こんにちは、金井志津乃です!

愛媛県の倍率って、資料によって数字が違う気がするんです……。1.9倍って書いてあったり2.2倍って書いてあったり。どれを見ればいいんですか?

いい着眼点です! 愛媛県は資料ごとに倍率の計算式が違うんです。「志願者÷採用予定」「受験者÷採用候補者」「受験者÷採用者」の3つ。この記事ではどちらの数字かを毎回明記して、7年分を整理していきますね!
この記事では、愛媛県公立学校教員採用選考試験の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況・第1次結果と令和3年度採用からの推移を、校種別・教科別・選考種別にまとめます。
この記事の根拠
- 数字はすべて愛媛県教育委員会と文部科学省の公表資料(志願者数・第1次選考試験合格者・選考試験結果等について・実施状況調査)から集計。推定値は使っていません。
- 令和9年度採用の第1次合格者数は、8月7日公表の受験番号一覧を当ブログで集計したものです(後述の注意点もお読みください)
- 面接で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →愛媛県の個人面接|受験者7名の実録と傾向
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
- 志願倍率=志願者数 ÷ 採用予定者数……愛媛県「志願者数」資料の定義。大学3回生等特別選考の志願者は除いた数(県の注記による)。
- 最終倍率=受験者数 ÷ 採用候補者数……愛媛県「選考試験結果等について」の定義。前期・後期の合計。
- 競争率=受験者数 ÷ 採用者数……文部科学省「実施状況調査」の定義。採用者数は翌年4月1日〜6月1日に実際に採用された人数であり、採用候補者数とは集計対象・時点が異なります(全国比較にはこちらを使用)。
3つとも「愛媛県の倍率」ですが、数字は変わります。本記事では表ごとにどの定義かを明記しています。
- 令和9年度採用の志願倍率は2.2倍(志願1,066人・採用予定488名程度)。前年と同じ水準です。
- 令和8年度採用の最終倍率は1.9倍(受験882人・採用候補者469人)。全国と同じ年度・定義で比べると、令和7年度採用の文部科学省調査では愛媛県の競争率2.2倍、全国2.9倍です。
- 校種差が大きい:小学校1.3倍・中学校1.9倍・県立学校3.1倍、養護教員7.0倍・栄養教員8.7倍(令和9年度・志願倍率)
- 受験者は5年で1,377人→968人へ減少(令和3年度〜7年度採用)。一方で採用予定は、令和7〜9年度採用では460〜488名程度で推移しています。
- 大学3回生等特別選考が急拡大。令和9年度は327人が志願(前年201人)。令和8年度の合格率は71.4%。
- 令和8年度の採用候補者469人の内訳は新卒308人・県内講師経験者86人・民間企業経験者25人・他県現職教員24人
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況|志願倍率2.2倍
愛媛県教育委員会が公表した志願者数です。採用予定488名程度に対し志願者1,066人、志願倍率2.2倍。これとは別に、大学3回生等特別選考に327人が志願しています。
| 試験区分 | 採用予定 | 志願者 | 大学3回生等 | 志願倍率 | 前年の志願倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 185名程度 | 238人 | 108人 | 1.3倍 | 1.4倍 |
| 中学校 | 175名程度 | 332人 | 104人 | 1.9倍 | 2.1倍 |
| 県立学校(高校・特別支援) | 105名程度 | 330人 | 76人 | 3.1倍 | 2.7倍 |
| 養護教員 | 20名程度 | 140人 | 39人 | 7.0倍 | 6.7倍 |
| 栄養教員 | 若干名(3名程度) | 26人 | 0人 | 8.7倍 | 7.7倍 |
| 合計 | 488名程度 | 1,066人 | 327人 | 2.2倍 | 2.2倍 |
※志願倍率=志願者数÷採用予定者数。志願者数・倍率は大学3回生等特別選考の志願者を除いた数(県の注記による)。障がい者特別選考の志願者3人は上記に含まれます(採用予定10名程度は一般選考の採用予定数には含まれません)。
出典:愛媛県教育委員会「令和9年度教員採用選考試験志願者数」
