【教員採用試験】香川県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生先行受験・講師13か月・大学等推薦・他県現職・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

香川県って特別選考がⅠからⅤまであって、しかも大学3年生でも受けられるんですよね? 講師をしていると一次が免除になるとも聞いたけど、自分がどれに当てはまるのか、正直よく分からなくて……

香川県は特別選考がⅠ〜Ⅴ、しかも特別選考Ⅰだけで①〜⑩の10種類。要項を読むだけで一苦労ですよね。しかも令和9年度採用から講師の勤務実績が24か月→13か月に緩和されました。この記事で「自分はどのルートか」を一気に整理しますよ!

この記事では、香川県公立学校教員採用選考試験の特別選考(Ⅰ〜Ⅴ)・大学3年生先行受験・加点制度を、令和9年度採用の実施要項と大綱をもとに整理します。

この記事の根拠

  • 要件・提出書類・免除の範囲は、すべて令和9年度香川県公立学校教員採用選考試験の実施要項および大綱(香川県教育委員会/高松市教育委員会)から採録しています
  • 大学3年生先行受験の人数は教育委員会公表の第1次選考試験結果(令和8年8月6日)から
  • 香川県は、確認できた範囲では選考区分ごとの合格者数が見当たらないため、この記事ではルート別の合格率は出していません。分からないことは「分からない」と書いています。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
令和9年度採用の変更点(大綱「2 昨年度の大綱からの変更点」より)
  • 第1次選考試験の筆記試験等を大阪会場でも実施(7月19日実施分・小学校専願者が対象)
  • 一般選考の受験可能年齢を引き上げ——特別選考Ⅰ〜Ⅴに合わせて昭和40年4月2日以後に生まれた者に
  • 特別選考Ⅰ⑤の講師等の勤務実績を緩和——通算24か月以上 → 通算13か月以上に
  • 教職大学院生を対象とした特別選考Ⅰ⑧を拡充——高等学校・特別支援学校の教諭志願者で国内の教職大学院を修了(見込み)の者は、第1次の総合教養を免除
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

香川県の免除は2段階です。特別選考Ⅰ=「総合教養」だけ免除、特別選考Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ=第1次選考試験のすべてを免除。まずここを押さえてください。

区分おもな対象第1次の扱い年齢要件(生年月日)
一般選考免許状を有する者/取得見込みの者。民間企業等で通算3年以上の勤務経験があり免許を持たない人も出願可(令和11年3月31日までに取得する意思があること)。免除なし昭和40年4月2日以後
特別選考Ⅰ①中・高・特支の教諭、養護教諭、栄養教諭の志願者で、民間企業等で通算3年以上の勤務経験があり、出願教科等に関する高度な専門的知識又は技能があると認められる者総合教養を免除昭和40年4月2日〜
平成20年4月1日
特別選考Ⅰ②過去に本県・他県の公立学校等の教諭等、養護教諭、栄養教諭の職にあった者
特別選考Ⅰ③現に本県・他県の公立学校等の教諭等、養護教諭、栄養教諭の職にある者(特別選考Ⅲに出願する者を除く)
特別選考Ⅰ④現に本県公立学校の実習助手・寄宿舎指導員の職(臨時・非常勤を除く)に5年以上ある者
特別選考Ⅰ⑤本県の国公立学校の講師等として通算13か月以上の勤務実績がある者(令和4年4月1日〜令和8年5月28日。異校種の実績を合算可)
特別選考Ⅰ⑥小・中の教諭志願者で、本県の講師等として1か月以上(令和7年4月1日〜令和8年5月28日)の実績があり、小・中・特支の免許を2つ以上、または複数教科の中学校普通免許状を出願時に有する者
特別選考Ⅰ⑦小学校の教諭志願者で、中高の英語免許/CEFR B2相当以上の英語力/海外での英語使用経験24か月以上のいずれかに該当し、かつ本県の講師等12か月以上または外国語指導助手24か月以上の経験がある者
特別選考Ⅰ⑧高等学校・特別支援学校の教諭志願者で、国内の教職大学院を修了した者・令和9年3月31日までに修了見込みの者
特別選考Ⅰ⑨小・中・高の教諭志願者で、スポーツの優秀な実績・学位(修士・博士)・各種競技大会やコンクール等の実績がある者
特別選考Ⅰ⑩大学3年生先行受験に「通過」した者(この特別選考で総合教養の免除を受けたことがある者を除く)
特別選考Ⅱ障害者を対象(身体障害者手帳1〜6級/療育手帳Ⓐ〜B/精神障害者保健福祉手帳1〜3級の交付を受けた者)免除の規定なし
(障害者を対象とした選考区分)
昭和40年4月2日〜
平成20年4月1日
特別選考Ⅲ他の都道府県の公立学校の現職教諭等(出願時と同一の種別・教科等に限る)第1次選考試験の
すべてを免除
昭和40年4月2日〜
平成11年4月1日
特別選考Ⅳ小・中の教諭志願者で、課程認定を受けた大学・大学院・教職大学院に在籍し(令和9年3月卒業・修了見込み)、学長等の推薦を受けた者昭和40年4月2日以後
特別選考Ⅴ小・中の教諭志願者で、前年度(令和8年度採用)の第1次選考試験に合格し、令和8年度に本県の講師等として勤務する者(前年度と同一校種・教科)昭和40年4月2日以後
大学3年生先行受験大学3年次に在籍する者「総合教養」のみ受験。通過すれば4年次以降の第1次の総合教養を1回に限り免除。昭和41年4月2日以後

※出典:令和9年度香川県公立学校教員採用選考試験 大綱「3 出願資格」「5 試験内容等(2)」、同 実施要項p2〜p4

表を見て気づいてほしいのは、「総合教養の免除」に該当する人がとても多いということ。元教諭・現職・講師13か月・実習助手5年・教職大学院・実績枠・大学3年生の通過者……。香川県で受験を続けている人のなかには、どこかに当てはまる方が少なくないと考えられます。まずは自分が①〜⑩のどれに乗れるかを、要項の2〜3ページを開いて確認してくださいね。

大学3年生先行受験|通過すれば「総合教養」が1回免除

令和8年度採用から令和9年度採用にかけて出願者が増えているのが、この制度です。大学3年次に「総合教養」だけを受験し、通過すれば4年次以降に受験する第1次選考試験の総合教養が1回に限り免除されます(特別選考Ⅰ⑩)。

大学3年生先行受験出願者数受験者数通過者数通過率
令和9年度(2026年夏)296人275人97人約35%
令和8年度(2025年夏)239人231人107人約46%

※いずれも実人数(種別毎人数では令和9年度が出願357人・受験334人・通過120人)。通過率は私が算出。
出典:香川県教育委員会「令和9年度 第1次選考試験結果」(令和8年8月6日)

ポイントを整理します。

  • 受験するのは「総合教養」だけ。専門教養も面接もありません。
  • 出願資格は「令和10年3月31日までに免許状を取得見込みの者」=大学3年次の段階でOK
  • 上記にない種別・教科・科目でも受験を選択できます(実施要項p1の※)。令和9年度採用の募集にない教科の人も、先に総合教養を取っておけます。
  • 通過者には総合ランク(A・B・C)の情報提供は行われません(大綱7(1))
  • 免除は1回だけです。実施要項には、4年次以降に受験する第1次選考試験で総合教養を1回に限り免除すると書かれています(実施要項p4)。使える年度の期限は要項に記載が見当たらないため、出願する年度の要項で確認してください。

大学3年生先行受験の実人数は、出願239人から296人、受験231人から275人、通過107人から97人となりました。通過率は約46%から約35%に低下しています(私が算出)。出願増だけで通過率低下の理由は判断できません。

私自身は大学2回生から準備を始めて、高校地歴に新卒一発合格しました。教職教養はセサミノートと過去問、専門のうち日本史は「1分間日本史」を繰り返し、暗記科目は直前に仕上がればいいので3回生から始めました。一方、模擬授業と面接は2回生から本格的に始め、3回生の間は面接練習をせず、直前に2、3回だけ最終調整をしました。香川県の大学3年生先行受験は「総合教養だけ」で受けられるので、3年生の一年間を総合教養に集中させられます。4年次も専門教養、適性検査、集団面接や、教科によっては実技など、総合教養以外の試験への準備が必要ですが、これは相当に大きい設計上のメリットですよ。

講師をしている方へ|香川県は「13か月」で総合教養が免除に

令和9年度採用の最大の変更点がここです。特別選考Ⅰ⑤の要件が通算24か月以上 → 通算13か月以上に緩和されました。

特別選考Ⅰ⑤
(講師等13か月)
本県の国公立の小・中・高・特別支援学校で、講師等として令和4年4月1日〜令和8年5月28日に通算13か月以上の勤務実績がある者。異校種の勤務実績を合算できます。→ 総合教養を免除。
特別選考Ⅰ⑥
(複数免許+1か月)
小・中の教諭志願者で、本県の講師等として令和7年4月1日〜令和8年5月28日に1か月以上の実績があり、かつ(A)小・中・特支の免許を2つ以上(同じ校種・教科の免許は除く)または(B)複数教科の中学校普通免許状を出願時に有する者(A・Bとも出願に相当する普通免許状の現有が必要)。→ 総合教養を免除。
特別選考Ⅴ
(前年度一次合格+講師)
小・中の教諭志願者で、前年度の第1次選考試験に合格し(同一校種・教科)、令和8年度に本県の講師等として勤務する者(令和8年4月1日〜5月28日に勤務実績・任用予定を含む)。→ 第1次選考試験のすべてを免除。
「講師等」の範囲任期付職員・臨時的任用職員として勤務している講師、養護助教諭、学校栄養職員、または会計年度任用職員(週30時間以上)として勤務している講師
在職年数の数え方1月のうち1日以上勤務していれば1月として算定。ただし勤務終了日と次の勤務開始日が同一月の場合、その月数は1月とします。
提出書類用紙3「講師等を対象とした特別選考による受験申請書」に勤務歴を直近から過去にさかのぼって記入。発令庁が香川県教育委員会でない期間は、用紙4「在職証明書」も添付。郵送で令和8年6月4日(木)必着。

※出典:令和9年度香川県公立学校教員採用選考試験 実施要項p2〜p3・p6・p13〜p14、同 大綱「2(3)」

13か月という数字は絶妙です。1年間フルで講師をしていれば12か月。そこに1か月足せば届きます。令和4年4月1日以降の実績を合算でき、しかも異校種の合算も認められるので、「中学校で半年、高校で1年」というような働き方でもカウントできます。24か月時代には届かなかった方も、まず用紙3に勤務歴を書き出してみてください。

そして特別選考Ⅴ——令和8年度採用の一次を通っていて、令和8年度(2026年度)も香川県で講師をしている方は、第1次選考試験がまるごと免除になります。筆記も集団面接も受けずに、いきなり二次の模擬授業と個人面接から。ただし対象は小学校・中学校の教諭志願者で、前年度と同一校種・教科に限られます。

講師をしながら受験されている方に、私がいつもお伝えしていることがあります。講師の期間の長さは、それ自体では強みになりません。合格していく方に共通しているのは、①自分の経歴のネガティブな部分をポジティブに語り直せている、②「自分はこういう教育がしたい」という教育観がはっきりしている——この2つです。日々の業務に追われていると、この2つ目がいちばん忘れられがち。香川県の面接では「講師をしていてしんどいと思うときは」(講師の方への質問)や「今学期の自分の取り組みに点数を付けると何点か」(現職の方への質問)まで踏み込んで聞かれた報告がありますので、ここを言葉にしておくことは対策になると考えられます。

■ 香川県の面接|受験者6名の実録と5年分の出題傾向(講師・現職への質問も収録)

他の都道府県で現職の方へ|特別選考Ⅲと「秋募集」の2本立て

香川県は、他県の現職教員に対して2つの入口を用意しています。

特別選考Ⅲ(夏)秋募集 選考Ⅰ
対象他の都道府県の公立学校の現職教諭等。小・中・高・特別支援の教諭を志願する者で、各相当の普通免許状を有する方(取得見込みを含む)。他の都道府県の公立学校の現職教諭等で正規職員。小学校または中学校(全教科)の教諭を志願する者で、各相当の有効な普通免許状を有する方。
条件出願時と同一の種別・教科等に限る出願時の職と同一の校種・教科に限る/7〜8月の本試験を受験していないこと
第1次の扱いすべて免除(二次から)—(秋募集は選考試験1回のみ)
試験内容第2次選考試験=模擬授業と授業に関する質問(計15分間程度)+個人面接(第1面接・第2面接。特別選考Ⅲは第2面接が10分間程度)模擬授業と授業に関する質問(計15分間程度。模擬授業のテーマは、小学校が「算数」=学習指導略案は45分授業の設定、中学校が出願する教科=同50分授業の設定。香川県「模擬授業について」)+個人面接(第1面接10分程度・第2面接5分程度。選考Ⅰの方は第2面接10分程度)。英語志願者は英語による面接
日程(令和9年度)出願 5月1日〜5月28日/二次 8月19日〜23日・25日のうち1日出願(原則インターネット)9月1日〜10月20日17:00/試験 東京会場10月31日・大阪会場11月1日・香川会場11月3日/発表は令和8年11月中旬(秋募集実施要項p4)
年齢要件昭和40年4月2日〜平成11年4月1日生まれ昭和40年4月2日〜平成11年4月1日生まれ
提出書類用紙5「特別選考Ⅲによる受験申請書」+返信用封筒2通(郵送・6月4日必着)願書・面接カード・受験申請書を電子申請で提出(選考Ⅱは受験申請書不要)。選考結果通知用の封筒1通は試験当日に持参(秋募集実施要項p2)

※出典:令和9年度香川県公立学校教員採用選考試験 大綱「3(4)」「6 秋募集」、同 実施要項p3・p6・p8、同(秋募集)実施要項p1〜p4

大事なのは、秋募集は「夏を受けていない人」限定だということです。夏に受験して不合格だった方は、秋募集に出願できません。秋募集には、他県現職者の選考Ⅰのほかに、大学等から推薦を受けた小学校・中学校の教諭志願者の選考Ⅱもあります。令和9年度採用では、出願は令和8年9月1日〜10月20日17時(大学等の推薦書類も10月20日必着)、大学等推薦の審査結果は10月26日までに大学等を通じて通知、選考結果は11月中旬の予定でした。推薦は大学・大学院(教職大学院を含む)が決め、種別・教科ごとの人数は大学1名・大学院1名です。「夏の特別選考Ⅲで受けるか、秋募集で受けるか」を先に決める必要があります。

参考までに、秋募集の実績(令和8年度採用)は小学校が出願16人・受験15人・合格9人(1.7倍)、中学校が出願12人・受験12人・合格5人(2.4倍)でした(香川県教育委員会「令和8年度実施結果」)。ただしこれは他県現職と大学等推薦の合計で、区分別の内訳は確認できた範囲では見当たりません。

大学等の推薦を受ける方へ|特別選考Ⅳは一次がまるごと免除

小学校・中学校の教諭を志願する大学生・大学院生で、学長等の推薦を受けられる方は、第1次選考試験のすべてが免除されます。

  • 小学校または中学校一種(専修)普通免許状取得のための課程認定を受けている、通信制の課程によらない大学・大学院・教職大学院に在籍していること
  • 令和9年3月に大学卒業見込み・大学院修了見込みであること
  • 推薦条件の詳細は、別途「大学等推薦特別選考実施要項」で発表されます(この記事では断定していません。必ず大学の教職課程の窓口で確認してください)
  • 提出書類は返信用封筒2通(郵送・令和8年6月4日必着)です。実施要項には、特別選考Ⅳについて「別途、大学等推薦特別選考実施要項を参照」と付記されています(実施要項p6)。一般選考と特別選考Ⅳの併願は可能です。

大学推薦は、枠が限られていて学内選考がある場合があります。「香川県を受けたい」と決めているなら、3年生のうちに大学の窓口に相談してください。推薦枠の有無・学内選考の時期・必要な成績要件は、大学によって違うことがあります。

社会人・40代50代の方へ|香川県は「免許がなくても出願できる」県です

これは知っておいてほしい制度です。香川県の一般選考には、次の規定があります。

教諭、養護教諭又は栄養教諭を志願する者で、民間企業等において通算3年以上の勤務経験(教育に関する職務を除く)を有し教員免許状を保有していない者で、令和11年3月31日までに当該免許状を取得する意思のある者も出願できる。

※第1次選考試験および第2次選考試験をすべて受験した上で合格した者に対し、当該教員免許状を取得するための猶予期間を最大2年間認める。
※勤務経験には、青年海外協力隊等としての活動経験を含めることができます。

