こんにちは、金井志津乃です!

栃木県の願書を作っているんですが、自己PRを書く欄が見当たらなくて……。面接カードもないんですよね? じゃあ面接官は、何を見ながら質問してくるんですか?

いい質問です! 栃木県の一般選考の願書には、要項の印刷例を見る限り「自己PR」という欄がありません。面接官の手元にあると考えられるのは「クラブ・部・ボランティア活動等歴及び職歴調書」と「履歴書」です。実際、受験者報告でも「履歴の確認」から面接が始まったという声が複数あります。ここをどう書くかが、栃木県の隠れた勝負どころなんです!
この記事では、栃木県公立学校新規採用教員選考試験の教員選考願書と、特別選考の一部の方が提出する自己推薦書・自己申告書について、受験者12名の面接報告から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則をまとめます。
この記事の根拠
- 提出書類・記入欄・注意事項は令和9年度採用の選考要項(願書等印刷例を含む)と所定用紙と照合済み
- 令和6年度〜8年度採用の受験者12名の個人面接報告から、履歴・職歴・活動歴・資格に関する質問を整理(個人が特定できる表現は一般化)
- 書き方の原則は、志願書の書き方を解説した私の動画でお話ししている注意点を土台にしています
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
栃木県の提出書類|30秒でわかる全体像
| 書類 | 誰が出す | 中身 |
|---|---|---|
| 教員選考願書(履歴書を含む) | 全員 | 志望校種・免許状・得意とする教科・特技・その他特記事項・現職区分・クラブ・部・ボランティア活動等歴及び職歴調書、履歴書、配慮事項記入欄、刑罰・処分歴、自筆署名 |
| 受験者カード | 全員 | 写真を貼り、切り取り線に沿って切り取る |
| 連絡用定形封筒 | 全員 | 長形3号(12cm×23.5cm)のり付きを2通。各110円切手を貼り、自分の宛先を記入(氏名の後に「様」)。 |
| 自己推薦書(所定用紙①) | 特別選考 A-3・B-1・B-2Ⅰ・B-2Ⅱ・B-3(B-2Ⅲ スポーツの実績は自己推薦書の様式が一覧になく、実績をまとめた書類などを提出) | 「志望の動機」と「自己PR」の2欄(B-2Ⅱは「活動内容」欄が追加) |
| 勤務状況報告書(所定用紙②) | 特別選考 B-1・C-5の一部 | 所属長(校長)が証明 |
| 自己申告書(所定用紙③) | 特別選考 C-5 | 元教諭としての職歴・退職年月日・退職の事由・志望の動機・誓約と氏名(押印) |
| 在職証明書 | 特別選考 C-4/社会人経験者に対する特例 | C-4は任命権者が証明(所属長の証明は不可)。特例は様式自由・A4判。 |
| 採用延期願(所定用紙④) | 特例1・2の該当者 | 第2次試験合格後に提出 |
※出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考要項、「特別選考等に係る所定用紙について」、所定用紙①〜③
4月3日(金) 栃木県電子申請システムの受付開始。「令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考試験」を選び、必要事項を入力
↓ 申込み完了後に届く「整理番号」と「パスワード」を控えておく(入力内容の修正は「申請状況確認」から)
↓ 作成した願書・受験者カード(PDF)をA4用紙に片面印刷し、所定の写真(カラー・パスポート規格 たて4.5cm×よこ3.5cm・提出前6か月以内・脱帽・胸上)を貼付。願書の署名欄は本人が自筆
5月7日(木)消印有効 角形2号封筒(33.2cm×24.0cm)で郵送(郵便局の窓口で料金を確認して差し出す)
令和9年度採用では、電子申請と郵送の締切が同じ5月7日(木)でした。令和10年度採用の日付は変わるため、必ず当該年度の実施要項でご確認ください。ぎりぎりに入力すると、印刷・写真・署名・封筒の準備が間に合いません。4月中に入力を終え、5月頭には投函できるように動きましょう。
面接官が読むのはここ|願書の「活動歴・職歴調書」と履歴書
栃木県の教員選考願書には、自己PRを自由に書く欄がありません。そのかわりに「あなたが何をしてきた人か」を書かせる欄が用意されています。要項の印刷例には、記入の注意まで細かく書かれています。
| 得意とする教科 | 免許教科以外で得意とする教科を入力。小学校志望なら「自分が校内で頼られる教科」を書く欄になります。 |
| 特技 | 教育に生かせる技能。要項の記入例には、スポーツ、ICT機器の操作といった例が挙がっています。 |
| その他特記事項 | 教員免許以外の免許・資格(普通自動車免許、漢字能力検定など) |
| 現職区分 | 該当するものを選択。市採用教員の場合は「公立学校講師(非常勤職員を含む)」を選択と注記されています。 |
| クラブ・部・ボランティア活動等歴 及び職歴調書 | 中学校/高等学校/大学/卒業後の4段。左に「クラブ・部等の所属及び職歴」、右に「活動内容」(要項の印刷例の読み取りによる。実際の電子申請画面で項目名を確認してください)。大学院や社会人の職歴は「卒業後」の欄に入力します。 |
