【教員採用試験】茨城県の集団活動・集団討論|特別支援は「ポスター作成+プレゼン」240点。過去の集団討論テーマも全収録

こんにちは、金井志津乃です! 

茨城県って集団討論があるって聞いていたんですけど、特別支援は「ポスターを作る」って本当ですか? 討論じゃなくて工作……?

本当です。茨城県の集団討論は、令和9年度採用の一般選考では実施されていません。令和9年度採用で集団活動があるのは特別支援学校教諭の「集団活動」だけ。令和9年度採用の実施要項に掲載された令和8年度採用(2025年夏実施)の参考例では、約60分で4名程度のグループがポスターを作り、プレゼンテーションをする形式でした(令和9年度採用でも同じ内容とは限りません)。配点は240点、個人面接と同じです。工作ではなく、チームで成果物を仕上げる力を見る試験だと考えられますよ!

この記事では、茨城県公立学校教員選考試験の集団活動(特別支援学校教諭)と、かつて実施されていた集団討論について、実施要項と受験者の報告からまとめます。

この記事の根拠

  • 実施方法・配点・評価の観点・令和7年度採用と令和8年度採用のテーマは令和9年度採用・令和8年度採用の実施要項から
  • 当日の進行と実際のテーマは受験者の報告12件(令和4・6・8年度採用)から
  • 公刊過去問5年分(令和4年度〜8年度採用・集団討論47問)でテーマ傾向を裏取りしています
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

令和9年度採用の茨城県|一般選考で集団活動があるのは特別支援学校教諭だけ

区分第1日第2日総合得点
小学校・養護教諭・栄養教諭個人面接模擬授業480点
中学校・高等学校模擬授業(+実技または口述)個人面接480〜580点
特別支援学校教諭集団活動(240点)個人面接(240点/中で場面指導)480点

※出典:令和9年度採用(令和8年度実施)茨城県公立学校教員選考試験実施要項「日程及び試験内容」「配点及び選考基準」
第1日と第2日の試験内容は入れ替わることがあります。上の表の日割りは校種別の標準的な割り振りです(当日の指示に従ってください)。

ここで注目してほしいのは、特別支援学校教諭だけが模擬授業を受けないということ。他の校種が「個人面接+模擬授業」なのに対し、特別支援は「個人面接+集団活動」。つまり集団活動が模擬授業と同じ重み(240点=配点の半分)をもっています。「集団のほうは軽く流して、面接で挽回」という発想はおすすめできません。

集団活動の中身|令和8年度採用の参考例は約60分で「ポスターを作って、発表する」

実施要項の「【参考】昨年度選考試験で実施した集団活動の概要」に、実施方法が書かれています(要項には「本年度、同じ試験内容になるとは限りません」とあります)。

  • 試験時間は約60分
  • 2グループ(各4名程度)に分かれ、示されたテーマについてグループワークを実施し、プレゼンテーションを行う
  • 評価は3名の面接員が7段階で評定。【評価の観点】態度、協働性、コミュニケーション力等。

受験者の報告では、時間配分はこうでした。

【令和8年度採用・特別支援学校】集団活動。4人組で「地域に開かれた学校として、地域に特別支援学校の特徴や取り組みを伝えるポスター」を作る。作成45分・発表4分・質疑応答3分。報告では「メンバーは、現役、講師等様々」とされています。

この報告の配分では、45分の作業+4分の発表+3分の質疑応答。つまり時間の8割はグループでの作業で、発表と質疑は最後の7分だけです。ここが一般的な集団討論との最大の違いです。

実際に出された集団活動のテーマ

年度テーマ出典
令和8年度採用
(2025年夏実施)
高校生が、特別支援学校の教員という職業に興味をもち、将来の進路として考えられるようなポスターを作成してください。令和9年度採用 実施要項の「昨年度のテーマ例」/受験者報告とも一致
地域に開かれた学校として、地域に特別支援学校の特徴や取り組みを伝えるポスターを作成してください。受験者報告(4人組・作成45分・発表4分・質疑応答3分)
令和7年度採用
(2024年夏実施)
特別支援学校高等部生の進路実現につなげるため、企業に対して特別支援学校の取り組みを伝えるポスターを作成してください。令和8年度採用 実施要項の「昨年度のテーマ例」
参考「特別支援学校におけるセンター的役割とは」をテーマに、集団でポスターを作成
※茨城県と他県を併願された方の報告で、どちらの県の出題か報告では区別されていません。同時期の茨城県の出題形式(ポスター作成)と一致するため参考として掲載します。
受験者報告

