こんにちは、金井志津乃です!

大阪市の教採って、一次にも面接があるって本当ですか? 二次の場面指導はロールプレイって聞いたけど、実際どんなふうに進むんでしょう……。

本当です! 大阪市は第1次選考から個人面接(1人約10分)があるのが最大の特徴。しかも第2次の個人面接(約15分)の中で場面指導が行われます(報告では、面接官が子ども役・保護者役を務めるロールプレイ形式でした)。受験された方の生の報告から、順番に見ていきましょう!
この記事では、大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストの面接テストについて、実際に受験した方からご提供いただいた「生の質問」をもとに、内容・流れ・傾向と対策をまとめます。大阪市は大阪府・堺市・豊能地区とは完全に別の実施です。府の受験案内・過去問はそのままでは通用しませんので、「市の情報」だけを集めたのがこの記事です。
この記事の根拠
- 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告2件を追加収録
- 令和7・8年度採用(2024・2025年夏実施)の受験者3名の実録を年度別に収録(すべて無料で読めます)。令和9年度採用の2件と合わせても、2026年10月15日時点で5名分と少ないので、そのことを正直にお伝えしたうえで、公表資料で厚みを出しています。
- 市販の全国版過去問集4年分(令和5年度〜8年度採用・大阪市分)を独自に集計し、全国と比べた「大阪市らしさ」の傾向を確認
- 日程・形式・評価の観点・合否判定方法・倍率は令和9年度採用の受験案内(全36ページ)と大阪市教育委員会の公表資料に照合済み
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
出願:令和8年3月2日(月)午前10時〜4月13日(月)午後5時(電子申請のみ)
第1次選考 筆答テスト:6月13日(土)午前9時〜正午/筆答テストの結果発表:6月25日(木)
第1次選考 面接テスト:7月4日(土)・5日(日)のうち1日(筆答の合格基準点に達した人が対象。大学3年次前倒し特別選考の合格者を除く)
第1次選考 結果発表:7月28日(火)
第2次選考 筆答テスト:8月8日(土)/実技テスト:8月2日〜5日・8日のうち該当日
第2次選考 面接テスト:8月11日(火)・15日(土)・16日(日)・22日(土)のうち1日
第2次選考 結果発表:9月25日(金)(発表済み)
※教諭経験者特別選考・大阪市立学校園現職講師特例・前年度大学3年次前倒し特別選考合格者特例の出願者は、第1次選考の面接テストが5月30日(土)・31日(日)・6月6日(土)のうち1日と早く設定されています。
※令和9年度採用では、第2次選考の合格者と大学3年次前倒し特別選考の合格者を除き、郵送による結果通知はありません(受験案内より)。発表日は自分でホームページを確認しましょう。
※出典:大阪市教育委員会「令和9年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト受験案内」。
令和10年度採用の日程は、受験案内の公開後に必ず公式で確認してください。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
面接テストの形式|30秒でわかる基本情報
| 第1次選考の面接 | 1人約10分の個人面接(受験案内に明記)。筆答テストを受験した人は、同テストの合格基準点に達した人だけが面接テストの対象になります(大学3年次前倒し特別選考の合格者を除く)。 |
| 第2次選考の面接 | 1人約15分の個人面接。全校種教科の個人面接において、その中で場面指導を行います(受験案内に明記)。教諭経験者特別選考の出願者は約20分、中学校(特別支援学級)は約30分。 |
| 場面指導 | 受験案内の定義は「さまざまな場面を設定し、幼児児童生徒への指導や、保護者への対応等を評価するもの」。場面設定は面接時に面接官から提示されます(=事前公表はありません)。受験者の報告では5分間のロールプレイ形式で、面接官が子ども役または保護者役を務めた例があります。 |
| 面接官・時間の内訳 | 受験案内に人数の記載はありません。公刊の過去問集に付されている形式メモでは「1次:面接官2人・10分/2次:面接官3人・15分」が上位で、「面接官3人(面接8分・場面指導7分)」という記載もあります(過去問集の記載にもとづく情報です)。 |
| 持ち物 | 受験票と面接個票。いずれも必要事項を記入し、証明写真を貼付して各テスト時に必ず持参します。忘れた人の受験は認められません(受験案内より)。 |
