【教員採用試験】徳島県の志願書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算する

こんにちは、金井志津乃です! 

徳島県の志願書って、書く欄がすごく多いんですね……。志願理由だけじゃなくて、特技とか入賞記録とかボランティアとか。全部埋めないとダメですか?

いい質問です! 答えは「埋めることより、聞かれたい話を置くことが大事」。徳島県の実録を見ると、面接では志願書の「賞罰」「併願」「志願理由」「職歴」の欄に対応する質問が出ていました。記入した内容に関連して質問された報告があります。それが分かっていれば、書き方は自然と決まりますよ。

この記事では、徳島県公立学校教員採用候補者選考審査の志願書について、要項に書かれた記入項目と、実際の面接でどこが聞かれたかを突き合わせながら、書き方を解説します。

この記事の根拠

  • 記入項目と注意事項は令和9年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査要項の「留意事項」から。要項に書かれていることだけを載せています。
  • 「どの欄が面接で聞かれたか」は実際に受験された方の報告との突き合わせです
  • 書き方の原則は、私が動画でお話ししている注意点を5つにまとめています
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

徳島県の志願書|30秒でわかる仕組み

提出のしかた原則インターネット出願(令和9年度採用は5月7日(木)午前10時〜5月25日(月)午後5時)。徳島県ホームページのトップページ下部「オンライン行政サービス」から。インターネット出願が困難な場合に限り、県教委に連絡のうえ郵送も可。
書類の種類①志願書 ②受審票 ③整理票の3つ。インターネット出願の場合、受審票は不要。整理票は特別選考①②③と身体に障がいのある者を対象とした選考の受審者が記入。
誰が読むか第2次審査の面接官が読むと考えられます。実録では志願書の項目に沿った質問が並びました。
自己PR系の欄志願理由/資格・海外生活経験等/特技/入賞記録/部活動/自主的な活動・ボランティア活動等の6つ。加えて履歴事項(学歴・職歴)と賞罰。
字数・行数要項に記載はありません。電子申請の様式で確認してください。
いちばん大事な注意要項の注記に「志願書、受審票、整理票の記入事項が一致していること」。また「※印の欄は記入しない」/受理後の志願変更は認められません。

※出典:令和9年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査要項「令和9年度…に係る留意事項」。

要項が指示している書き方|ここは間違えると痛い

徳島県の要項は、記入方法をかなり細かく指示しています。「書き方の作法」でつまずかないよう、先に確認しておきましょう。

欄要項の指示
校種等及び職種「小学校教諭」「中学校教諭」「高等学校教諭」「特別支援学校教諭(小学部)」「特別支援学校教諭(中・高等部)」「特別支援学校教諭(医療的ケア)」「小・中学校養護教諭」「高等学校・特別支援学校養護教諭」のように記入
出願教科等高校の「理科」「工業」は「理科(物理)」「工業(機械)」のように区分まで。特別支援学校(中・高等部)は「中学部(国語)」「高等部(国語)」のように。
加点申請取得済みは○、取得見込みは△をつけ、資格名を記入。取得見込みの場合は免許状取得見込証明書の提出が必須。
コード番号校種・教科ごとの2桁の数字を記入(小学校10、中学校20〜29、高校30〜54、特別支援60〜66、養護教諭70・71など)
実技種目選択中学・高校「保健体育」の受審者は「柔道」「剣道」「ダンス」の3種目から1つを選んで○
年齢令和9年4月1日現在の年齢を記入
写真縦4cm×横3cm。裏面に氏名を記入。スナップ写真は不可。
国籍日本国籍か外国籍かに○(日本国籍を有しない方を任用する場合は、任用の期限を付さない常勤講師となります)
教員免許状「小一」「中二(国)」「高専(数)」「養教一」のように記入。特別支援学校は「特支一(知・肢)」のように領域まで。
履歴事項学歴は高等学校から。通信教育部への編入・修了も記入。職歴は日付順に期間と職名を正確に。空白の期間がある場合は最後の行に「空白の期間はすべて在家」と記入。
賞罰ある場合は年月日と内容を具体的に、ない場合は「なし」。賞のみの場合は内容を書いたうえで「罰はなし」と記入(逆も同様)。

