【教員採用試験】愛媛県の特別選考と一次免除ルート|大学3回生等・大学等推薦・講師等・現職教員・加点10項目

こんにちは、金井志津乃です! 

愛媛県の特別選考って種類が多くて、自分がどれに当てはまるのか分からなくて……。それに「一次免除」って、本当に筆記を受けなくていいんですか?

愛媛県は特別選考が9種類あります。そのうち5種類は「前期第1次選考試験の全てを免除」——本当に筆記を受けずに二次からです(ただし養護・栄養の教職経験者・現職教員は、免除されるのは教職専門科目のみです)。しかも令和8年度採用では、採用候補者469人のうち149人が特別選考の枠から出ています。まずは自分が使えるルートを見つけましょう!

この記事では、愛媛県公立学校教員採用選考試験の特別選考9種類・加点10項目・後期選考試験を、令和9年度採用の志願要項の条文と、令和8年度採用の実績(受験者数・採用候補者数)で整理します。

この記事の根拠

  • 要件は令和9年度愛媛県公立学校教員採用選考試験志願要項(9 前期選考試験における特別選考/4 加点制度/18 後期選考試験)の条文から
  • 実績は愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」の公表数値から。推定値は使っていません。
  • 倍率・面接の実録は別記事に →愛媛県の倍率/愛媛県の個人面接(受験者7名の実録)
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)

※制度は年度ごとに変わります。出願前に必ず、その年度の志願要項(例年3月公表)でご確認ください。

お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

【早見表】愛媛県の特別選考9種類

まず全体像です。特別選考は重複して申請できません(志願要項に明記)。自分に当てはまるものが複数ある場合は、どれが一番有利かを見て1つに絞ることになります。

特別選考対象の試験区分おもな要件一次の扱い令和8年度採用の実績
(受験→採用候補者)
① 障がい者全区分身体障害者手帳(1〜6級)/療育手帳・判定書/精神障害者保健福祉手帳のいずれか障がいの程度に応じて方法・内容の配慮または一部免除0人→0人
※採用予定10名程度(一般とは別枠)
② 教職経験者全区分国公立学校で3年以上の教職経験(正規教員のみ)+同一の試験区分を志願小・中・高・特支=一次全免除/養護・栄養=教職専門科目を免除8人→4人(前年 4→1)
③ 現職教員全区分他県の国公立・私立学校の現職正規教員で2年以上の教職経験+同一の試験区分小・高・特支=一次全免除/中=一次全免除+二次の実技免除/養護・栄養=教職専門科目を免除28人→24人(前年 28→23)
④ 講師等小学校・特別支援前年度の選考試験で前期第1次に合格(全免除だった人を除く)+令和8年4/1〜5/29に県教委が講師等として任用一次全免除8人→7人(前年 16→12)
⑤ スポーツ指導者中学校・高校県教委が指定する競技の選手・指導者として全国規模の大会に出場、または10年以上の経験教職専門科目を免除2人→2人(前年 4→3)
⑥ 社会人小・中・高
(対象教科あり)
試験区分に相当する免許状(臨時免許状を除く)を持っていない方で、実務経験等の要件を満たし特別免許状の授与が見込まれる教職専門科目を免除1人→1人(前年 8→3)
⑦ 大学等推薦小・中・高・特支
(指定教科あり)
課程認定を受けた大学等の学長推薦。推薦人数の上限なし。一次全免除62人→56人(前年 91→86)
⑧ 大学3回生等全区分最終年次の1年前の年次で、令和9年度末までに卒業見込み。受験は在籍する大学等につき一度限り。3回生時は一次のみ受験(合格すると翌年の権利を得る)175人→125人(合格率71.4%)
⑨ 大学3回生等
(通過者対象)
全区分前年度に⑧で前期第1次に合格+同一の試験区分で志願一次全免除61人→55人

※実績は前期・後期をあわせた数(大学3回生等特別選考の受験・合格は⑧の行)。( )内は令和7年度採用の数(栄養教員を除く)。
出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」2・3、および令和9年度愛媛県公立学校教員採用選考試験志願要項9

「一次全免除」の5ルート(ここが愛媛県の要)

