こんにちは、金井志津乃です!

広島の出願って、自己アピールを800字も書くんですよね……。しかも「テーマを1つ選べ」って。何を選べばいいんでしょうか?

そうなんです。広島は800字+400字の2本立て。しかも特別選考(臨時的任用)以外で出願する方(大学3年生等チャレンジ受験を除く)は、1本目が4つのテーマから1つ選んで「教員になって特に実践したいこと」を書くという、かなり踏み込んだ設問です。でも安心してください。選択肢そのものが広島の教育施策に通じるキーワードと考えられるので、選び方には筋道がありますよ!(令和9年度採用の出願要領の場合。選択テーマは年度で変わる可能性があります)
この記事では、広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の出願で入力する「自己アピール・教職実績報告」について、受験者9名の面接報告から「どこを聞かれたか」を逆算し、書き方の原則と設問ごとの考え方をまとめます。
この記事の根拠
- 設問・字数・提出の仕組みは令和9年度採用の出願要領・実施要項と照合済み
- 令和6年度〜8年度採用の受験者9名の面接報告から、志望動機・自己PR・経歴に関する質問を整理(個人が特定できる表現は一般化)
- 書き方の原則は、志願書の書き方を解説した私の動画でお話ししている注意点を土台にしています
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
「自己アピール・教職実績報告」欄|30秒でわかる仕組み
| 何に書く | 広島県電子申請システムの出願フォーム。入力項目A〜Fのうち「F 自己アピール・教職実績報告」がこの欄です(紙の願書ではありません)。 |
| いつ書く | 出願時。受付期間は令和9年度採用で4月6日(月)〜5月7日(木)17:00。出願と同時に提出なので、一次のあとで書く余裕はありません。 |
| 字数 | 自己アピール・教職実績報告1=800字以内/2=400字以内(合計1,200字) |
| 設問(1) | 【特別選考(臨時的任用)以外】次の選択肢から一つ選んだテーマについて教員になって特に実践したいこと □社会に開かれた教育課程 □主体的・対話的で深い学び □情報機器の活用 □個に応じた指導 【特別選考(臨時的任用)】広島県又は広島市の教育の方向性を踏まえ、あなたが所属校で課題解決に取り組んだ具体的な事例 |
| 設問(2) | 【特別選考(臨時的任用)以外】これまで力を入れて取り組んだことや自己アピールなど 【特別選考(臨時的任用)】上記1で記載した取組事例の成果と課題 |
| 書かなくていい人 | 一般選考【大学3年生等チャレンジ受験】で受験する人(3年次等で第1次だけ受ける人)。令和9年度採用の出願要領では、翌年、第2次から受けるときには入力が必要になります。 |
| 英語での入力 | グローバル人材を対象とした特別選考【外国人留学生等】で受験する場合は、自己アピールの英語での入力が可 |
| 誰が読む | 第2次選考試験の面接の質問のもとになると考えられます(実施要項には「出願内容、各試験項目等を考慮して総合的に判断」とあります)。受験者報告には「最後に自己PRせよ」、公刊過去問集には「自己アピールについて」という質問が残っています。 |
※出典:令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験出願要領「F 自己アピール・教職実績報告」(70)(71)、実施要項「8 出願手続」。
選択テーマは年度で変わる可能性があるため、必ずその年の出願要領で確認してください。
- 入力時間は約60分でタイムアウト。実施要項に「入力時間(約60分間)を超えると入力内容が破棄され、再度入力が必要となる」と明記されています。1,200字を画面上で考えながら書くのは難しいと考えてください。教育委員会のホームページにある「入力内容事前作成シート」を使い、完成した文章を貼り付けるだけの状態にしてから申請しましょう。
- 講師の方は学校のメールアドレス・パソコンが使えません。実施要項に「臨時的任用職員や会計年度任用職員等として学校に勤務している場合、学校で割り当てられている個人のメールアドレスを使用することはできません。また、学校のパソコンから申請等をすることはできません」とあります。私用のメールアドレスと端末を用意してください。
- 入力内容の控えを残しておくことをおすすめします。受験者報告には「県と市の両方を志願したつもりが、電子申請では『広島県』になっていた」と面接官から指摘されたという記録があります。申請完了画面の整理番号・パスワードとあわせて、入力した文章そのものを手元に保存しておきましょう。二次の面接で読み返す教材にもなります。
設問1(800字)|4つのテーマ、どれを選ぶか
ここが広島の自己アピールの核心です。「次の選択肢から一つ選んだテーマについて教員になって特に実践したいこと」——4つのテーマは、どれも学習指導要領と国の教育政策のど真ん中にあるキーワードです。
| 選択テーマ | このテーマで書くと強い人 | 800字で書くとよいこと |
|---|---|---|