教科別の志願状況(中学校・県立学校)
| 中学校 | 採用予定 | 志願者 | 大学3回生等 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 20名程度 | 52人 | 15人 |
| 社会 | 20名程度 | 55人 | 20人 |
| 数学 | 20名程度 | 42人 | 11人 |
| 理科 | 20名程度 | 25人 | 5人 |
| 音楽 | 5名程度 | 10人 | 4人 |
| 美術 | 5名程度 | 7人 | 0人 |
| 保健体育 | 35名程度 | 91人 | 35人 |
| 技術 | 5名程度 | 7人 | 1人 |
| 家庭 | 5名程度 | 5人 | 4人 |
| 英語 | 40名程度 | 38人 | 9人 |
| 合計 | 175名程度 | 332人 | 104人 |
| 県立学校 | 採用予定 | 志願者 | 大学3回生等 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 10名程度 | 18人 | 9人 |
| 地理歴史 | 若干名 | 36人 | 12人 |
| 公民 | 若干名 | 16人 | 1人 |
| 数学 | 10名程度 | 31人 | 6人 |
| 理科 | 10名程度 | 31人 | 6人 |
| 保健体育 | 10名程度 | 64人 | 13人 |
| 音楽 | 若干名 | 9人 | 2人 |
| 美術 | 若干名 | 8人 | 1人 |
| 書道(国語) | 若干名 | 6人 | 0人 |
| 英語 | 10名程度 | 17人 | 3人 |
| 家庭 | 5名程度 | 6人 | 4人 |
| 情報 | 若干名 | 8人 | 4人 |
| 農業 | 5名程度 | 3人 | 1人 |
| 工業 | 5名程度 | 7人 | 0人 |
| 商業 | 5名程度 | 14人 | 2人 |
| 水産 | 若干名 | 3人 | 1人 |
| 福祉 | 若干名 | 5人 | 0人 |
| 特別支援 | 20名程度 | 48人 | 11人 |
| 合計 | 105名程度 | 330人 | 76人 |
※出典:愛媛県教育委員会「令和9年度教員採用選考試験志願者数」。
「若干名」の区分は志願倍率が算出できません。

注目は中学校英語です。採用予定40名程度に対して志願者38人——採用予定より志願者のほうが少ない。これは令和9年度採用から「中学校英語の区分で選考した人を、本人の希望で小学校の外国語(英語)専科教員として配置する」制度が加わり、採用予定が20名程度から倍増したためと考えられます。中学校美術は採用予定5名程度に志願者7人、中学校家庭は5名程度に5人です。倍率の数字は、その年の採用予定人員に大きく左右されます。
令和9年度採用 前期第1次選考試験の結果(8月7日発表)
8月7日に公表された前期第1次選考試験の合格者一覧(受験番号)を、当ブログで数えました。
| 小学校教員 | 311件 |
| 中学校教員 | 340件 |
| 県立学校教員 | 235件 |
| 養護教員 | 45件 |
| 栄養教員 | 7件 |
| 合計 | 938件 |
この数字の読み方(重要)
- 当ブログ集計です。愛媛県教育委員会が公表した受験番号一覧の件数を数えたもので、県が人数を公表しているわけではありません。
- 前期第1次選考試験の全てを免除された方(大学等推薦・大学3回生等特別選考の通過者・教職経験者・現職教員・講師等の各特別選考)は、この一覧に含まれないとみられます。したがって志願者数と直接比べて「一次の合格率」を出すことはできません。
- この件数には、大学3回生等特別選考で一次に合格した方(翌年度の一次免除の権利を得る方)も含まれます
令和9年度採用の前期第2次選考試験の合格発表は、令和8年9月18日に行われました(志願要項では「9月中旬(予定)」とされていました)(小学校教員・中学校教員・県立学校教員・養護教員・栄養教員の別に合格者の受験番号を公表)。人数・倍率の統計は令和8年10月時点では未公表で、最終的な倍率は、10月頃に公表される見込みの「選考試験結果等について」で確定します。公表後に、この記事を更新します。
令和8年度採用の最終結果|最終倍率1.9倍
令和8年10月時点で、最終結果が公表されているのは令和8年度採用(2025年夏実施)までです。前期・後期をあわせて受験882人・採用候補者469人・最終倍率1.9倍でした。
