こんにちは、金井志津乃です!

神奈川県って、講師をしていると筆記が免除になるんですよね? でも選考区分が①から⑧まであって、自分がどれに当てはまるのか全然わからなくて……。

そうなんです、神奈川県は特別選考が①から⑧まで、さらに3つの選考、加点が4項目。しかも要項を読むだけで一苦労ですよね。この記事で「自分はどのルートか」「そのルートで何人受けて何人受かったか」まで、公表データで一気に整理しますよ!
この記事では、神奈川県公立学校教員採用候補者選考試験の特別選考(筆記試験の免除)と加点制度について、令和9年度採用の実施要項と、教育委員会が公表している選考区分ごとの受験者数・合格者数をもとにまとめます。
この記事の根拠
- 選考区分・受験資格・免除内容・加点は令和8年度実施(令和9年度採用)の実施要項から。数字はすべて神奈川県教育委員会の公表資料(第1次試験実施状況・実施状況詳細・合格状況詳細)から集計。
- 「第1次通過率」「第2次合格率」は公表された人数をもとに、合格者数÷受験者数×100で当ブログが算出した割合です
- 神奈川県の全体倍率・校種別の推移は →神奈川県の倍率|令和9年度採用 第1次試験の結果と校種別・教科別の推移
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)
まず全体像です。神奈川県の選考は「一般選考」のほかに特別選考①〜⑧、社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考、障害のある人を対象とした特別選考、そして大学3年生等早期チャレンジ選考があります。筆記の免除内容がルートごとに違うのがポイントです。
| 選考区分 | 主な対象 | 教科専門 | 一般教養・教職専門 | 論文 | 令和9年度採用の一次実績(受験→合格) |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般選考 | 全校種 | 受験 | 受験 | 受験 | 1,045人→602人(57.6%) |
| ① 教職経験者 | 国公私立で正規教員・臨時的任用職員等として令和4年4月1日〜令和8年3月31日の4年間に通算1年以上 | 受験 | 免除 | 受験 | 827人→584人(70.6%) |
| ② 前年度試験実績者 | 前年の二次で「不合格(前年度試験実績者)」の通知を受けた人 | 免除 | 免除 | 受験 | 68人→68人(100%) |
| ③ 社会人経験者 | 企業等で通算2年以上/海外での国際貢献活動2年以上/高校水産(機関)の実務経験 | 受験 | 免除 | 受験 | 283人→207人(73.1%) |
| ④ 英語資格所有者 | 中高英語。TOEIC730(IPテストを除く)/TOEFL iBT80/英検準1級以上(受験申込期限の令和8年5月7日までに要件を満たし、かつ第1次試験時に有効なもの)。 | 免除 | 受験 | 受験 | 36人→36人(100%) |
| ⑤ 大学3年生等早期チャレンジ選考通過者 | 前年の「大学3年生等早期チャレンジ選考」で通過の通知を受けた人 | 受験 | 免除 | 受験 | 267人→187人(70.0%) |
| ⑥ かながわティーチャーズカレッジ(チャレンジコース)修了者 | 令和6年度または令和7年度修了者。対象は小学校、中学校の国語・美術・技術・家庭・英語、高校の国語・英語、特別支援学校。 | 免除 | 免除 | 受験 | 105人→105人(100%) |
| ⑦ かながわティーチャーズカレッジ(オープンコース)特別修了者 | 令和6年度または令和7年度の特別修了者 | 受験 | 免除 | 受験 | 146人→107人(73.3%) |
| ⑧ 国公立学校正規教員 | 令和9年3月31日時点で国公立学校の正規教員として、採用から引き続き3年以上 | 免除 | 免除 | 免除 | 129人→129人(100%) |
| 社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考 | 企業等で通算2年以上+令和11年3月31日までに免許取得をめざす人 | 受験 | 受験 | 受験 | 15人→8人(53.3%) |
| 障害のある人を対象とした特別選考 | 手帳等の要件を満たす人(20人程度・募集人員の内数) | 受験 | 受験 | 受験 | 11人→11人(100%) |
