【教員採用試験】熊本市の倍率|令和9年度採用の最終結果と7年間の推移(校種別・教科別)

こんにちは、金井志津乃です! 

熊本市の倍率って、小学校は1倍台って本当ですか? でも養護教諭は20倍近いって聞いて……同じ市なのに、そんなに違うんですか?

本当です! 令和9年度採用の志願倍率は、小学校1.6倍に対して養護教諭19.8倍・栄養教諭23.0倍。同じ熊本市でも10倍以上の開きがあります。しかも熊本市は資料によって「倍率」の計算式が違うんです。そこも含めて、公表資料だけで丁寧に読み解いていきますね!

この記事では、熊本市立学校教員採用選考試験の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況・第一次選考試験・最終結果と、過去7年の推移を、校種別・教科別にまとめます。

この記事の根拠

  • 数字はすべて熊本市教育委員会が公表した資料(志願状況・第一次選考試験合格者数・実施状況(最終)・実施要項)と文部科学省の実施状況調査から集計。推定値・報道値は使っていません。
  • 熊本市は資料ごとに倍率の定義が違うため、表ごとに計算式を明記しています
  • 二次で「実際に何を聞かれたか」は別記事にまとめています →熊本市の二次試験|模擬授業+個人面接2回の内容と実録
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事の「倍率」の定義(熊本市の公表定義)

熊本市は資料によって倍率の計算式が変わります。混乱しないよう、この記事では次の3つを使い分けます。

  • 志願倍率=志願者数÷採用予定数(「志願状況について」の定義)
  • 一次倍率=第一次選考試験受験者数÷第一次選考試験合格者数(「第一次選考試験合格者及び第一次選考試験免除者数」の定義)
  • 最終倍率=第一次選考試験受験者数÷第二次選考試験合格者数(「実施状況(最終)」の定義。表では「A/B」と表記されています)

また、一次受験者数・一次合格者数には、第一次選考試験免除者および特別選考志願者が内数で含まれます(各資料の注記より)。令和5年度採用ではその人数が126人(一次受験663人の約19%)と公表されています。

30秒でわかる|熊本市の倍率のポイント
  • 令和9年度採用の最終結果は10月2日(金)に発表。一次受験551人・最終合格249人で最終倍率2.2倍(前年2.3倍)。
  • 令和9年度採用は採用予定258人・志願581人=志願倍率2.3倍。前年(2.0倍)から上昇しました。
  • 第一次選考試験は受験551人・合格431人=1.3倍。受験者の約8割が一次を通過します。
  • 校種差が大きい(令和9年度採用):小学校1.6倍・中高2.3倍に対し、養護教諭19.8倍・栄養教諭23.0倍(志願倍率)
  • 中高の教科差も大きい(令和9年度採用):家庭0.6倍・数学1.1倍・国語1.2倍/保健体育5.8倍・音楽3.2倍
  • 令和5年度採用からの5年間の最終倍率は1.8〜2.3倍。勝負は二次——令和9年度採用は一次合格431人に対し最終合格249人でした。
  • 令和9年度採用から「特別支援教育推進区分」が一般区分に統合されました(かわりに特別支援学校免許の加点が3点→6点に)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

令和9年度採用(2026年夏実施)の最終結果|最終合格249人・最終倍率2.2倍

令和9年度採用の第二次選考試験の合格発表は令和8年10月2日(金)に行われ、熊本市教育委員会の「実施状況(最終)」が公開されました。全体で採用予定258人程度・志願581人・一次受験551人・二次受験405人・最終合格249人・最終倍率2.2倍(一次受験者数÷最終合格者数・熊本市の公表値)です。前年(令和8年度採用)の2.3倍から少し下がりました。一次受験者は480人→551人に増えましたが、最終合格者も208人→249人に増えたためです。

校種・職種(令和9年度採用)採用予定志願者一次受験者一次合格者二次受験者最終合格者最終倍率前年の最終倍率
幼稚園教諭等2人程度11人10人10人9人2人5.0倍4.0倍
小学校教諭等148人程度232人226人190人184人148人1.5倍1.5倍
中学校・高等学校教諭等102人程度233人225人183人168人93人2.4倍2.6倍
高等学校教諭等(特別選考・商業)1人程度3人3人3人3人1人3.0倍6.0倍
養護教諭4人程度79人67人32人31人4人16.8倍8.7倍
栄養教諭1人程度23人20人13人10人1人20.0倍4.3倍
合計258人程度581人551人431人405人249人2.2倍2.3倍

