【教員採用試験】高知県の特別選考と一次免除ルート|大学3回生・臨時教員・現職元職・加点13項目

こんにちは、金井志津乃です! 

高知県って、大学3回生のうちに受けられる制度が2つあるんですよね? 講師をしていると一次が免除になるとも聞いたし、加点も種類が多くて……自分がどのルートで受けられるのか、正直よく分からなくて。

高知県は第1次審査の免除が7パターン、加点が13項目(上限60点)。しかも令和9年度採用から大学3回生の対象教科が増えて、英語の加点も引き上げられました。この記事で「自分はどのルートか」を一気に整理しますよ!

この記事では、高知県公立学校教員採用候補者選考審査の特別選考・第1次審査の免除・加点制度について、令和9年度採用(2026年夏実施)の募集要項と、教育委員会が公表している実際の受審者数をもとにまとめます。

この記事の根拠

  • 選考種別・免除の要件・加点は令和9年度(令和8年度実施)高知県公立学校教員採用候補者選考審査 募集要項から。人数は高知県教育委員会の公表資料(応募状況・第1次審査合格者・第1回名簿登載者数等)。
  • 高知県はルート別の合格率を公表していません。そのため、この記事では合格率を出していません(大学3回生の特別選考審査のみ、公表された受審者数・合格者数を掲載)。
  • 高知県の全体倍率・校種別・教科別の推移は →高知県の倍率|令和9年度採用の応募状況・一次結果と推移
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
令和9年度採用の変更点(募集要項「昨年度からの変更点」より)
  • 大学3回生受審制度の校種・教科を追加——小学校教諭に加えて中学校教諭(技術)、高等学校教諭(工業(機械))も対象に
  • 社会人特例出願の対応教科を追加——中学校教諭(技術)、高等学校教諭(商業)
  • 英語に関する資格の加点を見直し——中高・特支中高部の「英語」受審者は10点・20点→20点・30点に増点。小学校・特支小学部は対象を英検2級以上→準2級以上に拡大。
  • 実技審査の一部廃止——中学校教諭(技術)の実技審査を廃止
  • 第1次審査免除条件の見直し[予告]——高等学校教諭は免除対象者数が採用予定人数に比べ非常に多いため、免除条件を見直す予定。令和8年度以降の第1次審査合格者は次年度審査においてのみ免除、令和7年度以前の合格者は引き続き3年間免除(いずれも申請が必要)。※適用年度は必ずその年の募集要項で確認してください。
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

まず全体像です。高知県は「一般選考」のほかに別枠・別日程の特別選考と、第1次審査の免除という2つの仕組みがあります。この2つは別物なので、まとめて整理します。

ルート主な対象第1次審査の扱い採用予定・実績
一般選考全校種・全職種専門教養300点+教職・一般教養150点=450点(特別支援学校高等部「理療」は専門教養審査を実施しません)234人程度(令和9年度)
直近3年の第1次審査合格者令和5年度実施から令和7年度実施までに第1次審査(筆記)を受審して一度でも合格(免除での受審は対象外)+その校種・職種・教科の募集があり受審を希望+出願期間中に県内の臨時教員として配置されている人全部免除—
任期付教員名簿登載者本県の任期付教員採用候補者名簿に登載+同一の校種・職種・教科の募集があり受審+出願期間中に県内で任期付教員・臨時教員として配置全部免除—
現職・元職の教員現に国公立の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・養護教諭・栄養教諭・常勤講師(任期なし)/過去にその職で通算3年以上(いずれも受審する校種・職種・教科と同一)全部免除—
前年の大学3回生審査の合格者事前認定選考審査の合格者、早期名簿登載型の第1次審査合格者全部免除令和9年度採用(令和8年度実施)の事前認定型は34人が合格
本県の臨時教員経験令和8年4月13日までに県内の国公立学校で通算24か月以上+出願期間中に配置教職・一般教養のみ免除—
社会人経験中技術/高情報/高農業/高工業(電気・電子)(機械)/高商業で関連職務経験が通算3年以上教職・一般教養のみ免除—
大学3回生等の教職・一般教養事前認定審査前年12月実施の審査に合格した人教職・一般教養のみ免除—
大学3回生・早期名簿登載型3回生で1次・2次を受審。合格すると令和10年度の名簿に登載(大学の推薦書が必要)。一般選考と同じ(高知会場のみ)小40人程度・中技術1人程度・高工業機械1人程度/応募5人
大学3回生・事前認定型3回生で1次のみ受審。合格して翌年の出願時に免除を申し出ると、翌年の1次が全部免除。一般選考の1次と同じ(高知会場のみ)小学校は応募60人・受審50人・合格34人(工業(機械)は応募2人・受審2人・合格0人)
大学等推薦特別選考県が指定した大学等の推薦を受けた卒業・修了見込み者—(第2次審査で模擬授業+面接審査)小学校・中山間地域の小中・高工業・特別支援/応募10人
現職・元職教員特別選考現職または元職の教諭等で、受審する職種の職務歴が通算3年以上—(オンライン面接審査+応募書類で選考)別枠:小15人程度・中各教科1〜2人程度・高情報1人程度・特支各3人程度
障害者特別選考身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等の交付を受けている人一般選考と同様に第1次・第2次審査別枠4人程度/応募3人
社会人特例出願(特別免許状)教員免許を持たない社会人。中技術/高情報・工業(電気電子)(機械)・商業。教職・一般教養は免除若干名(一般選考の予定数に含む)

※出典:令和9年度採用 募集要項「9 第1次審査の全部免除」「10 第1次審査の一部免除」「15 大学等推薦特別選考」「16 現職・元職教員特別選考」「17 障害者特別選考」「18 大学3回生を対象とした特別選考審査」、高知県教育委員会「令和9年度… 応募状況」「第1次審査合格者」。
制度は年度で変わるため、出願前に必ずその年の募集要項を確認してください。

高知県のポイントは、県内の臨時教員・任期付教員の勤務を条件とする免除ルートと、現職・元職や大学3回生、社会人経験など別の要件によるルートがあることです。県内の臨時教員・任期付教員のルートでは、「昔、高知県の一次に受かったことがある」だけでは免除になりません。今年どこで働いているかが効いてきます。ここを勘違いすると、免除を1年分そのまま落としてしまいます。

大学3回生を対象とした特別選考審査|2つのタイプの違い

高知県には、大学3回生(=卒業年次の1年前)が受けられる審査が2タイプあります。令和9年度採用から対象が小学校教諭・中学校教諭「技術」・高等学校教諭「工業(機械)」に広がりました。

比較項目早期名簿登載型事前認定型
受ける審査第1次審査と第2次審査の両方第1次審査のみ
合格したら令和10年度の「教員採用候補者名簿」に登載(内定に相当すると考えられます)翌年の出願時に免除を申し出ることで、令和9年度実施審査の第1次審査が全部免除
募集小学校40人程度・中学校技術1人程度・高等学校工業(機械)1人程度小学校・中学校技術・高等学校工業(機械)(人数の定めなし)
必要な提出物推薦書(在籍する大学の証明が必要)在学証明書(大学の任意様式で可)
不合格だったら第2次審査まで受けて不合格でも、令和9年度実施審査の第1次審査は全部免除(免除の申出が必要)翌年は一般選考として第1次審査から受験すると考えられます
加点制度使えません使えません
会場高知会場のみ高知会場のみ

実際にどれだけ使われているか、数字を見てみましょう。

  • 早期名簿登載型(令和9年度採用=令和8年度実施):小学校40人程度の募集に対し応募5人・第1次審査受審5人・5人全員が第2次審査へ。工業(機械)は応募なし。
  • 早期名簿登載型(令和8年度採用=令和7年度実施・前年):応募17人・受審17人・第2次審査受審15人・第1回名簿登載14人
  • 事前認定型(令和9年度採用=令和8年度実施):小学校応募60人・受審50人・合格34人/工業(機械)応募2人・受審2人・合格0人。前年(令和8年度採用=令和7年度実施)の小学校は応募42人。

※出典:高知県教育委員会「令和9年度(令和8年度実施)… 応募状況」(令和8年5月22日)、「第1次審査合格者」(令和8年6月26日)、「令和8年度(令和7年度実施)… 第1回名簿登載者数等」(令和7年9月12日)

数字を見ると、事前認定型は応募が42人→60人と増え、34人が合格。この34人は、翌年の出願時に免除を申し出ることで、令和10年度採用(令和9年度実施)の第1次審査が全部免除されます。一方、早期名簿登載型は応募17人→5人と減少しました。3回生のうちに二次まで受け切って「内定」を取るのは、やはりハードルが高いのだと思います。

私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。高知県は制度がそれを後押ししてくれています。しかも早期名簿登載型は、一次に合格して二次まで受審したうえで不合格となった場合、翌年の一次の全部免除を申請できます(免除の申出が必要)。3回生で受けないほうがもったいないですよ!

ただし、どちらのタイプも加点制度は使えません(要項に明記)。複数免許や英語の資格で加点を狙いたい人は、4回生で一般選考として受けるほうが有利になる場合があります。ここは自分の持ち札を数えてから決めてください。

講師・現職・元職のルート|「今、高知県で働いているか」が鍵

学校現場で働きながら受験する人のルートを整理します。高知県は免除の要件に「出願期間中に県内の学校に配置されていること」が入るものが多いのが特徴です。

ルート主な要件免除の範囲
直近3年の第1次審査合格者①令和5年度〜7年度実施の審査で第1次審査(筆記)を受審し(免除者は対象外)一度でも合格
②直近3年で第2次審査へ進んだ校種(特支は同一部)・職種・教科の募集があり、その受審を希望
③出願期間中に高知県の国公立学校の臨時教員として配置されている
第1次審査の全部
任期付教員名簿登載者①本県の任期付教員採用候補者名簿に登載(特別選考審査・2月実施の任期付教員特別選考での登載者は除く)
②同一校種(特別支援学校は同一部)・職種・教科の募集があり受審
③出願期間中に本県の国公立学校の任期付教員または臨時教員として配置
第1次審査の全部
現職・元職(指定職種)①現に国公立学校の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・養護教諭・栄養教諭または講師(任期を付されていない常勤)である
②または過去にその職で、受審する校種・職種の職務歴が令和8年3月31日までに通算3年以上(休職・停職を除く)。いずれも受審する校種・職種・教科と同一であること。
第1次審査の全部
本県の臨時教員経験①令和8年4月13日までに本県の国公立学校の臨時教員として通算24か月以上(1日でも任用のあった月は1か月として計算、連続していなくてよい、異校種・異教科も通算可)
②出願期間中に本県の国公立学校の任期付教員または臨時教員として配置
教職・一般教養審査のみ

※「臨時教員」とは、本県の国公立学校における常勤講師(期限付講師)または非常勤講師(時間講師・週8時間以上)。任期の付された教員および地方公務員法第22条による常勤・非常勤の講師は「指定職種」には含まれません。
出典:令和9年度採用 募集要項「9」「10」

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。高知県の二次は、実技なしの教科では模擬授業200点と面接300点、実技のある教科では模擬授業100点・実技100点と面接300点です。この3つは、面接で伝えたい講師の方の強みだと考えています。

そして「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。そうしたエピソードも実績なんです。高知県の実録でも、講師を経験していて大変だったことと、それをどのように乗り越えたかが聞かれた報告があります。新卒と講師で意識するポイントの違いは、1分のショートにまとめました。

現職・元職教員特別選考は「別枠・別日程・オンライン面接」

これは前述の「第1次審査の全部免除」とはまったく別の制度です。募集人数も一般選考とは別枠で、審査方法も日程も違います。

募集(令和9年度採用)小学校教諭15人程度/中学校教諭(国語・社会・数学・理科・技術・英語)各2人程度、(音楽・美術・保健体育・家庭)各1人程度/高等学校教諭(情報)1人程度/特別支援学校教諭「小学部」3人程度・「中学部・高等部」3人程度。一般選考の採用予定数には含まれません。
受審資格現に、または過去に国公立学校の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・養護教諭または講師(任期を付されていない常勤)で、受審する職種の職務歴が令和8年3月31日までに通算3年以上(休職・停職の期間を除く。任期付教員・地方公務員法第22条による講師の職務歴は含まない)。第1回の受審には昭和40年4月2日以降に生まれ、受審校種の普通免許状を保有していることも必要
審査方法オンラインによる面接審査(口頭試問を含む)および応募書類(課題および実績調書等)
日程第1回:令和8年9月12日(土)・予備日13日(日)/第2回:令和9年1月9日(土)・予備日10日(日)。第2回の実施要項は、募集要項では令和8年9月下旬にホームページへ掲載するとされていました。第2回では他の校種も募集される場合があります。
回数の制限同年度内に1回のみ受審できます

※提出書類・出願受付期間は「別途定める現職・元職教員特別選考実施要項」で確認してください。
出典:令和9年度採用 募集要項「16 現職・元職教員特別選考」

他県の正規教員として高知県を受け直す方にとっては、令和9年度採用では9月の第1回(令和8年10月16日に名簿登載者を発表。応募15人・受審14人・名簿登載13人)が実施済みで、令和9年1月の第2回にも別枠のチャンスがあるということです。私の実感では他自治体への再受験は簡単ではありません。管理職は「今求められている授業をブラッシュアップし続けているか」「謙虚で一緒に働きたい人か」を見ています。この2つが伝われば「こんな人が他県から来てくれるなんて」と管理職が思ってくれる可能性がある、という話です。

加点制度|13項目・上限60点。第1次と第2次の両方に加点

高知県の加点は、第1次審査(450点満点)と第2次審査(500点満点)のそれぞれの合計点に加点されるのが大きな特徴です。複数申請する場合の合計の上限は60点。取得見込みでは申請できません(出願受付期間内に証明書類の提出が必要)。

加点項目対象・主な要件
30点臨床心理士全校種。資格を保有。
30点英語資格(中高・特支中高部の英語受審者)英検1級/TOEFL iBT 95点以上/TOEIC L&R 945点以上 ※令和9年度採用から増点
30点スポーツ実績(最上位)高校卒業以降、オリンピック(パラリンピック)・世界選手権(相当するパラスポーツ大会)に日本代表として出場
20点英語資格(中高・特支中高部の英語受審者)英検準1級/TOEFL iBT 72点以上/TOEIC L&R 785点以上 ※令和9年度採用から増点
20点英語資格(小学校・特支小学部)英検2級以上/TOEFL iBT 42点以上/TOEIC L&R 550点以上
20点小学校受審者の中学校免許(英語)ア・イのいずれか1つを申請
20点小学校受審者のALT経験/海外経験ウ 2年以上のALT(外国語指導助手・英語)経験/エ 海外大学・青年海外協力隊・在外教育施設等で2年以上の英語を使用した留学・勤務経験。ウ・エはいずれも申請可。
20点高等学校「情報」免許情報以外の教科の受審者が高校「情報」免許を保有(情報および他教科を担当することがあります)
20点CST(コア・サイエンス・ティーチャー)小学校教諭または中学校理科の受審者で、理数系教員養成拠点構築プログラム修了者
15点手話通訳士特別支援学校教諭の受審者(厚生労働大臣認定)
15点英語資格(上記以外の受審者)英検準1級以上/TOEFL iBT 72点以上/TOEIC L&R 785点以上
15点IB(国際バカロレア)ACTLア・イのいずれか1つを申請
15点JICAボランティア平成28年4月1日〜令和8年3月31日のうち、青年海外協力隊・シニア海外ボランティア・日系社会青年ボランティア・シニア日系社会ボランティアとして2年の任期を満了した派遣経験者
10点小学校受審者の中学校免許(英語以外)ア・イのいずれか1つを申請
10点中学校受審者の他教科免許/小学校免許ア 他教科の中学校免許(1つ以上)/イ 小学校免許。両方に該当しても両方申請可。
10点高等学校「情報」受審者の他教科免許1つ以上の他教科の高等学校免許
10点特別支援学校教諭免許特別支援学校教諭以外の受審者が、特別支援学校(盲・聾・養護学校)教諭の普通免許状を保有
10点英語資格(小学校・特支小学部)英検準2級/TOEIC L&R 225点以上 ※令和9年度採用から対象を拡大
10点IB(国際バカロレア)CTLア・イのいずれか1つを申請
10点スポーツ実績(国民スポーツ大会)高校卒業以降、国民スポーツ大会(国民体育大会)で入賞。※アジア大会の日本代表出場は20点。
5点司書・司書教諭資格を保有
5点武道の段位中学校保健体育の受審者で、剣道・柔道・相撲のうち1つ以上について3段以上

※TOEFL・TOEICは令和6年7月以降の取得に限ります(TOEFL ITP、TOEIC IPテストは除く)。加点申請書(様式8)と証明書類を出願受付期間内に提出しなければ加点は認められません。大学3回生を対象とした2つの審査には加点制度がありません。
出典:令和9年度採用 募集要項「11 特定の資格等による加点」

合計上限60点は、第1次審査450点の13%にあたります。決して小さくありません。特に小学校志望で中学英語の免許を持っている方(20点)+特別支援学校免許(10点)+英検2級以上(20点)なら、それだけで50点。持っているのに申請しないのは、自分からハンデを背負うのと同じです。証明書は出願受付期間内に提出——ここだけは絶対に落とさないでください。

社会人の方へ|3つの入口があります

高知県は、社会人経験者に対して3つの別々の仕組みを用意しています。混同しやすいので整理します。

①社会人経験による一部免除免許は持っている方向け。中学校「技術」、高等学校「情報」「農業」「工業(電気・電子)」「工業(機械)」「商業」で、関連する企業等の職務経験が令和8年3月31日現在で通算3年以上あれば、教職・一般教養審査を免除。6か月以上継続して就業した期間が対象で、複数の職歴は通算可(国公私立学校の正規教員・実習助手、臨時教員〔要項には「海技士養成機関での職務経験は含まない」との括弧書きがあります〕、パート・アルバイト・休職等の期間は除く)。
②社会人特例出願(特別免許状)免許を持っていない方向け。中学校「技術」、高等学校「情報」「工業(電気・電子)」「工業(機械)」「商業」。教職・一般教養審査は免除。名簿登載後に特別免許状授与のための教育職員検定があり、合格が適当と認められなければ採用されません(検定費用は自己負担)。他の選考区分との併願はできません。
③名簿登載期間の延長による社会人出願免許を持っていない方が、全校種・全教科で使える制度。出願時に民間企業・官公庁等で働いていて令和8年3月31日までに通算2年以上の勤務経験があり、令和11年度末までに免許取得を目指す方は、出願時に申請し、高知県教育委員会が認めた場合に、名簿登載後に最大3年間、名簿登載期間を延長できます(延長終了時に定年退職まで1年以上あることも必要)(延長期間内に免許を取得できなければ名簿から削除)。

※②の受審資格の詳細(学位・資格・職務経験年数)は教科ごとに異なります。たとえば高等学校「商業」は「日本商工会議所主催の簿記検定2級以上またはITパスポート」に加え、短期大学学士・学士・修士・博士の学位、および正規職員として当該教科に関わる勤務実績通算10年以上が必要です(令和8年3月31日現在)。
出典:令和9年度採用 募集要項「10(1)」「12 社会人特例出願」「13 名簿登載期間の延長による社会人出願」

社会人受験の方に私がおすすめしている準備は2つです。「社会人経験を学校現場でどう生かしたいか」と「なぜ社会人をしていたのに教員を目指すのか」。高知県の二次は面接300点。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、社会人から教採を受けるときにも合格しやすくなるポイントかなと思います。

私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。高知県の一般選考等の受審資格は昭和40年4月2日以降に生まれた者です(令和9年度採用。大学3回生を対象とした特別選考審査は昭和41年4月2日以降)。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。ここが伝われば、豊富な人生経験はそのまま強みになります。

秋の特別選考審査(令和8年11月15日実施)

令和9年度採用では、秋に小学校教諭の特別選考審査が実施されます(審査日は令和8年11月15日(日))。採用予定は30名程度で、応募人数の上限は120名です。出願は令和8年9月13日から10月13日(17時15分)まででした。受審資格は、小学校教諭の普通免許状を有する者または令和9年3月31日までに取得見込みの者で、昭和40年4月2日以降に生まれ、特定性犯罪の前科がない者などです。令和8年5月の審査を受審した人も再度受審できます。審査は教職・一般教養(9:30〜10:30)、専門教養(10:50〜11:50)、面接審査(模擬授業と口頭試問、個別面接)で、合格者は令和9年度採用の採用候補者名簿に登載されます。あわせて、令和10年度採用向けの「大学3回生等を対象とした教職・一般教養事前認定選考審査」(小学校・中学校・特別支援学校、上限350名、教職・一般教養のみ)も同じ日に実施されます。

その他の制度|大学院・任期付教員・第2希望

大学院修士課程の名簿登載期間延長大学院・教職大学院の1年次在籍者、令和9年4月に進学予定の人、専修免許状取得のための学修を行う人(受審した校種・教科の専修免許状取得見込み等に限る)は、名簿登載期間を延長できます。全校種・全教科対象。出願時に申請(出願後の希望は令和8年7月31日までに電話連絡+所定様式)。
育児休業等の代替に係る任期付教員出願時に「希望する」とした人が対象。正規教員の選考と並行して選考され、第2次審査を受審して第1回の名簿に登載されなかった人から選ばれます。名簿登載期間は令和9年4月1日〜令和12年3月31日の3年間で、実際の任期は代替する教員の育児休業等の期間に応じます(登載されても採用されない場合があります)。第1回の任期付名簿登載は令和8年10月16日に発表され、9人が登載されました。
第2希望の申請第2希望の校種・教科の免許状等の受審資格を満たす場合、出願時に第2希望を申請できます。①中学校→小学校(小学校免許保有・取得見込み)
②中学校↔高等学校の同一教科(中社→高地歴・公民も可)
③高等学校(情報以外)→高等学校「情報」
④全校種・教科→特別支援学校小学部/中学部・高等部。第1次審査の合格発表段階で第2希望の校種等で合格する場合があり、その場合は第2希望の校種等で第2次審査を受審します。
初任給(参考)令和8年4月1日時点で大学卒業者279,630円の予定(採用前の職歴・所有免許・資格等に応じて加算あり)。教職調整額、義務教育等教員特別手当、期末・勤勉手当のほか、要件に該当すれば扶養・通勤・住居手当等が支給されます。

※出典:令和9年度採用 募集要項「1 審査の対象となる校種・職種及び教科等(第2希望について)」「14 大学院(教職大学院を含む)修士課程の名簿登載期間延長」「19 育児休業及び配偶者同行休業の代替に係る任期付教員採用候補者選考審査」「21 給与」

第2希望はぜひ検討してください。高知県は第3回名簿登載者発表(令和9年1月15日予定)のときに第2希望の校種・教科で登載されることがあります。「小学校免許も持っている中学校志望の方」「特別支援学校免許を持っている方」は、選択肢を1つ増やせます。ただし第1次審査の合格発表段階で第2希望に振り分けられる場合もあるので、第2希望の校種でも模擬授業ができる準備はしておいてくださいね。

まとめ|免除は「入口」、勝負は二次の500点(別枠選考を除く)

高知県は第1次審査450点、第2次審査500点。免除や加点で第1次審査の負担が軽くなっても、第2次審査の500点(面接審査300点+模擬授業等200点。実技審査を実施する教科は模擬授業100点+実技100点)は、ほとんどのルートで同じ土俵です(現職・元職教員特別選考は別枠で、オンライン面接審査と応募書類で選考されます。大学3回生の事前認定型は第1次審査のみで、第2次審査はありません)。しかも令和9年度採用の小学校は、第1次審査受審者数350人に対し、第2次審査対象者数は344人でした。ただし、第2次審査対象者には第2希望による他校種からの合格者を含み、同じ350人の内数ではありません。免除で浮いた時間と労力を、そのまま模擬授業と面接の準備に回してください。

■ 高知県の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(二次は模擬授業+個別面接)
■ 高知県の申告書・自己評価書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 高知県の倍率|令和9年度採用の応募状況・一次結果と推移(校種別・教科別)

よくある質問

Q. 加点は複数申請できますか?

A. できます。ただし合計の上限は60点です。また項目によって「該当する区分のうち1つ」(小学校受審者の中学校免許、高校受審者の情報免許、IBはア・イ、英語資格はア〜オ、スポーツ実績はア〜ウ)と「両方申請可」(中学校受審者の他教科免許と小学校免許、小学校受審者のALT経験と海外経験)が分かれているので、要項の該当ページで必ず確認してください。取得見込みでの申請はできません。

Q. 加点は第1次審査だけですか?

A. いいえ。要項には「第1次審査及び第2次審査の審査項目の合計点にそれぞれ加点する」と書かれています。つまり、一次を通過したあとの二次でも加点が効きます。二次でも加点が効く点が、高知県の特徴です。

Q. 大学3回生の2つの審査、どちらを受けるべきですか?

A. 高知県が第一志望で、大学の推薦書がもらえるなら早期名簿登載型です。第2次審査まで受けて不合格でも、翌年の第1次審査は全部免除になるからです(免除の申出が必要)。推薦書が難しい場合や、まだ併願を決めきれていない場合は事前認定型で第1次審査だけ受けておくのが現実的です。どちらも会場は高知会場のみ・加点制度なしです。

Q. 昔、高知県の第1次審査に合格したことがあります。免除になりますか?

A. 条件があります。①直近3年間(令和5年度〜7年度実施)の審査で第1次審査(筆記)を受審して合格していること(免除で通過した年は対象外)、②その校種・職種・教科の募集があること、そして③出願期間中に高知県の国公立学校の臨時教員として配置されていること。③の要件があるため、他県で働いている方や現場を離れている方は対象になりません。なお高等学校教諭については、免除条件の見直しが予告されています(前述)。

Q. 講師経験が2年しかありません。何か使える制度はありますか?

A. 本県の臨時教員経験による一部免除は「通算24か月以上」なので、月数の数え方を確認してみてください。1日でも任用のあった月は1か月として計算し、期間は連続していなくてよく、異校種・異教科の勤務も通算できます(要項に明記)。非常勤講師(時間講師・週8時間以上)も臨時教員に含まれます。なお、この一部免除には、令和8年4月13日までの通算24か月以上に加えて、出願期間中に本県の国公立学校の任期付教員または臨時教員として配置されていることも必要です。24か月に届かない場合は一般選考ですが、複数免許などの加点は申請できます。

Q. 障害者特別選考はどんな配慮がありますか?

A. 募集は合計4人程度(一般選考の採用予定者数とは別枠)。障害者特別選考申請書(様式1)の「受審の際の配慮事項」欄に記入すると、点字・拡大文字・手話等による受審、車いすや拡大鏡の使用など、障害の状況や程度に応じた対応がされます(補助具は各自で用意)。また、令和9年度採用の要項では原則として禁止されている車での送迎も、障害者特別選考の対象者が希望し、様式1の「受審の際の配慮事項」欄に記入すれば乗り入れが認められます。審査方法は第1次・第2次とも一般選考と同様です。

Q. 現職・元職教員特別選考と、第1次審査の全部免除は何が違うのですか?

A. まったく別の制度です。第1次審査の全部免除は、一般選考の枠のなかで第1次審査だけが免除されるもので、第2次審査は他の受験者と同じ日程・同じ内容(模擬授業〔口頭試問を含む〕+個別面接。対象教科は実技審査も実施)です。一方現職・元職教員特別選考は、採用予定数が別枠で、審査もオンライン面接+応募書類、日程も9月と1月です。現職・元職教員特別選考は同年度内に1回のみ受審できます。出願区分の選び方は、要項で確認してください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は要項で追えますが、「どのルートで受けて、面接で何を聞かれたか」は受験した方の報告でしか集まりません。高知県の実録は令和8年10月時点で4名分です。受験された方は、ぜひこれから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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