【教員採用試験】北海道・札幌市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生・期限付教員・現職教員・社会人・加点制度を数字で解説

こんにちは、金井志津乃です! 

北海道で期限付教員をしているんですが、一次が免除になるって本当ですか? 特別選考の種類が多すぎて、自分がどれに当てはまるのか分からなくて……

北海道は特別選考が13種類、札幌市は6種類。実施要領を読むだけで一苦労ですよね。しかも北海道は期限付教員特別選考だけで令和8年度採用では141人、令和9年度採用でも130人が登録しています。この記事で「自分はどのルートか」「そのルートで何人受けて何人受かったか」まで一気に整理しますよ!

この記事では、北海道・札幌市公立学校教員採用候補者選考検査の特別選考(第1次検査の免除)と加点制度について、令和9年度採用の実施要領と、教育委員会が公表しているルート別の出願者数・登録者数をもとにまとめます。

この記事の根拠

  • 選考区分・免除内容・加点は令和9年度採用の実施要領(北海道・札幌市の2本)から(実績はすべて実施要領と教育委員会の公表資料に載っている数字)
  • 北海道は各特別選考の過去3年(令和6年度〜8年度採用)の出願者・登録者、札幌市は過去5年(令和4年度〜8年度採用)の受検者・登録者が実施要領に載っています
  • 北海道・札幌市の全体倍率・校種別の推移は →北海道・札幌市の倍率|令和9年度採用の一次結果と6年間の推移
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表①|北海道採用希望のルート一覧(令和9年度採用)

北海道は「一般選考」「一般選考(地域枠)」に加えて13種類の特別選考(このほか実施要領「2 募集内容」の表にのみ「工業・水産特別選考」があります)と「大学3年生等を対象とした選考」があります。右端の「実績」は実施要領の出願者数→登録者数です。

選考区分主な対象第1次検査第2次検査実績(R8:出願→登録)
一般選考受検資格を満たす人すべて教養検査+専門検査Ⅰ(特支はⅡも)通常—
一般選考(地域枠)小学校または中学校(国・社・数・理・英)の免許で、日高・留萌・宗谷・オホーツク・根室管内に限って勤務できる人教養検査を免除通常小2→2/中9→5
期限付教員特別選考北海道教委・道内市町村教委(札幌市を除く)に任用された期限付教員・産休代替・育休代替で、令和5年4月〜令和8年3月に12か月以上かつ令和8年4〜5月に1か月以上(合計13か月以上)全て免除実技検査を免除306→141
教職大学院修了者特別選考受検資格を満たす免許状取得者で、教職大学院を修了、または令和10年3月までに修了予定全て免除通常45→29
キャリア・リターン特別選考かつて北海道の公立校の正規教員だった人(休職・育休等の期間を除き勤務2年以上・勧奨退職者を除く)全て免除通常41→28
現職教員特別選考北海道・道内市町村以外が設置する学校等の現職正規教員で、令和9年3月31日時点に出願する受検区分の勤務が引き続き3年以上全て免除通常21→15
登録辞退者等特別選考令和5年度〜7年度に実施した選考で名簿に登録され、登録または採用を辞退した人(対象外となる場合あり。本文・実施要領を確認)全て免除適性・教科等指導法・実技も免除=面接検査のみ6→5
セカンドキャリア特別選考(免許取得者)民間企業等での正規勤務3年以上、またはJICA青年海外協力隊2年以上教養検査を免除通常登録23
セカンドキャリア特別選考(免許非取得者)上記+教育職員免許状を持たない人教養検査を免除・専門検査なし教科等指導法・実技なし=論文検査(800字以内)+適性+面接登録4
小学校教諭特別選考小学校免許を持たない人(中学校・高校・幼稚園の免許保有者)で小学校勤務を希望教養検査のみ面接検査Ⅰ・Ⅱ+適性検査登録7
社会人特別選考高校の英語・工業・商業・水産・看護・福祉、特支の自立活動。【令和9年度採用から新規】中学校・高校の国/社/数/理/英で博士号+実務3年以上。全て免除(英語は二次の実技も免除)免許非取得者は論文検査登録2(免許非取得者)
障がい者特別選考身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等の交付を受けている人一般選考と同様申出により、必要に応じて適性・実技の一部または全部を免除4→1
スポーツ・芸術特別選考国際規模の競技会の日本代表、全国大会の優秀な成績、芸術分野の顕著な実績など(出願は3回まで)全て免除関連する実技を免除0→0
アスリート特別選考中学・高校の保健体育で、オリンピック・パラリンピック・デフリンピックの日本代表経験全て免除教科等指導法・実技なし=適性+面接1→1
ALT特別選考北海道教育委員会に任用されたALT経験が通算2年以上あり、英語を母語・公用語とする国の出身または同程度の英語能力と、職務遂行上必要な日本語能力を有する人(勤務校の範囲は本体要領と別冊ALT要領で表現が異なるため要確認)全て免除日本語の面接Ⅰ・Ⅱ、実技(場面指導+自由会話)、適性1→1
工業・水産特別選考高校の工業(電気通信)・水産(商船)募集表には記載がありますが、対応する免除の内容は確認できた要領には見当たりません要確認—
大学3年生等を対象とした選考受検時に大学3年生等(最終年次の1年前)教養検査のみ。合格で翌年度の教養検査が免除(北海道採用希望で出願した場合)。なし令和9年度:924→904(97.8%)