※最終倍率=一次受験者数÷最終合格者数(熊本市の公表値・表の「A/B」)。一次受験者数・一次合格者数には第一次選考試験免除者および特別選考志願者を含みます。二次だけの倍率は405÷249で約1.6倍(私が算出。前年も1.6倍)です。
出典:熊本市教育委員会「令和9年度(2027年度)熊本市立学校教員採用選考試験 実施状況(最終)」(令和8年10月2日公開)

最終合格249人は、採用予定258人程度を9人下回りました。校種・教科別に見ると、採用予定に届かなかったのは中高の数学(14人程度に対して8人)と家庭(5人程度に対して2人)だけで、小学校は148人程度に対して148人でした。教科別の最終倍率は、下の「中学校・高等学校の教科別 最終倍率」の表にまとめています。

大学3年生チャレンジ選考(令和8年度実施)の結果

同じ日に、大学3年生チャレンジ選考の「実施状況(最終)」も公開されました(上の表とは別集計)。全体で志願202人・一次受験192人・一次合格106人・二次受験48人・二次合格30人・倍率6.4倍(一次受験者数÷二次合格者数・熊本市の公表値)です。校種別では小学校4.4倍(二次合格21人)、中学校・高等学校8.0倍(同9人)で、養護教諭・栄養教諭の二次合格者は0人でした。
出典:熊本市教育委員会「大学3年生チャレンジ選考(令和8年度実施) 実施状況(最終)」(令和8年10月2日公開)。
選考の仕組みは特別選考の記事で整理しています。

令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況と第一次選考試験の結果

熊本市教育委員会が公表した志願状況と第一次選考試験の結果を、校種・職種別にまとめました。

校種・職種採用予定志願者志願倍率一次受験者一次合格者一次倍率
幼稚園教諭等2人程度11人5.5倍10人10人1.0倍
小学校教諭等148人程度232人1.6倍226人190人1.2倍
中学校・高等学校教諭等102人程度233人2.3倍225人183人1.2倍
高等学校教諭等(特別選考・商業)1人程度3人3.0倍3人3人1.0倍
養護教諭4人程度79人19.8倍67人32人2.1倍
栄養教諭1人程度23人23.0倍20人13人1.5倍
合計258人程度581人2.3倍551人431人1.3倍

※志願倍率=志願者数÷採用予定数、一次倍率=一次受験者数÷一次合格者数(いずれも熊本市教育委員会の公表値)。一次受験者数・一次合格者数には第一次選考試験免除者および特別選考志願者を含みます。
出典:熊本市教育委員会「令和9年度(2027年度)熊本市立学校教員採用選考試験志願状況について」「同 第一次選考試験合格者及び第一次選考試験免除者数」。
なお熊本市は別に「第一次選考試験の実施状況について」(令和8年6月16日公表)も出しており、そこに載っている「実質倍率(B/A)」は受験者数÷採用予定数という別の定義です(令和9年度採用は全体2.1倍、令和8年度採用は1.9倍)。合格者で割った倍率ではないので、この記事の志願倍率2.3倍・一次倍率1.3倍とは混同しないでください。同じ資料で欠席者30人・受験率94.8%も公表されています

「障がいのある者を対象とした特別選考」への申込者数は3人(令和8年度採用では1人)でした。この選考は総採用予定者数のうち5人程度が対象です(実施要項より)。

この表で一番読み取ってほしいのは、一次倍率が全体で1.3倍しかないことです。受験551人のうち431人が一次を通過——約8割ですね。二次受験者405人に対して最終合格者は249人で、二次受験者の約38.5%が不合格でした。熊本市は「筆記で絞らず、人物試験で選ぶ」傾向のある自治体だと考えられます。

中学校・高等学校の教科別(令和9年度採用)

熊本市は教科別の志願者数・受験者数・合格者数まで公表しています。これは受験者にとって親切な公表の仕方で、「自分の教科は何人採るのか」「何人が志願したのか」がはっきり分かります。

