こんにちは、金井志津乃です!

大分県って特別選考が7つもあるって聞きました……。自分がどれに当てはまるのか、正直よく分かりません。

多いですよね! でも大丈夫。大分県の特別選考は「あなたが今どんな立場か」で一発で決まります。しかも7つのうち5つは第1次試験がまるごと免除。まずは早見表で自分の位置を確認しましょう。
この記事では、大分県公立学校教員採用選考試験の特別選考Ⅰ〜Ⅶと第1次試験の免除制度について、令和9年度採用(2026年夏実施)の実施要項と公表データをもとに整理します。
この記事の根拠
- 受験資格・試験内容・配点はすべて令和9年度大分県公立学校教員採用選考試験 実施要項と募集案内から。条文の要約であり、推定は含みません。
- ルート別の出願者数・合格者数は大分県教育委員会が公表した「出願状況」「第1次試験結果」「総合結果」から
- 受験する年度の要項を必ずご自身で確認してください。大分県は令和9年度採用でも3つの変更がありました。
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
- 大学等推薦制度の導入——大学及び大学院で学業成績優秀な学生を対象とした推薦制度。被推薦者は第1次試験が免除されます。なお、令和10年度採用(令和9年度実施)の「大学等推薦募集要項」が令和8年10月29日に公表されました。被推薦者は一般選考の第1次試験の全て(教養試験及び専門試験)が免除され、推薦人数は1大学から試験区分(教科・科目等)ごとに5人まで、推薦要件には標準化GPA値3.0以上・昭和43年4月2日以降に生まれた者などがあります。大学等からの推薦書類の受付期間は令和9年2月15日(月)から3月15日(月)まで(消印有効)で、被推薦者本人の出願手続きは令和9年4月上旬発表予定の実施要項で確認するとされています。
- 特別選考Ⅶ(小学校教諭地域枠特別選考)の実施——大分県の小学校教員を目指して大学へ進学し、地域や現場の教育課題を解決する資質能力を有する学生が対象
- 第1次試験の免除制度の拡充——大分県の国公立学校で臨時講師等として任用された経歴により第1次試験を免除する要件が新設されました
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
早見表|7つの特別選考と試験内容
| 選考区分 | 対象 | 第1次試験 | 第2次試験 | 採用予定(R9) |
|---|---|---|---|---|
| 特別選考Ⅰ 障がい者特別選考 | 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等をお持ちの方(全試験区分) | 一般選考と同様 (教養+専門) | 一般選考と同様 | 8人 |
| 特別選考Ⅱ 社会人特別選考 | 民間企業・官公庁等で、常勤の正社員または正規職員として令和8年4月1日現在3年以上継続勤務している方(小学校・小中連携・中学校・高等学校。教育職員としての勤務は除く) | 小論文試験のみ | 一般選考と同様 | 10人 |
| 特別選考Ⅲ スペシャリスト特別選考 | スポーツの指導者として優秀な実績を持つ方(高等学校) | 免除 | プレゼンテーション+面接試験 | 2人 |
| 特別選考Ⅳ 他県教諭特別選考 | 大分県以外の都道府県の学校で、志望する試験区分と同一区分の正規教員(臨時的任用を除く)として令和9年3月31日現在3年以上勤務している方(私立学校は小学校・中学校のみ。小学校・小中連携・中学校・高等学校・特別支援学校が対象) | 免除 | 面接試験のみ | 55人 |
| 特別選考Ⅴ 元県内正規教諭特別選考 | 過去に大分県の採用試験に合格し、県内の公立学校等で志望する試験区分と同一区分の正規教員(臨時的任用を除く)として3年以上勤務した方(全試験区分) | 免除 | 一般選考と同様 | 10人 |
| 特別選考Ⅵ 教職大学院修了(予定)者特別選考 | 教職大学院の課程を修了した方・修了見込みの方(全試験区分) | 免除 | 一般選考と同様 | 15人 |
