こんにちは、金井志津乃です!

大阪市って、大学推薦とか教師養成講座とか、一次が免除になるルートがいくつもあるんですよね? 自分がどれに当てはまるのか、受験案内を読んでも正直わからなくて……。

大阪市は選考区分が6種類、第1次選考の特例が7種類、加点が9種類。制度の多い自治体です。しかも大阪市はルート別の合格率まで公表してくれています。まず全部を早見表で並べて、そのあと主流のルートだけ深掘りしていきましょう!
この記事の根拠
- 令和9年度採用の受験案内(全36ページ)の条文をそのまま整理(選考区分・特例・加点・合否判定方法・採用までの経過)
- 大阪市教育委員会が公表する「特例別結果表」2年分(令和7・8年度採用)から、ルートごとの最終合格率を掲載
- 大阪市は大阪府・堺市・豊能地区とは完全に別実施。この記事は市の制度だけを扱います。
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表①|選考区分(出願時に1つ選ぶ)
大阪市はまず「選考区分」を選びます。選考区分は6種類。ここで選んだ区分によって、受けるテストの中身が変わります。
| 選考区分 | 対象 | テスト内容の違い |
|---|---|---|
| 一般選考 | 受験資格①〜④を満たす人 | 第1次=筆答+個人面接(約10分)/第2次=筆答+実技(幼稚園系と中学校の英語・美術・音楽・保健体育のみ)+個人面接(約15分、中学校(特別支援学級)は約30分。場面指導あり) |
| 障がい者対象選考 | 身体・精神・療育の各手帳、または公的機関の判定書の交付を受けている人 | テスト内容は一般選考と同じ。採用予定数は約20人。障がいの程度に応じて実技の一部免除・振替あり。受験時の配慮(手話・筆談・車椅子・点字・拡大文字等)を出願時に申請できます。 |
| 大学院進(在)学者対象選考 | 令和7・8年度採用の小学校または中学校に合格後、大学院進(在)学を理由に辞退届を提出し、令和9年度の該当者として受理された人。令和8年度中の大学院修士課程等修了と、令和9年4月1日までの指定校種教科等の専修免許状取得が必要(中学校・特別支援学級は特別支援学校教諭一種を含む)。辞退時に指定された年度・校種教科等で改めて出願する。 | 第1次選考の全てと第2次選考の筆答・実技を免除し、第2次の面接テストのみ |
| スペシャリスト特別選考 | 中学校(数学・理科・技術)で普通免許状を持たない/取得見込みがない人のうち、出願時点で博士の学位を有し、受験教科の分野における高度な専門知識・経験又は技能を有する人、または出願時点で修士の学位を有し、大学・企業・研究機関等で受験教科に相当する専門分野の研究・開発にかかる勤務経験等が令和8年4月30日までに通算3年以上あり、高度な専門知識・経験又は技能を有する人 | 第1次の筆答が択一式に代えて論文試験(90分)。その他は一般選考と同じ。採用予定数は若干名。合格後、大阪府教育委員会の教育職員検定を経て特別免許状が授与されます。 |
| 教諭経験者特別選考 | 大阪市立の学校園、または大阪市立以外の国公私立の学校園で、正規任用の教諭等として通算2年以上の在職経験がある人(大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の採用選考に合格し正規任用で在職中の人は除く) | 第1次の筆答と、第2次の筆答・実技を免除。第1次・第2次とも面接テストのみ(第2次の個人面接は約20分)。 |
| 大学3年次前倒し特別選考 | 大阪市を第一志望とし、令和8年度に大学3年次等となり令和9年度中に卒業見込みの人(免許は令和10年4月1日までに所有見込み/昭和41年4月2日以降の出生) | 第1次選考の筆答テストのみ。一定の基準を満たす人を合格とします。 |
※出典:大阪市教育委員会「令和9年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト受験案内」3.選考区分。
