【教員採用試験】熊本県の「調査票」の書き方|個人面接2回の質問はここから来る

こんにちは、金井志津乃です! 

熊本県は出願が電子申請だけですよね。志望動機を書く欄がなかったんですが、面接では何をもとに質問されるんでしょう?

いいところに気づきましたね! 熊本県は出願時ではなく、第一次考査に受かったあとに「調査票」を書きます。そしてこの調査票が、個人面接2回の質問の元ネタになります。つまり一次合格後は、調査票の作成と二次対策が同じ期間に重なるんです。一次発表から面接までの日数は組によって違うので(下の「調査票とは」の表)、早めに下書きを用意しておけるかが勝負を分けます。

この記事では、熊本県公立学校教員採用選考考査の「調査票」について、実際に何を聞かれたかを受験者報告から逆算して、書き方と備え方をまとめます。

この記事の根拠

  • 調査票の存在と提出タイミングは、令和9年度採用の実施要項(令和8年4月6日公表)に明記されています
  • ただし調査票の様式・記入欄・字数は公表されていません。この記事の「欄」は、令和6年度採用から令和8年度採用までの受験者6名の報告と過去問集200問の記録から逆算したものです。面接記事は令和9年度採用の報告を加えた8名分です。実物は必ずご自身で確認してください。
  • 「実際に調査票のどこを聞かれたか」は、令和6年度〜8年度採用の受験者報告から
  • 熊本市は熊本県とは完全に別実施です。この記事は熊本県(熊本市立学校を除く)のものです。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

調査票とは|いつ、誰が、何のために読む書類か

正式名称熊本県公立学校教員採用選考考査調査票(実施要項での表記)
いつ案内される第一次考査の結果通知時(令和9年度採用では7月2日以降)。出願時ではありません。
いつまでに書く第一次考査の結果通知時に案内される提出方法・期限に従ってください(提出期限と面接日は別)。準備日程の参考として、令和9年度採用は一次発表(7月2日)から、要項の日程では7月27日・28日の組で25〜26日。※令和8年熊本地震の影響で7月29日〜31日分が8月12日〜14日に延期されたため(予備日9月19日)、この組は41〜43日。いずれも日付の差で、調査票の提出締切は個別の案内で確認してください。
誰が読む個人面接①・②の面接官(各2人)。受験者報告には、事前に提出した書類をもとにした質問が中心だったという記録が複数あります。
何に使われる①個人面接2回の質問の元ネタ ②採用候補者名簿登載期間の延長希望の意思表示(実施要項12)
様式・字数実施要項・FAQとも公表していません。結果通知に同封・案内される様式で確認してください。
第一次考査が免除の方一次が全免除の選考区分でも、第二次考査で個人面接2回を受けます。調査票の案内時期は結果通知に従ってください。

ここ、熊本県受験者が一番損をしやすいポイントです。多くの自治体は出願時に志望動機や自己PRを書かせます。だから「出願が終わった=書類は終わり」と思ってしまう。でも熊本県は一次に受かってから、あの短期間で、面接2回分の材料を自分で書くんです。6月のうちに下書きを作っておいた人が、圧倒的に有利になります。

調査票のどこを聞かれたか|実録から見える3パターン

受験者の報告と過去問集の記録を突き合わせると、面接官の使い方には3つのパターンがあります。

パターン1|書いた言葉を、そのまま切り取って聞く

  • (志望動機に書いてあったため)「食の知識」とは何ですか。(栄養教諭・令和6年度採用)

これがいちばん多いパターンです。過去問集の記録でも、面接官が「調査票より」と前置きしてから質問した記録が複数あり、書いた長所や経験、印象的だった出来事、教師の魅力といった自分の言葉がそのまま質問になっています。

だからこそ、説明できない抽象語を書かないこと。「食の知識」「主体性」「寄り添う」——書くのは自由ですが、「それって具体的にどういうことですか?」と聞かれる前提で書いてください。逆に言えば、聞いてほしいことをわざと抽象的に書いておくのが上級テクニックです。

パターン2|書いた経験を、教育の場に引き寄せて聞く

  • これまでの教職経験で、特別支援教育に生かせていることを具体的に教えてください。(特別支援教育・令和7年度採用)
  • 教職以外の経験で、特別支援教育の仕事に生かせていることを具体的に教えてください。(同上)
  • これまで続けてきたことを生かして、実際に行ったことを教えてください。(栄養教諭・令和6年度採用)
  • いまの職場で力を入れてきたことは何ですか。→ そこには課題もありますが、どのように取り組んでいきますか。(同上)

受験者報告には、これまでの経験を教育の仕事にどう生かしているか尋ねられた例があります。経験を書いた時点で、その1行に対する答えを用意する。これが調査票を書くうえでの鉄則です。

パターン3|書いていないことも、まとめて聞く

  • 自己PRをしてください。(個人面接①・②の両方で最後に聞かれたという報告。時間切れのアラームが鳴った後でも聞かれた)
  • 短所について教えてください。/友人や家族からどのような人だと思われていますか。
  • 不祥事について教えてください。/くまもとの教職員像の中で、自分がいちばん印象に残っているものを教えてください。