| 特別選考Ⅶ 小学校教諭地域枠特別選考 ※令和9年度採用から新設 | 大分大学に「大分の小学校教員志望枠」で入学した学生(小学校) | 免除 | 一般選考と同様 | 10人 ※一般選考小学校教諭の内数 |
※特別選考計110人(うち特別選考Ⅶ10人は一般選考小学校教諭の内数のため、一般選考480人+特別選考110人−10人=総合計580人が令和9年度採用の採用予定者数)。
出典:令和9年度実施要項「2 選考区分、試験区分及び採用予定者数等」、募集案内Q2

この表を見ていちばん驚くのが特別選考Ⅳ(他県教諭)の採用予定55人です。特別選考110人のうち半分。しかも第2次試験は面接Ⅱ(個人面接)のみ・200点満点。他県で正規教員をしていて大分での採用を考えている方には、有力な選択肢になると考えられます。
ルート別の実績|出願者数と最終合格者数
「枠はあるけど、実際どれくらい採っているの?」——公表資料から見てみましょう。
| 選考区分 | 採用予定(R9) | 出願(R9) | 採用予定(R8) | 出願(R8) | 最終合格(R8) | 実質倍率(R8) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特別選考Ⅰ(障がい者) | 8人 | 4人 | 8人 | 3人 | 1人 | 3.0倍 |
| 特別選考Ⅱ(社会人) | 10人 | 16人 | 10人 | 15人 | 5人 | 2.4倍 |
| 特別選考Ⅲ(スペシャリスト) | 2人 | 2人 | 2人 | 3人 | 2人 | 1.0倍 |
| 特別選考Ⅳ(他県教諭) | 55人 | 22人 | 55人 | 28人 | 26人 | 1.0倍 |
| 特別選考Ⅴ(元県内正規教諭) | 10人 | 4人 | 10人 | 7人 | 2人 | 2.5倍 |
| 特別選考Ⅵ(教職大学院) | 15人 | 35人 | 15人 | 23人 | 12人 | 1.5倍 |
| 特別選考Ⅶ(小学校教諭地域枠) | (10人) | (3人) | — | — | — | — |
※実質倍率=(第1次試験受験者数+第1次試験免除者数)÷最終合格者数(大分県の定義)。特別選考Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵは第1次試験が免除されるため、県の注記のとおり受験者数(Ⅲ=2人、Ⅳ=26人、Ⅴ=5人、Ⅵ=18人)を分子として算出されています。R9=令和9年度採用、R8=令和8年度採用。
出典:大分県教育委員会「令和9年度 出願状況」「令和8年度 総合結果」。
なお令和9年度採用(R9)の最終合格者数は、令和8年8月31日公表の「令和9年度 総合結果」で特別選考Ⅰ=1人(実質倍率4.0倍)・Ⅱ=5人(3.0倍)・Ⅲ=1人(1.0倍)・Ⅳ=19人(1.0倍)・Ⅴ=3人(1.0倍)・Ⅵ=15人(1.7倍)・Ⅶ=3人(1.0倍)と公表されています(Ⅶは一般選考小学校教諭の内数)
読み取れることが3つあります。
- 他県教諭・元県内正規教諭・障がい者の3つは、採用予定より出願が少ない状態が続いています(Ⅳ:55人枠に22人/Ⅴ:10人枠に4人/Ⅰ:8人枠に4人)。要件は要項で確認してください。
- 教職大学院枠は競争が生まれ始めています(15人枠に35人)。前年度の23人から一気に増えました。
- 社会人枠は10人枠に16人。ただし令和8年度採用の最終合格は5人でした。枠があっても基準を満たさなければ合格にはなりません。
主流ルート①|他県教諭特別選考(Ⅳ)は「面接Ⅱだけ」
大分県の特別選考で最大の枠が、この特別選考Ⅳです。
| 採用予定 | 55人(小学校(小中学校連携含む)・中学校・高等学校で計50人、特別支援学校5人)。中学校・高等学校については、原則として合格者を各教科・科目ごとに最大2人とします(同点合格の場合や、一般選考の第2次合格者が採用予定者数に満たない場合は、その採用予定者数に達するまでを上限とする例外があります)。 |
