【教員採用試験】愛知県の願書「自己アピール」の書き方|面接2回で深掘りされる欄を実録から逆算

こんにちは、金井志津乃です! 

愛知県の願書に「自己アピール」欄があるんですけど、何を書けばいいんでしょう? 面接で聞かれるって聞いたけど、どこを聞かれるのか分からなくて……

愛知県の二次は15分の面接を別々の面接官で2回やりますが、2回とも「自己アピールに書いたこと」から深掘りされたという報告があります。実は私も新卒で愛知県を受けていて、そのときの自己PRをこの記事で公開しますね!

この記事では、愛知県公立学校教員採用選考試験の願書(次紙)「自己アピール」欄について、受験者19名の面接報告から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則と実例をまとめます。

この記事の根拠

  • 提出の仕組み・時期は令和9年度採用の受験案内と照合済み
  • 令和6年度〜8年度採用の受験者19名の個人面接報告から、願書・自己アピール・経験に関する質問32件を整理(個人が特定できる表現は一般化)
  • 書き方の原則は、志願書の書き方を解説した私の動画でお話ししている注意点を土台にしています。掲載する自己PRは私自身が愛知県を受験したときのもの。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

愛知県の「自己アピール」欄|30秒でわかる仕組み

何に書く受験票と同時にダウンロードする願書(次紙)の「自己アピール」欄。受験票と同じ顔写真を貼付。
いつ手に入る令和9年度採用の出願期間(2026年4月24日午前10時〜5月8日午後5時)のあと、6月1日頃に受験票と一緒にダウンロード(あいち電子申請・届出システム)
いつ出す第1次試験当日(令和9年度採用は6月13日)に持参して提出。写し1部も一緒に。第1次試験免除者は6月13日消印有効で郵送。
出さなくていい人大学3年生等前倒し特別選考(12-1)で一次だけ受ける人。翌年、二次から受けるときに提出。
誰が読む第2次試験の個人面接(15分×2回)の面接官が参照するとみられます(受験案内に記載はなく、受験者報告にもとづく推測です)。受験者の報告では、1回目と2回目は別室・別の面接官(各回3人)。
どう使われる受験者報告:「願書に書いた内容から数点質問された」「(願書より)志望動機を2回とも聞かれた」「(自己PRより)今までの仕事でどんな力を身につけたか」

※出典:令和9年度採用 受験案内「第3-2 出願時に作成・準備する書類等」「第2-1 第1次試験 持参品」
字数・様式は年度の様式で確認してください。

ポイントは、令和9年度採用の場合、ダウンロードできるのが6月1日頃で提出が6月13日という「書ける期間が2週間弱」だということ。出願が終わって一安心したところで、筆記の追い込みと同時に自己アピールを書くことになります。出願時点で下書きを完成させておくことを、愛知県対策としておすすめします。

面接で聞かれた「自己アピールに関連しそうな質問」|受験者19名の報告から

愛知県を受験した方々の面接報告を読むと、願書に書いた内容の深掘りと思われる質問が目立ちました。報告を、聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴などが特定できる表現は一般化しています)。

パターン① 志望動機を「経験を踏まえて」(2回とも)
  • 志望動機を、これまでの経験を踏まえて述べてください。(1回目・2回目ともに同じ質問)
  • 教員を目指す理由を、自身の経験を踏まえて述べてください。
  • 教職への志が固まった経験を踏まえて、志望理由を教えてください。
  • (志望理由にキャリア教育を書いていたため)キャリア教育という教科はないが、どのように指導していきたいですか。
パターン② 長所・短所→「教育にどう生かすか」
  • 長所と短所は何ですか。教育にどう生かされますか。
  • 教員として生かすことができる長所、短所を教えてください。→長所について具体的に教えてください。
  • 短所を克服するために努力していることを教えてください。
  • 教員目線での自分の強みと弱みを教えてください。
  • 愛知県があなたを採用するメリットは何ですか。
パターン③ 経験の深掘り→「何を学び、今どう生きているか」
  • 大学で一番頑張ったことは何ですか。→そこから何を学びましたか。→それは今、生かされていますか。
  • 大学生活について教えてください。(その他、願書に書いた内容から数点質問)
  • 部活動から得たことは何ですか。→部活動指導で伝えたいことは何ですか。
  • 卒論の内容を詳しく教えてください。
  • (自己PRより)今までの仕事で、どのような力を身につけましたか。
  • これまでの仕事の経験を踏まえて、どのような生徒を育てたいですか。→これまでの仕事と教師の仕事の違いは何ですか。
  • 学校現場での勤務で大変だったことは何ですか。