大学院進(在)学者対象選考・スペシャリスト特別選考・教諭経験者特別選考・大学3年次前倒し特別選考で出願する場合、後述の「特例」は「なし」を選択します(併用不可)。
年齢要件は原則として昭和40年4月2日以降の出生です(大学3年次前倒し特別選考は昭和41年4月2日以降)。令和9年度採用から年齢制限が緩和されました(受験案内「今年度の主な変更点」)。国籍は問いません(日本国籍を有しない人は「任用の期限を附さない常勤講師」に任用され、職名は教諭(指導専任)となります)。
早見表②|第1次選考における特例(7種類)
選考区分が「一般選考」または「障がい者対象選考」の人は、さらに「第1次選考における特例」を選べます。ここが大阪市の勝負どころです。
| 特例 | 対象 | 第1次選考の扱い |
|---|---|---|
| 大学推薦特別選考特例 | 小学校、中学校(国語・数学・理科・美術・技術・家庭・英語)で、課程認定を受けている大学・大学院から推薦を受けた人 | 合格者は第1次選考を免除(=二次から) |
| 教職大学院推薦特別選考特例 | 幼稚園、幼稚園・小学校共通、小学校、中学校(全教科等)、養護教諭(幼)、養護教諭(小中)で、文部科学省が認可した教職大学院から推薦を受けた人 | 合格者は第1次選考を免除 |
| 大阪市教師養成講座修了者特例 | 令和7年度の大阪市教師養成講座を修了した人 | 修了した校種教科等の第1次選考を免除 |
| 前年度大学3年次前倒し特別選考合格者特例 | 令和8年度採用テストの大学3年次前倒し特別選考で第1次選考筆答テストに合格し、在学証明書が受理された人 | 第1次選考で筆答テストを免除し、面接テストのみ |
| 大阪市立学校園現職講師特例 | 令和8年4月1日以降の出願時点で、大阪市立の学校園において常勤講師・非常勤講師・習熟等担当講師(週30時間)・栄養職員として在職している人 | 第1次選考で筆答テストを免除し、面接テストのみ。さらに面接テストの点数に、出願時点の在籍校園での評価を反映。 |
| 社会人経験者特例 | 令和3年4月1日〜令和8年4月30日に、法人格を有する民間企業・官公庁等での正社員/正規職員としての勤務経験が通算2年以上ある人(青年海外協力隊等の活動経験2年以上も対象)。ただし、教諭経験者特別選考・大阪市立学校園現職講師特例・講師等経験者特例に該当する期間は含みません。 | 筆答テストのうち思考力・判断力を測る問題のみを解答(試験時間70分) |
| 講師等経験者特例 | 国公私立の学校園で、教諭・常勤講師・非常勤講師・普通免許状を必要とする会計年度任用職員等として、令和3年4月1日〜令和8年4月30日に通算2年以上の在職経験がある人。ただし、教諭経験者特別選考・大阪市立学校園現職講師特例の該当者、および大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の採用選考に合格して正規任用の教諭等として出願時点で在職する人は対象外。 | 筆答テストのうち思考力・判断力を測る問題のみを解答(試験時間70分) |
※出典:同受験案内 4.第1次選考における特例。
契約社員・派遣社員等は「正社員/正規職員」に当たらず社会人経験者特例の対象外です。期間の算定は「その月に1日でも勤務等があれば1か月、12か月で1年」です。ただし同じ月は重複算入できず、休業・休職等で実質上勤務していない期間は含みません。第2次選考の合格者には職歴証明書(市の指定様式)の提出が求められ、要件を満たさないことが明らかになった場合はテストで得た資格を失います。

令和9年度採用の受験案内を整理すると、一次がまるごと免除されるのは3つ——大学推薦・教職大学院推薦(いずれも推薦選考の合格者)・教師養成講座修了。筆答だけ免除されるのが2つ——現職講師特例・前年度3年次前倒し合格者特例。筆答の範囲が狭くなるのが2つ——社会人経験者・講師等経験者。この「3・2・2」で覚えると迷いませんよ!