| 大学3年生等早期チャレンジ選考 | 大学3年生等(翌年度卒業見込み) | 翌年に受験 | 受験(これだけ) | 翌年に受験 | 応募753人・受験676人→通過656人(97.0%) |
※出典:令和8年度実施 神奈川県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項「3 選考区分と受験資格」「7(1)エ 試験の種類等」、神奈川県教育委員会「令和8年度実施 第1次試験実施状況/実施状況詳細/合格状況詳細」
通過率は当ブログ算出。
特別選考⑧は実技試験も免除されます。制度は年度で変わるため、出願前に必ずその年の実施要項を確認してください。

まず押さえてほしい事実がひとつ。令和9年度採用の第1次受験者2,932人のうち、一般選考は1,045人だけ。残り約64%は何らかの特別選考で受験しています。神奈川県の合格ルートは、もう一般選考だけではありません。
神奈川県の特別選考は、①〜⑧の番号が年度によって変わっている場合があります。たとえば令和8年度採用(2025年夏実施)では⑦が「県内政令指定都市正規教員」でしたが、令和9年度採用では⑧「国公立学校正規教員」に置き換わりました。対象が「横浜市・川崎市・相模原市の正規教員」から「全国の国公立学校の正規教員」へ大きく広がったということです。
実際、この区分の受験者は21人(令和8年度採用・第2次試験の受験者数)→129人(令和9年度採用・第1次試験の受験者数)と大きく増えました(県が公表している集計の段階が異なるため、単純な比較ではありません)。ネットで「神奈川の特別選考⑤は〜」といった情報を見かけても、必ずその年の実施要項の番号で確認してください。
大学3年生等早期チャレンジ選考|通過率97%
大学3年生(翌年度に卒業・修了する学年)のうちに「一般教養・教職専門試験」だけを前倒しで受験し、通過すれば、翌年に受験資格を満たして改めて出願したときにその科目が免除される制度です。
| 3年生のとき | 一般教養・教職専門試験のみを受験。教科専門と論文は受けない。第2次試験もなし。受験区分(校種等・教科)の指定は不要。加点制度は利用できない。 |
| 通過したら | 翌年、受験資格を満たしたうえで、受験区分(校種等・教科)を指定して特別選考「大学3年生等早期チャレンジ選考通過者」で改めて出願。一般教養・教職専門が免除され、教科専門と論文、二次を受験。 |
| 通過できなくても | 受験資格を満たせば、翌年は他の選考区分で受験できる(実施要項に明記) |
| 受験資格 | 昭和40年4月2日以降に出生/令和8年度に大学3年生等で令和9年度に卒業(修了)見込み/令和10年3月31日までに希望する校種等・教科の免許を取得見込みまたは取得済み/欠格事項に該当しない(「大学3年生等」にはいずれの学校にも所属していない科目等履修生等は含まれません。令和8年度実施では受験資格の詳細な確認は行われず、令和9年度実施で通過者区分に申し込んだ際に要件を欠くと判明した時点で失格になります) |
| 注意点 | 早期チャレンジ選考の得点は翌年に持ち越されません(免除の権利だけが引き継がれます)。また翌年、高等学校の一部の教科で募集がない場合があります。 |
この制度の通過率と、通過した翌年の第1次合格率を、数字で見てみましょう。
- 令和9年度採用の試験と同時に実施された早期チャレンジ選考:応募753人・受験676人・通過656人(通過率97.0%)
- その前年に通過して令和9年度採用を受けた人(特別選考⑤):第1次受験267人→第1次合格187人(70.0%)。一般選考の57.6%を大きく上回ります。
- 受験区分の指定が不要なので、3年生の段階で「小学校か中学校か」を決めきれていなくても受けられます
※出典:神奈川県教育委員会「令和8年度実施 第1次試験実施状況/実施状況詳細/合格状況詳細」、令和8年度実施 実施要項「5 大学3年生等早期チャレンジ選考について」

通過率97%、通過できなくても翌年は他の選考区分で受験できる、受験区分も決めなくていい——これがこの選考の内容です。私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。神奈川県は制度がそれを後押ししてくれています。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。
