こんにちは、金井志津乃です!

福井県って「チャレンジ第1次選考」とか「一部免除」とか、制度が多すぎて自分がどれに当てはまるのか分かりません……。

その気持ち、すごく分かります。福井県は特別選考4区分+第1次選考免除10区分+加点6種類と、制度が多い県です。でも大丈夫。あなたが使えるのは、たいてい1つか2つ。まず早見表で自分の場所を見つけて、そこだけ詳しく読んでくださいね!
この記事では、福井県公立学校教員採用選考試験の特別選考と第1次選考免除制度、そして加点制度を、令和9年度採用の実施要項と教育委員会の公表実績をもとに整理します。
この記事の根拠
- 令和9年度採用の実施要項(選考の種類・受験資格・免除制度・加点制度・提出書類・選考基準)を条文単位で確認
- 特別選考の志願者数・内定者数の実績(令和5年度〜9年度採用の「採用内定者数」公表資料)
- チャレンジ第1次選考の令和8年に実施された分(令和9年度採用と同日程・別選考)の実績(出願状況・第1次選考合格者数)
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表①|選考の種類は3つ(令和9年度採用)
まず、福井県の選考は大きく3種類に分かれます。
| 選考の種類 | 対象 | 試験内容 | 加点制度 |
|---|---|---|---|
| 一般選考(嶺南採用枠を含む) | 受験資格を満たす人すべて | 1次=一般・教職(100点)+教科等専門(200点・一部は実技を含む)/2次=適性検査+小論文(50点)+個人面接(250点) | 利用できる |
| チャレンジ第1次選考 | 大学3年時等(免許を令和9年4月2日〜令和10年3月31日に取得見込みの人) | 一般・教職(100点)+教科等専門(200点)のみ。2次はなし。 | 利用できない |
| 特別選考(4区分。教育エキスパートは5分野) | 書類審査で「特別選考対象者」となった人 | 区分により適性検査・個人面接・小論文・レポート・教科等専門など | 利用できない |
※出典:令和9年度福井県公立学校教員採用選考試験実施要項Ⅰ・Ⅷ、P3「選考区分ごとの試験内容の概要」。
加点制度は「一般選考で受験する場合に限り」利用できます(実施要項Ⅱ-4)。
早見表②|第1次選考免除の10区分
福井県では第1次選考免除の利用が多いと考えられます。令和9年度採用では、志願者総数782人(延べ)に対して第1次選考を受験したのは372人。差の410人には、第1次選考の全部免除者・欠席者のほか、第1次選考を経ない特別選考の志願者も含まれます(内訳は非公表)。利用者数は公表されていません。
| 種類 | 記号 | 対象 | 免除される試験 |
|---|---|---|---|
| 第1次選考 全部免除 | ア | 他都道府県の国公立学校での正規勤務経験者(出願時に任用中または退職後3年以内/講師経験を含め3年以上/勤務歴のある校種・教科等で受験) | 一般・教職 + 教科等専門 |
| イ | 令和8年度採用の第1次選考合格者で、県内国公立学校の講師等または大学院在学中の人(合格した校種・教科等で受験する場合) | ||
| ウ | 令和8年度採用の「チャレンジ第1次選考」合格者(合格した校種・教科等で受験する場合) | ||
| エ | 令和8年度に県内国公立学校に勤務する講師等経験者(60月以上) | ||
| 第1次選考 一部免除 | オ | 他都道府県の国公立学校での正規勤務経験者(勤務歴のない校種・教科等で受験する場合) | 一般・教職 のみ (教科等専門は受験) |
| カ | 令和8年度採用で「一般・教職」が基準点に到達した人で、県内(私立含む)の講師等または大学院在学中の人 | ||
| キ | 令和8年度採用の「チャレンジ第1次選考」で「一般・教職」が基準点に到達した人 | ||
| ク | 国際貢献活動経験者(青年海外協力隊として令和3年4月1日〜令和9年3月31日の間に2年以上の派遣実績があり、原則として教育に関する国際貢献活動を行ってきた人) | ||
| ケ | 教職大学院2年在学者(3年コースは3年在学者)で、直近の試験で免除資格を得た人(受験時に教職大学院2年在学者〔3年コースは3年在学者〕であり、令和7年度採用試験〔3年コースは令和6年度採用試験も含む〕で一次合格、または一次不合格でも「一般・教職」が基準点に達し、かつ令和9年3月31日までに専修免許状を取得見込みの人) | ||