| 評価の観点 | 「資質・表現力・社会性・その他」の4項目・17の選考基準(受験案内P22。記事後半で全文を掲載) |
| 第1次の筆答 | 択一式・大問30問・90分(社会人経験者特例・講師等経験者特例は思考力・判断力を測る問題のみ・70分、スペシャリスト特別選考は論文試験90分)。思考力・判断力を測る問題(文章理解、判断推理、資料解釈、数的処理等)と教職関連の問題(教職教養、教育関連の法規、教育公務員の倫理、教育関連時事)で、配点比は2:1。英文を含む問題も出題されます。 |
| 第2次の筆答 | 出願した校種教科等の専門テスト。幼稚園・幼稚園小学校共通・小学校は択一式のみ、それ以外の全校種教科は択一式+記述式です。 |
大阪市対策の大きなポイントの一つは、「面接が一次と二次の2回ある」ことです(第1次選考が免除される人は第2次の面接のみ)。しかも筆答テストを受ける人は、一次の合否が筆答の点と面接の点の合計で決まります(筆答免除の人は面接テストの得点で判定。受験案内「合否判定方法」)。「筆記が終わってから面接を考えよう」では間に合わない自治体、ということです。
| 選考 | 行われること | 対策の軸 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 筆答テスト(教養・30問90分)→ 合格基準点に達した人が個人面接(約10分)へ | 10分=7〜8問が一つの目安(過去問集などをもとにした推測) 志望動機・自分の経験・大阪市のことを、短く言い切る練習 |
| 第2次選考 | 筆答テスト(校種教科の専門)+実技(該当教科)+個人面接(約15分・その中で場面指導) | 15分の内訳は受験案内に記載がないため、過去問集の形式メモにある「面接8分+場面指導7分」を目安に、ロールプレイと振り返りの型を作る。 |

大阪府と併願する方は要注意です。大阪府は第1次が筆答テストのみで、二次の面接は模擬授業+個人面接。大阪市は一次から面接があり、二次は場面指導。同じ「大阪」でも準備するものが違いますよ!
■ 大阪府の個人面接|受験者19名の実録と5年間の出題傾向(二次は模擬授業+個人面接)
大阪市の面接は「どれくらい効くのか」|校種で違う第2次の合否判定
大阪市の受験案内には、他の自治体ではあまり見かけない「合否判定方法」の詳細が書かれています。これを知っているかどうかで、対策の配分が変わります。
| 選考 | 校種等 | 合否判定方法(受験案内より) |
|---|---|---|
| 第1次 | 筆答テストを受験する人 | 筆答テストと面接テストの合計得点で判定。ただし面接テストの得点が合格基準点に達しない場合は不合格。 |
| 第1次 | 筆答テストを免除される人 | 面接テストの得点で判定(大阪市立学校園現職講師特例の出願者は、出願時点の在籍校園での評価を含む) |
| 第2次 | 全校種共通の前提 | 筆答・面接・実技の各テストで、合格基準点に達しないものが一つでもあれば不合格 |
| 第2次 | 小学校/養護教諭(幼)/養護教諭(小中)/栄養教諭(小中) | 筆答テストの得点で判定。ただし、合格者数の概ね2割を目途に、面接テストの得点により判定。 |
| 第2次 | 幼稚園/幼稚園・小学校共通 | 筆答+実技の合計得点で判定。ただし、合格者数の概ね2割を目途に、面接テストの得点により判定。 |
| 第2次 | 中学校の各教科(特別支援学級を除く) | 筆答+実技の合計得点で判定 |
| 第2次 | 中学校(特別支援学級) | 筆答・実技で教科ごとの合格基準点に全て達している人を対象に、面接テストの得点で判定 |
| 第2次 | 教諭経験者特別選考/大学院進(在)学者対象選考 | 面接テストの得点で判定 |
※出典:大阪市教育委員会「令和9年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト受験案内」P15「9.合否判定方法」。
第2次の校種別の表は、選考区分「一般選考」「障がい者対象選考」「スペシャリスト特別選考」に適用されます。

「小学校は筆答で決まるなら面接は手を抜いていい」ではありません。誤解しないでくださいね。①筆答を受ける人は、一次は筆答+面接の合計、②二次でも面接の合格基準点に届かなければその時点で不合格、③小学校・幼稚園系・養護教諭・栄養教諭では、合格者数の概ね2割を目途に面接の得点で判定される。つまり面接は、基準点に届かなければ不合格になる「足切り」の役割と、合格者数の概ね2割を目途に面接の得点で判定される役割の両方を持つ、と受験案内からは読み取れます(面接で選ぶ人数や段階の詳細は、受験案内に記載がありません)。筆答だけでなく面接も気を抜かずに準備しておくのがおすすめです。