※出典:令和9年度香川県公立学校教員採用選考試験 実施要項p2「⑴一般選考 ア②」

つまり、免許を持っていない社会人でも、3年以上の勤務経験があれば受験でき、合格後に最大2年かけて免許を取ればよいということです。特別選考Ⅰ①(総合教養の免除)には別の免許要件があります。養護教諭・栄養教諭は相当の普通免許状の現有が必要です。中学校・高校・特別支援学校も原則として免許状の取得又は取得見込みが必要で、特別免許状の授与資格を有する場合の例外については事前の問い合わせが必要です。Ⅰ①で出願する場合は出願時に用紙2「自己アピール文」(A4判・縦置き横書き・表裏1枚)を提出し、「勤務先推薦書」を第2次選考試験時に提出します。

そして年齢。令和9年度採用から一般選考も昭和40年4月2日以後に生まれた者に引き上げられ、特別選考Ⅰ〜Ⅴとそろいました。実質的に60歳前後まで受験できるということです。

「40代・50代で受けてもいいんでしょうか」というご相談を本当によくいただきます。結論から言えば、40代・50代でも合格できます。私のところにも、40代まで民間で働いてから初めて挑戦して合格した方、50代で子育てが落ち着いてから夢だった教員を目指して合格した方が何人もいらっしゃいます。私にとっては珍しいことではありません。

ただし、面接官が年齢を重ねた受験者に対して懸念していることがあるのも事実です。その筆頭が「いま求められている授業や教育ができるのか」。自分が受けてきた教育と、いまの学校で求められている教育(ICT活用、主体的・対話的な学び)は大きく変わっています。ここを「知っている・やれる」と示せるかどうかが分かれ目です。香川県は二次で全校種に模擬授業がありますから、まさにここが直接見られます。

民間企業から教員への転職を考えている方は、こちらもあわせてご覧ください。

第1次選考試験の加点制度|複数免許は「5点」

香川県の加点は3項目・各5点。第1次選考試験の総合成績に加点されます。

加点要件点数
(1) 中学校教諭に出願する者で、出願時に「美術」「技術」「家庭」のいずれかを含む複数の中学校教諭普通免許状を有する者、または令和9年3月31日までに取得見込みの者5点
(2) 高等学校教諭に出願する者で、出願時に出願に必要な教科以外の教科の高等学校教諭普通免許状を有する者、または取得見込みの者
(地理歴史・公民の2免許のみの場合、出願教科の免許+当該教科の実習担任免許の場合は対象外)
5点
(3) 高等学校教諭に出願する者で、出願時に特別支援学校普通免許状を有する者、または取得見込みの者5点

※(2)と(3)は、いずれか一方のみの加点です。加点を希望する場合は、出願時に願書の加点申請制度の項目で「希望する」を選び、免許状(または取得見込み証明書)の写しを郵送で提出。さらに第1次選考試験当日(7月19日)に原本を持参して提示する必要があります。原本の提示がないと加点されません。なお、令和9年3月31日までに対象の免許状が取得できなかった場合は、第2次選考試験に合格していても採用を取り消す場合があると明記されています。
出典:実施要項p4、大綱「5(4)」

加点の設計を見ると、香川県が何を求めているのかが読み取れるかもしれません(私の推測です)。中学校の「美術」「技術」「家庭」——実際、令和8年度採用の実施結果でも美術は出願5人・技術は出願5人・家庭は出願8人と、志願者そのものが少ない教科です(倍率はいずれも1.3倍)。そして高等学校では他教科の免許と特別支援学校の免許。香川県は、複数教科を教えられる人・特別支援に対応できる人を求めているというメッセージではないかと私は考えています。

■ 香川県の倍率|令和9年度採用の一次結果と5年間の推移(校種別・教科別)

英語志願者は「専門教養(英語)」が免除になることも

中学校・高等学校(特別支援学校の中学部・高等部を含む)の英語志願者は、次のいずれかを満たすと第1次選考試験の専門教養(英語)の受験免除を申請できます。

資格基準
実用英語技能検定(英検)1級合格
TOEIC(公開テストのスコアのみ)850点以上
TOEFL(iBT)92点以上
IELTS7.0点以上

※いずれも令和3年4月1日以降の取得に限り、出願後に取得したものは認められません。出願時に資格を証明する書類の写しを添付し、第1次選考試験当日に原本を持参・提示します。
出典:実施要項p5、大綱「5(3)」

そしてもうひとつ、小学校の教諭を志願する方向けの英語枠(特別選考Ⅰ⑦)があります。(A)中高の英語免許/英語を母語とする者もしくはCEFR B2相当以上の英語力/海外大学・青年海外協力隊・在外教育施設等での24か月以上の英語使用経験のいずれかに該当し、かつ、令和4年4月1日〜令和8年5月28日に、本県の国公立小・中・高・特別支援学校で(B)講師等として通算12か月以上、又は(C)外国語指導助手として通算24か月以上の勤務経験がある方が対象で、総合教養が免除されます。出願時に用紙2「自己アピール文」の提出が必要です((C)に該当する方は、第2次選考試験時に「勤務先推薦書」も提出します)。

この英語枠の存在は、面接対策にも直結します。香川県では、確認できた小学校の報告で英語志願者ではない受験者にも「英語で答えてください」という質問が4年連続で出ているんです。県として英語力のある先生を集めたいという方針があるのではないかと私は考えています。身近なことを英語で短く言えるようにしておくことをおすすめします。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の模擬授業と面接

あなたの状況使えるルートまずやること
大学3年生大学3年生先行受験(+翌年 特別選考Ⅰ⑩)令和9年度採用の試験では、3年生の5月(5月1日〜5月28日17:00)に出願。総合教養だけに集中する。
大学4年生・大学院生(小中志望)特別選考Ⅳ(大学等推薦)/一般選考3年生のうちに大学の教職課程窓口で推薦枠を確認
教職大学院生(高校・特支志望)特別選考Ⅰ⑧修了(見込)証明書を準備。総合教養が免除に。
香川県で講師をしている特別選考Ⅰ⑤(13か月)/Ⅰ⑥(複数免許+1か月)/前年度一次合格ならⅤ用紙3に勤務歴を書き出して13か月に届くか確認。郵送は令和8年6月4日必着(令和9年度採用)。
他県で講師をしている一般選考など(香川県での過去の講師歴があれば特別選考Ⅰ⑤⑥の要件を確認)免許の数で加点が使えるか確認
他県で現職の教員特別選考Ⅲ(夏・一次全免除)/秋募集 選考Ⅰどちらで受けるかを先に決める(併用不可)
私学・国立附属の現職/元教諭特別選考Ⅰ②③元教諭(②)で、他の都道府県の公立学校・国立大学附属学校・私立学校の職にあった方は、履歴証明書(任命権者発行)を取り寄せる
民間企業で3年以上(免許あり)特別選考Ⅰ①(中高特支・養護・栄養)/一般選考用紙2「自己アピール文」(A4表裏1枚)を作成
民間企業等で教育に関する職務を除く通算3年以上(免許なし)一般選考ア②(合格後2年の猶予)免許取得の道筋を具体的に描く
現に本県公立学校の実習助手・寄宿舎指導員の職(臨時・非常勤を除く)に5年以上特別選考Ⅰ④総合教養が免除に
障害者手帳をお持ちの方特別選考Ⅱ手帳の写しを出願時に添付

整理して見えてくるのは、香川県の免除は「総合教養、又は集団面接を含む第1次選考試験すべて」の話だということです。どのルートで入っても、第2次選考試験の模擬授業と授業に関する質問(計15分間程度)と個人面接(2回)は全員が受けます。小・中・養護・栄養は第1面接10分+第2面接5分(特別選考Ⅲの方だけ第2面接が10分間程度)、高等学校・特別支援学校は第1面接15分+第2面接10分です。英語志願者には、さらに英語による面接(10分間程度)があります。

免除は「二次の準備に時間を使えるようになる」というだけの意味を持ちます。だからこそ、免除が取れた人は、残る試験の準備を続けながら、模擬授業と面接カードにも前倒しで取り組んでください。それが香川県でおすすめの戦略です。

■ 香川県の面接|受験者6名の実録と5年分の出題傾向(模擬授業の実録5件も収録)
■ 香川県の面接カードの書き方|一次合格から8日で仕上げる8つの欄を、実録から逆算する

よくある質問

Q. 特別選考Ⅰに出願すると、一般選考では受けられなくなりますか?

A. 特別選考Ⅰは原則として一般選考ア①の免許要件を満たしたうえで(ただしⅠ①・⑦・⑨の特別免許状の例外は事前問い合わせが必要。Ⅰ⑥及び養護・栄養の出願者は相当の普通免許状の現有が必要)該当する人が申請するもので、免除されるのは総合教養だけです。専門教養・適性検査・集団面接(教科によっては実技も)は一般選考の方と同じように受験します。願書の「選考区分」で該当するものを選ぶ形です。

Q. 講師の実績が13か月に少し足りません。

A. まず数え方を確認してください。要項には「1月のうち1日以上勤務していれば1月として算定する」とあります。産休・育休の代替講師や、会計年度任用職員(週30時間以上)の講師の期間も「講師等」に含まれます。また異校種の勤務実績を合算できるので、小学校・中学校・高校・特別支援学校をまたいでいても大丈夫です。それでも届かない場合は、特別選考Ⅰ⑥(1か月以上+複数免許)に該当しないかを確認してください。小・中の教諭志願者で、出願時に相当の普通免許状を有し、小・中・特支の普通免許状を2つ以上(同じ校種・教科の専修・1種・2種の組合せを除く)、又は複数教科の中学校普通免許状を有することが必要です。勤務実績の算入期間はⅠ⑤が令和4年4月1日〜令和8年5月28日、Ⅰ⑥が令和7年4月1日〜令和8年5月28日です。

Q. 大学3年生先行受験に通過したら、翌年は必ず有利になりますか?

A. 免除されるのは「総合教養」だけで、しかも1回に限りです。専門教養・適性検査・集団面接(教科によっては実技も)は通常どおり受験します。また、通過者には総合ランク(A・B・C)の情報提供が行われませんので、「自分がどのくらいの位置だったか」は分からないまま次の年を迎えることになります。「一次の勉強を1科目分減らせる」制度と考えて、浮いた時間を専門教養と模擬授業に回すのがおすすめです。

Q. 加点は複数申請できますか?

A. 香川県の加点は(1)中学校の複数免許、(2)高校の他教科免許、(3)高校の特別支援免許の3項目で、(2)と(3)はいずれか一方のみと明記されています。(1)は中学校志願者、(2)(3)は高校志願者が対象なので、実質的に1人が受けられる加点は5点までです。

Q. 大学院に進学したいのですが、合格したら採用を待ってもらえますか?

A. 香川県には「大学院在学に係る採用時の特例」があります。第2次選考試験の合格者のうち、受験した種別・教科等の専修免許状を取得できる大学院修士課程等(教職大学院を含む)に入学して修学を希望する場合は2年間、すでに在籍していて修学を継続する場合は1年間の採用猶予を申し出ることができます。猶予後の採用には「大学院修士課程等を修了すること」「合格した種別・教科等の専修免許状を取得すること」の2条件を満たす必要があります(実施要項p9)。

Q. 高松市立学校の教員を希望する場合、別の特別選考がありますか?

A. ありません。香川県の教員採用選考試験は香川県教育委員会と高松市教育委員会の共同実施で、高松第一高等学校(高松市立高等学校)の教員採用もこの試験に含まれています。実施要項の郵送先も、義務教育課長(小・中・養教・栄教)と高校教育課長(高・特支)の2か所だけです。

Q. 提出書類の締切はいつですか?

A. 令和9年度採用では、出願(インターネット)が5月1日〜5月28日17:00、特別選考Ⅰ・Ⅲ〜Ⅴおよび加点申請の郵送書類が5月1日〜6月4日(木)必着でした。出願と郵送で締切が1週間ずれている点に注意してください。封筒の左下隅に「小志願」「中志願」「高志願」「特支志願」「養教志願」「栄教志願」の別を朱書する決まりもあります。書留郵便が望ましい、とされています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

香川県は、確認できた範囲では選考区分ごとの受験者数・合格者数を公表していません。「特別選考Ⅰ⑤で受けた人が実際に何人受かったのか」は、公表資料からは分からないのです。そこを埋められるのは、受験した方の報告だけ。「どのルートで受けたか」「一次で何が免除されたか」「二次はどうだったか」——そういう情報が、次の人を本当に助けます。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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