こんにちは、金井志津乃です!

岐阜県って小学校の倍率が2倍を切ってるって本当ですか? でも養護教諭は15倍って聞いて……同じ県なのに、そんなに違うものなんですか?

本当です! 岐阜県は校種による差がとても大きい県。令和8年度採用の県公表の倍率で、小学校1.7倍に対して養護教諭15.1倍、栄養教諭にいたっては25.0倍でした。ただ、この数字は「どう数えた倍率か」で見え方が変わります。定義から順番に整理していきますね!
この記事では、岐阜県公立学校教員採用選考試験の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の出願・受験・第1次合格の状況と過去5年間の推移を、校種別・教科別にまとめます。
この記事の根拠
- 数字はすべて岐阜県教育委員会が公表した資料(出願状況・実施結果・選考の概要・実施要項)から。推定値は使っていません。
- 岐阜県は教科別の出願者数・受験者数・第1次合格者数まで公表している県です。この記事では中学校・高校の教科別データも収録しました。
- 二次で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →岐阜県の個人面接|受験者6名の実録と傾向
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
- 岐阜県が公表している倍率=受験者数÷採用者数(「選考の概要」の過去5年表)。採用者数には採用延期からの採用者数を含みます。この記事では「県公表の倍率」と呼びます。
- 志願倍率=出願者数÷採用予定数(私が算出)。他県と比べるときの共通ものさしとして併記します。
岐阜県には「大学3年生等第1次選考」があり、出願者数にはその年に採用されない大学3年生等が含まれます。志願倍率を出すときは、大学3年生等を除いた出願者数を使っています(この点は表ごとに明記します)。
- 令和9年度採用の採用予定は560名程度。大学3年生等を除いた出願者は1,594人で、志願倍率は約2.8倍。
- 校種差が大きい:県公表の倍率(令和8年度採用)で小学校1.7倍・中学校3.0倍・高校4.8倍・特別支援2.2倍・養護教諭15.1倍・栄養教諭25.0倍
- 小学校は5年連続で1.7〜2.3倍。特別支援も2.2〜2.7倍で安定。ここが岐阜県の「入りやすい門」です。
- 教科によって世界が違う:中学校技術1.0倍に対し保健体育13.5倍。高校も工業1.4倍に対し保健体育12.2倍。
- 栄養教諭は令和9年度採用の募集がありません(採用なし)。高校の書道・福祉も令和9年度採用は募集なし。
- 第1次合格者は大学3年生等を除いて1,137人(採用予定560名程度に対して約2.0倍)。2次内定579人は第1次合格者1,137人の約51%です。二次実受験者を母数とする合格率ではありません。
- 第1次選考試験 令和9年6月12日(土)/第2次選考試験 7月中旬から下旬を予定/合格発表 8月下旬を予定
- 「岐阜県を含む51自治体は、『教員採用選考に係る第一次選考の共同実施に関する自治体協議会』が作成した共通問題を活用します」。岐阜県は教養試験(教職教養)及び教科専門試験を実施し、教養試験(一般教養)は実施しません。配点比率は令和9年3月ごろに公表する予定。
- 加点・免除の変更(小学校教諭、中学校教諭、養護教諭):継続常勤講師・継続養護助教諭は「第1次選考試験の全部を免除」から「第1次選考試験の一部〔教養試験(教職教養)〕を免除」へ
- 社会人特別選考、前年度第1次選考試験合格者B、前年度からの常勤講師・養護助教諭は、免除される範囲が「一部〔教科専門試験〕」から「一部〔教養試験(教職教養)〕」へ
- 中学校教諭(英語)の英語資格保有者は、「第1次選考試験の一部〔教科専門試験〕を免除」から「筆記試験の得点に加点」へ
- 小中養の変更として、令和10年度採用試験の二次結果通知で任期付採用職員候補者名簿に登載され、令和10年4月から常勤講師として勤務する任期付採用職員Aとして任用された場合は、「任用期間、第1次選考試験を免除」と発表されています。免除の対象となる受験年度や手続きは、令和10年度採用の実施要項(令和9年3月ごろ公表予定)で確認してください。
- 「令和10年度採用 岐阜県公立学校教員採用選考試験実施要項」は令和9年3月ごろに公表する予定
