【教員採用試験】宮城県の自己アピール票の書き方|個人面接Ⅰ・Ⅱで聞かれる欄を要項から逆算する

こんにちは、金井志津乃です! 

宮城県の二次で「自己アピール票①・②」を出すと聞きました。①と②って何が違うんですか? 同じことを2枚書けばいいんでしょうか……。

そこ、宮城県でいちばん差がつくところです! 宮城県は個人面接をⅠ・Ⅱと2回行い、それぞれ「見る資質能力」が要項で分けられている県。だから自己アピール票も、同じことを2枚書くのではもったいないんです。実際の受験者の報告でも、票に書いた言葉がそのまま引用されて深掘りされています。この記事で、要項から逆算して書き方を組み立てましょう!

この記事の根拠

  • 提出のルール(誰が・いつ・何枚・どこに出すか)は令和9年度宮城県公立学校教員採用候補者選考要項の記載どおり
  • 「実際にどこを聞かれたか」は受験者の報告(実録)から。宮城県は令和8年10月時点で2名分ですが、票の記載が引用されて掘られた実例が残っています。
  • 様式の項目名・字数は、要項には書かれていません。この記事でも項目名を断定せず、「様式で確認してください」と書いています。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

宮城県の自己アピール票|30秒でわかる仕組み

何を出す自己アピール票①・②(2種類)。県教委のWebページからダウンロードして作成します。
誰が出す第2次選考を受ける方は全員(要項の提出物ア〜キのうち、ア・イ・オ〜キは全員、ウ・エは該当者)
何枚それぞれ2枚ずつ印刷して持参します(①を2枚、②を2枚)
いつ・どこに出す試験当日、個人面接の際に各面接室で提出。郵送や電子申請ではありません。
いつ作る様式の公開時期は要項に明記されていません。第2次選考の電子申請での提出書類(卒業証書の写し・免許状の写しなど)の提出期間は令和8年7月31日(金)〜9月3日(木)と示されています(自己アピール票は試験当日に持参します)。
様式の項目・字数要項には記載がありません。県教委Webページの様式で必ず確認してください。
面接での扱い受験者の報告では、票に書いた言葉がそのまま引用されて深掘りされています。面接冒頭に「1分間で自己アピール」を求められた報告もあります。

※出典:令和9年度宮城県公立学校教員採用候補者選考要項「14 第2次選考(1)④ 提出物」。

「それぞれ2枚ずつ」というのがヒントです。宮城県の個人面接は「複数の面接委員による面接」。つまり票は面接委員の手元に配られて、それを見ながら質問されるということ。しかも「各面接室で提出」——個人面接Ⅰの部屋と個人面接Ⅱの部屋、それぞれで出す形と読めます。だから①と②の内容を変える意味があるんです。

スケジュールが勝負|一次結果から二次まで、最短で約3週間半

令和9年度採用のスケジュールを並べると、こうなります。

  • 7月11日(土)(令和9年度採用の場合) 第1次選考(筆記)
  • 7月31日(金) 第1次選考の結果通知(郵送)+適性検査の案内+第2次選考の提出書類の提出期間スタート
  • 8月26日(水)〜28日(金)及び9月1日(火)・2日(水)のうち県教委が指定する1日 個人面接Ⅰ・Ⅱ、集団討議
  • 9月3日(木) 実技試験(該当教科のみ)

一次の結果が届いてから面接まで、早い人で約3週間半。その間に、卒業証明書や免許状の写しをそろえ、適性検査を受け、集団討議の準備をして、そのうえで自己アピール票を2種類——結果を待ってから書き始めるのでは、間に合いません。

私の目安としておすすめするのは、一次を受けた翌週から下書きを始めることです。理由は2つ。①自己アピール票は「書く」より「絞る」に時間がかかるから。②書いたあとに「この一文にどんな質問が来るか」を考える時間が必要だからです。7月31日は、下書きの完成日を目安にしてください。

面接で「どこを聞かれたか」|受験者の報告から

宮城県の実録は令和8年10月時点で2名分ですが、そのうち1名(令和7年度採用・養護教諭)が個人面接2回分を詳しく報告してくださいました。2回とも、自己アピール票の記載が引用されています。

  • 【面接1回目・冒頭】1分間で自己アピールをしてください。
  • 【面接1回目】「ティームティーチング」とありましたが、授業をする中で大変だと思うことや、やりがいに感じることはありますか。
  • 【面接2回目】強みに「探究心を持って粘り強く」とありますが、具体的にどのように強みを生かしていますか。エピソードがあれば教えてください。

市販の全国版過去問集の宮城県分264問(4年分)を集計しても、自己PR・長所短所に関する質問の出現率は面接1,000問あたり57件。全国平均32件の約1.8倍です。「自己アピール表について」「1分間の自己PR」という記録が、複数の年度に繰り返し残っていました。

つまり宮城県では、自己アピール票が面接の台本になっている面があると考えられます。何を書くかを決めた時点で、面接の質問のかなりの部分が決まる、と私は考えています。

①と②をどう書き分けるか|評価の観点から逆算する

要項には、個人面接Ⅰと個人面接Ⅱで「主に見る資質能力」がはっきり分けて書かれています。ここが書き分けの設計図になります。

科目主に見る資質能力票に載せたい話
個人面接Ⅰ授業力(養護教諭は保健管理力・保健教育力)/生徒指導力(同・健康相談力・保健指導力)/子供理解授業や指導の工夫、子どもの見取り、実習・講師・ボランティアでの具体的な場面
個人面接Ⅱ子供理解/学校を支える力/教育への情熱/たくましく豊かな人間性/自己研鑽力同僚や組織の中での動き方、宮城県で教員になりたい理由、困難への向き合い方、学び続けている具体的な行動

※出典:同要項「14(2)① 個人面接及び集団討議」。
なお「①を個人面接Ⅰの部屋に、②を個人面接Ⅱの部屋に提出する」という運用は要項に明記されていません(要項の記載は「個人面接の際に各面接室で提出」まで)。様式に書かれている記入項目に必ず従ってください。この表は「そういう設計になっていると読める」という提案です。

実際の実録がまさにこの通りでした。1回目は「保健室から防災にどう取り組むか」「保健室登校の子への関わり」=授業力・生徒指導力・子供理解。2回目は「宮城県の印象」「先生たちと関わるうえで大切にしていること」「落ちたらどうするか」=教育への情熱・学校を支える力・たくましさ。要項どおりに聞かれています!

志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

ボランティアも部活も資格も、思いつく限り書きたくなりますが、私はおすすめしません。たくさん並ぶと面接官は「どれを聞けばいいか」分からなくなり、①「1つ選んで話して」と受験者に選ばせる、②面接官の感性で選ぶ(聞いてほしくないものが選ばれるリスク)、③「なぜそんなにたくさん?」と総論を聞く、④どれも聞かない——のどれかになります。「ここを突っ込んでほしい」ものがあるなら、せめて2〜3個に絞って厳選して書くといいと思います。これが種の撒き方です。ただ、どれを聞かれても同じように濃く話せるなら、やった分だけ書いてもかまいません。

市販の過去問集では、令和4年度採用の宮城県の個人面接Ⅰ・Ⅱが各20〜30分程度と紹介されています。その中で志望動機、経験、強み、子ども観、同僚との関係、宮城県への思いまで聞かれます。票起点の質問に使える時間は、決して長くありません。だからこそ絞るのです。

②突っ込み質問を考えながら書く

1名分の実録ですが、一つの例になります。「ティームティーチング」と書けば「大変だと思うことややりがいは」と来ましたし、「探究心を持って粘り強く」と書けば「具体的にどう生かしているか、エピソードは」と来ました。書いた一文ごとに、来る質問と自分の答えを先に用意しておく。これができていれば、本番でうろたえにくくなります。

③資質能力のバランスを見る

志望動機で「子どもに寄り添う学級経営」を書き、強みでも「傾聴力・受容性」と書くと、面接官は「この人、授業力はあるのかな」と不安になることがあります。授業力と生徒指導力、志望動機と強みで補い合うのがコツ。すべてを同じレベルで揃える必要はなく、「任せられる最低ライン」が全部にあり、その上で突出したものが1つあればいい、というのが私の考えです。

宮城県は、この考え方がとくに効きます。要項が「授業力」「生徒指導力」「子供理解」「学校を支える力」「教育への情熱」「たくましく豊かな人間性」「自己研鑽力」と資質能力を名前で並べてくれているからです。書き終えたら、自分の票がどの資質能力に触れていて、どれが空白かをチェックしてみてください。触れていない資質能力についても、質問されたときに答えられるよう準備しておきましょう。

④項目の意図を正確に読む

「自己アピール」と書かれた欄でも、そこに「学校でどう生かせるか」まで含めて読むことをおすすめします。自己アピールを聞く目的は「この人を採用したら子どもや学校はどうなるか」という採用メリットを知るため。強みや経験は、その根拠として書きます。だから「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本です。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

上手な字である必要はありませんが、読みやすい大きさで、止め・はね・払いを丁寧に。「この字を黒板に書くのか」と連想する面接官は実際にいます。そして書いたら、必ず何人かに読んでもらってください。面接官によって着眼点は違うので、複数の目を通した書類ほど、どんな面接官にも魅力が伝わるものになります。

「言わないと分からないこと」に字数を使う

私は学生時代「笑顔がいいね」とよく言われました。でも自己PRに「私の長所は笑顔です」とは書きません。笑顔で面接していれば、面接官には見れば分かるからです。せっかくの字数は、第一印象では伝わらないこと、「そういう面もあるんだ」と面接官が知って評価が変わることに使ってください。

自分がどんな第一印象を持たれやすいかを知ったうえで、そこで生まれる不安を先回りして埋める。それが「言わないと分からないこと」です。私自身、新卒で受験したときの自己PRは「向上心・行動力・社交性」の3つを挙げましたが、最後の「社交性」を入れたのは、スパッと話すタイプで「人と協力できるのか」と思われやすい自分を補うためでした。実際の文章と一文ずつの意図は、愛知県の記事で全文を公開しています。

■ 実物公開|私が新卒で受験したときの自己PR(愛知県の記事)

前職・アルバイトの経験は「学校で生きる形」にして書く

レストランのアルバイトも、前職の営業も、書いていいものです。条件は「先生としても魅力だ」と感じられる形にすること。私自身は飲食店のアルバイトについて「アルバイトでもお客さんはいいサービスを受けたい。だからプロ意識を持って働いた。初任でも子どもたちはいい教育を受けたいと思っているので、同じプロ意識で働きたい」と話しました。経験そのものではなく、そこで身につけた姿勢が学校でどう生きるかを一文で添えるのがコツです。

宮城県内で講師をしている方は、「現場で課題意識を持って試したこと」を書いてください。それは新卒の方には書けない、講師だけの強みです。講師の方が使えるルート(教職経験者特別選考)は別記事にまとめています。

■ 宮城県の特別選考と一次免除|講師経験者・他県現職・元職・総合成績ランクB

宮城県向けに着地させる|みやぎの教員に求められる資質能力

宮城県が求めている教員像(選考要項より)

【土台となる3つの姿勢】

  • 子供たちに最適の学びを提供するため、生涯にわたり学び続ける姿勢を持ち続ける
  • 東日本大震災の経験を踏まえ、宮城の創造的復興を実現し、持続可能な地域社会をつくるため、未来を担う人材を育成する志を持ち続ける
  • 教員としての使命感、教育的愛情を深め、広く豊かな教養や人間性を磨く

【学校の教育力を構成する実践力】 授業力/生徒指導力/子供理解/学校を支える力(養護教諭は 保健管理力/保健教育力/健康相談力・保健指導力/子供理解/学校を支える力)
【実践力の基盤となる意欲・人間性等】 教育への情熱/たくましく豊かな人間性/自己研鑽力

注目してほしいのが、真ん中の「東日本大震災の経験を踏まえ、宮城の創造的復興を実現し……」という一文です。求める資質能力の土台に、震災と復興が明記されています。

令和8年度採用(令和7年度実施)の集団討議の課題にも「東日本大震災を経験していない児童生徒が増加し、防災意識を高めることが課題」というテーマが出ていますし、市販の過去問集にも震災に関する質問の記録が複数年に残っています。「宮城県で教員になる」と書く以上、震災と防災教育について自分の言葉を持っておく——これは、票にそのまま書くかどうかは別として、必ず準備しておいてほしいところです。