令和7年度採用・令和8年度採用のテーマと、どちらの県の出題か区別できない参考報告を並べると、確認できた範囲ではすべてが「特別支援学校の魅力・取り組みを、外部の誰かに伝えるポスター」です。伝える相手が高校生/地域/企業と入れ替わっているだけ。型が固まっている可能性があるので、対策は具体的にできます(令和9年度採用の実際の出題は別途確認が必要です)。

集団活動の攻略|まず「伝える相手」を全員でそろえる

45分のグループワークで差がつくポイントを、テーマの構造から整理します。

  1. まず「誰に・何を・どうなってほしいか」を1文にして、方向性をそろえる。要項に載っている参考例(高校生に特別支援学校の教員という職業に興味をもってもらうポスター)や受験者報告(地域に学校の取り組みを伝えるポスター)のように、「誰に伝えるか」が決まったテーマの例があります。高校生なら「進路として考えたくなる」、企業なら「一緒に働きたいと思う」、地域なら「学校に関わりたくなる」。ここがずれたまま作業に入ると、45分後に噛み合わないポスターができやすくなります。
  2. 役割を早く決める。4人なら「進行」「書記(ポスターに書く人)」「時間管理」「発表者」。全員が同じ作業をすると手が余りがちです。役割は固定せず、途中で交代してもいい——大事なのは、決めるまでのスピードです。
  3. 特別支援学校ならではの中身を入れておく。個別の指導計画、自立活動、キャリア教育と進路指導、地域や企業との連携、センター的機能——専門用語を1つ2つ、意味を説明できる形で入れると、ポスターの説得力が変わります。
  4. ポスターは「読ませる」より「見せる」。相手が高校生なら文字は少なく、見出しと図で。誰に向けたポスターかが、レイアウトそのものに表れているかを面接員は見ていると考えられます。
  5. 受験者の報告にある「発表4分・質疑3分」を目安に逆算して、発表の練習時間を残して作業を止める。「誰が何を話すか」を決めて、一度声に出して通す時間を残してください。作りきって時間切れ、が一番もったいない。

評価の観点は「態度、協働性、コミュニケーション力」等です。ポスターの出来栄えそのものが評価の中心ではないと考えられます。他の受験者より優れた案を出す人ではなく、チームでベストな成果を生み出せる人が評価されやすいでしょう。個人プレーに見えると、協働性の評価が下がる可能性があります。

グループでひとつの成果物にまとめる形式のコツ(方向性を先に決める/多角的な視点を早い段階で出す/共通点と相違点を整理する)は、この動画で3ステップにまとめています。

そして絶対にやってはいけない5つ——①我を通す ②1回で長時間話す ③論点がずれる ④相手を見下す(講師の方が学生を見下すのは典型例です) ⑤時間を管理しない。マイナスを減らすだけでも、評価は安定しやすくなります。

【アーカイブ】かつての集団討論(令和6年度採用までの報告)

ここからは資料編です。令和6年度採用(2023年夏実施)までの受験者報告では、小学校・中学校・高等学校・特別支援で第2次試験に集団討論がありました(第2次試験1日目、小論文のあとに実施)。令和8年度採用以降の実施要項(一般選考)には集団討論の記載がなく、令和7年度採用の扱いは当時の要項での確認が必要です。公刊過去問集の収録も令和7年度採用0件・令和8年度採用2件にとどまります。