大阪市の倍率|令和9年度採用の第1次選考結果と最終倍率(2.0倍)
令和9年度採用(2026年夏実施)の第1次選考の結果です。第1次選考の受験者は1,783人、合格者は1,301人(合格率73.0%。1,301人÷1,783人。第1次選考結果の資料の合計欄には72.5%と記載されていますが、9月25日公表の結果概要も73.0%です)。第1次免除者を含めた第2次選考の受験予定者は1,547人でした。
| 校種等 | 採用予定数 | 1次受験者 | 1次合格者 | 1次合格率 | 2次受験予定者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 幼稚園 | 約20人 | 62人 | 26人 | 41.9% | 26人 |
| 幼稚園・小学校共通 | 21人 | 21人 | 100.0% | 21人 | |
| 小学校 | 約550人 | 693人 | 655人 | 94.5% | 814人 |
| 中学校 | 約360人 | 755人 | 532人 | 70.5% | 604人 |
| 養護教諭(幼稚園) | 若干名 | 17人 | 13人(うち第2志望からの併願合格7人) | 35.3%(併願合格を除く) | 13人 |
| 養護教諭(小中共通) | 約15人 | 175人 | 33人 | 18.9% | 48人 |
| 栄養教諭(小中共通) | 約10人 | 60人 | 21人 | 35.0% | 21人 |
| 合計 | — | 1,783人 | 1,301人 | 73.0% | 1,547人 |
※出典:大阪市教育委員会「令和9年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト 第1次選考受験状況/第1次選考合格者/第2次選考受験予定者」。
採用予定数は令和9年度採用の受験案内より。1次合格率は教育委員会が公表した数値(選考区分の計)。令和9年度採用の第2次選考結果は9月25日(金)に発表されました。最終結果は志願2,342人・受験2,006人(第1次受験者+第1次免除で第2次を受けた人)・最終合格991人・最終倍率2.0倍で、校種別では小学校1.3倍・中学校2.7倍です(大阪市教育委員会「令和9年度 結果概要」)。
参考までに、ひとつ前の令和8年度採用(2025年夏実施)の最終結果は、志願2,251人・受験1,909人(第1次受験者+第1次免除者)・最終合格969人で倍率2.0倍でした。校種別では小学校1.5倍・中学校2.3倍・幼稚園2.8倍・養護教諭(小中)7.9倍・栄養教諭4.7倍です(大阪市教育委員会「令和8年度 結果概要」)。
8年間の推移、教科別の倍率、特例別の合格率は、専用記事にまとめています。
■ 大阪市の倍率|令和9年度採用の最終結果と8年間の推移(校種別・教科別・特例別)
■ 大阪市の特別選考と一次免除ルート|大学3年次前倒し・大学推薦・教師養成講座・現職講師・社会人・加点制度
① 志望動機・「なぜ大阪市か」
受験者の報告でも、公刊の過去問集の集計でも、大阪市で目立つのが志望動機まわりの質問です。私たちが確認した4年分の集計では、志望動機に関する質問は全国と比べて多めでした(母数が小さいため参考値ですが、実録の傾向とも一致しています)。受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。
- なぜ本自治体を志望したのですか。(令和8年度採用・小学校)
- 教員志望理由を教えてください。(令和7年度採用・小学校/第1次選考の個人面接)
- 大阪市に対するイメージを教えてください。(令和7年度採用・小学校/第1次選考)
- 採用合格が出たら大阪市に来てもらえますか。(令和7年度採用・小学校/第1次選考)
- 自己紹介をしてください。(令和7年度採用・小学校/第1次選考の冒頭)
注目したいのは「大阪市に対するイメージ」「合格したら本当に来るか」という2問です。政令指定都市は、府県との併願者や他府県からの受験者が多い分、「本当にうちに来るのか」を確かめる質問が入りやすいと考えられます。公刊の過去問集でも「他県から通えるのか」「実家に戻るのか」といった趣旨の質問が確認できます。