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道)「4 選考区分」「5 検査の方法及び内容」および各特別選考の「過去の出願・登録状況」、「令和8年度 登録状況等について」の特別選考内訳、「令和9年度 第1次検査結果」。
R8=令和8年度採用(2025年夏実施)。制度は年度で変わるため、出願前に必ずその年の実施要領を確認してください。

令和8年度採用では、北海道の登録者1,136人のうち257人(約23%)が特別選考による登録。さらに「前年度に第1次検査へ合格して登録とならなかった人のうち、一定水準の成績だった人」は、翌年度に同一の選考区分・受検区分・受検教科(科目)・採用希望区分(北海道採用希望)で受検する場合に限り、一次免除もあります。北海道の合格ルートは、もう一般選考だけではありません。

早見表②|札幌市採用希望のルート一覧(令和9年度採用)

選考区分主な対象第1次検査実績(R8:受検→登録)
一般選考受検資格を満たす人すべて教養検査+専門検査Ⅰ(特支区分はⅡも)—
プレ通過者特別選考(旧・前倒し合格者特別選考)前年の「大学3年次プレ選考」の選考通過者教養検査を免除367→141(令和8年度は旧・前倒し合格者特別選考の実績)
臨時教員特別選考札幌市立の園・学校で常勤の臨時教員(臨時的任用・代替)として令和5年4月〜令和8年3月に12か月以上教養検査を免除(受検地は札幌のみ)284→76
前年度成績優秀者特別選考前年度の第2次検査で不合格になった人のうち一定の基準を満たした人(結果通知で個別に案内。前年度と同一の受検区分・教科で受検する場合に限る)全て免除77→35
現職教員特別選考令和9年3月31日時点に正規教員として現に勤務し、勤務が引き続き3年以上となる人(育児・介護・病気等の休務期間を除く。北海道・札幌市公立学校の正規教員及び任用期限を付さない常勤講師は除く)全て免除37→16
札幌市退職教員特別選考札幌市立の園・学校の元正規教員で、退職日が平成29年4月1日以降。出願する受検区分(併願区分も含む)における勤務実績が5年以上(育児・介護・病気等の休務期間を除く)全て免除6→5
障がい者特別選考手帳等の交付を受けている人(若干名の別枠選考)一般選考と同様の内容で別に選考0→0
大学3年次プレ選考大学3年次等教養検査のみ。通過で翌年度の教養検査が免除(所定の選考区分で出願した場合。一般選考区分では免除されません)。令和9年度:452→354(78.3%)