| コ | 嶺南地域教育プログラム修了(見込)者(嶺南採用枠希望者) |
※出典:実施要項Ⅱ-5「第1次選考免除制度」。
いずれもP4の受験資格をすべて満たしていることが前提です。出産および育児等により継続的な受験が困難な場合、事前に得た免除制度の資格を延長できます(利用する場合は受付期間内に必ず教職員課へ問い合わせ)。

この表で押さえてほしいのは「その年の結果が、翌年の免除資格になる」という構造です。
令和9年度の要項では、昨年度の第1次選考合格者で所定の県内講師等の勤務条件または大学院在学条件を満たす人は、合格した校種・教科等で第1次選考全部免除の対象です。翌年度(令和10年度採用)の条件については、福井県教育庁教職員課が令和8年9月現在の暫定版として「第1次選考免除の条件」を公表しています(令和9年度採用の第1次選考の合格者・受験者を基準に、講師等の勤務条件・60月以上の基準日〔令和9年3月31日〕・大学院在学条件などを示したもので、今後変更される場合があります)。最終的にはその年度の要項で確認してください。また、昨年度に「一般・教職」が基準点に到達していた人も、県内の学校に講師等として勤務、または大学院在学中などの条件を満たせば一部免除の対象です。しかも教育エキスパート特別選考を除き、不合格者には、ランクと各科目の点数が通知されます。福井県は「1年目の努力が2年目に効く」設計になっているのです。だから令和9年度採用の受験は、令和10年度採用につながる可能性があります。
早見表③|特別選考の4区分
| 選考区分 | 主な受験資格 | 試験内容 | 令和9年度採用の志願者 |
|---|---|---|---|
| ③ 盲学校(高等部)保健理療科担当教員特別選考 | — | 適性検査/教科等専門/個人面接 | 0人(募集1名程度) |
| ④ 障がい者特別選考 | 身体障害者手帳(1〜6級)、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、要項所定の診断書・意見書・判定書のいずれかの交付を受けている人(申込日・受験日当日に有効であること。診断書等の発行医・発行機関と対象障がいは要項の指定を確認) | 一般選考と同内容・同日程(受験上の配慮は申請時に申し出) | 1人(若干名) |
| ⑤ R9大学院修士課程修了時特別選考 | 令和6・7・8年度の福井県教員採用選考試験で受験を認められた人/受験を認められた校種・教科等の専修免許状を令和9年3月31日までに取得見込み | 適性検査/個人面接/レポート(「大学院で学んだことをどのように学校で生かしていくか」1200字程度・7月9日必着) | 14人(若干名) |
| ⑥(a) 教育エキスパート 専門教育分野 | 民間企業・研究機関等で3年以上の実務経験または博士の学位/教科(数学・理科・家庭・農業・工業・水産・商業)の専門的知識や技能 | 適性検査/教科等専門(6/27または28)/個人面接/実績調書 | 4人(若干名) |
| ⑥(b) 教育エキスパート 英語教育分野 | 英語を母語とする外国籍で必要な日本語能力を有する人、または5年以上の英語圏在住経験もしくは3年以上の英語を用いた実務経験がある英語の堪能な日本人 | 適性検査/英語による作文/個人面接/英語による面接 | 3人(若干名) |
| ⑥(c) 教育エキスパート 芸術教育分野 | 民間企業・研究機関等で3年以上の芸術活動または指導/音楽・美術の高度な専門性/平成28年4月1日以降に全国レベルのコンクール・展覧会で優秀な実績 | 適性検査/小論文/個人面接 | 0人(若干名) |
| ⑥(d)(e) 教育エキスパート スポーツ教育分野 | 民間企業・研究機関等で3年以上の競技経験または指導経験/保健体育の高度な専門性/国際・全国レベルの実績(従来枠)または体操競技・ウエイトリフティング競技の実績(地域連携枠) | 従来枠=適性検査/小論文/個人面接 地域連携枠=適性検査/個人面接 | 従来枠0人/地域連携枠2人(募集2名程度) |
※出典:実施要項Ⅳ「特別選考」、Ⅵ-2「特別選考の試験内容および試験期日」、令和9年度採用「出願状況」。