ここで効くのが、「大阪市でなければならない理由」を、市の教育の中身に結びつけて語ることです。大阪市教育委員会は受験案内の冒頭で、「子どもが安心して成長できる安全な社会(学校園・家庭・地域)の実現」「心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓くための学力・体力の向上」「ICTを活用した教育の推進」の3つに貢献できる教員を求めると明記しています。志望動機は、この3つのどれかに結びつけて語りましょう。
志望動機が「思い出話」だけで終わると、どんな教師になりたいか、どんな子どもを育てたいかが伝わりません。面接官はそこを足掛かりに、ツッコミ質問をしてくることが多いです。NG例とOK例の作り方は、この動画が一番わかりやすいです。
② あなた自身のこと|経験・人柄・面接個票からの深掘り
大阪市の面接には、受験票とあわせて「面接個票」を持参します(証明写真の貼付が必要。忘れると受験できません)。受験案内には「詳しい勤務歴については面接テストを受験する時に持参する書類『面接個票』に記入いただきます」とあり、面接個票が質問の手がかりになる可能性があると考えられます。公刊の過去問集にも「面接個票から〜」と前置きされた質問が収録されています。
受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。
- これまでの経歴について教えてください。(令和7年度採用・小学校/第1次選考)
- 改めて教員がいいなと思った瞬間はいつですか。(令和7年度採用・小学校/第1次選考)
- これまでの勤務の状況について教えてください。(令和8年度採用・小学校)
- 子どもが好きだなというエピソードを教えてください。(令和8年度採用・小学校)
- ボランティアや学習支援員の活動で、教員に活かせる経験はありましたか。(令和8年度採用・小学校)
- ボランティア等で子どもと関わる中で、上手くいかない経験はありましたか。→ それにどう対処しましたか。(令和8年度採用・小学校)
- 周りの人はあなたのことをどのような人と言っていますか。(令和8年度採用・小学校)
「上手くいかない経験はありましたか→それにどう対処しましたか」のように、回答に対して追質問されたという大阪市の受験者報告があります。私たちが確認した集計でも、追質問がつながっている割合は全国と同じくらいでした。想定問答を一問一答で作るのではなく、「答え→なぜ→具体例→そこから学んだこと」まで一本の枝にして準備しておきましょう。
面接個票の記入項目そのものは受験案内に書かれていません(勤務歴を記入することのみ明記)。様式は、令和9年度採用では出願受理メールと受験票の交付完了メールに記載されたURLから、大阪市教育委員会ホームページでダウンロードする形でした。年度によって変わる可能性があるため、必ず当該年度の実施要項・案内で確認してください。手元に届いたら、書いた1行ずつに「ここを聞かれたら何と答えるか」を書き足していってください。
③ 場面指導|個人面接の中で実施(報告では面接官が子ども役・保護者役)
大阪市の第2次選考は、全校種教科の個人面接の中で場面指導が行われます(通常約15分、教諭経験者特別選考は約20分、中学校(特別支援学級)は約30分)。受験案内の注記はこうです。
「場面指導とは、さまざまな場面を設定し、幼児児童生徒への指導や、保護者への対応等を評価するものです。なお、場面設定は面接時に面接官から提示します。」(令和9年度採用 受験案内P12)
つまりテーマの事前公表はありません。その場で設定を聞いて、その場で動く形式です。受験者の報告から分かった流れは次のとおりです。
- 面接官が場面設定を口頭で提示する(「あなたは小学校3年生の担任です。……」)
- 5分間のロールプレイ。面接官が子ども役または保護者役を務め、受験者は目の前の相手に直接語りかける(令和8年度採用の報告)。
- ロールプレイ終了後に追質問。「児童と話す中で、児童にどのような課題があると想像しましたか」など、自分の指導を振り返って言語化させる質問が来る。
受験者の報告にあった実際の場面設定はこちらです。
- 【小学校・令和8年度採用】あなたは小学校3年生の担任です。クラスの中に、音楽の授業でいつもリコーダーを忘れてくる児童がいます。その児童に1対1で指導をしてください。(5分間のロールプレイ/面接官が子ども役または保護者役)→ 児童と話す中で、児童にどのような課題があると想像しましたか。
- 【小学校・令和8年度採用】あなたは6年生の担任です。クラスの子が難関私立中学の受験を控えて塾の学習で忙しく、学校の宿題をしたくないと言っています。どう対応しますか。(個人面接の中で場面指導として出題)