※出典:令和9年度採用 実施要領(札幌市)「6 選考区分」および各特別選考の「参考:過去の受検・登録状況」、「令和9年度 第1次検査結果」。
札幌市は複数の選考区分を併願できません。

ここが札幌市の一番驚くところです。令和8年度採用で札幌市が登録したのは343人。ところが実施要領の特別選考の登録者を足し合わせると273人——登録者のおよそ8割が特別選考ルートという計算になります(当ブログで合算)。札幌市はプレ選考を通るか、臨時教員として現場に入るか、前年の二次まで進むか——このどれかを経由するのが主流なのです。

主流ルート①|期限付教員・臨時教員|現場で働きながら受ける

特別選考のなかで登録者が最も多いのは、北海道では「現場で働きながら受ける」道(期限付教員特別選考141人)です。札幌市の臨時教員特別選考は76人が登録しています。要件が細かいので、原典どおりに整理します。

【北海道】期限付教員特別選考の要件北海道教育委員会または道内市町村教育委員会(札幌市を除く)に期限を付されて任用され、道内の公立小・中・義務教育・高校・中等教育・特別支援学校に勤務実績がある人(期限付教員・産休代替・育休代替)で
①令和5年4月1日〜令和8年3月31日に12か月以上(1日でも勤務した月は1月とみなす)
②令和8年4月1日〜5月31日に1か月以上
①と②を合わせて13か月以上が必要(①だけで13か月あっても対象外=受験する年の4〜5月にも現に勤務していることが条件)。
免除・提出書類第1次検査の全て+第2次検査の実技検査を免除。職歴証明書は北海道教育委員会以外の任用により受検資格を満たす人のみ提出。
実績令和6年度採用 出願202→登録94/令和7年度 313→138/令和8年度 306→141
【札幌市】臨時教員特別選考の要件札幌市立の幼稚園・小・中・義務教育・高校・中等教育・特別支援学校で常勤の臨時教員(臨時的任用教員・代替教員)として、令和5年4月1日〜令和8年3月31日に12か月以上の勤務実績
免除第1次検査の教養検査(専門検査は受検)。第1次検査の受検地は「札幌」のみ。
実績令和4年度 200→46/令和5年度 182→52/令和6年度 182→57/令和7年度 285→83/令和8年度 284→76

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道「キ 期限付教員特別選考」・札幌市「⑸ 臨時教員特別選考」)

注目してほしいのは、登録率が北海道は約46%(141÷306)、札幌市は約27%(76÷284)で、どちらも全体の平均並みだということです(母数の定義が異なるため、あくまで目安です)(北海道の受検倍率2.0倍=登録率50%、札幌市3.7倍=約27%)。つまり免除は入口が広がるだけで、選考そのものが甘くなるわけではないと考えられます。

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。この3つが面接で伝わる講師は強いです。

「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。その実体験で語れる実績を持っている人は強いです。エントリーシートでも面接でも、そこを軸にしてください。

主流ルート②|大学3年生の「前倒し受験」|北海道は97.8%が通過

大学3年生等のうちに教養検査だけを受験し、合格すれば翌年は教養検査が免除される制度です。北海道は「大学3年生等を対象とした選考」、札幌市は「大学3年次プレ選考」(翌年は、実施要領で定める所定の選考区分で出願)。

3年生のとき第1次検査の教養検査(一般・教職/マークシート式)のみ。第2次検査はなし。北海道の大学3年生等の選考では、出願はエントリーシートのみを入力・送信し、印刷して郵送(願書は不要)。札幌市の大学3年次プレ選考では、願書の提出も必要です。
受検資格(北海道)受検時に大学3年生等(大学・大学院・短大・専門学校の最終年次の1年前。科目等履修生は含まない)で、令和9年度中に卒業見込み。必要な免許状を令和10年3月31日までに取得見込み。
合格したら翌年度の選考検査で教養検査が免除(北海道は北海道採用希望で出願する場合。札幌市は所定の選考区分で出願する場合で、一般選考区分で出願すると免除されません)。北海道は受検区分・教科を変更しても免除が有効。札幌市も指定の区分内なら変更可。免除の権利は翌年度限りで、改めて出願手続が必要です。
不合格・未受検でも翌年度の選考検査は通常どおり受検できる。不利にはならない。
令和9年度の結果【北海道】924→904(97.8%)/【札幌市】452→354(78.3%)