| 試験区分 | 前期 受験 | 前期 採用候補 | 後期 受験 | 後期 採用候補 | 前後期 受験 | 前後期 採用候補 | 最終倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 221人 | 154人 | 7人 | 5人 | 228人 | 159人 | 1.4倍 |
| 中学校 | 281人 | 166人 | 3人 | 2人 | 284人 | 168人 | 1.7倍 |
| 県立学校 | 238人 | 102人 | 9人 | 7人 | 247人 | 109人 | 2.3倍 |
| 養護教員 | 102人 | 29人 | — | — | 102人 | 29人 | 3.5倍 |
| 栄養教員 | 21人 | 4人 | — | — | 21人 | 4人 | 5.3倍 |
| 合計 | 863人 | 455人 | 19人 | 14人 | 882人 | 469人 | 1.9倍 |
※最終倍率=前後期の受験者数÷採用候補者数。障がい者特別選考の受験者・採用候補者(令和8年度採用は0人)は上記に含まれます。採用予定10名程度は一般選考の採用予定数には含まれません。後期選考試験は他県の現職教員等が対象で、養護教員・栄養教員は実施しません。
出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」
参考までに、前年の令和7年度採用は前後期あわせて受験967人・採用候補者481人・最終倍率2.0倍(小学校1.4倍・中学校1.7倍・県立学校3.1倍・養護教員6.4倍。栄養教員は実施なし)でした。
教科別の受験者数・採用候補者数(令和8年度採用)
| 中学校 | 受験者(前後期) | 採用候補者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 40人 | 24人 | 1.7倍 |
| 社会 | 42人 | 20人 | 2.1倍 |
| 数学 | 33人 | 17人 | 1.9倍 |
| 理科 | 25人 | 21人 | 1.2倍 |
| 音楽 | 16人 | 8人 | 2.0倍 |
| 美術 | 6人 | 4人 | 1.5倍 |
| 保健体育 | 86人 | 47人 | 1.8倍 |
| 技術 | 6人 | 6人 | 1.0倍 |
| 家庭 | 4人 | 4人 | 1.0倍 |
| 英語 | 26人 | 17人 | 1.5倍 |
| 合計 | 284人 | 168人 | 1.7倍 |
| 県立学校 | 受験者(前後期) | 採用候補者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 17人 | 10人 | 1.7倍 |
| 地理歴史 | 25人 | 4人 | 6.3倍 |
| 公民 | 11人 | 2人 | 5.5倍 |
| 数学 | 28人 | 11人 | 2.5倍 |
| 理科 | 25人 | 6人 | 4.2倍 |
| 保健体育 | 46人 | 11人 | 4.2倍 |
| 音楽 | 5人 | 5人 | 1.0倍 |
| 美術 | 3人 | 3人 | 1.0倍 |
| 書道(国語) | 2人 | 2人 | 1.0倍 |
| 英語 | 19人 | 11人 | 1.7倍 |
| 家庭 | 5人 | 5人 | 1.0倍 |
| 情報 | 3人 | 2人 | 1.5倍 |
| 農業 | 5人 | 4人 | 1.3倍 |
| 工業 | 4人 | 2人 | 2.0倍 |
| 商業 | 8人 | 3人 | 2.7倍 |
| 水産 | 3人 | 2人 | 1.5倍 |
| 福祉 | 2人 | 2人 | 1.0倍 |
| 特別支援 | 36人 | 24人 | 1.5倍 |
| 合計 | 247人 | 109人 | 2.3倍 |
※倍率=前後期の受験者数÷採用候補者数(前期の教科別倍率は県が公表しており、前後期合計の倍率は当ブログ算出)。
出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」および「令和9年度愛媛県公立学校教員採用選考試験概要」参考・試験実施状況
この2つの教科別の表(中学校・県立学校)がいちばん実用的です。中学校は理科1.2倍・技術1.0倍・家庭1.0倍と、令和8年度採用では受験者の多くが採用候補者になった教科がある一方、県立学校の地理歴史6.3倍・公民5.5倍・保健体育4.2倍・理科4.2倍は狭き門。同じ「愛媛県」でも、教科によって難易度がまったく違います。
