こんにちは、金井志津乃です!

新潟市の自己PRカード、手書きなんですよね……。何をどこまで書けばいいのか分からなくて、手が止まっています。

大丈夫です。新潟市の自己PRカードは「何を書いてほしいか」が様式の注記に細かく書かれているんですよ。項目の意図を正確に読み取って書いた書類は、面接官にとっても好印象だと思います。一緒に読み解いていきましょう!
この記事では、新潟市立学校教員採用選考検査の提出書類「自己PRカード」について、令和9年度の様式そのものを1行ずつ読みながら、書き方と面接での聞かれ方を解説します。
この記事の根拠
- 令和9年度採用の自己PRカードの様式(PDF)から、記入欄・設問文・注記をすべて確認。書かれていないことは書きません。
- 受検案内の提出書類一覧・判定基準(提出書類の記載内容も含めて一件ごとに審査)と照合済み
- 面接での深掘られ方は、受検者報告(本記事で引用したのは1件)と市販の全国版過去問5年分(新潟市の個人面接44問)の傾向から
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
仕組み|いつ・誰に・何のために出すのか
| 書類名 | 自己PRカード(提出書類③) |
| 対象 | 全員必須。一般選考・特別選考Ⅰ〜Ⅷのすべての区分で提出します。 |
| 提出方法 | 郵送(受検願書は電子申請ですが、自己PRカードは紙です)。「特定記録郵便」で、角形2号の封筒に他の書類とまとめて送ります。 |
| 提出期限 | 第1次検査:4月22日(水)〜5月26日(火)(令和9年度採用の場合)当日消印有効/小学校教諭5月検査:2月5日(木)〜3月5日(木)当日消印有効 |
| 様式の入手 | 新潟市ホームページからダウンロードし、A4サイズ白色コピー用紙(厚紙不可)に印刷。第1次検査分のダウンロードは4月22日から可能。 |
| 書き方のルール | 太線内に黒か青の万年筆またはボールペンで、本人自筆、楷書で記入(様式の「記入上の注意」より) |
| 使われ方 | 第2次検査の判定で「提出書類の記載内容も含めて、一件ごとに審査」されます。面接官の手元にある資料にもなると考えられます。 |
| 5月検査との関係 | 小学校教諭5月検査に出願し、第1次検査でも小学校教諭に出願する場合は、5月検査で提出したカードの写しを第1次検査分として提出してもかまいません(署名部分も含む) |
| 返却 | 提出した書類は返却されません。必ずコピーを取って手元に残してください。 |
※出典:令和9年度採用 自己PRカード(様式)および受検案内「5 出願方法」「10 検査の配点および判定基準(3)」。

2つ、強調しておきます。ひとつは「本人自筆・楷書」——パソコン入力は不可です。もうひとつはコピーを取ること。二次の面接は8月。5月に書いたカードの内容を、3か月後に思い出せますか? 手元に控えがないと、深掘りされたときに自分の書いたことと食い違ってしまいます。
記入欄は5つ|様式を1行ずつ読む
1|新潟市の教員を志望した理由
【様式の設問】あなたが、新潟市の教員を志望した理由を記入してください。
ここで見落とせないのが「新潟市の教員」という言葉です。「教員になりたい理由」ではありません。なぜ新潟市なのかまで書くことが求められています。
受検者報告には、次の質問が記録されています。
「あなたが新潟市の教員になったら何ができますか。」(令和8年度採用・中高共通「国語」の受検者報告より)
報告では、面接で「新潟市で何ができるか」と一歩先を聞かれた例があります。志望理由の欄は、自分のやりたい教育と新潟市の実践をすり合わせて、「自分のやりたいことは新潟市でできる」ということが伝わる一文を最初に書くのがおすすめです。
志望理由の材料は「にいがた学びのコンパス」から
私が志望動機を作るときにいつもやるのは、その自治体の教育振興基本計画から、課題と求める人材像のキーワードを拾うことです。新潟市には「新潟市教育振興基本計画〜にいがた学びのコンパス〜」(令和7年3月策定)があります。
しなやかに 世界と未来を 創る人
「しなやか」=柔軟性・弾力性・粘り強さ・たくましさ・適応力/「世界」=グローバルな世界と、自分が関わる身近な地域社会。既成概念にとらわれず、主体性と挑戦する気概をもって新たな価値を創造してほしい、という願いが込められています。
4つの基本方針
- Ⅰ 生涯を通じて学び、夢や希望に向かって挑戦し続ける人づくり
- Ⅱ 豊かな人間性と高い志をもち、協働しながら新たな価値を創造する人づくり
- Ⅲ 地域との絆を深め、郷土に誇りと愛着をもって社会に貢献する人づくり
- Ⅳ 多様な学びを支える教育環境の整備・充実