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道「(4) 大学3年生等を対象とした選考」・札幌市「<大学3年次プレ選考の詳細>」)、「令和9年度 第1次検査結果」

札幌市の令和8年度採用では、旧制度の前倒し合格者特別選考で受検した367人のうち141人が登録しました(約38%)。これは令和7年度実施から新設された大学3年次プレ選考を通過した人の翌年実績ではありません。この数字だけで、早期受験による準備時間の効果を判断することはできません。

私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。北海道は97.8%が通ります。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。

主流ルート③|現職教員・退職教員・二次経験者

ルート主な要件実績(出願・受検→登録)
【北海道】現職教員特別選考北海道・道内市町村以外が設置する小・中・義務教育・高校・中等教育・特別支援学校または海外日本人学校に現に勤務し、令和9年3月31日時点で出願区分における正規教員としての勤務が引き続き3年以上(期限付・代替教諭、校長・教頭は対象外)。第1次検査の全てを免除。R6 33→23/R7 33→23/R8 21→15
【北海道】キャリア・リターン特別選考かつて北海道教育委員会が任用する道内公立校の正規教員を退職した人で
①出願区分の正規教員としての勤務実績が、病気休職・育児休業等で勤務実績のない期間を除いて引き続き2年以上
②退職事由が解消し正規職員として勤務できる
③勧奨退職ではない
第1次検査の全てを免除。
R6 4→2/R7 5→4/R8 41→28
【北海道】登録辞退者等特別選考令和5年度〜7年度に実施した選考で採用候補者名簿(北海道分)に登録され、登録または採用を辞退した人。登録時と同一の選考区分・受検区分・受検教科(科目)・採用希望区分(北海道採用希望)に限り、1回の登録につき1回のみ。必要な免許状の未取得、正当な理由のない勤務地限定、教員としてふさわしくない事実などにより名簿から削除された人は対象外です。第1次検査の全て+第2次の適性・教科等指導法・実技も免除=面接検査だけ。R6 8→7/R7 2→1/R8 6→5
【北海道】教職大学院修了者特別選考各受検区分の受検資格を満たす教育職員免許状取得者で、教職大学院を修了、または在学中で令和10年3月31日までに修了予定(在学中の人は修了後の採用。期限までに修了できない場合は名簿から削除)。第1次検査の全てを免除。R6 49→26/R7 39→17/R8 45→29
【札幌市】前年度成績優秀者特別選考令和7年度実施の選考検査(札幌市採用希望)の第2次検査で不合格になった人のうち一定の基準を満たした人(前年度と同一の受検区分・教科で受検する場合に限る)。結果通知で個別に案内される。第1次検査の全てを免除。R4 93→41/R5 65→36/R6 63→32/R7 66→36/R8 77→35

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道・札幌市)の各特別選考の記載および「過去の出願・登録状況」「参考:過去の受検・登録状況」

目を引くのがキャリア・リターン特別選考の出願増です。令和6年度採用の出願4人が、令和8年度採用では41人、登録も2人→28人に。ただし実施要領の注記では、令和6・7年度採用の数字は「退職教員特別選考」としての実績で、令和8年度採用から区分名が変わっています。区分名が変わった年を含む数字として見てください。

札幌市の前年度成績優秀者特別選考も見逃せません。二次で不合格となった人のうち、一定水準の成績により免除通知を受け、前年と同一の受検区分・教科で受ける場合は、第1次検査が全て免除。5年間で毎年32〜41人が登録しています。なお札幌市には札幌市退職教員特別選考(退職日が平成29年4月1日以降・出願する受検区分での勤務実績が5年以上。育児・介護・病気等の休務期間を除く)もあり、令和8年度は6人中5人が登録しました。