教科採用予定志願者志願倍率一次受験者一次合格者一次倍率
国語13人程度16人1.2倍15人15人1.0倍
社会18人程度52人2.9倍49人38人1.3倍
数学14人程度16人1.1倍15人13人1.2倍
理科13人程度24人1.8倍23人21人1.1倍
音楽5人程度16人3.2倍16人15人1.1倍
美術5人程度11人2.2倍11人10人1.1倍
保健体育11人程度64人5.8倍63人44人1.4倍
技術1人程度3人3.0倍3人3人1.0倍
家庭5人程度3人0.6倍3人2人1.5倍
英語17人程度28人1.6倍27人22人1.2倍
中高 計102人程度233人2.3倍225人183人1.2倍

※出典:熊本市教育委員会「令和9年度(2027年度)熊本市立学校教員採用選考試験志願状況について」「同 第一次選考試験合格者及び第一次選考試験免除者数」

目を引くのが家庭の0.6倍です。採用予定5人程度に対して志願者が3人——志願者が採用予定を下回っています。国語1.2倍・数学1.1倍も、かなり低い倍率です。一方で保健体育は5.8倍と、同じ中高の中で10倍近い開きがあります。

ただし「志願倍率が低い=合格しやすい」ではありません。熊本市には試験内容ごとの基準点があり、一つでも下回れば不合格になります(一次は配点の4割〔ただし平均点が配点の4割より低い場合は平均点〕、二次は論文・実技が平均点の5割、模擬授業等・個人面接が配点の4割)。実際、家庭は一次受験3人に対して合格2人(1.5倍)でした。「採用予定数に届かなくても、基準に達しない人は採らない」のが熊本市の運用だと考えられます。

7年間の推移|志願者は減少から反転、倍率は2倍前後で安定

熊本市教育委員会の「実施状況(最終)」5年分と、文部科学省の実施状況調査から、全体の推移をまとめました。

採用年度(実施)採用予定志願者一次受験者一次合格者二次受験者最終合格者最終倍率
令和3年度(2020夏)——648人——186人(採用者数)3.5倍
令和4年度(2021夏)——645人——217人(採用者数)3.0倍
令和5年度(2022夏)271人735人663人496人465人285人2.3倍
令和6年度(2023夏)318人615人559人450人425人314人1.8倍
令和7年度(2024夏)314人493人474人413人391人262人1.8倍
令和8年度(2025夏)256人510人480人363人341人208人2.3倍
令和9年度(2026夏)258人581人551人431人405人249人2.2倍

※最終倍率=一次受験者数÷最終合格者数(熊本市の公表定義)。令和3・4年度採用の数字は文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」の熊本市分で、競争率=受験者数÷採用者数(実際に採用された人数で計算するため、熊本市の合格者ベースの倍率とは厳密には定義が異なります)。令和5年度〜9年度採用は熊本市教育委員会「実施状況(最終)」(令和9年度採用は令和8年10月2日公開)。

読み取れることは3つです。

  • 志願者は令和7年度採用の493人が底。そこから510人→581人と2年連続で増加しています。「教採の志願者は減り続けている」というイメージがありますが、熊本市はすでに反転しています。
  • 採用予定は令和6年度採用の318人がピークで、そこから256〜258人に絞られました。志願者が増え、採用予定が減った結果、最終倍率は令和8年度採用で2.3倍に上がり、令和9年度採用も2.2倍と同じ水準です。
  • 最終合格者は採用予定を下回る年が多い。令和8年度採用は採用予定256人に対して最終合格208人(採用予定数を48人下回る)。令和7年度も314人に対して262人(のちに追加募集で35人が追加合格)、令和9年度も258人に対して249人でした。「定員を埋めるために基準を下げることはしない」という運用がうかがえます。

校種・職種別の最終倍率(令和5年度〜9年度採用)

校種・職種令和5年度令和6年度令和7年度令和8年度令和9年度
幼稚園教諭等5.02.76.34.05.0
小学校教諭等1.51.21.21.51.5
中学校・高等学校教諭等3.22.12.12.62.4
高等学校教諭等(特別選考等)2.0〜5.03.53.06.03.0
養護教諭8.18.04.58.716.8
栄養教諭8.55.73.84.320.0
合計2.31.81.82.32.2

※単位は「倍」。最終倍率=一次受験者数÷最終合格者数(熊本市の公表定義)。令和5年度採用の高等学校教諭等は商業5.0倍・情報3.0倍・一般(特別選考)2.0倍の3区分でした。令和7年度採用の商業は最終合格者0人のため倍率の表示なし。令和9年度採用の高等学校教諭等は特別選考(商業)の1区分です。
出典:熊本市教育委員会「実施状況(最終)」各年度版(令和9年度採用は令和8年10月2日公開)