5年間の推移|受験者は増加した年もあるものの減少傾向、競争率は3.5倍→2.2倍へ
県が公表している「結果等について」は、令和7年度採用・令和8年度採用の2年分しか確認できていないため、5年間の推移は文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」で追います。こちらの倍率は受験者数÷採用者数(競争率)で、全国のどの自治体とも同じ基準で比べられます。
| 採用年度(実施) | 受験者 | 採用者 | 競争率 | 全国平均 |
|---|---|---|---|---|
| 令和3年度(2020夏) | 1,377人 | 393人 | 3.5倍 | 3.8倍 |
| 令和4年度(2021夏) | 1,192人 | 387人 | 3.1倍 | 3.7倍 |
| 令和5年度(2022夏) | 1,209人 | 409人 | 3.0倍 | 3.4倍 |
| 令和6年度(2023夏) | 1,125人 | 422人 | 2.7倍 | 3.2倍 |
| 令和7年度(2024夏) | 968人 | 435人 | 2.2倍 | 2.9倍 |
※競争率=受験者数÷採用者数。採用者数は翌年4月1日〜6月1日に採用された人数(過年度の合格者を含む)で、県公表の「採用候補者数」とは集計対象・時点が異なります。
出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」各年度版
校種別の競争率推移(令和3年度〜7年度採用)
| 校種 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | R7全国平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 2.1 | 2.0 | 2.1 | 2.0 | 1.6 | 2.0 |
| 中学校 | 3.9 | 3.1 | 3.3 | 2.5 | 1.9 | 3.6 |
| 高等学校 | 7.0 | 5.0 | 3.6 | 3.8 | 3.6 | 3.8 |
| 特別支援学校 | 2.3 | 2.1 | 2.0 | 2.2 | 1.6 | 2.0 |
| 養護教諭 | 5.9 | 9.7 | 7.1 | 7.9 | 7.4 | 8.2 |
| 栄養教諭 | 12.3 | 36.0 | 36.0 | — | — | 9.9 |
| 合計 | 3.5 | 3.1 | 3.0 | 2.7 | 2.2 | 2.9 |
※単位は「倍」(受験者数÷採用者数)。R3=令和3年度採用(2020年夏実施)…R7=令和7年度採用(2024年夏実施)。栄養教諭のR6・R7が「—」なのは、この年度に栄養教員の採用選考が行われていないためです(令和8年度採用から再開)。
出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」各年度版
受験者数の推移(校種別)
| 校種 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 425 | 379 | 373 | 359 | 292 |
| 中学校 | 355 | 303 | 322 | 295 | 273 |
| 高等学校 | 380 | 317 | 324 | 319 | 270 |
| 特別支援学校 | 57 | 50 | 55 | 49 | 37 |
| 養護教諭 | 123 | 107 | 99 | 103 | 96 |
| 栄養教諭 | 37 | 36 | 36 | — | — |
| 合計 | 1,377 | 1,192 | 1,209 | 1,125 | 968 |
※出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」各年度版
校種ごとの読み解き
小学校:受験者は5年で425人→292人と3割減。一方で採用予定は185〜220名程度を維持しているため、競争率は2.1倍→1.6倍まで下がりました。令和9年度採用の志願倍率は1.3倍——愛媛県で最も門戸が広い区分です。ただし小学校の志願者238人とは別に、大学3回生等特別選考に108人が志願している点にも注意が必要です。
