【教員採用試験】横浜市の面接カードの書き方|約30分の面接で深掘りされる欄を実録から逆算(提出は一次試験当日)

こんにちは、金井志津乃です! 

横浜市の面接カードって、一次試験の日に出すんですよね? まだ一次に受かるかも分からないのに……。何を書けばいいんでしょう?

そうなんです。横浜市は第一次試験当日に面接カードを持参提出します。そしてそのカードが、1か月後の約30分の個人面接で、質問の元ネタになるんです。受験者の報告を読むと「ここまで拾われるのか」と驚きますよ!

この記事では、横浜市公立学校教員採用候補者選考試験の面接カードについて、受験者9名の面接報告から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則をまとめます。

この記事の根拠

  • 提出の仕組み・時期・写真の要件は令和8年度実施の受験案内【夏実施】【春実施】と照合済み
  • 令和6年度〜8年度採用の受験者9名の個人面接報告から、面接カード・経歴・自己PRに関する質問を整理(個人が特定できる表現は一般化)
  • 面接カードの様式・記入項目・字数は受験案内に記載がありません。この記事は確定している情報と、受験者報告からの逆算だけで構成しています。様式は必ず横浜市教育委員会のホームページで確認してください。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

横浜市の面接カード|30秒でわかる仕組み

様式の入手横浜市教育委員会のホームページからダウンロード(受験案内に明記)。記入項目・字数は受験案内には書かれていないので、様式そのもので確認してください。
いつ出す(夏実施)第一次試験当日(令和8年度実施は7月5日)に持参して提出。原本1部+コピー2部が必要です。
いつ出す(春実施)令和8年4月15日(水)必着・簡易書留で郵送(持込不可)。本人確認カード(原本1部)と面接カード(原本1部・コピー2部)をあわせて提出。正当な理由なく期日までに提出できない場合は失格。
写真夏実施では、第一次試験日に持参する証明写真と同一の写真を貼付。証明写真は4cm×3cm・正面向き・上半身・脱帽・背景なし・カラー白黒不問・令和8年4月1日以降に撮影。裏面に氏名と受験番号を記載。面接カードに貼るものとは別に、もう1枚を持参します(=同じ写真が計2枚必要)。春実施の写真の扱いは、春の受験案内・様式でご確認ください。
誰が読む第二次試験の個人面接(約30分)の面接員。受験者報告では面接官は2人(横浜市教育委員会事務局の職員と校長などの管理職)でした。コピー2部の使い道は受験案内に書かれていません。
どう使われる受験者報告:「主に提出した面接シートからの内容でした」「面接カードに書かれている◯◯について具体的に」「(面接カードに記した)学ぶ楽しさが伝わったエピソードを教えてください」
注意受験申込時や面接カードの記載事項が事実と異なることが明らかになった場合は、失格とする又は採用を取り消すことがあります(受験案内「12 留意事項」)。

ポイントは「一次の合否が分からないうちに完成させなければならない」ことです。令和8年度実施では、夏実施なら7月5日、春実施なら4月15日。面接カードは、その後の個人面接で使われます(春実施は5月9日又は10日、夏実施は8月3日〜14日、大学3年生チャレンジ推薦特別選考は9月1日〜4日)。申込みが終わったら、筆記の勉強と並行して面接カードを書き始める——これが横浜市対策のおすすめの進め方です。

面接カードのどこを聞かれたか|受験者9名の報告から

横浜市を受験した方の面接報告を読むと、質問の多くが面接カードに書いた内容の深掘りだったという報告が目立ちます。私たちが集計した公刊の過去問データでも、確認できた範囲では、横浜市は志望動機の質問が全国と比べて多め、自己PR・長所短所も多め。そして追質問がつながる質問も全国と比べて多め——つまり書いたことを深く掘られる傾向のある試験です。報告を、聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴などが特定できる表現は一般化しています)。

