【教員採用試験】栃木県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生・大学推薦・講師等経験者・現職教諭・加点制度を数字で解説

こんにちは、金井志津乃です! 

栃木県って大学3年生のうちに一次試験を受けられるんですよね? 講師をしていると一般教養が免除になるとも聞いたけど、A-1とかB-2とか記号が多すぎて、自分がどのルートで受けられるのか正直よく分からなくて……

栃木県は特別選考が12区分、特例制度が3種、加点が7項目。要項を読むだけで一苦労ですよね。しかも令和8年度採用の合格者593人のうち約6割が特別選考で受かっているんです。この記事で「自分はどのルートか」「そのルートで何人受かったか」まで一気に整理しますよ!

この記事では、栃木県公立学校新規採用教員選考試験の特別選考・特例制度・加点制度について、令和9年度採用の選考要項と、教育委員会が公表している選考区分ごとの合格者数をもとにまとめます。

この記事の根拠

  • 選考区分・免除内容・提出書類・加点は令和9年度採用の選考要項・選考基準から。合格者数はすべて栃木県教育委員会の「選考試験の結果について」から。
  • 制度は年度で変わります。この記事は令和9(2027)年度採用の要項を基準にしています。出願前に必ずその年の要項をご確認ください。
  • 栃木県の全体倍率・校種別・教科別の推移は →栃木県の倍率|令和9年度採用の最終結果と6年間の推移(校種別・教科別)
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

まず全体像です。栃木県の選考区分は「一般選考」と「特別選考」の2種類で、特別選考はA・B・C・Dの4グループ計12区分。第1次試験の扱いがルートごとに違います。右端は令和8年度採用の合格者数(教育委員会公表)です。

区分選考名主な対象第1次試験令和8年度の合格者
—一般選考全校種一般教養+専門科目—
A-1障害のある方を対象とした特別選考身体障害者手帳(1〜6級)・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方一般教養+専門科目(別枠選考・配慮あり)0人
A-2小学校における英語教育に係る特別選考小学校免許+中学校または高校の英語免許一般教養を免除(別枠30名程度)10人
A-3特別支援学級担当に係る特別選考特別支援学級担任として勤務を強く希望し、ア特別支援学校免許を所有または令和9年3月31日までに取得見込み確実/イ前年度2次でAランク(前年も本選考を第1志望)ア=一般教養を免除/イ=第1次試験を全て免除(別枠20名程度)13人
B-1講師等経験者特別選考令和5年4月1日〜令和8年3月31日(令和9年度採用)の3年間に県内の公立学校・国立大学附属学校で常勤の講師等として通算12月以上の勤務経験一般教養を免除119人
B-2特定の資格や経歴による特別選考Ⅰ資格・実務経験(高校の家庭・福祉・電気・機械・建築・商業・情報)/Ⅱ国際貢献活動等(令和3年4月1日〜令和8年3月31日の5年間に、在外日本人教育施設・海外の公的機関での勤務、または海外協力隊等の派遣で、教育に関する勤務・活動を通算2年以上)/Ⅲスポーツの実績(中学校・高校のみ。国際大会の日本代表、または全国大会ベスト4以上。団体競技は正選手、競技種目は国民スポーツ大会実施競技)一般教養を免除(Ⅲは保健体育なら二次の実技も免除)4人
B-3ネイティブ英語教員の特別選考
【令和9年度 新設】
高校英語。母国語が英語(または同等の英語力)+必要な日本語能力+学士以上。英語の普通免許状を持たず受験する場合、合格後、令和9年3月31日までに栃木県教育委員会発行の英語の特別免許状を取得できなければ採用されません。一般教養と二次の実技を免除—(新設)
C-1大学推薦特別選考小学校・中学校(美術・技術・家庭)・高校(英語・情報)。人物・学業成績が特に優秀で大学等が推薦。小中=第1次試験を全て免除/高校=一般教養を免除22人
C-2前年度大学3年生選考通過者による特別選考前年度「大学3年生を対象とした特別選考」の合格者(同一区分・教科・科目)第1次試験を全て免除116人
C-3前年度第2次試験Aランク特別選考前年度の2次不合格者のうちAランク(同一区分・教科・科目)第1次試験を全て免除35人
C-4現職教諭等特別選考栃木県以外の都道府県・政令市の正規任用の教諭等で、令和9年3月まで継続3年以上(休職・育休等の期間を除く。同一校種・教科で2年以上)第1次試験を全て免除26人
C-5育児・介護等の事由による退職者を対象とした特別選考栃木県の公立学校の正規教員として受験校種・教科・科目と同一の経験5年以上(休職・育休等を除く)+育児・介護等で退職。出願時に退職年度の翌年度から10年以内、または10年超でも令和5年4月〜令和8年3月に県内公立学校の講師等として通算12月以上(非常勤講師を含む)の勤務経験が必要第1次試験を全て免除(二次の実技も免除)3人
D大学3年生を対象とした特別選考大学3年生以上で令和10年3月までに卒業見込み一般教養+専門科目を受験(二次はなし)令和9年度の応募558人

※出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考要項「10 特別選考」、栃木県教育委員会「令和8(2026)年度栃木県公立学校新規採用教員選考試験の結果について」「令和9(2027)年度応募状況について」。
「特別選考で出願し、書類選考の結果対象とならなかった者は、一般選考での受験とする」と要項に明記されているので、一般選考の受験資格を満たしていれば、申請して外れても一般選考として受験できます。

令和8年度採用の最終合格593人のうち、選考区分別に公表された合格者を足すと348人=約6割。栃木県の合格ルートは、もう一般選考だけではありません。しかも特別選考は「一次が軽くなる」だけで、二次の面接は(大学3年次の選考を除き)個人面接①②で共通です。ただしB-3(ネイティブ英語教員の特別選考)は、個人面接①を日本語、②を英語で行います。ここを勘違いしないでくださいね。

主流ルート①|大学3年生を対象とした特別選考(D→C-2)

令和9年度採用(2026年夏実施)で応募が大きく増えているルートです。大学3年生のうちに第1次試験(一般教養・専門科目)だけを受験し、通過すれば翌年の4年生のとき第1次試験が全て免除され、二次から受けられます。

3年生のとき(D)一般教養・専門科目を受験。第2次試験はなし。提出書類は大学が発行する在学証明書。加点制度の申請は不可。受験会場は栃木県内会場のみ(仙台会場は不可)。
通過したら翌年、同一の募集区分・教科・科目で「C-2 前年度大学3年生選考通過者による特別選考」として出願し、第2次試験(個人面接①②、対象区分・教科等では論作文・実技)のみを受験
通過しなくても翌年は一般選考または他の特別選考で第1次試験から受験できます。要項上、通過しなかったことで不利になる定めは確認できません(出願前に県へご確認ください)。
注意点通過の権利は翌年度限り。翌年その募集区分・教科の募集がない場合はその区分で受験できません(この場合に限り、異なる区分で一般教養免除で受験可)。C-2は併願不可。
併願3年生のとき(D)は「第1志望 小学校(特別)+第2志望 中学校(特別)」のように小・中の併願が可能と制度表に示されています(要項内の記入例には、第2志望を一般選考とする説明もあります。出願前に県へ確認すると確実です)
大学院に進む人へ大学院進学を検討している人は、C-2で出願するときに「大学院進学者に対する特例」を申請することとされています

この制度がどれだけ使われているか、数字で見てみましょう。

  • 令和9年度採用(2026年夏)に3年生で前倒し受験を応募した人:558人(小学校225・中学校214・養護教諭(小中)20・高校79・特別支援16・養護教諭(県立)4)。前年比134人増。
  • 受験者は令和7年度採用398人 → 令和8年度採用416人(小中362・高特54)と増加
  • そして令和8年度採用では、「C-2 前年度大学3年生選考通過者」から116人が最終合格(小67・中32・養教(小中)1・高10・特支6)。合格者593人の約2割がこのルートです。

※出典:栃木県教育委員会「令和9(2027)年度応募状況について」「令和8(2026)年度・令和7(2025)年度 選考試験の結果について」

私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。栃木県は制度がそれを後押ししてくれています。落ちても、要項上は翌年に不利になる定めは確認できません。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。

ただし、3年生で通った人に気をつけてほしいことがあります。4年生のときは二次だけ——つまり、個人面接①②の合計6名の評価に加え、対象区分では論作文や実技も受験し、二次試験の結果や免許取得状況等を総合的に検討して合否が決まるということです。一次免除は「面接に全振りできる権利」であって「合格の権利」ではありません。実際に聞かれた質問は面接記事で確認してください。

■ 栃木県の個人面接|実録3年分・受験者12名の質問と出題傾向(二次は個人面接①②の2回)

主流ルート②|講師等経験者特別選考(B-1)

令和8年度採用の特別選考で最も多くの合格者を出したのがこのルート(119人)です。要件が「3年間のうち通算12月以上」と、思っているより低めに設定されているのがポイントです。

対象全ての募集区分・教科・科目
要件令和5年4月1日から令和8年3月31日までの3年間に、栃木県内の公立学校および同県内の国立大学附属学校で、常勤の講師等(非常勤講師を除く)として通算12月以上の勤務経験がある方(区分は問わない)
免除書類選考の結果対象となった方は第1次試験の一般教養を免除(専門科目は受験)
提出書類自己推薦書(県教委ホームページからダウンロード)+勤務状況報告書(所属長が証明したもの)
併願小・中学校の受験者は「第1志望 小学校(特別)+第2志望 中学校(一般)」のように併願可
実績令和7年度採用97人→令和8年度採用119人(小43・中31・養教(小中)10・高21・特支13・養教(県立)1)

要件は「3年のうち通算12か月」。他県の講師経験者特別選考では、年数を長めに求める例もあります。栃木県は「3年間のうち通算12月以上」で、間口が広めの設定です(他県の要件は各県の要項でご確認ください)。しかも要項に「区分は問わない」とあるため、志望校種と違う校種での常勤講師経験も対象になると読めます(出願前に要項で確認してください)。栃木県内で常勤講師を1年でも経験したなら、まず自分が該当するかを要項で確認してください。

要項のQ&Aには、実務で迷いやすい点への回答も載っています。勤務状況報告書は直近の勤務校で常勤講師として12か月以上あればその学校に依頼し、12か月未満なら3年以内の範囲でさらに前の勤務校に依頼する。当時の校長が異動・退職していれば新たに着任した校長に依頼する。学校が閉校していれば統合先の校長に依頼する。養護助教諭・助教諭の勤務経験でも、受験資格を満たしていれば受験可能——ここは知らないと諦めてしまう人がいる部分です。

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。この3つが面接で伝わる講師は、新卒にはない強みを持っていると私は考えています。

そして「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。その実体験で語れる実績を持っている人は強いです。栃木県の面接では実際に「講師経験の中で、生徒はどのように変わってきましたか。最初の頃と比べて教えてください」という質問が報告されています。こうした点を聞かれる場合があります。自己推薦書でも面接でも、この軸で語ってください。

■ 栃木県の願書・自己推薦書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算

主流ルート③|前年度Aランク・現職教諭・大学推薦

C-3 前年度第2次試験Aランク特別選考(35人合格)

栃木県は第2次試験の不合格者に、総合成績をA(不合格者の中で上位)・B(中位)・C(下位)の3段階で通知します。このAランクを取った方が、同一の募集区分・教科・科目で翌年出願し、書類選考の結果対象となれば第1次試験が全て免除されます(対象とならなかった場合は第1次試験の全てを受験します)。なお、前年度に加点制度ア「情報免許」を利用した方については、要項に「※で記載した要件を引き継ぐ」とあります(どの要件を指すかは要項内に明示がないため、出願前に県へ確認してください)。申請は願書の特別選考志望欄に選考名を入力し、前年度の受験番号を入力します(提出書類は出願前に要項で確認してください)。合格実績は令和6年度採用55人・令和7年度採用45人・令和8年度採用35人と推移しています。

さらに令和9年度採用から「追加合格者制度」が新設されました。合格発表後から12月上旬頃までに、募集区分に応じて第2次試験不合格者のうちAランクの方から合格を追加する場合があると要項に明記されています。Aランクの通知は「惜しかった」で終わる紙ではなくなりました。

Aランクだった方は、採用の連絡を待ちながら「受験した年の面接で何を聞かれたか」を記憶が新しいうちに書き出しておいてください。翌年は二次からなので、その記録が次の年の面接準備の教材になります。栃木県は結果通知日から1か月間、個人面接①②の評価・論作文の評価・実技の得点を口頭で開示してくれます。県庁舎南別館まで足を運ぶ価値は十分にあります。

C-4 現職教諭等特別選考(26人合格)

他の都道府県(栃木県を除く)または政令指定都市の採用試験に合格し、現在正規任用の主幹教諭・指導教諭・教諭・養護教諭として勤務している方が対象。令和9年3月31日まで継続して3年以上(休職・育休等の期間を除く)の勤務見込みがあり、受験する校種・教科・科目と同一の教職経験を2年以上有していることが条件です。提出書類は任命権者が証明した在職証明書(所属長が証明したものは不可)。書類選考の結果対象となった方は、第1次試験が全て免除されます。

要項のQ&Aでは、私立学校に勤務している方は対象外とされています。対象は「都道府県(栃木県は除く)又は政令指定都市が実施する教員採用選考試験に合格した方」に限られます。

他自治体からの再受験は、私の実感では簡単ではありません。管理職は「今求められている授業をブラッシュアップし続けているか」「謙虚で一緒に働きたい人か」を見ていると私は考えています。この2つが伝われば「こんな人が他県から来てくれるなんて」と管理職が思ってくれる可能性がある、という話です。

C-1 大学推薦特別選考(22人合格)

対象は小学校・中学校(美術・技術・家庭)・高校(英語・情報)に絞られています(令和9年度採用の応募状況では、中学校の技術は8人・美術は12人)。現に大学等に在籍し、人物・学業成績が特に優秀で大学等が推薦する方が対象で、小学校と中学校は第1次試験が全て免除、高校(英語・情報)は一般教養が免除されます。併願は不可。

手続きは「大学推薦特別選考実施要項」が送付された大学等で、必要書類をとりまとめて提出する形式です。つまり個人では申し込めません。自分の大学に枠があるかどうかを、まず教職課程の窓口で確認してください。令和8年度採用は小学校18人・中学校2人・高校2人が合格しています。

特別支援・英語の「別枠」ルート(A-2・A-3)

栃木県のAグループは、募集人員そのものが別枠で確保されているのが特徴です。一般選考の合格ラインとは別の土俵で選考されます。

選考別枠の募集人員要件免除合格実績
A-2 小学校における英語教育小学校30名程度小学校免許+中学校または高校の英語の普通免許状または特別免許状(令和9年3月31日までに取得見込み確実の方を含む)一般教養令和5年度27人/令和6年度23人/令和7年度15人/令和8年度10人
A-3 特別支援学級担当小・中学校の全教科合わせて20名程度ア特別支援学校免許(取得見込み可)/イ前年度2次でAランク(前年も本選考が第1志望)ア=一般教養/イ=第1次試験を全て免除令和5年度15人/令和6年度15人/令和7年度20人/令和8年度13人
A-1 障害のある方全区分合わせて20名程度身体障害者手帳(1〜6級)・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれか(採用時にも有効であること)一次の一般教養・専門科目は受験(別枠選考)。障害の種類に応じ実技試験等の免除・軽減が行われる場合があり、試験時間延長や点字訳等の配慮もあります。令和5年度中学校1人/令和6・7・8年度は0人

※出典:令和9(2027)年度選考要項「1 募集区分・教科・科目及び人員」「10 特別選考」、栃木県教育委員会「選考試験の結果について」令和5年度〜8年度採用版。
A-2・A-3の名称は年度によって「〜により一部試験を免除した選考」等と表記が異なる年があります。

A-3で合格した方は、原則として一定期間、栃木県公立小・中学校の特別支援学級担任として配置されると要項に明記されています。ここは覚悟が必要な部分です。逆に「特別支援学級の担任をやりたい」と決めている方には、別枠20名程度・一般教養免除という有力な選択肢になります。実際、令和7年度採用の受験者報告でも「特別支援学級担当の特別選考で受験し、特別支援に関する質問が多かった」という声がありました。

またA-1(障害のある方)は他の特別選考と併せて出願できます。電子申請システムには特別選考を1つしか入力できないため、要項のQ&Aでは「他の特別選考名を入力し、願書の配慮事項記入欄に『A-1との併願』を記載する」よう案内されています。

加点制度|専門科目の得点に5点または10点

栃木県の加点は「第1次試験の専門科目の得点」に加算されます。栃木県の一次は「一般教養が基準点(原則60点。全体の平均点が60点に満たない場合は平均点)以上、専門科目がそれぞれの平均点以上の審議対象者の中から、学力試験等を考慮して専門科目の得点上位者を1次合格とする」しくみなので、加点は審議対象者の中での順位に効きます(一般教養を免除された方は専門科目の基準のみが対象です)。ただしア〜キのうち1つしか申請できません。

加点項目加点対象・主な要件
ア 情報免許10点高校(国語・地理・歴史・公民・数学・物理・化学・生物・音楽・保健体育・家庭・英語)の志願者で、情報の普通免許状を所有または令和9年3月31日までに取得見込み確実の方。※合格後、受験教科以外に情報の授業を担当することもある。
イ 調理師免許5点高校(家庭)の志願者で調理師の資格を既に取得している方
ウ 英語特定資格5点中学校・高校の英語(小中併願の場合は中学校を第1志望とする方)。中学校=TOEFL 550点以上(iBT80点以上)/TOEIC 730点以上/英検準1級。高校=TOEFL 600点以上(iBT100点以上)/TOEIC 900点以上/英検1級。TOEFL・TOEICは令和4年4月1日以降に取得したものに限る(TOEICのIPテストは不可)。
エ 小中両免許5点小学校または中学校の志願者で、小学校と中学校の両方の普通免許状を所有または取得見込み確実の方
オ 特支免許5点小・中・高の志願者で、特別支援学校の普通免許状を所有または取得見込み確実の方
カ 小・中・高免許5点特別支援学校の志願者で、小・中・高の3つの普通免許状を所有または取得見込み確実の方
キ 司書教諭資格5点小・中・高・特別支援の志願者で学校図書館司書教諭の資格を有する方(取得見込みは申請不可)

※「大学3年生を対象とした特別選考」の受験者は加点の申請ができません。前年度に加点制度の対象となり書類を提出した方は、前年度の受験番号を入力すれば書類の一部を省略できます。ただし、英語特定資格は、前年度提出書類の取得年月日が該当期間内である場合に限ります。
出典:令和9(2027)年度選考要項「12 加点制度」

実際にどれだけ使われているか。加点制度別の合格者数は令和5・6年度採用の結果に掲載されています。

加点令和5年度採用の合格者令和6年度採用の合格者
小中両免許169人152人
中学校の英語資格4人10人
高校の情報免許1人(数学)1人(数学)
高校の英語資格3人1人

※出典:栃木県教育委員会「令和5(2023)年度・令和6(2024)年度 栃木県公立学校新規採用教員選考試験の結果について」。
令和7・8年度採用の結果には加点制度の項目が掲載されていません。

数字がはっきり語っています。「小中両免許」の加点で合格した人は年間150〜170人——同じ年の合格者434〜444人のうち3人に1人以上です。小学校志望で中学校免許を持っている(取得見込みの)方は、申請しないと5点分の加点を使わないことになります。申請は1つだけなので、自分に有利な項目を先に決めておきましょう。

特例制度|大学院に行きたい人・社会人の方へ

特例制度は「合格したうえで採用を延期する」しくみです。一般選考・特別選考(C-1 大学推薦を除く)と併せて出願できます(ただし「3 社会人経験者に対する特例」は一般選考の小学校・中学校のみ)。

特例対象内容
1 大学院在学者に対する特例国内の大学院修士課程または教職大学院に在学中で、応募校種・教科の免許を既に取得し、合格後も引き続き修学を希望する方。令和10年3月31日までに修了し、合格した校種・教科の専修免許が取得できること。令和10年度採用予定者として採用を延期
2 大学院進学者に対する特例合格後、国内の大学院(教職大学院を含む)へ進学を希望する方。令和11年3月31日までに修了し、合格した校種・教科の専修免許が取得できること。令和11年度採用予定者として採用を延期(令和8年12月末までに進学決定が原則)
3 社会人経験者に対する特例
【令和9年度 新設】
小・中学校の全教科。昭和45年4月2日以降生まれ/普通免許状を持たず、令和9年3月31日までに取得見込みもない方/法人格を有する民間企業・官公庁等で平成29年4月1日〜令和9年3月31日の10年間に正規職員として通算5年以上の勤務経験(休職・育休等の期間を除く)/令和12年3月31日までに受験する校種の普通免許状の取得をめざす方。令和12年度採用予定者として採用を延期(3年間の延期)

※特例1・2の採用延期願は第2次試験合格後に提出します。特例3の提出書類は在職証明書(A4判・様式自由。年金の加入記録等は不可)で、在職証明書が発行できない場合は受験不可。令和12年3月31日までに免許状を取得できなかった場合は採用内定が無効になります。
出典:令和9(2027)年度選考要項「11 特例制度」

「社会人経験者に対する特例」は令和9年度採用で新設された、教員免許を持っていない社会人向けの入口です。初年度の応募は小学校4人・中学校1人の計5人。要項のQ&Aでは「2年で免許が取得できても、採用は令和12年度になる」と明記されています。合格から採用まで3年という長い道のりですが、免許を持たないまま「先生になりたい」と思っている方に、栃木県が正式に開いた扉です。

社会人経験のある方には、私がおすすめしている準備が2つあります。「社会人経験を学校現場でどう生かしたいか」と「なぜ社会人をしていたのに教員を目指すのか」。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、社会人から教採を受けるときにも合格しやすくなるポイントかなと思います。

栃木県の一般の受験資格では昭和42(1967)年4月2日以降に生まれた方——令和9年4月1日時点で59歳まで受験できます。ただし大学3年生を対象とした特別選考は昭和43年4月2日以降、社会人経験者に対する特例は昭和45年4月2日以降に生まれた方が対象です。私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の面接

第1次試験の扱い該当する選考
全て免除(二次から)A-3イ(前年度Aランクの特別支援学級担当)/C-1 大学推薦(小中)/C-2 前年度大学3年生選考通過者/C-3 前年度2次Aランク/C-4 現職教諭等/C-5 育児・介護等の退職者
一般教養のみ免除A-2 小学校英語/A-3ア 特別支援学級担当/B-1 講師等経験者/B-2 特定の資格や経歴/B-3 ネイティブ英語教員/C-1 大学推薦(高校)
専門科目に加点加点制度ア〜キ(1つのみ・情報免許10点/その他5点)。概要表で加点申請が「-」とされているB-3、C-1(小中)、C-2〜C-5、Dは申請できません
二次の実技も免除B-2Ⅲ スポーツの実績(保健体育のみ)/B-3 ネイティブ英語教員/C-5 育児・介護等の退職者

大学3年生を対象とした特別選考(大学3年次は第1次試験のみ)を除き、どのルートでも、最後は個人面接①②の合計6名の評価が中心です(対象区分では論作文・実技も受験し、免許取得状況等を含めた総合判断で合否が決まります)。合格候補者の要件は原則として「D・Eの評価がなく3名以上からA又はB」または「Dが1名のみで4名以上からA又はB」——ここは特別選考でも一般選考でも同じ要件が適用されると考えられます(令和9年度採用の選考基準)。免除で浮いた時間と労力を、そのまま面接準備に回してください。

■ 栃木県の個人面接|実録3年分・受験者12名の質問と出題傾向
■ 栃木県の願書・自己推薦書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 栃木県の倍率|令和9年度採用の最終結果と6年間の推移(校種別・教科別)

よくある質問

Q. 特別選考に申請して、対象外になったらどうなりますか?

A. 要項に「特別選考で出願し、書類選考の結果対象とならなかった者は、一般選考での受験とする」と明記されています。ただし、一般選考の受験資格を満たす必要があります。例えばB-3で対象外となった場合、英語の普通免許状の所有者または令和9年3月31日までに取得見込み確実の方は、第1次試験の全てを受験する扱いです。書類選考の結果は6月中旬までに本人宛て通知する第1次試験通知書で確認できます。

Q. 特別選考は2つ申請できますか?

A. 電子申請システムには1つしか入力できません。ただし「A-1 障害のある方を対象とした特別選考」だけは、他の特別選考と併せて出願できます。その場合は他の特別選考名を「特別選考志望」欄に入力し、願書の「配慮事項記入欄」にA-1との併願を希望していることを忘れずに入力してください(要項Q&A)。

Q. 加点は2つ申請できますか?

A. できません。要項のQ&Aにも「加点申請は、アからキのうちいずれか1つのみ」と明記されています。該当が複数ある場合は、加点の大きい項目(情報免許=10点)を優先するか、確実に証明書類が揃う項目を選んでください。

Q. 非常勤講師の経験でも講師等経験者特別選考を使えますか?

A. B-1の要件は「常勤の講師等(非常勤講師を除く)として通算で12月以上」なので、非常勤講師の経験だけでは対象になりません。ただし要項のQ&Aでは「養護助教諭・助教諭の方も、受験資格を満たしていれば受験は可能」とされています。なお「C-5 育児・介護等の事由による退職者」の要件(2)イ②では非常勤講師を含む勤務経験が対象になるなど、選考ごとに定義が違います。自分の勤務形態がどれに当たるかは、要項の該当ページで確認してください。

Q. 大学3年生の前倒し受験で、仙台会場は使えますか?

A. 使えません。令和9年度採用の第1次試験は栃木県内3会場のほか仙台会場(東北福祉大学 仙台駅東口キャンパス)でも実施されましたが、「大学3年生を対象とした特別選考」の受験者は栃木県内会場のみと要項に明記されています。

Q. 大学3年生の選考に通ったあと、大学院に行きたくなったら?

A. 要項では「特例制度での出願を検討している方は、『前年度大学3年生選考通過者による特別選考』の出願時に申請を行う」とされています。つまり4年生でC-2として出願するときに、願書の特例の欄に「大学院進学者に対する特例」と入力します。この特例が使えれば、合格したうえで令和11年度採用予定者として採用を延期できます。

Q. 免許を取得中で、出願期間に間に合わないかもしれません。

A. 令和9年度採用の要項に対応が書かれています。「昨年度中に通信教育等で必要単位を取得し、免許申請中の方で、必要書類の提出が間に合わない場合は、5月7日(木)までに問合せ先に必ず連絡すること」(「昨年度」は令和8年度、5月7日(木)は令和9年度採用の日付です。令和10年度採用の日付は、当該年度の実施要項でご確認ください)。連絡先は小・中学校・養護教諭(小中)が義務教育課人事担当、高校・特別支援・養護教諭(高特)が高校教育課人事担当です。黙って諦めず、まず電話してください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

特別選考で受験された方の「二次で何を聞かれたか」は、同じルートで受ける次の年度の受験生にとって何より貴重な情報です。栃木県は、2026年10月時点では報告数が多くない自治体なので、あなたの1件が大きな力になります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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そして「来年こそ」と思っている方へ。私は10月の時点で対策を始めている人には、もう合格フラグが立っていると考えています。理由は、現場での実績づくりも、勉強の見通しも、10月から逆算するのがちょうどいいからです。

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