3つのパターンに共通するのは、面接官が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いているように見えることです。長所を書けば「教育にどう生かすか」、経験を書けば「何を学び、今どう生きているか」、志望動機を書けば「その経験を踏まえて」。自己アピールは、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所なのです。

志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、のいずれかになりやすいです。「ここを突っ込んでほしい」ものを2〜3個に絞って書く。これが種の撒き方です。

②突っ込み質問を考えながら書く

アルバイトの経験を書く場合は、「その経験から何を学び、学校でどう生かしますか」など、記入内容への質問を想定して準備してください。卒論のテーマを書けば「その研究を学校にどう生かしたいか」。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえにくくなります。逆に「書くか書かないか選べないこと」は、突っ込まれたときの答えを事前に考えておくのがベストです。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を書き、自己アピールでも「受容性・傾聴力・協働力」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になることがあります。授業力と生徒指導力、志望動機と自己アピールで補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

④項目の意図を正確に読む

愛知県の欄は「自己アピール」の一語ですが、そこに「学校でどう生かせるか」まで含めて読むことをおすすめします。自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るため。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

愛知県は印刷した願書(次紙)に記入して提出します。上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、何人かに読んでもらうことをおすすめします。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した志願書ほど、どんな面接官にも魅力が伝わるものになります。

実物公開|私が新卒で愛知県を受けたときの自己PR

ここからは実物で解説します。私が大学4年生のとき、新卒で愛知県の教員採用試験を受けたときの自己PRです。当時のままなので、少し硬いのはご容赦ください。

私の長所は、向上心、行動力、社交性です。学校現場で教員として即戦力となるために、これらの長所を生かし、下記のことを実践してきました。一つは、小学校・中学校・高校における教育ボランティアに積極的に参加し、生徒指導力を高めてきました。もう一つは、仲間を募って模擬授業の練習会を企画し、授業力の向上に努めてきました。今後も、子どもの才能を伸ばし、予測困難な時代をたくましく切り拓く人材を育成するために尽力いたします。

「ありきたり」に見えますよね。でも一文ずつに意図があります。

文意図
1文目:長所は向上心、行動力、社交性結論から。3つのバランスが肝心。「向上心」は内に湧くもの、「行動力」は形にできる人という印象、そして「社交性」は言わないと分からないこと。私はスパッと話すタイプで「人と協力できるのか」と思われやすいので、それを補うために最後に置きました。
2文目:即戦力となるためにこれから書く行動の「なぜ」。長所を生かして何かをした、ではなく「即戦力になるためにやってきた」と目的を明記。
3文目・4文目:教育ボランティア/模擬授業の練習会具体的な行動。ただし細かく書き切らず、「どんなボランティア?」「なぜ練習会を企画したの?」と突っ込みたくなる抽象度で止めています。ここが「種」です。
5文目:予測困難な時代を切り拓く人材を育成教育の目的で締める。自己PR全体が「この教育をするために、この力を培った」という一本の線になります。

「こんなありきたりな自己PRでいいんですか?」とよく聞かれます。いいんです。どんなに表向きがきれいでも、掘り下げたら中身が薄ければ終わり。逆に表向きは普通でも、どこを掘られてもその人の経験と本気が出てくるなら、面接の間にその人の良さが伝わります。奇抜さより、等身大の自分を磨いておくことです。

この自己PRの解説は、大学講演の動画でワークつきでお話ししています。「言わなくても分かることに字数を使わない」という話も、ここで詳しく。

「言わないと分からないこと」に字数を使う

私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。自分がどんな第一印象を持たれやすいかを知ったうえで、そこで生まれる不安を先回りして埋める。それが「言わないと分からないこと」です。

アルバイト・前職の経験は「学校で生きる形」にして書く

レストランのアルバイトも、前職の営業も、書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。

なお「家庭の事情で愛知県に」といった志望理由は、書いてもいいけれど優先順位は低め。さらっと触れる程度にして、主軸は「愛知県の教員としてどんな教育をしたいか」に置くことをおすすめします。面接官が知りたいのはそこだと考えられます。