| 社会に開かれた教育課程 | 地域と連携した活動・ボランティア・外部人材との協働の経験がある人。地域や保護者を巻き込む視点を持っている人。 | 「学校の中だけで完結しない学び」を、具体的にどの単元・どの行事でどう作るか。地域の誰と、どうつながるか。 |
| 主体的・対話的で深い学び | 授業づくりを語れる人。教育実習や講師経験で「子どもが動いた授業」を持っている人。 | 発問・活動・振り返りの設計。「話し合わせる」で終わらせず、何が『深い』のかを自分の言葉で定義する。 |
| 情報機器の活用 | ICTを使った授業実践・教材づくりの経験がある人。1人1台端末を「道具」として語れる人。 | 端末を使うこと自体ではなく、「それによって子どもの何が変わるのか」。個別最適化・協働の可視化・記録の蓄積など。 |
| 個に応じた指導 | 特別支援教育、つまずいた子への支援、多様な背景をもつ子への関わりの経験がある人 | 子ども一人ひとりの実態把握をどうするか。「全員に同じことをしない」ための具体的な手立て。 |

選び方のコツは「かっこいいテーマ」ではなく「自分の経験で最も具体的に書けるテーマ」を選ぶことです。800字も書くのですから、実体験の裏づけがないテーマを選ぶと薄くなりがちです。そして忘れてはいけないのが——ここに書いたことは、面接で深掘りされても的確に答えられるように準備しておくことです。実録には「(新しい教育との回答について)一例を挙げよ」と重ねて聞かれた記録があります。
参考になるのが、実際の面接で出た質問です。令和7年度採用の小学校受験者は、こう聞かれています——「広島県では『個に応じた学び』について取り組んでいるが、それは広島市でも同じ。なぜ広島県が良いのか」。つまり4つの選択テーマは、広島県・広島市が実際に力を入れている施策とつながっている可能性があると考えられます。テーマを選んだら、県または市の教育施策の中で、そのテーマがどう位置づけられているかを読んでおくことをおすすめします。
広島県教育委員会/広島市教育委員会のページから、教育に関する大綱・教育振興計画・教員等育成指標を確認できます。
設問2(400字)|「これまで力を入れて取り組んだことや自己アピール」
2本目は、いわゆる一般的な自己PRの欄です。ここで大事なのは、設問1(800字)との役割分担です。
800字と400字の関係
- 設問1(800字)=これから何をするか(教育の目的・実践したいこと)
- 設問2(400字)=そのために何を培ってきたか(力・経験=手段)
この2つが一本の線でつながっていると、面接官は「目的に向けて努力できる人だ」と感じやすいと考えられます。逆に、設問1で「情報機器の活用」を書いたのに、設問2が部活動の話だけで終わると、線が切れてしまいます。
自己PRを聞く目的は、「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るためです。長所や力は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。
特別選考(臨時的任用)で出願する方は、設問が異なります
ここは見落としやすいので、必ず確認してください。臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考で出願する方は、設問1・2ともに内容が違います。
| 臨時的任用以外の志願者 | 臨時的任用の志願者 | |
|---|---|---|
| 設問1(800字) | 4つの選択肢から一つ選んだテーマについて教員になって特に実践したいこと | 広島県又は広島市の教育の方向性を踏まえ、あなたが所属校で課題解決に取り組んだ具体的な事例 |
| 設問2(400字) | これまで力を入れて取り組んだことや自己アピールなど | 上記1で記載した取組事例の成果と課題 |

この設問、よく見てください。「これからやりたいこと」ではなく「もう、やったこと」を書かせているんです。しかも400字で「成果と課題」まで。現場で働いている人にしか書けない設問になっています。
だからこそ、賞や研究発表のような大それたものを書く必要はないと考えています。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。この実体験で語れる実績を持っている人は強いです。書き方の骨組みはこうなります。
- 広島県または広島市の教育の方向性のどこに位置づく取組かを最初に一文で示す(=設問の「教育の方向性を踏まえ」に正面から答える)
- 所属校で見つけた課題を、具体的な子どもの姿・データで書く(「学力が低い」ではなく「◯◯の場面でこういう姿が見られた」)
- 自分が実際にやったことを、時系列で。ここが800字の中心。
- (400字)成果——子どもの何がどう変わったか。可能なら数や具体的な言葉で。
- (400字)課題——うまくいかなかったこと、次にどうするか。ここを正直に書ける人は信頼されやすいと考えています。
「課題」を書くのを怖がる方が多いのですが、逆です。成果だけ並べる文章より、「ここが足りなかった、だから次はこうする」まで書いてある文章のほうが、信頼されやすいと考えています。学び続ける教員である証拠になるからです。広島県の「求められる教職員像」にも「新たなものに積極的に挑戦する意欲をもっている」「協調的・創造的な問題解決のために、どのような分野においても学び続ける力」が挙げられています。
