こんにちは、金井志津乃です!

面接練習はたくさんしているんです。話す内容も準備しました。でも「もう少し伝わるといいですね」と言われるばかりで、何をどう直せばいいのか分からなくて…。

そういう方に、いちばん最初にお伝えしたいことがあります。実はスッと合格していく人の共通点は「話し方」より先に「聞き方」にあります。ここはほとんど誰も言わない、大きな盲点なんです。
この記事では、教員採用試験の面接での話し方と聞き方を、私がこれまで動画やスクールでお伝えしてきた内容そのままにまとめました。扱うのは4つ。①面接官の心を掴む「聞き方」3つのポイント、②入室から退室までの所作、③好印象の5つのテクニック、④「面接が苦手」な人の3タイプ別の直し方です。
話す内容の作り方ではなく、同じ内容を話しても伝わり方が変わる部分だけを集めています。だからこそ、いま話す内容が固まっていない方でも、今日から始められます。
この記事の根拠
- 私が面接の聞き方・所作・話し方・苦手克服について解説した動画7本の内容を、名称と順番をそのままに記事化
- スクールの朝練(早朝の面接練習会)で実際に行った指導を、匿名で3例
- 当ブログに届いた個人面接の受験報告121件(50自治体)から、面接官の人数と所要時間の相場を横断集計
- 執筆・監修:金井志津乃(教員採用試験対策スクール「教員の学校」代表)
- 内容は準備したのに、面接練習で「伝わりにくい」と言われる
- 面接官の反応が硬い気がする/手応えがないまま終わる
- 入退室のマナーが本当にこれで合っているのか不安
- そもそも「話すこと」が昔から苦手で、面接になると言葉が出てこない
ひとつでも当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。まずは、いちばんの盲点である「聞き方」の動画からどうぞ。
合格者の共通点は「話し方」ではなく「聞き方」だった
面接の合格者の共通点というと、たいていは「こういう内容を話せている」「こういう話し方をしている」という話になりますよね。でも私は、指導をする中で別の共通点に気づきました。
特に難関をパッと合格する方や、新卒でスッと合格してしまう方に共通していたのは——面接中の「聞き方」です。話し方や話す内容、その人がまとっている雰囲気にまで、この聞き方がかなり大きく影響していました。
聞き方がいい人は、無意識のうちに面接官に良い第一印象を与えてしまっています。すると面接官の側にも先入観が生まれて、「この人はいい人だな」という前提で話を聞いてくれる。同じ言葉を話していても、聞き方がいい人のほうを採用したいと思ってしまうんですね。
面接官は、あなたと一緒に働いたときの雰囲気を「疑似体験」しています
面接官は校長先生だったり、指導主事だったり、保護者の立場の方だったり、民間企業の方だったりします。その方たちにとって、目の前のあなたはこれから部下になり得る人なんです。
自分が上司の立場だとして、「これ、やってくれてる?」と声をかけたときに「あ、はい」と返ってくるのか、パッと好意的な目で、微笑みながら会話してくれるのか。それだけで印象は全然違いますよね。面接官は無意識に、その疑似体験をしています。
ここは本当に微差です。でも、その微差がすごい大差になってくるところなんですね。
面接官の心を掴む「聞き方」3つのポイント
では、面接において聞き方はどこに差が出ているのか。3つのポイントに絞ってお伝えします。
| ポイント | いつ・どうする | 面接官が受け取るもの |
|---|---|---|
| ① 頷く | 面接官が質問を話している最中。共感するところは少し大きめに、要所で | 「ちゃんと聞いてくれている」という安心感 |
| ② 返事 | 質問を投げかけられた直後に「はい」 | 「質問を受け取りました」という合図・一緒に働きやすそうな感じ |
| ③ 微笑む | 話を聞いている間ずっと。敬意や好意を示す眼差しで | 「もっと話してもいいんだ」という受け入れられている感覚 |
① 頷く|個人面接でも頷くポイントはあります
「個人面接で、受験者が頷くポイントなんてある?」と思われた方。もしかしたら、ここでかなり損をしているかもしれません。面接で頷くポイントはあります。それは面接官が質問を言ってくれているときです。
