【教員採用試験】さいたま市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生Step Up・教師塾『夢』・大学推薦・臨任・補欠者・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

さいたま市の特別選考、要項を見たら15種類もあって、自分がどれに当てはまるのか分かりません……。

数は多いですが、「一次がどこまで免除されるか」で4つに分けると一気に整理できます。さいたま市は「一次まるごと免除=二次から」というルートが7つある自治体なんですよ。まず自分がどのグループに入るかを確かめましょう!

この記事では、令和9年度採用(令和8年度実施)さいたま市立学校教員採用選考試験実施要項にもとづいて、特別選考15種類・1次特例・大学3年生Step Up選考・ティーチャー・リターン選考・加点制度を整理します。さいたま市は埼玉県とは別に試験を実施しており、特別選考の中身も異なります。

この記事の根拠

  • 選考区分・受験資格・受験上の措置・加点は、すべて令和9年度採用 さいたま市立学校教員採用選考試験実施要項の条文から
  • 各特別選考で「第1次試験に何が残るか」は、要項「9 第1次試験 ⑶内容及び日程」のア〜エの区分けと照合済み
  • 確認できた範囲では、さいたま市は特別選考ごとの合格者数を公表していないため、ルート別の合格率は載せていません
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

まず前提|さいたま市の第1次試験は「筆答2科目+集団面接」

免除の話をする前に、何が免除されるのかを押さえておきましょう。一般選考の第1次試験は、次の3つです。

筆答試験(教科等専門分野)択一式・60分・100点
筆答試験(一般教養・教職科目)択一式・60分・100点
面接試験(集団面接)1グループにつき20分程度・150点
合計350点満点に換算

出典:実施要項「9 第1次試験」「11 選考方針、各試験項目の配点」。なお特別支援教育担当教員は第1次が「論文試験(特別支援教育に関する論題・60分・100点)+集団面接150点」という別立ての構成です。この関係で、「一般教養及び教職科目の免除だけ」を措置とする特別選考(社会人特別・臨任特別B・障害者特別)は、特別支援教育担当教員受験者には適用されません(要項に明記)。

早見表|あなたはどのグループ?(令和9年度採用)

グループ該当する選考第1次試験に残るもの
A|一次まるごと免除(二次から)教師塾特別A/大学推薦特別/実績者特別/経験特別/プレゼン特別/パイオニア特別/1次特例(前年度の補欠者)なし(第2次試験から。プレゼン特別・パイオニア特別はプレゼンテーション試験が加わる)
B|一次は集団面接だけ臨任特別A/教師塾特別B/Step Up通過者特別集団面接(150点)のみ
C|一次の一部が免除社会人特別/臨任特別B/障害者特別/音専特別/英語特別教科等専門分野(100点)+集団面接(150点)
D|免除なしプレ・ライセンス特別(令和9年度採用で新設)/一般選考筆答2科目+集団面接(=一般選考と同一)

出典:実施要項「4 選考区分」「5 第1次試験免除の特例」「9 第1次試験 ⑶ア〜エ」「10 第2次試験」。グループAの7ルートは、7月5日の第1次試験が免除されます。ただし、プレゼン特別・パイオニア特別は7月18日または19日にプレゼンテーション試験があり、その他の第2次試験は8月8日からです。

大事なのは、どのグループでも、勝負は結局「二次の個人面接・集団面接・論文」になりやすいということです。令和8年度採用は1次合格709人から2次合格220人。免除は入口の負担を軽くしてくれる措置で、二次の点数が上積みされるわけではないと考えられます。免除がある方ほど、二次の準備に早く取りかかることをおすすめします。

グループA|第1次試験がまるごと免除される7ルート

① さいたま市教師塾『夢』講座修了生特別選考A(教師塾特別A)

令和7年度さいたま市教師塾『夢』講座の修了生(A合格者)が対象。『夢』講座と同一の校種・教科等を受験し、さいたま市の教員を第一志望とする方が要件です(小学校教員、中学校・高等学校・中等教育学校教員、特別支援教育担当教員)。要項の「10 第2次試験」に、第2次試験を行う対象として明記されています=第1次試験は免除です。