| 受験資格(ア及びイの両方を満たす者、又はウを満たす者) | ア 大分県を除く都道府県の公立の学校または国立大学法人が所管する学校の正規教員(志望する試験区分と同一区分に限る。臨時的任用の者は除く)としての勤務期間が令和9年3月31日現在3年以上(休職・育児休業の期間を除く) イ 現在、公立の学校もしくは国立大学法人所管の学校の正規教員(志望する試験区分と同一区分に限り、臨時的任用の者を除く)、または都道府県・市区町村教育委員会の正規職員(臨時的任用の者を除く)として勤務している者(出願時に休職中の者を除く) ウ 現在、大分県を除く都道府県の私立小学校または私立中学校の正規教員(志望する試験区分と同一区分に限り、臨時的任用の者を除く)として勤務し、その勤務期間が令和9年3月31日現在3年以上(休職・育児休業の期間を除き、出願時に休職中の者を除く) |
| 第1次試験 | 免除 |
| 第2次試験 | 面接Ⅱ(個人面接)のみ・200点満点。模擬授業も実技もありません。 |
| 出願期間 | 令和8年4月6日(月)〜5月7日(木)(大分会場・特別選考Ⅳ〜Ⅶ用の申請フォーム) |
| 提出書類 | 出願時の「職歴」欄に、現在の所属(勤務校等)・正規教員として3年以上勤務していること・現在休職中でないことを入力。休職・育児休業の期間がある場合はその期間も。第2次試験合格後に勤務証明書の提出が必要。 |
| 秋選考 | 合格者が採用予定者数に満たなかった場合は秋選考試験として追加募集試験を実施(実施要項「13 その他(3)」)。令和9年度採用は令和8年9月11日に秋選考試験の実施要項が公表され、採用予定者数36人(小学校13・中学校11・高等学校8・特別支援学校4)、出願9月18日(金)9:00〜10月19日(月)17:15、試験11月7日(土)(大分会場・東京会場から選択)、試験内容は面接Ⅱ(個人面接)のみ・200点、結果発表11月26日(木)午前9時。 |
※出典:令和9年度実施要項「2(2)特別選考」「3 受験資格(10)」「5(2)特別選考に関する提出書類」「8 各試験の配点」「10 合格者の行う手続等(4)」「13 その他(3)」

200点満点の個人面接だけで採否が決まる——聞くと「ラッキー」と思うかもしれませんが、逆に言えば逃げ場がありません。模擬授業で挽回することも、筆記で稼ぐこともできない。面接Ⅱの土台は事前提出の自己紹介書ですから、ここに全力を注いでください。
■ 大分県の自己紹介書の書き方|面接Ⅱで深掘りされる欄を実録から逆算
正規教員として働きながら、別の自治体を受け直すことについて。よくいただく質問なので、動画でもお答えしています。
主流ルート②|社会人特別選考(Ⅱ)は一次が小論文だけ
| 採用予定 | 10人(小学校・小中学校連携・中学校・高等学校のいずれかを志望。教科・科目等は問わない) |
| 受験資格 | ①免許要件:試験区分に応ずる教諭普通免許状を現に有する、または令和9年3月31日までに取得見込み。中学校・高等学校志望に限り、免許がなくても「志望する教科・科目に関する専門的な知識経験または技能を有する」かつ「社会的信望があり、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を持っている」場合は出願可(専門的な知識経験又は技能に関連した実務経験を令和8年4月1日現在3年以上有することが必要。特別免許状の予備的審査あり) ②勤務要件:民間企業・官公庁等において常勤の正社員または正規職員(国公私立学校・学習塾・予備校等の教育職員を除く)として令和8年4月1日現在3年以上継続して勤務(出願時に休職中の者を除く)。 |
| 第1次試験 | 小論文試験のみ(教養試験・専門試験に代えて実施)。150点満点・教育に関するテーマについて1000字以内。 |
| 第2次試験 | 一般選考と同様(模擬授業+面接Ⅰ、面接Ⅱ、実技試験は対象区分のみ)。二次の合格には、一般選考の採用予定者数の2倍の順位の受験者以上の総合成績が必要です(欠席者を除く一般選考の二次受験者数が採用予定者数の2倍に満たない場合、又は2倍の順位の受験者の総合成績が220点以下の場合は、この基準を適用しません) |
| 一次の合格者数 | 採用予定者数の3倍(特別選考Ⅰと同じ扱い) |