愛知県向けに着地させる|求める教師像と2分間スピーチ

自己アピールの最後の一文(教育の目的)は、愛知県が受験案内で示す教師像に着地させると一貫しやすくなります。特に注目は「実行力に富み、粘り強さがある人」。令和8年度採用の面接では、この教師像をテーマにした「経験も交えて2分間でスピーチしてください」という報告がありました。自己アピールに書いた経験が、そのままスピーチの材料になります。

愛知が求める教師像(受験案内より)
  • 児童生徒に愛情をもち、教育に情熱と使命感をもつ人
  • 高い倫理観をもち、円満で調和のとれた人
  • 広い教養と豊富な専門的知識・技能を備えた人
  • 実行力に富み、粘り強さがある人
  • 組織の一員としての自覚や協調性がある人
  • 明るく、心身ともに健康な人

面接の評価の観点は「積極性、表現力、責任感、協調性、適応性、社会性等」の観点(受験案内より)。自己アピールに書く長所は、この観点(受験案内は「等」とあり、挙げた6つに限りません)のどれかに対応させると、面接官の評価軸に乗りやすくなります。

実録には「愛知県があなたを採用するメリットは何ですか」という質問もありました。自己アピールを一文に圧縮したら、この質問の答えになる。それが自分の経験から出た一文なら、どこを掘り下げられても魅力が出てきます。

書いたあとにやること|深掘りツリーと第一印象

自己アピールを書き終えたら、一文ごとに「聞かれそうな質問→自分の答え→さらに深掘り→答え」の深掘りツリーを面接ノートに作ります。愛知県では2回の面接で同じ質問が来たという報告があり、1回目で撒いた種が2回目でも回収される場合があります。実際に聞かれた質問は面接記事に約200問あります。

■ 愛知県の個人面接|実録3年分の質問と5年間の出題傾向(15分×2回の攻略法)

そして最後は第一印象です。自己アピールがどれだけ良くても、面接室での「見た目・声・話し方」で印象が大きく左右されます。緊張はデフォルト。声は大きければいいわけではなく、今聞かれている質問と自分が話すことに集中すると震えが消えます。

よくある質問

Q. いつまでに書けばいいですか?

A. 令和9年度採用の場合、願書(次紙)は6月1日頃に受験票と一緒にダウンロードでき、第1次試験当日(6月13日)に持参して提出します。実質2週間弱しかないので、出願(4月下旬〜5月上旬)の段階で下書きを完成させておくことを強くおすすめします。一次免除の方は6月13日消印有効で郵送です。

Q. 大学3年生の前倒し受験でも書きますか?

A. 書きません。令和9年度採用の受験案内では、3年生で一次だけ受ける人は願書(次紙)の提出が不要です。翌年、二次から受けるときに提出します。ただし3年生のうちに土台を作っておくと、4年生の春に慌てずに済みます。前倒し選考の仕組みは特別選考の記事にまとめています。

■ 愛知県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・講師経験者・現職・補欠者・加点制度

Q. 講師をしています。何を書けば強いですか?

A. 現場での実践です。賞や研究発表でなくて構いません。「4月にこうだった子が、こう関わったらこう変わった」「この課題意識でこんな授業をしたら、子どもの反応がこうだった」。実体験で語れる実績は講師ならではの種で、面接官はそこを掘ってくることがあります。報告にも「学校現場での勤務で大変だったことは何ですか」という質問がありました。

Q. 志望動機と自己アピールは分けて考えるべき?

A. 一本の線で考えてください。志望動機が「教育の目的」、自己アピールが「その目的のために培った力・経験=手段」。この関係が見えると、面接官は「目的に向けて努力できる人だ」と感じやすくなります。愛知県の受験者からは、2回の面接どちらでも「志望動機を経験を踏まえて」と聞かれた報告があるので、この線が太いほど強いです。

Q. 提出した文章をそのまま面接で話せばいいですか?

A. 少し変えてください。文字は構造を見ながら読めますが、音声は一度聞いただけで理解してもらう必要があります。書き言葉では省いた主語や言葉を、話すときはあえて足す。暗記した文章を読み上げると思いが乗らないので、聞き取りやすい言葉に置き換えて、感情を込めて話しましょう。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

「自己アピールのどこを聞かれたか」は、受験した方の報告でしか分かりません。愛知県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

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