| 「活動内容」欄の書き方(要項の注記) | 「教育に生かせる一芸一能などの特技、実績、業績を具体的に入力すること。(スポーツ、芸術等における出場記録、成績、役割、ボランティア活動の経験、情報処理、機械、設計等の優れた技能及び職歴経験、その他の活動状況など)」/「主なものに絞ったり、内容をまとめたりした上で、文字が切れないように注意すること」 |
| 教員免許状 | 取得(見込)の免許状を全て入力。1行目=第1志望校種に係る免許状、2行目=特別支援学校教諭の免許状、3〜5行目=その他の免許状のうち関連の高い順に3つまで。 |
| 履歴書 | 小学校入学以後の履歴を、令和9年3月31日(大学3年生を対象とした特別選考は令和10年3月31日)まで暦年順に空白期間がないように入力(アルバイトや家事従事等も含む)。職業に就きながら通信教育・定時制・夜間に在学した場合はその両方を入力。原級にとどまった場合はその理由を入力。 |
| 配慮事項記入欄 | 障害のある方、事情により受験の際に配慮を希望する方が詳しく記入。「A-1 障害のある方を対象とした特別選考」を他の特別選考と併願する場合も、ここに記載します。 |
| 刑罰・処分歴 | 過去の刑罰・処分歴の有無と内容。あわせて「こども性暴力防止法」に基づく要件について選択します。 |
※出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考要項「【2】教員選考願書等作成の注意事項と印刷例等」(19〜21ページ)。
各欄の字数は要項に記載がなく、電子申請システムの入力欄の設定によると考えられます。入力してみて「文字が切れないか」を実際に確認してください。

ここ、読み飛ばさないでください。栃木県の要項には、「主なものに絞ったり、内容をまとめたりした上で文字が切れないように注意すること」とあります。これは文字切れへの注意書きですが、私が普段お伝えしている「志願書の種の撒き方」にも通じます。面接で踏み込んで聞いてほしいものがあるなら、そのほかの不要なものは書かないという選択が必要な場合もあります。
実録で確認|願書のどこを聞かれたか(受験者12名の報告から)
栃木県を受験した方の面接報告を読むと、質問の起点が願書と履歴書であることがはっきり分かります。聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴・学歴などが特定できる表現は一般化しています)。
- 冒頭に学歴と講師歴の確認があった。(高校の受験者・複数の年度で報告)
- 履歴の確認があった。(中学校の受験者)
- 大学卒業後の進路と、現在の仕事の内容について教えてください。→ すぐに教員にならなかった理由と、今、教員採用試験を受験した理由を教えてください。
- 一度学校現場を離れていた理由を教えてください。/他校種で講師をしていますが、その校種で働くことになってもよいですか。
- 大学の学部と受験する教科の関連が薄いように見えますが、なぜこの教科の教員になりたいのですか。(2年分の報告に登場)
履歴書は「小学校入学以後を空白期間なく」書くルールです。つまりブランクや進路変更は、面接官の目に入りやすいと考えておくと安心です。隠すのではなく、「なぜその期間があり、そこで何を得たか」を1分で語れる状態にしておくこと。それだけで、この質問は最大の見せ場に変わります。
- 卒業してからボランティアを始めた理由は何ですか。→ 学校での学習は学校で完結すべきではないですか。→ ボランティア経験から、外国につながる児童にどんな支援をしていましたか。
- 学生時代のリーダー経験で得たことは何ですか。/学生時代の役職経験が生かされていることはありますか。
- 部活動は何をみていますか。どんなことを大事にしていますか。/競技経験から学んだことで、生徒に伝えたいことを教えてください。
- 海外での経験で学んだことは何ですか。
- 講師経験の中で、生徒はどのように変わってきましたか。最初の頃と比べて教えてください。/講師経験の中で辛かったこと、大変だったことはありますか。
- 履歴書に書いてある資格について、具体的にどのような業務をするのですか。
- 趣味は何ですか。→ 自分らしさを感じる時はいつですか。
- あなたの教科は人生でどのように役立ちますか。→ それを授業でどのように指導していますか。具体的な題材を取り上げて話してください。
- 仕事を進める際は、コツコツ進めるか、まとめて一気にやるか、どちらのタイプですか。
3つのパターンに共通するのは、報告された質問が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いている点です。資格を書けば「具体的にどんな業務か」、ボランティアを書けば「なぜ始めたか」、講師歴を書けば「子どもはどう変わったか」。願書は、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所なのです。
■ 栃木県の個人面接|実録3年分・受験者12名の質問と出題傾向(二次は個人面接①②の2回)
志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点
①「深掘りしてほしい種」だけを撒く
ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官が個人的に興味を持ったものを選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれることも)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれを聞けばいいか分からないので聞かない、のどれかになります。「ここを突っ込んでほしい」ものを、せめて2〜3個に絞って厳選して書くといいと思います。ただし、どれを深掘りされても濃く話せるなら、リストアップしてもOKです。
②突っ込み質問を考えながら書く
栃木県の実録がそのまま証拠になっています。資格を書けば「具体的にどんな業務をするのか」、ボランティアを書けば「なぜ始めたのか」、部活を書けば「何を大事にしているか」。書いた一項目ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえません。逆に「書くか書かないか選べないこと」(学部と教科のずれ、ブランク、複数回の受験など)は、突っ込まれたときの答えを事前に作っておくのがベストです。
③資質能力のバランスを見る
栃木県は個人面接①で「人間性・協調性・堅実性」、②で「指導力・対応力・判断力」を見ます。願書の活動歴がボランティアと人間関係の話だけだと、面接官が「この人、授業はできるのかな」と不安に感じる場合があります。逆に資格と技能だけだと「子どもと関われるのかな」と思われる場合があります。授業力と人間性で補い合うのがコツです。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。
④項目の意図を正確に読む
栃木県の欄名は「活動内容」ですが、要項の注記は「教育に生かせる一芸一能などの特技、実績、業績を具体的に」。つまり「教育にどう生かせるか」まで含めて読むのが正解です。ただの活動記録ではなく、「この経験は学校でこう役立つ」という視点で選び、書く。自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るためです。
⑤丁寧に整え、何人かの目を通す
栃木県の願書は電子申請システムに入力して印刷する方式なので、字の上手さは問われません。そのぶん「文字が切れていないか」「誤字がないか」「履歴に空白がないか」が全てです。要項には提出書類チェックリストまで用意されています(履歴は小学校入学以後から/履歴の最終終期は令和9年3月31日(大学3年生を対象とした特別選考は令和10年3月31日)/A4片面印刷/カラー写真/署名欄に日付と氏名を自筆/ステープラ等で綴じない/受験者カードは枠線に沿って切り取る(細目は令和9年度採用の要項のチェックリストで確認))。必ず1つずつ潰してください。
そして書いたら、必ず何人かに読んでもらうこと。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した志願書ほど、どんな面接官にも魅力が伝わりやすくなります。署名欄だけは、出願する本人が必ず自筆です。
自己推薦書(特別選考)|「志望の動機」と「自己PR」の2欄
栃木県で唯一、自己PRを自分の言葉で書けるのが自己推薦書です。提出するのは特別選考A-3・B-1・B-2Ⅰ・B-2Ⅱ・B-3の方。県教委ホームページからダウンロードし、願書と一緒に郵送します。
| 所定用紙 | 対象の特別選考 | 「自己PR」欄の問い方 |
|---|---|---|
| ①-1 | A-3 特別支援学級担当に係る特別選考 | 自分の経歴を特別支援学級担任としてどのように生かすことができるか |
| ①-2 | B-1 講師等経験者特別選考 | 自分の経歴を志望校種の職務にどのように生かすことができるか |
| ①-3 | B-2Ⅰ 特定の資格や経歴(普通免許状の所有の有無に関わらない選考) | 自分の経歴を志望校種の職務にどのように生かすことができるか |
| ①-4 | B-2Ⅱ 特定の資格や経歴(国際貢献活動等の経験による選考) | 「活動内容」欄が追加(教育に関する活動内容を書く)+志望の動機+自己PR |
| ①-5 | B-3 ネイティブ英語教員の特別選考 | 自分の経歴をネイティブ英語教員としてどのように生かすことができるか(日本語で記入) |
※どの用紙にも共通して「志望の動機(具体的に書いてください。)」欄があります。
出典:所定用紙①-1〜①-5「自己推薦書」、「特別選考等に係る所定用紙について」

この用紙、実はものすごく親切です。「自分の経歴を○○としてどのように生かすことができるか」——書くべきことが問いの中に書いてあるんですから。つまり求められているのは「私はすごい」ではなく、「私の経歴 × 志望する職務」の掛け算。経歴の話で終わっている自己推薦書は、設問に答えていないのと同じです。
講師の方(B-1)が書くべきこと
令和8年度採用の特別選考で最も多くの合格者を出したのがB-1講師等経験者特別選考(119人)です。この方たちが書く自己推薦書で、私が軸にすることをおすすめしているのが「4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった」という一つのエピソードです。