当時の形式

人数7〜10名程度のグループ(令和4年度採用は10名、特別支援は7名。令和6年度採用は7人1グループの報告)
時間令和4年度採用:30分(特別支援は45分)/令和6年度採用:構想3〜5分+討論40〜60分の報告
試験官3名。立った状態で少し移動しながらチェックする(受験者報告)。
配置令和4年度採用は円形(アクリル板あり)。令和6年度採用は番号順の座席。
進め方「司会は立てても立てなくてもよい」「結論はまとめなくてもよい」「答えを出す必要はありません」という指示が複数年で確認できます。一方で「最後に全員で1枚の紙に考えをまとめて書く」という回もありました。
冒頭の1分「はじめに1分間で、課題に対しての自分の考えを述べてください」「2分間構想した後、1人1分ずつ意見を述べる(順番は挙手制)」など、最初に全員が意見表明する形の報告が複数ある
道具令和4年度採用はコピー用紙3枚と赤黒マジックを使用してもしなくてもよい

実際に出た集団討論のテーマ(受験者報告)

令和6年度採用(2023年夏実施)

  • 【小学校】あなたの学校では、今年度「みんなの可能性を引き出す学校づくり」を目標に掲げています。「学力の低下」が課題にあがっており、課題の解決のために、学年主任や他の教職員と協働して行う学校での取り組みをまとめてください。
  • 【小学校】あなたたちは同じ学校に勤務する教員です。今年度の学校目標は「楽しく活力ある子供たちの育成」ですが、「いじめの未然防止」に課題があります。教務主任・学年主任とともに学校全体での取り組みについて話し合い、考えをまとめなさい。(司会は立てないで自由に話し合う/途中で必要と感じたら立ててもよい/はじめに1分間で自分の考えを述べる/最後に1人に話してもらうようなことはない)
  • 【小学校】学力向上のために、教員同士で協力してどのような取り組みが必要になるか。
  • 【中学校・音楽】「生徒一人一人の学力を伸ばすための指導」について。(司会は立てても立てなくてもよい/結論はまとめなくてもよい/2分間構想後、1人1分ずつ意見を述べる。順番は挙手制/7人1グループ)
  • 【中学校】いじめの未然防止の取り組みとしてどのようなものがあるか。(個人での構想時間3分/司会は立てても立てなくてもよい)
  • 【高等学校】茨城県に3年間著名人を採用する制度を導入した場合、どの人物がよいか。1人選び、どのような影響があるかについても述べなさい。(討論の前に「今の気持ちを色に例えて自己紹介」というアイスブレイクあり/自分の考えを1分でまとめ、自由に意見を出す/答えを出す必要はない)
  • 【特別支援】コロナ明けの運動会・文化祭・修学旅行などをどうするか話し合いなさい。(最初に5分間個人で考えてメモ→40分間の討論→最後に全員で1枚の紙に考えをまとめて書く)
  • 【特別支援】文部科学省の感染症ガイドラインでコロナが5類になりましたが、運動会や宿泊学習といった体験的な学習をコロナ前と同じように実施するべきかどうか、グループで話し合ってください。

令和4年度採用(2021年夏実施)

  • 初任者研修で校内目標における学級目標を研修しました。校内で先生に発表をする予定です。その内容について話し合ってください。
  • コロナ禍でICTで学ぶ教育を取り入れている現状であり、今後も継続していくと見込まれる。その中での体験的な活動の意義と目的、宿泊、修学旅行や運動会、文化祭の在り方、実施方法についてグループでまとめよ。(5分間で個人の論点をまとめ、その後45分で討論)

テーマの傾向|「学校目標+課題」の2段設定が茨城県の型でした

公刊過去問5年分(集団討論47問)を集計すると、茨城県の集団討論にははっきりした傾向がありました。

  1. 「学校目標」と「課題」の2つが与えられ、両方を満たす取り組みを考えさせる型が最多。目標は「自ら考え行動する子どもの育成」「全ての子供たちの可能性を引き出す」「活力ある学校づくり」など、課題は「いじめの未然防止」「学力の低下」「学習意欲の向上」「体力・運動能力向上」「自己肯定感」「SNSの利用」など。目標と課題の掛け算でテーマが作られた年が多くありました。
  2. 「初任者研修・校内研修で発表する内容を話し合う」という設定が多い傾向でした。「教員として同僚と話し合う場」を再現させる狙いがあったと考えられます。
  3. 茨城県そのものをPRする課題も出ていました(著名人の招へい、姉妹校提携に向けた学校のよさのプレゼンなど)。令和7年度採用・令和8年度採用の集団活動の「ポスターで魅力を伝える」テーマは、この系統の延長線上にあると考えられます。