パターン① 志望動機を「なぜ教員か」+「なぜ横浜市か」の2段で
  • 教員を志望する理由を教えてください。/教員を志望したきっかけを教えてください。
  • 横浜市を選んだ理由を教えてください。/なぜ横浜市で教員を希望するのですか。
  • なぜ横浜市を志望したのですか。/横浜市で教員を希望する理由を教えてください。
  • 横浜市で受験しようと思ったきっかけを教えてください。→ 横浜市の魅力は地元だからというだけですか。
  • 小学校を選んだ理由を教えてください。/これまでの経験を踏まえて、なぜ小学校教員を志望するのですか。
  • 横浜市の教育政策で最も関心のあることは何ですか。
パターン② 書いた一語を拾って「具体的に」
  • 面接カードに書かれている「特別な配慮が必要な児童」について、具体的に教えてください。
  • (面接カードに記した)学ぶ楽しさが伝わったエピソードを教えてください。
  • 困難だったこととして「生徒会活動・部活動・勉強の両立」と書いていますが、自分の口からも説明してください。
  • 趣味ではどんなことができますか。
  • プール指導はできますか。
  • (よこはま教師塾「アイ・カレッジ」について)最も学んだことは何ですか。
パターン③ 長所・短所→「どう生かすか」「どう直すか」
  • 長所の粘り強さとは何ですか。→ どんな場面で発揮されましたか。
  • 短所(計画性がない)をどのように直していきますか。
  • 広い視野で見ることが、なぜ大切なのですか。→ どんな場面で使っていますか。
  • 以前の仕事で活かせることはありますか。→(傾聴力と答えると)前職で傾聴力が磨かれた具体的なエピソードを教えてください。→ 仕事を抱え込んだ時の対策を教えてください。
  • 最後に1分で自己PRしてください。
パターン④ 経験の深掘り→「何を学び、今どう生きているか」
  • 最も困難だったことを教えてください。→ 学生時代では。→ 現場に出てから一番大変だったことは。→ 離席が多い子への対応はどうしましたか。
  • 学生時代のボランティアについて教えてください。→ ボランティアと教員の仕事は何が違いますか。
  • 実習で嬉しかったことを教えてください。→ 実習で困難だったことは。→ その改善策は。→ 実習先の先生から学んだことは。→ 実習先で困難なことを誰に相談しましたか。
  • 現在の勤務校での経験から、一番のエピソードを教えてください。(それぞれ、もう一、二段階突っ込んで聞かれたという報告)
  • 自分の職歴について教えてください。(そこから細かく質問される、という報告が複数)

4つのパターンから、面接官が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いている傾向がうかがえます。長所を書けば「どんな場面で発揮されたか」、経験を書けば「何を学び、今どう生きているか」、趣味を書けば「それで何ができるか」。面接カードは、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所だと考えられます。

「プール指導はできますか」——この質問は、面接カードの記載をもとに聞かれた可能性があります。面接カードに書いたことが、質問の元ネタになることがあります。逆に言えば、深掘りしてほしい要素を戦略的に散りばめることができます。ただし、書いたことがそのまま聞かれるとは限りません。

面接カードを書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、のいずれかになることが多いです。「ここを突っ込んでほしい」ものを2〜3個に絞って書く。これが種の撒き方です。

②突っ込み質問を考えながら書く

アルバイトの経験を書く場合は、「その経験から何を学び、学校でどう生かしますか」など、記入内容への質問を想定して準備してください。趣味を書けば「それで何ができますか」。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。横浜市は、確認できた範囲では追質問がつながる質問が全国と比べて多めの自治体です。これができていれば本番でうろたえません。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を書き、自己PRでも「受容性・傾聴力・協働力」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になります。授業力と生徒指導力、志望動機と自己PRで補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

令和9年度採用(令和8年度実施)の横浜市の二次では、模擬授業は約8分、個人面接は約30分です。養護教諭を除き、場面指導を個人面接の中で2分程度実施します。養護教諭は、模擬授業の代わりに模擬対応を実施します。面接官は、授業する姿とカードの記述を重ね合わせて見ていると考えられます。カードに授業への思いが一行もないと、模擬授業とのつながりが弱くなるおそれがあります。

④項目の意図を正確に読む

自己PRを書く欄があれば、そこに「学校でどう生かせるか」まで含めて読むのがおすすめです。自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るためだと私は考えています。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

横浜市の面接カードは、ダウンロードした様式に記入して提出します。上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、何人かに読んでもらうことをおすすめします。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通したカードほど、どんな面接官にも魅力が伝わりやすくなります。

「言わないと分からないこと」に字数を使う

私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。自分がどんな第一印象を持たれやすいかを知ったうえで、そこで生まれる不安を先回りして埋める。それが「言わないと分からないこと」です。

この考え方と、私自身が新卒で受験したときの自己PRの一文ずつの意図は、別の記事で全文を公開しています。3つの長所のバランスの取り方、2文目に行動の目的を置く理由、3文目で「学校現場でどう生きるか」まで書いたうえで取り組みの記述に深掘りの種を残す考え方——横浜市の面接カードにもそのまま応用できます。

■ 自己PRの実例と一文ずつの意図(愛知県の記事で全文公開しています)

アルバイト・前職の経験は「学校で生きる形」にして書く

レストランのアルバイトも、前職の営業も、書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。

横浜市はここが特に重要です。実録では職歴に関する質問が目立ち、「民間企業と比較して学んだことは何ですか」「以前の仕事で生かせることはありますか」と聞かれた報告があります。前職がある方は、面接カードの段階で「学校でどう生きるか」を1行入れておくと、面接の30分が楽になりやすいです。

横浜市向けに着地させる|3つの教師像に対応させる

横浜の求める教師像(受験案内・募集案内より)
  • 教育への使命感や情熱をもち、学び続ける教師
  • 「チーム学校」の一員として、ともに教育を創造する教師
  • 子どもによりそい、豊かな成長を支える教師

