【教員採用試験】徳島県の小論文(論文審査)|過去の出題テーマと80分・800字の書き方

こんにちは、金井志津乃です! 

徳島県の小論文って、二次にはないんですよね? 一次でいきなり書くって聞いたんですけど、資料とか課題文は出るんですか?

そのとおり、徳島県の「論文審査」は第1次審査の科目です。確認した令和5年度〜8年度採用の設問は、長い資料ではなくテーマが示される形式でした。また、令和6年度採用の小学校受験者からは「題は書かずに1行目から本文を書く」という注意書きの報告があります。当日の答案用紙の指示を必ず確認してください。

この記事では、徳島県公立学校教員採用候補者選考審査の論文審査(小論文)について、過去の出題テーマ・答案用紙の注意書き・80分800字の書き方をまとめます。

この記事の根拠

  • 実施日・時間・配点・免除の規定は令和9年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査要項と照合済み
  • 答案用紙の注意書き(字数・題の扱い)は、実際に受験された方からの報告にもとづいています
  • 過去の出題テーマは市販の全国版過去問集から確認できた直近4年分です(令和9年度採用は令和8年10月時点で未収集)。課題文の転載はせず、テーマの要旨のみを掲載しています。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

論文審査の形式|30秒でわかる基本情報

実施時期第1次審査で実施(令和9年度採用は7月18日(土))。第2次審査にはありません。
時間80分間(要項の日程表では11:30〜12:50)
字数800字以内(受験者報告。答案用紙の注意書きに記載)。要項には字数の記載がありません。
配点100点(第1次審査は500点満点。実技審査のある校種・教科等は 教職教養50点+専門200点+実技150点+論文100点、実技審査のない校種・教科等は 教職教養50点+専門350点+論文100点)
形式過去4年分を見るかぎり課題文や資料の提示はなく、テーマが示される形式
答案用紙の注意書き題は書かずに、直接1行目から本文を書き始める/受審番号を原稿用紙に必ず記入する(受験者報告)
免除特別選考①〜⑦のすべてで論文審査は免除。実施されるのは一般選考と「大学3年生等を対象とした選考」のみ(詳しくはこちら)。
結果の開示不合格の場合、科目別得点を口頭で開示請求できます=自分の論文が何点だったかが分かります(第1次分の受付は8月4日〜9月3日)

※出典:令和9年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査要項。
字数と答案用紙の注意書きは受験者報告によります。

「論文は一次の科目」というのは、実はとても大きな意味があります。徳島県では、論文の出来が一次の合否を左右するということですから。500点中100点=全体の20%。教職教養(50点)の2倍です。「筆記の合間の科目」ではなく、教職教養の2倍の配点がある主要科目(実技審査のない校種・教科では専門に次ぐ配点)だと考えてください。

過去の出題テーマ|確認できた4年分

確認できた直近4年分のテーマです(設問の全文は掲載していません)。

採用年度(実施)テーマの要旨設問で求められていること(要旨)
令和5年度(2022夏)「協働力」を、どのように捉えるか。その力を新任教員としてどう発揮していくか。①言葉の捉え方
②新任としての発揮の仕方
令和6年度(2023夏)児童生徒や保護者から「信頼される教師」とはどのような教師か。そのような教師になるために自分の強みを生かしてどのような教育実践に取り組むか。①教師像の定義
②自分の強みを生かした実践
令和7年度(2024夏)徳島教育大綱(令和6年3月)の基本方針「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人財』の育成」を踏まえ、どのような教育実践に挑戦するか基本方針を踏まえた教育実践を具体的に述べる(方針の理解は答案の前提)
令和8年度(2025夏)徳島県GIGAスクール構想の推進に伴いICTを活用した教育活動が進められている。それを踏まえ、学習活動においてどのようにICTを活用していくか。施策を踏まえ、学習活動でのICT活用を具体的に述べる(施策の理解は答案の前提)

※市販の全国版過去問集の徳島県分より、テーマの要旨のみを掲載。令和9年度採用(2026年夏実施)のテーマは、令和8年10月時点では未確認です。令和6年度採用のテーマは、実際に受験された方の報告とも一致しています。