たとえば「今こういったことが課題視されていると思いますが、あなたはこの問題に関してどのように考えますか?」と聞かれるとします。多くの方は、ここをじっと固まったまま聞いています。でも印象のいい方は、「今こういったことが課題視されています」のあたりで一度うなずき、「あなたはどう考えますか?」の終わりのあたりでもう一度うなずいているんですね。
コツは要所で頷くこと。「うんうんうん」と細かく頷きすぎると、逆に「本当に聞いているのかな」と思われてしまいます。「そうだよね」「共感するな」と思うところは少し大きめに、あとは面接官の話の要所で、というくらいがちょうどいいです。
② 返事|「はい」の質で、印象はここまで変わる
「あなたはどう考えますか?」と言われたときに、合格していく方は「はい」という返事がすごくいいんです。逆に、返事がない方、あるいは返事はしていても消え入りそうな方もいます。
どちらのほうが一緒に働いていて楽しそうだと思うか。どちらのほうが一緒に働きたいと思うか。そう考えたときに、返事がいいに越したことはないですよね。「この人、自分の話をちゃんと聞いてくれそうだな」「コミュニケーションを心地よく取れそうだな」と感じてもらえます。
この「はい」は、今の質問を受け取りましたよという合図でもあります。頷きながら聞いて、質問が終わったところで「はい」。この流れができるだけで、会話としてきれいにつながります。
③ 微笑む|尊敬する大先輩の話を聞いていると思って
3つ目が微笑むこと。面接官が話しているときに、ただ頷くのではなく、面接官に対して敬意や好意を示すような眼差しで聞くということです。
イメージしやすい方法があります。目の前の面接官が、あなたが本当に尊敬している大先輩だと思ってみてください。その大先輩がありがたい話をしてくれている。ありがたいことに、私に質問を投げかけてきてくれている。そう思って聞くと、口を閉じたままでも自然と微笑みになります。
返事・頷き・微笑みは、相手に「自分の話を聞いてもらえている」「もっと話してもいいのかな」という安心感を与えます。逆に、微笑みもなく、頷きもなく、返事もなかったら——話している側は「私、あんまり話さないほうがいいのかな」と、もやもやしたり不安になったりしますよね。

じゃあ、面接の直前に練習すればいいですか?

それが、この3つのいちばん大事なところなんです。直前に練習してぎこちなくやる人より、普段からナチュラルにやっている人のほうが、印象がいいに決まっています。だから今日から始めてほしいんですね。
普段の会話で頷きを自然に入れていないと、加減が分かりません。どのくらいの頻度で頷けばいいのか、自分はちゃんと微笑んで話を聞けているのか。相手が「この人にもっと話したいな」と思うような表情になっているのか。それは普段やっていないと分からないんです。
目指すのは、面接中に頭で考えなくても、やろうと思わなくてもナチュラルにやってしまっているレベルです。子どもたち、同僚の先生、管理職の先生、ご家族——普段の会話で「うん」と頷きを入れてあげるだけで、相手は「この人、聞いてくれている」という安心感を持ちます。そこから始めてください。
朝練の現場から|「テンポに乗る」練習のしかた
スクールでは早朝に「朝練」という面接練習の時間を設けています。そこで実際にお伝えしている指導を、3つだけ匿名でご紹介します。聞き方をどう体に落とし込むか、という話です。
実例1|面接官のテンポに合わせる(ペーシング)
「面接官のテンポに合わせるにはどうすればいいですか」という質問をいただいたことがあります。答えは、面接官の質問に対して最初からペーシングすることから始まります。
「あなたが教員を志望した理由を教えてください」と面接官が話しているとき、ぼーっと聞かない。面接官の話すペースに合わせて、要点を押さえて、うなずきを入れていく。すると、そのリズム感の中で自然に「はい」と言えるんです。
大縄跳びと同じです。
自分が跳ぶ前から縄のテンポをちゃんと感じているから、スッと入れるわけですよね。テンポを感じずに入ろうとすると、難しい。面接も同じで、聞いているときからテンポを合わせておくんです。
逆に、面接官の言葉をぼーっと聞いていると、そのリズムに乗れません。「教えてください」に食い気味でかぶせてしまったり、逆に妙な間ができてしまったりします。返答の間合いが悪いと感じている方は、実は返答ではなく「聞いているとき」に原因があることが多いです。
実例2|「聞いているときの自分の顔」を自分で見る