小学校:5年間ずっと1.2〜1.5倍。倍率の面では門戸が広い区分です。ただし後述のとおり、熊本市の小学校は令和6年度〜8年度採用で採用予定を最終合格者が下回っており(令和9年度採用は148人程度に対して148人)、「入りやすいけれど、基準を満たさないと採らない」試験です。

中学校・高等学校:3.2倍→2.1倍→2.1倍→2.6倍→2.4倍。教科によって大きく違うので、次の教科別の表を見てください。

養護教諭:令和5年度〜8年度採用は4.5〜8.7倍、令和9年度採用は16.8倍(採用予定4人程度・最終合格4人)で、熊本市で最も厳しい区分の一つです。志願者は毎年64〜83人と安定しているのに、採用予定が4〜14人と年によって3倍以上変動するため、倍率が大きく揺れます。養護教諭を志望する方は、まず受験する年度の採用予定人員を確認してください。

栄養教諭:採用予定1〜6人の少人数枠。令和9年度採用は1人程度に対して志願23人(志願倍率23.0倍)と一気に厳しくなり、最終倍率も20.0倍(一次受験20人・最終合格1人)でした。

中学校・高等学校の教科別 最終倍率(令和5年度〜9年度採用)

教科令和5年度令和6年度令和7年度令和8年度令和9年度
国語1.41.31.31.41.2
社会3.72.82.14.12.7
数学3.01.61.41.41.9
理科2.81.51.21.81.8
音楽6.02.62.97.03.2
美術8.02.01.62.32.2
保健体育7.45.85.57.75.7
技術1.52.01.52.03.0
家庭1.31.61.51.51.5
英語2.41.52.02.41.6

※単位は「倍」。最終倍率=一次受験者数÷最終合格者数。令和8年度採用までは中高に「特別支援教育推進」区分が別にあり、この表の教科には含みません(令和9年度採用から一般区分に統合)。令和9年度採用の最終合格は数学8人(採用予定14人程度)・家庭2人(同5人程度)で、ほかの教科は採用予定と同数でした。
出典:熊本市教育委員会「実施状況(最終)」各年度版(令和9年度採用は令和8年10月2日公開)

5年間を通して見ると、保健体育だけが一貫して5倍以上(令和9年度採用は5.7倍)で突出しています。逆に国語(1.2〜1.4倍)・家庭(1.3〜1.6倍)は安定して低い。社会は2.1〜4.1倍、音楽は2.6〜7.0倍の範囲で変動しており、これは採用予定人員の増減が主な要因と考えられます(社会は令和8年度採用が8人程度→令和9年度採用は18人程度、音楽は2人程度→5人程度)。実際、令和9年度採用の最終倍率は社会4.1倍→2.7倍、音楽7.0倍→3.2倍に下がりました。

倍率は自分の力ではどうしようもないものです。倍率の数字だけを見て一喜一憂するより、自分の教科で今年何人採るのかを見るほうが、状況をつかみやすいですよ!

熊本市の本当の関門は「二次」|第二次選考試験の倍率

熊本市の「実施状況(最終)」には第二次選考試験の受験者数も載っているので、二次だけの倍率が計算できます。

採用年度一次受験者一次合格者一次倍率二次受験者最終合格者二次倍率
令和5年度663人496人1.3倍465人285人1.6倍
令和6年度559人450人1.2倍425人314人1.4倍
令和7年度474人413人1.1倍391人262人1.5倍
令和8年度480人363人1.3倍341人208人1.6倍
令和9年度551人431人1.3倍405人249人1.6倍

※一次倍率・二次倍率は私が算出(一次倍率=一次受験者数÷一次合格者数、二次倍率=二次受験者数÷最終合格者数)。
出典:熊本市教育委員会「実施状況(最終)」各年度版(令和9年度採用は令和8年10月2日公開)

数字にすると、熊本市の構造がはっきりします。一次は約7.5〜9割が通り、二次で3割前後(年により2.6〜3.9割)が落ちる。しかも実施要項には「第二次選考試験の合否判定には、第一次選考試験の結果を加味しない」と明記されています。筆記の貯金はゼロで二次に臨むということです。

令和9年度採用の二次の配点は論文40点(免除区分Dを除く)・実技60点(幼稚園と中高の音楽・美術・保健体育のみ)・模擬授業等60点・個人面接(2回実施)150点。模擬授業と個人面接だけで210点です。熊本市の対策は、極端に言えば「二次対策がすべて」。何が聞かれるかは、実際に受験した方の報告をまとめた記事で確認してください。

■ 熊本市の二次試験|模擬授業+個人面接2回(場面指導つき)の内容・日程・出題傾向
■ 熊本市の論文(小論文)|二次で課される40点の過去5年テーマと書き方

令和9年度採用 第二次選考試験の結果について

令和9年度採用の第二次選考試験の合格発表は、実施要項では「9月中旬までに熊本市ホームページに掲載し、受験者全員に結果を通知する」とされていましたが、実際の合格発表は令和8年10月2日(金)でした(要項の日程から変わった理由は、令和8年熊本地震にともなう二次の延期とする熊本市教育委員会のお知らせ・2026年8月26日更新による。公表資料では未確認です)。同じ日に「実施状況(最終)」も公開されています(二次受験405人・最終合格249人・最終倍率2.2倍。この記事の「令和9年度採用の最終結果」を参照)。合格者の受験番号は熊本市ホームページに掲載され、受験者全員に結果が通知されます。不合格者には、試験内容ごとの得点・総合得点・合格最低点・試験内容ごとの基準点が通知されます。

一次免除ルートが倍率に与える影響

熊本市の倍率を読むときに見落とせないのが、第一次選考試験が免除される受験者が含まれていることです。実施要項にはA〜Hの8つの免除区分があり、一次受験者数・一次合格者数にはこれらの免除者が内数で含まれています。

A 熊本市臨時的任用教員等令和8年5月1日時点で熊本市立学校の常勤講師・養護助教諭・育児休業代替任期付教員・学校栄養職員として任用されており、令和3年4月1日〜令和8年4月30日に通算12か月以上の勤務経験がある人 →一次全免除
D 他県等現職正規教員・元正規教員国公立学校(熊本県公立学校・熊本市立学校を除く)の任期の定めのない正規教員として現に勤務し、令和9年3月31日までに受験する同校種・職種・同教科で通算36か月以上になる人(元正規教員は令和8年4月30日までに同条件を満たす人。熊本県公立学校の現職正規教員は志願できません) →一次全免除+二次の論文も免除(令和9年度採用から論文免除が追加)
E 前年度第一次選考試験合格者令和8年度採用の同じ校種・職種・教科の一次を受験して合格し(一次を全免除された人は対象外)、二次も受験して名簿登載にならず、令和8年5月1日時点で熊本市の臨時的任用教員等として任用されている人 →一次全免除(令和9年度採用のみ有効)
F 大学等推薦者小学校/中高(国語・数学・理科・美術・家庭・英語)。「大学等推薦制度実施要項」により大学等から推薦を受け、免除の対象と認定された人 →一次全免除。
G 国公立学校臨時的任用教員小学校/中高(国語・数学・理科・美術・家庭・英語)。国公立学校の臨時的任用教員・任期付採用教員(短時間勤務を除く)として、令和3年4月1日〜令和8年4月30日に受験する同校種・職種・同教科で通算36か月以上 →一次全免除。
H 前年度大学3年生チャレンジ第一次選考試験通過者令和9年度採用から新設。大学3年生チャレンジ選考(令和7年度実施)で受験した校種・職種・教科と同一で受験し、その一次選考を通過した人(小学校・中高・養護・栄養) →一次全免除(令和9年度採用のみ有効)。
B 熊本市以外の国公立学校(熊本県公立学校を含む)の正規/臨時的任用教員(令和3年4月1日〜令和8年4月30日に同一の任命権者で通算36か月以上)
C 民間企業等勤務経験者(平成28年4月1日〜令和8年4月30日に同一の企業等で継続36か月以上)・青年海外協力隊員(同期間に24か月以上派遣)
いずれも教職科目を免除し、専門教科等のみ受験

※出典:令和9年度(2027年度)熊本市立学校教員採用選考試験実施要項「4 第一次選考試験の全免除又は一部免除、第二次選考試験の一部免除」

公表されている一次免除者の人数は、令和5年度採用の126人(第一次選考試験免除者および特別選考志願者の合計。一次受験663人の約19%)が、令和9年度採用までの公表資料で確認できる人数です。令和6年度採用以降は「免除者を含む」という注記のみで人数の内訳は公表されていません。