4年分から見えるパターン

  1. 課題文も資料も出ない。長い資料を読む形式ではありませんが、設問の要求を確認する時間も取ってから、構想と執筆に進みましょう。逆に言えば、設問中のキーワードや求められている内容を手がかりに、自分の知識や経験から材料を選びましょう。
  2. 確認した4年分では、協働力、教師像、県の方針やICTを踏まえた教育実践などが問われています。設問で求められた内容に漏れなく答えることを意識してください。答案の組み立てとしては「言葉をどう捉えるか」を短く示してから「具体的に何をするか」に進むと書きやすくなります。
  3. 近年は「徳島県の施策」が名指しで出ている。「徳島県GIGAスクール構想」という県の固有名詞が設問に入りました。県の教育施策を知らないと書けない方向へ変わってきている可能性があります。
  4. 「自分の強み」を聞かれる年がある。令和6年度採用は「自分の強みを生かして」でした。志願書に書いた自分の強みと、論文で書く強みは一致していますか?二次の面接で両方を照らして質問されても答えられるよう、矛盾がないか確認しておきましょう。

受験者の報告|答案用紙にはこう書いてありました

令和6年度採用(2023年夏実施)に小学校を受験された方から、答案用紙の注意書きを教えていただきました。

  • 受審番号を原稿用紙に必ず記入すること
  • 審査時間は80分で、字数は800字以内とする
  • 題は書かずに直接1行目から本文を書き始めること

3つ目、地味ですが重要です。題名を書く練習をしてきた方は、当日そのまま書いてしまいます。そして1行目から本文というのは、最初の1文で採点者の心をつかむ工夫が役に立つということでもあります。「近年、〜が求められている」という定番の書き出しは悪くありませんが、800字しかない中で、社会情勢の説明に3行使うのはもったいない——ここは意識しておきましょう。

書き方|80分・800字で「捉え方→実践」を書き切る型

800字は、思っているより短いです。原稿用紙2枚。だからこそ迷わず書き出せる型と時間配分を先に決めておくことが、そのまま点数になります。私がこれまで多くの受験者を見てきた中で、ベストな時間配分の目安は「構想メモに全体の4分の1程度、残りを執筆と見直しに」です。80分なら構想メモ約16分、執筆と見直しで約64分。ただし人によって違うので、過去問演習で自分に合う配分を掴んでください。

最初の16分設問の要求に線を引く → 構想メモ。「①どう捉えるか」「②どう取り組むか」を目安にメモを分け、実際の設問が求めている内容に合わせて項目を調整する。
54分執筆(640〜800字)。800字以内の指定なら8〜9割=640字以上が目安。少なすぎる答案は不利になる可能性があります。
最後の10分見直し。主語述語のねじれ・誤字・段落の切れ目を確認。受審番号の記入も忘れずに。

※時間配分の目安は金井志津乃のYouTube『小論文完全攻略』(2024年5月)の発言にもとづく。執筆と見直しの内訳は私の目安です。

そして800字の中身の配分です。私が『小論文完全攻略』の動画でおすすめしている基本は、序論・本論・結論の三段構成で、分量は序論2割・本論7割・結論1割ぐらいです。本論は、取り組みや考えを大きく2種類に分けて二段落で述べるときれいにまとまります。以下の5段階の字数配分は、その基本をもとに私がおすすめする徳島県向けの型です(字数はあくまで目安)。

  1. 捉え方の宣言(約150字)——「私は『協働力』を〜する力だと考える」。1行目から、いきなりここに入って構いません。設問の言葉をそのまま使うと、論点がずれません。
  2. なぜそう考えるか(約150字)——教育課題や現場の状況に一言触れる。ここは短くて大丈夫です。
  3. 具体的な実践①(約200字)——授業や学級経営の中で、自分の校種で実際にできること。「いつ・誰に・何をするか」まで書く。
  4. 具体的な実践②(約200字)——①とは違う切り口で。同僚・家庭・地域との連携、あるいはICTの活用など。
  5. 結び(約100字)——徳島県の教員としてどうありたいかで締める

小論文でまず意識してほしいのは「課題の趣旨からそれないこと」です。徳島県のようにテーマだけが示される形式は、自由度が高いぶん、書いているうちに「自分の語りたいこと」に流れていきやすい。設問の言葉をそのまま使って書く——これが、ずれを防ぐいちばん確実な方法です。1分で解説したショートがこちら。

構想メモの取り方は、実際に私が書きながら解説した動画が分かりやすいと思います。「学び続ける教師」という漠然としたテーマを、理由と取り組みを挙げて結論に落とすところまで実演しています。