前期第1次選考試験(筆記500点)をまるごと免除されるのは、次の5つです(ただし養護・栄養の教職経験者・現職教員は教職専門科目のみの免除)。

  • 大学等推薦特別選考(令和8年度採用:62人受験→56人が採用候補者)
  • 大学3回生等特別選考(通過者対象)(61人→55人)
  • 現職教員特別選考(28人→24人。うち栄養教員1人→1人は一次全免除ではなく、教職専門科目のみの免除)
  • 教職経験者特別選考(8人→4人)
  • 講師等特別選考(8人→7人)

合計167人が受験し、146人が採用候補者に。採用候補者469人の約3割が、この5ルートから出ています。ただし、この中には一次全免除ではない栄養教員の現職教員特別選考(1人受験・1人採用候補者)も含まれるため、全員を一次全免除者として数えることはできません。

① 大学3回生等特別選考|令和9年度採用で志願者が増えているルート

令和9年度採用では327人が志願(前年201人)。志願者(大学3回生等を除く)1,066人と大学3回生等特別選考の志願者327人を合わせた1,393人のうち、約23.5%がこの枠です。仕組みは2段階になっています。

  1. 【3回生の年】大学3回生等特別選考で前期第1次選考試験(筆記)だけを受験する。二次は受けない。
  2. 一次に合格したら、【4回生の年】大学3回生等特別選考(通過者対象)を申請 → 前期第1次選考試験が全て免除され、前期第2次選考試験だけを受ける
対象受験申込受付期間の基準日(令和8年5月29日)時点で大学・大学院・短期大学・専門学校の最終年次の1年前の年次に在籍し、令和10年3月31日までに卒業見込みの方
免許令和10年3月31日までに試験区分に相当する免許状を取得見込みであればOK
年齢昭和43年4月2日以降に出生した方(一般選考は昭和42年4月2日以降)
回数制限受験は在籍する大学等につき一度限りです(令和9年度採用の志願要項「主な変更点」・Q&A)。休学・留学があっても、最終年次の1年前の年次に在籍し、令和10年3月31日までに卒業見込みであれば受験可。
免除の有効期間一次免除が使えるのは合格した翌年度の選考試験のみ。同じ試験区分での志願に限る。
他の特別選考との併用不可(重複申請は認められない)。ただし翌年に大学等推薦特別選考を申請することは可能(その場合、通過者対象は使えない)。
採用予定数の扱い3回生時の一次合格者は一般選考の採用予定数に含まない。翌年の通過者対象は含む。

実績を見ると、令和8年度採用の3回生等特別選考は受験175人→合格125人(合格率71.4%)。校種別では小学校68人→66人、中学校56人→36人、高校32人→15人、特別支援8人→7人、養護教員11人→1人でした。小学校は10人中9人以上が通っています。

同じ令和8年度採用の試験で、前年度に3回生等特別選考を通過した方を対象とする選考は61人受験→55人が採用候補者(約90%)でした(直前の125人の翌年の結果ではありません)。小学校29人→26人、中学校24人→23人、高校7人→5人です。

数字が語っていますね。3回生で一次を通せば、4回生の夏は前期第2次の対策(適性検査・小論文・面接、対象教科や養護教員では実技試験等)に集中できます。しかも令和8年度採用では、通過者対象で二次を受けた方の約9割(61人中55人)が採用候補者になっています。愛媛県を第一志望にするなら、令和9年度採用では出願が令和8年5月29日午後5時15分まででした。令和10年度採用の締切は2027年春に公表される要項で確認し、その締切から逆算して動きましょう。注意点は「受験は在籍する大学等につき一度限り」ということと、3回生時に受けた試験区分と同じ区分でしか免除が使えないこと。校種で迷っている人は、そこだけ先に決めてください。

② 大学等推薦特別選考|推薦人数の上限なし・一次全免除

令和8年度採用で62人が受験し56人が採用候補者——合格率は約90%。愛媛県の一次免除ルートで最も人数が多い制度です。

対象小学校教員/中学校教員(指定教科)/高等学校教員(指定教科)/特別支援学校教員(小学部・中学部・高等部。中高部は指定教科)
推薦する大学当該試験区分の一種(専修)免許状の課程認定を受けており、通信制の課程によらない大学・大学院・教職大学院
指定教科中学校・特別支援中学部=国語/数学/理科/音楽/美術/技術・家庭/英語
高等学校・特別支援高等部=音楽/美術/書道(国語)/家庭/情報/農業/工業/商業/水産
推薦人数各大学等からの推薦人数に上限なし(令和8年度採用から)
一次の扱い前期第1次選考試験の全てを免除
申込方法志願者の提出書類のほか、必要な書類は大学等から直接提出。希望する人は各大学等の担当者に相談(Q&Aより)。