方針Ⅱの下には「人権を尊重し、多様性を認め合う心の育成」「誰一人取り残さない、一人一人の可能性を引き出す教育の推進」「いのちの教育・心の教育の推進」が並びます。過去問で特別支援・不登校・いじめが全国平均を大きく上回っているのは、この計画の裏返しです。
志望理由に「しなやか」という言葉をそのまま入れる必要はありません。大事なのはあなたの経験の中から、この方向性と重なる部分を選んで書くことです。「粘り強さ」「多様性」「誰一人取り残さない」——自分の経験のどれが、どの方針とつながるか。そこを結んでから書き始めてください。
「恩師に憧れて」がきっかけでも大丈夫です。恩師のエピソードはきっかけ程度にして、そこから自分がどんな教員になりたいと思ったのか、教える側としての自分の経験からその思いをどう育ててきたのかを語ることが重要だと思います。NG例文とOK例文の比較はこちらで。
2|継続して取り組んできたこと(ここが新潟市の核心)
【様式の設問】以下のことについて、具体的に記入してください。
- ① 中学校入学以降、学校内外での活動で、継続して取り組んできたこと
- ② 学校での勤務経験がある場合は、担当した業務の経験やその業務内容
- ③ ①や②を通しての自分自身の気付きや認識の変化、自己の成長等
新潟市の自己PRカードで最も特徴的な欄です。ポイントを3つ。
- 「中学校入学以降」という時間の指定がある。大学時代だけではありません。中学・高校の部活動や委員会も対象です。
- 「継続して取り組んできたこと」。単発のイベントではなく、続けてきたものを書きます。新潟市は「粘り強さ」を見ていると考えられます。
- ③で「気付き・認識の変化・成長」まで書かせる。活動の羅列で終わってはいけません。そこで自分がどう変わったかが本題です。
○□◎の使い分け|ここを外すと「読めていない人」に見えるかもしれません
様式の注記に、こう書かれています。
| ○ | 学校内での活動(生徒会活動や部活動等)の名称の前に付ける |
| □ | 学校外での活動の名称の前に付ける |
| ◎ | 学校での勤務経験の記載に付ける |
地味に見えますが、記号の使い分けも、指示を正確に読み取って書くことの一つです。学校の先生の仕事は、通知や規程を正確に読んで実行することの連続です。面接官によって着眼点は違いますが、字の丁寧さなど、書き方の細部まで見る面接官もいらっしゃいます。
「具体的に」の中身も、様式が教えてくれている
さらに注記2では、何を書けば「具体的」なのかまで指定されています。
a 所属した組織や団体等の名称・規模等(学校の場合は、公式なものか、サークルの集まりで非公式なものか等を含む)、具体的な活動内容、あなた自身が果たした役割(会長、委員長、部長、正選手・補欠の別、ポジションなど具体的な事柄等の役職名等を含む)
b 出場・参加したコンクール、大会等を記入する場合は、名称、規模等(県大会、ブロック大会、全国大会等の別や1部リーグ・2部リーグの別等)、具体的な実践・成績
3 社会貢献活動、児童生徒に係る活動、その他の活動についても、上記a・bの例を参考にして記入すること

ここまで丁寧に指定してくれる自治体は、そう多くありません。「正選手・補欠の別」「1部・2部の別」まで書けとあるのは、盛らずに正確に書いてくださいというメッセージです。補欠だったこと、2部リーグだったことは、減点材料にはならないと私は考えています。むしろそこで何を考え、何を続けたかのほうが、③の「気付きや認識の変化」として書きやすい。正直に書いて、③で勝負しましょう。
書く順番|①②を選んでから③を書く
自己PRを作るとき、私はいつも3ステップで考えています。
- 要項や教育振興基本計画から、求める人材像のキーワードを拾う(新潟市なら「しなやか」=粘り強さ・適応力、「誰一人取り残さない」など)
- 教員としての能力を磨くためにやってきたことを、全部書き出す(この段階では選ばない。中学以降を全部)
- その経験に生きた自分の性格・長所を紐づける——そして1で拾ったキーワードと重なるものを選ぶ
この順番でやると、③の「気付きや認識の変化」が自然に書けます。逆に、いきなり書き始めると「頑張りました」で終わってしまうんです。
なお、講師をしている方は②の欄が最大の武器です。「担当した業務の経験やその業務内容」——ここに現場での課題意識と、実際に試したことを書けるのは講師だけ。私は講師の強みをクオリティ(現場での課題意識)・信用(現場での積み重ね)・フレッシュさの3つだと考えています。堂々と書いてください。
3|学歴・職歴等(裏面)
裏面の一番大きな欄です。中学校卒業後、現在に至るまでの履歴を省略せずに記入します。あわせて右側に次の欄があります。
| 教育実習 | 実習を行った校種に○(小・中・高/特別支援学校)、期間および実施学年、大学何年時か。最大5件の記入欄があります。 |
| 職歴 | 最終校卒業・修了後の職歴を勤務先(職名)とともに。正規採用の場合は枠内に○を記入。 |
| 卒業(修士)論文の題目 | 記入欄あり。大学3年生で受検する場合は記入不要。 |
| 教育職以外の職業経験 | ある場合は、その仕事等の内容を具体的に記入 |
「省略せずに」がキーワードです。空白期間があっても、そのまま書きます。ごまかすほうが危険で、受検案内には「受検願書・提出書類の記載事項が事実と異なることが判明した場合は、第2次検査に合格していても内定および採用候補者名簿への登載を取り消し、採用しないことがある」と明記されています。
そして卒業論文の題目は、過去問で聞かれた例があるテーマです。過去問にも「卒業論文の内容を詳しく」「なぜそのテーマにしたのか」という質問があります。題目を書いた以上、①どんな研究か ②なぜそのテーマを選んだか ③教育現場でどう生きるかの3点を用意しておくことをおすすめします。
4|資格・特技等(教員免許状を除く)
| 英語 | 実用英語技能検定の級と取得年月/その他の検定(検定試験名・得点・取得年月日)。ケンブリッジ英語検定、TOEFL、TOEIC等の級や点数、取得年月を記入。 |
| 音楽の授業で示範できる楽器名 | 小学校教諭受検者のみ記入 |
| 資格 | 司書教諭、社会教育主事、CST等、教員という職業とつながる資格名と取得(見込)年月 |
| 特技 | 英語以外の語学、書道や剣道などの級や段等 |
この欄は加点制度と直結しています。令和9年度採用の加点は第1次検査の制度で、対象は小学校教諭・中・高共通・特別支援学校教諭の受検者です(小学校教諭5月検査および大学3年生の受検には加点はありません)。英検準1級以上(小学校・中高共通「英語」)で5点、英検2級以上(小学校)で3点、司書教諭の資格で3点。欄に記載できる資格がすべて加点対象とは限りません。加点対象に該当し、申請する場合は「免許状・資格に係る加点申請書」と証明書の写しを出願時に提出し、第1次検査当日に原本を提示してください。英語資格・司書教諭は出願時に取得済みであることが必要です。カードに書いただけでは加点されません(加点制度の詳細はこちら)。
「資格」欄の注記が「教員という職業とつながる資格名」と限定しているのも見落とさないでください。趣味の資格をずらりと並べる欄ではありません。特技欄のほうは書道・剣道の段位など、人柄が伝わるものでかまいません(小学校志望で楽器が弾ける方は、楽器名の欄が別にあります)。
5|署名
「願書の入力内容や提出書類の記載内容は、すべて事実と相違ありません」という一文の下に、日付と署名を自筆で記入します。ここを書き忘れると書類不備になる恐れがあります。書き上げたら、必ず最後に確認してください。
書くときの5つの原則
自治体は違っても、志願書類に共通する原則があります。私が動画でお話ししている注意点を、5つにまとめました。
- 種を撒く。面接で話したいことを、あえてカードに一言だけ書いておく。面接官がどこを聞くかは人によりますが、深掘りしてほしい要素を戦略的に散りばめておくことができます。
- 突っ込みを想定する。書いた一文ごとに「ここを聞かれたら何と答えるか」を考える。答えられない一文は書かない。
- 資質のバランスを取る。行動力ばかり、優しさばかりに偏らない。教員に必要な複数の資質が伝わる配分にする。
- 項目の意図を読む。「なぜこの項目を書かせるのか」を考える。新潟市が「継続して取り組んできたこと」を聞くのはなぜか——そこに答える。
- 丁寧な字で書き、複数の目で見てもらう。自筆の書類は、内容の前に「丁寧さ」が伝わります。必ず誰かに読んでもらってから清書を。
もうひとつ、字数のない記入欄で効く考え方を。「言わなくても伝わることは書かない」です。「子どもが好きです」「一生懸命頑張りました」——これは誰でも書きます。書かなければ伝わらないのは、あなたにしかない具体的な事実のほう。限られた記入欄は、そちらに使ってください。
私自身が実際に提出した自己PRの実例(3つの長所のバランス/2文目に目的を置く/3文目で面接の種を撒く)は、愛知県の記事で全文を公開しています。書き出しの参考にどうぞ。
■ 私の自己アピール文を全文公開|3つの長所のバランスと「種の撒き方」
書いた後|面接での深掘られ方を先回りする
個人面接の時間は報告によって異なります。公刊の過去問には15〜17分(場面指導5〜7分を含む)の記録があり、令和9年度採用の小学校では場面指導を含めて20〜30分という報告があります。時間や質問の内訳は、全受検者に共通とはいえません。5年分の過去問から、深掘りのパターンを整理しました。
| カードの欄 | 面接での聞かれ方(過去問の傾向より) |
|---|---|
| 1 志望理由 | 「新潟市の教員になったら何ができますか」/志望動機に書いた内容について→そこに書いた人物・経験の具体化→「そのために生徒とどう関わりますか」 |
| 2① 継続して取り組んできたこと | 「取り組んできたことは」→「学校の教育にどう生かしたいですか」/活動を始めたきっかけ・動機 |
| 2② 学校での勤務経験 | 「教職の経験はありますか」→業務内容の深掘り/一般企業での経験→「大変だった場面は」→「どう乗り越えたか」→「教職にどう生かすか」 |
| 2③ 気付き・成長 | 「そこから何を学びましたか」/挫折経験は/周りからどんな性格だと言われますか |
| 3 学歴・卒業論文 | 卒業論文の内容を詳しく/なぜそのテーマにしたのか/出身学部と新潟市での活動経験の接続 |
| 4 資格・特技 | 英語資格・司書教諭など、教育活動にどう生かすか |
※市販の全国版過去問集(新潟市の個人面接44問・令和4年度〜8年度採用)の傾向を私が整理したものです。
共通しているのは、「書いたこと」→「それをどう教育に生かすか」という流れです。新潟市の追質問チェーン率は12.4%(全国平均約10.5%)。一問一答ではなく、深掘りツリーで準備してください。

カードを書き終えたら、一文ずつ指でなぞりながら「これを聞かれたら?」と自問してみてください。答えが出てこない一文は、面接で沈黙を生みます。書き直すか、答えを用意するか。どちらかを、提出前にやっておきましょう。
よくある質問
Q. 字数制限はありますか?
A. 様式に字数の指定はありません。記入欄の大きさが実質的な上限です。だからこそ「言わなくても伝わることは書かない」が効きます。余白を怖がって埋め尽くすより、読みやすい字で、具体的な事実を書いてください。
Q. パソコンで作って印刷してもいいですか?
A. できません。様式の記入上の注意に「太線内に黒か青の万年筆又はボールペンで、本人自筆、楷書で記入してください」と明記されています。様式そのものはA4白色コピー用紙(厚紙不可)に印刷し、中身は手書きです。
Q. 書き損じたらどうすればいいですか?
A. 様式は市ホームページからダウンロードして印刷し直せます。時間に余裕をもって取り組んでください。第1次検査分のダウンロードは4月22日(令和9年度採用の場合)から可能で、提出期限は5月26日(当日消印有効)です。
Q. 5月検査と第1次検査で、2回書かないといけませんか?
A. 小学校教諭5月検査に出願し、第1次検査でも小学校教諭に出願する場合は、5月検査の出願時に提出した自己PRカードの写しを、第1次検査の自己PRカードとして提出してもかまいません(署名する部分も含みます)。だからこそコピーを取っておくことが大切です。
Q. 部活動で目立った成績がありません。不利ですか?
A. 不利になるとは限りません。設問が求めているのは「継続して取り組んできたこと」と「そこでの気付き・認識の変化・自己の成長」です。成績を書く欄(注記b)はありますが、それは該当する場合に正確に書くためのもの。補欠でも2部リーグでも、続けたこと自体が「しなやかさ」の証拠になります。
Q. 自己PRカードは一次と二次のどちらの判定で使われますか?
A. 自己PRカードは第1次検査の判定でも第2次検査の判定でも使われます。受検案内には、一次・二次いずれの判定基準にも「提出書類の記載内容も含めて、一件ごとに審査を行い」と書かれています。自己PRカード単独の配点は要項に示されていませんが、両方の場面で読まれます。
受検された方へ
新潟市の受検者報告は、2026年10月15日時点で3名分です。「自己PRカードのどこを聞かれたか」は、受検した方にしか分かりません。この記事を育てるために、ぜひご協力ください。
■ 受検報告フォームはこちら(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)
■ 新潟市の二次検査|個人面接(場面指導つき)+集団面接の内容と出題傾向
■ 新潟市の倍率|令和9年度採用の出願状況と過去3年の教科別合格者数
■ 新潟市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生・講師経験者・教職大学院・英語資格と加点制度
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