| 採用の特例 | 合格者は研修を実施するため令和9年1月1日付けで事務職員として採用され、研修期間を経て令和9年4月1日付けで教諭として任用されます(実施要項「11 採用及び給与(1)③」) |
| 提出書類 | 免許がない要件で出願する場合は、①教員の職務を行うために必要な資質能力に関するアピール書(別紙様式1)、 ②専門的な知識経験・技能を証する資格の書類。第2次試験合格後に勤務証明書の提出が必要。 |
※出典:令和9年度実施要項「2(2)」「3 受験資格(6)(7)」「5(2)」「6(3)日程及び試験内容」「8 各試験の配点(1)」「11 採用及び給与(1)③」
「1月から事務職員として採用され、研修を受けてから4月に教諭になる」——これは実施要項に定められた、社会人特別選考の採用の流れです。学校現場を知らないまま担任を持つことがないよう、県が用意している助走期間のような位置づけと考えられます。それだけ社会人の採用に力を入れていると読むこともできます。
一次が小論文だけ、というのは大きなチャンスです。ただし基準は明確で、令和9年度採用の選考基準には小論文を4つの観点で評価し、「E(20%以下)の評価が1つでもある」または「D(20%超40%以下)の評価が2つ以上ある」場合は合格者としないと書かれています。過去のテーマと書き方は専用記事にまとめました。
■ 大分県の小論文(社会人特別選考)|過去の出題テーマと1000字・3段落の書き方
社会人から教員を目指すときのポイントは、動画でも繰り返しお話ししています。
年齢を理由に迷っている方へ。大分県の受験資格は「昭和42年4月2日以降に生まれた者」——令和9年度採用の時点でおよそ59歳まで受験できます。40代・50代で合格された方に共通するポイントはこちらです。
主流ルート③|第1次試験の免除(5つの要件)
令和9年度採用の実施要項には、加点制度の記載がありません。経験者や優秀者に向けては、この第1次試験の免除が用意されています。令和9年度採用では延べ出願1,228人のうち372人(約30%)が第1次試験免除者として公表されています(特別選考による免除も含む人数で、以下の5要件だけの人数ではありません)。
| 要件 | 内容 | 誰向け |
|---|---|---|
| ① | 令和8年度採用試験(令和7年度実施)の第1次試験を受験し、合格した者 | 前年に一次を通ったが最終で届かなかった方 |
| ② | 令和8年度採用試験(令和7年度実施)の第2次試験を受験し、補欠合格となった者 | 前年の補欠合格者 |
| ③ | 大学3年次に、令和8年度採用試験(令和7年度実施)の第1次試験を受験し、合格した者 | 3年生で前倒し受験した大学4年生 |
| ④ ※R9新設 | 令和7年度採用試験(令和6年度実施)の第1次試験を受験し合格した者で、過去に大分県内の国公立学校で臨時講師・非常勤講師・臨時実習助手として通算12月以上任用された経歴を持ち、現に大分県内の国公立学校で臨時講師・非常勤講師又は臨時実習助手として任用されている者 | 県内の講師として働き続けている方 |
| ⑤ ※R9新設 | 令和9年度採用試験大学等推薦の被推薦者(大学等推薦募集要項に従い、大学等により受付期間内の推薦手続きがなされた者) | 大学・大学院で学業成績優秀な学生 |
免除を使うときの注意(実施要項「4 第1次試験の免除」より)
- 特別選考Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶを受験する人、および併願を希望する人は対象外です
- ①〜④は、合格したときと同一の試験区分(教科・科目等)を受験する場合に限ります
- ①④の「第1次試験を受験し、合格した者」に第1次試験免除者は含まれません(一次免除で二次に進んだだけでは①④の「第1次試験を受験し合格」に当たりません。補欠合格による免除は別要件です)
- 免除を希望する場合は出願申請の該当項目に入力し、①〜④は該当する試験の受験番号と氏名の入力が必要です。あらかじめ手元に控えておきましょう。
- ④に該当する場合は、出願時の「職歴」欄に、臨時講師・非常勤講師・臨時実習助手として通算12月以上任用された経歴と、現に任用されていることが分かるように入力します