ただし、免除は「筆記に使う時間が浮く」だけです。翌年、二次で待っているのは模擬授業10分+個人面接(受験者報告では20〜30分)に加え、論文と対象教科の実技です(特別選考⑧は論文・実技が免除)。令和9年度採用の第2次試験では、受験者1,900人のうち823人が合格し、約57%が不合格でした。浮いた時間を、そのまま模擬授業と面接の練習に回してください。
■ 神奈川県の模擬授業|実録20件のテーマ・10分の流れ・評価の観点
■ 神奈川県の個人面接|実録3年分・受験者19名の質問と出題傾向
前年度試験実績者|二次で惜しくも届かなかった人への制度
令和9年度採用の実施要項には「補欠」という仕組みの記載はありません。代わりにあるのが特別選考②「前年度試験実績者」です。
- 第2次試験の不合格者のうち成績が上位の人を、翌年度の特別選考②の対象者とする(実施要項「8 選考結果の発表」)
- 対象者は、選考結果通知書の判定結果欄に「不合格」ではなく「不合格(前年度試験実績者)」と記載される。対象者には第2次試験選考結果の発表時に知らせがある。
- 翌年、通知を受けた校種等・教科で出願すれば、教科専門・一般教養/教職専門の両方が免除(論文は受験・採点あり)
- さらに小学校区分と特別支援学校区分では、対象者のうち希望する人を優先的に臨時的任用職員として任用する
実績を見ると、令和9年度採用ではこの区分で68人が第1次を受験し68人全員が通過(筆記が全免除のため)。そして令和8年度採用の二次では、55人が受験して36人が合格(65.5%)——全体平均の49.2%を大きく上回っています。

「不合格(前年度試験実績者)」の通知が届いた方は、落ち込む前にその年の面接と模擬授業で何を聞かれたか、何を話したかを、記憶が新しいうちに書き出しておくことをおすすめします。翌年は筆記がまるごと免除になるので、その記録が次の受験の教材になります。結果待ちの時期にやってほしいことの一つが、これです。
講師・現職のルート|①教職経験者と⑧国公立学校正規教員
学校現場で働きながら受験する人には、2つの大きなルートがあります。神奈川県で最も利用者が多いのが①教職経験者で、令和9年度採用では827人が受験しました(一般選考に次ぐ人数です)。
| ルート | 主な要件 | 免除 | 実績 |
|---|---|---|---|
| ① 教職経験者 | 国公私立学校において、正規教員または臨時的任用職員等(常勤と同様の勤務形態での任用)として、令和4年4月1日〜令和8年3月31日の4年間に通算1年以上(休職・育児休業等の期間を除く)の勤務経験。受験する校種等・教科の免許を所有し、かつ同一の教職経験に限る。 | 一般教養・教職専門 | 一次827人→584人(70.6%)/二次(令和8年度採用)691人→290人(42.0%) |
| ⑧ 国公立学校正規教員 | 令和9年3月31日時点で国公立学校の正規教員として勤務しており、その勤務期間が採用から引き続き3年以上(休職・育休等を除く)。受験する校種等・教科の免許を所有し、かつ同一の教職経験に限る。 | 筆記・論文・実技すべて | 一次129人→129人(100%) |
①の「通算1年以上」という要件は、実施要項に明記されている条件です。しかも期間は月単位で通算され、「1日でも任用のあった月は1月の勤務経験として取り扱う」と実施要項に明記されています。非常勤ではなく常勤と同様の勤務形態であることが条件です。
特別選考①(教職経験者)については、実施要項に教職経験の数え方のかなり細かい規定があります。押さえておきたいのはこの3点です(⑧は「同一の校種等・教科の国公立学校正規教員」としての経験に限られ、特別支援学校の経験の扱いはQ&Aで別に示されています)。
- 小学校・中学校の特別支援学級での経験は、それぞれ小学校・中学校の各教科の教職経験として扱われる
- 神奈川県内公立小中(政令指定都市立を除く)の特別支援学級での経験は、特別支援学校での教職経験としても扱われる(特別支援学校教諭免許の有無を問わない)
- 特別支援学校での勤務経験は、特別支援学校教諭等普通免許状以外の免許状を取得した後の勤務経験に限り、小学部は小学校、中学部・高等部の各教科はそれぞれ中学校・高等学校の教職経験としても扱われる
