【教員採用試験】大阪府の面接個票(エントリーシート)の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算

こんにちは、金井志津乃です! 

大阪府の面接って「エントリーシートに書いたこと」から聞かれるんですよね? そのシートっていつもらえるんですか? 何を書けばいいのかも分からなくて……

受験案内での正式名称は「面接個票」。ポータルサイトで様式が公表されて、面接テスト当日に原本1部と写し3部の計4部を提出します。受験者の報告には、ここからの深掘りが複数あります。実録から逆算していきましょう!

この記事では、大阪府公立学校教員採用選考テストの面接個票(受験者からは「エントリーシート」と呼ばれる書類)について、令和6〜8年度採用の受験者12名の報告のうち、個人面接の報告10名分から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則をまとめます。

この記事の根拠

  • 提出の仕組み・時期・部数は令和9年度採用の受験案内と照合済み
  • 令和6年度〜8年度採用の受験者12名の報告のうち個人面接の10名分から、面接個票・自己PR・志望動機・経歴に関する質問を整理(個人が特定できる表現は一般化)。面接記事ではこれに令和9年度採用の報告7件を加えた19名分を掲載しています
  • 欄の構成や字数は受験案内に記載がありません。その年の様式(ポータルサイトで公表)で必ずご確認ください。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

大阪府の「面接個票」|30秒でわかる仕組み

正式名称受験案内の表記は「面接個票」。受験者の報告では「エントリーシート」「面接シート」と呼ばれています。
いつ手に入る大阪府公立学校教員ポータルサイトで公表。令和9年度採用は6月5日(金)に掲載予定とされていました(模擬授業のテーマと同じ日)。
いつ出す第2次選考の面接テスト当日。面接テストは6月下旬〜9月上旬のうち指定された1日(受験票に記載)。
何部出す原本1部と写し3部の計4部(受験案内に明記)
誰が読む面接テストの面接員。当ブログの実録では面接官3人という報告があり、市販過去問集の集計でも「3人」が最多で、写しが3部必要なことを考えると、面接官の人数分が行き渡ると考えるのが自然です。
どう使われる受験者報告:「エントリーシートに書いたことを中心に質問された」「最初に自己PR1分、次にエントリーシートからの質問」「エントリーシートの内容を含めた質問(経歴について、など)」
欄立て・字数受験案内に記載はありません。その年の様式で確認してください。

※出典:令和9年度採用 受験案内「7 選考の日時・内容及び携行品」<第2次選考>■面接テスト

ここで大事なスケジュール感を。令和9年度採用の受験案内では、面接個票の様式と模擬授業のテーマは6月5日(金)に掲載予定、面接日は受験票で指定とされています。第1次免除者の第2次受験票は6月19日、第1次合格者の第2次受験票は7月17日に交付予定とされているので、同じ6月末の日程を全員に当てはめないようにしてください。いずれにせよ、結果を待たず、公開された様式・テーマで準備を進めておくのが安全です。

面接で「面接個票」のどこを聞かれたか|個人面接の報告10名分から

大阪府を受験した方々の面接報告には、面接個票に書いた内容の深掘りと思われる質問が複数あります。報告を、聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴などが特定できる表現は一般化しています)。

パターン① 冒頭に「1分で」まとめさせる
  • 自己PRと志望動機を1分でお願いします。(複数の校種から報告)
  • 志望動機と自己PRを1分で話してください。
  • 最初に自己PRを1分。次にエントリーシートからの質問。
  • 自己PRをしてください。/志望動機を教えてください。

1分=約300字。面接個票に書いたことを、そのまま読み上げるのではなく話し言葉に直して1分にまとめる練習が必要です。

パターン② 書いた言葉をそのまま引用して深掘り
  • (エントリーシートから)自己PRに「何事にも前向きに取り組む」とありますが、どんな困難を前向きに捉えたかのエピソードを教えてください。
  • (エントリーシートから)恩師のエピソードを教えてください。→ 答えるとその答えに対してさらに深掘り。
  • 先程、長所を教えていただきましたが、短所はありますか。
  • 子どもとの関わりが豊富ですが、それ以外のアルバイト等はされていますか。→ そのアルバイトで、言える範囲で大丈夫なので、何か大変だったこと、それをどう乗り越えたかのエピソードはありますか。

ここが大阪府の怖いところです。書いたフレーズがそのまま読み上げられて、根拠を聞かれた報告があります。カッコいい言葉を書くほど、裏づけを求められる場合があると考えておくと安心です。