細かいですよね。でもこの細かさに、県の性格が出ています。「空白の期間はすべて在家と書く」「賞のみなら罰はなしと書く」——ここまで指示するのは、書類の正確さを重く見ているということ。実録の面接で「賞罰の有無」が聞かれていたのも、偶然ではないと思います。

実録から逆算|志願書のどこが、どう質問になったか

令和7年度採用(2024年夏実施)に特別支援学校を受験された方の個人面接を、志願書の欄と並べてみます。

志願書の欄実際に聞かれた質問
賞罰賞罰の有無を教えてください。
出願資格・併願併願していますか。→ 併願先と両方受かったらどうしますか。→ 併願先の一次試験の結果はどうでしたか。→ 併願先の二次試験は終わりましたか。
志願理由徳島県を受けるのは初めてですか。/徳島県を志望する理由を教えてください。/なぜ、特別支援学校の教員なのですか。
履歴事項(職歴)これまでの職務経験の中で、困難だったこと・大変だったことを教えてください。→ それをどう乗り越えましたか。/これまでの勤務の中で気をつけたことは何ですか。
(志願書全体から)学校とは、子どもにとってどんな場所ですか。/ポジティブ行動支援のどんなところに興味がありますか。/ICTを今後どのように使いたいですか。/4月から徳島県の学校に赴任しました。どんなことを頑張りたいですか。

見えてくるものが3つあります。

  1. 志願書の欄に対応する内容が質問された報告があります。実録には、賞罰・併願・志望理由・職歴に関する質問があります。だから志願書を書き終えた時点で、面接で聞かれそうな材料は自分で書いたことになるのです。
  2. 職歴に関連する困難や、その乗り越え方を準備しておきましょう。職歴に関連して「そこで何が大変でしたか」「どう乗り越えましたか」と聞かれた報告があります。職歴を1行書くごとに、エピソードを1つ用意しておく——これが徳島県の準備です。
  3. 「なぜ徳島県か」は聞かれた報告があります。「徳島県を受けるのは初めてですか」という確認つきでした。県外の方は特に、「なぜ他県ではなく徳島県なのか」を志願理由の欄で言い切っておくことをおすすめします。

■ 徳島県の個人面接|受験者2名・3件の実録と出題傾向(二次は模擬授業+個人面接で450点)

志願書を書く5つの原則|私が動画でお話ししている注意点

①「深掘りしてほしい種」だけを撒く

志願書はすべてを説明する書類ではありません。面接官に「ここを聞きたい」と思わせる種を撒く書類です。徳島県の実録がまさにそうでした——書いてある職歴から「大変だったことは?」、志望理由から「なぜ特別支援なのか?」と広がっています。

志願書の各内容は、よく吟味して書きましょう。ただし、職歴・賞罰など書く書かないの選択の余地がないものは、面接で突っ込まれたときにどう答えるかを事前に考えておきましょう。

②突っ込み質問を考えながら書く

1文書くごとに「これを読んだ面接官は、次に何を聞きたくなるか」を想像してください。徳島県は、私が確認できた範囲では追質問がつながる質問が目立つ県です。実録でも「併願していますか」から4問続きました。

おすすめは、志願書を書きながら面接官の突っ込み質問を考えておくことです。「それは具体的には?」「なぜそう思ったのですか?」「学校現場ではどう生かせますか?」といった質問を見据えておけば、面接で深掘りされても的確に答えやすくなります。

③資質能力のバランスを見る

志願書全体を読み返したとき、同じ種類の長所ばかりになっていませんか。「明るい」「元気」「前向き」——全部同じ引き出しから出しています。

教員に求められる資質は、大きく分けて①子どもと関わる力 ②教える力(専門性) ③組織で働く力の3つ。志願理由・特技・部活動・ボランティアの各欄で、この3つがバランスよく見えるように配置してください。徳島県の志願書は欄が多いぶん、これがやりやすい設計になっています。