※出典:令和8年度実施 実施要項「4(1)特別選考①(教職経験者)」
ただし、ここで気をつけてほしい数字があります。①教職経験者の第2次合格率は42.0%(令和8年度採用)で、一般選考の52.6%を下回っています。一次の通過率が高い一方で、二次の合格率は一般選考より低くなっています。免除は入口が広がるだけで、模擬授業と面接で問われる中身は変わりません。

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。この3つが面接で伝わる講師は強いです。
そして「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。その実体験で語れる実績を持っている人は強いです。神奈川県は模擬授業と個人面接がセットなので、その実践がそのまま10分の授業に出ます。新卒と講師で意識するポイントの違いは、1分のショートにまとめています。
⑧の国公立学校正規教員は、他の自治体で正規教員として3年以上勤めている方が神奈川県を受け直すルートです。筆記も論文も実技も全部免除——つまり模擬授業と個人面接だけで判定されます。ただ、私の実感では他自治体への再受験は簡単ではありません。管理職は「現職教員として授業をブラッシュアップし続けているか」「謙虚で一緒に働きたい人か」を見ているのではないか、というのが私の考えです。この2つが伝われば「こんな人が他県から来てくれるなんて」と管理職が思ってくれる可能性がある、という話です。
社会人のルート|③社会人経験者と、免許がなくても受けられる選考
神奈川県には、社会人向けのルートが2つあります。免許を「すでに持っている(取得見込み)」か「これから取る」かで分かれます。
| ルート | 主な要件 | 免除 | 実績 |
|---|---|---|---|
| ③ 社会人経験者 | ア 法人格を有する民間企業・官公庁等で、令和8年3月31日までに通算2年以上の勤務経験(休職・育児休業等の期間を除く。週30時間以上の勤務期間を指し、雇用形態・給与形態は問わない)/イ 青年海外協力隊等、海外での2年以上の国際貢献活動経験/ウ 教員普通免許状[高等学校教諭普通免許状(水産又は商船)]を所有していない人で、高等学校水産(機関)を受験する場合は、令和8年3月31日現在、三級海技士(機関)の資格を有し、その資格に基づく実務経験が3年以上あり、教育職員免許法第5条第2項による特別免許状の申請が可能な基準を満たす実務経験 | 一般教養・教職専門 | 一次283人→207人(73.1%)/二次(令和8年度採用)207人→89人(43.0%) |
| 社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考 | 法人格を有する民間企業・官公庁等で令和8年3月31日までに週30時間以上、通算2年以上(休職・育児休業等の期間を除く)の勤務経験があり、かつ令和11年3月31日までに免許取得をめざす人。受験する校種等・教科の免許を持っている/令和9年3月31日までに取得見込みの人は利用できない。特別支援学校を受験する場合は、小学校・中学校・高等学校の免許を所有する人や令和9年3月31日までに取得見込みの人も利用できない(取得見込みの年度の数え方は、実施要項のQ&Aの記載もあわせて確認してください)。令和10年3月31日までに取得見込みの人は令和11年4月1日採用を選べず、定年を越える延期もできません。合格者は最大2年間の採用延期(令和10年4月1日採用または令和11年4月1日採用を申込時に選択)。一度選んだ採用時期は変更できず、選んだ採用日の前日(3月31日)までに受験する校種等・教科の免許を取得できなかった場合は採用されません。 | なし(筆記も論文も受験) | 一次15人→8人(53.3%)/二次(令和8年度採用)16人→2人(12.5%) |
※出典:令和8年度実施 実施要項「3 選考区分と受験資格」「4(2)特別選考③ア」「4(6)社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考」、教育委員会の各実施状況
実施要項のQ&Aには「経営者として2年以上複数の会社を運用していますが対象になりますか」という質問に対し、「1つの法人格を有する企業等での勤務時間が週30時間以上の期間が通算2年以上あれば対象」と回答があります。