- 【小学校・令和7年度採用】あなたは5年生の担任です。「ある日、保護者からお子さんが登校を渋って休むと連絡がありました。携帯を見たら、友達から『学校に来るな』と連絡が来ていました」。あなたはどのように対応しますか。
3件とも「クラス全体への一斉指導」ではなく「一人の子・一人の保護者への個別対応」である点が共通しています。これは大阪市の場面指導を考えるうえでの手がかりになりそうです(確認できた報告は3件のため、傾向の目安としてお読みください)。公刊の過去問集に収録されている大阪市の場面指導12件を見ても、保護者からの電話対応(欠席の連絡、けがの訴え、発表の日に休みたいという相談)と、気になる行動をする子への1対1の指導(授業に参加したがらない、身なりのきまり、学級での役割決めをめぐるトラブル)が中心で、「学級全体に語りかける」タイプはほとんど確認できませんでした。

ロールプレイで一番もったいないのは、いきなり正論を言ってしまうことだと私は考えています。「忘れ物はいけないよね」から入ると、そこで会話が終わってしまいやすいです。まずは事実確認と背景理解——なぜ忘れるのか、家で何が起きているのか。追質問で「どんな課題があると想像しましたか」と聞かれた報告があります。面接官がそこを見ている可能性があります。
どんな場面が来ても崩れない「3つのポイント(子どものメンツを守る・事実確認・生徒理解)」を、まずこの動画で押さえてください。
確認した大阪市の受験者報告は、3形式のうち「個別対応系」です(報告ではロールプレイ形式でした)。形式ごとのコツはこちらで解説しています。
「宿題をしたくない」「体育に出たくない」のように学習意欲・参加意欲が落ちている子への対応は、大阪市でも問われた報告・出題があるパターンです。背景を3つに整理する考え方はこちらで解説しています。
④ 保護者対応|大阪市は全国と比べて多め
私たちが確認した4年分の集計では、保護者対応に関する質問が全国と比べて多めでした。場面指導の設定も、3件のうち1件が保護者からの連絡への対応です。受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。
- 保護者対応で気を付けることは何ですか。(令和7年度採用・小学校/第1次選考)
- 【場面指導】保護者からお子さんの欠席の連絡があり、その背景に友人関係のトラブルがうかがえる。どのように対応しますか。(令和7年度採用・小学校/第2次選考)
公刊の過去問集でも、大阪市では「保護者から◯◯という電話がかかってきたら」という設定が繰り返し確認できます。押さえておきたいのは次の3点です。
- まず、責められていると感じさせない一言から入る。保護者の言葉の裏には「頑張っている自分を認めてほしい」という気持ちが隠れている場合があるからです。
- その場で結論を出さず、事実を確認すると伝える。次の一歩を約束する(当ブログの作例:「明日、本人と周りの子から丁寧に話を聞かせてください」)。
- 一人で抱えない。学年主任・管理職に確認する時間をいただく、と面接の回答でも一言添えるのもよいでしょう。
⑤ ICT・生成AI・部活動|大阪市で目立つテーマ
大阪市教育委員会は求める人物像の前文で「ICTを活用した教育の推進に貢献できる」教員を求めると明記しています。実録でも、実際にこの分野が問われていました。
- 教育でICTを活用することのメリットは何ですか。(令和8年度採用・小学校)
- AI等を活用する上で気をつけるべきことは何ですか。(令和8年度採用・小学校)
「メリット」と「気をつけること」をセットで聞かれているのがポイントです。片方だけの準備だと、答えに詰まる場合があります。
もうひとつ、公刊4年分の集計で大阪市が目立ったのが部活動です。出現率は全国と比べて多めでした(母数が小さいため目安です)。中学校志望の方はもちろん、小学校志望でも「自分が続けてきた部活動から学んだこと」は言えるようにしておくと安心です。実際、公刊の過去問集には「部活動を長く続けてきたが、大阪市の教員になり顧問になった際にどのような指導や運営を行うか」といった、顧問としての具体的な運営方針まで踏み込む質問が収録されています。
⑥ 筆答テストは何が出た?|受験者の報告から
面接記事ですが、大阪市は、筆答を受ける人の一次が「筆答+面接の合計」で決まるため、筆答の中身も共有しておきます。受験者の報告です。
- 【第1次・令和7年度採用】数的処理・文章読解・古文読解・漢字問題・英語文章題が出題された。
- 【第2次・令和8年度採用・小学校】国語・算数・英語・社会・外国語 各教科6問ずつ計30問・5肢択一だった。
- 【第2次・令和7年度採用・小学校】小学校専門知識の筆記試験は英語・算数・理科・社会・国語。英語のみ大学入試レベル、それ以外は中学校までの範囲という感触だった。