実績で見る|ルート別の最終合格率(令和7・8年度採用)
大阪市は結果概要で「特例別結果表」を公表しています(令和7〜9年度採用分を確認)。同じ年の同じ試験で、ルートによって最終合格率がどれだけ違うか——これが一目でわかる、非常に貴重な資料です。
| ルート(特例) | 令和7年度採用 | 令和8年度採用 | ||
|---|---|---|---|---|
| 受験→合格 | 合格率 | 受験→合格 | 合格率 | |
| 大学推薦特別選考特例 | 136→101人 | 74.3% | 107→86人 | 80.4% |
| 教職大学院推薦特別選考特例 | 4→3人 | 75.0% | 9→7人 | 77.8% |
| 大阪市教師養成講座修了者特例 | 159→111人 | 69.8% | 154→115人 | 74.7% |
| 前年度大学3年次前倒し合格者特例 | 制度なし | — | 132→73人 | 55.3% |
| 大阪市立学校園現職講師特例 | 770→214人 | 27.8% | 811→383人 | 47.2% |
| 特例なし | 770→260人 | 33.8% | 598→277人 | 46.3% |
| 社会人経験者特例 | 40→5人 | 12.5% | 44→16人 | 36.4% |
| 講師等経験者特例 | 82→14人 | 17.1% | 54→12人 | 22.2% |
| 総計 | 1,961→708人 | 36.1% | 1,909→969人 | 50.8% |
※出典:大阪市教育委員会「令和7年度/令和8年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト結果概要」6.特例別結果表。
合格率=最終合格者÷受験者(第1次受験者と第1次選考免除での第2次受験者の合計)。令和7年度の「前年度大学3年次前倒し」は、制度の開始前のため欄がありません。
令和9年度採用(2026年夏実施)の第1次選考免除者は、大学推薦65人・教職大学院推薦7人・教師養成講座修了171人・大学院進(在)学者3人の計246人(第2次選考の受験予定者としての人数)でした。第2次選考の受験予定者1,547人のうち約16%が、この免除ルートで二次から参戦する予定でした(大阪市教育委員会「令和9年度 第2次選考受験予定者」。実際に第2次を受験した免除者は223人)。
ここから先は、受験者数が多い=多くの人が実際に使っている主流ルートを順に見ていきます。
主流ルート①|大阪市教師養成講座(最終合格率74.7%)
大阪市を目指すなら、まず知っておきたいのがこの講座です。修了すると翌年度のテストで第1次選考が免除されます。令和9年度採用の受験案内の巻末には、令和8年度の講座の募集要項(すでに募集終了)が掲載されています。次年度の講座の日程・定員・受講料などは変わる可能性があるため、必ず次年度の募集要項で確認してください。
| 募集人数 | 約220名(小学校・中学校・養護教諭) |
| 受験資格 | ①大阪市の採用選考テスト(小学校・中学校・養護教諭)を受験予定の人 ②令和10年3月31日までに該当の普通免許状を取得見込み、または取得済みの人(例:令和8年4月時点で短期大学1回生、大学3回生以上、現在講師として勤務している人など) ③過去に修了していない人(校種・教科が違っても、一度修了した人は受講できません) |
| 出願期間 | 令和8年3月2日(月)10時〜4月9日(木)17時(電子申請のみ) |
| 選考方法 | 面接選考テストの得点により判定(面接日:令和8年5月15日(金)〜16日(土)のいずれか1日)。結果は令和8年6月1日(月)10時から大阪市総合教育センターHPに掲載+郵送。 |
| 受講料 | 年間25,000円(保険料を含む)。交通費・教材費・郵送費・学校現場実習(希望者のみ)の経費は自己負担。 |
| 講座期間 | 令和8年6月28日(日)〜令和9年1月31日(日)の7か月間(全8日間・全15講座+閉講式。原則として日曜日に開催) |
| 内容 | 「授業づくり」「子ども理解」の2つを柱に、講義や少人数での研究協議 |
| 修了要件 | 受講記録シート・模擬授業の内容・出席状況等により判定。出席率は80%(全15講座中12講座)以上。 |
| 特例 | 修了証書を授与された人は、翌年度に実施されるテストを受験する場合に限り、受講した校種・教科の第1次選考が免除されます。 |
