【教員採用試験】広島県・広島市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等チャレンジ受験・臨時的任用等・現職教員・社会人・加点制度を数字で解説

こんにちは、金井志津乃です! 

広島って「大学3年生でも受けられる」って聞きました。あと講師をしていると一次が免除になるとも……。自分がどのルートで受けられるのか、正直よく分かっていません。

広島は選考区分が9種類、加点が2項目、さらに「対象区分で令和8年度実施の二次を全項目受験し、同一区分等で令和9年度採用も受験するなどの条件を満たす人は、令和9年度採用の一次が免除(採用辞退者を除く)」という、あまり知られていない大きなルールがあります。この記事で「自分はどのルートか」「そのルートで何人受けて何人受かったか」まで一気に整理しますよ!

この記事では、広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の選考区分(特別選考)と第1次選考試験の免除・加点制度について、令和9年度採用の実施要項と、両教育委員会が公表しているルート別の受験者数・名簿登載者数をもとにまとめます。

この記事の根拠

  • 選考区分・要件・試験項目・加点は令和9年度採用の実施要項から。数字はすべて広島県教育委員会・広島市教育委員会の公表資料(志願者状況・選考試験の結果)から集計。
  • 「ルート別の登載率」は公表された名簿登載者数÷最終選考受験者数を当ブログで計算したものです
  • 広島県・広島市の全体倍率・校種別の推移は →広島県・広島市の倍率|令和9年度採用の志願状況と5年間の推移
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

まず全体像です。広島の選考区分は「一般選考」+8種類の特別選考等で、第1次選考試験の内容がルートごとに違います。右端の「令和9年度の志願」は、6月に公表された志願者状況の内数です。

選考区分主な対象第1次選考試験令和9年度の志願
一般選考全校種・全職種・全教科教職に関する専門教育科目(50点)+教科/養護/栄養に関する専門教育科目(各200点)1,738人
一般選考【大学3年生等チャレンジ受験】昭和43年4月2日以降生まれで、短期大学・大学・大学院・教職大学院の最終年次の1年前に在籍し、令和9年度中に卒業・修了見込みの方(科目等履修生を除く)。小・中・高・特支・養護(栄養は対象外)。第1次のみ受験(合格すれば翌年は第2次から)964人(別枠)
一般選考〔昨年度チャレンジ受験合格者〕昨年度チャレンジ受験に合格し、同一校種・職種・教科で出願する人全て免除(第2次から)442人
一般選考(第1次選考試験免除)昨年度の第2次選考試験を一般選考・障害のある者・グローバル【外国人留学生等】の区分で全科目受験し、今年も同一区分・校種・職種・教科で受験する人(名簿登載後に採用を辞退した人を除く)全て免除(第2次から)180人
臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考広島県・広島市の公立学校で臨時的任用職員・会計年度任用職員等として通算36月以上の教職経験がある人など。全校種・全職種・全教科。個人面接のみ(筆記なし)280人
現職教員を対象とした特別選考広島県・広島市を除く国公立学校の正規職員として令和8年3月31日までに通算2年以上の教職経験(受験する職種・校種・教科と同一に限る)があり、出願時も同じ正規職員で、令和9年3月31日まで引き続き勤務予定の人(教諭・全校種・全教科。養護・栄養を除く)なし(8月22日に模擬授業+個人面接2回)68人
社会人を対象とした特別選考民間企業・官公庁等での勤務経験36月以上など。中学校(技術/英語)、高校(英語・農業・工業・看護・福祉)。教員免許がなくても出願可。個人面接のみ(教育原理・教育法規・受験教科の内容についての面接)18人
大学等推薦特別選考大学・大学院に在籍し令和9年3月までに卒業(修了)見込み+大学等の推薦+広島が第一志望。中学校(国語・理科・技術・英語)、高校(工業)。教科に関する専門教育科目のみ(200点)12人
障害のある者を対象とした特別選考一般選考の受験資格を満たし、身体障害者手帳又は要項で認める医師の診断書・意見書、療育手帳又は所定機関の判定書、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを有する方(出願日・受験日当日とも有効であること)。全校種・全職種・全教科。一般選考と同じ5人(採用10人程度)
グローバル人材を対象とした特別選考【教職経験者】中学校・高等学校教諭の全教科。出願時に外国国籍を有する方、又は日本国籍で過去に外国国籍を有した方で、外国での居住経験、母語が英語又は同等の英語力、日本の4年制大学又は同等の外国教育機関の卒業が必要。広島県・広島市の公立学校の育休任期付・臨時的任用・会計年度任用職員等として令和4年4月〜令和8年8月に通算36月以上、受験校種・教科(科目、分野)と同一の教科に関する教職経験が必要(英語は外国語指導助手の経験を含み、校種を問わない)。なし(8月22日に模擬授業+個人面接2回)1人
グローバル人材を対象とした特別選考【外国人留学生等】一般選考の受験資格を満たし、出願時に外国国籍を有する方、又は日本国籍で過去に外国国籍を有した方。外国での居住経験があり、出願時に「留学」の在留資格で所定の機関の教育を受けている方、又は過去に同資格でその活動を行った方。全校種・全職種・全教科。一般選考と同じ0人