賞や研究発表のような大それた実績はいりません。講師の強みは「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」——現場で課題意識を持ってやってきた実践、実際に働いてきた積み重ね、そして現実を見ても初心を忘れていないこと。この3つです。しかも栃木県の面接では実際に「講師経験の中で、生徒はどのように変わってきましたか。最初の頃と比べて教えてください」と聞かれた報告があります。自己推薦書に書いたエピソードは、面接でも使いやすくなります。
特別支援学級を志望する方(A-3)が書くべきこと
A-3で合格した方は原則として一定期間、栃木県公立小・中学校の特別支援学級担任として配置されると要項に明記されています。だからこの用紙の自己PRだけ、問いが「特別支援学級担任として」と限定されているのです。「特別支援学級の担任をやりたい」という覚悟が伝わるかが、この一枚の全てです。実際、令和7年度採用のA-3受験者の報告では「特別支援に関する質問が多かった」とされています。
自己申告書(C-5)|「退職の事由」を前向きに書く
「C-5 育児・介護等の事由による退職者を対象とした特別選考」の方が提出するのが自己申告書(所定用紙③)です。栃木県の公立学校の正規教員として、受験する校種・教科・科目と同一の教職経験を5年以上(休職・育休等を除く)有し、育児・介護・家族の転勤等で退職した方が対象です。出願時に退職年度の翌年度から10年以内、または10年超でも令和5年4月〜令和8年3月に県内公立学校の講師等として通算12月以上(非常勤講師を含む)の勤務経験があることが必要です。書類選考で対象となれば、第1次試験が全て免除されるルートです(第2次試験の実技も免除)。
| 元教諭としての職歴 | 勤務先・在職年月日・在職月数を古い順に(8行分) |
| 退職年月日 | 年月日を記入 |
| 退職の事由 | 具体的に書く |
| 志望の動機 | 具体的に書く |
| 誓約 | 「記載事項は真実であり正確であることを誓います」+日付・氏名(㊞) |
この用紙で唯一むずかしいのが「退職の事由」です。ここは事実を簡潔に書けば十分。大切なのはその次の「志望の動機」で、「離れていた期間に何を考え、いま何ができるようになったから戻りたいのか」を書くこと。ブランクを言い訳するのではなく、ブランクがあったからこそ持てた視点を書いてください。子育てや介護を経験した先生が学校にいることの価値は、本当に大きいです。
栃木県向けに着地させる|求める教師像と育成指標
〜自信と誇りをもって子どもたちと向き合える教師〜
- 人間性豊かで信頼される教師
- 幅広い視野と確かな指導力をもった教師
- 教育的愛情と使命感をもった教師
そして「栃木県教員育成指標」の教諭「採用時の姿」の全体指標は、「教員としての基礎・基本を理解するとともに、教職生活全体を通して自律的に学び続けようとする強い意志をもっている」。「学び続けようとする強い意志」は、全体指標と学習指導・児童生徒指導の指標に書かれています。参画経営では組織の一員として役割を果たそうとする強い意志、意欲態度では教育的愛情と使命感をもった教師になるという強い意志が示されています。
栃木県教員育成指標の「採用時の姿」からは、栃木県が新採用に求めているのは、完成された指導力よりも「学び続ける意志」だと読み取れます。願書の「活動内容」欄や自己推薦書の自己PRは、「これができます」で止めず、「だからこれからこう学び続けます」まで書くと、育成指標にきれいに着地します。面接で報告されている「教員の資質能力の向上のためにしていることは何ですか」という質問も、同じ場所を狙っていると考えられます。
書いたあとにやること|深掘りツリーを作る
願書を出したら、面接までにやることは1つです。書いた項目を左に並べ、そこから伸びる質問を右に書き出す——深掘りツリーを作ること。栃木県の実録から、実録の質問と、そこから考えられる想定質問を組み合わせて、枝の例をつくってみます。
- 「ボランティア」と書いた → なぜ始めたのか → その経験から何を学んだか → 学校での学習は学校で完結すべきではないのか(逆から突く質問) → 外国につながる児童にどんな支援をしていたか
- 「講師歴」と書いた → 生徒は最初の頃と比べてどう変わったか → 辛かったこと・大変だったことは → 教員の資質能力の向上のためにしていることは → 具体的にどんなことか → そう実感したのはどんなときか
- 「資格」と書いた → 具体的にどのような業務をするのか → それは教育にどう生かせるのか
- 「部活動」と書いた → 何を大事にしているか → そこから学んだことで生徒に伝えたいことは → 部活動の地域移行についてどう考えるか
面接ノートの作り方は、合格者の実例で解説した動画があります。「上手く話せない」の原因は、たいていノートの作り方にあります。
なお、私自身が新卒で受験したときの自己PRの実物と、一文ごとの意図(3つの長所のバランス/2文目に目的を置く/3文目で「突っ込みたくなる抽象度」の種を撒く)は、別の記事で全文公開しています。栃木県の一般選考の願書には自由記述の自己PR欄がありませんが、面接で「自己PRを◯分で」と口頭で求められる報告が複数あるので、考え方はそのまま使えます。
■ 金井志津乃の自己PR実物と一文ごとの意図(愛知県の記事内)