ただし、無理に震災を語らなくても大丈夫です。県外出身の方が「震災の記憶が薄い自分だからこそ、経験していない子どもたちと同じ目線で学び直せる」と語ったっていい。大事なのは、宮城で働く自分がその課題とどう向き合うかを、自分の言葉で言えることです。借りてきた言葉は、深掘りで見抜かれる場合があります。

書いたあと|「深掘りツリー」を作る

票が仕上がったら、最後にこれをやってください。書いた一文ずつに、面接官が投げてくる質問をぶら下げていく作業です。

  1. 第1階層:その一文の具体例を聞かれる →「エピソードを教えてください」
  2. 第2階層:大変だったこと・やりがいを聞かれる →「大変だと思うことは?」(実録にあります)
  3. 第3階層:学校でどう生かすかを聞かれる →「具体的にどのように生かしていますか」(実録にあります)
  4. 第4階層:反対側から聞かれる →「うまくいかなかったときは?」「同じやり方が通用しない子には?」

宮城県の個人面接は2回。票を見た別の面接委員が、それぞれの観点から掘ってくると考えられます。面接ノートは、文章で書くのではなく、深く考えて図にしていくことが大切だと思います。この作り方は、面接ノートの動画で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 自己アピール票の様式はどこで手に入りますか?

A. 要項には「Webページからダウンロードして作成し」とだけ書かれています。宮城県公立学校教員採用情報のWebページで確認してください。記入項目や字数は要項に載っていませんので、様式そのもので必ずご確認を。なお、選考に関する情報や非常変災時の対応は、このWebページと県教委のXアカウント(@miyagi_kyoiku)でも案内されます。

Q. なぜ「それぞれ2枚」印刷するのですか?

A. 要項に理由の記載はありません。ただ、個人面接は「複数の面接委員による面接」と明記されていますので、面接委員それぞれの手元に配られると考えるのが自然です。つまり、あなたの票は1人ではなく複数の目に読まれます。だからこそ「何人かに読んでもらう」(5原則の⑤)が効いてくるのです。

Q. 第1次選考が免除の場合も、自己アピール票は必要ですか?

A. 必要です。要項の第2次選考の提出物では、自己アピール票①・②は「全員」提出とされています。他県現職者等特別選考・宮城県元職者特別選考・総合成績ランクB特別選考で一次が免除される方も、第2次選考を受ける以上は同じです。なお、この方たちには第2次選考に関する通知が令和8年7月31日(金)に発送予定とされていました。

Q. 「1分間の自己アピール」と、自己アピール票の関係は?

A. 要項には、口頭での自己アピールについての記載はありません。ただし受験者の報告では、面接の冒頭で「1分間で自己アピールをしてください」と求められています。市販の過去問集にも「1分間の自己PR」の記録が複数年に残っていますので、1分・話し言葉のバージョンを用意しておくことをおすすめします。票に書いた内容と食い違うと、そこが深掘りの対象になりやすくなります。

Q. 票に書いていないことも聞かれますか?

A. 聞かれることがあります。実録でも「子供はかわいいですか」「メンタルは強い方ですか」「もし今年度不合格だったらどうしますか」「宮城県の印象はどうですか」など、こうした人物面の質問も報告されています。票は面接の入口であって、全部ではありません。二次で何が聞かれているかは、親記事にまとめています。

■ 宮城県の第2次選考|個人面接Ⅰ・Ⅱ+集団討議の内容と出題傾向
■ 宮城県の倍率|令和9年度採用の一次結果と校種別・教科別の数字

Q. 願書や履歴書も面接で使われますか?

A. はい。要項には「個人面接(適性検査も含む)、集団討議及び実技試験の結果を選考資料とし、第1次選考の成績、願書・履歴書の記載内容等を勘案して総合的に選考します」と明記されています。願書・履歴書は出願時(4月20日〜5月15日(令和9年度採用の場合))に電子申請で提出するものですから、春の時点で書いた内容が、夏の面接まで効いてくるということです。要項のFAQには「新卒の方が職歴欄や賞罰欄を空欄にしてしまうことが多い」「該当がなければ『なし』と記載を」という注意も出ています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

自己アピール票の項目は県教委の公開様式で確認できますが、実際にどの欄から質問されたかについては、受験した方の報告を募集しています。宮城県は令和8年10月時点で報告が2名分です。受験された方は、ぜひ次の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム(2〜3分・匿名OK)

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