・こども園の正規教諭を3年以上、小学校を目指す幼稚園等教諭経験者特別選考ゼロ(全部免除)
令和9年度採用(令和8年度実施)で一次に合格(併願の場合は第一志望で合格)して二次を有効に受験し、名簿に登載されなかった(採用辞退者を除く。令和10年度採用で募集のある、同一の校種等・教科(科目等)を志願)令和10年度採用の要項で手続きを確認(所定の手続きを行う)ゼロ(全部免除)
令和9年度採用(令和8年度実施)で大学3年生等で「選考通過者」になった(令和10年度採用で同一の校種等・教科(科目等)を志願)令和10年度採用の要項で手続きを確認(改めて出願)ゼロ(全部免除)
講師経験が直近10年で通算15ヶ月以上ある特別選考Ⅱ教科試験+実技(教職教養が免除)
大学から推薦を受けられる大学推薦特別選考教科試験+実技(教職教養が免除)
高校「自転車」「演劇」で全国・国際レベルの実績がある特別選考Ⅲ個人面接15分のみ
ICT専門職2年以上+情報処理技術者試験合格/食品分野3年以上+食品衛生管理者特別選考Ⅳ個人面接15分のみ
大学3年生等(最終年次の1年前)大学3年生等特別選考令和9年度採用で一次を受験→「選考通過者」になれば、令和10年度採用で同一の校種等・教科を改めて出願したときに一次免除
上記に当てはまらない一般選考教科試験+教職教養+実技

この表を見ていただくと分かるとおり、福島県は「一次を免除する」制度がとても厚い県です。裏を返せば、二次の比重が大きい県と考えられます。模擬授業と個人面接に、思い切って時間を振り分けてください!

40代・50代からの受験や、社会人からの転職を考えている方には、こちらの動画もどうぞ。

よくある質問

Q. 特別選考で受けると、二次で不利になりませんか?

A. 要項上、二次の内容・評定方法はすべての選考区分で同じです(出願書類審査・模擬授業〈養護教諭は場面指導〉・個人面接・身体検査、A〜Eの5段階評定)。不利になる規定は書かれていません。ただし、一次が免除されている方は筆記で自分の位置を測る機会がないぶん、二次の準備を早く始めることをおすすめします。

Q. 講師経験は他県のものでも数えられますか?

A. 特別選考Ⅱの受験資格には都道府県を限定する記載は見当たりません(「小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校及び特別支援学校において」とのみ規定)。他県での勤務経験を数えられるかどうかは、出願前に福島県教育委員会の教員採用担当へ確認してください。一方で、次年度の一次免除(要項12(2))は「福島県内の公立学校および県内の国立大学法人附属学校」での勤務60ヶ月以上と限定されています。また、この次年度の一次免除は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の特別選考Ⅱが対象で、要項の対象校種に養護教諭は挙げられていません。この2つは条件が違うので混同しないでください。

Q. 実習助手や学習支援員の経験は数えられますか?

A. いいえ。特別選考Ⅱで「教職経験」として通算できる職種は教諭、常勤講師、養護助教諭、非常勤講師とされており、実習助手・学習支援員等は含まないと要項に明記されています。

Q. 加点は何点まで重ねられますか?

A. 上限についての規定は要項に書かれていません。加点要件は「次のアの①〜⑨に該当する者で加点を希望する者は」と書かれていますが、複数を重ねて申請できるかは要項に明記されていません。重ねて申請したい場合は、出願前に福島県教育委員会へ確認してください。ただし要件ごとに対象校種が決まっているので、ご自身の受験校種で何点になるかは要項の表で確認してください。

Q. 大学院に進学する予定です。合格を保留できますか?

A. できます。二次に合格した方で、国内の大学院・教職大学院前期(修士)課程に進学予定または在籍中の方は、所定の手続きにより最大2年間、採用候補者名簿への登載を猶予できます。条件は、猶予期間終了後に福島県公立学校の新規採用教員になること、および猶予期間内に合格した校種等・教科の専修免許状を取得することです。出願時に「名簿登載猶予願い」(所定用紙⑪)の提出が必要で、提出がないと大学院に合格しても猶予は受けられません。

Q. 障がいのある人向けの特別選考はありますか?

A. 福島県には障がいのある方に限定した特別選考区分はありませんが、すべての選考区分において合理的配慮の提供を申請できます。「身体障害者手帳」等を所有し、問題や解答用紙の拡大、手話通訳者の配置などの配慮を必要とする方は、志願書と「障がいのある志願者への合理的配慮の提供に関する申請書」(所定用紙③)に記入し、手帳等の写しを添えて出願してください。障がいの状態やこれまで受けてきた支援の内容を勘案して、個別に決定されます。

Q. 日本国籍がなくても受験できますか?

A. 受験できます。ただし要項の注記に、日本国籍を有しない方が名簿登載された場合は「任用の期限を付さない講師(常勤)」に任用されると明記されています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は要項で分かりますが、「特別選考で受けたら二次はどうだったか」「一次免除だと当日どう案内されるのか」は、受験された方にしか分かりません。福島県については、令和8年10月時点で、このブログに受験報告が1件も届いていません。

1行でも構いません。次に受験する方のために、ぜひ教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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