※出典:受験案内P33「令和8年度 大阪市教師養成講座 受講生募集」。
令和9年度採用の特例は受験案内P5に、令和10年度採用の特例は講座募集ページに示されています。対象年度が異なり、令和10年度採用のテストでは、教科専門・実技が第1次選考に移ると令和7年12月24日の報道発表で予告されています。受験案内P5は「令和7年度大阪市教師養成講座を修了した人は、修了した校種教科等の第1次選考を免除します」、講座の募集ページは「受講した校種・教科の第一次選考[筆答(教養・教科専門)、実技、面接]を免除します」と表記されています。いずれも第1次選考が免除される点は同じですが、正確な範囲は出願年度の受験案内で必ず確認してください。

ここ、見落としがちな注意点が2つあります。①受講には面接選考がある(誰でも入れる講座ではありません)。②一度修了すると再び受講できない(令和8年度の募集要項では、校種や教科を変えても同じです)。つまり「勝負をかける年の1年前に受ける」のがおすすめです。大学3回生・短大1回生・講師の方は、ぜひカレンダーに入れておいてください。
講座の柱が「授業づくり」と「子ども理解」で、修了判定に模擬授業が入っているのも見逃せません。二次の場面指導は、受験案内では「幼児児童生徒への指導や、保護者への対応等を評価するもの」とされており、「子ども理解」とも重なると考えられます。免除の資格を取りに行くことが、二次対策にもつながる可能性があります。
主流ルート②|大学推薦特別選考(最終合格率80.4%)
数字だけを見れば、令和8年度採用では特例別で最も合格率が高いルートです(令和7年度採用は教職大学院推薦特別選考75.0%が、大学推薦74.3%をわずかに上回りました)。令和8年度採用は107人が受験して86人が最終合格(80.4%)。倍率に直すと1.2倍です。
| 対象校種教科 | 小学校/中学校の国語・数学・理科・美術・技術・家庭・英語(受験案内P5に列挙があるのは上記の教科のみです。社会・音楽・保健体育・特別支援学級の記載はありません) |
| 要件 | 小学校教諭または中学校教諭の普通免許状(一種または専修)取得のための課程認定を受けている大学・大学院からの推薦 |
| 手続き | 大学を通じて推薦書等を送付してもらったうえで、自分でも電子申請により出願する(両方必要)。 |
| 合格した場合 | 第1次選考が免除され、第2次選考から受験 |
| 不合格だった場合 | 第1次選考の免除が認められなかった出願者として、通常どおり第1次選考(筆答・面接)を受験します。 |
| 注意 | 推薦を受けられる人数や学内の選考の有無・方法は、大学ごとに異なると考えられます。詳細は別冊の「大学推薦特別選考実施要項」(大阪市教育委員会HP)と、在籍大学の教職課程窓口で確認してください。 |
教職大学院に在籍している方には教職大学院推薦特別選考特例があります。こちらは対象が広く、幼稚園・幼稚園小学校共通・小学校・中学校(全教科等)・養護教諭(幼)・養護教諭(小中)が対象。手続きは大学推薦と同じく「教職大学院を通じた推薦書の送付+自分での電子申請」です。
大学推薦枠がどんな空気の選考なのかは、大阪府の推薦枠を受けた方の体験レポートが参考になります(大阪市ではなく大阪府の制度ですので、要件や日程はそのまま当てはまりません。雰囲気の参考としてお読みください)。
■ 【令和4年度】大阪府「大学推薦枠」教採受験レポ〜どんな対策すればいい?〜
主流ルート③|大学3年次前倒し特別選考(令和10年度テストでは筆答の教養と面接が免除)
大学3年生のうちに受けられる制度です。令和9年度採用から、合格したときのメリットが大きくなりました。
令和9年度採用の変更点(受験案内「今年度の主な変更点」より)
令和9年度テストにおける大学3年次前倒し特別選考の合格者は、翌年度(令和10年度テスト)の第1次選考における筆答テスト(教養)および面接テストを免除します(受験案内P1は「翌年度(令和9年度実施テスト)」、P4・P15は「令和10年度テスト(R10テスト)」と表記)。
| 受験資格 | ①大阪市を第一志望とし、令和8年度に大学3年次等となり、令和9年度中に卒業見込み ②必要な免許状を令和10年4月1日までに所有見込み ③昭和41年4月2日以降の出生。※大学院・短期大学・専門学校、およびいずれの学校にも所属していない科目等履修生は「大学3年次等」に含みません。 |