要件④は、令和9年度採用で新しくできたものです。「県内で講師を続けている人を大事にする」という県の姿勢の表れと考えられます。①の免除は前年の一次合格が条件なので、1年空くと使えなくなるのが従来のルール。④はそこを1年分ゆるめてくれる救済ルートです。県内で講師をされている方は、要件を1つずつ確認してください。
講師として働きながら受験する方にお伝えしたいことがあります。講師の強みは「クオリティ」「信用」「フレッシュさ」の3つだと考えています。3つ目は意外に思われるかもしれませんが、現場で現実を見るほど、教員を目指したときの初心は薄れていくもの。現場を知ったうえで、なお初心や信念を忘れていないのが、講師経験者の強みです。
補欠合格も「翌年の一次免除」につながります
大分県には補欠合格制度があります。試験区分ごとに補欠合格者を決定し、合格発表と同じ日に受験番号がHP掲載され、「補欠合格者名簿」に順位を付けて登載されます。合格者の採用辞退等があった場合に、順位順に新たな合格者となる仕組みです(名簿の登載期間は令和9年2月26日まで)。
そして重要なのがここ。補欠合格者のうち新たな合格者とならなかった者が、翌年度に同一の試験区分(教科・科目等)を受験する場合は、第1次試験免除の有無を問わず、希望により第1次試験が免除されます(実施要項「12 補欠合格制度」)。令和8年度採用では142人が補欠合格でした。
主流ルート④|大学3年生の前倒し受験
大分県は大学3年生の受験を認めています。受験資格は「大学3年に在籍し、令和10年3月31日までに試験区分に応ずる教諭普通免許状を取得する予定の者」。受験は第1次試験のみで、二次には進めません。
ここで合格しておくと、翌年(4年生)に同一の試験区分・教科を受験する場合、希望により第1次試験が免除されます(免除要件③)。さらに実施要項の注意書きには、大学3年次に令和9年度採用試験の一次に合格した者が令和10年度採用試験の出願資格を満たし同一区分を受験する場合も、希望により第1次試験を免除すると明記されています。ただし、翌年度に当該試験区分の採用がない場合は免除されません。
令和9年度採用では、大学3年生271人が出願し、265人が受験、205人が一次合格(合格率77.4%・私が算出)。一般選考の一次合格率54.1%より高い数字です。これは選考基準の但し書き——「他の一般選考第1次試験合格者数が、採用予定者数の1.5倍の数(小数点以下は切り上げ)に満たない場合は、成績が著しく低い場合に該当しない者を合格者とする」——が働いた結果と読めます(ただし条件は各試験区分・教科等の選考基準に沿って判断するため、一般選考全体の合計値だけでは適用を断定できません)。

大分県を志望する大学生の方は、3年生の6月に一次を受けておくという方法があります。合格して翌年の免除要件を満たせば、二次の模擬授業・面接と、該当区分の実技に集中できます。大分県の二次は550点満点で模擬授業(養護教諭は場面指導)150〜200点・面接Ⅰ120〜150点・面接Ⅱ200点(配点は区分により異なり、実技を実施する区分は実技もあります)。この550点に1年かけて準備できる人は、有利になると考えられます。
そのほかの特別選考|Ⅰ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ
| 特別選考Ⅰ 障がい者特別選考 | 採用予定8人。全試験区分が対象で教科・科目等は問わない。試験内容は一般選考と同様だが、障がいの種類や程度に応じた受験上の配慮が行われる。受験資格は、身体障害者手帳の交付を受けている者/指定医もしくは産業医による障害者雇用促進法別表に掲げる身体障害を有する旨の診断書・意見書の交付を受けている者(心臓・腎臓・呼吸器・膀胱若しくは直腸・小腸・HIVによる免疫・肝臓の機能障害については指定医によるものに限る)/療育手帳の交付を受けている者もしくは児童相談所等による知的障がい者であることの判定書の交付を受けている者/精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者、のいずれか。一次の合格者数は採用予定者数の3倍。出願時に「受験資格を証する書類(手帳等の写し)」の提出と、携行品として当該書類が必要。 |