受験案内の記載(第1次=思考力・判断力を測る問題と教職関連の問題を配点比2:1で30問90分、英文を含む問題も出題/第2次=幼稚園・幼稚園小学校共通・小学校は択一式のみ)と、報告の内容は大きくは矛盾していません(報告にある古文読解・漢字問題は、受験案内の出題例の列挙にはありません)。大阪市の第1次筆答は「教職教養だけ詰め込む」では届きにくい——思考力・判断力を測る問題が配点の3分の2を占める設計です。ここは早めに手をつけてください。
令和9年度採用(2026年夏実施)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。
中学校|個人面接(面接官2名・約15分・前半と後半で交代)
- 支援での学びは何ですか。
- 担任を持つときに、支援以外のグレーゾーンの子をどう対応しますか。
- 学校の先生たちと良い関係を築けているなと思ったエピソードを教えてください。
養護教諭|個人面接(面接官2人)
- 「教師なのに」と言われる最近の不祥事について、どう思いますか。
- 今働いてみて、仕事のギャップをどう感じていますか。
- あなたの強みは何ですか。
- 保護者対応から経験し、学んだことは何ですか。
出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年10月15日時点・この自治体の報告2件)。
校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。
【資料編】年度別・受験者別 過去問アーカイブ|実録3名分を収録
ここからは、受験者の報告を年度別・受験者別に整理して収録します。個人が特定される経歴・固有のエピソードに関する表現は一般化しています。3名とも小学校の受験者です。
令和8年度採用(2025年夏実施)|2名の実録
小学校・Aさん
- 【個人面接】これまでの勤務の状況について教えてください。
- 【個人面接】子どもが好きだなというエピソードを教えてください。
- 【場面指導】6年生の担任です。クラスの子が難関私立中学の受験を控えて塾の学習で忙しく、学校の宿題をしたくないと言っています。どう対応しますか。(個人面接の中で場面指導として出題)
- 【筆答】国語・算数・英語・社会・外国語 各教科6問ずつ計30問・5肢択一。
小学校・Bさん
- 【個人面接】なぜ本自治体を志望したのですか。
- 【個人面接】ボランティアや学習支援員の活動で、教員に活かせる経験はありましたか。
- 【個人面接】ボランティア等で子どもと関わる中で、上手くいかない経験はありましたか。→ それにどう対処しましたか。
- 【個人面接】教育でICTを活用することのメリットは何ですか。
- 【個人面接】AI等を活用する上で気をつけるべきことは何ですか。
- 【個人面接】周りの人はあなたのことをどのような人と言っていますか。
- 【場面指導】小学校3年生の担任です。クラスの中に、音楽の授業でいつもリコーダーを忘れてくる児童がいます。その児童に1対1で指導をしてください。(5分間のロールプレイ形式・面接官が子ども役または保護者役)→ 児童と話す中で、児童にどのような課題があると想像しましたか。
令和7年度採用(2024年夏実施)|1名の実録
小学校・Cさん(第1次選考・第2次選考の両方について報告をいただきました)
- 【第1次・筆答】数的処理/文章読解/古文読解/漢字問題/英語文章題。
- 【第1次・個人面接】自己紹介をしてください。
- 【第1次・個人面接】教員志望理由を教えてください。
- 【第1次・個人面接】これまでの経歴について教えてください。
- 【第1次・個人面接】改めて教員がいいなと思った瞬間はいつですか。
- 【第1次・個人面接】大阪市に対するイメージを教えてください。
- 【第1次・個人面接】保護者対応で気を付けることは何ですか。
- 【第1次・個人面接】採用合格が出たら大阪市に来てもらえますか。
- 【第2次・場面指導】5年生の担任です。「ある日、保護者からお子さんが登校を渋って休むと連絡がありました。携帯を見たら、友達から『学校に来るな』と連絡が来ていました」。あなたはどのように対応しますか。
- 【第2次・筆答】小学校専門知識の筆記試験(英語・算数・理科・社会・国語)。英語のみ大学入試レベル、それ以外は中学校までの範囲という感触。
大阪市の実録は、2026年10月15日時点で5名分です。ここが正直なところで、愛知県や東京都の件数にはまだ及びません。だからこそ、受験された方の1件の報告が、次の受験生の景色を大きく変えます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。幼稚園・栄養教諭の報告は、2026年10月15日時点でまだ届いていません。ぜひ教えてください。