中学校:競争率が3.9倍→1.9倍と、高等学校と並んで大きく下がった校種です。とくに理科(1.2倍)・技術(1.0倍)・家庭(1.0倍)は令和8年度採用で受験者の多くが採用候補者になっています(技術・家庭は全員、理科は25人中21人)。令和9年度採用は英語の採用予定が40名程度で、令和8年度採用の20名程度から倍増しています(小学校外国語専科教員の追加が背景にあるとみられます)。免許を持っている方には有利な状況と考えられます。
高等学校:令和3年度採用は7.0倍でしたが、令和7年度採用は3.6倍で全国平均(3.8倍)並みに。ただし教科差が非常に大きく、地理歴史・公民・保健体育・理科は令和8年度採用でも4〜6倍台でした。逆に音楽・美術・書道・家庭・福祉は受験者数そのものが1桁で、令和8年度採用は全員が採用候補者になりました。
特別支援学校:競争率1.6倍。令和9年度採用の志願者は48人(前年34人)と増えましたが、採用予定20名程度に対してまだ2倍台です。高等学校の区分で採用された人が特別支援学校に配置されることもあり、面接で「特別支援学校に配属されてもよいか」を確認された記録があります(公刊過去問)。
養護教員・栄養教員:この2区分だけは別世界です。養護教員は志願倍率7.0倍、栄養教員は8.7倍。しかも栄養教員は令和6・7年度採用で選考そのものが実施されていない年があり、令和8年度採用から再開されました。「その年に募集があるか」「採用予定は何人か」を真っ先に確認してください。

愛媛県の倍率は、受験者が減ってきたことが一因と考えられます。採用予定は460〜490名程度で、大きくは減っていません。つまり令和9年度採用の数字のうえでは入りやすい状況——でも、一般選考等の二次は、面接80点(実技試験等を実施する教科と養護教員は面接60点+実技20点)に、小論文20点と一次の換算点を合わせて評価されます(高校・特別支援学校の教職経験者/現職教員特別選考は別の配点です)。倍率が下がっても「面接で見られる中身」は変わりません。
大学3回生等特別選考の存在感|志願327人・合格率71.4%
愛媛県の倍率を読むうえで見落とせないのが、大学3回生等特別選考です。大学3回生のうちに前期第1次選考試験を受け、合格すれば(申請により、同一の試験区分で志願する場合)翌年(4回生)は一次免除で二次だけ——という制度で、志願者が急増しています。
| 年度 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 特支 | 養護 | 栄養 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年度採用 受験 | 68 | 56 | 32 | 8 | 11 | 0 | 175人 |
| 令和8年度採用 合格 | 66 | 36 | 15 | 7 | 1 | 0 | 125人 |
| 令和9年度採用 志願 | 108 | 104 | 76(県立学校) | 39 | 0 | 327人 | |
※令和8年度採用の合格率は県公表で71.4%(125人÷175人)。小学校は68人中66人が合格しています。令和9年度採用は志願段階の数字です。
出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」「令和9年度教員採用選考試験志願者数」
令和8年度採用の試験で、前年度に大学3回生等特別選考(通過者対象)を通過して一次免除で二次を受けた人の結果は、受験61人→採用候補者55人(約90%)でした。上の表の令和8年度採用の合格者125人の翌年の結果ではありません。小学校29人→26人、中学校24人→23人、高校7人→5人でした。

大学生の方は、この制度の活用をおすすめします。3回生で一次を通しておけば、4回生の夏は前期第2次選考試験の対策に集中できます。ただし適性検査もあり、対象教科・養護教員では実技試験等も実施されます。しかも令和9年度採用から受験資格が緩和されました(令和8年5月29日時点で最終年次の1年前の学年に在籍し、令和10年3月31日までに卒業・所要の普通免許状取得の見込みがあること等が必要です。昭和43年4月2日以降生まれなど、共通の受験資格も確認してください)。ただし大学3回生等特別選考の受験は在籍する大学等につき一度限りなので、受ける年は慎重に。
大学等推薦・講師等・教職経験者・現職教員など、9種類ある特別選考と10項目の加点は専用記事で整理しています。
■ 愛媛県の特別選考と一次免除ルート|大学3回生等・大学等推薦・講師等・現職教員・加点制度
合格者の顔ぶれ|新卒308人・県内講師86人・民間25人・他県現職24人
愛媛県は、採用候補者の内訳を公表しています。令和8年度採用(採用候補者469人)はこうでした。
| 区分 | 合格 | 小学校 | 中学校 | 県立学校 | 養護 | 栄養 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 新卒者 | 308人 | 121人 | 121人 | 51人 | 15人 | 0人 |
| 県内講師経験者 | 86人 | 11人 | 29人 | 31人 | 12人 | 3人 |
| 民間企業経験者 | 25人 | 2人 | 3人 | 16人 | 1人 | 3人 |
| 他県現職教員 | 24人 | 13人 | 4人 | 6人 | 0人 | 1人 |
※出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」5 その他。
採用候補者469人の全内訳ではなく、県が示した区分の人数です。
令和8年度採用のこの表から見えるのは、小学校は新卒が中心(121人)、県立学校は講師経験者31人・民間企業経験者16人と社会人ルートが強いという構図です。また他県現職教員が24人も採用されている点も愛媛県の特徴で、前期の現職教員特別選考と10月の後期選考試験の両方が用意されています。

常勤講師の方が「新卒より不利では」と心配されますが、私は逆だと考えています。講師の強みはクオリティ(現場での課題意識)・信用(積み重ね)・フレッシュさの3つ。「こういう課題意識を持ってこう実践し、子どもがこう変わった」とリアルに語れるのは講師だけです。愛媛県は県内講師経験者が86人も合格しています。自信を持ってください。
加点の実態|採用候補者の3人に1人が加点を受けている
令和8年度採用では、採用候補者469人のうち159人(33.9%)が加点を受けていました。令和9年度採用の志願要項では、加点は前期選考で1人あたり100点が上限(一次の合計点に加算)とされています。実際に多かった項目はこちらです。
| 加点項目 | 評価点 | 件数 | 前年 |
|---|---|---|---|
| 司書教諭 | 10点 | 67件 | 53件 |
| 防災士資格 | 10点 | 65件 | 47件 |
| 英検準1級相当 | 30点 | 16件 | 14件 |
| 中学校免許状(小学校志願者) | 20点 | 14件 | 26件 |
| 特別支援学校免許状 | 20点 | 11件 | 8件 |
| 他教科・小学校免許状(中学校志願者) | 20点 | 9件 | 4件 |
| スポーツ 全国大会出場 | 30点 | 9件 | 15件 |
| スポーツ 全国ベスト8 | 50点 | 9件 | 6件 |
| 英検1級相当/情報免許状/公民免許状 | 50点/100点/20点 | 各3件 | 各2〜4件 |
| 合計(全項目) | — | 215件 | 190件 |
※出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」4 加点の状況等。
1人が複数の加点を受ける場合があるため、件数の合計(215件)は加点者数(159人)を上回ります。

加点で一番多いのが司書教諭と防災士——どちらも10点ですが、この2つで132件です。一次は500点満点なので10点は2%分。小さく見えますが、愛媛県の小・中学校は志願倍率1〜2倍台の勝負。ボーダー付近では効く場合があります。しかも令和9年度採用では、出願締切日(5月29日)までに取得+証明書類の提出が必要とされています。狙うなら年内から動き始めることをおすすめします(令和10年度採用の締切は、2027年春に公表される要項で確認してください)。
倍率との付き合い方|「例年より高い」と感じたときに
ここまで見てきたように、愛媛県の倍率は「志願者の増減」と「採用予定人員」で動きます。つまり自分の力では変えられない要因です。私自身は、倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と前向きに捉えるようにしています。そのうえで、自分がコントロールできる準備に集中していきましょう。1分のショート動画にまとめています。
そして合格できない人には、校種ごとに傾向があると私は感じています。小学校は「厳しさと優しさのメリハリがない」「ユーモアと臨機応変さがない」「暗くて元気がなさそう」の3つ、中高は「人間性と教科の専門性のどちらかが欠けている」場合が多い、というのが私の印象です。