| 特別選考Ⅲ スペシャリスト特別選考 | 採用予定2人。高等学校教諭志望で、スポーツの指導者として優秀な実績を有する者。受験資格は、平成29年4月1日以降令和8年4月27日までに「国際レベルの大会に日本代表として出場した団体または個人を中心となって指導した実績」または「全国規模の大会でベスト8以上の成績を収めた団体または個人を中心となって指導した実績」を有すること。加えて、出願時に全国高等学校体育連盟および日本高等学校野球連盟に大分県が加盟している競技(陸上競技・体操・水泳・バスケットボール・バレーボール・卓球・ソフトテニス・ハンドボール・サッカー・ラグビーフットボール・バドミントン・ソフトボール・相撲・柔道・ボート・剣道・レスリング・弓道・テニス・登山・自転車競技・ボクシング・ホッケー・ウエイトリフティング・ヨット・フェンシング・空手道・アーチェリー・なぎなた・カヌー・馬術・ライフル射撃・軟式野球・硬式野球)の指導者であること。専門家で構成される審査委員会が審査し、実績となる競技と指導競技が一致している場合のみ出願可。第1次免除、第2次はプレゼンテーション200点+面接Ⅱ200点=400点満点。採用予定数内でも、プレゼンテーションの指導実績評価が得点率80%に達しない場合、又は二次の総合成績が得点率70%に達しない場合は合格者としません。出願期間が他と異なり4月6日〜4月27日。 |
| 特別選考Ⅴ 元県内正規教諭特別選考 | 採用予定10人。全試験区分が対象。過去に大分県が実施する公立学校教員採用選考試験に合格し、大分県内の公立の学校または国立大学法人が所管する学校(小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・特別支援学校)の正規教員(志望する試験区分と同一区分に限る。臨時的任用の者は除く)としての勤務期間が3年以上(休職・育児休業の期間を除く)である者。第1次免除、第2次は一般選考と同様(二次の合格には、特別選考Ⅱと同様に、志望する区分の一般選考の採用予定者数の2倍の順位の受験者以上の総合成績が必要です。一般選考の二次受験者数が採用予定者数の2倍に満たない場合などは、この基準を適用しません)。出願時の「職歴」欄に該当することが分かるように入力し、勤務履歴を申告する書類(別紙様式3)を郵送又は持参する。 |
| 特別選考Ⅵ 教職大学院修了(予定)者特別選考 | 採用予定15人。全試験区分が対象。教職大学院の課程を修了した者、または教職大学院在学中で令和11年3月31日までに修了見込みの者。二次の合格には、同区分・教科等の一般選考の合格ラインより下の最高点以上の総合成績が必要です(一般選考の二次受験者数が採用予定者数に満たない場合、又は不合格者が欠席者のみの場合は、この基準を適用しません)。第1次免除、第2次は一般選考と同様。出願時に修了証明書または在学証明書の提出が必要。在学中の合格者が令和11年3月31日までに課程を修了できない場合は採用されません。 |
| 特別選考Ⅶ 小学校教諭地域枠特別選考 ※令和9年度採用から新設 | 採用予定10人(一般選考小学校教諭の内数)。次のすべてに該当する者:①大分県公立学校教員を第一志望とする ②令和5年度学校推薦型選抜において大分大学教育学部学校教育教員養成課程初等中等教育コース「大分の小学校教員志望枠」に合格し、現に同コースに在籍し令和9年3月31日までに卒業見込み ③大分大学の「大分の教志育成プログラム」を履修し「大分の教志認定証」を取得見込み ④入学から推薦時までの学業成績の平均値(累積GPA)が4点満点中3.0以上 ⑤地域の教育課題の解決への寄与が十分に期待され、大分県教育委員会が定める求める教員像にふさわしい資質と能力を有する優れた人材として大分大学教育学部が推薦する者。第1次免除、第2次は一般選考と同様。 |
