教採の面接ノートの作り方|図式化×8つの視点で深掘り質問に強くなる

こんにちは、金井志津乃です! 

面接ノートはちゃんと作ってるんです。質問を書いて、その下に自分の回答を文章で書いて…。なのに面接練習になると全然うまく話せなくて、覚えたものを読んでる感じになっちゃうんです。

それ、ノートの取り方に原因があるかもしれません。実は「質問と回答を文章で書いたもの」は、面接ノートではありません。私が受験生のころ、そしてスクールで指導している面接ノートは、まったく別物なんです。

この記事では、教員採用試験の面接ノートの作り方を、私が実際に使っていた方法そのままでお伝えします。ポイントは3つ。①文章ではなく図で書く(図式化)、②テーマを深める8つの視点で順番に考える、③面接官が知りたい順番を先回りする。この3つが揃うと、暗記していないのにパッと言葉が出てきて、深掘り質問にも自分の言葉で答えられるようになります。

この記事の根拠

  • 私自身が受験生時代に作っていた実際の面接ノートを画面に映して解説した動画の内容を記事化
  • 大学での教採対策講演でお話しした深掘り質問への備え方と、スクールのグループコンサルで解説した8つの視点
  • 執筆・監修:金井志津乃(教員採用試験対策スクール「教員の学校」代表)
  • ノートにまとめているのに、面接練習になると話せない
  • 「覚えて読んでいる感」が抜けない/アドリブが効かない
  • 深掘り質問(突っ込み質問)が怖い
  • 面接ノートを作れと言われたけれど、何を書けばいいのか分からない

ひとつでも当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。まずは、実際のノートを見ながら解説したこちらの動画からどうぞ。

目次

その面接ノート、「回答集」になっていませんか

「面接ノートを作っておこうね」とお伝えしたときに、多くの方がイメージするのは「こう聞かれたらこう答える」を並べたものです。合格者の面接回答をまとめた冊子が、まさにそういう作りになっていますよね。

でも、はっきり言います。あれは面接ノートではありません。あれはただの模範回答案、回答集です。

私が考える面接ノートは、まったく違います。「いじめの予防のために何をしますか」に対して「私はいじめの予防のために○○します」と書くことが目的ではないんです。面接でどう答えるかは、面接ノートには書きません。

面接ノートの本当の意図

その教育テーマに対して、網羅的に自分の頭で思考して、言語化して、体系化する。これが面接ノートの意図であり目的です。そのテーマについてどれだけ自分が思考を深めて、具体例まで挙げて追求できているか——その状態を作ることが、面接ノートを作るということです。

当日ベストな状態というのは、何を聞かれても答えられるという状態です。そのためにするのが面接ノート。逆に言えば、回答集をいくら作っても「何を聞かれても答えられる」状態にはならないんですね。

回答を「文章で書いてはいけない」3つの理由

では、なぜ文章で書くとうまくいかないのか。理由は3つあります。

文章で書くとダメな理由何が起きるか
① 完璧主義になって萎縮する私たちは文章で記憶するので、「この一言一句を間違えないように正確に言わなければ」と思ってしまいます。少しでもズレると「あれ、違う」と思い出すのに時間がかかって詰まったり、話している途中で分からなくなったり。「あんなふうに考えていたのに言えなかった」と自信をなくして、次の質問にも悪影響が出ます
② 書き言葉と話し言葉は違う書き言葉は「視覚情報としてそこにある」前提で書くので、重複表現を削り、構造は脳が無意識に処理してくれます。でも聞き手は先の見通しが分からないまま聞いている。書き言葉のまま話すと、内容が入ってこない・右から左に流れてしまう、ということが起こります
③ 文章は左脳で処理している最近の研究では、左脳よりも右脳のほうが記憶力が100倍以上高いと言われています。文章=左脳の処理。それなら、右脳を使えるノートの取り方にしたほうがいいですよね

右脳を使った面接ノートの書き方って、何ですか?