※選考区分の併願はできません(いずれか1つのみ)。また、いずれか1つの校種・職種・教科についてのみ受験できます。障害のある者を対象とした特別選考の採用予定は全校種・職種を合わせて10人程度(県市の合計・採用見込人員の内数)。制度は年度で変わるため、出願前に必ずその年の実施要項を確認してください。
出典:令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験実施要項、「令和9年度 志願者状況について」(2026年6月26日)

令和9年度採用では、志願者2,744人のうち622人(約23%)が第1次選考試験免除又は昨年度チャレンジ受験合格者の区分で出願しました(一次免除180人+昨年度チャレンジ受験合格者442人)。さらに現職教員68人とグローバル人材【教職経験者】1人は8月22日の単独選考。広島の合格ルートは、もう一般選考だけではありません。

広島の最重要ルール|「前年度の二次を全部受けた人は、条件を満たせば一次が免除」(令和9年度採用の実施要項)

これは広島を受けるなら、ぜひ知っておいてほしい制度です。実施要項に「※ 今年度の第1次選考試験免除について」として明記されています。

第1次選考試験が免除される条件(実施要項の要旨)

  • ア:前年度の選考試験を受験(または前々年度に大学3年生等チャレンジ受験で受験)して第2次選考試験の受験資格を得て、前年度の第2次選考試験の全ての試験項目を受験した人(一般選考、障害のある者を対象とした特別選考、グローバル人材を対象とした特別選考【外国人留学生等】で受験した場合)。ただし、採用候補者名簿に登載された後に採用を辞退した人は除きます。
  • イ:令和9年度採用の受験資格を有し、前年度と同一の選考区分・校種(特別支援学校は同一部)・職種・教科(科目、分野)で募集があり、その区分で受験すること

※免除を受けるにも出願手続きは必要です(受付期間内に電子申請)。出願時に「第1次選考試験免除」の項目へ前年度の受験番号を入力します。

つまり「令和9年度採用で、対象の選考区分で二次まで進んで全部受けた」なら、令和10年度採用でも同一区分等で受験するなどの条件を満たせば筆記なしで二次からスタートできるとされています(令和9年度採用の実施要項による。令和10年度採用の扱いは、必ず令和10年度採用の実施要項でご確認ください)。これは他の自治体ではなかなか見ない、とても大きな制度です。二次で残念だった方は、その悔しさをそのまま次の年の面接・模擬授業の準備に全振りできます。試験が終わった直後に、聞かれた質問と模擬授業のテーマを書き出しておくことをおすすめします。それが次の年の大切な教材になります。

数字でも確認できます。令和9年度採用でこの一次免除を使って志願した人は180人(小67・中36・高41・特支19・養13・栄4)。令和8年度採用では157人が志願し、144人が最終選考を受験して73人が名簿登載(登載率50.7%)でした。

あわせて令和9年度採用の実施要項には「13 次年度の第1次選考試験免除」が定められています。令和10年度採用(2027年夏実施)の扱いは、実施要項の公表を待ってください(要件は年度ごとに実施要項で確認してください)。