これはある受験生の方に、練習中にそのままお伝えしたことです。「今こうやって話を聞いているときの、自分の顔を見てください」と。オンラインの面接練習なら、自分の画面が映っていますよね。そこで、自分が今どんな表情で人の話を聞いているかを自己認知するんです。
相手が話してくれているときに、ちょっと微笑みながら聞いてくれる人だと安心します。逆に無表情だと「怒っているのかな」「自分の話、つまらないのかな」と思ってしまう。真剣に考えているときはそのほうがいい場面もありますが、基本は微笑みを意識する。これは子どもたちの話を聞くときにも、そのまま生きます。
もうひとつ、この方にお伝えしたのがモデリングです。面接練習をしていると、本当に感じのいい方がいます。「あの人みたいにできているかな」と自分を照らし合わせてみる。面接練習のときだけ意識するのではなく、日常生活の中で「この先生みたいな聞き方・話し方をしてくれたら子どもたちも嬉しいだろうな」と思える人をまねるほうが、ずっと早く身につきます。
「はつらつとした感じ」を意識的に出そうとすると、強すぎて不自然になります。いちばんいいのはナチュラルに「この人、感じがいいな」と思えること。ナチュラルとは自然体、自然体とはいつもやっているということ。結局ここに戻ってきます。
実例3|キーワードは、2文目以降でもう一度使う
これは話し方のほうの指導です。ある方が「子どもに一番伝えたいこと」を語る練習で、ご自身のキーワードを一文目にきれいに置くことができていました。ただ、その後の説明が長くなるにつれて、肝心のキーワードが一度しか出てこない状態になっていたんですね。
そこでお伝えしたのが、2文目以降の説明の中で、そのキーワードをもう一度使うということ。「〜であることによって、皆さんの経験が皆さんの人生における◯◯にもなり」というふうに、言いたい言葉を再度使う。それだけで、聞き手にはぐっと伝わりやすくなります。
面接官は先の見通しが分からないまま、耳だけで聞いています。だから、いちばん覚えて帰ってほしい言葉は、一度置いて終わりにしない。ここは今日からでも直せるポイントです。
第一印象は入室から|入退室の所作を実演で確認する
面接直前になって「入室のときってどうするんだっけ」と焦って調べたり、友達や先生に聞いたりすること、よくありますよね。そんな不要な悩みを抱えなくてすむように、入退室のマナーを実演した動画を作りました。
第一印象は、その人が話している内容の説得力にも差が出るということが、最近の研究ではよく言われています。良い第一印象を与えられれば、その後の面接もスムーズになりますし、面接官に「やっぱりこの人は有能だな」と感じてもらうことにもつながってきます。
| 場面 | すること・気をつけること |
|---|---|
| 入室 | 「失礼します」と言って入る。ここで声のボリューム・姿勢・表情の第一印象が決まる |
| 名乗る | 受験番号と氏名を伝え、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と続ける |
| 着席〜面接中 | 質問は頷きながら聞き、「はい」と受け取ってから答える(前章の3つがここで効きます) |
| 終了の合図 | 「これで面接を終わります」と言われたら「本日はありがとうございました」 |
| 退室 | 「では退席してください」で立ち上がり、あらためて「ありがとうございました」と伝えて出る |
動画の中では、身だしなみについても2つお伝えしました。
- 髪型——お辞儀のたびに髪を直さないといけない髪型は避ける。面接中に髪の毛を触るのは印象がよくありません。あらかじめ留めておく
- 靴——脱げやすい、高すぎて歩きにくい靴は避ける。歩きにくいと姿勢や歩き方まで崩れてしまいます
入室したときの声のボリューム・姿勢・表情は、自分ではなかなか分かりません。動画に撮ったり、友達や先生に見てもらったりしながら練習してみてください。
参考|受験報告から見た「面接官の人数・所要時間」の相場
「何人を相手に、どれくらいの時間、この所作を保てばいいのか」を知っておくと、練習の設計がしやすくなります。当ブログに届いた個人面接の受験報告のうち、形式のメモがあった121件(50自治体)を横断して数えました。
| 項目 | いちばん多い | 報告の内訳 |
|---|---|---|
