【教員採用試験】広島県・広島市の倍率|令和9年度採用の最終結果と5年間の推移(校種別・教科別)

こんにちは、金井志津乃です! 

広島の倍率って2倍台って本当ですか? でも栄養教諭は何十倍って聞いたし……校種でそんなに違うんですか?

本当です! 広島は全体では2.5〜3.1倍ですが、令和9年度採用は小学校1.9倍・栄養教諭33.0倍と、同じ試験のなかで17倍以上の開きがあります。両教育委員会の公表資料6年分から、「数字の裏側」まで読み解いていきますね!

この記事では、広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況・第1次結果・最終結果と令和4年度〜9年度採用の6年分の推移を、校種別・教科別・選考区分別にまとめます。

この記事の根拠

  • 数字はすべて広島県教育委員会・広島市教育委員会が公表した資料(志願者状況・第1次選考試験合格者受験番号・各年度の選考試験結果・実施要項)から集計。推定値は使っていません。
  • 広島県と広島市は共同で1つの試験を実施しているため、公表される数字も県市の合計です(校種別の採用見込人員のみ県・市の内訳あり)
  • 面接で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →広島県・広島市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と5年間の出題傾向
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事の「倍率」の定義(重要)

広島は、公表のタイミングによって倍率の定義が2つあります。読み間違えないよう、この記事では表ごとに定義を明記します。

  • 【結果の倍率】倍率=受験者数(B)÷名簿登載者数(C)……令和9年度採用では9月25日(概要)・10月(詳細版)に公表された「選考試験の結果について」で使われている、広島の正式な倍率。この記事のメインの表はすべてこの定義です。
  • 【志願時の倍率】倍率=志願者数÷採用見込人員……令和9年度採用では6月26日に公表された「志願者状況について」で使われている定義です。令和9年度採用の2.5倍はこちらです。

広島の「名簿登載者数」は、他の自治体の「最終合格者数」にあたります。合格すると広島県または広島市の採用候補者名簿に登載され、そこから採用されます(名簿の有効期間は原則として令和9年4月1日〜令和10年3月31日)。

30秒でわかる|広島県・広島市の倍率のポイント
  • 令和9年度採用の志願倍率は2.5倍(志願2,744人・採用見込1,085人程度)。前年度の2.7倍から下がりました。
  • 令和9年度採用の最終結果は2.7倍(受験2,469人・名簿登載922人)。令和8年度採用(2.5倍・名簿登載1,023人)から、名簿登載者が約1割減って倍率が上がりました。
  • 校種差が大きい:令和9年度採用は小学校1.9倍・特別支援2.0倍・中学校2.5倍・高校4.0倍、養護教諭10.0倍・栄養教諭33.0倍
  • 第2次選考試験の倍率は、掲載した令和5〜9年度採用の5年間いずれも1.4倍前後=最終選考受験者のおよそ7割が名簿登載。ただし選考区分で差があり(令和9年度採用の一次免除者は61人÷169人=約36%)、一次通過が大きな関門になっていると考えられます。
  • 第1次選考試験の合格率は4〜5割台(令和8年度採用は1次受験2,068人→合格1,050人で50.8%、令和9年度採用は1,853人→805人で43.4%)
  • 登載者の約3〜4割が過年度卒(令和9年度採用は34.4%)。そのうち臨時的任用職員が220人と圧倒的多数(令和9年度採用。令和8年度採用は279人)。
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況|6月26日公表

両教育委員会が公表した令和9年度採用の志願者状況です。志願者2,744人・採用見込人員1,085人程度で倍率2.5倍。前年度(2,825人/1,051人程度/2.7倍)より志願者が81人減り、採用見込人員が34人増えたことで、倍率が下がりました。

校種・職種志願者採用見込(県)採用見込(市)採用見込(計)倍率前年度倍率
小学校教諭820人230人程度110人程度340人程度2.4倍2.3倍
中学校教諭799人265人程度125人程度390人程度2.0倍2.4倍
高等学校教諭654人180人程度27人程度207人程度3.2倍3.0倍
特別支援学校教諭159人95人程度20人程度115人程度1.4倍2.0倍
養護教諭273人26人程度7人程度33人程度8.3倍8.0倍
栄養教諭39人若干名—若干名——
計2,744人——1,085人程度2.5倍2.7倍