大学3年生等チャレンジ受験|3年生のうちに一次だけ受ける

大学3年次等(最終年次の1年前)のうちに第1次選考試験だけを受験し、合格すれば翌年は第1次が免除され、第2次選考試験から受けられる制度です。教育委員会の資料「大学3年生等チャレンジ受験について」には「教職志望の学生のチャレンジの機会を増やすための制度」と書かれています。

3年次等のとき教職に関する専門教育科目(50点)+教科/養護に関する専門教育科目(200点)を受験。第2次選考試験はなし。自己アピール用紙の入力は不要。
合格したら令和9年度採用の実施要項では、合格した翌年に、選考区分「一般選考〔昨年度3チャレ合格者〕」で改めて出願し、第2次選考試験(教科等実技※対象者のみ・模擬授業面接・個人面接)のみを受験。出願時に前年度の受験番号を入力し、自己アピール用紙の入力が必要になります。
加点チャレンジ受験でも英語の資格・特別支援学校教諭普通免許状による加点が使えます(免許は令和10年3月31日までに取得見込みでOK)
免許の要件受験する校種・職種・教科に相当する普通免許状を令和10年3月31日までに取得見込みであること(3年次の時点で未取得でよい)
対象小学校・中学校・高等学校・特別支援学校(小学部/中学部/高等部)・養護教諭のうち、実施要項の表にある校種・教科。栄養教諭は対象外です。高等学校の看護・福祉など表にない教科もあるため、出願前に実施要項の表で確認してください。
注意点令和9年度採用の実施要項では、翌年(令和10年度採用)の受験資格を有し、一般選考で同一校種(特別支援学校は同一部)・職種・教科(科目、分野)の募集があり、その同一区分で受験する場合に、第2次からの受験が認められるとされています

この制度がどれだけ使われているか、数字を見てみましょう。

  • 令和9年度採用(2026年夏)に3年次等でチャレンジ受験に志願した人:964人(小348・中262・高236・特支36・養82)
  • そのうち第1次選考試験に合格した人:410人(小205・中121・高55・特支27・養2)※当ブログが受験番号一覧を集計
  • 令和9年度採用の志願者2,744人のうち、前年にチャレンジ受験で合格していた人:442人(小286・中82・高55・特支18・養1)
  • 令和8年度採用でチャレンジ受験合格者として最終選考を受けた253人のうち、名簿登載は221人(約87%)——令和8年度採用では主な選考区分のなかで最も高い登載率でした

※出典:「令和9年度 志願者状況について」「令和9年度 第1次選考試験合格者受験番号」「令和8年度 結果について」

広島全体の二次の登載率は約71%なので、チャレンジ受験組の87%は平均を大きく上回っています。1年前に一次を通った人たちが、最終学年の1年間を模擬授業と面接の準備に使えている効果ではないか、というのが当ブログの見立てです。

私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思ったら、なりたいと思った時からなるための行動を始める。これが私の考えです。広島は制度がそれを後押ししてくれています。3年生で一次を受けておくメリットは大きいと考えています。

3年生で一次に受かった方に気をつけてほしいのは、令和8年度採用では、チャレンジ受験の合格者の約13%が二次で名簿に載らなかったということ。一次免除は「模擬授業と面接に全振りできる権利」であって「合格の権利」ではありません。広島の二次は当日その場で指導案を書く模擬授業面接と独立した個人面接に加え、対象校種・教科等では教科等実技もあります。中身は別記事で確認してください。

■ 広島県・広島市の模擬授業|実録のテーマ・指導案30分+授業の流れ・評価の観点
■ 広島県・広島市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と5年間の出題傾向

講師・現職教員のルート|広島の合格者の4人に1人は臨時的任用職員

広島の名簿登載者1,023人(令和8年度採用)のうち過年度卒は393人。そしてその279人が臨時的任用職員でした。つまり広島の名簿登載者のおよそ4人に1人は、臨時的任用職員として働きながら受験して登載された方です。学校現場で働きながら受験する人には、次の2つのルートがあります。

ルート主な要件第1次選考試験令和8年度の実績
臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考教諭:①広島県・広島市の公立学校で正規職員(実習助手に限る)・育休任期付職員・臨時的任用職員・会計年度任用職員等として、受験前過去4年間(令和4年度〜7年度)で通算36月以上の教科に関する教職経験(受験する職種・校種・教科と同一に限る)、または
②広島県・広島市の公立学校で正規職員(実習助手を除く)として通算3年以上の、受験職種・校種(特別支援学校は各部)・教科(科目、分野)と同一の教科に関する教職経験があり、かつ同県市の公立学校の育休任期付・臨時的任用・会計年度任用職員等として令和6年度〜7年度に通算12月以上の教科に関する教職経験があること。養護教諭・栄養教諭は、同県市の公立学校で同一職種の経験について、所定の非正規任用等で令和4年度〜7年度に36月以上、又は過去の正規3年以上と令和6年度〜7年度の所定の非正規任用等12月以上のいずれかが必要です。
個人面接のみ(筆記なし)志願260人→1次受験249人→1次合格109人(43.8%)→最終選考受験109人→登載83人(76.1%)
現職教員を対象とした特別選考①広島県・広島市の公立学校を除く国公立学校の正規職員として令和8年3月31日までに通算2年以上の教職経験(受験する職種・校種・教科と同一に限る)
②出願時も在職中で令和9年3月31日まで引き続き勤務予定。教諭のみ(養護教諭・栄養教諭を除く)。
なし(8月22日に模擬授業+個人面接2回)志願76人→最終選考受験69人→登載46人(66.7%)

※登載率は当ブログ算出。要件は実施要項の要旨です。教職経験の月数は、複数の期間を通算(同一期間を除く)し、発令(雇用)期間が1月の中に1日でもあればその月は経験月として数えます。ただし、教職経験には休職等の期間を含めません。社会人特別選考の勤務経験では在学中・休職等の期間を含めず、正規職員には任期を定めて採用された職員を含めません。
出典:令和9年度採用 実施要項、「令和8年度 結果について」

ここで注目してほしいのは、臨時的任用等教職経験者の一次合格率が43.8%と、一般選考(令和8年度採用は1,790人→917人=51.2%)より低いことです。一次が個人面接だけになるぶん、その面接で相当しっかり見られている可能性があると考えられます。ただし二次まで進めば登載率76.1%と、全体平均(71.3%)を上回ります。

講師の強みは3つあると私は考えています。「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」。現場で課題意識を持って授業や生徒指導をやってきた実践(クオリティ)、実際に働いてきた積み重ね(信用)、そして現実を見ても初心を忘れていないこと(フレッシュさ)。この3つが面接で伝わる講師は強いです。

そして「実績」は、賞や研究発表のような大それたものでなくて構いません。4月にはこうだった子が、こう関わったらこう変わった。その実体験で語れる実績を持っている人は強いです。広島の場合、それを書く場所がはっきり用意されています——「臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考」で出願する人は、自己アピール・教職実績報告の設問が他の区分と異なるのです(詳しくは志願書の記事で)。

他県の正規教員として広島を受け直す方(現職教員を対象とした特別選考)は、8月22日(土)の1日だけで選考が完結します。試験項目は模擬授業(学習指導案作成を含む)と個人面接(受験者1人につき2回)。一般選考では「模擬授業面接」の中で個人面接を行い、別項目の「個人面接」を1回実施します。現職教員特別選考では「模擬授業」と「個人面接2回」が別の項目として示されています。

私の実感では、他自治体への再受験は簡単ではありません。管理職の立場に立つと、「今求められている授業をブラッシュアップし続けているか」「謙虚で一緒に働きたい人か」が見られるのではないか、というのが私の見方です。この2つが伝われば「こんな人が他県から来てくれるなんて」と管理職が思ってくれる可能性がある、という話です。

社会人を対象とした特別選考|教員免許がなくても受けられます

広島の社会人特別選考は、第1次選考試験が個人面接のみ。しかも教員免許状を持っていなくても出願できます(名簿登載後に特別免許状授与のための教育職員検定に合格し、特別免許状の授与を受ける必要があります)。