「社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考」は、教員免許を持っていない社会人が受けられるという点が特徴の制度です。ただし、二次合格率は12.5%でした(令和8年度採用で16人受験・2人合格。1年分・少人数の数字なので参考値です)。筆記の免除もなく、免許を持っている人と同じ土俵で戦います。挑戦する価値のある制度ですが、「免許がなくても受かりやすい制度」ではないことは知っておいてください。

社会人受験の方に、私がおすすめしている準備は2つ。「社会人経験を学校現場でどう生かしたいか」と「なぜ社会人をしていたのに教員を目指すのか」。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、社会人から教採を受けるときにも合格しやすくなるポイントかなと思います。神奈川県の実録でも「前職から教員を目指した経緯」「民間企業と教員の違いは何だと思いますか」という質問の報告があります。
私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。ここが伝われば、豊富な人生経験はそのまま強みになります。令和9年度採用の実施要項では、共通受験資格のうち年齢は、原則「昭和40年4月2日以降に出生した人」です。ただし社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考で2年間の採用延期を希望する場合は、昭和41年4月2日以降に出生した人が対象です。
かながわティーチャーズカレッジ|神奈川県だけの育成ルート
神奈川県には「かながわティーチャーズカレッジ」(チャレンジコース・オープンコース)があり、その修了者に特別選考が用意されています。実施要項に書かれている範囲でまとめます。
| ⑥ チャレンジコース修了者 | 令和6年度または令和7年度の修了者。対象は小学校、中学校(国語・美術・技術・家庭・英語)、高等学校(国語・英語)、特別支援学校。教科専門・一般教養/教職専門の両方が免除(論文は受験)。 |
| ⑦ オープンコース特別修了者 | 令和6年度または令和7年度の特別修了者。一般教養・教職専門が免除(教科専門と論文は受験)。 |
| 令和9年度採用の実績 | ⑥=一次受験105人・全員合格/⑦=一次受験146人・合格107人(73.3%)。合わせて251人がこのルートで受験。 |
| 令和8年度採用の二次実績 | ⑥(当時は⑤)=91人受験・61人合格(67.0%)/⑦(当時は⑥)=76人受験・49人合格(64.5%)。いずれも全体平均49.2%を大きく上回る。 |
※出典:令和8年度実施 実施要項「3 選考区分と受験資格」、神奈川県教育委員会の各実施状況
カレッジ自体の応募方法・年間の流れは実施要項には記載がないため、県のホームページで確認してください。
注目してほしいのは二次の合格率です。チャレンジコース修了者が67.0%、オープンコース特別修了者が64.5%。一般選考の52.6%、教職経験者の42.0%と比べて高く出ています。掲載した令和8年度採用の結果では、カレッジ修了者の二次合格率は一般選考より高くなっています。神奈川県を第一志望にしている学生の方は、このルートを早い段階で調べておく価値があります。
加点制度|4項目・各5点、第1次試験の筆記に加算
令和9年度採用では、要件を満たす人は、第1次試験の筆記試験に5点が加点されます(大学3年生等早期チャレンジ選考の申込者は利用できません)。神奈川県は1項目あたり5点です(複数の項目に該当する場合は合算され、小学校区分は最大15点、中学校区分は通常最大10点(音楽・美術は芸術実績者の5点も合算でき、最大15点)になります)。
| 加点項目 | 加点 | 対象区分 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 英語資格等所有者 | 5点 | 小学校 | 中学校または高等学校の外国語(英語)免許を所有/令和9年3月31日までに取得見込み。または英検準1級以上・TOEIC L&R 785以上・TOEFL iBT 72以上・ケンブリッジ英語検定160以上・GTEC 1190以上・IELTS 5.5以上・TEAP 309以上・TEAP CBT 600以上のいずれか(資格は受験申込期限の令和8年5月7日までに取得し、かつ第1次試験時に有効なものに限る)。 |
| 司書教諭資格所有者 | 5点 | 小学校・中学校 | 司書教諭の資格を所有していること(取得見込みは不可。受験申込期限までに取得している人に限る) |
| 特別支援学校教諭等普通免許状所有者 | 5点 | 小学校・中学校・高等学校 | 特別支援学校教諭、養護学校教諭、盲学校教諭、聾学校教諭のいずれかの普通免許状を所有、または令和9年3月31日までに取得見込み |
| 芸術実績者 | 5点 | 中学校・高等学校の音楽、美術 | 平成30年4月1日以降の、音楽・美術に関する高等学校以降の特別に優秀な実績(国際レベルのコンクール等への日本代表相当での出場、全国規模のコンクール等で個人3位相当以上または団体1位相当が目安)。事前審査あり・結果は6月中旬頃に郵送。 |
※出典:令和8年度実施 実施要項「6 加点制度について」
加点要件は受験申込時に申告し、第2次試験合格後(10月中旬以降)に確認書類の原本を提出または提示します。
取得見込みで申請して令和9年3月31日までに取得できなかった場合や、要件を確認できなかった場合は加点が取り消され、その結果、第1次試験の合格最低点未満となった人は不合格になります。

特別支援学校教諭免許の加点は、小・中・高すべての区分が対象です。しかも取得見込みでOK。特別支援学校の免許を持っている(取れそうな)方は、忘れずに申告することをおすすめします。5点は、第1次試験の筆記の得点に加算されます。
まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次
令和8年度採用(2025年夏実施)の第2次試験を、選考区分別に並べました。ここに神奈川県の本当の構造が出ています。
| 選考区分(令和8年度採用の表記) | 第2次受験 | 最終合格 | 二次の合格率 |
|---|---|---|---|
| 英語資格所有者 | 28人 | 20人 | 71.4% |
| かながわティーチャーズカレッジ(チャレンジコース)修了者 | 91人 | 61人 | 67.0% |
| 前年度試験実績者 | 55人 | 36人 | 65.5% |
| かながわティーチャーズカレッジ(オープンコース)特別修了者 | 76人 | 49人 | 64.5% |
| 一般選考 | 763人 | 401人 | 52.6% |
| 県内政令指定都市正規教員 | 21人 | 11人 | 52.4% |
| 全体 | 1,955人 | 961人 | 49.2% |
| 社会人経験者 | 207人 | 89人 | 43.0% |
| 教職経験者 | 691人 | 290人 | 42.0% |
| 障がいのある人を対象とした特別選考 | 7人 | 2人 | 28.6% |
| 社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考 | 16人 | 2人 | 12.5% |
※出典:神奈川県教育委員会「令和7年度実施 第2次試験 実施状況詳細/合格状況詳細」
合格率は当ブログ算出。
選考区分の名称・番号は令和8年度採用時点のものです。
ここから見えるのは、「筆記が免除されるルートほど二次が有利」とは限らないという事実です。教職経験者の一次通過率は令和9年度採用で70.6%。一方、ここに掲載した令和8年度採用の二次合格率は42.0%で、同年度の全体平均を下回ります(年度の異なる数字なので、同じ受験者集団の一次・二次の結果ではありません)。逆に、カレッジ修了者や、前年に二次まで進んだ実績者は65%前後。筆記の免除は入口の違いであって、勝負は模擬授業と面接です。
大学3年生等早期チャレンジ選考では大学3年次は一般教養・教職専門のみです。それ以外では、二次の模擬授業10分と個人面接(報告では20〜30分)に加え、論文と対象教科の実技も合否に関わります。ただし特別選考⑧では論文・実技が免除されます。免除で浮いた時間と労力を、そのまま二次の準備に回してください。
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■ 神奈川県の面接カードの書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