推薦の要件は、令和9年度採用の「大学等推薦特別選考実施要項」で次のように定められています(小学校の例)。このほか、年齢(昭和42年4月2日以降の出生)・欠格条項に当たらないことも要件です。校種別の実施要項で確認してください。

  • 愛媛県公立学校の教員となることを第一志望とする
  • 教育に熱意と使命感をもち、研究成果または大学内外での諸活動で顕著な実績がある
  • 卒業(修了)見込みで、志願する試験区分・教科の一種(専修)普通免許状を有するか取得見込み
  • 学業成績が優秀——取得単位科目の評価が「良」以上が8割以上、かつ「優」が5割以上(優=80点以上、良=70点以上80点未満、可=60点以上70点未満に換算)

※出典:令和9年度愛媛県公立学校教員採用選考試験 大学等推薦特別選考実施要項(学業成績は令和8年3月31日時点で評価)。
年度により変更される可能性があるため、必ず在籍する大学の担当窓口で、その年度の要件を確認してください。

ポイントは「優が5割以上」。これは1〜2年生のうちから意識していないと届きにくい基準です。大学から推薦される場合は、取得単位科目の評価(令和9年度採用では令和8年3月31日時点)で判定されるので、1年生の成績から効いてくると思ってください(大学院・教職大学院から推薦される場合は大学院等の成績が対象で、大学の成績は通算しません)。逆に言えば、真面目に授業に取り組んできた人にとっては、有力な一次免除ルートの一つです(ただし、学長の推薦と書類審査を経て対象者に決まる必要があります)。

③ 講師等特別選考|「前年度の一次に受かって、愛媛県で講師として任用された」なら一次免除

これは愛媛県ならではの制度です。小学校または特別支援学校を志願し、令和8年度採用で同じ試験区分の前期第1次に合格した方(一次全免除だった方を除く)で、下表の県教委による任用等の条件を満たす場合、令和9年度採用の一次が全て免除される——というリベンジ支援の仕組みです。

対象小学校教員または特別支援学校教員を志願する方(中学校・高校・養護・栄養は対象外)
要件(1)前年度の愛媛県公立学校教員採用選考試験で、本年度志願する試験区分の前期第1次選考試験に合格していること。ただし、その年に一次を全て免除された人は対象外。
要件(2)小学校志願者=令和8年4月1日〜5月29日に愛媛県教育委員会が1日以上の任期を定めて常勤講師・助教諭・非常勤講師として任用し、小学校または中学校で勤務した方
特別支援学校志願者=同じ期間に県教委が講師等として任用した方
一次の扱い前期第1次選考試験の全てを免除
提出書類講師等特別選考申請書(マイページから様式をダウンロード)
実績令和8年度採用:8人受験→7人が採用候補者(小学校4→3、特別支援4→4)。前年は16人→12人。

「1日以上の任期」という書き方に注目してください。常勤でなくても、非常勤講師でも対象です。令和8年度採用の一次を通っていて、令和8年4月1日〜5月29日に愛媛県で講師として任用された——その条件がそろっているなら、申請をおすすめします。筆記の勉強時間を、まるごと二次試験(適性検査・小論文・面接、対象教科では実技試験等)の準備に回せます。講師の方は時間がないぶん、この制度の価値は本当に大きいです。

常勤講師の方は「新卒より不利では」と心配されますが、私は逆だと考えています。講師の強みはクオリティ(現場での課題意識)・信用(現場での積み重ね)・フレッシュさの3つ。「こういう課題意識を持ってこう実践し、子どもがこう変わった」とリアルに語れるのは講師だけです。実際、令和8年度採用では県内講師経験者が86人採用候補者になっています(小11・中29・県立31・養護12・栄養3)。

④ 現職教員・教職経験者特別選考|他県からのUターン・Iターンに手厚い

令和8年度採用では、他県現職教員が24人採用候補者になっています(小13・中4・県立6・栄養1)。愛媛県は、他県で正規教員として働いている方に対して前期・後期から一方を選ぶ機会を設けています(養護・栄養の現職教員特別選考は前期のみ)。