■ 広島県・広島市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等チャレンジ受験・臨時的任用等・現職教員・加点制度
面接で「出願内容のどこを聞かれたか」|受験者9名の報告から
広島の受験者報告を読むと、志望動機、自己PR、経歴や授業実践について尋ねられた報告があります。報告を、聞かれ方のパターンごとにまとめました(職歴などが特定できる表現は一般化しています)。
- 広島県・広島市の志望動機は何ですか。
- なぜ市ではなく県を希望しましたか。
- 広島県では「個に応じた学び」について取り組んでいますが、それは広島市でも同じです。なぜ広島県が良いのですか。
- 県の教育施策を読んで、具体的にどのような教育をしたいですか。
- 広島県・広島市の教育方針を述べてください。→(「新しい教育」という回答に対して)一例を挙げてください。
- 広島の教育でよいと思うことは何ですか。
- 長所について教えてください。→その長所を活かせることは何ですか。
- 自分の短所について教えてください。/自分の良さは何ですか。
- 最後に自己PRをしてください。(面接の締めくくりに求められた報告あり)
- (公刊の傾向・要旨)自己アピールや採用による利点、強みの学校組織での活用について。
- これまでの経歴を教えてください。/職歴を述べてください。/現在の仕事について教えてください。
- 職歴に空白の期間がある理由を教えてください。/これまでの退職の時期について教えてください。
- 所有免許状を教えてください。/特別支援学校教諭免許状を取得した理由を教えてください。/(受験教科以外の免許について)その教科を教えたいとは思わないのですか。
- これまでの講師経験で、何年生をもちましたか。→授業において力を入れたことは何ですか。
- これまでの実践のなかで一番心に残っている授業は何ですか。/授業で工夫したところを教えてください。
- 地域貢献やボランティア活動をした経験はありますか。/教育実習について、何年生をもちましたか。
- 大学院への進学予定はないですか。/他の自治体は受験していますか。/併願先はありますか。
3つのパターンに共通するのは、面接官が「書いてあること」ではなく「書いてあることの先」を聞いている報告が多いことです。長所を書けば「どう生かすか」、実践を書けば「何に力を入れたか」、施策に触れれば「一例を挙げて」。自己アピールは、面接官の深掘り質問を自分で設計する場所なのです。
■ 広島県・広島市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と5年間の出題傾向
志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点
①「深掘りしてほしい種」だけを撒く
ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない、の主に4つのパターンになると私は考えています。どれを深掘りされても同じように濃く話せるなら全部書くのもOKですが、そうでなければ「ここを突っ込んでほしい」ものをせめて2〜3個に絞って書くといいと思います。これが種の撒き方です。800字あると欲張りたくなりますが、何を深掘りしてほしいかを決めてから書いてみてくださいね。
②突っ込み質問を考えながら書く
アルバイトの経験を書く場合は、「その経験から何を学び、学校でどう生かしますか」など、記入内容への質問を想定して準備してください。「主体的・対話的で深い学び」を書けば「具体的にどんな授業ですか」。つまり書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば本番でうろたえません。広島は追質問チェーン率が15.0%(全国平均 約10.5%)と高く、3段階まで掘られる前提で準備してください。
③資質能力のバランスを見る
たとえば志望動機で「子どもの自己肯定感を育む学級経営」を、自己PRでも長所として「受容性・傾聴力・協働力」を書いていると、面接官は教科指導の面で「この人、授業力はあるのかな」と感じることがあります。授業力と生徒指導力、設問1と設問2で補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。
④項目の意図を正確に読む
広島の設問1は「教員になって特に実践したいこと」です。この「特に」は、あれもこれも書かないようにという指示だと読めます。1つのテーマを選ばせているのも同じ意図と考えられます。選んだテーマ1本で800字を貫く——それが設問に正確に答えるということです。臨時的任用の方の設問も同じで、「広島県又は広島市の教育の方向性を踏まえ」という条件が最初に書かれています。この一言に答えていない文章は、意図を汲めていない印象になりかねません。意図を汲んで書かれた志願書は、面接官にとっても好印象になりやすいと考えています。
⑤書いたら、何人かの目を通す