当時の合格者が残してくれたコメント

茨城県のスタイルとして、3人の試験官が三角形になるように配置されています。試験官が移動したり、途中で入室したり、真横に立ってメモの取り方を見られたりします。試験官を決して見ないようにという点がありました。討論(会議)に集中していないと見られるためです。和やかに、否定せずに称賛しながら話し合いを進めていくこと、良い雰囲気でいることが一番だと思います。途中で今の状況を確認したり、次に話し合いで深めていくことを柔らかい表情などで伝えていくことで、うまく話し合っていけたと確信をもつことができました。(令和4年度採用 合格者)

「試験官を見ない」「メモの取り方まで見られている」——この2つは、集団活動でも生かせると考えられます。集団討論では試験官が移動しながらチェックしたという報告があり、集団活動でも同様の可能性があります。点数をつけている人ではなく、目の前のメンバーと成果物に集中している人が、高く評価されやすいと考えられます。

よくある質問

Q. 小学校・中学校・高校でも集団討論はありませんか?

A. 令和9年度採用の実施要項では、小学校・中学校・高等学校・養護教諭・栄養教諭の第2次試験は個人面接と模擬授業(+実技・口述)で、集団討論・集団活動はありません。集団活動があるのは特別支援学校教諭のみです。ただし他県と併願される方は、集団討論のある自治体もあるので、練習を続けておくと安心です。

Q. ポスターは絵が上手でないと不利ですか?

A. 評価の観点は「態度、協働性、コミュニケーション力」等であり、画力が中心ではないと考えられます。とはいえ「誰に向けたポスターか」がレイアウトに表れているかは伝わります。見出しを大きく、情報を3つ程度に絞り、余白を残す——それだけでも「伝わるポスター」に近づきます。絵が得意な人がいたら、その人に任せてチームで役割分担するのも一つの方法です。

Q. 発表は1人で? 全員で?

A. 令和9年度採用の実施要項では指定を確認できておらず、受験者報告でも明記されていません。当日の指示に従ってください。全員が話す形になった場合に備えて、1人あたり1分弱で何を話すかを決めておくと安心です。質疑応答が3分だったという報告があるため、「誰が答えるか」も先に決めておくとチームとしてまとまって見えます。

Q. メンバーが講師の方ばかりで、自分は学生です。不利ですか?

A. 不利になるとは考えにくいです。受験者報告でも「メンバーは、現役、講師等様々」でした。集団活動で見られているのは「他者と良い関係を築きながら、自分の考えを伝えるスキル」と考えられます。経験の量が評価の中心ではないと考えられます。むしろ現場経験のある方の話を引き出し、「それって、高校生にはこう伝わりますかね?」と視点を足せる人のほうが、チームへの貢献度は高く見えます。

Q. 特別支援学校の受験者は、場面指導も集団活動も両方ですか?

A. はい。1日目に集団活動(240点)、2日目に個人面接(240点/中で場面指導)の予定でしたが(令和9年度採用の特別支援学校の二次試験は令和8年7月18日・19日)、試験内容が入れ替わることがあります。特別支援学校教諭はこの2つだけで480点——模擬授業がないぶん、集団活動の比重が非常に大きくなります。場面指導の実例は専用記事にまとめました。

■ 茨城県の場面指導|実録10テーマと「児童役の面接員が割り込んでくる」報告のある形式の攻略法

Q. 令和9年度採用の一般選考に小論文はありますか?

A. 令和9年度採用の一般選考には小論文はありません。ただし離職者・スペシャリストを対象とした別日程の特別選考(令和8年9月27日実施)では、小論文100点と個人面接200点の選考が行われました。過去の出題テーマは資料として別記事に残しています。

■ 茨城県の小論文(論作文)|一般選考では実施なし。過去の出題テーマと、代わりに問われるもの

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

集団活動の当日の詳しい進行は、受験した方の報告が参考になります。過去のテーマや人数・時間の概要は県の実施要項にも参考例が掲載されています。茨城県を受験された方は、ぜひ次年度以降の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

■ 茨城県の個人面接・模擬授業|実録10名の質問と5年分の出題傾向

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