そして、NG例文とOK例文を並べて添削した動画がこちらです。「社会的背景の理解不足」「問題文の要求を満たしていない」「主語述語のねじれ」「抽象的で本旨と関連が薄い結び」——落ちる答案に共通する4つを、実際の文章で見てください。

徳島県らしい答案にするために|教育大綱の言葉を持っておく

令和8年度採用のテーマに「徳島県GIGAスクール構想」という県の固有名詞が入ったことは、徳島県の教育施策を知っている人に来てほしいというメッセージではないかと、私は受け止めています。

徳島教育大綱|答案の「着地点」に使える言葉

徳島県は令和6年3月に「徳島教育大綱/徳島県教育振興計画(第4期)」を策定しています。基本方針は「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人財』の育成」。求められる「人財」の具体像は、果敢に挑戦する人財/新たな価値を共創する人財/地域のために行動する人財の3つです。

そして6つの重点項目。Ⅰ 未来を拓く力を育む教育(教育DX・グローカル人財)/Ⅱ 個性を生かし、確かな学びを育む教育(協働・課題解決型学習・キャリア教育)/Ⅲ 全ての人の可能性を引き出し、多様性を育む教育(ポジティブ行動支援・「ダイバーシティとくしま」)/Ⅳ 人生100年時代のマルチステージで輝く教育(ウェルビーイング)/Ⅴ 地域・家庭・学校が連携し、協働する教育/Ⅵ 文化・スポーツが躍動する教育(藍染・阿波おどりなど「あわ文化」)

過去のテーマと並べてみてください。「協働力」は重点項目Ⅱ、「ICT活用」は重点項目Ⅰ。そして面接で実際に聞かれた「ポジティブ行動支援」は重点項目Ⅲです。確認した出題と、教育大綱の重点項目には関連する内容があります。概要版はA4数ページです。一次の前に必ず一度、目を通しておいてください。

ただし、注意もあります。大綱の言葉を並べただけの答案は、採点者に魅力が伝わりにくくなります。「ダイバーシティとくしまの実現に向けて多様性を育む教育を推進したい」——これでは何も言っていないのと同じです。県の言葉は「着地点」に一言添えるだけで十分。本文の200字×2は、あくまであなたが教室でやることで埋めてください。

よくある質問

Q. 何字くらい書けばいいですか?

A. 受験者報告によると「800字以内」です。指定字数の8〜9割=640〜720字以上を目安にしてください。字数が大幅に不足している答案は、それだけで低い評価になる可能性があります。逆に「以内」なので、超過は絶対に避けてください。

Q. 題名は書かないのですか?

A. はい。受験者報告では答案用紙の注意書きに「題は書かずに直接1行目から本文を書き始めること」とありました。練習の段階から、題名なしで書く癖をつけておきましょう。

Q. 論文審査が免除になるのはどんな人ですか?

A. 特別選考①〜⑦のすべてで論文審査は免除されます(社会人・本県教員退職者・現職教員・スポーツ・臨時教員・大学推薦・英語・過去の二次結果による選考)。実施されるのは一般選考と「大学3年生等を対象とした選考」だけです。自分が特別選考に該当するかどうかは、必ず要項で確認してください(特別選考の記事はこちら)。

Q. 論文は一次の合否にどれくらい影響しますか?

A. 第1次審査500点満点のうち100点=20%です(教職教養50点の2倍)。しかも徳島県は不合格の場合に科目別得点を開示請求できるので、次年度に向けて「論文が何点だったか」を確認できます。

Q. 対策の時間がありません。最短の方法は?

A. 市販の合格例文集を読んで「合格レベルのイメージ」を先に持つことです。ただし丸写しはしないこと。読んだうえで自分らしい工夫を加えて、1本でいいから最後まで書き切る。そして書いたものを人に見てもらい、添削コメントをもとに書き直して「OKパターン」を体感する——これが最短ルートです。

Q. 二次にも小論文はありますか?

A. ありません。第2次審査は模擬授業(または場面指導)と個人面接だけで450点です(面接記事はこちら)。

Q. 倍率はどのくらいですか?

A. 令和9年度採用は志願者865人・採用予定270名程度で志願倍率3.2倍。校種による差が大きく、令和7年度採用の競争率は特別支援1.9倍〜養護教諭26.3倍でした(倍率記事はこちら)。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

徳島県の論文審査は、テーマが公表されないため受験された方の報告が大きな手がかりになります。「今年はこんなテーマだった」という一行が、次に受ける方の1年を変えます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

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