広島は電子申請なので手書きではありませんが、「複数の目を通す」原則は変わりません。面接官によって着眼点は違うので、どんな面接官が見てもできる限り魅力を感じてもらえるものにするために、何人かの目を通すことは効果的だと考えています。しかも令和9年度採用の広島は締切が5月7日17:00で、申込みは一人一回とされています(提出後に修正できるかどうかは、実施要項に記載がありません)。4月上旬には初稿を書き上げて、大学の先生・同僚・先輩に読んでもらう時間を確保してください。
「言わないと分からないこと」に字数を使う
私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。自分がどんな第一印象を持たれやすいかを知ったうえで、そこで生まれる不安を先回りして埋める。それが「言わないと分からないこと」です。
私自身が新卒で受験したときの自己PRは、3つの長所を「バランス」で選び、2文目に目的を書き、3文目以降で突っ込みたくなる抽象度の「種」を撒くという構造でした。全文と一文ずつの意図は、愛知県の記事で公開しています。
■ 愛知県の願書「自己アピール」の書き方|私が新卒で書いた自己PRの全文と意図
アルバイト・前職の経験は「学校で生きる形」にして書く
レストランのアルバイトも、前職の営業も、書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。
なお「家族が広島にいるので」といった志望理由は、書いてもいいけれど優先順位は低め。さらっと触れる程度にして、主軸は「広島県(広島市)の教員としてどんな教育をしたいか」に置いてください。面接官が知りたいのはそこです。
広島向けに着地させる|求められる教職員像に対応させる
自己アピールの結びは、実施要項の冒頭に載っている「求められる教職員像」に着地させると一貫します。広島は県と市で内容が違うので、自分が希望する側の言葉を意識してください。
- 高い倫理観と豊かな人間性をもっている
- 子供に対する教育的愛情と教育に対する使命感をもっている
- 専門性を発揮し、的確に職務を遂行できる
- 社会や子供の変化に柔軟に対応できる
- 確かな授業力を身に付けている
- 豊かなコミュニケーション能力を有している
- 新たなものに積極的に挑戦する意欲をもっている
- 他の教職員と連携・協働し、組織的に職務を遂行できる
【広島県が特に求める資質・能力】問題に直面した時点で集められる情報や知識を入手し、自ら深く考え、それを統合して新しい答えを創り出す力/アイデア・情報・知識の交換や共有、アイデアの深化や答えの再吟味のために他者と協働・協調できる力/協調的・創造的な問題解決のために、どのような分野においても学び続ける力
《使命感や責任感・教育的愛情》教職に対する強い責任感を有している/自主的に学び続ける力がある/深い教育的愛情を有している
《専門職としての高度な知識・技能》確かな専門的知識を有している/確実に実践できる力がある/新たな学びの実践的指導力をもっている
《総合的な人間力》豊かな人間性や社会性を有している/高いコミュニケーション能力がある/チームで対応できる力がある/地域や社会の多様な組織等と連携・協働できる力がある
【広島市が特に求める資質・能力】広島市のこどもたちに以下の資質・能力を育成する力
情報を適切に活用しながら、本質や根源を探究し、課題解決に向けて論理的・主体的に考え行動する力/平和を希求する心/互いの違いや多様性を理解・尊重し、共生・協働する力/豊かなコミュニケーション能力/自分たちのまちを愛する心

この2つを読み比べると、設問1のテーマ選びのヒントが見えてきます。広島市は「情報を適切に活用しながら、本質や根源を探究し」と明記しているので、「情報機器の活用」を選ぶなら市の言葉に接続しやすい。広島県は「自ら深く考え、新しい答えを創り出す力」「他者と協働・協調できる力」なので、「主体的・対話的で深い学び」と相性がいい。選んだテーマ→自治体の言葉→自分の経験、この3つが一直線につながれば強い文章になると考えています。
書いたあとにやること|深掘りツリーと第一印象
自己アピールを書き終えたら(=出願を終えたら)、一文ごとに「聞かれそうな質問→自分の答え→さらに深掘り→答え」の深掘りツリーを面接ノートに作ります。令和9年度採用の広島は、出願が5月上旬、二次が8月中旬だったので3か月以上の準備期間がありました。この時間を使えるかどうかが、差になりやすいと考えられます。
あわせて、広島は二次で模擬授業面接(当日作成した指導案をもとに模擬授業又は場面指導を行い、その後に個人面接。指導案作成30分の受験者報告あり)があります。設問1で「主体的・対話的で深い学び」や「情報機器の活用」を選んだなら、模擬授業でそれを実演できるかまで問われる可能性があります。書いたことと、やることが一致している人は信頼されやすいと考えています。
■ 広島県・広島市の模擬授業|実録のテーマ・指導案30分+授業の流れ・評価の観点
そして最後は第一印象です。自己アピールがどれだけ良くても、面接室での「見た目・声・話し方」が印象を左右すると私は考えています。緊張はデフォルト。声は大きければいいわけではなく、今聞かれている質問と自分が話すことに集中すると震えがなくなってくる、とお話ししています。