| テスト内容 | 第1次選考の筆答テストのみ。一定の基準を満たす人が合格。 |
| 合格すると | 翌年度(令和10年度テスト)の第1次選考の筆答テスト(教養)と面接テストが免除。ただし翌年度に改めて電子申請で出願が必要で、出願できる校種教科等は3年次で出願・合格した校種教科に限られます。 |
| 不合格でも | 翌年度の受験は可能です。 |
| 実績 | 前年度の前倒し合格者特例で受験した人は、令和8年度採用で132人中73人が最終合格(55.3%) |
※出典:同受験案内 3.選考区分〔大学3年次前倒し特別選考〕、4.〔前年度大学3年次前倒し特別選考合格者特例〕、6.特例別結果表(令和8年度)。

「不合格でも翌年度の受験は可能」「合格すれば翌年度(令和10年度テスト)の第1次選考の筆答テスト(教養)と面接テストが免除」——令和9年度採用の受験案内には、そう書かれています。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。
主流ルート④|講師の方のルート(大阪市立学校園現職講師特例/講師等経験者特例/教諭経験者特別選考)
令和8年度採用の大阪市は受験者数がいちばん多いのが「大阪市立学校園現職講師特例」です。令和8年度採用は811人が受験し383人が最終合格(47.2%)。全受験者1,909人の4割超がこのルートでした。
| ルート | 要件のちがい | 免除の中身 | R8合格率 |
|---|---|---|---|
| 大阪市立学校園現職講師特例 | 令和8年4月1日以降の出願時点で大阪市立の学校園に、常勤講師・非常勤講師・習熟等担当講師(週30時間)・栄養職員として在職 | 第1次の筆答を免除、面接テストのみ。面接の点数に在籍校園での評価を反映。 | 47.2% |
| 講師等経験者特例 | 国公私立の学校園で、教諭・常勤講師・非常勤講師等として令和3年4月1日〜令和8年4月30日に通算2年以上の在職経験(大阪市立学校園現職講師特例・教諭経験者特別選考該当者、および大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の採用選考に合格し正規任用の教諭等として出願時点で在職している人を除く) | 筆答の思考力・判断力を測る問題のみを70分で解答 | 22.2% |
| 教諭経験者特別選考(選考区分) | 正規任用の教諭等として通算2年以上の在職経験に加え、出願に必要な普通免許状と、出願校種教科等で通算1年以上の教育課程内の授業等の担当実績が必要(幼稚園・小学校共通は幼稚園等の担当実績、中学校・特別支援学級は同学級の担任実績。養護教諭の幼稚園・小中併願は各1年以上。大阪府・大阪市・堺市・豊能地区の採用選考に合格し正規任用で在職中の人は除く) | 第1次の筆答と第2次の筆答・実技を免除。面接テストのみで判定(第2次の個人面接は約20分)。 | —(特例別結果表は特例欄の集計のため、選考区分別の内訳はなし) |
注目したいのは、大阪市立の現職講師だけが「出願時点の在籍校園での評価が面接の点数に反映される」点です。受験案内の合否判定方法にも「大阪市立学校園現職講師特例の出願者は、出願時点の在籍校園での評価を含む」と明記されています。在籍校園での評価が面接の得点に反映される仕組みで、日々の勤務が選考に関わる、と言えます。

講師の方は「新卒より不利かも」と思いがちですが、私はまったく逆だと考えています。講師にはクオリティ(現場で持っている課題意識)・信用(現場での積み重ね)・フレッシュさという3つの強みがある。大阪市のように在籍校での評価が点になる自治体なら、なおさらです。「教えない授業をやってみた」のように、現場で試したことを課題意識とセットで語れる——これは講師の方の強みの一つですよ。
加点制度|最大90点。ただし原則「1つしか使えない」
大阪市には9種類の加点制度があります。令和9年度採用からは日本語指導・中国語・ベトナム語の3つが新設されました(受験案内「今年度の主な変更点」)。
| 加点 | 対象校種 | 第1次(面接テストの総合得点) | 第2次 |
|---|---|---|---|
| 英語の免許状・資格 | 小学校 | +90/+60/+30点(レベル別) | 筆答に +30/+20/+10点 |
| 「数学」「理科」「保健体育」「音楽」いずれかの免許状 | 小学校 | +90点 | 筆答に +30点 |
| 特別支援学校教諭の普通免許状(自立教科・自立活動を除く) | 小学校/中学校(特別支援学級) | +90点 | 小学校は筆答に+30点/中学校(特別支援学級)は面接に+30点 |
| 英語の資格 | 中学校(英語) | +30/+20点 | 筆答+実技の合計に +15/+10点 |
| ボランティア加点 | 全校種・教科等 | +20点 | — |
| 日本語指導に関する資格等 | 全校種・教科等 | +20点 | — |
| 中国語の資格 | 全校種・教科等 | +20点 | — |
| ベトナム語の資格 | 全校種・教科等 | +20点 | — |
| プログラミングの資格 | 小学校 | +20点 | — |
※出典:同受験案内 5.特定の資格等による加点制度。
これらの加点は原則として互いに併用できません(受験案内の各項に「〜と合わせることはできません」と明記)。申請は出願時のみで、出願受理後の申請・変更はできません。対象外となる選考区分・特例は加点ごとに異なります(たとえばボランティア・日本語指導・中国語・ベトナム語の加点は、大学院進(在)学者対象選考・スペシャリスト特別選考・教諭経験者特別選考・大学3年次前倒し特別選考・大学推薦特別選考特例・教職大学院推薦特別選考特例・大阪市教師養成講座修了者特例では対象外です)。
加点の要件(主なもの)
| 英語(小学校 +90点) | 英語の中学校・高等学校教諭の普通免許状を所有、または英検1級/GTEC(CBT)1,350以上/IELTS7.0以上/TOEFL(iBT)95以上/TOEIC(L&R)945以上 |
| 英語(小学校 +60点) | 英検準1級/GTEC(CBT)1,190以上/IELTS5.5以上/TOEFL(iBT)72以上/TOEIC(L&R)785以上 |
| 英語(小学校 +30点) | 英検2級/GTEC(CBT)960以上/IELTS4.0以上/TOEFL(iBT)42以上/TOEIC(L&R)550以上 |
| ボランティア加点 | ボランティア加点対象事業に参加し、幼児児童生徒の学習支援を含む活動に従事した実績が、出願する前年度から過去3年間(令和5年度〜7年度)に30回以上あり、実施団体から証明されていること(1回あたり1時間程度以上)。「ボランティア活動実績証明書」の原本を令和8年4月17日(金)必着で郵送。 |
| 日本語指導に関する資格等 | 大学(短期大学を除く)・大学院で日本語教育の課程を履修して所定単位を取得し卒業/修了、または大学(短期大学を除く)・大学院で日本語教育の科目を26単位以上修得しかつ卒業/修了、日本語教育能力検定試験の合格(令和6年3月31日まで)、学士+420単位時間以上の研修修了、登録日本語教員の登録 のいずれか |
| 中国語の資格 | HSK3級以上/中国語検定4級以上/中国語コミュニケーション能力検定350以上 |
| ベトナム語の資格 | 実用ベトナム語技能検定試験5級以上/国際ベトナム語能力試験B1以上 |
| プログラミングの資格 | ITパスポート試験/基本情報技術者試験/応用情報技術者試験のいずれかに合格 |
※資格は原則として出願締切日時点で合格・取得していることが要件です(免許状は令和9年4月1日時点で有効であること、確実に取得できる見込みを含む)。日本語指導加点の要件(1)(2)(5)にも、令和9年4月1日までに確実に満たす見込みを含みます。GTECはGTEC(CBT)、TOEFLはTOEFL(iBT)、TOEIC(L&R)は公開テストのみが有効。第2次選考の合格者は証明書類の写しの提出が必要で、提出しない場合や要件を満たさない場合はテストで得た一切の資格を失います。

小学校志望の方は、ここをよく見てください。「数学・理科・保健体育・音楽のいずれかの中高免許を持っている」だけで+90点。中高の免許を取ったけれど小学校で受け直す、という方はすでに加点の権利を持っているかもしれません。併用できないので、自分が使える中でいちばん点数の高いものを1つ選ぶ——出願前に計算しておくと安心です。
社会人・40代50代で受験する方へ
令和9年度採用から年齢制限が緩和され、昭和40年4月2日以降の出生であることが年齢要件です(大学3年次前倒し特別選考は昭和41年4月2日以降。免許状など他の受験資格もすべて満たす必要があります)。社会人経験者特例(正社員・正規職員として通算2年以上)を使えば、第1次の筆答は思考力・判断力を測る問題のみ・70分——教職教養の負担が大きく減ります。
ただし数字は正直です。社会人経験者特例の最終合格率は令和7年度12.5%→令和8年度36.4%→令和9年度27.8%と年による振れが大きく、全体(令和8年度50.8%・令和9年度49.4%)より低い水準。「筆答が軽くなる代わりに、面接が大切になる」と考えておくのが現実的かもしれません。受験者が36〜44人と少ない区分なので、年による振れも大きいことに注意してください。

私は40代・50代の合格者も指導してきましたが、面接官が気にしているのは3つだと思っています。①いま求められている教育(ICTや主体的・対話的で深い学び)を、謙虚に学べるか。②年下の同僚とフラットに働けるか。③年相応の価値提供(人と人の間のクッション役になる、誰もやらない仕事に謙虚に手を挙げる)ができるか。年齢そのものがハンデなのではなく、この3つが伝わるかどうかなんです。
大阪市は求める人物像に「教職に対する情熱、愛情、使命感を持ち、困難にも立ち向かえる人」「子どもに対する教育的愛情と、カウンセリングマインドを備えた人」を挙げています。社会人経験のある方は、この2つに自分の経験をつなげてください。「前職で何をしてきたか」ではなく、「前職で身につけたどの力が、目の前の子どもにどう届くか」です。
まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の面接
ルート別の最終合格率(令和8年度採用)を、もう一度だけ並べます。
- 大学推薦特別選考 80.4%(1.2倍)
- 教職大学院推薦特別選考 77.8%(9人中7人)
- 大阪市教師養成講座修了 74.7%(1.3倍)
- 前年度大学3年次前倒し合格者 55.3%
- 大阪市立学校園現職講師 47.2%
- 特例なし 46.3%(2.2倍)
- 社会人経験者 36.4%/講師等経験者 22.2%
ただし、免除されるのはあくまで第1次選考です。第2次選考は原則として同じ土俵——筆答(校種教科の専門)・実技(該当する校種教科のみ)・個人面接(その中で場面指導)を受け、一つでも合格基準点に達しなければ不合格になります(大学院進(在)学者対象選考と教諭経験者特別選考は、第2次の筆答・実技が免除され、面接テストのみです)。大学推薦の最終合格率は80.4%(令和8年度採用)で、約5人に1人は最終合格に至っていません。
免除ルートは「入口を1つ増やす」もの。合否判定は校種・選考区分によって異なり、筆答・実技・面接の必要な基準を満たしたうえで、受験案内の方法により判定されます。その二次で何が聞かれるかは、実録をまとめた親記事に載せています。
■ 大阪市の個人面接|受験者5名の実録と4年分の出題傾向(一次も個人面接・二次は場面指導つき)
■ 大阪市の倍率|令和9年度採用の最終結果と8年間の推移(校種別・教科別・特例別)
よくある質問
Q. 特例は複数まとめて使えますか?
A. 第1次選考の特例は出願時に1つを選ぶ形です。また、大学院進(在)学者対象選考・スペシャリスト特別選考・教諭経験者特別選考・大学3年次前倒し特別選考で出願する場合は、特例欄で「なし」を選択します。加点制度も互いに併用できませんので、自分が使える中で最も有利なものを1つ選んでください。
Q. 教師養成講座は誰でも受けられますか?
A. いいえ。面接選考テストがあります(募集約220名)。また、令和8年度の募集要項では、過去に修了した人は受講できないとされています——校種や教科が違っても同じです。受講後の校種・教科の変更については、募集要項で確認してください。「どの校種で勝負するか」を決めてから申し込むことをおすすめします。
Q. 大学3年次前倒し特別選考に落ちたら、翌年不利になりますか?
A. 受験案内には「『大学3年次前倒し特別選考』のテストで不合格になった場合でも、翌年度の受験は可能です」と明記されています。翌年度の合否に影響するかどうかについては、受験案内に記載がありません。合格した場合は、翌年度に改めて電子申請で出願し、該当する特例(前年度大学3年次前倒し特別選考合格者特例)を選ぶ必要があります。出願できる校種教科等は、3年次で出願・合格したものに限られます。