※この表の倍率=志願者数÷採用見込人員(教育委員会の公表値)。大学3年生等チャレンジ受験の志願者は含みません。採用見込人員の県・市の内訳は実施要項より。栄養教諭は広島県のみの募集です。障害のある者を対象とした特別選考により、全校種・職種を合わせて10人程度(県市合計・採用見込人員の内数)を採用する旨が実施要項に示されています。
出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の志願者状況について」(2026年6月26日)、令和9年度採用 実施要項

令和9年度採用でいちばん動いたのは特別支援学校(2.0倍→1.4倍)と中学校(2.4倍→2.0倍)です。どちらも採用見込人員が大きく増えたことが主な理由と考えられます——特別支援は80人程度→115人程度、中学校は350人程度→390人程度。令和9年度採用の志願時倍率は、「志願者の増減」より「採用見込人員の増減」の影響が大きく出ています。数字に一喜一憂するより、自分の校種で何人採るのかを見てください。

大学3年生等チャレンジ受験の志願状況(第1次選考試験のみ受験)

広島には、大学3年次等のうちに第1次選考試験だけを受験し、合格すれば翌年は条件を満たす場合に第2次選考試験から受けられる「大学3年生等チャレンジ受験」があります。令和9年度採用では964人が志願し、877人が受験しました(受験率91.0%。前年度は志願929人・受験862人・受験率92.8%)。

校種・職種令和9年度令和8年度
小学校教諭348人373人
中学校教諭262人219人
高等学校教諭236人227人
特別支援学校教諭36人30人
養護教諭82人80人
計964人929人

※栄養教諭はチャレンジ受験の対象外です。
出典:同上

第1次選考試験の結果|7月31日発表

7月31日に公表された第1次選考試験合格者の受験番号一覧を、校種・教科別に集計しました。なお第1次選考試験の受験者数は1,853人(志願2,053人・受験率90.3%・欠席200人)と、7月28日に別途公表されています。この志願2,053人は、大学3年生等チャレンジ受験・第1次選考試験免除者・昨年度のチャレンジ受験合格者・グローバル人材【教職経験者】・現職教員の各特別選考による受験者を含まない数字で、6月公表の志願者2,744人とは集計範囲が異なります(出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験(第1次)受験者数」2026年7月28日)。

校種・職種第1次合格(当ブログ集計)チャレンジ受験の合格(同)
小学校教諭197人205人
中学校教諭300人121人
高等学校教諭181人55人
特別支援学校教諭92人27人
養護教諭32人2人
栄養教諭3人—
計805人410人

※第1次合格の人数は、教育委員会が公表した受験番号一覧を当ブログで数えた集計値です。2026年10月10日に取得した「結果について」の詳細版では、第1次選考合格者数は805人(小学校197・中学校300・高校181・特別支援92・養護32・栄養3)と公表されており、当ブログの集計と一致しました。第1次選考免除者(志願者のうち180人)や昨年度の大学3年生等チャレンジ受験合格者(442人)は第2次選考から受験するため、この805人には含まれず、第2次選考の受験者数(最終選考受験者数1,335人)とは一致しません。また、実施要項の注意書きにあるとおり、採用見込人員の変動等により、受験した校種以外の校種で第2次選考の受験資格を得る、または名簿に登載される場合があります。
出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「令和9年度 第1次選考試験合格者受験番号(受験番号順)」(2026年7月31日)、「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」(令和8年10月)

チャレンジ受験は志願964人に対して合格410人。令和9年度採用の実施要項では、合格して次年度の第2次選考試験の受験資格を得た方は、令和10年度採用の受験資格を満たし、一般選考で同一校種(特別支援学校は同一部)・職種・教科(科目、分野)の募集がある場合に、その同一区分で改めて出願すれば、第2次選考試験からの受験が認められるとされています。令和10年度採用の扱いは、必ず令和10年度採用の実施要項でご確認ください。

令和9年度採用の最終結果|名簿登載922人・倍率2.7倍

令和9年度採用の最終結果は2026年9月25日(金)に発表されました。広島県・広島市の両教育委員会の「結果について(概要)」によると、県市合同で志願2,744人・受験2,469人・名簿登載922人・倍率2.7倍(受験者数÷名簿登載者数・教委の公表値)です。前年(令和8年度採用)の2.5倍から上がりました。受験者は2,537人→2,469人とほぼ横ばいでしたが、名簿登載者が1,023人→922人(約10%減)に減ったためです。

校種・職種(令和9年度採用)志願者A受験者B名簿登載者C倍率(B/C)前年度
小学校教諭820人740人388人1.9倍1.6倍
中学校教諭799人719人288人2.5倍2.6倍
高等学校教諭654人583人146人4.0倍3.2倍
特別支援学校教諭159人145人74人2.0倍2.1倍
養護教諭273人249人25人10.0倍9.1倍
栄養教諭39人33人1人33.0倍39.0倍
計2,744人2,469人922人2.7倍2.5倍

※倍率=受験者数(B)÷名簿登載者数(C)(教育委員会の公表値)。県市合同の選考のため、令和9年度採用の公表資料では広島県・広島市それぞれの内訳は確認できませんでした。一般選考【大学3年生等チャレンジ受験】は含みません。
出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について(概要)」(令和8年9月25日)

選考区分別の内訳|誰がどこから名簿に載ったか

10月10日に取得した詳細版には、選考区分ごとの志願者・最終選考受験者・名簿登載者が載っています。一般選考は志願1,738人に対し登載415人。一方、昨年度のチャレンジ受験の合格者は最終選考受験393人のうち327人が登載され、二次の倍率は約1.2倍でした。

選考区分志願者最終選考受験者名簿登載者二次の倍率(当ブログ算出)
一般選考1,738人604人415人1.5倍
一般選考(1次選考免除)180人169人61人2.8倍
一般選考(昨年度大学3年生等チャレンジ受験合格者)442人393人327人1.2倍
特別選考(障害のある者)5人2人2人1.0倍
特別選考(社会人)18人14人9人1.6倍
特別選考(臨時的任用等)280人88人69人1.3倍
特別選考(現職教員)68人53人29人1.8倍
特別選考(グローバル【教職経験者】)1人1人1人1.0倍
特別選考(大学等推薦)12人11人9人1.2倍
計2,744人1,335人922人1.4倍

※志願者・最終選考受験者・名簿登載者は教育委員会の公表値。二次の倍率は最終選考受験者数÷名簿登載者数の当ブログ算出(教育委員会の公表値ではありません)。一般選考(1次選考免除)・昨年度のチャレンジ受験合格者は第2次選考から受験します。一方、現職教員・グローバル人材【教職経験者】は別日程の選考で、ここでいう最終選考受験者数にはこれらの受験者も含まれます。
出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」(令和8年10月)

6年分の推移|倍率は3.1倍→2.5倍、令和9年度採用は2.7倍に

両教育委員会が公表している「選考試験の結果について」から、令和4年度採用(2021年夏実施)以降の推移をまとめました。倍率は教育委員会の定義どおり「受験者数(B)÷名簿登載者数(C)」です。

採用年度(実施)志願者A受験者B名簿登載者C倍率(B/C)
令和4年度(2021夏)2,880人2,643人972人2.7倍
令和5年度(2022夏)3,227人2,915人934人3.1倍
令和6年度(2023夏)3,037人2,749人906人3.0倍
令和7年度(2024夏)2,822人2,583人958人2.7倍
令和8年度(2025夏)2,825人2,537人1,023人2.5倍
令和9年度(2026夏)2,744人2,469人922人2.7倍

※倍率=受験者数÷名簿登載者数(教育委員会の定義)。
出典:広島県教育委員会・広島市教育委員会「広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」各年度版(令和9年度採用は「結果について(概要)」令和8年9月25日)、および「令和9年度 志願者状況について」

ポイントは3つです。①志願者は令和5年度採用の3,227人をピークに2,744人まで減少(約15%減)。②一方で名簿登載者数は906人→1,023人と増加し、令和8年度採用は5年で最多。③結果として倍率は3.1倍→2.5倍まで下がりました。令和8年度採用までは、志願者の減少と名簿登載者の増加で倍率が下がるパターンでした。令和9年度採用は名簿登載者が922人に減り、倍率は2.7倍に上がっています。

校種別の倍率推移(令和4年度〜9年度採用)

校種・職種R4R5R6R7R8R9
小学校教諭1.61.91.91.61.61.9
中学校教諭2.83.64.13.72.62.5
高等学校教諭6.05.25.13.93.24.0
特別支援学校教諭2.22.51.51.72.12.0
養護教諭6.67.76.77.09.110.0
栄養教諭9.911.019.022.039.033.0
合計2.73.13.02.72.52.7

※単位は「倍」(受験者数÷名簿登載者数)。R4=令和4年度採用(2021年夏実施)…R9=令和9年度採用(2026年夏実施)。
出典:同上

志願者数の推移R4R5R6R7R8R9
小学校教諭803966908820793820
中学校教諭826910875813831799
高等学校教諭791838768708711654
特別支援学校教諭174182161158158159
養護教諭202243239243289273
栄養教諭848886804339
計2,8803,2273,0372,8222,8252,744
名簿登載者数の推移R4R5R6R7R8R9
小学校教諭476459448474430388
中学校教諭270228196200296288
高等学校教諭119145131163197146
特別支援学校教諭726694867074
養護教諭282933322925
栄養教諭774311
計9729349069581,023922

校種ごとの読み解き

小学校:掲載した6年分はいずれも1.6〜1.9倍で、低い倍率で推移しています。ただし、令和6年度採用は小学校1.9倍に対し特別支援学校1.5倍でした。令和8年度採用は受験707人に対し登載430人で1.6倍、令和9年度採用は受験740人・登載388人で1.9倍。志願者は793〜966人で推移しています。広島の小学校は、倍率の面では比較的安定した区分と考えられます。

中学校:4.1倍(R6)から2.6倍(R8)へ急降下しました。主な理由は志願者ではなく登載者数——196人(R6)→200人(R7)→296人(R8)と1年で96人増えています。令和9年度採用も採用見込人員が350人程度→390人程度に増え、志願倍率は2.0倍、最終倍率は2.5倍(登載288人)でした。令和6年度採用(4.1倍)と比べると、令和9年度採用(2.5倍)は中学校の倍率が6校種のなかで最も大きく下がっており、倍率の面では追い風が吹いている校種のひとつです。

高等学校:6.0倍(R4)→3.2倍(R8)と、5年で半減しました。こちらも登載者数が119人→197人と大幅増。ただし令和9年度採用は採用見込人員が235人程度→207人程度に減り、志願倍率は3.0倍→3.2倍と上昇しています。最終は登載者が197人→146人に減り、倍率は3.2倍→4.0倍に上がりました。高校は年による振れが大きい校種です。

特別支援学校:1.5〜2.5倍のあいだで動いています。志願者は160人前後で安定していますが、登載者数が66〜94人と幅があるため倍率が振れます。令和9年度採用は採用見込人員が80人程度→115人程度と大幅増で、志願倍率は1.4倍。前年度の志願倍率2.0倍から大きく下がりました。最終倍率は2.0倍(登載74人)で、前年の2.1倍とほぼ同じでした。

養護教諭:6.6倍→9.1倍と上昇傾向。志願者が202人→289人と増えている一方、登載者は令和8年度採用まで28〜33人にとどまっていたためです。令和9年度採用の採用見込は33人程度(県26+市7)。令和9年度採用は志願者273人、登載者25人で、倍率は10.0倍でした。掲載した令和4年度〜9年度採用では、養護教諭の志願者は202〜289人、名簿登載者は25〜33人でした。

栄養教諭:9.9倍→11.0倍→19.0倍→22.0倍→39.0倍と、5年で4倍近くに跳ね上がりました。志願者が84人→43人と半減しているにもかかわらず倍率が上がったのは、登載者数が7人→1人まで絞られたためです(令和8年度採用の登載者はわずか1人)。令和9年度採用も採用見込は「若干名」。令和9年度採用は志願者39人、登載者1人で、倍率は33.0倍でした。倍率の面では広島で最も高い区分です。

広島の栄養教諭は令和9年度採用の募集が若干名で、結果として名簿登載者は1人でした。数字だけ見ると心が折れそうになります。枠が1つでも、その1つを取るのは「誰か」です。関連動画はこちらです。

一次と二次、どちらが関門か|二次の倍率は令和5〜9年度採用とも1.4倍

広島の「結果について」には、第1次選考試験の受験者数・合格者数と、最終選考の受験者数まで載っています。つまり一次と二次を分けて見ることができます。

採用年度①1次受験者②1次合格者一次の合格率③最終選考受験者名簿登載者二次の倍率
令和5年度2,608人1,129人43.3%1,315人934人1.4倍
令和6年度2,595人1,305人50.3%1,313人906人1.4倍
令和7年度2,353人1,245人52.9%1,354人958人1.4倍
令和8年度2,068人1,050人50.8%1,434人1,023人1.4倍
令和9年度1,853人805人43.4%1,335人922人1.4倍

※一次の合格率=②÷①、二次の倍率=③÷名簿登載者数(いずれも当ブログ算出)。①②③および名簿登載者数は教育委員会の公表値。③が②より多いのは、第1次選考免除者と昨年度の大学3年生等チャレンジ受験の合格者が二次から加わるほか、現職教員・グローバル人材【教職経験者】の別日程の選考の受験者も含まれるためです。
出典:「広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」各年度版。
令和9年度採用は、令和8年10月公表の「結果について」詳細版(①1,853人・②805人・③1,335人・名簿登載者922人)による値です。

この表から読み取れるのは次のことです。最終選考を受けた人のおよそ7割が名簿に載っており、広島は一次が大きな関門になっていると考えられます。二次の倍率は、掲載した5年間いずれも1.4倍です(ただし選考区分によって登載率に差があります)。

ただし「二次は楽」ではありません。実施要項には「一定の基準に達しない試験項目等がある場合は、採用候補者名簿に登載されません」と明記されています。令和9年度採用の実施要項では基準点の数値は示されていませんが、試験項目によっては基準に届かない場合、他の項目の出来にかかわらず登載されない可能性があるということです。当ブログでは、広島の二次を落とす試験というより、基準を満たしているかを見極める試験と読んでいます。

■ 広島県・広島市の模擬授業|実録のテーマ・指導案30分+授業の流れ・評価の観点
■ 広島県・広島市の個人面接|実録3年分・受験者9名の質問と5年間の出題傾向

教科別の数字|令和9年度の志願者・登載者と令和8年度の登載者

広島は教科別の志願者数も名簿登載者数も公表しています。「自分の教科で何人が志願し、何人が名簿に載ったか」が分かる、ありがたい自治体です。

中学校教諭

教科R9 志願者R9 登載者R8 志願者R8 登載者R7 登載者
国語86人50人89人45人30人
社会152人47人158人41人29人
数学102人37人110人50人25人
理科63人27人65人41人33人
音楽39人18人45人16人8人
美術25人11人21人12人5人
保健体育197人24人197人21人22人
技術・家庭(技術)19人17人10人6人10人
技術・家庭(家庭)20人9人21人13人9人
外国語(英語)96人48人115人51人29人
計799人288人831人296人200人

中学校で目を引くのは保健体育です。志願者197人に対して令和8年度採用の登載者は21人。一方、数学は志願110人に対し登載50人、英語は志願115人に対し登載51人、理科は志願65人に対し登載41人。同じ中学校でも、教科によって状況がまったく違うことが分かります。令和9年度採用の登載者は、保健体育24人(志願197人)・数学37人(志願102人)・英語48人(志願96人)・理科27人(志願63人)でした。

高等学校教諭

教科(科目)R9 志願者R9 登載者R8 登載者R7 登載者
国語51人21人37人26人
地理歴史(地理)14人3人8人3人
地理歴史(日本史)45人5人3人11人
地理歴史(世界史)18人4人6人1人
公民(倫理)7人2人1人3人
公民(政治・経済)22人5人4人3人
数学93人16人32人19人
理科(物理)26人3人2人10人
理科(化学)19人3人11人5人
理科(生物)18人5人11人10人
理科(地学)4人2人1人1人
保健体育154人8人17人21人
芸術(音楽)9人1人4人1人
芸術(美術)12人2人1人3人
芸術(書道)15人1人1人2人
外国語(英語)63人32人29人17人
家庭14人12人4人7人
情報20人3人3人2人
農業4人2人7人1人
工業(機械)7人3人3人5人
工業(電気)7人2人2人3人
工業(建築)2人1人1人0人
工業(土木)2人1人0人0人
工業(化学工学)2人1人0人1人
工業(インテリア)0人0人0人0人
商業18人7人8人6人
看護0人0人1人2人
福祉8人1人——
計654人146人197人163人

※R9の志願者・登載者は令和9年度採用(2026年夏実施)、R8・R7の登載者は令和8年度採用(2025年夏実施)・令和7年度採用(2024年夏実施)の実績です。第1次選考の教科別受験者数は公表されていますが、一次免除者なども含む受験者数(B)の教科別内訳は確認できた結果資料に載っていないため、教科別の倍率(受験者÷登載者)は算出していません。「—」は募集していない、または登載者がいない教科等です。
出典:「令和9年度 志願者状況について」「令和9年度 結果について」「令和8年度 結果について」

高校で最も志願者が多いのは保健体育(154人)で、次いで数学(93人)・外国語英語(63人)・国語(51人)。一方、令和8年度採用の登載者は国語37人・数学32人・英語29人が上位で、保健体育は17人です。令和9年度採用の登載者は英語32人・国語21人・数学16人・家庭12人が上位で、保健体育は8人(志願154人)でした。広島の高校は、令和8・9年度採用では国語・英語の登載者が上位に入っています。一方、数学は32人から16人へと年による振れが大きい教科です。

特別支援学校教諭・養護教諭・栄養教諭

令和8年度採用の名簿登載者は、特別支援学校教諭70人(小学部37・中学部18・高等部15)、養護教諭29人、栄養教諭1人でした。特別支援学校の中学部では保健体育8人・社会5人、高等部では数学4人・保健体育3人が多い教科です。特別支援学校教諭の志願者は令和9年度採用で159人(小学部68・中学部48・高等部43)で、令和9年度採用の名簿登載者は特別支援学校教諭74人(小学部44・中学部18・高等部12)、養護教諭25人、栄養教諭1人でした。

誰が合格しているのか|登載者の内訳

広島の「結果について」には、登載者がどんな経歴の人だったかまで載っています。ここは他の自治体ではあまり見られない情報です。

区分令和9年度採用令和8年度採用令和7年度採用
新規卒業605人(65.6%)630人(61.6%)558人(58.2%)
過年度卒業317人(34.4%)393人(38.4%)400人(41.8%)
 うち小学校の新卒率76.8%71.9%70.5%
 うち高校の新卒率60.3%48.7%46.0%
教員養成学部卒(令和9年度資料の区分名は「国立大学の教員養成学部」)243人(26.4%)262人(25.6%)243人(25.4%)
その他の学部卒606人(65.7%)683人(66.8%)656人(68.5%)
大学院・大学専攻科61人(6.6%)66人(6.5%)46人(4.8%)

※名簿登載期間延長希望者は新卒の区分に含まれます。
出典:「令和9年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」(詳細版)、「令和8年度広島県・広島市公立学校教員採用候補者選考試験の結果について」

そして令和8年度採用の過年度卒393人が、試験前に何をしていたか——ここが一番リアルな数字です。

過年度卒業者の職令和9年度採用令和8年度採用令和7年度採用
臨時的任用職員220人279人268人
国公立学校教員36人(うち現職教員特別選考29人)54人(うち現職教員特別選考46人)47人(うち同37人)
会計年度任用職員14人27人33人
その他18人10人12人
育休任期付職員6人8人16人
会社員9人5人9人
無職5人5人5人
私立学校教員6人4人7人
公務員1人1人3人
実習助手(本務者)2人0人—
計317人393人400人

令和8年度採用の過年度卒393人のうち279人(71%)が臨時的任用職員——つまり広島の名簿登載者のおよそ4人に1人は、臨時的任用職員として働きながら受験して登載された方です。令和9年度採用も、過年度卒317人のうち220人(69%)が臨時的任用職員でした。「働きながらだから不利」とは限りません。令和9年度採用の実施要項では、臨時的任用等教職経験者を対象とした特別選考があり、要件を満たせば第1次選考試験で個人面接だけを受ける形になります。詳しくは特別選考の記事にまとめました。