それが「図にすること」=図式化です。見た目でパッと見て分かる形にしておくと、「このテーマが来たら、喋ることはこれとこれとこれだよね」と、記憶力が100倍高い右脳が覚えていてくれるんです。

しかも、要点だけをポンポンポンと覚えている状態なので、その時その時で自分なりに言葉を選びながら話せます。これが「覚えて読んでいる感」が消える理由です。

もうひとつ、図式化には大きな副産物があります。図にしようと思ったら、話す内容を構造的に理解していないと図は作れません。つまり図に起こす作業そのものが、テーマへの理解を深めてくれるんですね。

面接ノートを作る「8つの視点」

では、1つのテーマをどう深めていくのか。私は次の8つの視点を順番に使っています。一覧として手元に持っておいて、「そういえばこの視点が欠けてるな」と確かめながら作っていくのがおすすめです。

順番視点やること
1使う言葉の意味を確認する自分が使う言葉を辞書や文科省の文書で調べ、自分にとっての定義を決める
2テーマの背景を理解するなぜ今それが重要視されているのか、どんな背景でこの質問が生まれているのかを考える
3テーマの目的を理解するそれを育んで・実現してその先に何があるのかを明確にする
4考えや取り組みを書き出す思いつくものをブレインストーミングのように挙げまくる。書く前にジャッジしない
5取り組みの具体例まで挙げる「それって例えばどういうこと?」に答えられるところまで書く
6妥当性を考えるその取り組みは本当にこのテーマに効くのか、一つ一つ自分の考えを疑って検証する
7重要事項をピックアップする「自分の中ではこれがトップ3」「1つだけ言うならこれ」と整理できている状態を作る
8ロジックツリーなどで体系化するWhy(なぜ必要か)とHow(どう実現するか)を、下に行くほど具体的になるツリーにまとめる

言葉だけだと分かりにくいので、「子どもたちの自己肯定感を育む」というテーマで、1から8まで通してやってみますね。

視点1|使う言葉の意味を確認する

まず「自己肯定感ってそもそも何?」から始めます。自己肯定感にはいろんな解釈があって、自己効力感を含めている人もいれば、分けている人もいます。私はいろいろ調べた中で、「できる・できないに関わらず、ありのままの自分を肯定できる感覚」と定義しました。どの記事や本を読んでも、ここは共通していたからです。

一方で「自分はこれができる」という能力に対する自信は自己効力感、「自分は人の役に立てる」は自己有用感という別の言葉があるので、私は自己肯定感には含めません。全部ひっくるめて言いたいときは「自信」という言葉を使います。こうやって言葉の意味を整理して持っておくと、論点がブレにくくなるんですね。

ここが曖昧なまま進むと、あとの視点6「妥当性を考える」でも判断がブレブレになります。1つ目でしっかり意味を決めておくことが、とても大事です。

視点2|テーマの背景を理解する

「自己肯定感がなぜ今求められているのか」を考えます。たとえば、経済的には発展しているのに自殺率が高い。これは、経済的に恵まれていることと幸せであることが必ずしも結びつかない、ということですよね。だから「ありのままの自分を認められることって大事だよね」につながってくる。

さらに少子高齢化、グローバル化、AIの発展。実際にAIに取って代わられている仕事もあります。ひとことで言えば予測困難な時代。そんな中でも失敗を恐れずに行動を起こしていける心の土台が必要だよね——という背景があるわけです。

視点3|テーマの目的を理解する

背景が「なぜそれが重要視されるようになったのか」なら、目的は「それを育んで、その先に何があるのか」です。自己肯定感を育む目的は、ウェルビーイングを高めること。そして予測困難な時代を切り拓いていく人材を育てることです。

ちなみに、ここで「ウェルビーイング」という言葉が出てきたら、その言葉もちゃんと調べる。これも大事です。抽象的な言葉のまま話してしまうと、面接官にも伝わりません。

視点4|考えや取り組みを書き出す

ここまで意味・背景・目的をセッティングしたら、あとは思いつくだけ書きまくる。「自己肯定感をどう高めるか」を挙げていきます。

  • いいところを認める声かけをする
  • 自分の良さに気づくための豊富な体験活動をさせる
  • 行動と心を切り離して指導する
  • 他者との比較ではなく、その子の以前との比較で成長を認める

この段階でいちばん大事なコツは、書く前にジャッジしないことです。「いや、でもこれって本当にそうかな…」と思って書かない選択をしてしまうと、アイデアが出てこなくなります。間違っていたら後で線を引いて消せばいいだけ。批判するのは書いた後です。

頭の中でグルグル考えているだけだと、そのままずっとグルグルしています。ということは、頭の中でグルグルしているものを面接で話すことになる。それだと面接官も「ちょっとよく分からない」となってしまうんですね。だから、まず出し切る。

視点5|取り組みの具体例まで挙げる

4で挙げたものは、まだ抽象的です。「行動と心を切り離して指導する、って例えばどういうこと?」に答えられるところまで書きます。

たとえば——よくない行動をしたときに、行動に対しては指導するけれど、その気持ちには共感する。行動はダメなんだけれど、気持ちに寄り添ってもらうことで、その子は「自分自身のことは尊重されているな」と感じられる。「じゃあ、なぜそれが自己肯定感につながるの?」まで考えておくのがポイントです。

具体例は、できれば実際に経験したことがおすすめです。学生の方で「教える側として経験したことがない」という場合も、小・中・高の12年間、児童生徒の立場でたくさんの先生を見て、たくさんの子どもたちを見てきていますよね。そのビッグデータをもとに具体例を考えていくのもいい方法です。

視点6|妥当性を考える

ここで初めて、自分の考えを疑います。「いいところを認める声かけをしよう」と書いたけれど、それは本当にありのままの自分を認めることにつながるのかな?と。

良かったことは「できたね」と認めても、良くないことに対して「なんで分からないの?」「なんでこんなこともできないの?」という声かけをしてしまったら、その子はありのままの自分を認められません。つまりいいところを認めるだけでは、自己肯定感を育むには弱いのではないか——という検証ができます。

私自身、めちゃくちゃ褒められて育ったんです。「すごいね」って。でも一方で、こんな気持ちにもなりました。「次も期待に応えなあかん。失敗できん」。もし失敗したら、今までみたいに良いように見てくれるのかな、失望されるんじゃないかな、と。むしろ自己肯定感は下がりました。

褒めることは大事です。子どもが自分の良さや成長を感じられるために必要で、これは自己効力感を高めます。でもそれと同じくらい、できなかったときにもその子を認めることが大事。「うまくできないときでも先生は自分を大事にしてくれる」と思えるから、自己肯定感が高くなる。こうやって一つ一つ「これ本当?」と検証していくのが視点6です。

視点7|重要事項をピックアップする

妥当性を考えていくと、「これが一番説得力あるな」「これが一番分かりやすいな」が見えてきます。そこで初めて絞る。「自分の中ではこの3つ」「1つだけ言うならこれ」という状態を作ります。

逆に「いいところを認める声かけは、優先順位としては一旦低く置いておこう」という取捨選択もできるようになります。これができると、本番で聞かれたときに迷わないんです。

視点8|ロジックツリーなどで体系化する

最後に、絞ったものをロジックツリーにまとめます。「自己肯定感がなぜ必要か(Why)」の枝と、「どう育てるか(How)」の枝。Howは3つの柱を作って、それぞれを下に行くほど具体化していきます。

こうしておくと、パッと見て「自分は3つ考えたな」「その先にどうなるかはこれだな」というのが視覚的に分かる。頭の中がすごく整理されます。

ただし、最初からロジックツリーにまとめようとすると難しいかもしれません。まずは考えを出し切ってから、ロジックにまとめる。この順番でも大丈夫です。

ノートの使い方|見開き1ページ、左は「出し切る」・右は「図にする」

私は1テーマにつき見開き1ページ(ルーズリーフなら1枚)を使っていました。ページの使い分けはシンプルです。

ページ使い方
左ページとにかく自分の考えを書き出す場所。視点1〜7をここでやる。消したり線を引いたりでぐちゃぐちゃになってOK
右ページ左で考えたことを図式化する場所。視点8にあたる。自分が見て分かるキーワードだけでいい

テーマの付け方にもコツがあります。「自己肯定感をどう育むか」ではなく、「自己肯定感」とだけ書く。「信頼される教師になるために必要な要素は」ではなく「信頼される教師」。どう育むかまで書く必要はありません。テーマを広く取っておくほうが、思考が広がります。

教育テーマは無数にあります。いじめの予防、いじめの対応(この2つは別々に1枚ずつ作ってもいいくらいです)、これからの時代に必要な子どもの資質能力、これからの時代に必要な教員の資質能力……。1テーマ1ページで、少しずつ増やしていってください。

実演|「子どもに信頼される教師」で1ページ作ってみる

ここからは、実際に私が作ったノートの中身を文章で再現します。テーマは「子どもに信頼される教師」。動画では実物をお見せしていますので、あわせてご覧いただくとイメージが湧きやすいと思います。

左ページ①|そもそも信頼される教師ってどんな人?

私は「信頼される教師になるために必要な要素は?」からは考えません。まず、「そもそも信頼される教師ってどんな人なんだろう?」から入ります。信頼されている教師のイメージが明確になっていなかったら、そんな人になるために何をすべきかも明確になるわけがないですよね。

書き出してみます。「子どもが悩みを打ち明けてくれる」——あ、待って、信頼って書くから、信じて頼るということかな。この足がかりが見つかったら、そこから「信じて頼ることができるって、具体的にはどんな状態だろう?」と広げていきます。

  • 子どもが悩みを打ち明けてくれる
  • 「先生だったら何とかしてくれるんじゃないか」「先生だったら大丈夫」と思える
  • 安心して授業で発言できる(何を喋っても拾ってくれる・恥ずかしい思いをしない)
  • この先生なら、と思ってチャレンジできる
  • 先生の言葉を素直に聞ける
  • 学級を一緒に良くしていくために、肯定的に協力してくれる

左ページ②|なぜ信頼されることが必要なのか

次に「信頼されることで、どんな良いことがあるのか」に発展させます。ここで使えるコツがひとつ。「なぜそれが必要か」を考えるときは、「それがなかったらどうなるか」で考える。かなり有効な手立てです。

信頼されるとなぜそうなるのか
① 学級・授業の秩序が保たれる「この先生の話は聞いておこう」と子どもが思える。「この先生と一緒なら自分も成長できそう」と自分を信じることができる
② 問題の未然防止・早期発見解決につながる深刻になる前に子どもが相談してくれる。日頃の小さな変化やサインを知る機会が圧倒的に増える
③ 指導の効果が上がる信頼しているから指導を素直に聞ける。「この先生が言っていることは確かにそうだ」「ちょっとやってみようかな」と思えることが、子どもの成長につながる

左ページ③|信頼される教師に必要な要素は

3つ目に「信頼される教師に必要な要素」を考えます。ここでのポイントは、②の1・2・3とつなげて考えること。秩序が保たれるから信頼される、信頼されるから秩序が保たれる——相互作用があるんですね。

必要な要素中身対応する②
① 本当にダメな行動には厳しくダメと言える「本当にダメな行動」とは何か=命のこと、人(自他)を傷つけること秩序が保たれる
② 受容性いろんな個性や価値観、考え方を肯定的に受け入れられること未然防止・早期発見解決
③ 高い指導力授業が分かりやすいこと。生徒理解と、理解した上での支援・手立て・方策が絶妙であること指導の効果が上がる

ここでとても大事な作業があります。「受容性」のような漠然とした抽象的な言葉を書いたら、その場で「他の言葉で説明すると何なのか」をメモしておくんです。

面接官「あなたの言う受容性とは何ですか?」

受験者「はい。私が考える受容性とは、いろんな個性や価値観を肯定的に受け入れられることです」

——このメモがあるだけで、突っ込み質問が怖くなくなります。「あなたの言う”子どもに寄り添う”とは何ですか」も同じですね。抽象的な言葉を使うなら、必ず言い換えをセットで持っておく。

さらに、③の「高い指導力」については、それを身につけるために何をするかまで書いてしまいました。学習指導の力を伸ばすなら、研修会・勉強会への参加、授業見学、書籍で授業実践を学ぶ、教材収集や作成に時間をかける。生徒指導の力を伸ばすなら、コーチング、アサーション、個性分類、ペップトーク、心理学などを学び続ける。「具体的にどのようにしますか?」と問われても語れます。

ちなみに、色のルールを決めておくのもおすすめです。私は具体例を書くときは青、というふうに決めていました。

右ページ|図式化する

左ページで考えたことを、右ページで図にします。私が書いたのは、こういう循環の図でした。

  1. 信頼される教師=「ダメ」「受容」「高い指導力」の3つ(キーワードだけ。「ダメ」の横に「本当にダメな行動に」と小さく添える)
  2. ↓ その3つがあると、子どもがこう感じる——「この先生のクラスは安心安全だな」「私たち一人一人を大事にしてくれるな」「この先生なら相談しても大丈夫」「この先生すごいな、信じてついていこう」
  3. ↓ この感情を抱いている状態こそが「信頼」=信じて頼っている状態
  4. ↓ だから秩序が守られ/問題の未然防止・早期発見解決につながり/指導の効果がアップする
  5. ↓ するとまた信頼される。信頼されるから、また①が回る——この循環が生まれる

矢印のつながりも書き込みます。「本当にダメなことにダメと言うから、子どもは”このクラスは安心安全だ”と思える」「命や人権を守ることを行動で示しているから、”一人一人を大事にしてくれる”と感じる」「受容性があるから”相談しても大丈夫”だと思える」「高い指導力があるから”この先生すごいな、信じてついていこう”となる」というふうに。

要点は「3つ」に収める

このノートを作った私は、面接で「子どもに信頼される教師とは、どのような教師ですか」と聞かれたら、「3つあります」と言えます。視覚的に3つが入っているからです。

おすすめは要点を1〜3、できれば3に収めること。5つは絶対に忘れます。3はバランスが良くて覚えやすい、ゴールデンナンバーです。

要点だけで、本当に話せるようになるんでしょうか…?

なります。だって私たち、授業では毎日それをやっていますよね。

板書のノートって、文章では書きませんよね。今日学ぶ内容を構造化して板書していると思います。その構造化した板書を見ながら授業をする。面接ノートの図式化は、まったく同じことです。

要点さえ押さえていて、自分の考えが構造として頭に入っていれば、私たちは話せます。授業でできているんですから、面接でもできます。

深掘り質問に強くなる|面接官が「知りたい順番」を先回りする

ここからは、面接ノートを深掘り質問(突っ込み質問)対策として使う話です。大学での講演でもお話しした内容で、ここを知っているかどうかで面接の手応えがかなり変わります。

面接官がまず求めているのは「理解」です

面接官があなたの回答や自己PRを聞いたとき、まず求めるものは「理解」です。「これってどういうこと?」と、話した内容の理解が難しいと感じたら、まずそこを確かめたくなる。私たちだって、理解できていないものについて次の質問は浮かびませんよね。

だから「あなたにとっての○○とは何ですか?」と聞かれたときは、あなたが話したキーワードについて、面接官が理解を確かめたがっているということです。

面接官の質問面接官が本当に知りたいこと
「あなたにとって教育の道を極めるとは何ですか?」理解したい。まずその言葉の、あなたにとっての定義を知りたい
「教育の道を極めるために何をしますか?」理解ができて初めて進む、一段先の深掘り質問

不合格が続いている方に多いのが、この取り違えです。面接官は理解したくて質問しているのに、「何をするか」が返ってくる。面接官としては「いや、そうじゃなくて、まずあなたにとってのこの言葉の定義が知りたいんだ」となってしまう。

「○○とは?」と返ってきたら、「私にとっての教育の道を極めるとは、こういうことです」と、まず定義から話す。これができると、面接官は「あ、そうなんや。じゃあそうなるために何をするんですか?」と次に進めます。会話がかみ合うんです。

そして、この「まず定義」は、面接ノートの視点1(使う言葉の意味を確認する)そのものですよね。8つの視点の1つ目がなぜあれほど大事なのか、ここでつながってきます。

よくある深掘り質問を、自分で自分に投げておく

面接官がよく使う深掘り質問は、ある程度決まっています。だったら、本番で初めて考える必要はありません。自分の回答に対して、先に自分で突っ込んでおけばいいんです。

  • 具体的には?
  • あなたはそれをどうやってやるんですか?
  • エピソードは? 実際の経験は?
  • きっかけは?
  • もしこうだったらどうしますか?
  • 他には?
  • それがそうだとして、次はどうするんですか?

これらを常に自分に対して投げかけて、自分で納得いくまで突き詰めておく。「いや、でも何か違う気がするな」と思うなら、それはまだ面接で話せるレベルまで追求できていないということです。

「今のところ自分の考えとしては、結論これやな」と腹落ちしている。「こういう反論が返ってくるかもしれないけど、それに対しても自分はやっぱりこう思う」と言える。いろんな角度からの突っ込みを自分にしておくと、何を聞かれても大丈夫という状態になります。

ここで誤解しないでほしいのは、これは「面接官が求める正解を答えられる」という大丈夫さではないということ。「何を聞かれても自分の考えを答えられます」という大丈夫さです。面接官も正解の暗唱なんて求めていません。求めているのは、あなたがどう思っているのか。それが常識の範囲内であるか。そして、伝わるように話せているか、です。

ノートを作るテーマや、自分に投げる質問のストックが足りないという方は、メルマガ登録特典の【厳選】面接質問TOP50を素材に使ってみてください。よく出る質問から順に、1問1ページで8つの視点を回していくだけでも、かなり地力がつきます(記事末尾のバナーから無料で受け取れます)。

深掘りが少ない自治体こそ、ノートが効く

深掘り質問がたくさんある自治体では、少し分かりにくいことを言っても面接官がトスを上げてくれます。「さっきのこれってどういうことですか?」「それは具体的にどういうことですか?」と、やりとりの中で伝わっていく。

でも自治体によっては、一度だけ深掘りして、それに答えたら「うーん、次」と進んでしまうところもあります。これは「もうちょっとここを聞いてほしかった」で終わってしまうということ。だからこそ、短く、でも必要な要素がしっかり入っている回答が求められます。長くなってもよくありません。

短く濃く話せるかどうかは、結局ノートで要点を3つに絞り切れているかにかかっています。受験する自治体の面接がどんな進み方をするのかは、実際に受けた方の報告がいちばん参考になります。自治体別の実録はこちらから。

また、面接ノートで深めたテーマはそのまま集団討論でも効きます。討論で他の人の意見に上乗せできるかどうかは、テーマの引き出しの深さで決まるからです。

■ 教員採用試験 集団討論の過去問210問|全国の実録テーマ集

「めんどくさい」を、やり抜いた人が勝つ

正直に言うと…めちゃくちゃ面倒くさいです。

正直、面倒くさい作業です。私のスクールでも「面接ノート作ろうね」と言うと、みなさん面倒くさくてやらないんですよ(笑)。でも——だからこそ、やり抜いたら勝てるんです。

私は、この面接ノートでどれだけ自分なりに頭の中で試行錯誤するかが、面接のクオリティにそのまま直結すると思っています。

文部科学省の文書や教育振興基本計画に書かれている整った言葉を、そのままポンと持ってくるのは楽です。でもそこに自分の思考や体験はありません。「これって本当?」「いや、でもこうじゃないかな」「やっぱりこうやな」と、遠回りしたり論点がずれたりしながら考えた経験があるから、「ここで話すとずれやすいんだな」も分かる。だから面接では「まずこれから話そう」という自分なりの取捨選択ができるし、深掘りされても自分の言葉で答えられる。

試行錯誤したものは、面接本番で絶対に自分を救ってくれます。いつも考えていること、いつも言っていることは、その場でパッと出てくる言葉になるからです。

私が面接練習に行かなかった数か月の話

私自身、大学2回生のときにキャリア支援で初めて面接練習を受けて、「あなたの長所は何ですか」で何も喋れなかったんです。絶望のスタートでした。

でもそのとき思ったのは、「これは面接練習の数の問題じゃない」ということ。自分自身の考えをそもそも深めていない。教育について全然考えていない。経験もしていない。だから、経験をしながら考えて自分なりにまとめる時間が圧倒的に足りていないんだ、と。

それで私は、しばらく面接練習に行きませんでした。ひたすら自分と向き合う時間を取ったんです。下手な自分をセルフイメージとして固定してしまうのも良くないと思ったので、それなりに語れる状態を作ってから行こうと決めました。

数か月後に行ったら、先生に「なんでこの数か月練習に来なかったの?」と聞かれました。「このまま練習しても、”こう言ったらいいよね” “はい分かりました” と、自分の考えじゃないことを言うだけで、受かる気がしませんでした。面接は自分が思っていることをちゃんと言えること、自分自身が教育について考えて資質を高めておくこと。こっちのほうが大事だと思ったので、先に自分で考えをまとめてきました」と答えたんですね。