二次で不合格になった方は、採用の結果を待つ間に「受験した年の面接で何を聞かれたか」を書き出しておいてください。翌年度の一次全免除の対象となる場合は、その記録がそのまま次の年の教材になります。私が「結果待ちの時期にやってほしいこと」としてお話ししているのも、まずこれです。

他県の正規教員として北海道・札幌市を受け直す方(現職教員特別選考)へ。私の実感では、他自治体への再受験は簡単ではありません。管理職は「今求められている授業をブラッシュアップし続けているか」「謙虚で一緒に働きたい人か」を見ているのではないか、というのが私の考えです。この2つが伝われば「こんな人が他県から来てくれるなんて」と管理職が思ってくれる可能性がある、という話です。

主流ルート④|社会人・セカンドキャリア|北海道だけの「論文検査」

民間企業などから教員を目指す方には、北海道に3つのルートがあります(札幌市には社会人向けの特別選考はありません)。

セカンドキャリア特別選考(免許取得者)各受検区分の免許を持ち、令和8年3月31日までに民間企業等での本採用(正規採用)勤務3年以上、またはJICA青年海外協力隊の派遣実績2年以上。教養検査を免除(専門検査は受検)。令和8年度採用の登録者23人。
セカンドキャリア特別選考(免許非取得者)上記の勤務要件を満たし、免許を持たず令和9年3月31日までに取得見込みもない人。教養検査を免除・専門検査なし。第2次検査は論文検査(800字以内)+適性検査+面接検査。採用予定は若干名。合格後、令和9年4月〜令和11年3月に免許を取得して採用。採用までの間、指導に係る資料提供や免許取得の進捗確認などのフォローアップあり。令和8年度採用の登録者4人。
社会人特別選考高校の英語(英検1級等+通訳業務10年以上)・工業(1級建築士や技術士+実務3年以上等)・商業(金融/マーケティング/簿記会計/経営情報の各分野で実務3〜10年以上)・水産・看護(3年以上)・福祉(5年以上)、特支の自立活動(理学療法士・作業療法士/言語聴覚士で実務3年以上)。【令和9年度から新規】中学校・高校の国語/社会/数学/理科/英語で、志願教科に関連する博士号+実務経験3年以上。第1次検査を全て免除(英語は二次の実技も免除)。

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道)「エ 社会人特別選考」「コ・サ セカンドキャリア特別選考」「5 検査の方法及び内容」

論文検査(800字以内)の過去テーマ

免許非取得者が受ける論文検査は、教科等指導法検査に代えて実施されます。過去5年のテーマの要旨です。

  • 令和4年度採用(現職教員・社会人):家庭や地域社会との連携・協働を深めることについて、社会人として培った経験や専門性をどう生かすか
  • 令和5年度採用(現職教員・社会人):「予測困難な時代」における「主体的・対話的で深い学び」の実現について
  • 令和7年度採用(セカンドキャリア):北海道の教員育成指標が示す求める教員像を踏まえ、現在の北海道の教育課題にどう対応するか
  • 令和7年度採用(社会人):本道の不登校児童生徒数を踏まえた不登校対策について
  • 令和8年度採用(社会人):GIGAスクール構想で顕在化したデジタル化の負の側面を踏まえ、情報活用能力の育成と情報モラル教育の充実について

5本を並べると、「北海道の教育課題」や教育の現状を踏まえて、「あなたの経験や専門性をどう生かすか」を問う形が多く見られます。800字は短いので、①課題の受け止め ②自分の経験 ③現場での具体策の3段で組み立てる練習をしておきましょう。

社会人経験は、面接でもそのまま武器になります。私が社会人受験の方におすすめしている準備は2つ。「社会人経験を学校現場でどう生かしたいか」と「なぜ社会人をしていたのに教員を目指すのか」。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、社会人から教採を受けるときにも合格しやすくなるポイントかなと思います。

私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。北海道の受検資格は昭和40年(1965年)4月2日以降に生まれた人——令和9年度採用なら61歳まで受けられます。