よくある質問
Q. 令和9年度採用の最終倍率はいつ分かりますか?
A. 前期第2次選考試験の合格発表は令和8年9月18日に行われました。令和8年10月時点で、後期選考試験の合格発表は10月下旬の予定です。校種別・教科別の受験者数と採用候補者数がそろった「選考試験結果等について」は、例年その後に公表されます(令和8年度採用分は令和9年度採用の試験概要にも参考資料として掲載)。この記事も公表後に更新します。
Q. 「採用候補者」と「採用者」は違うのですか?
A. 違います。愛媛県が公表するのは採用候補者数(=合格者数)で、文部科学省の調査は実際に採用された人数です。たとえば令和7年度採用の小学校は、県公表の採用候補者206人に対し、文科省調査の採用者は182人。両者は集計の対象と時点が異なります(文科省調査の採用者数は4月1日〜6月1日に採用された人数で、過年度の合格者を含みます)。倍率を比べるときは、必ずどちらの数字かを確認してください。
Q. 追加合格はありますか?
A. 試験区分によってはあります。令和9年度採用の志願要項に「前期第2次選考試験結果を通知後、採用内定者に欠員が出た場合等、試験区分によっては、合格者を追加することがある。この場合、追加合格者には、令和8年12月25日(金)までに個別に通知する。」と明記されています。9月の発表で不合格でも、令和8年12月25日までは追加合格の通知が来る可能性があるということです。
Q. 一次の合格ラインは公表されていますか?
A. 合格ラインは公表されていません。ただし愛媛県は結果の開示請求ができ、前期第1次選考試験については、教職専門科目・専門教科の得点、加点制度による評価点、総合得点、総合順位が本人に開示されます(不合格者と大学3回生等特別選考の受験者が対象)。総合順位まで教えてもらえるのは、次に生かすうえで貴重です。一般的には、筆記で7割ぐらいを目安にするという考え方もありますが、愛媛県が足切りの基準を公表しているわけではありません(自治体によってボーダーの幅は変わるかもしれません)。
Q. 松山市など、市ごとに別の採用試験はありますか?
A. ありません。愛媛県には政令指定都市がないため、県内すべての公立学校(小・中・高・中等教育学校・特別支援学校)の教員は愛媛県教育委員会が一括して採用します。この記事の数字は愛媛県全域のものです。
Q. 倍率が低いなら、対策は軽くていいですか?
A. いいえ。令和9年度採用の志願要項では、一般選考等の前期第2次の面接は80点(実技試験等を実施する教科と養護教員は面接60点+実技20点)です。一次の得点は(500点+加点)の10分の1に換算されて持ち越されるので、加点がなければ一次で満点を取っても50点分です(配点表では第1次総得点換算点は50点です。加点を含めた場合や、一次を免除される方の扱いは、志願要項の配点表からは読み取れません)。高校・特別支援学校の教職経験者/現職教員特別選考は別の配点です。令和8年度採用の最終倍率が1.4倍だった小学校でも、二次で落ちる人は落ちます。「筆記さえ通ればいい」と考えて面接準備が薄くなる人もいるため、面接対策の差が出やすい試験だと考えられます。
■ 愛媛県の個人面接|受験者7名の実録と5年間の出題傾向
■ 愛媛県の小論文|過去5年の出題テーマと書き方(受験者報告つき)
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」「小論文に何が出たか」は受験した方の報告でしか集まりません。愛媛県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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