現職教員特別選考教職経験者特別選考
対象他の都道府県の国公立学校または私立学校の教員として現に勤務している方(正規教員に限る)本県および他の都道府県の国公立学校での教職経験がある方(正規教員に限る)。現在勤務していなくてもよい。
必要な経験年数2年以上(令和8年5月29日時点)3年以上(令和8年5月29日時点)
条件その教職経験と同一の試験区分を志願すること。休職・育児休業等の期間は除く(部分休業・育児短時間勤務の期間は、除かれる期間に含まれません)。
一次の扱い小・高・特支=一次全免除/中=一次全免除+二次の実技試験等も免除/養護・栄養=教職専門科目を免除小・中・高・特支=一次全免除/養護・栄養=教職専門科目を免除
高校・特支の二次適性検査・模擬授業(特別支援学校は場面指導)・面接試験(模擬授業/場面指導20点+面接80点+加点10点=110点満点)
提出書類教職経験者・現職教員特別選考申請書+任命権者の証明を受けた在職証明書(学校長ではなく、教育委員会または学校法人理事長の証明。本県公立学校での経験は在職証明不要)
実績(令和8年度採用)28人→24人
(小16→13、中5→4、高4→4、特支2→2、栄養1→1)
8人→4人
(小2→1、中3→2、高1→0、特支2→1)

令和9年度採用からの変更点として、これまで後期選考試験だけで行われていた高等学校・特別支援学校の教職経験者特別選考と現職教員特別選考が、前期選考試験でも実施されるようになりました。8月の前期で受けるか、10月の後期で受けるかを選べます(重複申込はできません)。

Q&Aで確認できる、間違えやすいポイント

  • 講師(非正規)の経験だけでは受験できません。現職教員・教職経験者どちらも「正規教員として勤務した期間」に限られます(後期選考試験も同じ)。
  • 他県で正規採用されていても、現在、教育委員会や図書館など学校以外で勤務している場合は現職教員特別選考を受験できません(出願締切日時点で学校に勤務していることが条件)
  • 「同一の試験区分」は実際に勤務した学校種・教科で判断されます。高校教員として採用され特別支援学校で勤務した経験があれば、特別支援学校教員を特別選考で受験できます。逆に、高校教員として採用されても高校での勤務経験がなければ、高校教員は受験できません。

40代・50代での受験を考えている方も多い区分です。面接官が気にしていると私が考えているのは3つ——①いま求められている教育を謙虚に学べるか、②年下の同僚とフラットに働けるか、③人生経験を生かして調整役になれるか。この3つのポイントを押さえていけば、ライバルよりも「採用したい」と思ってもらえる価値をしっかり提供できるのではないかと思います。

⑤ 社会人特別選考|免許がなくても、特別免許状で教壇へ

愛媛県の社会人特別選考は、他県の「社会人枠」とは意味が違います。受験する試験区分に相当する教員免許状(臨時免許状を除く)を持っていない方が対象で、県の教育職員検定に合格して特別免許状の授与を受けるルートです。

対象の教科小学校=英語/中学校=理科・音楽・美術・技術・家庭・英語/高等学校=音楽・美術・英語・家庭・情報・農業・工業・水産・福祉
要件(次のいずれか)a 令和8年5月29日時点で、学校または在外教育施設等で常勤の教員(これに準ずるものを含む)として4か月以上、受験教科に関係する授業に携わった経験
b 令和8年5月29日時点で、民間企業または官公庁等で正規職員として3年以上(休職・育児休業等の期間を除く)、受験教科に関係する実務経験
c 受験教科に関係する専門的な知識経験または技能を有すると認められる資格
あわせて必要社会的信望があり、教員として必要な熱意と識見をもっていること
一次の扱い教職専門科目(100点)を免除
注意提出書類による要件審査があり、審査の結果、社会人特別選考を受験できないことがあります。また採用候補者になっても特別免許状が授与できない場合は採用されません。
実績令和8年度採用:1人受験→1人が採用候補者(高校)。前年は8人→3人。

なお、小学校(英語)で合格した場合、発行される特別免許状は「小学校で英語のみを指導できる」ものです。他の教科は指導できません(道徳・特別活動・総合的な学習の時間の英語に関する事項は指導可)。Q&Aに明記されています。

社会人の方が面接で話せるようにしておくとよいのは2つ。①社会人経験を学校でどう生かすか、②なぜ社会人経験を経て教員を目指したのか。この2つがはっきりしていれば、経歴そのものは強い武器になります。愛媛県では令和8年度採用で民間企業経験者が25人採用候補者になっていて、そのうち16人が県立学校。高校の専門教科では、実務経験が評価されやすいと考えられます。

受験する試験区分に相当する教員免許状(臨時免許状を除く)を持っている方は社会人特別選考の対象外なので、一般選考や、要件に合う別の特別選考を確認してください。加点も要件を満たす場合に申請できます。通信課程で免許を取った方も、志願要項上は受験できます(大学等推薦特別選考は「通信制の課程によらない大学等」が条件です)。免許の取得ルートが合否に影響するという記載は見当たらず、見られているのは実践力だと考えられます。

⑥ 障がい者特別選考・スポーツ指導者特別選考

障がい者特別選考(全試験区分)

身体障害者手帳(1〜6級)、療育手帳または各機関が交付する判定書、精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている方が対象。申請により障がいの程度に応じて試験の方法・内容に配慮、または試験の一部を免除されます。採用予定数は10名程度で、一般選考の採用予定数には含まれません(別枠)。申請した方には事前面接等があり、その際に手帳等の原本を持参します。該当していても申請しなくて構いません。

スポーツ指導者特別選考(中学校・高等学校)

県教委が指定する競技の指導者として、その競技の拠点におけるスポーツ振興に貢献できる方が対象。要件は「平成28年4月1日以降に指定競技の選手または指導者として全国的な規模の競技会に出場(高校卒業後の実績に限る)」または「選手・指導者としての経験を令和8年5月29日時点で10年以上有し、その証明が得られる」のいずれか。教職専門科目(100点)が免除されます。

令和9年度採用で指定されている競技:ライフル射撃/カヌー/ボクシング/アーチェリー/ソフトボール/セーリング/なぎなた/柔道/空手道

※要件審査の結果、対象にならなかった場合は一般選考の志願者として扱われます。そのためスポーツ分野での加点を希望する場合は、加点の願い出も同時に行っておくことが志願要項で推奨されています(実績を証明する書類の写しは重複提出不要)。

【一覧】加点制度10項目|上限100点

前期の一般選考等では、加点を一次試験の合計点に加算します(上限100点)。高校・特別支援学校の教職経験者/現職教員特別選考では、二次の配点表にある加点は10点です。後期は評価点の10分の1を加点し、上限10点です。

分野内容評価点対象区分
スポーツ(高校卒業後かつ平成28年4月1日以降の実績。対象競技は国民スポーツ大会の正式競技・公開競技及び野球)国際競技大会(オリンピック・世界選手権・アジア大会等)に日本代表として選出(平成28年4月1日以降)100点小・中・高
全国大会(国民スポーツ大会・全日本選手権等)に選手として出場し8位以内に入賞50点
全国大会に選手として出場30点
芸術・文化全国規模以上のコンクール・展覧会等で特に優秀な成績(高校卒業後の実績)30点小・中・高・特支
英語力実用英語技能検定1級/TOEFL iBT 100点以上/TOEIC公開テスト860点以上(TOEFL・TOEICは令和5年4月1日以降の受験)50点小・中・高・特支
実用英語技能検定準1級/TOEFL iBT 80〜99点/TOEIC公開テスト730〜859点(TOEFL・TOEICは令和5年4月1日以降の受験)30点
司書教諭司書教諭の資格を令和8年5月29日時点で保有10点小・中・高・特支
情報免許情報の高等学校教諭免許状を保有(情報を受験する人を除く)100点高
情報処理応用情報技術者試験の合格者50点小・中・高
基本情報技術者試験の合格者30点
医療・福祉医師・保健師・助産師・看護師免許取得後5年以上の実務経験50点高(福祉)
看護師免許証または介護福祉士登録証を保有20点
他免許状特別支援学校教諭等免許状(小中志願者)/中学校免許状(小志願者)/小学校・他教科の中学校免許状(中志願者)/福祉免許状(高志願者)/公民・地理歴史の相互/中学理科免許状(高理科志願者)/採用予定のある教科の高校普通免許状(情報・農業・工業・商業・水産・福祉を除く。高情報志願者)/保健師免許証(養護教員志願者)各20点該当区分
社会貢献等青年海外協力隊員・日系社会青年ボランティアとして2年間程度の海外派遣経験100点全区分
臨床心理士の資格を保有50点
日本語検定1級の合格者30点
防災士の資格を保有10点

※出典:令和9年度愛媛県公立学校教員採用選考試験志願要項「4 選考試験における加点制度」。
スポーツ・英語力・情報処理・医療福祉の各分野で重複して願い出た場合は、その分野内で評価点の高い1項目で加点されます。

実際に加点を受けているのは3人に1人

令和8年度採用では、採用候補者469人のうち159人(33.9%)が加点を受けていました。件数が多かったのは次の項目です。

項目評価点件数前年
司書教諭10点67件53件
防災士資格10点65件47件
英検準1級相当30点16件14件
中学校免許状(小志願者)20点14件26件
特別支援学校免許状20点11件8件
他教科・小学校免許状(中志願者)20点9件4件
スポーツ 全国大会出場30点9件15件
スポーツ 全国ベスト850点9件6件
合計(全項目)—215件190件

※出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」4 加点の状況等。
1人が複数の加点を受ける場合があるため、件数の合計は加点者数を上回ります。

司書教諭と防災士だけで132件——この2つが愛媛県の加点の中心です。どちらも10点で、一次500点満点の2%分。小さく見えますが、愛媛県の小・中学校は志願倍率1〜2倍台の勝負。ボーダー付近では効く場合があります。しかも防災士は社会人でも取得できる資格。狙うなら、出願締切(令和9年度採用は5月29日)から逆算して年内には動き始めましょう。

加点で失敗しないための3つの注意点(Q&A・志願要項より)

  1. 前期は出願締切日(5月29日)までに取得していること。令和8年5月30日以降に取得予定の免許状・資格は対象になりません(「取得見込み」は不可)。
  2. 証明書類を締切日までに提出すること。取得していても、書類が間に合わなければ加点は認められません。
  3. 一次を全て免除される人も加点を願い出られます。その場合、原本の確認は前期第2次選考試験の筆記試験当日に行われます。

なお、加点が認められたかどうかは合格発表後の開示請求で知ることができます(前期第1次選考試験の開示内容に「加点制度による評価点」が含まれます)。

10月の後期選考試験|他県の現職教員などが前期の代わりに選べる選考

愛媛県には、8月の前期とは別に10月の後期選考試験があります。対象は限定されています。

対象ア 小・中・高・特別支援を志願する方のうち、他の都道府県の国公立学校または私立学校の現職正規教員で2年以上の経験がある方
イ 高・特別支援を志願する方のうち、国公立学校で3年以上の教職経験がある方
※経験年数は、後期選考試験の受験申込受付期間最終日時点(正規教員期間のみ、休職・育児休業等を除く)。当該経験と同一の試験区分を志願し、その区分の普通免許状を現に有すること等が必要です。養護教員・栄養教員は後期選考を実施しません
試験日小学校・中学校=令和8年10月3日(土)/高等学校・特別支援学校=10月4日(日)(松山会場。令和9年度採用の志願要項では予定とされていました)
試験内容小・中=適性検査・筆記試験(小論文)・面接試験
高・特支=適性検査・模擬授業(特別支援学校は場面指導)・面接試験
配点小・中=小論文20+面接80+加点10=110点
高・特支=模擬授業/場面指導20+面接80+加点10=110点
合格発表10月下旬(令和9年度採用の試験概要の計画による)
重複申込前期と後期を重複して申し込むことはできません。また、出願を取り下げずに前期を欠席した場合、後期の申込みはできません。
実績令和8年度採用:受験19人→採用候補者14人(小7→5、中3→2、県立9→7)。前年は21人→17人。

後期選考試験の受験申込受付期間・提出書類の詳細は、別途「後期選考試験実施要項」(例年8月下旬公表)で定められます。令和9年度採用の後期選考試験の受験申込受付期間・試験会場は、「後期選考試験実施要項」で確認してください。

令和9年度採用からは、高校・特別支援の教職経験者・現職教員特別選考が前期でも受けられるようになりました。前期(8月)と後期(10月)、どちらか一方を選ぶ形です。高校・特別支援学校の該当特別選考は前期・後期とも、適性検査、模擬授業(特別支援学校は場面指導)、面接です——ご自身の得意な形式と、いま勤務している学校のスケジュールで判断してください。

ルート別・令和8年度採用の結果まとめ

ルート受験者採用候補者採用候補者になった割合
大学等推薦特別選考62人56人約90%
大学3回生等特別選考(通過者対象)61人55人約90%
現職教員特別選考28人24人約86%
講師等特別選考8人7人約88%
教職経験者特別選考8人4人50%
スポーツ指導者特別選考2人2人100%
社会人特別選考1人1人100%
(参考)全体882人469人約53%

※出典:愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県公立学校教員採用選考試験結果等について」2。
割合は当ブログ算出。受験者数が1桁の区分は、割合の変動が大きいことにご注意ください。

全体の採用候補者率が約53%であるのに対し、一次を全免除される5ルートのうち4ルート(大学等推薦・大学3回生等(通過者対象)・現職教員・講師等)は86〜90%。「一次を免除されている=すでに実力が確認されている」人たちなので当然ではありますが、使える制度は活用する——これが愛媛県で有力な戦略の一つと考えられます。

よくある質問

Q. 特別選考は複数申請できますか?

A. できません。志願要項に「上記(1)〜(9)の特別選考を重複して申請することはできない」と明記されています。ただし加点の願い出は特別選考と併用できます(スポーツ指導者特別選考の審査に落ちた場合に備えて、スポーツ分野の加点も同時に願い出ておくことが推奨されています)。

Q. 特別選考で受かった人は、採用予定数の外枠ですか?

A. 障がい者特別選考(10名程度)だけが別枠で、それ以外の特別選考の採用者数はすべて一般選考の採用予定数に含まれます。また、大学3回生等特別選考で一次に合格した人(3回生の年)は、その年の採用予定数には含まれません。

Q. 特別選考を申請しても、一般選考で受けられますか?

A. はい。障がい者・教職経験者・現職教員・講師等・スポーツ指導者の各特別選考には、該当する場合であっても、それぞれの特別選考によることを申請しなくてもよいという規定があります。また、要件を満たしていないことが審査で判明した場合は一般選考の志願者として扱われます(社会人特別選考のみ、審査の結果、受験できないことがあります)。

Q. 一次を免除されると、二次では不利になりませんか?

A. 制度上どう扱われるかは、志願要項からは読み取れません。前期第2次の150点のうち50点は「1次総得点の10分の1」ですが、一次を免除された人の扱いは、志願要項の配点表に記載がありません。ただし実績を見る限り、一次免除の主要4ルート(大学等推薦・大学3回生等(通過者対象)・現職教員・講師等)は86〜90%が採用候補者になっています。心配するより、面接80点・小論文20点の準備に集中してください。

Q. 大学院に進学する場合、採用を待ってもらえますか?

A. はい。志願要項に「大学院修士課程在籍者及び大学院修士課程進学者の採用時の特例措置」があります。専修免許状を取得できる大学院修士課程に在籍中なら採用を1年間猶予、令和9年度に進学するなら1年間または2年間猶予(進学する大学院の標準修業年限)。対象は前期第2次の合格者(同選考の追加合格者を含む)です。令和9年4月1日時点で受験区分の普通免許状を有し、在籍者は令和10年3月31日まで、新たに進学する方は令和11年3月31日までに修了見込みであること等が必要です。後期選考の合格者は対象外です。ただし現職教員特別選考・大学等推薦特別選考で合格した方は対象外で、進学の場合は令和8年12月31日までに大学院を受験した方が対象です。

Q. 通信課程で免許を取っても合格できますか?

A. 志願要項上は受験できます。免許の取得ルートが合否に影響するという記載は見当たらず、見られているのは実践力だと考えられます。ただし大学等推薦特別選考だけは「通信制の課程によらない大学等」が条件なので、そこだけご注意ください。

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この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

特別選考の要件は公表資料で追えますが、「実際に申請してどうだったか」「二次で何を聞かれたか」は受験した方の報告でしか集まりません。愛媛県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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