傾向と対策|4年分の出題データと実録から見えた7つの傾向
市販の全国版過去問集4年分(令和5年度〜8年度採用・大阪市分)を独自に集計し、実録と受験案内を突き合わせました。そこから見えた大阪市の傾向がこちらです。
- 面接は一次と二次で2回ある。一次は約10分、二次は約15分。しかも筆答を受ける人の一次の合否は筆答と面接の合計得点。「筆記が終わってから面接」では間に合いません。
- 二次の場面指導は、確認した報告では「個別対応」。報告では、面接官が子ども役・保護者役を務めるロールプレイ形式でした(受験案内に形式の記載はありません)。全体への一斉指導型はほとんど確認できません。1対1で相手の言葉を受け止める練習を。
- 実演のあとに児童の課題をどう想像したかと質問された報告があります。受験案内は幼児児童生徒への指導や保護者への対応等を評価すると説明していますが、確認した受験案内からは、指導そのものより背景理解を重視するという採点上の比重までは確認できません。
- 部活動の質問が全国と比べて多め。校種を問わず「部活動から学んだこと」「顧問としての運営方針」を用意しておきましょう。
- 志望動機は全国と比べて多め。「本当に来るのか」まで聞かれた報告もあります。「大阪市のイメージ」「合格したら来てもらえますか」は実録でも出ています。
- 保護者対応・ストレス・メンタルの質問が全国と比べて多め。一方で服務・不祥事の質問は全国より少なめでした(ただし令和9年度採用の報告には、不祥事についての質問も出ています。愛知県などとは対照的)。「困難な場面でどう踏みとどまるか」は評価の観点にも挙がっているので、準備を。
- 二次の合否の決まり方は校種で違う。小学校・養護・栄養は筆答中心+合格者の概ね2割を面接で、中学校の各教科は筆答+実技、中学校(特別支援学級)は筆答・実技で教科ごとの合格基準点に達した人を対象に面接で判定。自分の校種の配分を知ってから対策の時間を割り振るのがおすすめです。
※「多め/少なめ」は、公刊過去問集の大阪市分の出題を全国と比べた傾向の目安です。大阪市は母数が小さいため、目安としてお読みください。令和4年度採用は公刊の過去問集に収録がないため、集計は4年分です。
面接対策の全体像は、こちらの完全解説動画で体系的にまとめています。個別の質問対策に入る前に、一度この動画で土台を固めるのがおすすめです。
大阪市では、子どもが安心して成長できる安全な社会(学校園・家庭・地域)の実現や、心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓くための学力・体力の向上、ICTを活用した教育の推進に貢献できる、次のような教員を求めています。
- 1 情熱 教職に対する情熱、愛情、使命感を持ち、困難にも立ち向かえる人
- 2 教師としての基礎力 広く豊かな教養を基盤とした、専門性と指導力を備えた人
- 3 人間味 子どもに対する教育的愛情と、カウンセリングマインドを備えた人
「カウンセリングマインド」という言葉が人物像に明記されています。確認した報告で場面指導が個別対応の形式だったことも、この人物像とつながりそうです。
面接テストの評価の観点(受験案内P22)
大阪市は評価の観点を受験案内の中に全文掲載しています。回答を作るときは、この17の選考基準のどれに当たるかを意識してみてください。
| 資質 | 教員としての適性があるか/子どもへの教育的愛情があるか/教育への情熱があるか/明確な志望動機があるか/困難に立ち向かう姿勢、粘り強さがあるか/状況に応じた的確な判断力があるか |
| 表現力 | 話の説得力があるか/物事を的確に表現できているか/論理的思考ができているか/教員としての基礎的知識、専門性があるか/柔軟な発想ができているか |
| 社会性 | 協調性があるか/社交性があるか/明るさ、素直さがあるか |
| その他 | 場に適した服装、身だしなみや立ち振る舞いができているか/適切な言葉づかいができているか/教員としての職務の遂行が可能か |
「明確な志望動機があるか」が資質の観点の中に入っているのは見逃せません。志望動機は「導入の質問」ではなく、採点項目そのものだということです。
また、場面指導の回答を考えるうえでは『生徒指導提要(改訂版)』が参考になります。「発達支持的生徒指導」「課題予防的生徒指導」という考え方を知っておくと、ロールプレイ後の追質問への答え方の参考になります。