| 面接官の人数 (記載54件) | 3人(33件) | 3人33件/2人15件/4人4件/1人1件/5人1件。2〜3人で全体の約9割 |
| 所要時間 (記載43件) | 20分前後(中央値20分) | 15分10件/20分9件/30分8件/25分7件/10分5件/40分2件/35分・50分が各1件。15〜25分が約6割 |
これは自治体の公表値ではなく、受験された方から届いた報告の集計です。あくまで相場としてご覧ください。ざっくり言えば「2〜3人を前に、15〜25分」。この時間ずっと、頷き・返事・微笑みを保てるかどうかが問われます。だからこそ、意識しないとできないレベルでは足りないんですね。
お住まいの自治体の面接がどんな進み方なのかは、実際に受けた方の報告がいちばん参考になります。自治体別の実録はこちらからどうぞ。
面接で好印象を与える5つのテクニック
ここからは話し方です。面接における第一印象は、私たちが考えている以上に大事なもの。というのも、同じ内容を話していても「この人はいいことを言っているな」と思うか「取るに足らないことを言っているな」と思うかは、印象で決めていることが結構多いんですね。
面接の練習には大きく2つあります。喋る内容を深めることと、喋る練習をすること。ここでお伝えする5つは、短時間でもできる後者のほうです。
| テクニック | ひとことで言うと |
|---|---|
| ① 緊張感を味方につける | 緊張はむしろ好印象。慣れた感じのほうが心配されます |
| ② 話すときの視点 | 視線を外したくなったら、上や下ではなく別の面接官へ |
| ③ 質問を聞く姿勢 | 質問者の目を見て、要所で頷く |
| ④ 自信を持って言い切る | 「正しい」ではなく「今の私はこう考えています」と言い切る |
| ⑤ 分かりやすい話し方 | 結論 → 理由の順番で話す |
① 緊張感を味方につける
緊張と聞くと、私たちはネガティブな印象を持ちがちです。でも実は、緊張はしたほうがいいんです。緊張は、むしろ面接官にとって好印象なんですね。
プロポーズをされるときに、相手がすごく慣れている感じだったら、なんだか嬉しくないじゃないですか。でも相手がすごく緊張していることが伝わってくると、こっちも緊張するし、その緊張感が「自分のことを大事に考えてくれている」証拠のように感じられて、より嬉しくなりますよね。
面接官にとっても、受験者が緊張しているほうがデフォルト・当たり前です。むしろ慣れた感じで来られるほうが「なんだか舐めているのかな」「そこまで受かりたいと思っていないのかな」と感じてしまうと思います。緊張しているから落ちるのではありません。ここは安心してください。
② 話すときの視点
「話すときにどこを見ればいいか分からない」という声を、生徒さんからよく聞きます。面接官が2〜3人いて、そのうちの1人が質問してくれる。私たちはその人を見て答えるわけですが、途中で考えたくなったり、詰まったりすることもありますよね。
私が生徒たちにアドバイスしていたのは、その面接官を見て話していて視線を外したいなと思ったら、別の面接官に目を向けて話してみてということです。
というのも、上を見るといかにも「考えている」感じがするし、下を見て話すとなんだか自信がない感じがする。でも他の面接官に目を向ければ、目配せをしながら話しているように見えるんですね。模擬授業でいえば、他の児童生徒にもしっかり目を行き渡らせて話しているような雰囲気を、面接で出せるということです。
③ 質問を聞く姿勢
3つ目が、面接官の質問を聞くときの姿勢です。質問者の目をしっかり見て頷くということが大切です。ここで注意したいのが、やはり要所だけで頷くということ。
面接官が質問してくれているところを要所要所で頷きながら聞いて、「はい、私は」と答え始める。それだけで落ち着いた感じになりますよね。この記事の前半でお伝えした「聞き方」3つのポイントと、まったく同じ話です。私が2020年からずっと同じことを言い続けているのは、それだけ差が出るところだからです。
④ 自信を持って言い切る
「自信を持って言い切る」というと、自分の意見が正しいんだと言い切ることだと勘違いされる方がいらっしゃるかもしれません。それはむしろNGです。
自分の考え方が正しいかどうかは、実際に教育現場でやってみないと分かりません。しかも現場に出ても、「これ」というたった一つの正解はないんですね。児童生徒と教師の相性によっても違うし、その時の状況によっては同じ子に対しても話し方を変えなければいけない。臨機応変に対応を変えないといけないこともあります。