北海道だけの2つのルート|地域枠と小学校教諭特別選考

一般選考(地域枠)|1,000字のレポートで教養検査が免除

小学校教諭、または中学校教諭(国語・社会・数学・理科・英語)の免許を持ち、日高・留萌・宗谷・オホーツク・根室の5管内のいずれかに限って勤務できる人が対象。出願時に「地域に根ざした教育に対する意欲・情熱や志望動機等についてのレポート」を提出することを要件として、教養検査が免除されます。

採用予定数小学校教諭15名程度/中学校教諭は各教科2〜3名程度(いずれも一般選考の採用予定数に含む)
レポートの課題「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が求められていることを踏まえ、希望する管内で採用された際にその地域でどのような取組を行うかを、地域の特色などを踏まえて具体的に書く
分量・様式1,000字程度・自筆に限る。
教育委員会のホームページから様式(30字×30行)をダウンロードして作成
令和9年度からの変更点従来は「採用後4年間は地域枠管内以外で勤務」だったが、令和9年度からは採用1年目から希望した地域枠管内で勤務
実績(令和8年度採用)小学校 出願2人→登録2人/中学校 出願9人→登録5人(受検者は8人)

※出典:実施要領(北海道)「(2) 一般選考(地域枠)」「18 過去の実施状況」、補助資料「一般選考(地域枠)に係るレポート」

令和8年度採用の出願者は小学校・中学校あわせて11人(小2・中9)、令和9年度採用の受検者は27人(小15・中12)と、まだ多くない「知られていない枠」です。5管内での勤務を引き受けられる方には、教養検査が丸ごと免除される選択肢になります。ただし1,000字を自筆で書くので、令和9年度採用では出願期間(4月6日〜30日)の前から下書きを始めることをおすすめします。

小学校教諭特別選考|小学校免許がなくても受けられる

中学校・高校・幼稚園の免許は持っているけれど小学校教諭免許を持っていない人が、小学校での勤務を希望して受けられる選考です。令和8年度採用では7人が登録しました。

  • 第1次検査は教養検査のみ(専門検査なし)。第2次検査は面接検査Ⅰ・Ⅱ+適性検査(教科等指導法検査・実技検査なし)。
  • 合格後、令和9年4月1日〜令和12年3月31日の間に小学校教諭普通免許状を取得すれば正式採用(取得手続き・費用は自己負担)。それまでは道内の公立小学校で期限付小学校助教諭として勤務。取得できない場合や自身の都合で小学校に勤務できない場合は名簿から削除。
  • 一般選考の他校種(特支小学部・特支自立活動・養護・栄養を除く)と併願可能。併願する校種・教科の検査も受ける必要あり。

※出典:実施要領(北海道)「ス 小学校教諭特別選考」。
採用予定は若干名で、一般選考の採用予定数には含まれません。

第1次検査の加点制度|北海道は上限10点、札幌市は最大で20点以上も

第1次検査の満点は教養検査40点・専門検査Ⅰ100点・専門検査Ⅱ100点(北海道・札幌市とも同じ)です。

【北海道】加点項目(上限は合計10点)加点対象・主な要件
英語に関する加点10点小学校・特支小学部の受検者が中高英語の免許を所有。または、小学校・特支小学部及び中学校・高校・特支中高部の英語受検者が、英検準1級以上・TOEFL iBT 72点以上・TOEIC L&R+S&W×2.5の合算1560点以上を取得(TOEFLは令和6年6月15日以降の正規試験、TOEICは同日以降の公開テスト)
理科・数学・保健体育に関する加点10点小学校・特支小学部の受検者が中高の理科/数学/保健体育の免許を所有
海外勤務・留学経験/青年海外協力隊派遣各10点在外教育施設等や海外の民間企業等で2年以上の英語使用勤務、または海外の大学で2年以上の英語使用留学(小学校・特支小学部と、中高・特支中高部の英語)/JICA青年海外協力隊の2年以上の派遣実績(全区分)
複数免許等所有10点/5点10点=中学校受検者が受検教科以外の中学校美術・技術・家庭の免許を所有/5点=高校受検者が受検教科以外の書道・情報・福祉の免許を所有、特別支援学校教諭の免許(小・中・高受検者)、学校図書館司書教諭(養護・栄養を除く)
ICT活用指導力10点基本情報技術者試験合格者または同等以上の資格(養護・栄養を除く)
英語以外の外国語/社会教育士・社会教育主事講習修了各5点中高の英語以外の外国語の免許や日本語教育関係の要件(登録日本語教員など)/社会教育主事講習・養成課程(24単位)の修了。いずれも全区分。
【札幌市】加点項目加点対象・主な要件
通常加点(上限は合計10点)
英語に関する資格10点小学校・幼稚園区分は英検準1級以上等/中高英語区分は英検1級・TOEFL iBT 95以上・TOEIC L&R+S&W×2.5の合算1845以上(TOEFLは令和6年6月15日以降の正規試験、TOEICは同日以降の公開テスト)(中高通常の英語は二次の実技も免除)
複数免許等所有10点/5点小学校・幼稚園区分は中学校免許(国・社・数・理・音・美・保体・技・家・英の10教科)や高校免許(数・理・保体・英)で10点。中高区分は小学校免許、又は受検教科以外の中学校美術・技術・家庭の免許で10点、受検教科以外の中学校国語・社会・数学・理科・音楽・保健体育・英語の免許や高校商業の免許で5点。特支免許による5点は通常区分の判定時のみ。司書教諭は養護・栄養を除く区分に5点で、取得見込みは不可。
海外勤務・留学等/青年海外協力隊/ICT活用指導力各10点海外勤務・留学等は小学校・幼稚園区分及び中高区分の英語が対象で、英語を使用した2年以上の勤務・留学が条件。青年海外協力隊は全受検区分で2年以上の派遣実績。ICTは養護・栄養も含む全受検区分で、基本情報技術者試験合格又は同等以上の資格が対象。
国際バカロレア教育10点中高(通常)。IBのMYP/DPの教科別ワークショップ カテゴリー1修了者、またはワークショップリーダー資格保有者。
英語以外の外国語等5点全区分
上限とは別枠の加点
特別支援免許所持かつ併願者への特別加点【令和9年度採用から新規】+5点「通常」区分と「特別支援」区分を併願し、両方の免許を持つ人に自動付与(申請不要)
スポーツ・芸術特別加点10点/5点全区分。国際規模の競技会の日本代表、全国大会の優秀な成績など(原則として高校卒業後かつ平成29年4月以降の実績)。

※出典:令和9年度採用 実施要領(北海道「7 第1次検査の加点」・札幌市「8 資格等による加点及び免除措置」)。
証明書類は出願時に提出します。取得見込みで申請して令和9年3月31日までに取得できなかった場合、登録が取り消されることがあります。

第1次検査の総合点に10点の加点が乗るインパクトを考えてみてください。小学校志望で中学校の理科や英語の免許を持っているのに申請しないのは、受けられる10点分の加点を手放すことになります(令和9年度採用の実施要領による)。免許状の写しなどの証明書類で申請できるものが多いので、出願前に自分の資格を全部書き出してみることをおすすめします。

資格による検査の免除(北海道)

加点とは別に、検査そのものが免除になる資格もあります(申請制。加点との併願申請も可)。中高・特支中高部の英語は英検準1級以上/TOEFL iBT 72点以上(令和6年6月15日以降の正規試験)/TOEIC L&R+S&W×2.5の合算1560点以上(同日以降の公開テスト)で専門検査(Ⅰ)と実技検査(英語)を免除。高校・特支高等部の情報/工業は基本情報技術者試験合格者等、商業は日商簿記1級・税理士・公認会計士・基本情報技術者等、高校の水産(商船を除く)は1〜3級海技士(航海又は機関。3級は令和9年3月31日までの取得見込みを含む)、又は第1級・第2級総合無線通信士で、水産(商船)は同じ海技士の条件で、それぞれ専門検査(Ⅰ)を免除(出典:実施要領「6 資格等による免除措置」)。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも第2次検査