特別選考の募集人数は一般選考の募集人数に含まれます。障がい者特別選考は、試験内容だけでなく試験期日・会場も一般選考と同じです(第1次選考は6月27日・28日、第2次選考は小論文が令和8年7月31日(金)、個人面接が7月31日(金)または8月3日(月)〜7日(金)のうち指定された1日。なお県の結果資料の選考日程欄には8月3日(月)〜6日(木)と記載されています)。それ以外の特別選考の個人面接等は令和8年7月31日(金)に実施(適性検査は令和8年7月17日(金)〜22日(水)にオンライン)、会場は福井県立羽水高等学校です。ただし教育エキスパート特別選考(a)専門教育分野は教科等専門(6月27日または28日)も受験が必要です。
教育エキスパート特別選考は、教員免許状がなくても受けられます
実施要項には「教育エキスパート特別選考は、教員免許状所有の有無は問いません」「免許状を所有していない内定者には、福井県教育委員会が行う特別免許状教育職員検定の合格をもって採用時に特別免許状を授与します」と明記されています(免許申請に必要な費用は自費)。また、年齢上限は専門教育分野だけ緩和され、昭和40年4月2日以降に生まれた人(令和9年4月1日現在62歳未満)まで受験できます(一般選考や他の分野は60歳未満)。
主流ルート①|チャレンジ第1次選考(大学3年生等の1年前倒し)
福井県で大学3年時等に使える前倒しルートです(令和8年実施の志願者は延べ342人)。大学3年時等に第1次選考(一般・教職+教科等専門)だけを受け、合格すれば、翌年度に同じ校種・教科等で受験する場合は第1次選考が全部免除になります(異なる校種・教科等では教科等専門の受験が必要です)。
| 受験資格 | 昭和43年4月2日以降に生まれた人(令和9年4月1日現在59歳未満)で、受験する職種・校種・教科に相当する普通免許状を令和9年4月2日〜令和10年3月31日に取得見込みの人 |
| 結果の3パターン | 合格→翌年度は全部免除(一般・教職/教科等専門とも免除) 不合格だが「一般・教職」が基準点に到達→翌年度は一部免除(一般・教職のみ免除) 基準点未到達→免除なし |
| 注意点 | 加点制度は利用できません/全部免除が適用されるのは合格した校種・教科等のみ/チャレンジ第1次選考で受験した校種・教科等が次年度に募集されない場合は受験できません/「一般選考」の第1次選考とは別に選考を行います |
| 併願 | 一般選考と同様に、募集のある校種のうち併願できる組合せ(要項記載の併願できない組合せを除く)に限り、第1希望・第2希望の併願が可能 |
| 提出書類 | 志願書(A4片面カラー印刷)+返信用封筒1枚 |
令和8年に実施されたチャレンジ第1次選考は、志願342人・受験326人・合格235人(いずれも第2希望を含む延べ人数。合格者数÷受験者数=72.1%)でした。ただし教科によって差が大きく、小学校は166人受験して156人合格(94.0%)だった一方、中高社会は25人受験して合格3人(12.0%)、養護教諭18人・栄養教諭3人は合格0人という結果です。

大学3年生のみなさんへ。チャレンジ第1次選考は、合格して同じ校種・教科等で受験すれば、4年生は面接と小論文だけに集中できますし、不合格でも「一般・教職が基準点に届いていれば一部免除」という保険がついています。
ただし採用予定の少ない区分は合格が絞られると考えられます。中高社会や養護教諭を目指す方は、「チャレンジで決める」ではなく「4年生の本番に向けた実戦練習」と位置づけて、筆記の完成度を上げる機会にしてください。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。
主流ルート②|県内講師等の免除(60月以上なら全部免除)
福井県内で講師をしている方には、勤務年数に応じて2つのルートがあります。
| ルート | 条件 | 免除される試験 | 提出書類 |
|---|---|---|---|
| エ|講師等経験者(60月以上) | 令和8年度に県内国公立学校に勤務する講師等で、令和8年3月31日時点で福井県内の学校(幼稚園を除く)において免除対象の講師等として60月以上の勤務実績(該当月に1日でも勤務があれば1か月と数える)。会計年度任用職員(非常勤講師)の場合は授業を週5時間以上行っていること(養護教諭・栄養教諭の場合、授業の条件は問いません)。 | 全部免除 (受験する校種・教科等すべてに適用。併願も含む) | 「第1次選考免除調書B」(データ提出)。県採用以外(市町採用・国立学校)の勤務歴を使う場合は在職証明書の原本も。 |
| イ|昨年度1次合格者 | 令和8年度試験(令和7年実施)の第1次選考合格者(全部免除で受験した者、一部免除で受験し合格した者を含む)で、①県内国公立学校に要項の「講師等の条件①」を満たして勤務、または②大学院に在学中(講師勤務不問)。①は第1次選考受験後3か月以上、大学・大学院在籍中(通信教育受講生・科目等履修生等を除く)に受験した人は卒業・修了後30日以上の勤務が必要(見込みを含む)。非常勤講師は週5時間以上の授業が必要(養護・栄養は授業条件不問)。市町採用・国立学校は免許所有を条件に授業を業務として任用された講師等が対象。令和8年度採用で「エ」の全部免除で受験した人は、令和9年度採用でも「エ」で申請 | 全部免除 (ただし令和8年度採用で合格した校種・教科等のみ) | 講師等=「第1次選考免除調書B」(データ提出)。市町採用・国立学校の講師等の勤務歴を使う場合は在職証明書の原本(3か月以上の勤務歴を証明できるもの)も。大学院在学者=「免除調書C」(データ提出)+在学証明書の原本(郵送) |
| カ|昨年度基準到達者 | 令和8年度試験で「一般・教職」が基準点に到達していた人で、県内の学校(私立学校を含む)に要項の「講師等の条件①」を満たして勤務(一次後3か月以上、大学等在籍中の受験者は卒業等後30日以上。非常勤等の条件も要確認)、または大学院在学中 | 一部免除 (一般・教職のみ) | 講師等=「第1次選考免除調書B」(データ提出)。市町採用・国立学校の講師等の勤務歴を使う場合は在職証明書の原本も。大学院在学者=「免除調書C」(データ提出)+在学証明書の原本(郵送) |
※出典:実施要項Ⅱ-5・Ⅱ-6。
免除調書はExcelデータに過去の任用期間等を入力し、条件を満たすことを確認したうえで出願します。県採用の講師等については、勤務期間を示す在職証明書の提出は不要です。昨年度「エ(60月以上)」の免除区分で受験した人は「免除調書B」の提出が不要で、電子申請の該当設問に前年度(令和9年度採用の出願なら令和8年度採用)の受験番号を入力します。
ここで大事なのが、「エ(60月以上)」と「イ(昨年度1次合格者)」の使い分けです。実施要項には、令和8年度の試験で「県内国公立学校勤務の講師等経験者(60月以上経験者)」の全部免除で受験した人は、この「昨年度1次合格者」区分では申し込まず、令和8年度採用のときと同様に「エ」で免除の申請を行うことが明記されています。昨年度「エ」の免除で受験した方は、令和9年度採用でも「エ」で申請してください。

講師の方には、クオリティ(現場での課題意識)・信用(現場での積み重ね)・フレッシュさという3つの強みがあります。
そして福井県の面接では「うまくいった授業実践はありますか」「現任校でどのような取り組みをするとよいか」と、現場のエピソードを直接聞かれたという報告があります(受験者報告より)。現場での実績を言葉にして、自信を持って話せるようにしておいてくださいね。
主流ルート③|他都道府県の現職教員(3年以上で全部免除)
他の都道府県で正規教員として働いている方、または退職後3年以内の方は、次の条件をすべて満たすと第1次選考が免除されます。
- 他都道府県において、国立大学法人または地方公共団体が設置する学校(幼稚園を除く)に、正規の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・養護教諭・栄養教諭として出願時に任用中、または退職後3年以内(令和6年3月31日まで現職で勤務していた人)
- 講師経験を含め3年以上の勤務経験(常時勤務を要する者に限る。休職・休業期間は除く)
- ア(全部免除)=正規教員として勤務中または勤務歴のある「校種・教科等」で受験する場合
オ(一部免除)=勤務歴のない校種・教科等で受験する場合(一般・教職のみ免除) - 提出書類:「第1次選考免除調書A」(データ)+各都道府県・政令指定都市等が発行する在職証明書の原本(郵送。3年以上の勤務歴が証明できるもの)
福井県の面接では、「他の自治体と福井の違いは何ですか」「福井県で働く理由を教えてください」という質問が出たという報告があります(受験者報告)。免除で筆記が不要になるぶん、面接の準備に時間をかけてくださいね。
大学院進学を考えている方へ|「大学院修士課程修了時特別選考」の希望申請
福井県には、大学院修了時に特別選考で受験する権利を、あらかじめ取っておける制度があります。実施要項Ⅱ-7では、令和10・11・12年度採用の大学院修士課程修了時特別選考を受験するための希望申請について案内されています。申請は電子申請の該当設問で【有】を選択し、「大学院修士課程修了時特別選考の希望申請書」を志願書に同封して提出します。
実績を見ると、この制度の強さがよく分かります。
| 採用年度 | 志願者数 | 内定者数(内数) | 次年度以降の受験を認められた人数 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度採用 | 12人 | 12人 | 9名(小学校1・中高一括6・高校情報2) |
| 令和6年度採用 | 11人 | 11人 | 8名(小学校4・中高一括4) |
| 令和7年度採用 | 9人 | 9人 | 10名(小学校5・中高一括4・高校工業1) |
| 令和8年度採用 | 14人 | 14人 | 6名(小学校2・中高一括4) |
| 令和9年度採用 | 14人 | 14人 | 7名(小学校3・中高一括2・高校工業1・特別支援学校1。うち1名は令和11年度採用の選考) |
※出典:福井県教育委員会「福井県公立学校教員採用選考試験 採用内定者数」各年度版、令和9年度採用も「採用内定者数」。
掲載した令和5年度〜9年度採用の5年分で志願者数と内定者数が一致しています。ただしこれは「受ければ受かる」という意味ではありません。この選考に出願できるのは過去の採用選考試験で受験を認められた人だけで、しかも認められる人数は毎年6〜10名程度。入口の審査をすでに通過した人だけが並んでいる数字だと理解してください。試験内容は適性検査・個人面接・レポート(「大学院で学んだことをどのように学校で生かしていくか」400字詰め原稿用紙3枚=1200字程度、またはA4横書き40字×30行1枚程度、令和8年7月9日17時15分必着)です。
社会人・40〜50代の方へ|教育エキスパート特別選考という選択肢
福井県で社会人経験を生かして受けられる特別選考は、教育エキスパート特別選考です。一般選考のような「社会人枠」ではなく、専門性・実績で勝負する枠という位置づけになっています。
| 分野 | 「3年以上の実務経験」の中身 | 対象教科 | 5年間の実績(志願→内定) |
|---|---|---|---|
| (a) 専門教育分野 | 民間企業・研究機関等で3年以上の実務経験、または博士の学位(幼小中高・義務教育学校・中等教育学校・塾の勤務経験は除く)+教科の専門的知識や技能 | 中高数学・中高理科・中高家庭・高校農業・高校工業・高校商業・高校水産 | 4→2/10→4/4→2/2→2/4→1 |
| (b) 英語教育分野 | 5年以上の英語圏在住経験、または民間企業・研究機関等で3年以上の英語を用いた実務経験がある英語の堪能な日本人。もしくは英語を母語とする外国籍で、教員の職務に必要な日本語能力を有する人(非日本国籍者は任用の期限を付さない常勤講師として採用) | 中高英語 | 2→1/1→0/1→1/4→1/3→1 |
| (c) 芸術教育分野 | 民間企業・研究機関等で3年以上の芸術活動または指導+音楽・美術の高度な専門性+平成28年4月1日以降に全国レベルの優秀な実績を収め、それ以降も活動を継続 | 中高音楽・中高美術 | 1→1/0→0/0→0/0→0/0→0 |
| (d) スポーツ教育分野【従来枠】 | 民間企業・研究機関等で3年以上の競技経験または指導経験と保健体育の高度な専門性が必要。さらに、国スポ正式競技または硬式野球で令和3年4月1日以降に所定の国際大会日本代表または所定の全国大会団体ベスト4・個人ベスト8以上を達成し活動継続している人、あるいは該当選手を輩出した指導者(団体は正選手。教職員全国大会・全国大会2部は除外)。 | 中高保体 | 3→1/3→1/1→0/0→0/0→0 |
| (e) スポーツ教育分野【地域連携枠】 | 民間企業・研究機関等で3年以上の競技経験または指導経験と保健体育の高度な専門性に加え、体操競技・ウエイトリフティング競技で平成28年4月1日以降に所定の国際大会日本代表、所定の全国大会団体優勝〔正選手〕・個人3位以上、またはプロ選手活動。指導者は令和3年4月1日以降に要項所定の大会実績をもつ選手を輩出していること。令和9年度から募集競技。 | 中高保体(配属先:体操=鯖江高校/ウエイトリフティング=若狭東高校) | —/2→2/1→1/1→1/2→2 |
※実績は令和5・6・7・8・9年度採用の順。
出典:実施要項Ⅳ、および各年度の「採用内定者数」。
令和9年度から専門教育分野に「中高家庭」「高校水産」が追加され、家庭は専門調理師資格を有する人、または調理師資格を有し調理師として通算5年以上の実務経験がある人が対象になりました。
地域連携スポーツ教員という働き方
スポーツ教育分野【地域連携枠】で採用されると、県立高校の保健体育教員として授業・校務分掌にも従事しますが、主たる職務は専門競技で地域と高校をつなぐスポーツ指導(高校の部活動、ジュニアクラブ等での小・中学生の選手の発掘・育成・強化)になります。原則として他の高等学校への異動はなく、定年退職まで同一校での勤務。管理職への登用はありません(実施要項P34)。給与・休暇などの勤務条件は、実施要項P34で出願前に必ず確認してください。
「教育エキスパートの資格には当てはまらない」という社会人の方も、一般選考で十分に戦えます。実際に、前職のある方が令和8年度採用の一般選考を受験し、面接で「前職での経験をどのように活かしていきたいですか」「前職ではうまくいったが、教育現場では必ずしもそうではないと思うことを教えてください」と聞かれた報告が届いています。

この2つ目の質問、鋭いですよね。「前職の成功体験を、そのまま学校に持ち込もうとしていないか」を確かめる問いだと私は考えています。
社会人の方が面接で見られているのは、①社会人経験を学校でどう生かすか、②なぜ社会人経験を経て教員を目指したのか——この2点。そして「今の学校で求められている教育を、謙虚に学べるか」。社会人経験を学校現場でどう生かしたいのか、なぜ社会人を経て教員を目指そうと思ったのかを、しっかり話せるようにしておいてくださいね。
加点制度|6種類・第1次選考と第2次選考の両方で加点
福井県の加点制度は、一般選考で受験する場合に限り利用できます(チャレンジ第1次選考・特別選考では利用できません)。しかも第1次選考・第2次選考のそれぞれで加点されるのが大きな特徴です。複数の加点制度を併用することもできます。
| 加点の種類 | 条件 | 加点 |
|---|---|---|
| (1) 教育職員免許状の複数所有 | 要項の対応表で受験区分ごとに指定された普通免許状を所有(令和9年3月31日までの取得見込みも可)。専修・一種・二種は問わない(特別免許状・臨時免許状は対象外)。 | 対象ごとに5点または10点/上限15点 |
| (2) 司書教諭資格 | 司書教諭資格取得済み(取得見込みは対象外) | 5点 |
| (3) 外国語資格 | 英語=TOEIC 550/TOEFL iBT 42/英検2級以上で5点、TOEIC 785/TOEFL iBT 72/英検準1級以上で10点(中高英語受験者は基準が上がり、TOEIC 945/TOEFL iBT 95/英検1級で15点、TOEIC 785/TOEFL iBT 72/英検準1級で10点(5点の区分はありません))。中国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語の所定資格も対象。TOEICは公開テストのみ。いずれも出願までに取得が必要で、取得見込みは対象外。 | 5〜15点 (言語ごとに加点) |
| (4) 情報関連資格 | MOS(Associate以上)/ITパスポート試験/基本情報技術者試験(ITパスポート試験と基本情報技術者試験は平成21年度春期以降のIPA試験合格が対象。令和9年度採用の一般選考では高校情報の募集なし)。中学技術・高校情報の受験者は上限10点、それ以外の校種教科は上限5点。 | 5〜10点 |
| (5) 日本語指導関連資格 【令和9年度から新設】 | 登録日本語教員=10点/日本語教育能力検定=5点(全校種・教科が対象) | 上限10点 |
| (6) 調理・栄養系資格 【令和9年度から新設】 | 調理師または管理栄養士(中高家庭の受験者のみ) | 上限5点 |
※出典:実施要項Ⅱ-4「加点制度」。
第1次選考は一般・教職100点+教科等専門200点、第2次選考は個人面接250点+小論文50点なので、加点15点は決して小さくありません。
申請を忘れると加点されません(ここが一番の落とし穴)
- すべての加点は電子申請の所定の設問で【有】を選択する必要があります。実施要項には各項目に「選択していない場合、資格を所有していても加点はされません」と繰り返し書かれています。
- 令和9年度採用の実施要項では、新規で司書教諭・外国語・ITパスポート/基本情報技術者・日本語教育能力検定・調理/栄養資格の加点を申請する人は、証明書の原本を第1次選考当日の受付で提示(または期日までに教職員課へ持参)。当日の受付までに提示がない場合、加点はされません。
- 第1次選考全部免除の人は、第2次選考当日(7月31日)の受付で提示(または7月29日までに持参)
- MOSは、令和9年度採用ではデジタル認定証サービスの停止(県公式5/18付)により、認定証PDFを出願時にメール送付したうえで、試験当日の受付(または選考前々日までの来庁)で、県が用意したパソコンにMOS公式サイトのIDとパスワードでログインして原本確認を受ける方法に変更されています。登録日本語教員は、公式サイトからダウンロードした登録証PDFをメール送付する方法も選べます。
- 外国語資格には有効期限があります(TOEIC・TOEFL・HSK・中国語検定3級などは令和6年4月1日以降に取得したものに限る/中国語検定2級以上は令和3年4月1日以降)
まとめ|あなたはどのルート?
| あなたの状況 | 使えるルート | まずやること |
|---|---|---|
| 大学3年生 | チャレンジ第1次選考 | 受験する校種・教科等が次年度も募集されるか確認。加点は使えないので筆記に全振り。 |
| 大学4年生・既卒で受験歴なし | 一般選考+加点制度 | 所有資格を棚卸しして、電子申請で必ず【有】を選択 |
| 令和8年度採用の第1次選考に合格した県内講師・大学院生 | 免除イ(全部免除) | 講師等は免除調書Bで勤務条件を確認(一次後3か月以上、大学等卒業後30日以上等)。大学院在学者は講師勤務不問で、免除調書Cと大学院の在学証明書(原本)を提出 |
| 令和8年度に県内国公立学校に勤務する講師等で、60月以上 | 免除エ(全部免除) | 令和8年3月31日時点で60月以上かを免除調書Bで確認。令和8年度採用でもこの区分で受験していれば調書提出は不要。 |
| 令和8年度採用で「一般・教職」が基準点に届いた県内講師(私立含む)・大学院生 | 免除カ(一部免除) | 教科等専門は受験が必要。専門の対策を継続。 |
| 他都道府県の正規教員(3年以上) | 免除ア(全部免除)/オ(一部免除) | 在職証明書の原本を取り寄せる。「なぜ福井か」を練る。 |
| 大学院に進学予定・在学中 | 大学院修士課程修了時特別選考の希望申請/免除ケ(教職大学院2年在学) | 希望申請書を志願書に同封。専修免許状の取得見込みを確認。 |
| 民間企業等で3年以上の実務経験・専門性がある | 教育エキスパート特別選考(a)〜(e) | 対象教科と実績要件を確認。当てはまらなければ一般選考で。 |
| 青年海外協力隊で2年以上の派遣実績(原則として教育に関する国際貢献活動) | 免除ク(一部免除) | 令和3年4月1日〜令和9年3月31日の派遣実績を確認 |
| 嶺南地域で長く働きたい | 嶺南採用枠(+免除コ) | 令和9年3月31日までの小学校普通免許の所有・取得見込みが必須(中学校第1希望は当該教科の中学校普通免許も必要)。原則、採用から10年以上、嶺南地域で勤務できる人で、第1希望のみ対象。 |
| 障がい者手帳等をお持ちの方 | 障がい者特別選考 | 申請書と手帳等の写しを提出。受験上の配慮も申請時に。日程は一般選考と同じ(一次6/27・28、二次は小論文7/31+個人面接7/31または8/3〜7の指定1日)。 |

免除も加点も、あくまで「入口」です。福井県の一般選考と第1次選考免除ルートの第2次選考は個人面接250点・小論文50点で、しかも「個人面接が基準に達していない場合には、不合格とする」と明記されています。どのルートで来ても、勝負は面接です。ただし、教育エキスパート特別選考などは第2次選考の内容が一部異なり(英語教育は英語による作文と英語による面接、スポーツ教育の地域連携枠は小論文なし)、チャレンジ第1次選考は第1次選考だけです。免除で浮いた時間こそ、面接と小論文に使ってください。
■ 福井県の個人面接|受験者4名の実録と4年分の出題傾向
■ 福井県の小論文|過去の出題テーマと60分・800字の書き方
■ 福井県の倍率|令和9年度採用の結果と5年間の推移(校種別・教科別)
よくある質問
Q. チャレンジ第1次選考で加点は使えますか?
A. 使えません。実施要項の受験の流れの図にも「加点制度は利用不可」と明記されています。加点制度は「一般選考で受験する場合に限り」利用できます。翌年の一般選考では使えますので、資格取得はそれまでに間に合わせれば十分です。
Q. 加点は複数申請できますか?
A. できます。実施要項には「複数の加点制度を併用することも可能です」とあります。ただし種類ごとに上限があり(免許複数所有15点/情報関連5〜10点/日本語指導10点/調理・栄養5点など)、同一言語で複数の外国語資格を持つ場合は上位の資格に対するものを1回だけ加点されます。
Q. 免除で受けた場合、面接の評価が厳しくなりませんか?
A. 実施要項の選考基準は、免除の有無で分けられていません。第2次選考は「校種・教科別に『個人面接・小論文の結果』に各種加点を加えた点数順に選考する」と一律に書かれています。ただし現場感覚としては、講師経験が長くなるほど面接官の期待値が上がるのは事実かなと思います。「経験があるのに、その程度の答えなのか」と思われないよう、経験を言語化する練習は必ずしておきましょう。
Q. 出産・育児で受験できない年があります。免除資格は消えますか?
A. 実施要項には「出産および育児等により継続的な受験が困難な場合、事前に得た免除制度の資格を延長できます」と明記されています。ただし「この制度を利用する場合は受付期間内に必ず教職員課までお問い合わせください」とあるので、出願受付期間(令和9年度採用は令和8年5月1日〜5月20日)のうちに必ず連絡してください。
Q. 教員免許を持っていなくても受けられますか?
A. 教育エキスパート特別選考のみ、教員免許状の所有は問われません。免許状を所有していない内定者には、福井県教育委員会が行う特別免許状教育職員検定の合格をもって、採用時に特別免許状が授与されます(免許申請の費用は自費)。ただし、大学院修了時特別選考の希望申請では、大学等のカリキュラム上の事情で令和9年3月31日までに普通免許を取得できない場合にも、要項所定の条件で受験できる例外があります(令和9年度には採用されません)。原則として、その他の選考区分では、受験する職種・校種・教科に相当する普通免許状の所有または取得見込みが必要です。
Q. 全部免除の人は、何も受験しなくていいのですか?
A. 第1次選考(一般・教職/教科等専門)が免除されるだけで、第2次選考(適性検査・小論文・個人面接)は全員が受験します。適性検査はオンラインで令和8年7月17日(金)〜22日(水)、小論文は7月31日、個人面接は7月31日または8月3日〜7日のうち指定された1日です(要項による。県の結果資料の選考日程欄は8月3日〜6日の記載)。なお、全部免除が適用される校種・教科等には条件があり、たとえば「昨年度1次合格者」の免除は令和8年度採用で合格した校種・教科等にのみ適用されます。他の校種・教科等で受験する場合(併願を含む)は、教科等専門を受験する必要があります。
Q. 50代でも受けられますか?
A. 受けられます。一般選考の年齢要件は昭和42年4月2日以降に生まれた人(令和9年4月1日現在60歳未満)。教育エキスパート特別選考(a)専門教育分野はさらに緩く、昭和40年4月2日以降(62歳未満)です。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
免除制度や特別選考は、要項を読むだけでは分からない「実際の運用」があります。「この免除で受けたら、こう聞かれた」という報告が、次の受験生を助けます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。
あわせて見たい動画
この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。
- 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
- 一発合格を勝ち取る極意セミナー
- 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー ←この記事の対策に◎
- 【厳選】面接質問TOP50
- 【早期登録者限定】シークレット特典
- あなたに必要な対策診断 ←この記事の対策に◎
- 教採に受かる人の15の習慣
- 【無料版】教員採用試験必勝ノート
- 【全国版】集団討論過去問
- 【全国版】小論文テーマ集
- 【全国版】場面指導テーマ集
「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます
YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル



