こんにちは、金井志津乃です!

山梨県の「自己紹介書」って、いつもらえるんですか? 志願書とは別なんですよね……?

そう、山梨県には2つの書類があるんです。出願のときに出す「志願書」と、検査案内では第一次検査通過者に後日送付するとされている「自己紹介書」。そして160点の個人面接で使われるのは、後者の自己紹介書(県の過年度(令和7・8年度採用)の公表資料では面接は160点。令和9年度採用の検査案内には配点の記載がありません)。届いてから提出(8月1日に持参)までの時間は、限られていると考えられます。だから「様式が手元にない今」から準備するんですよ。
この記事の根拠
- 書類の名称・提出のタイミング・出願手続は、令和9年度採用 山梨県公立学校教員選考検査案内の記載に基づいています
- 面接の配点・評価の観点は山梨県「各検査判定基準表(令和8年度採用)」から
- 「どこを深掘りされたか」は受験者2名の実録と、市販の全国版過去問集の山梨県分115件の集計から(設問は転載していません)
- 確認できた資料の範囲では、自己紹介書の様式(欄の数・字数)は事前に公表されていません。私は分からないことは書かず、「様式が届く前にできる準備」に絞って解説します。
執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
山梨県の提出書類は2種類ある
| 志願書(+履歴書ほか) | 自己紹介書 | |
|---|---|---|
| いつ出す | 出願時(令和9年度採用は4月30日〜6月2日17時) | 第二次検査【第一回目】=8月1日(土)(令和9年度採用の場合)に持参 |
| どう手に入れる | 電子申請「やまなしくらしねっと」からエクセルデータをダウンロード→入力→アップロード | 第一次検査通過者に後日送付(一次結果は7月下旬発送。2026年11月15日の秋期検査は、出願時に県HPから「志願書等」とあわせて自己紹介書もダウンロードし、メールで提出) |
| 誰が書く | 志願者本人 | 志願者本人 |
| 中身 | ①志願書 ②履歴書 ③在職経歴書(様式1・必要に応じて)④加点申請書(様式2・必要に応じて)⑤「農業」「工業」科目の希望調査票(高校の農業・工業志願者のみ) | 確認できた資料の範囲では事前に公表されていません(通過者に届いてから分かります) |
| 何に使われる | 受検資格・選考区分・加点の確認 | 第二次検査【第二回目】(8月8〜10日)の個人面接の材料と考えられます |
| 準備できる期間 | 約1か月(4月下旬〜6月2日) | 限られている(一次結果は7月下旬発送・提出は8月1日) |
※出典:令和9年度採用 山梨県公立学校教員選考検査案内「7 出願手続」「9(3) 検査に関わって」。
検査案内には「第一次検査通過者は、第二次検査の第一回目(8月1日)には自己紹介書(第一次検査通過者に後日送付)を、第二回目(8月8日〜10日)には返信用封筒を持参してください」と記載されています。
自己紹介書が面接で使われている証拠
検査案内には「自己紹介書を面接で使う」とは書かれていません。でも、市販の全国版過去問集に収録された山梨県の面接記録を集計すると、はっきりした痕跡が見つかります。
- 「自己紹介書に書いてあること以外で」という条件をつけて質問された記録があります。提出書類に関連づけて質問された例です。面接官が当日どの資料を手元に置いていたかまでは、この記録からは分かりません。
- 提出した書類(自己紹介シート、エントリーシート)そのものについて聞かれた記録も残っています

「書いてあること以外で」という質問、怖いですよね。でも見方を変えると「書いてあることは、もう質問済みの前提」ということでもあります。自己紹介書の内容に関する面接質問が多かったという報告があります。そしてそれ以外の引き出しも求められる。つまり「書く材料」と「書かずに温存する材料」の両方が要るんです。ここが山梨県の準備のポイントです。
実録から逆算する|山梨県が深掘りする3つの方向
令和6年度採用の受験者から届いた個人面接(面接官4人・20分)の質問を並べると、聞かれ方に3つの方向があることが分かります。自己紹介書に書く内容は、この3方向に耐えられるものを選んでください。
方向①|「一番」を1つに絞らせる
- 一番苦労したことは何ですか。またそれをどう乗り越えましたか。
- 最も達成感があったことは何ですか。
- 教師の資質として一番重要なのは何ですか。→どのような経験からそれを感じたのですか。
(令和6年度採用・高等学校の受験者報告より)
「一番」「最も」と限定して聞かれると、迷った瞬間に説得力が落ちます。自己紹介書を書くときに、苦労/達成感/大切にしている資質——この3つの「一番」を、それぞれ1つずつ決めておいてください。複数を並べる人より、1つを深く語れる人のほうが強いです。
方向②|「あなたの教科・現場でどうするか」に引き戻す
- 変化が激しい社会だが、これに対応するために必要な力は何だと思いますか。また、それを自身の教科の指導でどのようにつけていきますか。
- 他人と協働することを身につけさせるための工夫は何ですか。
- ICTを使って発表や授業をしたことがありますか。→ICTをどのように活用しますか。
山梨県の面接では、確認した高校受験者の報告に、必要な力を自身の教科の指導でどうつけていくのかを問う質問がありました。自己紹介書に書くエピソードは、「だから私は、こういう授業をします」まで一続きで言えるものを選びましょう。
方向③|きれいごとの一段下を確かめる
- 生徒理解で大切なことは何だと思いますか。→自己開示の際には、自分の弱みとなる部分も見せられますか。
- 自身が課題だと思っていることは何ですか。また、それを補うために今どのような努力をしていますか。
これが山梨県の面接の「らしさ」かもしれません。立派な答えを言った次の瞬間に、「じゃあ、あなた自身はどうなの?」と一段深く確かめにきます。市販過去問集の集計でも、山梨県は「ストレス・メンタル」が全国平均の約2.7倍。「自分の弱さとどう付き合っているか」を、正直に、でも前向きに語れる準備をしておいてください。
■ 山梨県の二次検査|集団討議(模擬的授業を含む)と個人面接の内容・日程・出題傾向
志願書・自己紹介書の5原則
ここからは、どの自治体のどんな様式でも通用する書き方の原則です。私がこれまで多くの志願書・面接カードを拝見してきた中で、押さえておきたい注意点を5つにまとめました。
- 種を撒く——書類は「読ませるもの」ではなく「聞かせるもの」。面接官に聞いてほしいキーワードを、あえて説明しきらずに置いておく。項目を並べすぎると、面接官がどれを聞けばいいか選びきれず、聞かれないこともあります。
- 突っ込みを想定する——1行書いたら「ここ、どう聞かれる?」と自問する。書くかどうか選べる内容は精査しましょう。経歴など選択の余地のないものは、書いたうえで、突っ込まれたときの回答を事前に考えておきます。
- 資質のバランスを取る——長所を3つ挙げるなら、同じ系統で固めない。「粘り強さ」「協調性」「行動力」のように違う方向の資質を並べると、人物像に厚みが出ます。
- 項目の意図を読む——なぜ県はこの欄を作ったのか。山梨県が求める教員像の5つと照らして、「この欄はどの教員像を見ようとしているか」を考えてから書く。
- 丁寧な字で、複数の目を通す——字は丁寧に書いておくに越したことはありません(第一印象に影響しますが、字だけで合否が決まるわけではないので、神経質になる必要はありません)。そして何人かの目を通すと、自分では気づけなかったところに気づけることもあります。
私が実際に書いたものを思い出して再現した自己PR例を、1文ずつ「なぜこう書いたか」を解説した記事もあります。2文目で目的を示す/3文目で種を撒くという具体的な組み立て方を、実物で確認してみてください。
■ 志津乃の自己PR実例|1文ずつ解説(愛知県 自己アピール書)
様式が届く前に、今できること
自己紹介書の様式は、検査案内では一次通過後に送付されるとされています。でも「中身」は様式が届く前から作れます。私がおすすめする、様式がなくてもできる準備がこれです。
ステップ1|エピソードを6つ棚卸しする
ノートに、次の6つを1つずつ書き出してください。1つ200字くらいで十分です。
- 教員を志した瞬間(できごと1つ。「昔から憧れて」ではなく、日付が言える出来事)
- 一番苦労したことと、どう乗り越えたか
- 最も達成感があったこと
- 子どもと関わった具体的な場面(実習・ボランティア・講師・アルバイトなど)
- 自分の課題と、それを補うために今していること
- チームで何かを成し遂げた経験(山梨県は集団討議もある県。協働の経験は必ず効きます)
ステップ2|1つずつ「深掘りツリー」を作る
書き出した6つそれぞれに、「なぜ?」「具体的には?」「そこから何を学んだ?」「それを教員としてどう生かす?」の4つを枝として付けていきます。実録でも、山梨県では「一番苦労したこと」→「どう乗り越えたか」、「教師の資質として一番重要なのは」→「どのような経験からそれを感じたのか」のように、理由や経験をさらに尋ねられた例があります。
想定問答を「一問一答」で作ると、深掘りされたときに答えに詰まりやすくなります。ツリーで作ると、突っ込まれても答えやすくなります(私の型)。
ステップ3|山梨県の教員像に紐づける
- 豊かな人間性と幅広い視野を持った教員
- 教育に対する情熱と使命感がある教員
- 児童生徒と保護者に信頼される教員
- 幅広い教養と専門的な知識・技能を持った教員
- 生涯にわたって主体的に学び続ける教員
棚卸しした6つのエピソードに、それぞれ「この経験は、この教員像を示している」とラベルを貼ってみてください。私の目安として、5つのうち3つ以上をカバーできているかを見てみましょう。1つに偏っていたら、別のエピソードを探しましょう。この教員像の一つは小論文でも出題されています(令和6年度採用「児童生徒と保護者に信頼される教員」)。
さらに深く準備するなら、「改定やまなし教員等育成指標」(令和5年3月改定)にも目を通しておきましょう。令和7年度採用の小論文では、この指標の「採用時の目指す姿」がそのまま出題されました。あなたのエピソードが、県が定義する「採用時の教員」の姿とどうつながるかが見えてきます。
■ 山梨県の小論文(論作文)|過去の出題テーマと800字の書き方
ステップ4|「書かずに温存する材料」を決めておく
山梨県には「自己紹介書に書いてあること以外で」という質問が記録されています。だから6つのエピソードのうち、2つは自己紹介書に書かず、面接での予備として温存しておく。これが山梨県で考えられる戦略の一つです。

この準備、一次の勉強と並行して4〜6月にやってしまうのが理想です。一次が終わってからだと、結果を待つ不安の中で書くことになります。「エピソード6つ+深掘りツリー」さえできていれば、様式が届いた日に3時間で仕上がります。そして同じノートが、そのまま面接練習の教材になります。
出願時の「志願書」で気をつけること
自己紹介書の前に、まず出願を通過しなければ始まりません。山梨県の出願は電子申請(エクセル様式のダウンロード→入力→アップロード)という、少し独特な方式です。
- 必要な機材は5点——パソコンまたはタブレット/電子メールアドレス/Adobe Acrobat Reader DC/Microsoft Excel/A4判が印刷できるプリンター。案内の「必要なもの」5点にスマートフォンは含まれていません。インターネットで申込みができない場合は、5月1日〜6月2日の平日9〜17時に義務教育課へ連絡してください。
- 利用者登録が先——「やまなしくらしねっと」の利用者登録をしてからでないと、志願書のデータをダウンロードできません。利用者IDとパスワードは必ず控える。
- 締切直前は混雑します——検査案内自身が「インターネットの特性上、送信に時間を要することがあり、申込期間内に処理が完了しない可能性があります」と注意喚起しています。6月2日(令和9年度採用の場合)17時ぎりぎりは危険です。
- 特別選考・加点の書類は郵送(簡易書留)——6月2日(火)当日消印有効。期日までに提出されない場合は、特別選考の認定や加点ができません。
- 申込み後の連絡は電子メールが主——「やまなしくらしねっと」から届くメールは削除せず保存。アドレスを変更する場合は必ず義務教育課へ連絡。
- 受検票の写真——令和8年4月1日以降に撮影した縦4.5cm×横3.5cm、上半身・脱帽・正面向き。写真が貼付されていない場合、受検は認められません。
■ 山梨県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生の前倒し・大学推薦・講師経験者・加点制度
よくある質問
Q. 自己紹介書には何を書く欄がありますか?
A. 確認できた資料の範囲では、山梨県は様式を事前に公表していません。第一次検査の通過者に後日送付されるため、通過してから分かります。私は推測で欄の名前を書くことはしません。この記事の「エピソード6つ+深掘りツリー」を準備しておけば、どんな欄が来ても書けます。実際の様式についての情報が受験者から届きしだい、この記事に追記します。
Q. 手書きですか、パソコン入力ですか?
A. 手書きか入力かは、検査案内には記載がありません。出願時の志願書はエクセル様式への入力ですが、自己紹介書は、検査案内の流れでは、ファイルが送付され、各自で作成してA4両面に印刷したものを持参することになっています。手書きか入力かは、届いたファイルの指示をご確認ください。手書きになっても慌てないよう、下書きは文字数を数えながら作っておくと安心です。
Q. 志願書に志望動機を書く欄はありますか?
A. 検査案内には志願書の欄の内訳までは書かれていません。ただし実録では個人面接の1問目が「教師を志望した理由を教えてください」でした。書類にあってもなくても、志望動機を口頭で聞かれた受験者の報告があります。「なぜ教員か」だけでなく「なぜ山梨県か」まで用意しておいてください。検査案内には、県が自ら「東京圏に隣接し都心から甲府まで約1時間30分」「豊かな自然と美しい景観」と魅力を挙げている箇所があります。県の言葉に乗るのではなく、あなた自身が山梨で働きたい理由を語れると強いです。
Q. 一次に落ちたら自己紹介書は書かなくていいのですか?
A. 制度上はそうです。でも準備を後回しにするのはおすすめしません。一次結果の発送は7月下旬、自己紹介書の提出は8月1日(令和9年度採用の場合)。通過を知ってから書き始めると、短い期間で仕上げることになる可能性があります。しかもその期間は、二次全体の準備期間でもあります。「一次に受かってから考える」では、山梨県では間に合いにくくなります。
Q. 一次免除の人も自己紹介書を書きますか?
A. 検査案内には「第一次検査通過者は…自己紹介書を持参」と記載されています。一次免除者の扱いについての個別の記載は確認できていないため、受検票や県からの案内文書で必ずご確認ください。なお一次免除者も、インターネット出願と返信用封筒の郵送は必須です。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
山梨県の受験報告は、令和8年10月時点で、令和6年度採用の2名と令和9年度採用の1名の計3名分しか集まっていません。特に知りたいのは、自己紹介書の様式です。「どんな欄が何字ぶんあったか」「手書きだったか」「面接でどの欄から聞かれたか」——この3つが分かれば、来年の受験生の準備が劇的に変わります。山梨県を受験された方、ぜひ教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
■ 山梨県の二次検査|集団討議(模擬的授業を含む)と個人面接の内容・日程・出題傾向
■ 山梨県の倍率|令和9年度採用の志願状況と5年間の推移(校種別)
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