よくある質問
Q. 2つの特別選考の受験資格に当てはまります。両方に申し込めますか?
A. できません。令和9年度採用の実施要項のQ&Aに「受験申込みができるのは、一人につき1つの選考区分、校種等・教科(科目)のみ」と明記されています。重複して申し込むと、最初に申し込まれた有効なものが受理されます。どのルートが自分に有利かを、この記事の数字で見比べてから決めてください。
Q. 国公立の特別支援学校(小学部)で正規教員ですが、小学校区分で⑧を使えますか?
A. 実施要項のQ&Aでは「対象になりません」と回答されています。⑧の資格要件は「受験する校種等・教科の勤務経験に限る」ためです。ただし①教職経験者や③社会人経験者アの対象になる可能性があると案内されています。なお、公立小学校で2年勤務→特別支援学校で2年の人事交流→令和8年度より再び公立小学校で勤務というケースは、令和9年3月31日時点で、採用から引き続いた勤務経験のうち特別支援学校の期間を除く公立小学校正規教員の経験が3年間あるため対象になるとQ&Aで示されています。
Q. 職歴の証明はいつ提出しますか?
A. 令和9年度採用の実施要項では、特別選考①・③ア・⑧および社会人経験者教員免許取得チャレンジ選考は、申込時に「職歴申告書」を添付し、合格後(10月中旬以降)に所定の職歴証明書を提出します(特別選考③のイ・ウは、申込時に「国際貢献活動申告書」「実務に関する申告書」を添付し、合格後に所定の証明書等を提出します)。申込受付時には受験資格の詳細な確認は行われません。要件を欠いていることが判明した時点で失格になり、採用候補者名簿から削除されます。特別選考③アについては、「職歴証明書を発行できる企業等がない場合は受験資格を満たさないこととなり、採用されません。資格要件は職歴証明書のみをもって確認します。年金の加入記録等では受け付けません」とまで書かれているので、出願前に発行の可否を確認しておいてください。
Q. 大学3年生等早期チャレンジ選考で通過できなかったら不利になりますか?
A. なりません。実施要項に「令和8年度実施試験で『大学3年生等早期チャレンジ選考』を受験し、通過できなかった場合であっても、受験資格を満たせば次年度に特別選考『大学3年生等早期チャレンジ選考通過者』以外の選考区分で受験することができます」と明記されています。
Q. 加点は複数申請できますか?
A. できます。実施要項のQ&A(Q12)に、小学校区分で英語資格等・司書教諭資格・特別支援学校の免許状をすべて所有している場合は加点を合算して15点、中学校区分で司書教諭資格と特別支援学校の免許状を所有している場合は合算して10点と明記されています(中学校・高等学校の音楽、美術の芸術実績者に対する加点5点も合算の対象)。ただし加点対象の英語資格等を複数所有していても、英語資格等所有者に対する加点は5点のみで合算されません。対象区分が重なるのは小学校(英語資格・司書教諭・特別支援免許)、中学校(司書教諭・特別支援免許。音楽・美術は芸術実績も対象)、高等学校の音楽・美術(特別支援免許・芸術実績)ですので、複数該当する場合は出願前に、令和9年度採用の実施要項に記載の教職員採用グループ(045-210-8190)に確認してください。
Q. 横浜市・川崎市・相模原市の講師ですが、神奈川県の①教職経験者は使えますか?
A. 特別選考①の要件は「国公私立学校において」であり、勤務先を神奈川県内に限定していません(実施要項)。したがって政令指定都市立の学校での常勤経験も対象になり得ますが、「受験する校種等・教科の免許を所有し、かつ同一の教職経験に限る」という条件は満たす必要があります。要件を欠くと判明した時点で失格になるため、申込前に必ずその年の実施要項の原文を確認してください。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
特別選考で受験された方の「二次で何を聞かれたか」は、同じルートで受ける次の年度の受験生にとって何より貴重な情報です。神奈川県を受験された方は、ぜひ教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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