【教員採用試験】高知県の申告書・自己評価書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算

こんにちは、金井志津乃です! 

高知県って、二次のときに「申告書」と「自己評価書」を出すんですよね。面接でそこから聞かれるって聞いたんですけど、様式が手元に来るのが一次の結果のあとで……いつ書けばいいんでしょう?

そこが高知県の落とし穴です! 様式は第1次審査の結果通知のあとにマイページで案内されて、提出期限は7月8日(令和9年度採用の場合)。一次の結果が6月26日ですから、書ける期間は2週間もありません。しかも受験者報告には「申告書より」と記された質問が複数あります。中身の作り込みは、いま始めてください!

この記事では、高知県公立学校教員採用候補者選考審査の第2次審査で提出する「申告書」「自己評価書」について、受験者4名の面接報告から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則をまとめます。

この記事の根拠

  • 提出の仕組み・時期は令和9年度採用(令和8年度実施)の募集要項および「出願の手引き」と照合済み
  • 令和6年度〜8年度採用の受験者4名の個別面接報告から、申告書・自己PR・経歴に関する質問を整理(個人が特定できる表現は一般化)
  • 市販の全国版過去問集にも、確認できた範囲で「自己評価書で〜」「申告書の自己PR、志望動機などから〜」という設問メモが見られます
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

高知県の提出書類|30秒でわかる仕組み

何を出す自己評価書と申告書。小学校教諭および特別支援学校小学部教諭の受審者は実技調書も。
いつ手に入る様式や記入項目の詳細は、第1次審査の結果通知および第2次審査受審案内の際にマイページで知らされます(募集要項に明記)
いつ出す令和8年7月8日(水)必着。第1次審査の結果通知は6月26日(金)に行われたので、実質2週間弱。
誰が読む第2次審査の面接審査の審査員が読むと考えられます。模擬授業・口頭試問に続く個別面接で、この書類をもとに質問された報告があります。
どう使われる受験者報告:「(申告書より)自己PRから、挫折経験について詳しく教えてください」「(申告書より)『賞罰なし』と書いてありますが、間違いないですか」。市販過去問集にも、自己評価書や申告書の自己PR・志望動機などの内容から質問された、という設問メモが見られます。
出願時(3〜4月)に書くもの申込システム「パブリックコネクト」の「職歴・学歴」欄(学歴は中学校から最終学歴まで)と証明写真。システムの「自己PR」欄・「資格・語学力」欄は入力不要と手引きに明記されています。

※出典:令和9年度採用 募集要項「5 第2次審査」、「出願の手引き」((4)会員登録(その②))

ここ、とても大事です。出願のときに書く自己PR欄は「入力不要」で、勝負の書類は二次の直前に案内される——つまり高知県は「出願=書類作成」ではありません。一次の結果を待ってから書き始めると、筆記の疲れが抜けないまま、面接準備と並行して2週間で仕上げることになります。中身(何を書くか)は今から作って、様式が来たら流し込むだけにしておきましょう。

面接で「申告書」のどこを聞かれたか|受験者4名の報告から

高知県を受験した方の面接報告を読むと、提出書類に書いた内容を深掘りされた報告があります。報告を、聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴・所属団体などが特定できる表現は一般化しています)。

パターン① 志望動機と自己PRを「経験を踏まえて」
  • 教員の志望動機は何ですか。/教員を志望した理由を教えてください(自己PRを含めて)。
  • なぜ高知県を受験したのですか。/小学校教諭の志望動機を教えてください。
  • 目指す教師像を教えてください。/どんな子どもを育てたいですか。
  • (申告書より)自己PRから、挫折経験について詳しく教えてください。
パターン② 経歴の深掘り→「なぜそうしたのか」
  • (申告書より)自主的な研究サークルへの参加期間について、その理由を教えてください。
  • (申告書より)高校時代の部活動で部長を務めたとありますが、苦労したことは何ですか。
  • (申告書より)前職から教職に戻った理由を教えてください。
  • 講師としての勤務で大変だったことは何ですか。→ どのように乗り越えましたか。
  • 教職の専門性を高めるために、どんなことに取り組んでいますか。
パターン③ 書いた事実の確認
  • (面接の冒頭)教員免許・賞罰の確認。
  • (申告書より)「賞罰なし」と書いてありますが、間違いないですか。
  • 本県のどこでも勤務することができますか。/高知県内の勤務(東西に長い)で配慮することはありますか。
  • 健康上、聞いておいた方がいいことはありますか。
  • 採用されたら、担任の希望はありますか(低学年、中学年、高学年、特別支援学級、どこでも)。