Q. 大阪市以外の学校で講師をしています。どの特例になりますか?
A. 講師等経験者特例の対象になり得ます(国公私立の学校園で、令和3年4月1日〜令和8年4月30日に通算2年以上)。在職経験のない校種教科等に出願することもできますし、出願校種と異なる在職経験も通算できます。一方、大阪市立学校園現職講師特例は「大阪市立の学校園に在職中」であることが要件ですので、他市の講師の方は使えません。
Q. 正規教諭として他自治体で働いています。受けられますか?
A. 教諭経験者特別選考は、正規任用の教諭等として通算2年以上の在職経験に加え、出願校種教科等の普通免許状を所有し、その校種教科等で通算1年以上の教育課程内の授業等の担当実績が必要です(幼稚園・小学校共通は幼稚園等での授業等の実績、中学校・特別支援学級は同学級の担任実績)。養護教諭の幼稚園・小中併願には、それぞれ通算1年以上の勤務実績が必要です。ただし大阪府・大阪市・堺市・大阪府豊能地区の採用選考に合格し、正規任用の教諭等として出願時点で在職している人は除かれます。この選考は第1次の筆答と第2次の筆答・実技が免除され、面接テストのみで合否が決まります(第2次の個人面接は約20分)。
Q. 免許がなくても受けられる選考はありますか?
A. 免許状を持たず、取得見込みもない人が受けられるのはスペシャリスト特別選考だけです(免許状は、令和9年4月1日までに確実に取得できる見込みがあれば、他の選考区分でも出願できます)。対象は、中学校(数学・理科・技術)で普通免許状を持たない/取得見込みのない人のうち、出願時点で博士の学位を有し、受験教科の分野における高度な専門知識・経験又は技能を有する人、または出願時点で修士の学位を有し、大学・企業・研究機関等で受験教科に相当する専門分野の研究・開発にかかる勤務経験等が令和8年4月30日までに通算3年以上あり、高度な専門知識・経験又は技能を有する人が対象です(博士後期課程の期間も算入可)。出願前に教職員人事担当への事前連絡が必須で、申請書・学位授与等証明書・勤務実績の証明書類を令和8年4月17日(金)必着で提出します。合格後は大阪市教育委員会から大阪府教育委員会に特別免許状の授与推薦が行われ、教育職員検定に合格して授与された場合に教諭等として正式採用となります。
Q. 合格したのに、大学院に進学したくなったら?
A. 制度があります。小学校・中学校の第2次選考合格者が教職大学院以外の大学院等への進学・在学を理由に辞退する場合は、大学推薦・教職大学院推薦特例での合格者を除き、要項13(1)の修了・免許取得要件を満たして申告すれば、指定された令和10年度または11年度に大学院進(在)学者対象選考で受験できます。この区分は第2次の面接テストのみです。また、第2次選考の合格者は採用候補者名簿に登載され、妊娠などやむを得ない事情が認められれば、登載期間を最長2年間延長できます。教職大学院による延長は別途条件があり、小学校・中学校の合格者(大学推薦特別選考特例での合格者を除く)が所定の修了・専修免許状取得要件等を満たす必要があります。上限は進学者が2年間、在学者が1年間です。いずれも手続きの期限と要件が細かいので、必ず受験案内で確認してください。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
制度は受験案内で分かりますが、「そのルートで実際にどんな試験だったか」は受験した方にしか分かりません。大阪市の実録は、2026年10月15日時点で5名分です。大学推薦・教師養成講座・現職講師など、どのルートで受けられたかも含めて教えていただけると、次の受験生にとって大きなヒントになります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。
あわせて見たい動画
この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。
- 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
- 一発合格を勝ち取る極意セミナー
- 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー ←この記事の対策に◎
- 【厳選】面接質問TOP50
- 【早期登録者限定】シークレット特典
- あなたに必要な対策診断 ←この記事の対策に◎
- 教採に受かる人の15の習慣
- 【無料版】教員採用試験必勝ノート
- 【全国版】集団討論過去問
- 【全国版】小論文テーマ集
- 【全国版】場面指導テーマ集
「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます
YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル



