こんにちは、金井志津乃です!

兵庫県って講師をしていると一次が免除になるんですよね? でも「全部免除」と「一部免除」があって、特別選考も5種類あって……自分がどれに当てはまるのか、正直よく分からなくて。

兵庫県は全部免除が6種類・一部免除が2種類・特別選考が5種類・加点が9項目。しかも令和9年度採用から要件がかなり緩くなりました。この記事で「自分はどのルートか」を一気に整理しますよ!
この記事では、兵庫県公立学校教員採用候補者選考試験の特別選考・第1次選考試験の免除・加点制度について、令和9年度採用の実施要項と教育委員会が公表している応募状況をもとにまとめます。
この記事の根拠
- 免除・特別選考・加点の要件は、すべて令和9年度採用の実施要項から。応募者数は兵庫県教育委員会の公表資料です。
- 兵庫県は選考種別ごとの合格者数を公表していないため、この記事ではルート別の合格率は算出していません(推定値は使いません)
- 兵庫県の全体倍率・校種別の推移は →兵庫県の倍率|令和9年度採用の応募状況・一次結果と5年間の推移
- 神戸市立学校は神戸市教育委員会が別に実施しています。この記事は兵庫県(神戸市立学校を除く)の制度です。
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)
まず全体像です。兵庫県の制度は「①第1次選考試験の免除」と「②特別選考(優先選考や、免許がなくても受けられる枠)」の2階建てになっています。まったく別の仕組みなので、分けて考えてください。
| 種別 | 主な対象 | 第1次選考試験の扱い |
|---|---|---|
| 【全部免除①】令和8年度の条件付合格者 | 令和8年度の二次で「条件付合格」となり追加合格にならなかった人+出願時点で大学院修士課程・教職大学院に在学、または県内公立学校(神戸市立を除く)・国公立大学法人附属学校で臨時講師・会計年度任用職員として任用中(免除認定を受け、同じ区分・校種・教科へ出願すること) | すべて免除(二次から) |
| 【全部免除②】令和8年度の「大学3年生等」一次合格者 | 令和8年度採用で大学3年生等として受験し、第1次選考試験に合格した人(同じ区分・校種・教科に出願) | すべて免除(二次から) |
| 【全部免除③】公立学校 現職正規教諭等 | 出願時点で公立学校(県内外を問わない)の教諭・養護教諭・栄養教諭+令和9年3月31日時点で通算2年以上の、要項表で出願区分に対応する校種・教科の教職経験(中学校と高等学校は同一教科なら相互の経験を含む) | すべて免除 |
| 【全部免除④】公立学校 正規教諭等経験者 | 出願時点で、出願区分に対応する公立学校の正規教諭等として2年以上の経験があり、かつ令和3年4月1日〜令和8年3月31日に県内公立学校(神戸市立を除く)・国公立大学法人附属学校の臨時講師・会計年度任用職員として1年以上の経験がある人(処分等を受けたことにより退職した人を除く) | すべて免除 |
| 【全部免除⑤】本県公立学校 臨時教諭等(令和9年度から新設) | 出願時点で県内公立学校(神戸市立学校を除く)または国公立大学法人附属学校の臨時教諭・臨時養護教諭・臨時栄養教諭として任用中(臨時講師・任期付講師は対象外)で、令和8年3月31日時点に公立学校で要項7頁の表に定める2年以上の教職経験があり、その経験と対応する区分・校種・教科に出願する人 | すべて免除 |
| 【全部免除⑥】高校「看護」免許+看護師等経験者 | 高校「看護」教諭普通免許状を持つ高校区分(看護)の出願者で、令和9年3月31日時点に国公私立病院・保健所等で看護師・助産師・保健師の正規職員として5年以上の実務経験がある人(看護学校等の教官経験を含む) | すべて免除 |
| 【一部免除①】本県公立学校 臨時講師等 | 出願時点で県内公立校の臨時講師・会計年度任用職員+令和5年4月〜令和8年3月に学校(県内外・国公私立問わず)の臨時講師として3年 | 一般教養試験を免除(集団面接+教科専門は受験) |
| 【一部免除②】英語資格所有者(令和9年度から新設) | 中学校・高校の「英語」出願者で、英検1級/TOEIC(IP除く)1305点以上(内訳欄にS&W 360点・L&R 945点の記載あり)/TOEFL iBT 95点以上 等 | 教科専門試験を免除(集団面接+一般教養は受験) |
| 【特別選考(1)】障害のある人 | 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳等の交付を受けている人(募集するすべての区分) | 試験内容は一般選考と同じ/一般の受験者に優先して選考 |
| 【特別選考(2)】複数中学校免許状所有者 | 「音楽」「美術」「技術」「家庭」のいずれかを含む複数の中学校免許+採用地域で9年以上勤務できる人 | 試験内容は一般選考と同じ/優先して選考 |
| 【特別選考(3)】採用地域を限定 | 播磨西(姫路市を除く)・但馬・丹波のいずれかでの採用を希望+9年以上勤務できる人(小学校・中学校区分) | 試験内容は一般選考と同じ/優先して選考 |
| 【特別選考(4)】特別免許状授与を前提 | 中学校「理科・技術・家庭」/高校「理科・家庭・看護・福祉・工業・ネイティブ英語」。該当区分の免許がない民間企業等経験者(3年以上)・博士号所有者 等。 | 選考方法は一般選考と同じ(ネイティブ英語のみ集団面接・一般教養を免除) |
| 【特別選考(5)】教員免許状取得期間猶予 | 免許がなくても令和9年4月〜令和11年3月に取得できる人+民間企業・官公庁等で通算2年以上の勤務経験(募集するすべての区分) | 選考方法は一般選考と同じ |
※出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ4 選考試験の免除」「Ⅲ5 特別選考」。
要件はすべて満たす必要があり、証明書類(履歴証明書A/B等)のアップロードが必須です。制度は年度で変わるため、出願前に必ずその年の実施要項を確認してください。
※令和9年度採用では、このほかに秋の追加募集(中学校の理科・美術・技術・特別支援〔理科・技術〕、高校の情報・工業)が案内されています(当ブログが確認した日程は、出願:令和8年10月1日〜11月6日、試験:11月29日、結果発表:12月14日。令和8年10月時点)。出願資格は、夏の試験の出願者の一部や令和8年度の条件付合格者などに限られるとされているため、必ず追加募集の実施要項で確認してください。

令和9年度採用は、免除の要件が一気に緩みました。とくに大きいのが3つ。①臨時教諭等の全部免除が新設、②正規教諭等経験者の教職経験が「県内のみ」→「県内外を問わない」に、臨時講師経験も3年→1年に短縮、③臨時講師等の一部免除も「県内のみ」→「県内外を問わない」に。他県での教職経験を算入できる免除・加点が増えました。ただし「出願時点で県内の公立学校等に任用されている」ことなどの県内要件が残るものもあるので、下の表と実施要項で確認してください。
大学3年生等の前倒し受験|応募797人、一次合格316人
大学・大学院の最終年次の1年前(多くは大学3年生)のうちに第1次選考試験だけを受験し、合格すれば翌年は第1次選考試験が全部免除され、二次から受けられる制度です。
| 対象 | 大学または大学院の最終年次の1年前の年次の学生(科目等履修生を除く)。出願する区分・校種・教科の免許状を令和9年4月1日〜令和10年3月31日に取得できることが条件。 |
| 3年生のときに受けるもの | 第1次選考試験のみ(集団面接試験+筆記試験)。第2次選考試験は受験できません。 |
| 一次に合格したら | 翌年、同じ区分・校種・教科で改めて出願すると第1次選考試験が全部免除。二次(模擬授業・個人面接)から受験できます。 |
| 英語区分の特例 | 中学校・高校の「英語」は通常、出願に英検2級以上等の資格が必要ですが、大学3年生等は資格の有無を問いません |
| できないこと | 第2希望の選択/複数中学校免許状所有者の特別選考/採用地域を限定した特別選考(「特別支援学校」を第1希望とすることは可能) |
| 注意点 | 翌年度にその区分・校種・教科の募集がない場合は免除を受けられません(実施要項Ⅱ(3)⑤) |
この制度がどれだけ使われているか、数字で見てみましょう。
- 令和9年度採用(2026年夏実施)に大学3年生等で応募した人:797人(小学校・特別支援379/中学校・特別支援195/高校173/特別支援17/養護21/栄養12)
- 前年度(令和8年度採用)の応募は693人。1年で104人増えました。
- 令和9年度の大学3年生等の第1次合格者は316人(小学校176・中学校100・高校27・特別支援13。当ブログ集計)
※出典:兵庫県教育委員会「令和9年度…応募状況」「令和9年度 第1次選考試験 合格者(大学3年生等)」

私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。兵庫県の大学3年生等の選考は、その一歩目として使える制度です。
ただし、忘れないでください。兵庫県の最終合否は第2次選考試験の成績のみで判定されます。一次免除は「二次に全振りできる権利」であって「合格の権利」ではありません。二次は模擬授業約15分+個人面接約25分(養護教諭区分は模擬保健指導約8分+個人面接約32分、中学校・特別支援学校区分の「特別支援学校」合格者は模擬授業が計約25分。対象の区分・教科は別途実技試験もあります)。実際に聞かれた質問と模擬授業のテーマは、それぞれ別記事にまとめています。
■ 兵庫県の個人面接|実録3年分・受験者15名の質問と5年間の出題傾向
■ 兵庫県の模擬授業|実録15件のテーマと15分の流れ・評定項目
講師・現職教員のルート|令和9年度から要件が大きく緩和
学校現場で働きながら受験する方にとって、令和9年度採用は制度が大きく動いた年でした。実施要項の「昨年度からの主な変更点」に、はっきり書かれています。
令和9年度採用の主な変更点(実施要項冒頭より)
- 本県公立学校臨時教諭等を対象とした第1次選考試験の全部免除を新設(出願時点で県内の対象校の臨時教諭・臨時養護教諭・臨時栄養教諭として任用され、令和8年3月31日時点で出願区分に対応する公立学校の臨時教諭・臨時講師等の教職経験を2年以上有する人は、希望により一次を全部免除)
- 公立学校正規教諭等経験者の全部免除の要件を拡大(正規教諭等としての教職経験を「県内のみ」→「県内外を問わない」に。臨時講師等の経験も3年以上→1年以上に短縮)
- 臨時講師等の一部免除・加点措置の要件を拡大(臨時講師としての教職経験を「県内のみ」→「県内外を問わない」に)
- 英語資格所有者の教科専門試験の免除を新設(中学校・高校の「英語」出願者。従来の加点措置を見直して免除に)
- 「特別免許状授与を前提とした特別選考」に中学校・高校の「理科」を追加
- 高校「理科」の出願者が、第2希望として中学校「理科」を選べるように
- 「東京」試験場(第1次選考試験の筆記試験)を、募集するすべての区分・校種・教科で実施
とくに大きいのが2と3です。これまで「兵庫県内で講師をしていること」が前提だった免除のうち、県外での経験も算入できるようになった項目があります。ただし出願時点で県内の公立学校等に任用されていることが条件の免除もあります。他県で講師や正規教諭をしていて兵庫県に戻りたい方は、実施要項で要件を確認してください。
| あなたの状況 | 使える可能性のある制度 | 必要書類 |
|---|---|---|
| 県内公立校の臨時教諭(+出願する区分・校種・教科に対応する通算2年以上の教職経験) | 全部免除⑤(令和9年度新設) | 履歴証明書A |
| 県内公立校の臨時講師・会計年度任用職員(+臨時講師として3年) | 一部免除①(一般教養を免除)/加点(9)(同時に使えるかは要項に明記なし) | 履歴証明書A |
| 公立学校の現職正規教諭(県内外問わず・通算2年以上) | 全部免除③ | 履歴証明書A |
| 正規教諭を経験(2年以上)し、令和3年4月1日〜令和8年3月31日に県内の対象校で臨時講師・会計年度任用職員として1年以上の経験がある | 全部免除④ | 履歴証明書A(両方の証明が必要) |
| 令和8年度の条件付合格者(+大学院在学または県内で臨時講師等) | 全部免除① | 結果通知書+在学証明書または履歴証明書A |
| 民間企業等で2年以上勤務、免許はこれから取る | 特別選考(5) 教員免許状取得期間猶予 | 履歴証明書B |
| 民間企業等で3年以上(当該教科に関わる実務)/博士号所有 | 特別選考(4) 特別免許状授与前提(対象教科のみ) | 卒業(修了)証明書+履歴証明書B/学位取得証明書 |
※履歴証明書の様式は県ホームページからダウンロードできます(他の様式が使えるかどうかは、令和9年度採用の実施要項で確認してください)。いずれも所属長(校長)または任命権者の証明印が必須で、証明印が確認できないものは無効です。
出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ2 提出書類」

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。この3つが面接で伝わる講師は強いです。
そして「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。その実体験で語れる実績を持っている人は強いです。兵庫県の個人面接では出願内容を深掘りされたという受験者報告があるので、この形のエピソードを2〜3個、用意しておくことをおすすめします。
採用地域を限定した特別選考|播磨西・但馬・丹波
兵庫県ならではの制度です。播磨西(姫路市を除く)・但馬・丹波のいずれかの地域での採用を希望する人は、一般の受験者に優先して選考されます(小学校・特別支援学校区分/中学校・特別支援学校区分)。
- 要件(すべて満たすこと):①播磨西(姫路市を除く)・但馬・丹波のいずれかの地域の小学校・中学校・義務教育学校での採用を希望
②ふるさとへの愛着と誇りをもち、地域の教育課題を十分認識するなど、子どもたちのふるさと意識醸成に向けた教育を推進する意欲がある
③その採用地域で9年以上勤務できる - 令和9年度の応募者:播磨西74人(小46・中28)、但馬48人(小29・中19)、丹波46人(小37・中9)=計168人
- 注意:出願した校種・教科の採用枠がその地域にない場合等は、一般選考で合否を判定。大学3年生等は出願不可。「高等学校区分」の同一教科の第2希望と「特別支援学校」の希望は認められません。また、大学院進学に伴う採用時の特例も使えません。
※出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ5(3)」、「令和9年度…応募状況」(2 特別選考の状況)

「9年以上その地域で」という条件は重いですが、優先して選考されるという点は、その覚悟がある人にとって利点になり得ます。面接では「なぜその地域なのか」を聞かれることを想定しておきましょう。地域の教育課題を調べ、「その地域で自分が何をしたいか」を具体的に言えるか——ここが重要になると考えられます。安易に「倍率が下がりそうだから」で選ぶ制度ではありません。
免許がなくても受けられる2つの特別選考
兵庫県には、出願時点で教員免許を持っていなくても受験できるルートが2つあります。社会人の方はチェックしてみてください。
| 制度 | 対象区分・教科 | 主な要件 | 令和9年度の応募 |
|---|---|---|---|
| 特別免許状授与を前提とした特別選考 | 中学校・特別支援学校(理科・技術・家庭)/高等学校(理科・家庭・看護・福祉・工業・ネイティブ[英語]) | 民間企業等経験者=大学・大学院で当該教科に関わる学科を卒業(修了)+令和9年3月31日時点に民間企業・官公庁・研究機関等の正規職員として3年以上の当該教科に関わる実務経験がある人/または出願時点で当該教科に関わる博士号を所有する人。看護は令和9年3月31日時点に国公私立病院・保健所等の看護師・助産師・保健師の正規職員として5年以上(看護学校等の教官経験を含む)、福祉は同日時点に国公私立病院・保健所等の介護福祉士の正規職員として5年以上の実務経験が必要です。ネイティブ[英語]は別要件で、英語を母国語または公用語とする国の国籍、当該国での大学等の卒業・修了と学士以上の学位、指定機関での勤務経験(高等学校での2年以上を含む通算3年以上)、日本語による職務遂行能力のすべてが必要です。いずれも該当教科の専門的知識・技能が求められます。 | 16人(すべて高校区分) |
| 教員免許状取得期間猶予の付与を前提とした特別選考 | 募集するすべての区分・教科 | ①出願する区分・校種・教科の普通免許状を持っていない ②令和9年4月1日〜令和11年3月31日に取得できる ③出願時点で民間企業・官公庁・研究機関等で通算2年以上の勤務経験(正規・非正規は問わない) | 12人(小1・中1・高7・特別支援3) |
※選考方法は一般選考と同じです(「高等学校区分(ネイティブ[英語])」のみ、一次で集団面接試験と一般教養試験が免除され、教科専門試験のみ)。取得予定であった免許状を取得できないことが判明した場合は合格が取り消されます。
出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ5(4)(5)」

「教員免許状取得期間猶予」は、募集するすべての区分・教科が対象という点で相当に間口の広い制度です。社会人経験が2年以上あって、令和9年4月1日〜令和11年3月31日の期間に所定の免許を取得できる方は、検討する価値があります。令和9年度採用の応募者は12人でした。
教育への熱意や信念、子どもたちへの教育的愛情があることが前提ですが、民間企業からの転職でも、教員採用試験に合格している方はたくさんいます。面接官が見ているのは「今求められている教育を学べているか」「授業ができるか」「学校の習わしや価値観をまず理解するバランス感覚」の3点かなと思います。授業経験がない分、素直に学んで改善するまでの成長スピードが早い方が多いのが、社会人出身の方の長所です。
私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。兵庫県の出願資格は「昭和40年4月2日以降に生まれた者」——令和9年度採用なら、昭和40年4月2日生まれ(令和8年夏の試験時に61歳)の方まで受験できます。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。
実際、兵庫県の令和8年度採用の合格者は60.9%が過年度卒業者(高等学校69.6%、特別支援学校85.9%)でした。この割合は合格者の新卒・既卒の内訳で、40代・50代の合格者数や合格率を示すものではありません。
第1次選考試験の加点制度|最大30点
兵庫県は第1次選考試験で最大30点の加点があります(一次の配点は集団面接100点+教科専門200点+一般教養100点=400点)。希望する人は出願申込の際に所定欄から選択し、証明書類をアップロードします。証明が確認できない場合は加点されません。
| 加点項目 | 加点 | 対象・主な要件 |
|---|---|---|
| (9) 本県公立学校 臨時講師等 | 20点/10点 | 出願時点で県内公立校の臨時講師・会計年度任用職員。令和5年4月〜令和8年3月の教職経験(県内外・国公私立問わず)で、臨時講師2年(または臨時講師+会計年度任用職員で計2年以上・うち臨時講師1年以上)=20点/1年=10点。 |
| (4) 中学校・高校免許を持つ小学校志望者 | 20点 | 「小学校・特別支援学校区分」で小学校を第1希望とする人が、中学校または高校の「数学」「理科」「保健体育」「英語」いずれかの免許を所有 |
| (1) 一芸、一能に秀でた者 | 20点 | 高校在学中および卒業後の体育分野(国際大会出場/全日本選手権6位以内・国体・インカレ・インターハイ3位以内 等)または芸術分野(国際大会参加/全国大会3位以内・日展・吹奏楽コンクール等) |
| (3) IT・情報に関する資格 | 20点/10点/5点 | 応用情報技術者試験20点/基本情報技術者試験10点/ITパスポート試験5点(いずれも平成21年以降に取得したもの) |
| (5) 英語に関する経験者・資格所有者 | 20点 | 「小学校・特別支援学校区分」の出願者。海外の大学・在外教育施設等での2年以上の英語使用経験、または英検準1級/TOEIC(IP除く)1095点以上(内訳欄にS&W 310点・L&R 785点の記載あり)/TOEFL iBT 72点以上 等。 |
| (6) 各種資格所有者 | 20点/10点 | 20点=公認心理師・臨床心理士/視能訓練士・手話通訳士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士/日本語指導資格(登録日本語教員 等)/高校福祉区分は実務5年以上の介護福祉士・看護師(特別免許状授与を前提とした特別選考の出願者を除く)。10点=栄養士・管理栄養士・調理師(家庭区分の出願者)、司書教諭資格(当ブログが要項の表を読んだ範囲では区分の限定は付いていないようです。対象になるかは令和9年度採用の実施要項で確認してください)。 |
| (7) 国際貢献活動経験者 | 20点 | 青年海外協力隊(JICA)として2年以上の国際貢献活動経験 |
| (2) 部活動に関する指導者資格 | 10点/5点 | 日本スポーツ協会公認の競技別指導者資格10点/各種競技団体が認める審判資格・文化部活動の指導者(師範等)資格5点 |
| (8) 児童生徒支援活動経験者 | 8点/5点 | 令和7年4月〜令和8年3月に都道府県・市区町村が実施する児童生徒支援活動(不登校児童生徒支援・特別な支援を要する児童生徒支援・学習支援・部活動支援・日本語指導が必要な児童生徒支援 等)に10日以上参加した大学生等=5点。さらに県の「学生(ハートフレンド)人材バンク」に登録していれば8点。 |
※加点は最大30点です(複数項目を申請した場合の合算の方法は要項に明記がありません)。
出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ8 加点措置」。
証明書類は出願申込時にアップロードが必要です((8)は「児童生徒支援活動経験証明書」、(9)は履歴証明書A)。

見落としやすいのが(8) 児童生徒支援活動です。大学生等が、都道府県・市区町村(教育委員会を含む)が実施する児童生徒支援活動に10日以上参加すれば5点、さらに県の「学生(ハートフレンド)人材バンク」に出願時点で登録していれば8点(令和9年度採用)。1日あたりの活動時間は問われません。しかもこの活動は、そのまま面接で語れる「実績」になります。兵庫県の面接では出願内容の「学外活動歴」から深掘りされたという報告があるので、加点と面接ネタの一石二鳥になる可能性がありますよ!
加点ではないけれど「選考に際して参考とする」配慮措置
加点とは別に、次に該当する人は「選考に際して参考とする」とされています(出願申込の際に所定欄から選択)。
- 異校種・複数教科の免許状所有者(小学校区分・中学校区分の出願者で小学校と、中学校のいずれかの教科の教諭普通免許状の両方を所有/中学校区分で複数教科/高校区分で複数教科 など)
- 看護師としての実務経験を5年以上有する養護教諭区分の出願者
- 南但馬自然学校主催の自然学校講座の受講修了者
※出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ9 配慮措置」。
3つ目は、兵庫県が小学校5年生で実施している「自然学校」(4泊5日以上。政令指定都市を除く)に関連する項目です。
第2希望と「特別支援学校」の希望|合格のチャンスを増やす
兵庫県には、免除・加点とは別に「もう1つの合格ルートを持てる」仕組みがあります。倍率の記事でも触れましたが、これを使うかどうかで結果が変わることがあります。
| 第2希望(同一教科) | 中学校区分(国語・数学・音楽・美術・保健体育・家庭・英語)の出願者が高校の同一教科の免許を持っていれば、高校区分の同一教科を第2希望にできる(逆も可) |
| 第2希望(理科) | 高校区分(理科)の出願者が中学校「理科」免許を持っていれば、中学校・特別支援学校区分(理科)を第2希望にできる(令和9年度から新設) |
| 第2希望(情報) | 高校区分(情報)の出願者は、中学校「技術」免許の有無に関わらず中学校・特別支援学校区分(技術)を第2希望にできる(技術の免許がなく第2希望で合格した場合、第2次選考は「特別免許状授与を前提とした特別選考」の受験者と同様の取扱い) |
| 第2希望(看護) | 養護教諭区分の出願者が高校「看護」免許を持っていれば、高等学校区分(看護)を第2希望にできる |
| 特別支援学校の希望 | 小学校区分・中学校区分の出願者が特別支援学校免許を持っていれば、「特別支援学校」を第1希望または第2希望にできる(小15人・中15人の枠) |
※中学校・特別支援学校区分の出願者で、特別支援学校免許と高校の同一教科免許の両方を持つ人が「中学校」を第1希望とする場合、第2希望は「特別支援学校」か「高校の同一教科」のどちらか一方しか選べません。大学3年生等は第2希望を選択できませんが、「特別支援学校」を第1希望にすることはできます。「複数中学校免許状所有者の特別選考」「採用地域を限定した特別選考」の出願者は、高校区分の同一教科を第2希望にすること・「特別支援学校」を希望することが認められません。
出典:令和9年度採用 実施要項「Ⅲ6 第2希望」「Ⅲ7 特別支援学校の希望」
実際、令和9年度採用の第1次選考試験では、中学校の国語・数学・理科・美術・保健体育・家庭・英語などで「第2希望合格を含む」と明記された合格者一覧が公表されています。免許を複数持っている方は、検討してみる価値があります。
まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次
兵庫県の制度を整理すると、こうなります。
- 第1次の全部免除6種・一部免除2種——現職・元正規教諭・臨時教諭・臨時講師・条件付合格者・大学3年生等の一次合格者・英語資格所有者が対象
- 特別選考5種——障害のある人・複数中学校免許・採用地域限定は「優先して選考」、特別免許状/免許取得期間猶予は「免許がなくても受験可」
- 加点は最大30点(一次400点満点に対して)。臨時講師の教職経験2年以上で20点(1年は10点)・小学校志望者の中高免許(数学・理科・保健体育・英語)20点・IT資格(最大20点)などが主な項目です。
- そして——最終合否は第2次選考試験の成績のみで判定されます
大学3年生等として受験する年(第1次選考試験のみ)を除き、どのルートでも、最後は模擬授業120点+個人面接180点=300点です。時間は原則として模擬授業が約15分・個人面接が約25分ですが、養護教諭区分は模擬保健指導約8分+個人面接約32分、中学校・特別支援学校区分の「特別支援学校」合格者は模擬授業が「特別支援学校」約15分+「教科専門」約10分の計約25分です。また対象の区分・教科では、これとは別に実技試験(音楽・美術・書道・保健体育は150点、それ以外の教科と養護教諭は100点)があります。免除や加点で浮いた時間と労力を、そのまま二次の準備に回してください。兵庫県の面接で実際に聞かれた質問、模擬授業のテーマ、そして面接官が読み込む「出願内容」の書き方は、それぞれ別記事にまとめています。
■ 兵庫県の個人面接|実録3年分・受験者15名の質問と5年間の出題傾向
■ 兵庫県の模擬授業|実録15件のテーマと15分の流れ・評定項目
■ 兵庫県の出願内容「志望動機等」の書き方|250字の作文欄と、面接で深掘りされる7つの入力欄
よくある質問
Q. 大学3年生で一次に合格し、4年生の二次で不合格になったら?
A. 令和9年度採用の実施要項では、大学3年生等の第1次選考試験の合格による免除は「次年度実施」の第1次選考試験が対象とされています。それ以降の年度に受けられる免除は、その年度の実施要項とご自身の資格・経歴で確認してください。ただし、二次を一度経験した強みは大きいので、聞かれた質問と模擬授業のテーマを記録しておくことをおすすめします。それが翌年の教材になります。
Q. 免除と加点は同時に使えますか?
A. 加点は第1次選考試験での加点とされているため、第1次選考試験を全部免除される人は、加点の対象になる試験がないと考えられます(併用の可否は要項に明記がありません)。一部免除(一般教養免除・教科専門免除)を受ける人への加点の適用方法は、実施要項だけでは具体的な計算方法まで確認できていません。該当する方は県の案内で確認してください。なお加点は最大30点です(複数項目を申請できるか、合算の方法がどうなるかは要項に明記がありません)。
Q. 他県で講師をしていましたが、対象になりますか?
A. 令和9年度採用から要件が拡大され、公立学校の正規教諭等としての教職経験(全部免除③④)や、一部免除①・加点(9)の臨時講師の教職経験は、「県内外を問わない」ことになりました。ただし、全部免除④の臨時講師等の経験は令和3年4月1日〜令和8年3月31日に県内の対象校で1年以上が必要で、全部免除⑤や一部免除①は「出願時点で県内の公立学校等に任用されていること」が条件です。ご自身の状況が該当するかは、必ずその年の実施要項の原文で確認してください。
Q. 教職経験の「1年」はどう数えますか?
A. 実施要項に「月に30日未満の勤務についても1月の勤務としてカウントし、12月で1年とします。また、通算も可とします」と明記されています。非常勤講師や会計年度任用職員でも、週あたりの勤務時間数は問われません。「短時間だから対象外だろう」と自己判断せず、履歴証明書を取ってみてください。
Q. 複数の区分に出願したり、実習助手と併願したりできますか?
A. 令和9年度採用ではできません。実施要項に「複数の区分、校種及び教科への出願や、兵庫県立学校実習助手及び寄宿舎指導員採用候補者選考試験との併願は認めません」と明記されています。また出願申込完了後の内容変更も認められません。免除・加点・第2希望の選択は、出願前にすべて決めておく必要があります。
Q. 県外に住んでいますが受験しやすいですか?
A. 令和9年度採用から、第1次選考試験筆記試験の「東京」試験場(都道府県会館)が、募集するすべての区分・校種・教科で実施されるようになりました。県内には同じく筆記試験の「但馬地域」試験場(県立豊岡高等学校)もあります(集団面接試験の試験場は県内のみです)。いずれも出願申込の際に所定欄から選択が必要で、申込完了後の利用希望の取下げには対応してもらえません。なお第2次選考試験は県内(神戸・尼崎・芦屋・明石・加古川・西宮の県立高校等)で実施されます。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
特別選考や免除で受験された方の「二次で何を聞かれたか」は、次の年度に同じルートで受ける受験生にとって何より貴重な情報です。兵庫県を受験された方は、ぜひ教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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