■ 広島県・広島市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等チャレンジ受験・臨時的任用等・現職教員・加点制度

倍率との付き合い方|「例年より高い」と感じたときに

ここまで見てきたように、令和9年度採用の広島の倍率は、「志願者の増減」より「採用見込人員・名簿登載者数」の影響が大きく出ていました。つまり自分の力では変えられない要因が大きいと言えます。私自身は、倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と前向きに捉えるようにしています。そのうえで、自分がコントロールできる準備に集中していきましょう。1分のショート動画にまとめています。

そして広島の場合、数字が教えてくれる結論はシンプルです。令和9年度採用は、免除者や現職教員等の選考も含む最終選考受験者1,335人のうち922人(約69%)が名簿に登載されました。だからこそ、一般選考で受験する場合は、まず第1次選考試験の筆記(令和9年度採用の実施要項では、教諭は教職50点+教科200点)を確実に。そのうえで、模擬授業と面接で「一緒に働きたい」と思われる準備をしてください。

よくある質問

Q. 広島県と広島市で倍率は違いますか?

A. 令和9年度採用の公表資料では、県・市別の倍率は確認できませんでした。広島県教育委員会と広島市教育委員会は共同で1つの試験を実施しており、志願者数・受験者数・名簿登載者数は県市の合計で公表されています。県・市別に分かるのは採用見込人員だけ(実施要項)で、令和9年度採用は広島県796人程度+広島市289人程度(合計1,085人程度)、これに広島県の栄養教諭若干名が加わります。

Q. 「広島市を希望」と書くと不利になりますか?

A. なりません。出願要領に「県・市の希望について、リスト(広島県、広島市、どちらでもよい)からいずれか1つを選択してください(選考に影響することはありません)」と明記されています。ただし実施要項には「各採用見込人員の3割の範囲内では希望を尊重する」「それ以外の場合は、広島県の希望者が広島市の名簿に、広島市の希望者が広島県の名簿に登載されることがある」とあります。希望どおりにならない可能性があることは知っておいてください。

Q. 名簿に登載されれば必ず採用されますか?

A. 実施要項には「校種・職種・教科(科目、分野)の欠員状況等に応じて採用を決定するため、採用候補者名簿に登載された者全員が採用になるとは限りません」と書かれています。また、採用予定時までに有効な免許状を取得できなかった場合も採用されません。名簿の有効期間は原則として令和9年4月1日〜令和10年3月31日です。

Q. 合格したあと、大学院に進学することはできますか?

A. 許可を得た場合に可能です。令和9年度採用の実施要項には、採用候補者名簿の有効期間を1年間または2年間延長できる制度が定められています(教員としての資質・能力の向上を目的として大学院等に修学する場合。任命権者の許可が必要)。令和8年度採用では登載者1,023人のうち96人がこの延長を希望していました(小学校23・中学校31・高校38・特別支援4)。令和9年度採用は登載者922人のうち68人です(小学校19・中学校35・高校11・特別支援2・養護1)。ただし大学等推薦特別選考で登載された方は延長できません。対象は、出願時に受験校種・職種・教科の免許状を所有し、又は令和9年3月31日までに取得見込みの方です。取得見込みの方が同日までに取得できない場合や、延長した採用年度の4月1日時点で修了できない場合は名簿登載が取り消されます。延長の更新はできません。第2次選考会場で「意向調査票」を提出したうえで、結果通知書に同封される延長申出書を指定期限までに提出してください。どちらかを欠く場合は延長が認められません。

Q. 令和9年度採用の最終倍率はどうなりましたか?

A. 令和9年度採用の最終結果は2026年9月25日(金)に発表され、「結果について(概要)」で受験2,469人・名簿登載922人・倍率2.7倍が公表されました。その後に公表された詳細版(令和8年10月)では、第1次選考合格者805人・最終選考受験者1,335人のほか、選考区分別・教科別・新卒/過年度卒などの内訳も載っており、この記事に反映しました。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」「模擬授業に何が出たか」は受験した方の報告でしか集まりません。広島県・広島市を受験された方は、ぜひ次の年の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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