そうしたら先生は「それだったらもう受かるわ」と言って、面接練習をほとんどしてくれませんでした。そして実際に、おかげさまで合格することができました。

みんなができることを、みんなができないレベルでやる。

これが一番、合格に近いことなんじゃないかなと思っています。難しいことって、みんな途中でやめるんですよ。だから、やり抜けた人が勝てる。

ただし大前提として、それは合格に直結する大事なことでなければいけません。全然関係ないことをやり抜いても仕方がないですよね。教員採用試験における「結果が出るしんどいこと」は、教員としての資質能力を高める行動をすることと、それを適切に表現すること。この2つだけです。

不合格が続くと、「あんな言い方が良くなかったのかな」と、本質からずれたところに理由を求めてテクニックに走りやすくなります。でも本質はそこじゃない。本質は自分自身が教員としての資質能力をどれだけ高めてきたか、それをちゃんと相手に伝えているか。ここからぶれずにシンプルにやっていれば、結果はついてきます。

まとめ|面接ノートは「教育の軸」を作るノート

  1. 回答集は面接ノートではない。目的は、テーマについて網羅的に思考し、言語化し、体系化すること
  2. 文章で書かない。完璧主義で萎縮する・話し言葉として伝わらない・左脳で処理される、の3つの弊害がある
  3. 右脳を使って図式化する。図にできるということは構造的に理解できているということ。板書と同じ
  4. 8つの視点——意味/背景/目的/書き出す/具体例/妥当性/ピックアップ/体系化——の順で深める
  5. 見開き1ページで1テーマ。左は出し切る、右は図にする。要点は3つに収める
  6. 面接官が知りたい順番は「まず理解、次に方策」。「○○とは?」には定義から答える
  7. 深掘り質問は自分で自分に投げておく。納得いくまで突き詰めておけば、本番で怖くない

最後にお伝えしたいことがあります。面接ノートは、面接のためだけに作っているのではありません。自分たちが教員としての資質能力や、教育者としての軸をまとめるために作っている、と言っても過言ではないんです。

いろんなテーマについて深く考えておくと、どこかで知識がつながってきます。そうすると、考えていなかったテーマがポンと飛んできても「あれと結構近いな」と考えてアドリブで答えられるようになる。そして何より、自分が教育現場で何を大事にしていきたいのか、とまっすぐ向き合うことにつながります。

私自身はめちゃめちゃビビりなので、知らない教育テーマが来たときに「知りません」と言える勇気があまりなくて(笑)。だからできる限り「知りません、すみません」を言わないために、教育に関するいろんな用語やテーマについて面接ノートを作って準備しておきました。

教員採用試験は、1年に1回です。今回ダメだったら、次はまた来年。この1年間の受験勉強と仕事との両立を早く終わらせたいという方こそ、面接ノートを余念なく準備していただければと思います。

「今日から1テーマ目を作ってみよう」という方は、メルマガ登録特典の【無料版】教員採用試験必勝ノートもあわせて手元に置いてみてください。何を準備すればいいかの全体像がつかめるので、面接ノートを作る時間の配分も決めやすくなります。

面接練習の回数より、まず1テーマ、見開き1ページ。そこから始めてみてください。応援しています!

あわせて見たい面接対策動画

受験された方の「実際に聞かれた質問」は、このブログの自治体別記事の土台になっています。受験報告フォームから、どうか教えてください。あなたの1行が、来年この記事を読む誰かを救います。

受験者の声

フォーム「情報提供のお願い」に寄せられた一言から、匿名で抜粋しています。

  • 「当日の直前まで面接ノートを何度も見返し、金井先生の面接質問例に回答する練習をしたことで合格出来たと思います」(浜松市・小学校・2024年)
  • 「本番直前に金井先生のことを知り、藁にもすがる思いで対策ノートを使わせていただきました。とても目から鱗で、自分の中の教師観を掘り下げることができました」(愛知県・特別支援・2025年)
  • 「直前に、自己分析の動画を何度も見直していました。自己分析が深まったように感じます」(埼玉県・小学校・2026年)
  • 「自己分析を中心に対策しました。面接練習は一度もやらずに動画を見ながらひたすら自己分析し、予想問題への回答を考えロジックツリーにして挑みました」(東京都・養護教諭・2024年)
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