※出典:令和9年度実施要項「2(2)特別選考」「3 受験資格(5)(8)(9)(11)(12)(13)」「5(2)特別選考に関する提出書類」「6(5)試験結果②」「8 各試験の配点」「11 採用及び給与(2)④」
なお、特別選考の要件に該当しないと審査された場合は、一般選考を受験することができます(特別選考Ⅱ〜Ⅶについて要項に記載があります。ただしⅣの注記は、要項の印字が「特別選考(Ⅵ)志望者」となっているため、Ⅳの扱いは教育人事課に確認してください)。「該当するか微妙だな」と迷ったら、まず出願先の教育人事課に問い合わせてください。門前払いにはなりません。
ルート別まとめ|自分はどこから入るか
| あなたの立場 | 使えるルート | 受ける試験 |
|---|---|---|
| 他県で3年以上の正規教員 | 特別選考Ⅳ | 面接Ⅱのみ(200点) |
| 元・大分県の正規教員(3年以上) | 特別選考Ⅴ | 模擬授業(養護教諭は場面指導)+面接Ⅰ・面接Ⅱ・実技(実技は対象区分のみ、合計550点) |
| 教職大学院を修了・修了見込み | 特別選考Ⅵ | 模擬授業(養護教諭は場面指導)+面接Ⅰ・面接Ⅱ・実技(実技は対象区分のみ、合計550点) |
| 民間・官公庁で3年以上勤務 | 特別選考Ⅱ | 一次は小論文のみ(150点)→二次は550点 |
| 高校のスポーツ指導者として全国レベルの実績 | 特別選考Ⅲ | プレゼン+面接Ⅱ(400点) |
| 障がい者手帳等をお持ちの方 | 特別選考Ⅰ | 一般選考と同じ(配慮あり) |
| 大分大学「大分の小学校教員志望枠」の学生 | 特別選考Ⅶ | 模擬授業(養護教諭は場面指導)+面接Ⅰ・面接Ⅱ・実技(実技は対象区分のみ、合計550点) |
| 前年に一次合格/前年の補欠合格者 | 一次免除①② | 二次から(550点) |
| 大学3年で一次に合格済み | 一次免除③ | 二次から(550点) |
| 県内で講師を継続中(通算12月以上) | 一次免除④※R9新設 | 二次から(550点) |
| 大学・大学院で学業成績優秀 | 一次免除⑤(大学等推薦)※R9新設 | 二次から(550点) |
| 上記に当てはまらない | 一般選考 | 一次150点+二次550点 |

こうして並べると分かりますが、どのルートから入っても、最後は面接です。二次は、一般選考と同じ模擬授業+面接Ⅰ・面接Ⅱ(+実技)の550点が基本ですが、特別選考Ⅲはプレゼンテーション+面接Ⅱ(400点)、特別選考Ⅳは面接Ⅱのみ(200点)です。特別選考はスタートラインを前に進めてくれる制度であって、ゴールを近づけてくれる制度ではありません。制度で浮いた時間を、それぞれの二次にそのまま投資してくださいね。
■ 大分県の個人面接|受験者6名の実録と出題傾向(模擬授業+面接Ⅰ・面接Ⅱ)
■ 大分県の倍率|令和9年度採用の第1次試験結果と推移(校種別・教科別・合格最低点)
よくある質問
Q. 特別選考と一般選考は併願できますか?
A. 出願できるのはいずれか一つです。実施要項には「出願できる試験区分は、小学校教諭、小中学校連携教諭、中学校教諭、高等学校教諭、特別支援学校教諭、養護教諭、栄養教諭、特別選考Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、ⅥまたはⅦのいずれか一つとする」と明記されています。ただし特別選考の要件に該当しないと審査された場合は、一般選考を受験できます。また、令和9年度採用では、一般選考の中で15通りの併願組合せ(例:中学校英語と高等学校英語)が認められています。申請後に本人が直接内容を修正することはできませんが、出願期間内に限り、書類提出先へ連絡して修正を依頼できます。令和9年度採用の要項では、第1次試験会場又は選考区分を変更する場合は、書類の提出先へ連絡のうえ、申請済みのものを「取下げ」にして出願期間内に再申請するとされています。一方、併願制度の項には、出願後の選考区分・試験区分・教科・科目等の変更は認めないとの記載もあり、要項の中で扱いが読み分けにくいため、選考区分を変更したい場合は、必ず当該年度の実施要項で確認し、書類の提出先に問い合わせてください。なお、試験区分・教科・科目等の変更は認められません。