ルート(令和8年度採用)登録率ルート(令和8年度採用)登録率
【北海道】現職教員約71%(21→15)【札幌市】前年度成績優秀者約45%(77→35)
【北海道】キャリア・リターン約68%(41→28)【札幌市】現職教員約43%(37→16)
【北海道】教職大学院修了者約64%(45→29)【札幌市】プレ通過者(令和8年度は旧・前倒し合格者)約38%(367→141)
【北海道】期限付教員約46%(306→141)【札幌市】臨時教員約27%(284→76)
【北海道】全体約50%【札幌市】全体約27%

※北海道は出願者→登録者、札幌市は受検者→登録者。全体は「登録状況等について」の登録者÷受検者から算出(当ブログ算出)。母数の定義が異なるため、ルート間の単純比較には注意してください。

第2次検査の科目は選考区分で異なります。登録辞退者等特別選考は面接検査のみ、免許状非取得者の社会人・セカンドキャリア特別選考は教科等指導法検査に代えて論文検査、アスリート特別選考は教科等指導法検査と実技検査を行わず、適性検査と面接検査です。多くの区分は第2次検査の面接検査Ⅰ・Ⅱと教科等指導法検査が基本です(適性検査や、教科によっては実技検査もあります)。特に北海道は第1次合格倍率が栄養教諭を除いて1.0倍(栄養教諭は1.1倍)——一次免除者も一次合格者も、二次の比重が大きいと考えられます。免除で浮いた時間を二次対策に回すことをおすすめします。

■ 北海道・札幌市の個人面接|受験者10名の実録と5年間の出題傾向
■ 北海道・札幌市のエントリーシートの書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 北海道・札幌市の倍率|令和9年度採用の一次結果と6年間の推移

よくある質問

Q. 特別選考の対象にならなかったら、そこで終わりですか?

A. いいえ。北海道の実施要領には「特別選考の出願後、審査の結果、特別選考の対象とならなかった者に限り、一般選考に変更することを認めます」とあります。札幌市も同趣旨の記載があります。まず特別選考で出してみるという進め方もあります(対象かどうかは出願前に実施要領で確認してください)。

Q. 複数の特別選考に当てはまる場合は?

A. 北海道は「出願は1種類の選考区分の選択とし、出願後の選考区分の変更は認めません」。札幌市も「複数の選考区分の併願はできません」。免除の範囲が広いルートを選ぶのが考え方のひとつです(第1次検査が全て免除される選考のほうが、教養検査だけ免除の選考より免除の範囲は広くなります)。

Q. 「秋選考」とは何ですか?

A. 北海道が例年11月中旬に札幌市内等で実施している追加の選考です。対象は①その年度の第1次検査に合格したが、第2次検査の一部または全部を受検しなかった人 ②その年度の北海道の第1次検査を受検しなかった人(令和9年度から②が追加)、および実施要領の受検資格を満たす特別選考の対象者です(本体の実施要領の説明です。秋選考実施要領では「夏選考で北海道に出願し、不合格となっていない者」とされ、秋選考FAQには夏に北海道へ出願せず他府県を受検した方も受検できるとの回答もあります)。秋選考実施要領(2026年10月2日掲載)では、秋選考の一般選考は小学校、中学校(国語・数学・理科・音楽・美術・技術・家庭・英語)、高等学校(国語・英語・家庭・工業・水産・看護)、特別支援学校が対象とされています。募集区分は変更される場合があります。特別支援学校の部・教科や、特別選考ごとの対象は秋選考実施要領の募集表を確認してください。2026年10月時点で、令和9年度採用の秋選考の実施要領・FAQが公表されています。出願は令和8年10月7日〜30日、検査は11月15日、結果公表は12月23日とされています。対象・募集区分は秋選考の資料で確認してください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は実施要領で追えますが、面接で実際に聞かれた質問や当日の体験は、受験者の報告が参考になります。論文検査の過去問題については、公式の閲覧制度もあります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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