3つのパターンに共通するのは、面接官が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いていることです。サークルの参加期間を書けば「なぜその期間なのか」、部長経験を書けば「苦労したこと」、前職を書けば「なぜ戻ったのか」。申告書は、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所なのです。

そして令和9年度採用からは、要項に「受審書類において過去の懲戒処分等の確認を徹底する」「面接審査では不祥事防止の視点を強化」と明記されました。パターン③の事実確認は、これから一層丁寧になると考えてください。

志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、のどれかになります。「ここを突っ込んでほしい」ものを2〜3個に絞って書く。これが種の撒き方です。

②突っ込み質問を考えながら書く

高知県の実録が、まさにこれを証明しています。サークルの活動年数を書けば「なぜその年数なのか」、部活動の役職を書けば「苦労したこと」、職歴を書けば「なぜ教職に戻ったのか」。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえません。「書くか書かないか選べないこと」(職歴や在籍期間など)は、突っ込まれたときの答えを事前に考えておくのがベストです。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を書き、自己PRでも「受容性・傾聴力・協働力」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になります。高知県は二次で面接審査300点と模擬授業等200点(実技のある教科は模擬授業100点+実技100点)。授業力を見る比重も小さくない県です。授業力と生徒指導力、志望動機と自己PRで補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

④項目の意図を正確に読む

高知県は「申告書」と「自己評価書」の2種類です。名前が違うということは、聞かれていることも違います。「自己評価書」は自分の力を自分でどう評価しているかを書く欄、「申告書」は経歴や事実を申告しつつ、自己PR・志望動機を述べる欄——と受験者報告からは読み取れます(様式の正確な項目は、第2次審査受審案内でマイページに知らされるものを必ず確認してください)。

いずれにせよ、自己PRを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るためです。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本になります。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

手書きで提出する書類は、上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、必ず何人かに読んでもらってください。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した志願書ほど、どんな面接官にも魅力が伝わるものになります。

志願書の書き方の全体像は、この動画にまとめています。

自己PRの作り方|最初の3ステップと、私の実例

自己PRの作り方は、動画では5つの手順でお話ししています。ここではその最初の3つを紹介します。

  1. 要項と教育振興基本計画から、その自治体が求める人材像のキーワードを拾う(高知県なら、要項に載っている「求める教員像」の4項目)
  2. 教員としての能力を磨くためにやってきたことを書き出す(ボランティア、練習会、現場での実践、研修…)
  3. その経験に生きた性格・長所を紐づける(先に長所を決めるのではなく、行動から逆算する)

大切なのは、3つの長所のバランスと、2文目に「なぜやってきたのか」という目的、そして3〜4文目に「突っ込みたくなる抽象度」で種を撒くこと。私が新卒で教員採用試験を受けたときの自己PRを一文ずつ解説した記事があるので、実物で確認したい方はこちらをどうぞ。

■ 私が新卒で受験したときの自己PR全文と、一文ごとの意図

高知県で必ず用意しておきたい「挫折経験」

高知県の実録では、「(申告書より)自己PRから、挫折経験について詳しく教えてください」「挫折をどうやって乗り越えてきましたか」が2年分の報告に登場しています。このうち令和6年度採用の報告では、申告書の自己PRから挫折経験を質問されています。

私自身は、大学受験の浪人時代に勉強を頑張れなかったことが、一番自分のことを嫌いになる挫折だったと思っています。頑張れないことなんて誰でもあると受け入れてあげたうえで、頑張れるときにしっかり自分を頑張らせてあげる——この塩梅が大事だと思っています。

高知県の求める教員像に着地させる

申告書も自己評価書も、最後は「高知県が求めている教員像」に着地させます。募集要項の「高知県の求める教員像」(冊子18頁・PDF19頁)に、はっきり書かれています。

高知県の求める教員像(募集要項より)
  1. 教育の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感があり、自律的に学ぶ姿勢を持ち、生涯にわたって資質・能力を高めていける人
  2. 教育の専門家として、教科指導力、子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級づくりの力などのある人
  3. 豊かな人間性や社会性、常識と教養、対人関係能力などを備え、組織の一員としての自覚を持ち、多様性や包摂性を尊重し、協働できる人
  4. 教員としてのセルフマネジメント力のある人

また高知県の教育が「目指す人間像(基本理念)」は、①学ぶ意欲にあふれ、心豊かでたくましく夢に向かって羽ばたく人 ②郷土への愛着と誇りを持ち、高い志を掲げ、日本や高知の未来を切り拓く人 ③多様な個性や生き方を互いに認め、尊重し、協働し合う人 の3つです。

4つ目に「セルフマネジメント力」が独立して挙がっている自治体は、そう多くありません。高知県の実録でも「教員の病休が多いですが、ストレス解消法は何ですか」「教師を続けていく自信はありますか」と聞かれています。自己PRのどこかに「自分を整える力」を仕込んでおくと、この質問がそのまま得点になりますよ!