④項目の意図を正確に読む

徳島県の要項は、各欄に意図をはっきり書いてくれています。ここを読み違えないでください。

志願理由「出願する校種・教科等を踏まえて動機や理由等を具体的に記入すること」=「教員になりたい理由」ではなく「この校種・この教科で徳島県の教員になりたい理由」を書く欄です
特技「学校教育に生かすことができる特技を記入すること」=趣味の紹介欄ではありません。「その特技が、教室でどう役立つか」まで見える書き方を。
入賞記録「各種競技会の参加記録、入賞記録(高校時代以降の全国大会以上の大会名と成績)」=範囲がはっきり決まっています。県大会や中学時代の記録は対象外です。
部活動「同好会的なものを除き、それぞれの校種で継続して活動していたもの」。どの期間が記入対象に当たるか迷う場合は、県教委に確認してください。
自主的な活動・ボランティア活動等「顕著なものを記入すること」=数を並べるのではなく、深く関わったものを
資格・海外生活経験等加点申請をする方は資格名と得点や級を必ず記入。スポーツの段位・公認審判員なども。海外生活経験等、特記する経歴があれば記入。

ここ、本当に大事です。要項には「学校教育に生かすことができる特技」を記入するよう書かれています。たとえば「ピアノ(学級での歌唱指導や行事の伴奏に生かせます)」のように、学校でどう生かせるかを添えておくと、面接で深掘りされたときにも答えを用意しやすくなります。趣味や特技、経歴なども、突っ込み質問を見据えて書きましょう。

⑤丁寧な字で書き、何人かの目を通す

徳島県は原則インターネット出願なので手書きの場面は減りましたが、郵送で出願する方と、受審票を手書きする方もいます。字は上手でなくていいので、丁寧に書いてください。丁寧さは伝わります。

そして必ず複数の人に読んでもらうこと。自分では気づけない「伝わらなさ」があります。大学の先生、講師仲間、家族——誰でもいいので、「この人はどんな先生になりそうだと思った?」と聞いてみてください。返ってきた答えが、あなたが書いたつもりのものとズレていたら、そこが直すところです。

書き方のコツ|「言わないと分からないこと」に字数を使う

私自身、新卒で愛知県を受けたときの自己PRを大学の講演で公開したことがあります。そこでお伝えしたのは「言わんでも分かることは書かない」という一点です。

  • 長所は3つの引き出しからバランスよく——子どもと関わる力・教える力・組織で働く力
  • 2文目に「目的」を置く——何ができるかではなく、その力で「何を実現したいか」
  • 3文目で「種」を撒く——面接官が思わず聞きたくなる具体を、あえて説明しきらずに置く

実際の文章例(私が書いた自己PRの全文)は、愛知県の記事で公開しています。県が違っても、組み立て方はそのまま使えます。

■ 実物公開|私が新卒で受験したときの自己PR(愛知県の記事)

アルバイトや前職の経験を書くときのコツは、「学校で生きる形」に翻訳することです。「接客業でクレーム対応をしていた」ではなく、「相手の話を最後まで聞いてから事実を確認する習慣がついた」。そこまで書けば、面接官は保護者対応の場面を思い浮かべます——確認できた範囲では、徳島県は保護者対応に関する質問が目立つ県ですから、ここは効きます。

徳島県向けに着地させる|大綱の言葉と自分の言葉をつなぐ

徳島教育大綱(令和6年3月)|志願理由の着地に使える言葉

基本方針は「個性と国際性に富み、夢と志あふれる『人財』の育成」。求められる「人財」の具体像は果敢に挑戦する人財/新たな価値を共創する人財/地域のために行動する人財の3つ。重点項目はⅠ 未来を拓く力(教育DX・グローカル人財)/Ⅱ 個性を生かし確かな学びを育む/Ⅲ 全ての人の可能性を引き出し多様性を育む(ポジティブ行動支援・ダイバーシティとくしま)/Ⅳ 人生100年時代のマルチステージ(ウェルビーイング)/Ⅴ 地域・家庭・学校の連携・協働/Ⅵ 文化・スポーツが躍動する(藍染・阿波おどりなど「あわ文化」)の6つです。

実録の面接では、この大綱の言葉「ポジティブ行動支援」がそのまま質問になりました。志願理由に自分の言葉で県の方向性を織り込んでおくと、面接での話が一本につながります。

ただし大綱の言葉をコピーして貼るのはNGです。面接で深掘りされたときにボロが出てしまうからです。やりたい教育と県の求める教育をマッチさせるために、「大綱の言葉 → 自分の経験 → 具体的にやりたいこと」の順でつなぐ方法があります。たとえばこうです。