対象中学校教諭(技術・家庭(技術)、外国語(英語))、高等学校教諭(外国語(英語)、農業、工業、看護、福祉)。令和9年度採用から中学校の技術・英語が新たに対象になりました。
基本の要件高等学校を卒業していること(または同等以上の資格)+受験する教科(分野)に関する勤務経験。昭和42年4月2日以降に生まれた人(一般選考と同じ年齢要件)。
勤務経験(技術・農業・工業)法人格を有する民間企業、官公庁または国公私立学校等で、正規職員として受験前過去6年間(令和2年度〜7年度)で通算36月以上の受験教科(分野)に関する勤務経験(国公私立学校では実習助手としてのものを含む)
勤務経験(英語)上記に加えて英語の資格が必要(実施要項の基準を確認してください)
勤務経験(福祉)介護福祉士の資格を有し正規職員の介護福祉士として令和8年3月31日までに通算60月以上、又は看護師の資格を有し正規職員の看護師として同日までに通算60月以上の勤務経験が必要です。
勤務経験(看護)看護師免許証を有し、国公立または民間病院等で正規職員として令和8年3月31日までに通算36月以上の看護に関する勤務経験
第1次選考試験個人面接のみ(教育原理、教育法規および受験教科に関する専門的内容についての面接試験)。7月12日(日)に実施。
主な評価項目・教科に関する専門性をもっている ・公務員としての基本理念や教員としての義務等について基礎的知識がある
第2次選考試験一般選考と同様(教科等実技※対象者のみ・模擬授業面接・個人面接)

令和8年度採用の実績は志願7人→1次受験7人→1次合格6人→最終選考受験6人→登載4人、令和7年度採用は志願11人→登載5人。人数は少ないですが、志願した人のうち半数近くが名簿に載っています。

社会人受験の方に私がおすすめしている準備は2つ。「社会人経験を学校現場でどう生かしたいか」と「なぜ社会人をしていたのに教員を目指すのか」。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、社会人から教採を受けるときにも合格しやすくなるポイントかなと思います。広島の社会人特別選考は一次が面接だけです。

私自身、受講生の中で40代・50代で教採に合格する方を数多く見てきました。私が動画でお伝えしているのは、40代・50代の受験者に対して面接官が懸念しやすい3つのポイントです。今求められている教育を謙虚に学んで挑戦する姿勢があるか/年下の同僚と謙虚でフラットな姿勢で働けるか/謙虚な姿勢でチームに貢献しようとしているか——この3点が伝わるかどうかを、私は大切だと考えています。広島の実録にも「年下の先輩教員から指導を受けることについてどう思うか」という質問が実際にありました。ここが伝われば、豊富な人生経験はそのまま強みになります。

大学等推薦特別選考|一次は教科専門だけ、登載率は約87〜91%

大学・大学院からの推薦にもとづく選考です。第1次選考試験は教科に関する専門教育科目(200点)のみ——教職教養が免除されます。

対象中学校教諭(国語、理科、技術・家庭(技術)、外国語(英語))、高等学校教諭(工業)
要件①出願時に大学・大学院・教職大学院に在籍し、令和9年3月31日までに卒業(修了)見込み
②広島県・広島市の公立学校教員を第一志望とし、令和9年4月1日から勤務可能
③広島県・広島市の「求められる教職員像」に示す資質・能力を有する学業成績が優秀な者として、在籍大学等が推薦
推薦の枠1大学等につき各教科(科目、分野)1名以内。出願時の提出書類(推薦書・成績証明書)により対象者を決定します。
書類の提出令和9年度採用の場合、推薦書・成績証明書は大学等から持参または郵送(令和8年4月6日〜5月7日当日消印有効・簡易書留)。これとは別に、受験者本人が同期間の5月7日17時までに電子申請を完了する必要があります。大学院在学者は大学・大学院の両方の成績証明書を提出します。受験資格を得たか否かは5月22日(金)に本人と大学等に通知。
対象外になったら他の選考区分で受験できます(その区分の要件を満たす場合)
注意点この区分で名簿登載された人は、採用候補者名簿の有効期間の延長ができません(大学院進学等による延長制度が使えない)。また、この特別選考で受験した方は次年度の第1次選考試験免除の対象にはなりません

実績は令和8年度採用が志願18人→登載13人(最終選考受験15人・登載率86.7%)、令和7年度採用が志願26人→登載20人(同22人・90.9%)。人数は少ないものの、登載率は全区分でトップクラスです。詳細は別紙「大学等推薦特別選考実施要項」に定められているので、対象教科の方は大学のキャリア支援窓口・教職課程担当に早めに相談してください。

第1次選考試験の加点制度|英語の資格と特別支援学校教諭免許

広島の加点は2種類とシンプルです。対象は一般選考・一般選考【大学3年生等チャレンジ受験】・大学等推薦特別選考で、希望する人のみ。出願時に証明書類をPDFで添付する必要があります。

①英語の資格による加点

校種・職種・教科TOEFL(iBT)TOEIC(L&R)IELTS英検加点
小学校教諭80以上730以上6.5以上準1級20点
65以上600以上5.5以上—10点
55以上550以上5.0以上2級5点
中学校・高等学校教諭 外国語(英語)100以上860以上7.0以上1級20点
80以上730以上6.5以上準1級5点

※団体受験制度(TOEICにおけるIPテスト等)のスコアも対象。複数の資格を有する場合は、最も加点の大きいもの1つが対象になります。
出典:令和9年度採用 実施要項「7(3) 英語の資格による加点」

②特別支援学校教諭普通免許状所有による加点

小学校教諭5点
中学校教諭5点
特別支援学校教諭10点

※特別支援学校教諭普通免許状を所有、または令和9年3月31日まで(チャレンジ受験は令和10年3月31日まで)に確実に取得見込みの人が対象。取得できなかった場合は名簿登載を取り消す場合があります。①と②は併用可能です(実施要項「7(5) 加点の併用について」)。

令和9年度採用の一般選考では、一次筆記は教職50点+教科200点=250点満点です。そこに最大25点(英語20点+特支免許5点。対象の校種・教科の場合)が加わります。250点の試験で25点は10%分——決して小さくありません。小学校志望で英検準1級と特別支援学校教諭免許を持っているなら、25点(20+5)の加点が受けられます。申請しないと加点を受けられません。要件を満たす場合は、申請しておくことをおすすめします。

まとめ|ルート別の登載率(令和8年度採用)

ルート最終選考受験名簿登載登載率
一般選考〔昨年度チャレンジ受験合格者〕253人221人約87%
大学等推薦特別選考15人13人約87%
臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考109人83人約76%
全体平均1,434人1,023人約71%
一般選考832人580人約70%
現職教員を対象とした特別選考69人46人約67%
社会人を対象とした特別選考6人4人—(母数が少ないため参考値)
一般選考(第1次選考試験免除)144人73人約51%

※登載率=名簿登載者数÷最終選考受験者数(当ブログ算出)。障害のある者を対象とした特別選考は3人→3人、グローバル人材【教職経験者】は1人→0人。
出典:「令和8年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」

令和8年度採用では、「第1次選考試験免除」組の登載率が約51%と最も低く(令和7年度採用は46.9%)、令和9年度採用も61人÷169人=約36%と低めでした(倍率記事の区分別表)。前年に二次で名簿に載らなかった人が中心のグループなので、当然といえば当然かもしれません。でも裏を返せば、この1年で模擬授業と面接をどれだけ磨けたかが、結果に表れやすいグループなのかもしれません。免除は入口が広がるだけで、問われる中身は変わりません。

どのルートでも、最後は模擬授業面接と個人面接です。免除で浮いた時間と労力を、そのまま二次の準備に回してください。広島の面接で実際に聞かれた質問、そして面接の質問のもとになると考えられる「自己アピール・教職実績報告」の書き方は、それぞれ別記事にまとめています。

■ 広島県・広島市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と5年間の出題傾向
■ 広島県・広島市の「自己アピール・教職実績報告」の書き方|800字+400字を実録から逆算