個人面接①・②の両方で最後に自己PRを求められた報告があります。過去問集の集計でも、自己PR・長所短所に関する質問の出現率は全国平均の約2.2倍でした。そのため、30秒版と1分版、そして「1回目とは別の角度」の2本目を用意しておくと安心です。

調査票を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、のどれかになります。「ここを突っ込んでほしい」ものを2〜3個に絞って書く。これが種の撒き方です。

②突っ込み質問を考えながら書く

アルバイトの経験を書く場合は、「その経験から何を学び、学校でどう生かしますか」など、記入内容への質問を想定して準備してください。研究テーマを書けば「その研究を学校にどう生かしたいか」。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえません。逆に「書くか書かないか選べないこと」は、突っ込まれたときの答えを事前に考えておくのがベストです。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を書き、自己PRでも「受容性・傾聴力・協働力」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になります。授業力と生徒指導力、志望動機と自己PRで補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

志願書や調査票は、資質能力のバランスを考えて書くことが大切です。志望動機や自己PRが「子どもに寄り添う」系の話だけだと、面接官が授業力や教科指導への目的意識に疑念を持つことがあります。1行でいいので「どんな授業をしたいか」も入れておくと安心です。

④項目の意図を正確に読む

「自己PR」という一語の欄でも、そこには「学校でどう生かせるか」まで含めて読むのが正解です。自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るため。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

手書きで提出する様式の場合、上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、必ず何人かに読んでもらってください。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した書類ほど、どんな面接官にも魅力が伝わるものになります。

5原則の全体像と、実際の添削例はこちらの動画で詳しく解説しています。

「言わないと分からないこと」に字数を使う

私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。

私自身が新卒で受験したときの自己PRは、「長所は向上心・行動力・社交性」という、一見ありきたりなものでした。でも一文ずつに意図があります。3つの長所はバランスで選ぶ(スパッと話すタイプだと思われやすい自分を補うために「社交性」を最後に置いた)、2文目で「なぜその行動をしたのか」という目的を書く、3文目以降は突っ込みたくなる抽象度で止めて種を撒く——この3点です。全文と一文ごとの意図は、愛知県の自己アピール記事で公開しています。

■ 実物公開|私が新卒で受けたときの自己PR(一文ずつの意図つき)

アルバイトや前職の経験も、堂々と書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。

熊本県向けに着地させる|教職員像と教育プラン

調査票の最後の一文(どんな教育をしたいか)は、熊本県が示す方向性に着地させると一貫します。特に押さえたいのが「くまもとの教職員像」です。受験者報告では、この教職員像について「知っていますか」→「どう思いますか」→「その中でいちばん印象に残っているものは」と、2名の報告を合わせると3段階の掘られ方が見えます。調査票を書く前に、県教育委員会のホームページで正式な文言を確認しておいてください。

第4期くまもと教育プラン(令和6年度〜9年度)

基本理念は「自らの可能性を拡げ、未来を切り拓く 熊本の人づくり」。5つの基本目標が示されています。

  • 変化の激しい時代に対応した質の高い教育の推進
  • 共生社会の実現に向けた教育の充実
  • 世界に羽ばたく志ある人材を育てる魅力的な学校づくり
  • 活力あふれる熊本の実現に向けた文化・スポーツの振興
  • 災害からの復旧・復興及び記憶の伝承、『こどもまんなか』視点での教育施策の推進

半導体関連産業の集積、熊本地震と令和2年7月豪雨からの復旧・復興と記憶の伝承——熊本県にしかない言葉が計画には並んでいます。志望動機のどこか一文を、この5つのどれかに結びつけてみてください。「なぜ熊本県か」の答えが、ぐっと具体的になります。

もう1つ、実施要項の受考資格に書かれている一文も見逃さないでください。「本県の実情から、県内どこでも情熱を持って勤務できる者」。熊本県は離島や中山間地域を含む広い県です。小学校教諭等の第二次考査合格者には、配置を希望する地域ブロック(県北/県央・天草/県南/どこでも可)の聴取もあります。「どこでも勤務します」と言い切れる準備をしておきましょう。

書いたあと|深掘りツリーを作る

調査票が書けたら、コピーを取って、一文ごとに「来る質問」を書き込んでいきます。これが深掘りツリーです。

  1. 調査票の各文に下線を引く
  2. その文に対して面接官が聞きそうな質問を3つ書く(「具体的には?」「なぜ?」「学校でどう生かす?」)
  3. それぞれの答えを60秒以内で話す練習をする
  4. 答えのなかに出てきた抽象語(「主体的」「寄り添う」など)に、さらに「それはどういう意味ですか」を用意する

熊本県の面接は、過去問集の集計では追質問チェーン率が約5.5%(全国平均は約10.5%)。1つの答えを何段も掘るより、広く多くの質問をするタイプです。だからこそ1問1分以内で完結させ、数をさばく練習が効きます。深掘りツリーを3段目まで作っておくと、深掘り質問にも対応する準備になります。

■ 熊本県の個人面接|受験者8名の実録と5年分の出題傾向(個人面接2回+模擬授業)

忘れてはいけない|名簿登載期間の延長希望欄

調査票にはもう1つ、実務上とても大事な役割があります。実施要項には、こう書かれています。

大学3年生等早期特別選考以外の受考者は、第一次考査結果通知時に案内する調査票に、採用候補者名簿登載期間の延長希望の有無を記入し、提出すること。調査票で延長を希望すると回答した受考者には、第二次考査後に「採用候補者名簿登載期間延長の申請書」を送付する。※調査票において延長希望を「有」と記載していない場合は、採用候補者名簿登載期間の延長は認められません。大学3年生等早期特別選考の受考者は、最終面接の合格通知時に配付される「意向調査票」で希望を出します(令和9年7月中旬までに提出)。

つまり、合格したあとで「やっぱり大学院に行きたい」と思っても、(大学3年生等早期特別選考以外は)調査票にチェックを入れていなければ延長は認められないということです。

  • 対象は大学院修士課程等(教職大学院を含む)の在学者・進学者と、特別支援学校教諭免許状取得のための専攻科等への進学者
  • 全ての校種・職種・教科等が対象。国内のすべての大学院が対象です。
  • 延長期間は1年間または2年間(選考区分と修了予定時期による)
  • 延長を希望した方は、大学3年生等早期特別選考以外は令和8年12月下旬までに(早期特別選考は令和9年12月下旬までに)資格要件を満たすことを証明する書類(合格通知書の写し等)を添えて申請書を提出

迷っているなら「有」に。延長を申請するかどうかは後から決められますが、大学3年生等早期特別選考以外の方は、「有」と書いていない人には申請書すら送られてきません。私の目安として、可能性が1%でもあるなら希望を出しておきましょう。

よくある質問

Q. 出願(電子申請)のときに志望動機は書きますか?

A. 実施要項には、出願時の入力項目として志望動機や自己PRの記載はありません。出願は令和8年4月13日〜4月30日の電子申請(LoGoフォーム)で、顔写真データ・免許の情報・加点要件・受考上の配慮などを入力します。面接の元ネタになる書類は、第一次考査の結果通知時に案内される調査票です。なお入力フォームは送信後の修正ができませんので、送る前に必ず内容を確認してください(誤りがあった場合は学校人事課へ電話連絡)。

Q. 調査票の様式はどこで手に入りますか?

A. 実施要項によると、第一次考査の結果通知時に案内されます。事前に県教委HPで公開されているものではありません。この記事の「欄」は受験者報告と過去問集から逆算した推定ですので、実物が届いたら、必ずその様式の指示に従ってください。

Q. 一次に受かるか分からないのに、いま準備する意味はありますか?

A. 大いにあります。熊本県は一次発表(7月2日(令和9年度採用の場合))から二次の面接まで、7月27日・28日の組で25〜26日、延期された8月12日〜14日の組でも41〜43日(提出締切は個別の案内で確認)。しかもその間に7月26日の論述と、7月上旬発表の模擬授業題の準備があります。調査票の下書きが白紙の状態から始めるのは、現実的にかなり苦しいです。志望動機・自己PR・どんな授業をしたいか——この3つは、出願直後から書き始めておいてください。

Q. 講師や社会人の経験は、どこまで詳しく書くべきですか?

A. 細かく書き切らないことがコツです。「どんな内容ですか?」「なぜそれを?」と突っ込みたくなる抽象度で止めておく。これが「種を撒く」ということです。ただし熊本県は「これまでの経験で、この仕事に生かせていることを具体的に」という聞き方が実際に報告されていますので、答えのほうは具体で用意しておいてください。

Q. 特別選考で受ける場合も、調査票は同じですか?

A. 実施要項では、名簿登載期間の延長希望に関して「『大学3年生等早期特別選考』以外の受考者」が調査票を提出することになっています(早期特別選考の方は、最終面接の合格通知時に配付される「意向調査票」で希望を出します)。個人面接2回はどの選考区分でも実施されますので、面接の材料としての準備はどの区分でも必要です。

■ 熊本県の特別選考と一次免除ルート13種|大学3年生早期・大学等推薦・講師・教職大学院・キャリアチェンジ・加点制度
■ 熊本県に小論文はある?|二次の「論述」(専門教科等・60点)の過去の出題と書き方

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

調査票の様式は公表されていないため、この記事の内容は受考された方の報告がすべての土台です。「調査票にはこんな欄があった」「この欄からこう聞かれた」という情報は、次に受ける方にとって何よりの財産になります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

あわせて見たい動画

\登録無料/ 熊本県対策をもっと深く

この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。

  • 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
  • 一発合格を勝ち取る極意セミナー
  • 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー
  • 【厳選】面接質問TOP50 ←深掘りツリー作りに◎
  • 【早期登録者限定】シークレット特典
  • あなたに必要な対策診断
  • 教採に受かる人の15の習慣
  • 【無料版】教員採用試験必勝ノート ←面接ノートの土台に◎
  • 【全国版】集団討論過去問
  • 【全国版】小論文テーマ集
  • 【全国版】場面指導テーマ集

「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます

YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次