【教員採用試験】岩手県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生選考・大学推薦・現職教員・講師経験者・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

岩手県って、特別選考のほかに「一般選考A」とか「一般選考C」とか、アルファベットがたくさんあって混乱します……。

分かります! でも大丈夫。岩手県のルートは「あなたが今どんな立場か」で一発で決まります。しかも一般選考A〜Eと、大学3年生選考→翌年の大学3年生通過者選考を使えば、筆記の一部または全部が免除されます。令和9年度採用では申込860人のうち171人が第1次選考免除でした。まずは早見表で自分の位置を確認しましょう。

この記事では、岩手県公立学校教員採用候補者選考の特別選考と第1次選考の免除制度、そして加点について、令和9年度採用(2026年夏実施)の実施要項と公表データをもとに整理します。

この記事の根拠

  • 受験資格・選考方法・加点はすべて令和9年度岩手県公立学校教員採用候補者選考実施要項から。条文の要約であり、推定は含みません。
  • ルート別の申込者数・合格者数は岩手県教育委員会が公表した選考結果資料(令和6年度採用〜令和9年度採用)から
  • 受験する年度の要項を必ずご自身で確認してください。岩手県は令和9年度採用だけで選考の新設2つ・受験資格の緩和3つ・加点の変更2つがありました。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
令和9年度採用|前年度からの主な変更点(実施要項より)
  1. 「大学3年生通過者選考」を新設——前年度の大学3年生選考の合格者を対象とした選考区分
  2. 特別選考「英語有資格者選考」を新設——高等学校は英検1級、TOEIC L&R 950点以上など、中学校は英検準1級以上、TOEIC L&R 785点以上などの有資格者が対象です(IPテストを除く。英検以外は令和3年4月1日以降の受験)。
  3. 小学校教諭の受験資格を緩和——岩手県の公立中学校で常勤・非常勤講師として3年以上の勤務経験があれば、小学校教諭免許を持っていなくても受験可能(一般選考E・新設)
  4. 岩手県現職教職員選考(一般選考A)の受験資格を緩和——必要勤務経験年数が1年に、県立学校の実習教諭も対象に
  5. 特別支援学校教諭(中学部・高等部)の受験資格を緩和——受験する教科の中学校・高等学校いずれかの普通免許状+特別支援学校教諭の普通免許状(視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱のいずれかの領域)で受験可能に(令和9年3月31日までの取得見込みを含む)
  6. 加点の変更——「司書教諭」資格の加点10点(前年度からの変更点には小・中学校教諭受験者分として記載。加点表では高等学校教諭も対象)/中学校教諭(英語)の英語有資格者加点を25点→30点に
  7. 募集の追加——一般選考に高等学校「書道」、特別支援学校・高等部「工業」/大学推薦特別選考が中学校全教科に拡大

1年でこれだけ変わります。このほか、小学校・中学校教諭の教科等専門の試験時間が90分から70分に短縮されました。「前の年度の情報」で判断するのが一番危険です。とくに一般選考E(岩手県公立中学校の講師経験3年以上で小学校を受験できる)は、岩手県で講師をされている方にとって大きなニュース。ご自身が対象かどうか、必ず要項の本文でご確認くださいね。

お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表①|あなたはどのルートで受験できるか

岩手県の選考は、大きく「一般選考(A〜Eを含む)」「大学3年生選考/大学3年生通過者選考」「特別選考」の3系統です。要項の冒頭にある「選考区分早見表」を、立場別に整理しました。

いまの立場使えるルート第1次選考
大学3年生(4年制大学の3年次・昭和40年4月2日以降生まれなど)大学3年生選考受験(通過し、翌年に同じ校種等・教科(科目)で改めて申込むと翌年の一次が免除)
大学4年生(指定大学から推薦を受けた方)大学推薦特別選考書類選考
大学4年生(前年度の大学3年生選考合格者)大学3年生通過者選考【新設】免除
大学4年生(英語の資格保有者・中高英語志望)英語有資格者特別選考【新設】書類選考
大学4年生・大学院生(上記以外)一般選考受験
岩手県の現職教員・実習教諭(校種をまたぐ志望・満1年以上)一般選考A教職専門が免除
他都道府県・政令市の国公立学校の正規教員(休職・育児休業等を除き3年以上)一般選考B全部免除
岩手県の臨時的任用教職員(通算12か月以上)一般選考C教職専門が免除
元・岩手県の正規教員(休職・育児休業等を除き3年以上勤務・平成28年3月31日以降に普通退職・勤務時と同一の校種等・教科(科目)で受験)一般選考D全部免除
岩手県公立中学校での講師経験3年以上(常勤・非常勤)で小学校を志望一般選考E【新設】教職専門が免除
幼稚園等の正規教諭として3年以上幼稚園教諭経験者特別選考(小学校)書類選考
民間企業等で3年以上/博士の学位保有(高度な専門的知識・技能と、教員の職務への熱意・識見が必要)社会人特別選考(高校の情報・農業・工業・水産)書類選考
障がいのある方(手帳をお持ちの方)障がいに配慮した選考(全選考区分が対象)一般選考と同じ日程・問題(配慮あり)

※出典:令和9年度実施要項「Ⅰ 選考区分早見表」「Ⅱ-3(2)教職経験者に対する優遇措置」。
特別選考は一般選考との併願が可能です。一般選考A〜Eの要件を満たしていても、通常の一般選考で受験することもできます。

最短ルートは「第1次選考の免除」|令和9年度は171人が利用

岩手県の優遇のなかで大きいのは、特別選考よりむしろ一般選考A〜Eの第1次選考免除です。第1次選考は教科等専門200点+教職専門50点=250点の筆答試験。ここが軽くなる意味は、とても大きい。

選考区分免除要件(要約)教科等専門教職専門
一般選考下記に該当しない方○○
一般選考A
岩手県現職教職員
本県の公立高校・特別支援学校の教諭/実習教諭が小・中学校を志望する場合、本県の公立小・中学校教諭が高校・特別支援学校を志望する場合、または本県の実習教諭が高校・特別支援学校の教諭を志望する場合。令和9年3月31日までの勤務経験(休職、育児休業等の期間を除く)が満1年に満たない方は受験不可。○免除
一般選考B
他都道府県現職教員
他都道府県・政令市の国公立学校(幼稚園を除く)の正規教員として令和8年3月31日現在で休職・育児休業等を除き3年以上の経験があり、引き続き任用されていて、現在勤務の校種等・教科(科目)で受験する方免除免除
一般選考C
臨時的任用教職員経験者
岩手県内の公立学校または県内の国立大学法人附属学校で、令和5年4月1日〜令和8年4月27日に常勤講師・非常勤講師・養護助教諭・非常勤養護助教諭・実習助手として通算12か月以上(1日でも勤務した月は1か月)○免除
一般選考D
元岩手県教員
岩手県公立学校の正規教員として休職・育児休業等を除き3年以上勤務し、平成28年3月31日以降に普通退職、勤務時と同一の校種等・教科(科目)で受験する方免除免除
一般選考E【新設】
岩手県中学校臨時的任用教員等
岩手県公立中学校での勤務経験が3年以上(常勤・非常勤講師)あり、小学校教諭を受験する方(小学校教諭免許状の保有者を除く)○免除

※出典:令和9年度実施要項「Ⅱ-3(2)教職経験者に対する優遇措置」。
一般選考A・C・Eは教職専門が免除され、教科等専門が250点満点になります。一般選考Eの非常勤講師の勤務年数は換算が必要で、要項では申込前に小中学校人事担当(019-629-6127)へ問い合わせるよう案内されています。提出書類は、一般選考Bが履歴証明書(各都道府県・政令市の教育委員会が発行)、一般選考C・Eが臨時的任用教職員申告書で、C・Eは第2次選考当日に勤務実績の根拠となる辞令書の写しも持参します(要件を満たさない場合は第1次合格が取り消されます)。

一般選考Eで合格した場合の注意(要項の注記)

一般選考Eで合格した場合、3年以内に小学校教諭普通免許状を取得する必要があります。3年以内に取得できない場合は、採用候補者としての資格を有していないものとみなされ、採用資格を失います。

一般選考B・Dの方は第1次選考がまるごと免除され、他の受験者の一次結果と同じ8月6日(木)に第2次選考の案内が送付されます。つまり夏は二次対策(個人面接、校種・教科によっては模擬授業・実技試験)に集中できるということです。

現職の先生が他の自治体を受け直すのは、正直に言えば簡単ではありません。ただ、面接官の見方は「良い人材が来てくれてラッキー」にもなり得ます。鍵は2つ。①授業力をブラッシュアップして具体的に語れること ②謙虚さが伝わること。「前の県ではこうでした」ではなく「岩手でこれをやりたい」に翻訳して話してくださいね。

大学3年生の前倒し受験|令和9年度は241人中153人が通過

岩手県には大学3年生のうちに第1次選考を受けられる制度があります。令和8年4月1日現在4年制大学の3年次に在学し、昭和40年4月2日以降生まれで、受験する校種・職種の普通免許状を令和10年3月31日までに取得する見込みであることなど、同選考の受験資格を満たす必要があります。仕組みはこうです。

  • 大学3年次に「大学3年生選考」の第1次選考を受験(一般選考と同じ7月11日・同じ会場。選考方法・配点・時程も一般選考と同じ)
  • 教科等専門・教職専門の点数が一定の基準を満たすと「大学3年生選考通過者」に。結果は8月6日に通知され、合格通知は翌年まで必ず保管(翌年の申込に写しが必要)。
  • 翌年度、同一校種・職種・教科(科目)で「大学3年生通過者選考」に改めて申込むと、第1次選考が免除され第2次選考から受験できます
  • 令和9年度採用の大学3年生通過者選考では、第2次選考の内容は一般選考と同じ(個人面接・模擬授業・実技試験)、結果発表は9月28日でした。翌年度(令和10年度採用)の日程・結果発表日は、翌年度の実施要項(令和9年3月公表予定。令和8年10月時点)で確認してください。
校種R9 申込R9 受験R9 1次合格通過率R8 受験R8 1次合格
小学校97人95人89人93.7%84人74人
中学校53人50人27人54.0%84人52人
高等学校46人42人21人50.0%35人17人
特別支援学校15人15人9人60.0%11人7人
養護教諭40人39人7人17.9%36人13人
合計251人241人153人63.5%250人163人

※通過率は私が算出(1次合格者÷受験者)。
出典:岩手県教育委員会「令和9年度教員採用選考特別選考結果及び一般選考受験者数について」(令和8年8月6日現在)

小学校は95人受けて89人が通過(93.7%)。大学3年生選考に通過し、翌年に同じ校種等・教科(科目)で「大学3年生通過者選考」に改めて申し込めば、一次免除により翌年の夏を二次対策に集中できます。一方で養護教諭は17.9%と厳しく、校種によって難易度がまったく違います。

大学3年生選考には英語資格の加点も適用されます(小学校・特別支援中高部の英語=10点、中学校英語=30点、高校英語=20点)。3年生の時点で英検準1級やTOEIC785点を持っていれば、それがそのまま点数になる。資格は「早く取るほど効く」——これは覚えておいてください。

早見表②|4つの特別選考

岩手県の特別選考は4区分。いずれも第1次選考は書類選考のみ、第2次選考は個人面接(口頭試問を含む)という共通の形式で、一般選考より3か月早く結果が出ます。

選考区分対象募集する校種・教科採用予定
社会人特別選考博士の学位を有する方、または民間企業等で令和8年4月1日現在同一企業等に3年以上勤務した方で、いずれも情報・農業・工業・水産に関する高度な専門的知識や技能と、教員の職務を行うための熱意・識見を有する方高等学校(情報/農業/工業(機械・電気)/水産)若干名
大学推薦特別選考岩手県教育委員会が指定する大学から推薦された方。①岩手県の教員を第1希望とし「岩手県が求める教師像」にふさわしい資格と能力がある ②学業成績が優秀で大学内外の活動実績が顕著 ③令和9年度からの採用を希望。小学校/中学校 全教科【R9から拡大】/高校(農業・工業(機械・電気))/特別支援(小学部・中学部・高等部)/養護教諭若干名
幼稚園教諭経験者特別選考幼稚園等(特別支援学校幼稚部・幼保連携型認定こども園を含む)の正規の教諭として令和8年3月31日までに3年以上の勤務経験があり、申込時に幼稚園教諭普通免許状を持つ方小学校若干名
英語有資格者特別選考【R9新設】中学校・高等学校「英語」志望で、希望校種の英語の普通免許状を所有(取得見込み含む)かつ要項の表の英語資格(中学校は英検準1級・TOEIC L&R 785点以上など、高等学校は英検1級・TOEIC L&R 950点以上など)を現に所有する方中学校(英語)/高等学校(英語)若干名

※採用予定数は一般選考の採用予定数に含まれます。
出典:令和9年度実施要項「Ⅴ 特別選考」

特別選考の日程|6月末には結果が出る

申込簡易書留による書類郵送のみ(電子申請ではありません)。令和8年4月10日(金)〜4月27日(月)消印有効。角2号封筒に選考名・校種を朱書き。
第1次選考書類選考/結果:5月22日(金)午後3時頃
第2次選考個人面接(口頭試問を含む)/6月上旬〜中旬(詳細は一次結果とあわせて通知)
第2次選考結果6月29日(月)午後3時頃
併願一般選考との併願が可能(一般選考も4月24日17時までに電子申請し、必要書類を4月27日消印有効で郵送しておく必要があります。特別選考は一般選考と併願できます。特別選考の結果発表(6月29日)は一般選考の第1次選考(7月11日)より前です(特別選考で不合格・辞退した場合の一般選考での扱いは、要項に記載がありません))

※出典:令和9年度実施要項「Ⅴ-4 選考」「Ⅴ-5 その他」

ここ、すごく大事です。特別選考の結果が出る6月29日は、一般選考の第1次選考(7月11日)の12日前。つまり特別選考にチャレンジしても、併願していれば一般選考の第1次選考に間に合う日程です。しかも併願はできます。対象になるかどうかは、要項で要件を確認してください。

提出書類|2,000字程度の自己アピール作文

提出書類社会人大学推薦幼稚園教諭経験者英語有資格者
特別選考申込書(所定様式・写真貼付)○○○○
受験番号通知及び結果通知用封筒(角2号・530円分の切手・2通)○○○○
2,000字程度の自己アピール作文(A4判・任意様式・校種と氏名を明記)○○—○
最終学校の卒業証明書または卒業(修了)見込証明書(最終学歴が大学院、または大学卒業後に通信教育を受けている場合は出身大学の卒業証明書も)○○○○
最終学校の成績証明書(最終学歴が大学院、または大学卒業後に通信教育を受けている場合は出身大学の成績証明書も)○○○○
免許状の写し/取得見込証明書/免許状授与証明書○○○○
高度な専門的知識・技能を証明できるもの(資格証明の写し、所属長等の推薦書、論文の写し等。英文等の論文には簡潔な和訳も付す)○——○
職歴証明書(幼稚園等で3年以上の正規教諭経験)——○—
幼稚園教諭経験者特別選考調書(所定様式)——○—

※大学推薦特別選考に申込む方は、別冊の「大学推薦特別選考実施要項」に基づき、書類を指定大学等に提出します。
出典:令和9年度実施要項「Ⅴ-3(3)提出書類」

2,000字程度の自己アピール作文——これが岩手県の特別選考の山場です(幼稚園教諭経験者特別選考は提出不要です)。任意様式なので、何をどう書くかは自分で決めなければなりません。第2次選考は個人面接(口頭試問を含む)だけですから、面接につながる提出書類として、面接で深掘りされても的確に答えられるよう、ツッコミ質問を見据えて内容を精査して書いてくださいね。

自己アピール作文で押さえたい5つのこと

  1. 突っ込んでほしい「種」を撒く。面接官はこの作文を読んで質問を作ります。深く語れるエピソードを、あえて短めに書いて残しておく。
  2. 突っ込みを想定する。書いた一文ごとに「なぜ?」「具体的には?」と自分で問いを立て、答えを用意しておく。
  3. 資質のバランスを取る。専門性・熱意だけでなく、協調性や人間性が伝わる要素も入れる。1つの長所だけを2,000字で語るとバランスが崩れます。
  4. 項目の意図を考える。「県はこの作文で何を見たいのか」を、面接官の立場に立って考え、求められている内容を正確に読み取って書きましょう。
  5. 丁寧な字と、複数の目。手書きなら丁寧に。そして必ず誰かに読んでもらう。自分では気づけない「意味が伝わらない一文」が混じっていることがあります。

ルート別の実績|数字で見る「入りやすさ」

「制度はあるけど、実際どれくらい採っているの?」——公表資料から見てみましょう。

選考区分R9 申込R9 1次合格R9 採用候補者R8 申込R8 採用候補者R7 申込R7 採用候補者
社会人特別選考(高校)2人0人0人2人0人3人0人
大学推薦特別選考16人16人16人6人6人1人1人
 うち小学校5人5人5人4人4人——
 うち中学校【R9から全教科】6人6人6人0人———
 うち特別支援(小学部)3人3人3人1人1人——
 うち養護教諭2人2人2人1人1人1人1人
英語有資格者特別選考【R9新設】2人2人2人————
幼稚園教諭経験者特別選考2人2人2人10人8人——

※R9=令和9年度採用、R8=令和8年度採用、R7=令和7年度採用。「—」は募集なしまたは該当なし。なお令和6年度採用にはスポーツ特別選考(申込9人・1次合格3人・採用候補1人)と特定教科特別選考がありましたが、令和7年度採用以降は募集されていません。
出典:岩手県教育委員会の各年度公表資料

数字を読むと、岩手県の特別選考の性格がはっきりします。

①大学推薦特別選考は、3年連続で「申込=合格」。令和9年度は16人全員、令和8年度は6人全員、令和7年度は1人全員が採用候補者になっています。指定大学から推薦を得られる立場なら、有力なルートです。令和9年度から中学校が全教科に拡大されたことで、申込も6人→16人と大きく増えました。

②社会人特別選考は3年連続で採用候補者0人。募集が高等学校の情報・農業・工業(機械・電気)・水産に限られており、申込自体も年2〜3人と少ない。「高度な専門的知識や技能」の証明が求められる、本当のスペシャリスト枠だと考えてください。社会人の方は、この特別選考だけでなく、一般選考での受験も視野に入れてください。

③幼稚園教諭経験者特別選考は、申込10人→2人と大きく減りました。令和8年度採用では10人中8人が採用候補者に。幼稚園等での正規教諭経験3年以上という条件を満たす方が、採用候補者になっている枠です。なお、小学校教諭免許状を持っていない場合は最長3年間の採用延期ができ、その間に免許を取得する制度もあります(令和11年3月31日までに取得できないと採用資格を失います)。

加点|要件により10・20・30点、しかも一次の250点満点に対して

岩手県は第1次選考に加点があります。第1次選考は250点満点ですから、30点は12%分。無視できない大きさです。

区分対象加点要件
英語資格小学校教諭/特別支援学校中学部・高等部の「外国語(英語)」10点英検準1級以上/TOEFL(iBT)72点以上/TOEIC L&R 785点以上(IPテスト除く)/TOEIC L&R+S&W 1,560点以上(S&Wは2.5倍して加算)/ケンブリッジ英検160点以上/GTEC advanced 1,190点以上/IELTS 5.5点以上/TEAP 309点以上/TEAP CBT 600点以上
中学校教諭の「外国語(英語)」30点【R9で25点から増】
高等学校教諭の「外国語(英語)」20点
教育職員免許状小学校教諭10点中学校または高等学校教諭「英語」の普通免許状を有する(取得見込み含む)
小学校教諭/中学校教諭10点特別支援学校教諭の普通免許状(視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱のいずれか)
中学校教諭の「音楽」「美術」「保健体育」「技術」「家庭」10点中学校教諭「国語」「社会」「数学」「理科」「英語」のいずれかの普通免許状
高等学校教諭(「情報」の受験者を除く)10点高等学校教諭「情報」の普通免許状
高等学校教諭の「公民」「地理歴史」10点「公民」「地理歴史」両方の普通免許状
高等学校教諭の「情報」10点「情報」以外の高等学校教諭の普通免許状
指定資格小学校教諭/中学校教諭/高等学校教諭10点「司書教諭」の資格(取得見込みは不可)【前年度からの変更点には小・中分として記載】
高等学校教諭の「家庭」10点「調理師」または「栄養士」の資格(取得見込みは不可)

※英語資格は令和3年4月1日以降に受験したものが有効(実用英語技能検定のみ令和3年3月31日以前も可)。加点表の教育職員免許状の要件は、令和9年3月31日までの取得見込みを含みます。指定資格(司書教諭、調理師・栄養士)は取得見込みでは対象になりません。加点を希望する場合は、申込時に「加点申告書」(県教委HPの所定様式)と証明書類の提出が必要です。令和9年3月31日までに加点要件の対象となる免許が取得できなかった場合は採用内定が取り消されます。
出典:令和9年度実施要項「Ⅱ-3(1)第1次選考の加点による優遇措置」

この表、「いま持っている免許・資格をもう一度数えてみてください」という表です。中学校の音楽・美術・保体・技術・家庭で受ける方が国語や英語の免許も持っている、高校の地歴の方が公民も持っている——それだけで10点です。持っているのに申告しないのが、いちばんもったいない。加点申告書の提出を忘れずに!

社会人・年齢が気になる方へ

岩手県の受験資格のうち年齢の要件は昭和40年4月2日以降に生まれた方(令和9年度採用の場合)。かなり広く門戸が開かれています。社会人特別選考は高等学校の一部教科に限られますが、一般選考は、年齢要件に加え、受験する校種・教科の免許状など受験資格を満たしていれば、経歴を問わず受験できます。

民間企業から教員を目指す方が、面接で話せるようにしておくとよいのは、次の2つです。

  • 社会人経験を、学校でどう生かすのか
  • なぜ社会人経験を経て、いま教員を目指すのか

この2つを自分の言葉で語れるかどうかが分かれ目です。「前職の経験が生かせます」で止めず、「岩手県の学校の、この場面で、こう使います」まで具体化してください。

40代・50代で合格する方を、私は数多く見てきました。ただし40代・50代の方だからこそ、面接官が懸念しているポイントがあるのも事実です。①いま求められている教育(ICT活用や主体的・対話的な授業)を謙虚に学べるか ②年下の同僚とフラットに働けるか ③人生経験を生かして、学校の中で調整役として価値を出せるか。この3つのポイントを押さえていけば、ライバルよりも採用したいと思ってもらえる価値をしっかり提供できると思います。

講師をしながら受験する方へ

岩手県内の公立学校または国立大学法人附属学校で、令和5年4月1日〜令和8年4月27日に常勤・非常勤講師、養護助教諭・非常勤養護助教諭、実習助手として通算12か月以上の勤務経験があれば、一般選考Cで教職専門が免除されます。1日でも勤務した月は1か月として数える、という緩やかな計算です。さらに令和9年度採用からは一般選考Eが新設され、岩手県公立中学校での常勤・非常勤講師経験3年以上があれば小学校教諭免許を持っていなくても小学校を受験できるようになりました。

講師経験のある方に、いつもお伝えしていることがあります。講師は新卒より不利ではありません。むしろ次の3点で優位に立てます。

  1. クオリティ——現場で本物の課題に向き合ってきた分、課題意識の解像度が高い。「こういう子がいて、こう考えて、こう手を打った」と語れる。
  2. 信用——現場での積み重ねそのものが信用になります。面接では、現場での経験を前向きに捉え、そこから学びを得て、心身ともに健康に働いている様子が伝わるといいと思います。
  3. フレッシュさ——現場を経験しても、教員を目指したときの初心や信念を忘れていないこと

そして講師の方の強みは、自分なりの課題意識を持って現場で実践してきたことを、リアルに話せることです。実際にやってみて生徒の反応がどうだったかまで、具体的に語ってくださいね。

なお、不合格だった場合でも臨時的任用教員等として任用されることがあります。希望する場合は試験整理カードの「臨時的任用教員希望」欄に○をつけてください(申込の時点で意思表示が必要です)。希望者は第1次選考の結果に基づいて名簿に登載され、補充が必要になった際に選考を経て任用されます。

障がいのある方の受験について

岩手県は全ての選考区分を対象に、障がいに配慮した選考を実施しています。日程・試験問題は一般選考と同じで、点字受験・拡大文字受験・手話によるコミュニケーション・車いすでの受験など、障がいに応じた配慮が行われます。採用予定数は一般選考の採用予定数とは別に若干名。対象は身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている方(受験申込日および受験当日に有効なもの)です。

希望する場合は、申込時に申込書(電子申請)等の選択欄で「障がいに配慮した選考」を選び、「障がいに配慮した選考に係る申請書」(県教委HPの所定様式)を提出します。なお、障がいの程度に応じて第2次選考の実技試験の一部が免除されることがあります(要項「Ⅵ-1」)。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は要項で分かりますが、「特別選考の個人面接で何を聞かれたか」「自己アピール作文のどこを掘られたか」は、受験した方にしか分かりません。岩手県は、令和8年10月時点で、このブログに受験報告が1件も届いていない自治体です。岩手県を受験された方は、ぜひ来年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

よくある質問

Q. 特別選考と一般選考は併願できますか?

A. できます。要項に「特別選考申込者は一般選考と併願が可能です」と明記されています。特別選考の結果は6月29日、一般選考の第1次選考は7月11日。特別選考の結果が出てからでも、併願している一般選考の第1次選考には日程上は間に合います。ただし申込方法が異なり(特別選考は書類郵送のみ、一般選考は電子申請+書類郵送)、締切はどちらも4月下旬です。両方の書類を4月中に準備する必要があります。

Q. 大学3年生選考に落ちたら、翌年に不利になりますか?

A. 令和9年度採用の要項には、不通過による翌年の不利益は記載されていません。大学3年生選考は「通過すれば翌年の第1次選考が免除される」という制度で、通過しなかった場合は翌年に通常の一般選考を受験します。受けるだけで、本番と同じ日・同じ会場で、選考方法・配点・時程が一般選考と同じ第1次選考を経験できるのは大きなメリットです。

Q. 大学3年生選考に通過したら、翌年は何もしなくていいのですか?

A. いいえ。翌年に「大学3年生通過者選考」として改めて申込が必要です(同一校種・同一職種・同一教科で)。申込時には前年の合格通知の写しが必要になるので、通知は必ず保管してください。また第2次選考の内容や日程は、翌年度(令和10年度採用)の実施要項(令和9年3月公表予定。令和8年10月時点)で確認してください。

Q. 加点は複数もらえますか?

A. 要項の加点表は「区分(英語資格/教育職員免許状/指定資格)」ごとに要件が定められており、複数の区分にまたがる場合の合算可否は明記されていません。申込の際は加点措置欄で「該当する加点要件」を選択し、加点申告書と証明書類を提出します。該当しそうなものは、すべて申告してください。判断に迷う場合の問合せ先は、小・中学校=019-629-6127/高校・特支・養護=019-629-6129です(要項には、要項に記載のない内容の問合せには応じられないとあります)。

Q. 社会人特別選考は特別免許状でも受けられますか?

A. はい。要項に「社会人特別選考については、特別免許状の取得要件を満たしている場合、当該教科の普通免許状の取得又は取得見込みがなくても受験できますが、特別免許状の授与を受ける必要があります」と明記されています。特別免許状は教育職員検定に合格した方に授与され、その都道府県でのみ効力を持つ免許状です。検定では①教科に関する専門的な知識経験または技能(学校等での授業経験が最低1学期間以上かつ概ね600時間以上、または教科に関する専門分野の勤務経験が概ね3年以上)と②社会的信望・熱意と識見(自己アピール作文や推薦書で確認)が見られます。岩手県教育委員会は、上の①②のいずれにも該当する方が特別選考で採用内定した場合に、教育職員検定の実施に必要な任命権者としての推薦を行うとしています。

Q. 幼稚園教諭経験者ですが、小学校免許を持っていません。

A. 受験できます。幼稚園教諭経験者特別選考は申込時に幼稚園教諭普通免許状を有することが条件で、小学校教諭免許は必須ではありません。ただし採用候補者になった場合、小学校教諭普通免許状を持っていない方は最長3年間、採用を延期したうえで、令和11年3月31日までに免許を取得する必要があります。期間内に取得できない場合は採用資格を失います。

Q. スポーツ特別選考はもうないのですか?

A. 令和9年度採用の実施要項に、スポーツ特別選考の記載はありません。公表資料をさかのぼると、令和6年度採用では実施され(申込9人・1次合格3人・採用候補者1人)、令和7年度採用は「募集せず」となっています。同じく「特定教科特別選考」も令和7年度採用以降は募集がありません。特別選考の区分は年度によって入れ替わりますので、必ず受験年度の要項で確認してください。

ルートを決めたら、次は面接の準備へ

どのルートを選んでも、最後に待っているのは個人面接です。特別選考は第2次選考が個人面接(口頭試問を含む)だけ。一般選考も、第2次選考の中心は個人面接です。岩手県は、個人面接がとても重要な県だと考えてください。

■ 岩手県の二次試験|個人面接+模擬授業の内容・日程・出題傾向
■ 岩手県の倍率|令和9年度採用の結果と推移(校種別・教科別)

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