つまり令和5年度採用の公表値では、一次免除者と特別選考志願者の合計が一次受験者の約19%を占めていました(令和9年度採用の割合は未確認です)。この人たちも一次合格者に数えられるので、「一次倍率1.3倍」という数字は、一般選考で筆記を受ける人にとっての実感よりやや緩めに見えている可能性があります。とはいえ、その分だけ二次の競争が濃くなるという構造は変わりません。

8つの免除区分の要件、大学3年生チャレンジ選考の仕組み、加点制度(複数校種免許3点・特別支援学校免許6点・英語資格3点・司書教諭3点)は、専用記事で詳しく整理しています。

■ 熊本市の特別選考と一次免除ルートA〜H|大学3年生チャレンジ・講師・他県現職・加点制度

倍率との付き合い方|「例年より高い」と感じたときに

ここまで見てきたように、熊本市の倍率は「志願者の増減」よりも「採用予定人員」で動く傾向があります。つまり自分の力では変えられない要因です。私自身は、倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と前向きに捉えるようにしています。そのうえで、自分がコントロールできる準備に集中していきましょう。1分のショート動画にまとめています。

そして合格できない人には、校種ごとに傾向があります。小学校は「厳しさと優しさのメリハリがない」「ユーモアと臨機応変さがない」「暗くて元気がなさそう」の3つ、中高は「人間性と教科の専門性のどちらかが欠けている」場合が多い、というのが私の印象です。

よくある質問

Q. 熊本県の倍率とは別ですか?

A. まったく別です。熊本市立学校の教員は熊本市教育委員会が独自に採用選考を実施しているため、この記事の数字に熊本県分は一切含まれていません。逆に、熊本県が公表する志願状況・実施状況にも熊本市分は含まれていません(文部科学省の実施状況調査でも「熊本県」と「熊本市」は別々に集計されています)。

Q. 最終合格者が採用予定より少ないのはなぜですか?

A. 熊本市には試験内容ごとの基準点があり、一つでも下回れば不合格になるためだと考えられます(実施要項「8 配点及び基準点」)。令和9年度採用は採用予定258人程度に対して最終合格249人(届かなかったのは中高の数学・家庭)、令和8年度採用は256人程度に対して208人、令和7年度採用は314人程度に対して262人でした。「志願者が少ない教科でも、基準に届かなければ採らない」ということです。倍率が低い区分でも、油断はできません。

Q. 「補欠」はありますか?

A. 実施要項に「補欠者」という制度の記載はありません。かわりに、第二次選考試験に合格した人は「熊本市立学校教員採用候補者名簿」に登載され、名簿登載期間は令和10年4月1日までとされています。また、育児休業代替任期付教員の選考を申請した人は、名簿に登載されなかった場合でも「熊本市育児休業代替任期付教員採用候補者名簿」に登載されることがあります(栄養教諭志願者を除く)。任期付教員の申請の有無は合否に関係しません。

Q. 一次の合格ラインは公表されていますか?

A. 事前には公表されていません。ただし不合格者には、試験内容ごとの得点・総合得点・合格最低点・試験内容ごとの基準点が通知されます(実施要項より)。基準点は「各試験内容の配点の4割。ただし平均点が配点の4割より低い場合は平均点」。一次は専門教科等100点・教職科目40点なので、専門40点・教職16点が最低ラインの目安になります(平均点次第で変動)。

Q. 志願倍率が1倍を切っている教科は、受ければ受かりますか?

A. いいえ。令和9年度採用の中高家庭は採用予定5人程度に対して志願3人(0.6倍)でしたが、一次受験3人に対して一次合格は2人でした。基準点に届かなければ不合格になります。「倍率が1倍を切っている=全員合格」ではありません。倍率の低い教科こそ、基準点を確実に超える準備をしてください。

Q. 令和9年度採用の最終結果はどうなりましたか?

A. 第二次選考試験の合格発表は令和8年10月2日(金)に行われました(実施要項では「9月中旬まで」とされていました)。同じ日に熊本市教育委員会の「実施状況(最終)」も公開され、一次受験551人・二次受験405人・最終合格249人・最終倍率2.2倍(前年2.3倍)でした。校種別では小学校1.5倍・中学校・高等学校2.4倍・養護教諭16.8倍・栄養教諭20.0倍です。教科別の数字はこの記事の表をご覧ください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」「模擬授業で何を選んだか」「論文に何が出たか」は受験した方の報告でしか集まりません。熊本市の実録は、令和8年10月時点で3名分です。熊本市を受験された方は、ぜひこれから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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