だから、「私の考え方は正しい」という自信ではなく——
「いろんな考え方があって、それを自分の中でいろいろ考えてみたのですが、今の私はこのように考えています」と、自信を持って言い切る。これが④の意味です。
ここに関連して、面接官に悪い印象を与えやすいポイントも3つお伝えしておきます。別の動画でお話ししたものです。
| やってしまいがちなこと | どう変えるか |
|---|---|
| ① ツッコミ質問に喧嘩腰・ムキになる | 深掘りは「理解したい」からの質問です。受け取って、落ち着いて答える |
| ② 「自分はこんなことができます」という傲慢なオーラ | 「こういうことに努めてきました」という表現に変える |
| ③ 自分の教育観を押しつけそうに見える | 「教師たるもの、こうあるべき」ではなく「私はこうありたいと考えています」と、主語を「私」にする |
主語を「教師は」から「私は」に変えるだけで、印象がちょっと丸っとなります。ここは今日から直せます。
⑤ 分かりやすい話し方
喋り始めて「この人、これから何を言いたいんだろう」ともやもやする話し方は、実は第一印象がすごく良くありません。逆に「この人の話、すっと入ってくるな」という話し方があります。それが結論から理由という順番で話すことです。
面接官「もし生徒に、先生を呼び捨てで呼ばれたら、あなたはどのように答えますか?」
受験者「はい。私は『◯◯先生と呼びなさい』と答えます。なぜそのように答えるかの理由は2つあります。◯◯と、◯◯です」
この「理由は2つあります」は、すごく聞きやすい話し方です。ちなみに私が2つにしているのは、3つにすると3つ目を忘れちゃうから(笑)。なにせ緊張していますから、「3つあります」と言っておいて忘れることは、私自身よくあるんです。でも2つなら、緊張していても何とか覚えていられる数なんですね。
もちろん、2つか3つかで印象が決まるわけではありません。結論と理由に一貫性があって納得できれば、2つでも3つでも構いません。自分が話していて自然に、ちゃんと論理的に喋れる数——「2つ」くらいがちょうどいいのではないかな、というのが私の経験則です。
補足|一文目に結論、そして「難しい言葉」はいらない
この⑤について、後年に短い動画でも改めてお話ししました。内容としては同じことを言っていても、どんなふうに話すか・どんな構成で話すかによって、伝わり方が全然違います。
- 「きっかけは?」→「はい、きっかけは〜です」
- 「なぜそう思ったんですか?」→「はい、〜だからです」
- 「あなたはどう考えますか?」→「はい、〜だと考えます」
聞かれたことに対して、とにかく一文目で結論をバシッと言う。これができるかどうかで面接官の印象は大きく変わります。「この人、仕事ができる人やな」という印象を与えるんですね。同じ内容を話しているにもかかわらず、まるで全然違うことを話しているように聞こえます。
もうひとつ、「あんまり賢いことが言えなくて」と悩む方に、いつもお伝えしていることがあります。そんなに賢くて難しい言葉なんて、面接で使わないでください。誰にでも分かるような言葉を使って説明できるほうが、むしろいいんです。
難しい言葉や横文字を並べると、面接官は「相手の水準に合わせて話すことがこの人には難しいんだな。おそらく授業でも子どもたちを置いてけぼりにするだろう」と予測します。難しいことは全然使わなくていい。分かりやすいことが、そのまま評価なんです。
「面接が苦手」は3タイプに分かれます
ここまで所作と話し方の話をしてきましたが、「そもそも自分は話すこと自体が苦手なんです」という方もいらっしゃると思います。私自身がまさにそうでした。
もともと話すことは結構苦手で、話し方もめちゃめちゃ遅かったですし、使っている言葉についても、親戚や友達から自信を失うような言葉をずいぶんかけられてきました。高校受験のときの面接では全然喋れなくて、父親に「こんなに喋れないとは思わなかったわ」と失望されたくらいです。絶望のスタートでした。
大前提|「苦手」というセルフイメージを固定しない
タイプ別の話の前に、大前提をひとつ。私がやっていたのは、「面接苦手だな」と自分が自分に思わないように、できる限りしていたということです。「まあでも、面接を受けないとダメなんだから、これからちょっと頑張って練習しよう」「練習すれば話せるようになるだろう」と思っていました。
「自分は話すことが苦手なんだ」と思ってしまうと、そのセルフイメージが拭えなくて、なかなか変化しにくくなります。だから「練習したら誰でもできる」と思ってください。まずはそこのマインドセットが結構重要です。
そして、人からそうやって自信を失わされるようなことを言われても、基本的に無視する・スルーする。そういう技術も必要かなと思います。
その上で、話せない理由を3つのパターンに分けました。「あ、もしかしたら私はこのタイプかも」と、ご自分に置き換えながら読んでみてください。
| タイプ | 話せない理由 | 対処法 |
|---|---|---|
| ① 考えを整理するのに時間がかかるタイプ | 全体像を把握した上で自分のスタンスを決めたい。自分でも納得できる形で答えたいので、考える時間が要る。突発的な質問に弱い | 早いうちから面接質問に一通り目を通し、時間をかけて自分なりに考えておく |
| ② 直感優位タイプ | 深く考えるより直感でパーンと喋る。自分が起こした行動に理由がないことが多く、「なぜそうしたのですか」と追及されると詰まる | 言語化が得意な友人・家族に話して、まとめてもらう。他の人のまとまった言葉を自分に吸収する |
| ③ 様々な思いを交錯させてしまうタイプ | 気を使いすぎる人に多い。「この人はこう感じるかな」といろんな視点で考えすぎて、言葉を選ぶのに時間がかかる | いろんな立場・考え方をあらかじめ想定した上で、優先順位をつけてピックアップしておく |
① 考えを整理するのに時間がかかるタイプ
3パターンのうち、私自身はこの①番のタイプです。なぜ整理までに時間がかかるかというと、全体像を把握した上で自分のスタンスを決めたいと思っているからなんですね。
「これについてどう思う?」とパンと聞かれたときに、「ちょっと待って」となる。それに対して私はこう思う、という答えを言うときに、自分の中でも納得できるように言いたいので、だから考える時間が必要なんです。当然、突発的な質問には結構弱いタイプです。
このタイプに必要な対策は早いうちから面接質問に一通り目を通して、自分なりに時間をかけて考えること。私自身も、とにかく考えを整理する時間をたくさん取りました。
「この質問にどう答えたらいいか、自分の中であまり固まっていないな」と思うと、自信をなくしたり「これ聞かれたらどうしよう」と思ったりしがちです。だから早いうちにさらっと質問を見渡して、「このテーマはまだ浅いな」「これを聞かれたら困るな」というところを先に整理しておく。整理した言葉で話せるようにしておけば、このタイプの方は大丈夫です。
② 直感優位タイプ
①とは真逆で、あまり物事を深く考えるより直感的にパーンと喋ってしまう方です。特徴は、自分が起こした行動に理由がないというパターンが多いこと。「なんでそれしたの?」と聞いたら「え? したかったからしたんやけど」「それをしたいことに理由っている?」という感じの方です。
まとまった言葉をサーッと言えるので、話しぶりは割と爽快です。でも面接で「ではなぜあなたはこのときこうしたのですか」と追及されると、「それに理由っている?」というところで詰まってしまう。自分は考えを深められていないな、面接が苦手だなというイメージを持ちやすい方です。
このタイプの対処法は、言語化するのが得意な友人や家族に自分の考えを話して、まとめてもらうこと。「あなたはこのときこう感じたから、こうしたんだよね」とまとめてもらうと、「それそれ!」と、自分でも気づいていなかった自分に気づけることがあります。
私の身近にもこのタイプの人がいて、「なんでそうしたの?」と聞いても「分からん」と言うんです。でも話を聞いていくと、「じゃあ、このときのこのきっかけがあったから、多分ここからこう感じ始めていたんだよね。その後もこういう経験を経て、今の考えに至るんじゃないの?」とまとめられる。すると「そう、それが言いたかった」となるんですね。自分の考えを人に話しながら、他の人のまとまった言葉を吸収していくのが近道です。
③ 様々な思いを交錯させてしまうタイプ
3つ目は、気を使いすぎる方に多いタイプです。「自分のこの発言で、この人はこう感じるかな」「こういう人はこう思ってしまうだろうな」「でもこういう人はこう感じるだろうな」と、いろんな思いを交錯させてしまう。いろんな視点で考えすぎるがゆえに、言葉を選ぶのにかなり時間がかかるんですね。
このタイプの対処法として重要なのは、あらかじめいろんな立場や考え方を想定した上で、優先順位をつけることです。言いたくなる要素や言葉がたくさん自分の中に詰まってくるので、そのうちのどれを抽出するべきか——この選択が難しい方なんです。だから選択のほうに時間をかける。
「このテーマについては、これを聞かれたらこれを答えるんだ」とあらかじめピックアップしておかないと、喋りながら「でも、なんかこの人はこうやしな」と考えてしまって、結局自信がない感じで喋ってしまう。逆に、あらかじめスパッと決めておけば、気持ちすっきり喋れます。
3タイプに共通すること
まとめると、この3タイプ、やっぱりどれも時間がかかります。面接で自信を持って喋ろうと思うと、準備にどうしても時間がかかってしまうんですね。
でもその分、時間をかけて考えて「この質問に対して自分はこういうスタンスで行こう」「こういう言葉をキーワードとして話していけるようにしよう」とスパッと決まれば、自分自身の思いも持ちやすくなりますし、その思いの乗った自分の言葉に自信も持ちやすくなります。
「どのテーマをどう深めればいいか分からない」という方は、テーマの深め方をまとめたこちらの記事から始めてみてください。この記事でお伝えした所作や話し方は器で、そこに入れる中身を作るのが面接ノートです。
特に①のタイプの方は、突発的な質問に弱いという自覚があると思います。想定外への備え方は別記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
まとめ|今日から順番にやるなら、この順です
- 今日から、普段の会話で「頷き・返事・微笑み」を入れる。直前に練習するとぎこちなくなります。ナチュラルにできるレベルまで持っていくのが目標
- 聞いているときからテンポに乗る(ペーシング)。大縄跳びと同じで、跳ぶ前からテンポを感じておくとスッと入れます
- 聞いているときの自分の表情を、自分で見る。オンラインの練習なら自分の画面で確認。感じのいい人をモデリングする
- 入退室は実演動画で流れを確認して、動画に撮って見返す。髪を触らない髪型、歩きやすい靴も準備のうち
- 一文目に結論。そして「理由は2つあります」。難しい言葉は使わなくていい
- 「正しい」ではなく「今の私はこう考えています」と言い切る。主語は「教師は」ではなく「私は」
- 自分の苦手タイプを見極めて、必要な準備時間を先に確保する。3タイプとも、必要なのは時間です
最後にもう一度お伝えしたいのは、ここは本当に微差だということです。頷きひとつ、「はい」ひとつ、微笑みひとつ。どれも小さなことです。でもこの微差が、すごい大差になってきます。
そして、この微差を大切にすることは、教員になってからそのまま生きます。子どもたちの話を聞くとき、同僚の先生と話すとき、保護者の方と話すとき。「うん」と頷きを入れてあげるだけで、相手は「この人は聞いてくれている」と安心します。面接対策のためだけの技術ではありません。だから、普段から心がけていただきたいんです。
面接の手応えが気になる方は、こちらの記事もどうぞ。皆さんの思いが、ちゃんと面接で言葉に乗って、面接官の心に響くことを心から願っています。
■ 教員採用試験の「合格サイン」は本当にある?|面接後の手応えの読み方
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この記事の「面接官の人数・所要時間」は、受験された方から届いた報告を集計したものです。受験報告フォームから、どうか教えてください。あなたの1行が、来年この記事を読む誰かを救います。
受験者の声
フォーム「情報提供のお願い」に寄せられた一言から、匿名で抜粋しています。
- 「無料で受けたセミナーの特典で、面接練習の文字起こしをいただきました。私自身の練習の現状と照らし合わせて、いい部分、足りない部分を考えて練習することができ、教採に一発合格することができました」(愛知県・高校・2024年)
- 「金井先生のYoutube動画のおかげで教員採用試験のポイントを掴み、無事合格を掴むことが出来ました。ありがとうございました」(東京都・特別支援・2025年)
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