パターン③ 経歴・経験を「学校でどう生きるか」に変換させる
  • 職歴について教えてください。/経歴について教えてください。
  • 前職をどう活かしますか。/あなたの特技をどう活かしますか。
  • ボランティア活動で学んだことは何ですか。→ そこで重要性を感じた理由は何ですか。
  • 学校でのボランティアや教育実習で学んだことは何ですか。
  • 現在勤務している学校の課題は何ですか。(現場で働きながら受験している方へ)
  • 他の校種での勤務経験を踏まえ、なぜ高等学校を受験するのかを含めた志望動機を教えてください。
  • 誰にも負けないことは何ですか。/他の人からどんな風に思われていると思いますか。
  • 採用されたらどんなことをやりたいですか。→ なぜそう思いますか。

3つのパターンに共通するのは、面接官が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いている報告が目立つことです。長所を書けば「そのエピソードは?」、経験を書けば「学校でどう生かすの?」、志望動機を書けば「なぜそう思ったの?」。面接個票は、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所なのです。

志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、のどれかになります。「ここを突っ込んでほしい」ものを、せめて2〜3個に絞って書く。どれを聞かれても濃く話せるなら、全部書いてもOKです。これが種の撒き方です。

②突っ込み質問を考えながら書く

アルバイトの経験を書く場合は、「その経験から何を学び、学校でどう生かしますか」など、記入内容への質問を想定して準備してください。実際、大阪府の報告にも「そのアルバイトで大変だったこと、それをどう乗り越えたか」という深掘りが届いていますよね。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえません。逆に「書くか書かないか選べないこと」は、突っ込まれたときの答えを事前に考えておくのがベストです。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を書き、自己PRでも「受容性・傾聴力・協働力」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になります。授業力と生徒指導力、志望動機と自己PRで補い合うのがコツ。大阪府は面接テストの中で模擬授業(105点)も評価しますから、授業に対する姿勢が面接個票からも読み取れると、印象がよいと考えられます。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

④項目の意図を正確に読む

「自己PR」という欄があったら、そこに「学校でどう生かせるか」まで含めて読むのがおすすめです。自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るため。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。

⑤丁寧に書き、何人かの目を通す

面接個票は当日4部提出します。手書きで作成する場合、上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、何人かに読んでもらうことをおすすめします。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した書類ほど、どんな面接官にも魅力が伝わるものになります。写しの読みやすさ(コピーしたときの濃さ)も、当日までに確認しておきましょう。

「言わないと分からないこと」に字数を使う

私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。自分がどんな第一印象を持たれやすいかを知ったうえで、そこで生まれる不安を先回りして埋める。それが「言わないと分からないこと」です。

この考え方を、私が新卒で受験したときの自己PR文を全文お見せしながら解説した記事があります。「3つの長所のバランス」「2文目に目的を書く」「3文目で突っ込みたくなる抽象度に止めて種を撒く」——構造は他の自治体でもそのまま使えます。

■ 実物公開|私が新卒で受けたときの自己PR全文と、一文ずつの意図

アルバイト・前職の経験は「学校で生きる形」にして書く

レストランのアルバイトも、前職の営業も、書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。大阪府の報告に「前職をどう活かしますか」「あなたの特技をどう活かしますか」があるのは、まさにここを見ているからです。

なお「家庭の事情で大阪府を」といった志望理由は、書いてもいいけれど優先順位は低め。さらっと触れる程度にして、主軸は「大阪府の教員としてどんな教育をしたいか」に置いてください。面接官が知りたいのはそこです。

大阪府向けに着地させる|評価の観点に対応させる

大阪府は、個人面接の評価の観点を受験案内で細目つきで公開しています。面接個票に書く内容は、この観点のどれかに対応させておくことをおすすめします。

個人面接の主な評価の観点(受験案内より・抜粋)
  • ① 教育を取り巻く状況や課題を理解しているか/課題を的確に把握しているか/解決する自分なりの考えや方法を持っているか/問題解決のために、行動を起こしているか、あるいは起こしていけるか
  • ② 教職について理解し、意欲をもって取り組む姿勢はあるか/困難な状況でも最後まで粘り強く取り組むことができるか/自己の長所や短所を理解・分析しており、長所をいかし短所を克服・改善しようと努めているか/めざす理想の教師像を持ち、具体的に努力・自己研鑽しているか
  • ③ 実践的なコミュニケーション能力を備えているか/社会人としての常識と誠実さ/質問に正対した内容で自分の考えをまとめ、ポイントを絞って面接員が理解できるように表現しているか/自分の考えに固執せず相手の意見を尊重できるか

特に観点①の「行動を起こしているか」と観点②の「短所を克服・改善しようと努めているか」。この2つは、面接個票に実際にやったことを書いておくと、実行力が伝わりやすくなります。「〜したい」だけでなく「〜してきた」を入れることをおすすめします。

大阪府の実録には「採用されたらどんなことをやりたいですか」→「なぜそう思いますか」という質問もありました。面接個票を一文に圧縮したら、この質問の答えになる。そう書けていても、それだけで合格できるとは限りません。分かれ目は、そのことへの本気度です。

書いたあとにやること|深掘りツリーをつくる

面接個票を書き終えたら、一文ごとに「聞かれそうな質問→自分の答え→さらに深掘り→答え」の深掘りツリーを面接ノートに作ります。大阪府は追質問がつながる割合が全国と比べて高め(当ブログの過去問集計による傾向)。一問一答では足りません。

そしてもうひとつ。大阪府の面接テストは模擬授業と個人面接がひと続きです。面接個票の準備と模擬授業の準備を別々のものと考えず、「私はこういう教育がしたい」という一本の線でつなげてください。模擬授業で見せた子どもへの関わり方と、面接個票に書いた教育観がそろっていると、面接官の納得感がまったく違います。実際に聞かれた質問は面接記事にまとめています。

■ 大阪府の個人面接|受験者19名の実録と5年間の出題傾向(二次は模擬授業+個人面接)

よくある質問

Q. 面接個票はいつまでに書けばいいですか?

A. 提出は面接テスト当日ですが、面接テストは6月下旬〜9月上旬のうち指定された1日です。様式が公表されるのは6月上旬(令和9年度採用は6月5日予定)なので、早い日程に当たった方は準備期間が短くなります。しかも同じ時期に模擬授業の準備もあります。出願(令和9年度採用では3月6日〜4月17日)の段階で下書きを完成させておくことを強くおすすめします。様式が出たら清書するだけ、という状態が理想です。

Q. 何部必要ですか? コピーはどこでとりますか?

A. 原本1部と写し3部の計4部です(受験案内に明記)。コピーは各自で用意することになると考えられます。当日の朝にコンビニで、というのは避けて、前日までに4部そろえて確認しておきましょう。手書きの場合、薄い鉛筆やかすれたペンだと写しが読みにくくなります。

Q. 字数や欄の項目を教えてください。

A. 受験案内には記載がありません。面接個票の様式は大阪府公立学校教員ポータルサイトで公表されるので、必ずその年の様式でご確認ください。受験者の報告からは、少なくとも志望動機・自己PR・経歴(職歴)・学校での経験(ボランティア・実習など)について質問されているので、これらに関する記載欄があると推測できます。

Q. 大学3年生等を対象とした選考でも書きますか?

A. 書きません。「大学3年生等を対象とした選考」は第1次選考(教養筆答テスト)のみで、面接テストがないためです。翌年(令和10年度採用テスト)、選考通過者として第2次選考を受けるときに提出します。ただし3年生のうちに土台を作っておくと、4年生の春に慌てずに済みます。前倒し選考の仕組みは特別選考の記事にまとめています。

■ 大阪府の特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・大学等推薦・常勤講師経験者・現職教諭・加点制度

Q. 講師をしています。何を書けば強いですか?

A. 現場での実践です。賞や研究発表でなくて構いません。「4月にこうだった子が、こう関わったらこう変わった」「この課題意識でこんな授業をしたら、子どもの反応がこうだった」。実体験で語れる実績は講師にしか書けない種で、面接官がそこを掘ってくることもあれば、聞かれずにスルーされることもあります。大阪府の報告にも「現在勤務している学校の課題は何ですか」という質問がありました。現場を持っている人にしか答えられない問いなので、日ごろから言語化しておきましょう。

Q. 志望動機と自己PRは分けて考えるべき?

A. 一本の線で考えてください。志望動機が「教育の目的」、自己PRが「その目的のために培った力・経験=手段」。この関係が見えると、面接官は「目的に向けて努力できる人だ」と感じます。大阪府では冒頭に「志望動機と自己PRを1分でまとめて」と言われたという報告があるので、2つを1つの物語として話せる形にしておくことをおすすめします。

Q. 書いた文章をそのまま面接で話せばいいですか?

A. 少し変えてください。文字は構造を見ながら読めますが、音声は一度聞いただけで理解してもらう必要があります。書き言葉では省いた主語や言葉を、話すときはあえて足す。暗記した文章を読み上げると思いが乗らないので、聞き取りやすい言葉に置き換えて、感情を込めて話しましょう。受験案内の観点にも「ポイントを絞って面接員が理解できるように表現しているか」と書かれています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

「面接個票のどこを聞かれたか」は、受験した方の報告が貴重な情報になります。欄の構成は、その年度の公式様式で確認できます。大阪府を受験された方は、ぜひこれから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

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