よくある質問
Q. 栃木県に面接カードや自己PR用紙はありますか?
A. 一般選考の方には、自己PRを自由に書く用紙はありません。提出するのは教員選考願書(履歴書を含む)・受験者カード・連絡用定形封筒です。自己PR欄がある「自己推薦書」は特別選考A-3・B-1・B-2Ⅰ・B-2Ⅱ・B-3の方のみ、「自己申告書」は特別選考C-5の方のみが提出します。ただし面接では口頭で「自己PRをしてください」と求められる報告が複数あるので、準備は必須です。
Q. アルバイトの履歴も書くのですか?
A. はい。履歴書は「小学校入学以後の履歴について、令和9年3月31日まで暦年順に空白期間がないように入力すること。(「アルバイト」や「家事従事」等も含む。)」とされています。要項のQ&Aでも「履歴は、空白期間がないように、大学卒業後のアルバイト等の履歴(学生時を除く)を入力してください」と回答されています。同一年度内に勤務校が異なる講師経験がある場合も全て入力します。なお、大学3年生を対象とした特別選考では、履歴の最終終期は令和10年3月31日です。
Q. アルバイト経験は自己PRに使ってもいいですか?
A. 使っていいです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて、「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一言添えるのがコツです。
Q. 「最終学校」はどう書けばいいですか?
A. 要項に例が示されています。最終学歴は「学士」や「修士」を取得した大学等です。A大学卒業後にB大学(通信制含む)の科目等履修生 → A大学/A大学卒業後にA大学大学院修了(見込み) → A大学大学院/A大学卒業後にB大学卒業 → B大学/A大学卒業後にB大学通信課程修了 → A大学/C専門学校卒業後にD教員養成機関卒業 → D教員養成機関。Q&Aでも「科目履修生として在学した通信制大学ではなく、大学卒業時の大学名」と回答されています。
Q. 志望理由に家庭の事情を書いてもいいですか?
A. 書いてもいいけれど、優先順位は低めです。さらっと触れる程度にして、主軸は「栃木県の教員としてどんな教育をしたいか」に置いてください。面接官が知りたいのはそこです。実際、栃木県の面接では「栃木の教育について教えてください」「現在は他自治体に住んでいますが、なぜ栃木県を志望するのですか」と直球で聞かれています。
Q. 名前の旧字体が表示されません。
A. 要項のQ&Aに回答があります。「入力できる字体で対応し、願書印刷後に正しい字を朱書きで記載してください」。また出願後に住所等が変わった場合は、速やかに問合せ先(小中・養護(小中)=義務教育課人事担当/高校・特支・養護(高特)=高校教育課人事担当)に連絡し、あわせて郵便物の転送届も必ず出すよう案内されています。
Q. 提出後に願書を修正できますか?
A. 電子申請の入力内容は、受付期間中なら電子申請システムの「申請状況確認」から照会・修正ができます。郵送後の住所変更等は問合せ先に連絡してください。なお「願書等記載事項に重大な瑕疵や虚偽があった場合には、合格・採用を原則無効とする」と要項に明記されています。受け付けた書類は返却されませんので、必ずコピーを取ってから郵送し、面接前に自分が何を書いたか読み返せるようにしておいてください。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
「願書のどこを聞かれたか」「自己推薦書のどの一文を突っ込まれたか」は、受験した方にしか分からない情報です。栃木県は、2026年10月時点では報告数が多くない自治体なので、あなたの1件が大きな力になります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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