Q. 加点制度はありますか?
A. 令和9年度採用の実施要項に、英語資格・複数免許・スポーツ実績などによる加点制度の記載はありません。大分県は「加点」ではなく「第1次試験の免除」で経験者・優秀者に配慮している設計と読めます。
Q. 受験料はいくらですか?
A. 不要です(実施要項「5(1)③(注意)イ」)。出願は原則インターネット(大分県電子申請システム)を利用します。ただし特別選考Ⅰ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ及び特別選考Ⅱの免許状を有しない受験資格で出願する方は、電子申請とは別に該当する書類を教育人事課へ郵送または持参する必要があります(締切は令和8年5月7日、特別選考Ⅲは4月27日)。
Q. 初任給はどのくらいですか?
A. 令和8年4月1日現在で、大学卒は小・中学校/高等学校が約282,000円、特別支援学校が約293,000円。短大卒は小・中学校が約263,000円、高等学校が約259,000円、特別支援学校が約268,000円(教職調整額・義務教育等教員特別手当・給料の調整額を含む)。採用前に職歴がある場合は、一定基準によりこの額に加算されます。期末・勤勉手当は在職期間等に応じ最大年間4.65月分。
出典:令和9年度募集案内「給与」
Q. 秋選考試験とは何ですか?
A. 特別選考Ⅳ(他県教諭特別選考)で合格者が採用予定者数に満たなかった場合に実施される追加募集試験です(実施要項「13 その他(3)」)。令和9年度採用は夏の選考で19人が最終合格し、採用予定55人に届かなかったため、令和8年9月11日に秋選考試験の実施要項が公表されました。採用予定者数は36人(小学校教諭13人・中学校教諭11人・高等学校教諭8人・特別支援学校教諭4人。小学校教諭には小中学校連携教諭を含み、中学校・高等学校は原則として各教科・科目の合格者を最大2人とする)。出願期間は令和8年9月18日(金)9:00〜10月19日(月)17:15(大分県電子申請システム/自己紹介書の提出が必要)、試験日は11月7日(土)で、会場は大分会場(県庁舎別館)と東京会場(大分県東京事務所)から選択。試験内容は面接Ⅱ(個人面接)のみ・200点で、結果発表は11月26日(木)午前9時に県教委ホームページで受験番号が掲載されます。なお要項には「採用予定者数内であっても、試験の成績が著しく低い場合は、合格者としない」とあり、「成績が著しく低い場合」は試験の得点率が40%(200点満点中80点)以下と定められています。また受験資格として「令和8年4月1日から出願までの間に、他の自治体で実施された教員採用選考の最終試験において合格を得ていない者」という要件があります。
Q. 採用時期を延期できますか?
A. できる場合があります。大学(大学院含む)に在籍していて、令和9年4月1日以降に大学院修士課程等での修学を希望する方は、申請に基づき最大1〜3年間採用時期が延期されます(在籍継続なら最大1年、教職大学院3年制の1年に在籍継続なら最大2年、進学する場合は最大2年、教職大学院3年制に進学なら最大3年)。上級免許状や新たな免許状の取得のために専攻科等で修学する場合も、最大1〜2年の延期が認められます。延期を希望する場合は出願申請の該当項目に入力してください(実施要項「11 採用及び給与(1)①②」)。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
特別選考は要項で確認できますが、「特別選考Ⅳの面接Ⅱで何を聞かれたか」「社会人枠の小論文はどんなテーマだったか」は、受験した方の報告でしか集まりません。大分県は令和8年10月時点で報告数が少ない自治体です。受験された方は、ぜひ次の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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