② 大学推薦特別選考(大学推薦特別)

さいたま市が指定した大学(大学院・教職大学院・専攻科を含む)の推薦を受け、さいたま市の教員を第一志望とする方が対象(志願区分は小学校、中学校・高等学校・中等教育学校、特別支援教育担当教員)。出願時に推薦書の郵送が必要です。こちらも第2次試験からのスタート。

※「さいたま市が指定した大学」の一覧は実施要項には載っていません。在学中の大学の教職課程窓口に「さいたま市の大学推薦枠はありますか」と確認するのが確実です。推薦枠の有無や学内選考の時期は大学によって異なるので、3年生のうちに一度聞いておくことをおすすめします。

③ スポーツ・芸術等実績者特別選考(実績者特別)

【スポーツの分野】①国際大会(オリンピック、世界選手権大会、アジア大会、ユニバーシアード競技大会等)に日本代表として出場/②全国大会(全日本選手権大会、国民体育大会〔成年の部〕、全日本学生選手権大会のいずれか)で団体または個人で8位以内入賞
※①②とも高等学校卒業以降の実績に限る。団体競技は正選手として登録され出場した方に限る

【音楽、美術等の芸術等の分野】①国際レベルのコンクール・展覧会等に日本代表もしくはこれに準じる資格で出場/②全国レベルのコンクール・展覧会等で上位入賞するなど優秀な実績
※①②とも高等学校卒業以降の実績に限る

受験上の措置は第1次試験の免除。出願時に実績調書と通知用封筒の郵送が必要です。

④ 経験者特別選考(経験特別)|教員としての勤務経験がある方へ

令和8年3月31日までに、国公立の小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の本採用教員として、2年以上の勤務経験がある方が対象。「勤務経験」に休職期間等、勤務の実態がない期間は含みません。受験上の措置は第1次試験の免除です。

他の自治体で正規教員として2年以上働いている方が、二次からさいたま市を受けられる——これはかなり大きなルートです。ただし、現職の方の受験には現場との折り合いという別の難しさがあります。この動画も参考にしてください。

⑤ プレゼンテーション特別選考(プレゼン特別)|社会人の方の選択肢のひとつ

企業経験、情報処理に関する技術・資格、国際バカロレアに関する知識等、学校教育に生かせる知識や経験、技術、資格を有する方が対象。受験上の措置は第1次試験の免除で、そのかわり第2次試験に加えてプレゼンテーション試験があります。採用数は各志願区分の採用見込数のなかで若干名です。

⑥ パイオニア特別選考(パイオニア特別)|免許がなくても受けられる

次の①②いずれにも該当する方が対象。
① 受験教科に係る教員普通免許状を所有していない方
② 受験する教科の分野について、大学や企業、研究機関等における勤務経験が3年以上ある方、または、スポーツ(オリンピック等出場経験者を含む)や芸術の分野など受験する教科の分野における専門性や幅広い知見のある方

※対象は中学校・高等学校・中等教育学校の全教科
※合格後は教育職員検定を経て特別免許状を授与し、教諭として配置
※特別免許状が授与されなかった方は、教員免許取得のため採用候補者名簿登載開始を1年間または2年間猶予
※専科教員として小学校への配置となる場合があります

受験上の措置は第1次試験の免除+第2次試験にプレゼンテーション試験を追加。令和9年度採用の実施要項では、この選考の「継続」が変更点の1つとして明記されました。

プレゼン特別とパイオニア特別は、10分間のプレゼンに加えて「プレゼンの内容および教職全般に関する質疑」があります。令和7年度採用時点の過去問集の記載では試験員3名・1人35分(準備5分+プレゼン10分+質疑15分+片付け・評定5分)。その記載では、プレゼンより質疑のほうが長くなっています。スライドを作り込むより、「この1枚に15分ぶん質問が来る」と思って準備しておくと安心です。

※プレゼン特別・パイオニア特別は、プレゼンテーション試験を受験しなかった場合、その後の試験を受験できません(要項に明記)。令和9年度採用の日程は7月18日(土)・19日(日)のいずれか1日でした。同じ試験を受ける場合は、その日程を確保しておいてください。

⑦ 1次特例|前年度の「補欠」は一次が免除される

これは特別選考の一覧とは別に、要項の「5 第1次試験免除の特例」として置かれている制度です。

令和8年度採用(令和7年度実施)の結果通知において「補欠」の記載があった方は、同一校種・教科等を受験する場合に限り、令和9年度採用の第1次試験の免除が可能です。
※受験にあたっては「1次特例」として申し込み手続きが必要です。

補欠は、通常の不合格とは扱いが異なります。採用候補者名簿に登載されなかった補欠者は、翌年度、同一校種・教科等を「1次特例」として受験できるとされています(令和9年度採用の要項では、この区分で第1次試験が免除されています。翌年度の扱いは、その年の要項で確認してください)。しかも要項の「14 登載・採用」には、補欠者名簿の登載期間中に臨時的任用等教職員の登録をすれば、翌年度当初から臨任として任用されるとも書かれています。「現場に立ちながら、二次だけを受け直す」——これが、さいたま市の補欠者に用意されている道です。

ひとつだけ注意点があります。免除は「可能」であって自動ではありません。申し込み手続きを忘れると使えません。結果通知を受け取ったら、出願要項が出る前に必ず内容を確認しておいてください。

グループB|第1次試験が「集団面接だけ」になる3ルート

筆答試験(教科等専門分野・一般教養・教職科目)がまるごと免除され、7月5日は集団面接だけを受ければよいグループです。特別支援教育担当教員の場合は、論文試験も免除されます。

⑧ 臨任等教員勤務実績特別選考A(臨任特別A)|市内の講師の方向けのルート

次の①②いずれにも該当する方が対象(勤務校種にかかわらず、希望する校種を受験できます)。
① 令和8年4月8日現在、さいたま市立学校の臨時的任用教職員または任期付採用教職員として勤務している方
② 令和3年4月1日から令和8年3月31日までの5年間において、さいたま市立学校の臨時的任用等教職員として通算3年以上の勤務経験を有する方

受験上の措置は、第1次試験の筆答試験について「一般教養及び教職科目」「教科等専門分野」を免除。つまり第1次は集団面接(150点)のみです。「5年のうち通算3年以上」という条件なので、途中に空白の年があっても要件を満たせるのがポイントです。

⑨ さいたま市教師塾『夢』講座修了生特別選考B(教師塾特別B)

令和7年度さいたま市教師塾『夢』講座の修了生(B合格者)が対象。『夢』講座と同一の校種・教科等を受験し、さいたま市の教員を第一志望とする方。措置は臨任特別Aと同じで、第1次は集団面接のみ(特別支援教育担当教員受験者は論文試験が免除)。

教師塾『夢』講座は、A合格なら一次まるごと免除(グループA)、B合格なら筆答免除(グループB)という二段構えです。さいたま市を第一志望に決めている方にとって、有力な入口のひとつと言えます。

⑩ Step Up選考通過者特別選考(Step Up通過者特別)|大学3年生の前倒し

令和7年度実施の「大学3年生Step Up選考」を通過した方が対象。志願できる区分は、選考を通過した同一の校種・教科等に限ります。措置は第1次の筆答試験の免除=集団面接のみ。

大学3年生Step Up選考そのものについて

受験資格①令和8年度に大学3年生等で、令和9年度に「学士」「短期大学士」「修士」の学位、または「専門士」「高度専門士」の称号を取得見込みの方/②受験に必要な免許状を令和10年3月31日までに取得見込の方/③昭和44年4月2日以降に出生した方
志願区分小学校教員、中学校・高等学校・中等教育学校教員、特別支援教育担当教員(小・中)、養護教員、栄養教員
試験日令和8年7月5日(日)=本試験と同じ日
試験内容筆答試験(教科等専門分野60分+一般教養・教職科目60分)のみ。面接はありません/特別支援教育担当教員受験者は特別支援教育に関する論文試験(60分)
提出書類7月5日の試験時に第1次試験結果通知用封筒1通(封筒の左下に「Step Up選考受験」と記入)。通過者は選考通過後に在学証明書等を提出
注意点本試験(一般選考・各特別選考)との併願はできません/加点制度は対象外/通過できなくても翌年の採用選考試験は受験できます
志願状況令和8年度実施165人(前年192人)。内訳は小学校71人・中高中等84人・特支小2人・養護4人・栄養4人

出典:実施要項(別紙)「大学3年生Step Up選考」/さいたま市「『大学3年生Step Up選考』志願状況」

この選考、面接がなくて筆答だけなんです。つまり3年生のうちに筆記を片づけて、4年生の夏は集団面接と二次に全力を注げる設計。教採対策では筆記に時間がかかる方が多いので、これは大きいと思います。3年生のみなさん、「まだ早い」ではなく「いま受けられる」と考えてみてください。

グループC|第1次試験の一部が免除される5ルート

「一般教養及び教職科目」(100点分)が免除され、第1次は教科等専門分野+集団面接になるグループです。

選考受験資格(要約)措置
⑪ 社会人特別選考①令和8年3月31日までに、民間企業または官公庁等での正社員・正規職員として通算3年以上の勤務経験(休職期間等、勤務の実態がない期間は含みません)/②青年海外協力隊・日系社会青年ボランティアの国際貢献活動に従事し、令和3年4月1日〜令和8年3月31日の5年間で通算2年以上の派遣経験——のいずれか一般教養・教職科目を免除
⑫ 臨任等教員勤務実績特別選考B①令和8年4月8日現在、さいたま市立学校の臨時的任用等教職員として勤務/②国公私立学校の臨時的任用等教職員として令和6年4月1日〜令和8年3月31日の2年間で勤務期間が通算170日以上/③さいたま市スクールアシスタント(SA)として同期間に実勤務日数が通算170日以上/④さいたま市立学校の非常勤講師として同期間に実勤務日数が通算170日以上——のいずれか一般教養・教職科目を免除
⑬ 障害者特別選考①身体障害者手帳/②療育手帳/③児童相談所等が発行した知的障害者の判定書/④精神障害者保健福祉手帳——のいずれかの交付を受けた方一般教養・教職科目を免除。受験上の合理的配慮を行う(出願時に申し出)
⑭ 小学校音楽専科特別選考小学校で主に音楽の授業を行う教員を希望し、①小学校教諭普通免許状(取得見込含む)②中学校教諭普通免許状(音楽)(取得見込含む)のいずれにも該当一般教養・教職科目を免除。教科等専門分野は(小学校)の問題。第2次で音楽の実技試験
⑮ 小学校英語教育推進特別選考小学校の英語教育を推進する意欲があり、グローバル・スタディ専科教員を希望する方で、①小学校教諭免許(取得見込含む)+CEFR B2以上/②中学校教諭免許(英語)/③高等学校教諭免許(英語)——のいずれか一般教養・教職科目を免除。教科等専門分野は中高中等(グローバル・スタディ〈英語〉)の問題。第2次で英語の実技試験

出典:実施要項「4 選考区分 ⑵特別選考」「9 第1次試験 ⑶エ」「10 第2次試験 ⑷実技試験」。小学校英語教育推進特別選考は、小学校教諭免許を持っていなくても、中学校または高等学校の英語免許があれば受験できます(要項「3 受験資格 ⑵ア」)。ここは見落としやすいところです。なおCEFR B2以上の資格に有効期限は設定されておらず、過去に一度でも要件を満たせば該当します。

実技の中身(音専特別・英語特別)

  • 小学校教員(音専特別)……①提示された旋律をソプラノリコーダーで演奏/②任意の楽器または歌の演奏(ピアノは会場のものを使用)/③指定の楽曲から1曲を選びピアノで弾き歌い(小学校用教科書に記載されている調で)。課題曲は「まきばの朝」「もみじ」「こいのぼり」「冬げしき」「おぼろ月夜」「われは海の子(歌詞は第3節まで)」
  • 小学校教員(英語特別)……英語によるディスカッション

出典:実施要項「10 第2次試験 ⑷実技試験」。実技は100点で、実技のある志願区分は第2次が450点満点になります。「英語によるディスカッション」は1人で話す試験ではありません。受験者の報告(令和7年度採用・中学高校 英語の1名)でも「3人か4人で、教科指導について英語でディスカッションした」とありました。複数人で議論する練習が必要です。

グループD|免除はないが、新しく開いた入口

小学校教員プレ・ライセンス特別選考【令和9年度採用で新設】

小学校教員普通免許状を取得前の方を対象に、合格後、定められた期間内に免許状を取得することを前提として受験できる選考です。次の①②いずれにも該当する方が対象。
① 小学校教諭普通免許状を所有していない方
② 令和8年3月31日までに、民間企業または官公庁、教職員等で、正規採用または臨時採用として通算3年以上の勤務経験(休職期間等、勤務の実態がない期間を除く)を有する方

※対象の志願区分は小学校教員のみ
※受験上の免除措置は設けず、一般選考と同一の内容で実施
※合格後は、免許状取得見込みの時期に応じて採用候補者名簿登載開始を1年間または2年間猶予
※令和11年3月31日までに小学校教諭普通免許状を取得できない場合は、採用候補者名簿に登載しません

出典:実施要項「4 選考区分 ⑵特別選考 15」「14 登載・採用 ⑷」。免除はありませんが、「免許がまだない社会人が、先に合否を決めてから免許を取りに行ける」という点で、小学校では新しい入口です。実施要項の冒頭「今年度の主な変更等」でも、いちばん最初に挙げられていました。

令和9年度採用の変更点

新設小学校教員プレ・ライセンス特別選考(教員普通免許状を未所有の方が受験可能)
時期の変更ティーチャー・リターン選考を教員採用選考試験と同時期に実施
休止現職高等学校教員特別選考
休止英語ネイティブ特別選考
継続パイオニア特別選考(教員普通免許状を未所有の方が受験可能)

出典:実施要項「今年度の主な変更等」。前の年度の情報で準備していると、休止された選考を当てにしてしまう危険があります。特別選考は年度ごとに見直されることがあるので、要項が出たら「主な変更等」のページを最初に読む習慣をつけてください。

ティーチャー・リターン選考|さいたま市を退職した方へ

過去にさいたま市立学校の教員として一定期間の勤務実績があり、退職した事由が解消した方のための選考です。本試験(一般選考・各特別選考)との併願はできません。

受験資格①本市で採用され公立学校を退職後、退職した事由が解消し本採用教員(校長含む)として勤務できるようになった方/②昭和43年4月2日以降に生まれた方/③かつて本市の公立学校の校長・副校長・教頭・教諭として継続して5年以上勤務(休職・育児休業等の期間を除く)/④採用日時点で本市を退職後5年を経過していない方/⑤勧奨退職取扱要綱の適用を受けて退職した教員でない方/⑥希望する職に該当する免許を有する方(特別支援教育担当教員受験者の特別支援学校教諭免許の有無は問わない)
志願区分小学校教員、中学校教員、特別支援教育担当教員(小・中)、および管理職(校長・副校長・教頭)/かつて本市で勤務していた校種・教科でのみ申込可。養護教員・栄養教員が対象に含まれるかは、要項の別紙とティーチャー・リターンの受験案内で記載が異なるため、市の受験案内で確認してください
選考方法面接試験(個人面接)……主として管理職または教員としての職務遂行能力、適格性等についての評定
勤務成績評価……本市教員として在職していた時の人事評価結果を基礎とした、勤務成績に対する総合評価
試験日管理職以外の教員:令和8年7月18日(土)・19日(日)のいずれか1日/管理職:令和8年11月中(応募状況を踏まえて決定)
出願管理職以外:令和8年4月6日〜5月7日/管理職:令和8年8月1日〜8月31日。受験申込書を添付してEメールで送信

出典:実施要項(別紙)「ティーチャー・リターン選考」。詳細は市の「さいたま市立学校ティーチャー・リターン」の受験案内で確認してください。

退職した事由が解消し、採用日時点で退職後5年を経過していないなど、所定の受験資格を満たす方を対象とする制度です。筆記試験はなく、個人面接と過去の人事評価で判断されます。「もう戻れない」と思っている方に、まずこの制度の存在を知ってほしいと思います。

加点制度|免許を持っていると第1次試験に20点

さいたま市は、申請により第1次試験の得点に加点します。1件あたり20点——第1次が350点満点に換算されることを考えると、決して小さくありません。

志願区分免許状または資格加点
小学校教員「中学校教諭普通免許状」を所有20点
「特別支援学校教諭普通免許状」を所有20点
「CEFR B2以上」取得済み20点
中学校・高等学校・中等教育学校教員「小学校教諭普通免許状」を所有20点
「中学校教諭普通免許状」「高等学校教諭普通免許状」の両方を所有20点
志願区分以外の教科の免許状を所有20点
「特別支援学校教諭普通免許状」を所有20点

出典:実施要項「12 免許・資格による第1次試験への加点」。ルールは次のとおりです。

  • 申請が必要です。出願時に免許状の写しまたは取得見込証明書(英語資格は証明書の写し)を郵送します。期限までに書類提出がない場合は、加点申請を取り下げたものとみなされます
  • 令和9年3月31日までに普通免許状取得見込の方も申請対象。ただし取得できなかった場合、加点は無効となり、採用候補者名簿にも登載されません
  • 音専特別・英語特別における加点は、受験資格に必要な免許・資格を満たしたうえで、他に加点対象となる免許・資格を所有する方が対象です
  • 大学3年生Step Up選考は加点制度の対象外です

ここは、取りこぼしやすいところです。「持っているだけ」では加点されません。申請して、書類を期限までに郵送して、はじめて20点。特別支援学校教諭免許は小学校でも中高でも加点対象ですし、特別支援教育担当教員は志願倍率が小学校2.0倍・中学校3.0倍(令和9年度採用)と低めの門。特支免許を持っている方は、さいたま市での選択肢が広がります。

提出書類|特別選考ごとに違います

いつ提出書類対象
出願時(特定記録郵便・5月7日消印有効)通知用封筒1通(受験資格の審査結果またはプレゼンテーション試験案内)実績者特別・経験特別・プレゼン特別・パイオニア特別
推薦書大学推薦特別
実務経歴申告書パイオニア特別
手帳・判定書の写し(A4サイズにコピー)障害者特別
英語資格の証明書の写し/加点申請に必要な免許状の写しまたは取得見込証明書英語特別(中学校または高等学校の英語免許を所有・取得見込みの方は英語資格証明不要)・資格加点/免許加点
スポーツ・芸術等実績者特別選考実績調書実績者特別
第1次試験当日(7月5日)自己申告書全員
第1次試験結果通知用封筒1通全員
勤務状況等調書(現在の勤務校の校長が作成し厳封)市内で臨任等教職員・SA・非常勤講師として勤務中の方
プレゼン試験当日(7月18・19日)プレゼンテーションに関する資料(スライドの一覧等)2部+試験員配布用は別途3部プレゼン特別・パイオニア特別
第2次試験当日(8月8日)第2次試験結果通知用封筒1通全員
自己申告書第1次試験を免除された方
勤務状況等調書市内で勤務中かつ第1次試験を免除された方
体育実技調書保健体育受験者

出典:令和9年度採用の実施要項「8 提出書類」。令和9年度採用では、一次免除の方は自己申告書の提出が8月8日でした。7月5日を「関係ない日」と思っていると、書類の準備が後手に回ります。なお、受験資格の審査結果は6月中旬に通知されます(実績者特別・経験特別・パイオニア特別)。審査の結果、出願した特別選考に該当しないとされた場合は一般選考による出願として扱われます。

自己申告書は、選考方針にも「筆答試験、論文試験、面接試験等の成績に加えて、自己申告書、志願書等を参考資料として総合的に検討します」と書かれている重要書類です。書き方は専用記事にまとめました。

■ さいたま市の自己申告書の書き方|面接で聞かれる欄を要項から逆算

社会人・40〜50代から目指す方へ

さいたま市の受験資格は「昭和43年4月2日以降に出生した方」(令和9年度採用の場合)。単純に計算すると50代後半まで受験できます。そして社会人の方には、免除のあるルートが3つ用意されています。

免許を持っている社会人特別選考(民間・官公庁で通算3年以上)→ 一般教養・教職科目が免除
免許を持っていない(中高)パイオニア特別選考(受験教科の分野で3年以上の勤務経験等)→ 第1次まるごと免除+プレゼンテーション試験
免許を持っていない(小学校)プレ・ライセンス特別選考(通算3年以上の勤務経験)→ 免除はないが、合格後に免許を取りに行ける
専門性で勝負したいプレゼンテーション特別選考(企業経験・情報処理の技術資格・国際バカロレアの知識等)→ 第1次まるごと免除+プレゼンテーション試験

40代・50代からの合格は、決して珍しいことではありません。合格された方に共通するポイントは、こちらでお話ししています。

民間企業からの転職を考えている方は、こちらもどうぞ。

講師の方へ|さいたま市で働いた経験が、そのまま免除になります

さいたま市の臨任特別A・Bは、「さいたま市で働いた日数」がそのまま試験の免除につながる設計です。

臨任特別Aさいたま市立学校の臨任等として5年間で通算3年以上+令和8年4月8日現在も勤務中 → 第1次は集団面接だけ
臨任特別B令和8年4月8日現在の市内の臨任等/国公私立の臨任等で令和6年4月1日〜令和8年3月31日に勤務期間が通算170日以上/さいたま市スクールアシスタント(SA)・さいたま市立学校の非常勤講師で同期間に実勤務日数が通算170日以上(特別支援教育担当教員受験者は対象外) → 一般教養・教職科目が免除

注目してほしいのは臨任特別Bの③④です。スクールアシスタントや非常勤講師の勤務も、令和6年4月1日〜令和8年3月31日の2年間に実勤務日数が通算170日以上あれば、臨任特別Bの要件に該当します(特別支援教育担当教員受験者は対象外です)。「常勤講師じゃないから関係ない」と思っていた方、要項をもう一度確認してください。

ただし、免除はあくまで入口です。私がいつもお伝えしているのは、講師の方の本当の強みは「クオリティ・信用・フレッシュさ」——現場で課題意識を持って試した実践、働いてきた積み重ね、そして現実を見ても初心を忘れていないこと、の3つです。「講師をしていた」だけでは差がつきません。さいたま市の個人面接は「教科等の専門性に係る質問」が主役なので、現場でやってきた授業の話が、大きな武器になりやすいです。

まとめ|免除は「入口」、勝負は本試験の第2次

さいたま市の特別選考を整理すると、こうなります。

  1. 一次まるごと免除が7ルート。教師塾A・大学推薦・実績者・経験者・プレゼン・パイオニア・1次特例(補欠者)。7月5日の第1次試験は受けません。第2次試験は8月8日から始まります(プレゼン特別・パイオニア特別は7月18日または19日にプレゼンテーション試験があります)。
  2. 一次が集団面接だけになるのが3ルート。臨任A・教師塾B・Step Up通過者。この方たちの第1次試験の試験項目は集団面接(150点)です。得点は350点満点に換算されます。筆記が免除だからこそ、集団面接の練習を最優先で。
  3. 一般教養・教職科目だけ免除が5ルート。社会人・臨任B・障害者・音専・英語。教科等専門分野は残ります。
  4. 免許がなくても受けられる道が2つ。中高はパイオニア特別(一次免除)、小学校はプレ・ライセンス特別(新設・免除なし)。
  5. 加点は申請制で1件20点。特別支援学校教諭免許は、小学校でも中高でも加点対象です。
  6. 本試験(一般選考・各特別選考)の第2次試験では、共通の試験項目があります。適性検査・論文(45分800字)・個人面接(20分・教科等の専門性)・集団面接(30分)。これに加えて、プレゼン特別・パイオニア特別は7月18・19日のプレゼンテーション試験、実技対象者は8月9日の実技試験(100点)があります。令和8年度採用は1次合格709人から2次合格220人でした。

■ さいたま市の二次試験|個人面接(教科等の専門性)+集団面接の内容・日程・5年間の出題傾向
■ さいたま市の小論文(論文試験)|過去5年の出題テーマと45分・800字の書き方
■ さいたま市の倍率|令和9年度採用の志願状況と5年間の推移

よくある質問

Q. 複数の特別選考を申し込めますか?

A. できません。実施要項に「複数の特別選考を選ぶことはできません」と明記されています。また、特別選考の受験資格に該当している方でも、受験資格を満たしていれば一般選考で受験することも可能です。どのルートが自分にとって有利かを比べたうえで、1つを選んでください。

Q. 特別選考に該当するか分からないのですが、審査はありますか?

A. 「実績者特別」「経験特別」「パイオニア特別」は、受験資格の審査結果を6月中旬に通知します。該当しないとされた場合は、一般選考による出願として取り扱われます。その他の特別選考は、出願時に入力された内容で確認が行われ、審査結果の個別通知はありません。受験資格を満たしていないことが判明した場合は選考の対象外となることがあるので、要件は自分で慎重に確認してください。

Q. 大学3年生Step Up選考は、本試験と併願できますか?

A. できません。ティーチャー・リターン選考も同様に、本試験(一般選考および各特別選考)との併願はできません。大学3年生Step Up選考は7月5日(日)に本試験と同じ日に実施されます。

Q. Step Up選考に通らなかったら、翌年は不利になりますか?

A. なりません。実施要項(別紙)に「大学3年生Step Up選考を受験し、選考通過できなかった場合でも、翌年の採用選考試験を受験することができます」と明記されています。受けるメリットの大きい制度です。ただし加点制度は対象外なので、免許加点を使いたい方は本試験を選ぶという判断もあり得ます。

Q. 埼玉県の特別選考も併用できますか?

A. さいたま市と埼玉県は別々の教育委員会が別々に実施していて、特別選考の制度もまったく別です。しかも令和9年度採用のさいたま市の第1次試験日は7月5日(日)です(埼玉県の日程は埼玉県の実施要項で確認してください)。第1次試験の日が重なる場合は、両方は受けられません。さいたま市と埼玉県では講師経験に関する特別選考の条件が異なります。さいたま市立学校での勤務経験が埼玉県の臨時的任用教員経験者特別選考の要件に該当する場合もあるため、それぞれの要項で確認してください。

Q. 大学院に進学する予定です。合格したらどうなりますか?

A. 実施要項「14 登載・採用 ⑶」に、本人の申請にもとづく教育委員会の許可により、採用候補者名簿登載期間を延長できると書かれています。出願時に大学院修士課程1年生なら1年間、大学院修士課程に進学予定の大学4年生なら2年間(教職大学院の教職修士課程も同様)。申請期限は令和9年1月31日までです。ただし、名簿登載期間を延長する方も令和9年3月31日までに登載校種教諭の普通免許状を取得する必要があります。

Q. 特別選考ごとの合格率は分かりますか?

A. 確認できた範囲では、さいたま市は特別選考ごとの志願者数・合格者数を公表していません。公表されているのは志願区分(校種)ごとの数字と、中高中等の教科別の数字です。そのため、この記事ではルート別の合格率を出していません。推測の数字を載せるより、要項に書いてあることを正確にお伝えするほうが役に立つと考えています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は要項で分かりますが、「そのルートで実際にどんな試験だったか」は受験した方にしか分かりません。さいたま市の実録は令和8年10月時点で2名分です(令和7年度採用・令和9年度採用)。プレゼンテーション試験を受けた方、一次免除で二次から受けた方、集団面接だけで一次を通った方——どのルートの報告も、次に受ける方の力になります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

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