出典:岐阜県発表資料「令和10年度採用(令和9年度実施)岐阜県公立学校教員採用選考試験について」(令和8年8月27日/公式)。
2026年9月20日時点の公式発表です。要項が出たら更新します。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
令和9年度採用(2026年夏実施)の出願・受験・第1次合格
岐阜県教育委員会が公表した「令和9年度採用 岐阜県公立学校教員採用選考試験出願状況」から、校種別にまとめました。岐阜県の出願状況資料は大学3年生等第1次選考の志願者と、一般(その年に採用される受験者)を分けて公表しているのが特徴です。
| 志願種別 | 採用予定数 | 出願者(一般) | 受験者(一般) | 第1次合格者(一般) | 志願倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教諭 | 235名程度 | 414人 | 405人 | 383人 | 1.8倍 |
| 中学校教諭 | 145名程度 | 449人 | 427人 | 317人 | 3.1倍 |
| 高等学校教諭 | 95名程度 | 412人 | 387人 | 216人 | 4.3倍 |
| 特別支援学校教諭 | 60名程度 | 125人 | 124人 | 101人 | 2.1倍 |
| 養護教諭 | 小中10名程度 高校・特支 若干名 | 172人 | 166人 | 100人 | 17.2倍 |
| 社会人特別選考(小中) | 10名程度(外数) | 9人 | 9人 | 9人 | 0.9倍 |
| 社会人特別選考(高校・特支) | 高校3名程度・特支2名程度(外数) | 4人 | 4人 | 2人 | 0.8倍 |
| スペシャリスト特別選考(高校英語/工業/情報) | 各若干名(外数) | 2人/2人/1人 | 2人/2人/1人 | 2人/2人/1人 | — |
| 日本語指導者特別選考(高校) | 若干名(外数) | 4人 | 4人 | 4人 | — |
| 合計 | 560名程度 | 1,594人 | 1,531人 | 1,137人 | 2.8倍 |
※「出願者(一般)」「受験者(一般)」「第1次合格者(一般)」は、いずれも大学3年生等第1次選考の志願者を除いた人数です。第1次合格者数には第1次選考免除者を含みます。志願倍率=出願者(一般)÷採用予定数(私が算出)。養護教諭の採用予定数は「小中10名程度・高校/特支若干名」のため、志願倍率は小中10名に対して算出した参考値です。「外数」は各校種の一般選考の採用予定数に対する表記です。合計欄は公表資料の560名程度をそのまま掲載しています。若干名の枠もあるため、合計の志願倍率は参考値です。栄養教諭は令和9年度採用の募集がありません。
出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用岐阜県公立学校教員採用選考試験出願状況(令和8年度実施)」
大学3年生等第1次選考は出願536人・受験521人・合格365人でした。合格者は翌年度に改めて出願する必要があり、同じ志願種別・教科(科目)なら一次全免除、異なる場合は出願時の申請により教職教養のみ免除となります。翌年度の要項で手続きを確認してください。

ここ、見落とさないでください。第1次合格者(一般)は1,137人で、採用予定は560名程度。ざっくり2倍です。掲載した令和9年度採用の人数では、第1次合格者は受験者の約74%、2次内定者は第1次合格者の約51%です。第1次合格者に対する2次内定者の比が約51%ということですから(二次実受験者を母数とする合格率ではありません)、二次の4科目(面接2種+模擬授業+論文)こそが本番なんです。
■ 岐阜県の個人面接|受験者6名の実録と5年間の出題傾向(二次は個人面接+プレゼンテーション面接+模擬授業+論文の1200点)
令和9年度採用 第2次選考の結果について(2026年8月26日発表)
令和9年度採用の第2次選考試験の結果は、2026年8月26日(水)に発表されました(文書郵送および岐阜県教育委員会ホームページへの受験番号掲載)。最終合格者数は総計579人(採用予定560名程度)でした。教科別の内訳と補欠者の状況は、岐阜県教育委員会の公表資料でご確認ください。
教科別の出願・受験・第1次合格(令和9年度採用)