よくある質問
Q. 本当に第1次選考でも面接があるのですか?
A. はい。受験案内の第1次選考の欄に「1人約10分の個人面接を行います」と明記されています。ただし筆答テストを受験する人は、同テストの合格基準点に達した人のみが面接テストの対象です(大学3年次前倒し特別選考の合格者を除く)。面接の日時は、筆答テストの結果発表(令和9年度採用は6月25日)のときに大阪市教育委員会ホームページで指定されます。
Q. 場面指導のテーマは事前に分かりますか?
A. 分かりません。令和9年度採用の受験案内に「場面設定は面接時に面接官から提示します」と明記されています(大阪府の模擬授業のように事前公表される仕組みとは違います)。その場で設定を聞いて動く前提で、「まず受け止める→事実確認→背景を想像する→次の約束をする」という型を体に入れておきましょう。
Q. 模擬授業や集団討論はありますか?
A. 令和9年度採用の受験案内には、模擬授業・集団討論・集団面接の記載はありません。第2次選考は筆答テスト・実技テスト(該当校種教科のみ)・個人面接(その中で場面指導)です。ただし中学校(英語)の実技テストは、受験案内の「今年度の主な変更点」で「グループディスカッション」が「スピーチ及び口頭試問」に変更と記載されています(テスト内容の表にはListeningとOral Interviewと記載されており、両者の関係は受験案内に明記がないため、詳細は受験案内でご確認ください)。
Q. 小論文はありますか?
A. 令和9年度採用の受験案内には、一般選考の小論文の記載はありません。ただしスペシャリスト特別選考の出願者のみ、第1次選考の筆答テストで「択一式のテストに代えて論文試験(90分)」が実施されます。スペシャリスト特別選考は、中学校(数学・理科・技術)で普通免許状を持たず取得見込みもない人のうち、出願時点で博士の学位を有し受験教科の分野における高度な専門知識・経験又は技能を有する人、または出願時点で修士の学位を有し、受験教科に相当する専門分野の研究・開発の勤務経験等が令和8年4月30日までに通算3年以上あり高度な専門知識・経験又は技能を有する人が対象の、かなり限定された選考区分です。詳しくは特別選考の記事をご覧ください。
Q. 面接テストの日はいつ分かりますか?
A. 令和9年度採用の受験案内では、第1次選考の面接テストは、筆答テストを受験する人は筆答テストの結果発表時に、筆答免除の人は受験票で指定されます。第2次選考の各テストは第1次選考の結果発表時に、それぞれ大阪市教育委員会ホームページで指定されます(第1次が免除される人は受験票で指定)。日時や会場の変更はできません。また、受験案内には「面接の順番によっては、待機等のため指定時刻から約4時間要する場合もあります」と書かれています。当日は長丁場になる前提で、体調を整えていきましょう。
Q. 不合格だった場合、点数は分かりますか?
A. 令和9年度採用の受験案内では、不合格と判定された受験者(必要なテストをすべて受験した方)は、出願校種教科等における順位・受験者数・合格者数・合格最低点・筆答/面接/実技の各テストの得点および合格基準点の開示を請求できます。請求期限は各結果発表日から10日以内、大阪市行政オンラインシステムから行います。合格基準点は発表時期に大阪市教育委員会ホームページにも掲載されます。次に向けて役に立つ資料ですので、期限を逃さないようにしてください。年度で手続が変わる可能性があるため、必ず当該年度の実施要項で確認してください。
Q. 大阪府・堺市・豊能地区の学校を受けたい場合は?
A. すべて別々の実施です。大阪府(大阪市・堺市・豊能地区を除く府内)、大阪市、堺市、大阪府豊能地区教職員人事協議会(豊中市・池田市・箕面市・豊能町・能勢町)が、それぞれ独自に採用選考を行っています。受験案内も日程も別ですので、必ず受けたい自治体の案内で確認してください。
面接の手応えが気になる方へ
令和9年度採用の大阪市は、第2次選考の面接が8月中旬〜下旬、結果発表が9月25日でした。1か月以上、結果を待つことになります。「あの場面指導でよかったのか」と何度も再生してしまう時期ですよね。面接官の反応の読み方と、手応えがなくても受かる理由はこちらの記事にまとめています。
■ 面接官の合格サイン・不合格サイン|手応えがボロボロでも受かる理由
この記事では、受験者の皆さんからの情報提供と、公刊過去問の情報をそれぞれ参照しています。ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございます。応援しています!
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