面接カードに書く長所・経験・志望動機は、この3つのどれかに対応させると、面接で話す内容の軸になります。3つ全部に1本ずつ種を撒くのが理想です。
①学び続ける教師 →「苦手な教科の教材研究をどうしているか」を語れる経験
②チーム学校 →「同僚・チームで動いた」経験
③子どもによりそう →「一人の子の変化」を語れるエピソード

実際、実録には「自分の意見を学年主任に言ったとき、もし通らなかったらどうしますか」「これまでに、他の先生との関係が上手くいかなかったことはありますか」という質問が並んでいます。②の「チーム学校」に関わる質問は、実録でも複数見られます。カードに「一人でがんばった話」しか書いていないと、ここで詰まりやすくなります。

そして横浜市が目指す人づくりは「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人」(横浜教育ビジョン2030)。そのアクションプランが第5期横浜市教育振興基本計画(令和8年度〜11年度)です。「横浜市の教育政策で最も関心のあること」を聞かれた実録もあるので、カードの志望動機と1つの施策をつないでおくと強いです。

書いたあとにやること|深掘りツリーを作る

面接カードを書き終えたら、コピーを取って手元に置き、一文ごとに「聞かれそうな質問→自分の答え→さらに深掘り→答え」の深掘りツリーを面接ノートに作ります。横浜市は約30分。1つのテーマを3段階ほど掘られることがあると考えて準備しましょう。実際に聞かれた質問は面接記事に約85問あります。

■ 横浜市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と傾向

よくある質問

Q. 面接カードには何を書く欄がありますか?

A. 受験案内には記入項目も字数も書かれていません。「面接カードの様式は横浜市教育委員会のホームページからダウンロードしてください」とあるだけです。ただし受験者報告からは、志望動機/これまでの経験・職歴/長所・短所/困難だったこと/自己PR/趣味・特技に相当する内容が質問されていることが分かります。様式が公開されたら、必ず実物で確認してください。

Q. なぜコピーを2部も出すのですか?

A. 受験案内には理由の説明はありませんが、受験者報告では個人面接の面接官は2人でした。いずれにせよコピー2部を忘れると受付で困ります。前日までに準備してください。

Q. 写真は何枚必要ですか?

A. 同じ写真が2枚必要です。1枚は面接カードに貼付、もう1枚は面接カードに貼付するものとは別に持参(裏面に氏名・受験番号を記載)と受験案内に明記されています。要件は4cm×3cmに切り取ったもの・正面向き・上半身・脱帽・背景なし・カラー白黒不問・令和8年4月1日以降に撮影。令和8年度実施では令和8年4月1日以降の撮影が条件のため、それより前に撮った写真は使えません。

Q. 春実施と夏実施で提出方法は違いますか?

A. 違います。夏実施は第一次試験当日に持参提出、春実施は令和8年4月15日必着で簡易書留による郵送提出(持込不可)(本人確認カードとあわせて)です。春実施は正当な理由なく期日までに提出できない場合は失格と明記されているので、余裕を持って発送してください。

Q. 一次試験に落ちたら、書いたカードは無駄になりますか?

A. まったく無駄になりません。むしろ「深掘りされる想定で自分の経験を言語化した記録」が手元に残ります。翌年、教職経験者特別選考などで一次が免除になれば、その記録がそのまま役立つ教材になります。なお横浜市の第一次試験の倍率は令和9年度採用で1.1倍。そもそも一次で落ちる人は多くありません。
■ 横浜市の特別選考と一次免除ルート

Q. 提出した文章をそのまま面接で話せばいいですか?

A. 少し変えてください。文字は構造を見ながら読めますが、音声は一度聞いただけで理解してもらう必要があります。書き言葉では省いた主語や言葉を、話すときはあえて足す。暗記した文章を読み上げると思いが乗らないので、聞き取りやすい言葉に置き換えて、感情を込めて話しましょう。横浜市は約30分と長いので、暗記した答えだけでは途中で尽きてしまうおそれがあります。

Q. 面接カードの内容と違うことを話してもいいですか?

A. 言い方を変えるのは問題ありませんが、事実を変えてはいけません。受験案内には「受験申込時や面接カードの記載事項が事実と異なることが明らかになった場合は、失格とする又は採用を取り消すことがあります」と明記されています。盛らない、作らない。これは絶対です。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

「面接カードのどこを聞かれたか」は、受験した方の報告でしか分かりません。横浜市を受験された方は、ぜひ次に受験する方のために教えてください(カードの項目名だけでも大歓迎です)。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

そして面接カードを書き終えたら、次は模擬授業と場面指導です。横浜市の二次では個人面接に加えて模擬授業(養護教諭は模擬対応)があり、場面指導は養護教諭を除き個人面接の中で2分程度実施されます。

■ 横浜市の模擬授業|実録9件のテーマと8分授業の作り方
■ 横浜市の場面指導(模擬対応)|実録の全場面と2分の型

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