岐阜県は教科別の人数まで公表しています。「自分の教科で何人が受けて、何人が一次を通ったのか」が分かる、とても親切な資料です。数字はすべて大学3年生等を除いた一般の人数です。
| 中学校教諭 | 出願者 | 受験者 | 第1次合格者 | 一次通過率 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 51人 | 49人 | 48人 | 98% |
| 社会 | 92人 | 84人 | 54人 | 64% |
| 数学 | 36人 | 35人 | 30人 | 86% |
| 理科 | 42人 | 41人 | 41人 | 100% |
| 音楽 | 19人 | 19人 | 14人 | 74% |
| 美術 | 11人 | 11人 | 10人 | 91% |
| 保健体育 | 114人 | 108人 | 53人 | 49% |
| 技術 | 5人 | 5人 | 5人 | 100% |
| 家庭 | 14人 | 13人 | 11人 | 85% |
| 英語 | 65人 | 62人 | 51人 | 82% |
| 合計 | 449人 | 427人 | 317人 | 74% |
| 高等学校教諭 | 出願者 | 受験者 | 第1次合格者 | 一次通過率 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 35人 | 31人 | 21人 | 68% |
| 地理歴史(地理) | 12人 | 11人 | 4人 | 36% |
| 地理歴史(日本史・世界史) | 38人 | 33人 | 14人 | 42% |
| 数学 | 56人 | 53人 | 26人 | 49% |
| 理科(物理) | 12人 | 11人 | 10人 | 91% |
| 理科(化学) | 12人 | 10人 | 9人 | 90% |
| 理科(生物) | 11人 | 11人 | 10人 | 91% |
| 英語 | 33人 | 29人 | 28人 | 97% |
| 保健体育 | 116人 | 113人 | 26人 | 23% |
| 家庭 | 12人 | 12人 | 11人 | 92% |
| 音楽 | 4人 | 4人 | 4人 | 100% |
| 美術 | 6人 | 6人 | 5人 | 83% |
| 農業 | 16人 | 16人 | 10人 | 63% |
| 工業(機械系) | 5人 | 5人 | 5人 | 100% |
| 工業(電気・電子系) | 3人 | 3人 | 3人 | 100% |
| 工業(建築・土木系) | 2人 | 1人 | 1人 | 100% |
| 工業(化学系) | 1人 | 1人 | 1人 | 100% |
| 商業 | 27人 | 27人 | 24人 | 89% |
| 情報 | 11人 | 10人 | 4人 | 40% |
| 合計 | 412人 | 387人 | 216人 | 56% |
※一次通過率=第1次合格者数÷受験者数(私が算出)。第1次合格者数には第1次選考免除者を含むため、免除者の多い教科では100%に近づきます。高等学校の書道・福祉・工業(デザイン系)は令和9年度採用の募集がありません(令和8年度採用では書道11人・福祉4人・工業デザイン系2人が出願)。
出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用岐阜県公立学校教員採用選考試験出願状況」
高校保健体育は受験113人に対して第1次合格26人(約23%)でした。一方、理科・技術・工業・高校英語では、掲載表の一次通過率は90%以上です。ただし一次免除者を含む集計なので、個々の受験者が筆記対策を省けるという意味ではありません。
令和8年度採用(2025年夏実施)の実施結果|内定者数まで公表
岐阜県は毎年の「教員募集案内」に、前年度の実施結果(出願・受験・1次合格・2次内定)を教科別で載せています。「自分の教科で最終的に何人が内定したか」が分かる、非常に価値の高い資料です。
| 志願種別 | 採用予定数 | 出願者 | 受験者 | 1次合格者 | 2次内定者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教諭 | 235名程度 | 460人 | 452人 | 437人 | 237人 |
| 小学校教諭(小中併願からの内定・上段とは別枠) | 若干名 | — | — | — | 6人 |
| 中学校教諭(合計) | 145名程度 | 452人 | 422人 | 310人 | 151人 |
| 社会人特別選考(小中) | 10名程度 | 12人 | 11人 | 10人 | 1人 |
| 高等学校教諭(合計) | 85名程度 | 459人 | 434人 | 223人 | 91人 |
| 特別支援学校教諭 | 60名程度 | 134人 | 131人 | 110人 | 61人 |
| 社会人特別選考(高校) | 高校3名程度(外数) | 10人 | 9人 | 6人 | 2人 |
| スペシャリスト(高校英語/工業/情報) | 各若干名 | 1人/1人/0人 | 1人/1人/0人 | 1人/1人/0人 | 1人/1人/0人 |
| 社会人特別選考(特支) | 特支2名程度(外数) | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 |
| 養護教諭 | 小中10名程度・高特若干名 | 168人 | 166人 | 91人 | 12人 |
| 栄養教諭 | 若干名 | 26人 | 25人 | 9人 | 1人 |
| 総計 | 550名程度 | 1,724人 | 1,653人 | 1,199人 | 565人 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度 教員募集案内」掲載の「令和8年度採用 岐阜県公立学校教員採用試験 実施結果(令和7年度実施)」。
この表の数字は、後述する「選考の概要」の5年間倍率表(受験者数÷採用者数)とは数値が一致しません。「選考の概要」には採用者数に採用延期からの採用者を含むとの注記がありますが、両表の差の内訳すべては確認した公表資料(令和8年10月時点)では分かりません。どちらも岐阜県教育委員会の公表資料ですので、出典どおりに併記しています。
令和8年度採用|中学校・高校の教科別内定者数
| 中学校教諭 | 出願 | 受験 | 1次合格 | 2次内定 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 44人 | 41人 | 38人 | 26人 |
| 社会 | 80人 | 73人 | 46人 | 20人 |
| 数学 | 52人 | 50人 | 37人 | 22人 |
| 理科 | 35人 | 33人 | 32人 | 23人 |
| 音楽 | 30人 | 25人 | 15人 | 7人 |
| 美術 | 16人 | 14人 | 11人 | 6人 |
| 保健体育 | 111人 | 108人 | 64人 | 8人 |
| 技術 | 5人 | 5人 | 5人 | 5人 |
| 家庭 | 9人 | 9人 | 9人 | 6人 |
| 英語 | 70人 | 64人 | 53人 | 28人 |
| 計 | 452人 | 422人 | 310人 | 151人 |
| 高等学校教諭 | 出願 | 受験 | 1次合格 | 2次内定 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 36人 | 33人 | 26人 | 13人 |
| 地理歴史(地理) | 16人 | 15人 | 4人 | 1人 |
| 地理歴史(日本史・世界史) | 40人 | 38人 | 12人 | 3人 |
| 数学 | 64人 | 62人 | 25人 | 8人 |
| 理科(物理) | 8人 | 7人 | 5人 | 1人 |
| 理科(化学) | 13人 | 12人 | 7人 | 3人 |
| 理科(生物) | 18人 | 17人 | 11人 | 4人 |
| 英語 | 36人 | 36人 | 33人 | 16人 |
| 保健体育 | 111人 | 106人 | 26人 | 8人 |
| 家庭 | 15人 | 15人 | 12人 | 4人 |
| 音楽 | 2人 | 2人 | 2人 | 1人 |
| 美術 | 11人 | 10人 | 4人 | 1人 |
| 書道 | 11人 | 11人 | 4人 | 1人 |
| 福祉 | 4人 | 3人 | 2人 | 1人 |
| 農業 | 16人 | 15人 | 11人 | 5人 |
| 工業(機械系/電気・電子系/建築・土木系/化学系/デザイン系) | 5/5/1/2/2人 | 5/4/1/2/1人 | 5/4/1/2/1人 | 4/2/1/1/1人 |
| 商業 | 33人 | 31人 | 22人 | 10人 |
| 情報 | 10人 | 8人 | 4人 | 2人 |
| 計 | 459人 | 434人 | 223人 | 91人 |
※出典:同上。
中学校保健体育は出願111人に対して内定8人。高校の地理歴史(地理)・音楽・美術・書道・福祉・工業(建築土木/化学/デザイン)は内定1人ずつという年でした。募集人数の少ない教科は「その年に何人採るか」で状況が一変します。
過去5年の推移|県公表の倍率(受験者数÷採用者数)
岐阜県教育委員会は「選考の概要」の中で、過去5年間の受験者数・採用者数・倍率を教科別に公表しています。ここからは県公表の定義(受験者数÷採用者数)の数字です。
| 志願種別 | R9採用予定 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教諭 | 235名程度 | 1.7 | 1.9 | 2.3 | 1.8 | 1.8 |
| 中学校教諭 | 145名程度 | 3.0 | 3.2 | 3.5 | 3.3 | 3.0 |
| 高等学校教諭 | 95名程度 | 4.8 | 5.2 | 5.8 | 4.8 | 4.9 |
| 特別支援学校教諭 | 60名程度 | 2.2 | 2.5 | 2.6 | 2.4 | 2.7 |
| 養護教諭 | 小中10名程度・高特若干名 | 15.1 | 12.1 | 11.3 | 7.8 | 5.3 |
| 栄養教諭 | 採用なし | 25.0 | 28.0 | 18.5 | 8.0 | 5.8 |
※単位は「倍」。R4=令和4年度採用(2021年夏実施)…R8=令和8年度採用(2025年夏実施)。倍率=受験者数÷採用者数(採用者数には採用延期からの採用者数を含む)。
出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 選考の概要」
校種ごとの読み解き
小学校:受験者は555人(R4)→458人(R8)と約100人減りましたが、採用者数も308人→268人と減ったため、倍率は1.7〜2.3倍のレンジで安定。5年でいちばん高かったR6でも2.3倍です。倍率は低めですが、「誰でも受かる」というほど甘くはありません。
中学校:3.0〜3.5倍でほぼ横ばい。ただし教科差が非常に大きく、令和8年度採用では技術1.0倍・家庭1.5倍・理科1.7倍・国語1.8倍に対して、保健体育13.5倍・社会3.6倍・音楽3.1倍。同じ「中学校3.0倍」でも、受ける教科でまったく違う試験になります。
| 中学校の教科別倍率 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 1.8 | 1.8 | 3.3 | 2.0 | 2.3 |
| 社会 | 3.6 | 4.2 | 4.4 | 4.4 | 2.7 |
| 数学 | 2.2 | 2.2 | 2.3 | 2.6 | 2.1 |
| 理科 | 1.7 | 1.6 | 2.1 | 1.9 | 2.8 |
| 音楽 | 3.1 | 2.5 | 4.2 | 4.0 | 2.9 |
| 美術 | 2.8 | 2.2 | 3.8 | 3.0 | 2.6 |
| 保健体育 | 13.5 | 14.4 | 9.2 | 9.8 | 7.0 |
| 技術 | 1.0 | 1.2 | 1.0 | 2.0 | 1.3 |
| 家庭 | 1.5 | 2.3 | 2.8 | 2.7 | 1.8 |
| 英語 | 2.5 | 3.3 | 2.5 | 2.4 | 3.4 |
高校:4.8〜5.8倍で、小学校・中学校・高校・特別支援学校の教諭4区分のなかでは最も高い水準が続いています。教科別では工業1.4倍・英語2.2倍・国語3.0倍・農業3.0倍が比較的通りやすく、保健体育12.2倍・美術11.0倍・書道11.0倍・地理歴史9.3倍・数学8.9倍が厳しい。ただし美術・書道は「採用者が1人だから倍率が高く出る」タイプなので、倍率の数字よりその年の採用人数を見てください。
| 高校の教科別倍率 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 3.0 | 4.1 | 4.2 | 3.5 | 3.4 |
| 地理歴史 | 9.3 | 5.3 | 5.2 | 3.4 | 4.1 |
| 数学 | 8.9 | 10.3 | 6.5 | 4.3 | 7.9 |
| 理科 | 4.1 | 6.0 | 7.6 | 7.6 | 4.5 |
| 英語 | 2.2 | 3.2 | 4.7 | 3.4 | 2.6 |
| 保健体育 | 12.2 | 11.3 | 10.3 | 10.6 | 7.1 |
| 音楽 | 2.0 | 3.0 | —(採用なし) | 6.0 | 10.0 |
| 美術 | 11.0 | 4.0 | 4.5 | — | 15.0 |
| 書道 | 11.0 | — | — | — | 7.0 |
| 家庭 | 3.8 | 2.4 | 3.2 | 3.8 | 7.3 |
| 福祉 | 3.0 | —(採用なし) | — | 1.0 | 8.0 |
| 農業 | 3.0 | 3.3 | 5.0 | 1.6 | 4.3 |
| 工業 | 1.4 | 2.6 | 3.0 | 4.0 | 1.8 |
| 商業 | 3.9 | 4.0 | 4.2 | 8.8 | 14.3 |
| 情報 | 4.0 | 4.0 | 12.0 | 9.0 | 3.3 |
※「—」は採用者がいない、または受験者数の記載がない年。令和9年度採用では書道・福祉の採用がありません。
出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 選考の概要(高等学校教諭・特別支援学校教諭)」
特別支援学校:2.2〜2.7倍で5年間ほぼ動きません。採用者数も57〜66人と安定していて、岐阜県でもっとも読みやすい区分です。小学校とあわせて、岐阜県の「門戸が広い2区分」と言えます。
養護教諭:令和8年度採用の公表倍率は15.1倍で、倍率の高い区分です。倍率は5.3倍(R4)→7.8→11.3→12.1→15.1倍(R8)と5年間上がり続けています。受験者数は154〜170人でほぼ一定なのに、採用者数が29人→11人へ約3分の1に減ったのが理由です。令和9年度採用の採用予定は小中10名程度・高校/特支若干名。「採用予定人数がいつ戻るか」を毎年必ず確認してください。
栄養教諭:令和9年度採用は採用なしです。過去5年も採用者は1〜5人で、倍率は5.8倍→8.0→18.5→28.0→25.0倍。募集がある年を待つ形になります。

岐阜県の倍率は「志願者が増えたから上がった」のではなく、主に採用者数の増減で動いている傾向があります。特に養護教諭と栄養教諭は、受験者数が横ばいなのに倍率が3倍〜5倍に跳ね上がりました。倍率の数字を見て落ち込むより、自分の校種・教科でその年に何人採るのかを見るほうが、はるかに正確に状況をつかめますよ。
一次合格者は受験者の約4分の3、二次内定者は一次合格者の約半分|岐阜県の合格ルート
岐阜県は第2次選考の受験者数を公表していないため、他県のような「二次倍率」を正確には出せません。ただ、第1次合格者数と最終的な内定者数の関係から、おおよその構図は読めます。
| 採用年度 | 受験者 | 第1次合格者 | 2次内定者 | 一次通過率 | 1次合格者に対する内定率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年度採用(2025夏) | 1,653人 | 1,199人 | 565人 | 73% | 47% |
| 令和9年度採用(2026夏) | 1,531人 (大学3年生等を除く) | 1,137人 (同) | 579人 | 74% | 51% |
※一次通過率・内定率はいずれも私が算出。第1次合格者数には第1次選考免除者を含みます。第2次選考の受験者数は公表されていないため、「1次合格者に対する内定率」は辞退者を含んだ数字です。
出典:岐阜県教育委員会「令和8年度採用 実施結果」「令和9年度採用 出願状況」
令和8年度採用でみると、公表表の受験者数1,653人に対する第1次合格者数1,199人の比は約73%、第1次合格者数に対する第2次内定者数565人の比は約47%です。これらは公表集計値の比で、筆記受験者だけの通過率や二次実受験者の合格率を表すものではありません。二次は個人面接・プレゼンテーション面接(各20分程度)・模擬授業・論文等で合計1200点です。中学校の音楽・美術・保健体育・技術・家庭、高校の保健体育・音楽・美術・家庭は模擬授業と実技を行い、合わせて300点です。高校のスペシャリスト特別選考・日本語指導者特別選考は論文に代えて課題作文を行います。しかも実施要項には「第2次選考試験の各試験内容のうち、一定の基準に達しないものがある場合は、合計得点に関わらず不合格となる」と明記されています。
■ 岐阜県の個人面接|受験者6名の実録と5年間の出題傾向
■ 岐阜県の小論文(論文試験)|過去5年の出題テーマと640〜800字の書き方
倍率を下げる「一次免除」ルート|岐阜県は種類が豊富です
岐阜県の第1次合格者数には第1次選考免除者が含まれています。教科によって一次通過率が100%近くなるのは、この免除者の存在が影響していると考えられます。岐阜県の一次免除は8種類あります。
| 大学3年生等第1次選考 | 大学・短大・専門学校の最終年次の1年前に第1次選考(筆記)だけを受験。合格後は翌年度に改めて出願し、同じ志願種別・教科(科目)なら第1次選考が全免除、異なる場合は出願時の申請で教職教養のみ免除されます。令和9年度採用の試験では536人が志願・365人が合格しました。 |
| 前年度第1次選考試験合格者 | 前年度に一次合格し二次を受験し、同じ志願種別・教科(科目)に翌年1回限り出願する人。小中養Aは出願締切日までに県内公立学校で当年度の常勤講師・養護助教諭の勤務を開始する場合に一次全免除、Bは教科専門のみ免除。高校・特支は一次全免除。ただし前年の免除利用による対象外条件はA・B・高校特支で異なるため、要項の各区分を確認してください。 |
| 他都道府県現職教諭 | 他県の国立大学法人設置校・公立学校の期限を付さない教諭・養護教諭で、令和9年3月31日現在3年以上の経験(休職・育児休業等を除く)がある方 → 同じ種別・教科(科目)で出願する場合は一次全免除 |
| 教職大学院 | 修了者・修了見込者。小中養は一次全免除、高校・特支は教職教養のみ免除。 |
| 教諭経験者 | 過去に国立大学法人設置校・公立学校の期限を付さない教諭・養護教諭として、出願時点で3年以上の経験(休職・育児休業等を除く)がある方 → 現職であった時と同じ種別・教科(科目)で出願する場合は一次全免除 |
| 継続常勤講師・継続養護助教諭 | 令和5年4月1日〜令和8年3月31日に県内公立学校の常勤講師等(任期付採用職員・特任講師を含む)として24か月以上勤務し、令和8年度も出願締切日までに勤務を開始する人(対象は小中養のみ)→ 一次全免除 |
| 前年度からの常勤講師・養護助教諭 | 令和7年度に1年間県内で常勤講師等(任期付採用職員・特任講師を含む)として勤務し、令和8年度も出願締切日までに勤務を開始する人。小中養は教科専門免除、高校・特支は教職教養免除。 |
| 英語資格保有者(中学校英語) | CEFR B2相当以上(英検準1級・TOEIC L&R 785点・TOEFL iBT 72点以上。TOEIC・TOEFLは2024年4月以降に受験して公式認定証が発行されたものに限る)→ 教科専門免除 |
※出典:岐阜県教育委員会「令和9年度採用 実施要項」。
免除は2つ以上を併せて申請できません。第1次選考免除者・大学3年生等第1次選考の志願者は加点制度の対象外です。
選考種別も、一般選考のほかに障がい者特別選考・多文化共生特別選考・社会人特別選考・スペシャリスト特別選考・日本語指導者特別選考・地域限定(高校・特支)・小中併願と多彩です。それぞれの要件と実績は専用記事にまとめました。
■ 岐阜県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等第1次選考・現職教諭・講師・社会人・加点制度
倍率との付き合い方|「例年より高い」と感じたときに
ここまで見てきたとおり、岐阜県の倍率は「その年に何人採るか」で決まる面が大きいです。つまり自分の力では変えられない要因です。私自身は、倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と前向きに捉えるようにしています。そのうえで、自分がコントロールできる準備に集中していきましょう。1分のショート動画にまとめています。
そして、合格できない人には校種ごとの共通点があります。小学校は「厳しさと優しさのメリハリがない」「ユーモアと臨機応変さがない」「暗くて元気がなさそうに見える」、中高は「人間性と教科の専門性のどちらかが欠けている」ケースが多い、というのが私の印象です。
よくある質問
Q. 倍率が低い校種は「受かりやすい」と考えていい?
A. 半分は正しいです。小学校(県公表1.7倍)や特別支援学校(2.2倍)は数字のうえでは門戸が広い。ただ岐阜県は第1次合格者に対する第2次内定者の比が約半分(令和8年度採用で約47%、令和9年度採用で約51%)の県です。そして二次は4科目1200点で、1科目でも一定の基準に達しなければ合計点に関わらず不合格。「倍率が低い=準備が浅くても通る」ではありません。
Q. 補欠になったら、どうなりますか?
A. 実施要項には「名簿登載とならなかった者の中から補欠者を決定することがあり、名簿登載者に欠員が生じた場合等に補欠者を名簿登載することがある」とあります。補欠者決定の有無は第2次選考の結果通知と併せて知らされ、名簿登載する場合は個別に通知されます。さらに岐阜県には、名簿登載とならなかった方のうち成績優秀な方を任期付採用職員の候補者とし、そこにも至らなかった方のうち成績優秀な方を特任講師の候補者とする仕組みもあります。
Q. 不合格になったとき、自分の成績は分かりますか?
A. はい。岐阜県は第1次・第2次とも不合格者に選考結果の情報提供を行います。提供されるのは不合格者の中での総合ランク(上位からA・B・C・D・Eの5区分)と各種試験の得点です(実施要項より)。二次で不合格だった場合、どの科目で崩れたかが分かるので、翌年の対策が具体的になります。必ず受け取ってください。
Q. 最終結果(最終合格者数)はいつ確定しますか?
A. 第2次選考試験の結果通知は8月26日(水)に発送され、同日10時に岐阜県教育委員会ホームページにも受験番号を掲載する予定とされていました(令和9年度採用の場合)。また、令和9年度採用の教科別の数字(出願・受験・1次合格・2次内定)は、岐阜県教育委員会の公表資料で確認できます。
Q. 岐阜県に政令指定都市の別実施はありますか?
A. ありません。岐阜県内に政令指定都市はなく、県内の公立小・中・義務教育学校・高等学校・特別支援学校の教員採用はすべて岐阜県教育委員会が実施します。この記事の数字は県全体のものです。
Q. 採用後の勤務地はどうなりますか?
A. 岐阜県には6地区があり、募集案内には「県内6地区で勤務可能」と示され、「自宅から通える学校で働きたい」「新たな街でチャレンジしたい」「自然豊かな学校で働きたい」という希望について、各自の適性・家族の状況などを踏まえて個々に対応するとされています。養護教諭は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校のいずれかに配置され、必ずしも出願時の希望校種にならない場合があります(実施要項より)。なお高等学校・特別支援学校には、郡上・恵那・飛騨の各地域で10年程度勤務する「地域限定」の志願区分もあります。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」「プレゼンテーション面接に何が出たか」については、公式の出題例に加え、受験した方の報告が貴重な資料になります。岐阜県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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