よくある質問
Q. いつまでに書けばいいですか?
A. 出願と同時に提出なので、受付期間(令和9年度採用は4月6日〜5月7日17:00)の終わりまでです。ただし電子申請の入力時間が約60分でタイムアウトするため、画面上で考えながら書くことはできません。実施要項が推奨している「入力内容事前作成シート」を使い、4月上旬までに初稿、4月中に推敲のスケジュールをおすすめします。
Q. 大学3年生等チャレンジ受験でも書きますか?
A. 令和9年度採用の出願要領では、書きません。3年次等で第1次選考試験だけを受ける方は、自己アピール用紙の入力は不要です(教育委員会の「大学3年生等チャレンジ受験について」に明記)。翌年、第2次から受けるときに入力が必要になります。ただし3年生のうちに土台を作っておくと、翌年の春に慌てずに済みます。前倒し受験の仕組みは特別選考の記事にまとめています。
■ 広島県・広島市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等チャレンジ受験・臨時的任用等・現職教員・加点制度
Q. 4つのテーマは、選び方で有利・不利がありますか?
A. 出願要領・実施要項に、テーマによる有利・不利の記載はありません。選考は「広島県・広島市の『求められる教職員像』を踏まえ、出願内容、各試験項目等を考慮して総合的に判断」(実施要項)されます。ですので「自分の経験で最も具体的に、800字を厚く書けるテーマ」を選んでください。書いた内容は面接で深掘りされることがあるので、語れないテーマを選ぶことは「不利」になりやすいと考えられます。
Q. 「県・市の希望」はどう書けばいいですか?
A. 出願要領では「広島県/広島市/どちらでもよい」から1つを選択し、「選考に影響することはありません」と明記されています。ただし面接では「なぜその希望なのか」を聞かれた報告が複数あります(実録・公刊の両方で確認)。また実施要項には「各採用見込人員の3割の範囲内では希望を尊重する」「それ以外の場合は、県の希望者が市の名簿に、市の希望者が県の名簿に登載されることがある」とあります。「どちらになっても、こういう教育がしたい」まで用意しておくのが安全です。
Q. 講師をしています。設問1で何を書けば強いですか?
A. 臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考で出願する方は、そもそも設問が違います(「広島県又は広島市の教育の方向性を踏まえ、あなたが所属校で課題解決に取り組んだ具体的な事例」)。書くべきは現場での実践です。賞や研究発表でなくて構いません。「4月にこうだった子が、こう関わったらこう変わった」「この課題意識でこんな授業をしたら、子どもの反応がこうだった」。実体験で語れる実績は講師ならではの種で、面接官がそこを掘ることが多いと考えられます。報告にも「これまでの講師経験で、授業において力を入れたことは何か」という質問がありました。
Q. 提出した文章をそのまま面接で話せばいいですか?
A. 少し変えてください。文字は構造を見ながら読めますが、音声は一度聞いただけで理解してもらう必要があります。書き言葉では省いた主語や言葉を、話すときはあえて足す。暗記した文章を読み上げると思いが乗らないので、聞き取りやすい言葉に置き換えて、感情を込めて話しましょう。広島は「最後に自己PRをしてください」と面接の締めくくりに求められる報告があるので、1分程度で話せる短い版も作っておくと安心です。
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「自己アピールのどこを聞かれたか」「どのテーマを選んだか」は、受験した方の報告でしか分かりません。広島県・広島市を受験された方は、ぜひ次の年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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