そして②の教師像は、模擬授業で見られる力と通じるところがあります。高知県は二次で模擬授業等200点(実技のある教科は模擬授業100点)。自己PRに「授業をこう作ってきた」という一文が入っていれば、模擬授業の直後の口頭試問と話が一本につながります。

書いたあとにやること|深掘りツリーを作る

申告書を出したら終わり、ではありません。提出した1文につき、質問を3段まで想定する——これは私の型で、「深掘りツリー」と呼んでいます。以下は、実録にある質問を参考にした練習用の想定例です。実際にこの順序・組み合わせで質問されたという意味ではありません。

書いたこと1段目2段目3段目
講師として勤務大変だったことは何ですかどのように乗り越えましたかその経験を高知県でどう生かしますか
自己PRに「挫折を乗り越えた」挫折経験を詳しく教えてくださいどうやって乗り越えましたか同じように挫折した子どもに、あなたは何と声をかけますか
研究サークルに所属どんな活動ですかなぜその期間だったのですか教職の専門性を高めるために、今は何に取り組んでいますか
前職の経験なぜ教職に戻ったのですか前職で身につけた力は何ですかそれを学校現場でどう生かしますか

高知県の面接は、確認できた範囲の市販過去問集の記録では追質問がつながる質問は少なめで、1問1答が中心になりやすい県です。それでも実録には、「いじめはゼロにできますか」→「その手立ては何ですか」のように、最大2段の連鎖が記録されています。数は多く、たまに深い——この構えで準備してください。面接ノートの作り方は、この動画で。

■ 高知県の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(二次は模擬授業+個別面接)

よくある質問

Q. 申告書・自己評価書の様式はいつ手に入りますか?

A. 募集要項には「詳細は、第1次審査の結果通知及び第2次審査受審案内の際にマイページにお知らせします」と書かれています。令和9年度採用では第1次審査結果が6月26日(金)に発表され、提出期限は7月8日(水)必着でした。2週間弱で仕上げることになるので、内容の下書きは一次を受ける前に作っておいてください。

Q. 出願のとき(3〜4月)に自己PRを書くのですか?

A. いいえ。「出願の手引き」には、申込システム(パブリックコネクト)の「基本情報」の自己PR欄・資格・語学力欄、「希望条件」「スカウト設定」は入力不要と明記されています。会員登録情報として必要なのは、氏名・電話番号・証明写真・住所と、「職歴・学歴」の応募時必須の欄(学歴は中学校から最終学歴まで)です。自己PRは、二次の提出書類で書きます。

Q. 実技調書とは何ですか?

A. 募集要項では第2次審査の提出書類のひとつとして「実技調書(小学校教諭及び特別支援学校小学部教諭受審者のみ)」と記載されています。小学校系の受審者だけが提出する書類です。様式・記入項目は自己評価書・申告書と同じく、第2次審査受審案内の際にマイページで案内されます。

Q. 出願のときに提出する書類もありますか?

A. あります。ただしこれは申請をする人だけです。障害者特別選考申請書(様式1)、臨時教員経験等による免除申請書(様式2)、現職・元教員の免除申請書(様式3)、現職・元職教員特別選考申請書(様式4)と実績調書(様式5)、社会人経験による免除申請書(様式6)と実績調書(様式7)、加点申請書(様式8)、大学等推薦特別選考申請書(様式9)、大学3回生対象の免除申請書(様式10)、推薦書(様式11)、在学証明書。出願受付期間内に郵送または持参が必要で、簡易書留による郵送が推奨(宅配便は不可)です。

■ 高知県の特別選考と一次免除ルート|大学3回生・臨時教員・現職元職・加点13項目

Q. 書ける実績が何もありません。どうすればいいですか?

A. 「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。教育実習でも、ボランティアでも、講師としての1年でも、この形で書けるエピソードが1つあれば十分です。むしろ、そういう等身大の話のほうが、深掘りされたときに強い。奇抜さより、掘られてもちゃんと中身が出てくることを大事にしてください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

申告書・自己評価書の様式は、二次に進んだ人しか目にできません。「どんな項目があったか」「何字だったか」「どこを聞かれたか」——受験された方の報告が、次の年度の受験生にとって何よりの手がかりになります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

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