×「徳島県が推進するダイバーシティとくしまの実現に貢献したい」
(=どの県にも当てはまる、中身のない一文)

○「実習で、行動の理由を一緒に探すことで子どもが落ち着いていく場面に出会いました。行動の背景を見て支援を組み立てる考え方を学び続け、徳島県の学校で実践したいと考えています」
(=ポジティブ行動支援に自分の経験でつながっている。「その場面をもう少し詳しく」と聞かれた場合に備えて準備しておきましょう)

書いたあとにやること

提出したら終わり、ではありません。志願書は面接の台本です。提出後にやることが3つあります。

  1. 提出した内容の控えを必ず残す。インターネット出願だと手元に残らないことがあります。提出前に必ずスクリーンショットか印刷を。令和9年度採用の二次は原則8月16日〜24日ですが、特別選考②ア・ウで東京会場を希望する方は7月19日です。時間が空いても記入内容を確認できるようにしておきましょう。
  2. 全項目に「深掘りツリー」を作る。1項目につき3階層の追質問を想定して、答えを口に出して言ってみる。
  3. 書いた文章をそのまま暗記しない。志願書は書き言葉、面接は話し言葉です。丸暗記した文章を読み上げると、必ず不自然になります。「伝えたい中身」だけを覚えて、その場の言葉で話す。

よくある質問

Q. いつまでに書けばいいですか?

A. 令和9年度採用の出願期間は5月7日(木)午前10時〜5月25日(月)午後5時(インターネット出願)でした。ただし特別選考や加点申請の証明書等は別途郵送(5月25日消印有効・書留)で、大学等に証明書を発行してもらう時間も必要です。ゴールデンウィーク前には書き始めておくのが安全です。

Q. 「自己申告書」という様式もあると聞きました

A. それは自己PRの書類ではありません。特別選考②ア(介護、育児、家族の転勤等による転居を理由に本県教員を退職した方)が提出する「退職理由についての申告書」です。教諭としての職歴、退職年月日、退職の事由、その事由がどのように改善されたかを記入します。該当する方以外は提出不要です。

Q. 大学3年生の前倒し受験でも志願書は書きますか?

A. 書きます。「大学3年生等を対象とした選考」も出願手続が必要です。令和9年度採用のこの選考では第1次審査の全科目を受け、一定基準を満たした方が、翌年度に同一の校種・教科・職種へ出願すると一次免除になります。翌年も出願が必要です。翌年度の志願書様式や提出方法は、その年度の要項で確認してください。

Q. 講師をしています。何を書けば強いですか?

A. 講師の方には3つの強みがあります。①クオリティ——実際に授業を回してきた経験は、新卒の方には出せない具体性になります。②信用——現場での経験を前向きに捉え、学びを得ながら取り組んできた積み重ねを伝えましょう。③フレッシュさ——現場を経験しても、教員を目指したときの初心や信念を忘れていないこと。徳島県の実録でも「これまでの職務経験の中で困難だったこと」「どう乗り越えたか」が実際に聞かれています。職歴欄に書いた期間ごとに、エピソードを1つずつ用意しておきましょう。なお徳島県の臨時教員経験には特別選考④(論文免除)と加点(10)(最大30点)もあります(特別選考の記事はこちら)。

Q. 志望動機と志願理由は分けて考えるべきですか?

A. 徳島県の志願書にあるのは「志願理由」の欄1つです。要項の指示は「出願する校種・教科等を踏まえて動機や理由等を具体的に記入すること」。つまりこの欄には①なぜ教員か ②なぜこの校種・教科か ③なぜ徳島県かの3つを整理しておくと、具体的に書く際の助けになります。実録では「徳島県を志望する理由」と「なぜ特別支援学校の教員か」が質問されていました。

Q. 記入事項が3つの書類で食い違ったらどうなりますか?

A. 要項に「志願書、受審票、整理票の記入事項が一致していること」と明記されています。また「書類不備のものは受理しない」「受理した書類は返却しない」「受理後の志願変更は認めない」とも書かれています。提出前に、3つの書類を並べて突き合わせてください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

「志願書のこの欄を、面接でこう聞かれた」という情報は、次に受ける方にとって何よりの手がかりになります。徳島県は、令和8年10月時点で報告が少ない自治体です。ぜひ教えてください。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

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