よくある質問

Q. 複数の選考区分を併願できますか?

A. できません。実施要項に「いずれか一つの選考区分についてのみ受験できます(選考区分の併願はできません。)」と明記されています。校種・職種・教科についても同様で、いずれか1つのみです。ただし出願時に「他校種への希望」欄で、希望する校種に相当する免許状を所有又は取得見込みの場合に、受験校種以外の校種での名簿登載を希望できます(特別支援学校希望では、特別支援学校教諭普通免許状の所有・取得見込みは問いません)。

Q. 大学3年生でチャレンジ受験に不合格だったら、翌年は不利になりますか?

A. 令和9年度採用の実施要項には、不合格による不利益は定められていません。翌年は一般選考として第1次選考試験から受験できます。むしろ1年早く本番の筆記を経験できるのは大きなメリットになると考えています。教育委員会の資料「大学3年生等チャレンジ受験について」にも「教職志望の学生のチャレンジの機会を増やすための制度」と書かれています。

Q. チャレンジ受験で合格した権利は、翌々年まで持ち越せますか?

A. 令和9年度採用の実施要項では「次年度の第2次選考試験からの受験を認める」とされており、翌年度限りと読めます。また、翌年に同一校種(特別支援学校は同一部)・同一職種・同一教科の募集がない場合は、この区分で出願できません。実施要項には「チャレンジ受験で募集しない校種・職種・教科が、翌年度に採用を行わない校種・職種・教科とは限りません」という注記もあります。

Q. 講師経験が36月に足りない場合は?

A. 広島県・広島市の公立学校での受験前過去4年間(令和4年度〜7年度)の通算36月以上(要項のア)に足りなくても、同県市の公立学校で過去に正規職員(実習助手を除く)として通算3年以上の教職経験があり、かつ同県市の公立学校の育休任期付・臨時的任用・会計年度任用職員等として受験前過去2年間(令和6年度・7年度)で通算12月以上の教科に関する教職経験がある場合(要項のイ)は、臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考の対象になります(いずれも受験する職種・校種・教科と同一の経験に限ります)。ア・イのどちらの要件も満たさない場合は、一般選考での出願になります。ただし英語の資格や特別支援学校教諭免許状の加点は申請できます。面接では講師としての実践をそのまま語れるので、一般選考でも不利になるとは限りません。なお経験月数は複数の期間を通算でき、発令(雇用)期間が1月の中に1日でもあればその月は経験月として数えます。

Q. 広島県・広島市で正規教員として働いている場合は受験できますか?

A. 実施要項に「広島県教育委員会又は広島市教育委員会が任命する正規職員として勤務する者は、本選考を受験することはできません」とあります。ただし現在の職と異なる職を希望する場合は受験できます(校長・教頭・主幹教諭・指導教諭を除く。栄養主幹・栄養主任・栄養士が栄養教諭を希望する場合を除く)。

Q. 特別支援学校教諭免許を持っていなくても、特別支援学校教諭を受験できますか?

A. できます。特別支援学校教諭小学部の受験には小学校教諭普通免許状、中学部は国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭(技術、家庭)・外国語(英語)の中学校教諭普通免許状、高等部は国語・地理歴史・公民・数学・理科・保健体育・音楽・美術・書道・外国語(英語)・家庭・情報・農業・工業・福祉の高等学校教諭普通免許状のいずれかが必要です(令和9年3月31日までに確実に取得見込みも可)(高等部の理療は特別支援学校自立教科教諭免許状(理療)が必要)。特別支援学校教諭普通免許状は必須ではありませんが、持っていれば10点の加点があります。なお採用後は「3年以内に必要な単位を修得し、在職年数要件(3年)を満たした時点で速やかに申請を行い、配置校の障害種別の領域の特別支援学校教諭普通免許状を取得するよう努めてください」と実施要項に記されています。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

特別選考で受験された方の「一次の個人面接で何を聞かれたか」「二次はどうだったか」は、次の年に同じルートで受ける受験生にとって何より貴重な情報です。広島県・広島市を受験された方は、ぜひ教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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